JP3699744B2 - 協調型推論装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、協調型推論装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
協調型推論装置の一例として、契約ネットに基づいた協調型推論装置がある。契約ネット型推論装置は、多くの場合、各々異なる推論知識をもつ問題解決手段によって構成される。解決すべき問題が、契約ネット型推論装置内のひとつの問題解決手段に与えられると、その問題解決手段は、自らの推論知識を用いて推論を行ない、問題を解決しようとする。与えられた問題のうち、解決できる部分は自らの推論知識を用いて解決するが、自ら解決できない部分は通信手段を用いて他の問題解決手段に対して問題解決を行なうよう公告を行なう。他の問題解決手段は公告された内容に対して、入札を行なうかどうかを決定する。公告を行なった問題解決手段は入札されたもののうち適当なものを選択し、落札する。また落札をうけた問題解決手段も自ら解決できないような問題に対しては公告を行なうことができる。
【0003】
このような協調型推論装置を用いて何らかの問題解決をおこなった場合、その問題の性質によって処理が集中する問題解決手段とそうではない問題解決手段が存在する。また、現在何らかの部分問題を処理している問題解決手段は他の問題解決手段からの推論処理要求には答えられないため、推論の依頼側の問題解決手段は依頼先の処理が終るまで待たされることとなる。即ち、全体の推論においてボトルネックとなる問題解決手段が発生してしまう。
【0004】
より具体的には、契約ネットではある種類の推論を行なう問題解決手段は予め限られた個数しか存在しないので、与えられた問題がその問題解決手段に大きく依存するような性質のものであったならば、複数の問題解決手段のうちその問題解決手段のみに処理が集中し全体の推論速度がそこで制限されてしまうことになる。
【0005】
従来のコンピュータネットワークのような分散計算機環境においては、ある問題解決手段がなんらかの処理を行なっている時に他の推論処理を依頼する場合、推論処理の依頼元や何らかの管理手段が同一の問題解決手段をもう一つ作成し、複製された問題解決手段に推論処理を依頼するなどの方法がある。また、予め一定個数の問題解決手段を作成し、待機させておくなどの方法を用いることもある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、推論処理の依頼元や何らかの管理手段が複製を行なうかどうかの判断を行なう方法では、推論処理の依頼元や管理手段は対象とする推論装置に関する情報を集めなければならず、情報の集中や通信コストの増大といった面から見て好ましくなかった。更に、対象とする推論装置に関する調査を行なってから判断を下す間に状況が変化する可能性もあり、必ずしも適切な判断が下せないなどの問題があった。また、予め一定個数の問題解決手段を作成しておく方法では、問題解決手段は使用されなければ計算機資源の無駄となり、反対に予測より多くの推論処理が集中すれば同様の問題が発生する。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、計算機上に設けられ特定の問題について相互に情報交換を行って前記特定の問題を解決する複数の問題解決手段と、前記問題解決手段からの複製依頼に基づいて該依頼した問題解決手段の複製を計算機上で実行中のプログラムの実態をメインメモリ上の別の位置にコピーすることにより行う複製手段とを有し、前記計算機が前記複数の問題解決手段および複製手段を用いて処理を行うことにより推論処理を行う協調型推論装置であって、前記一の問題解決手段は、前記特定の問題について自身が解決することができるか否かを前記計算機による実行により判断するための第1の判断プログラム手段と、この手段の前記計算機による実行により自身では解決することができないと判断された場合に、他の問題解決手段に前記特定の問題の解決を依頼するための解決依頼プログラ ム手段と、所定の時点で自身が問題解決を行っているか否かを前記計算機による実行により判断するための第2の判断プログラム手段と、この手段の前記計算機による実行により問題解決を行っていると判断された場合に、前記複製手段に対し自身の複製を依頼するための複製依頼プログラム手段とを備え、前記複製依頼プログラム手段は、前記第1の判断プログラム手段,前記解決依頼プログラム手段,前記第2の判断プログラム手段および前記複製依頼プログラム手段を含む自身の複製を依頼するための手段であることを特徴とする協調型推論装置である。
【0008】
また、請求項2に係る発明は、計算機上に設けられ特定の問題について相互に情報交換を行って前記特定の問題を解決する複数の問題解決手段と、前記問題解決手段からの複製依頼に基づいて該依頼した問題解決手段の複製を計算機上で実行中のプログラムの実態をメインメモリ上の別の位置にコピーすることにより行う複製手段とを有し、前記計算機が前記複数の問題解決手段および複製手段を用いて処理を行うことにより推論処理を行う協調型推論装置であって、前記一の問題解決手段は、前記特定の問題について自身が解決することができるか否かを前記計算機による実行により判断するための第1の判断プログラム手段と、この手段の前記計算機による実行により自身が解決することができないと判断された場合に、他の問題解決手段に対して前記特定の問題の解決を依頼するための第1の解決依頼プログラム手段とを備え、前記他の問題解決手段は、前記一の問題解決手段から前記特定の問題の解決を依頼された場合に、自身が他の問題の解決を行っているか否かを前記計算機による実行により判断するための第2の判断プログラム手段と、この手段の前記計算機による実行により自身が他の問題の解決を行っていると判断された場合に、前記複製手段に対し自身の複製を依頼するための複製依頼プログラム手段と、この手段の前記計算機による実行による複製依頼に基づいて複製された問題解決手段に対し、前記前記特定の問題の解決を依頼するための第2の解決依頼プログラム手段とを備え、前記複製依頼手段は、前記第2の判断プログラム手段,前記複製依頼プログラム手段,前記第2の解決依頼プログラム手段を含む自身の複製を依頼することを特徴とする協調型推論装置である。
【0009】
【作用】
本発明によれば、ある問題解決手段が推論を行なっている時に他の問題解決手段から推論処理が依頼された場合、その問題解決手段は自己の複製を作成するかどうかを自ら判断する。複製を作成する場合は、複製手段を用いて同一の問題解決手段をもう一つ作成し、複製された問題解決手段に推論処理を依頼する。
【0010】
【実施例】
以下、図面を参照しながら本発明の一実施例について説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る協調型推論装置の構成を示す概念図である。同図において、問題解決手段1a,1b,1c(これらを「問題解決手段1」と総称する。以下、同じ。)は、通信路2を介して相互に接続され、また、通信路2を介して入出力手段3と複製手段4とに接続されている。
【0011】
問題解決手段1はそれぞれ、推論手段11、診断手段12及び外部通信手段13を有している。推論手段11は、所定の知識が格納された知識格納手段111と、この知識格納手段に基づいて実際の推論を行う推論エンジン(図示せず)とからなる。本実施例では、問題解決手段1a,1b,1cにおける推論手段11のそれぞれは、それぞれ異なる推論を行うものとする。診断手段12は、自身以外の他の問題解決手段によって公告された問題に対して入札を行うかどうかを判断し、また、入札の結果落札された場合は、その問題を自ら引き受けるかどうかを判断し、それに応じて各種の処理を行うものであるが、詳細については後述する。外部通信手段13は、通信路2を介して他の問題解決手段や複製手段4と通信を行うための機構を備えている。
【0012】
入出力手段3は、例えば、ユーザと対話的操作を可能とするものであるが、他のシステムとの間で情報をやりとりするインターフェースであってもよい。
複製手段4は、問題解決手段1におけるいずれかの診断手段12からの依頼により、その依頼元である問題解決手段1の複製を作成するためのものである。
【0013】
次に、上記のように構成された協調型推論装置の動作について説明する。ここでは、協調型推論装置を英日翻訳システムとし、問題“the apple is lisa ”(以下「問題A」という)が入出力手段3より入力された場合について説明する。また、各問題解決手段1は英文法上の品詞にそれぞれ対応して推論を行うことができる。即ち、問題解決手段1aにおける推論手段11は名詞、問題解決手段1bにおける推論手段11は動詞、問題解決手段1cにおける推論手段11は冠詞をそれぞれの知識格納手段111に格納された知識に基づいて日本語に変換することができるものとする。また、各問題解決手段1は、与えられた英文を単語毎に切り出し、翻訳された単語を組み合わせて日本語の文章を構成する能力を有しているものとする。
【0014】
図2は、問題解決手段の動作の流れを説明するための図である。同図において、入出力手段3から問題Aが任意の問題解決手段に与えられる(s22)。ここでは、問題Aが、問題解決手段1bに与えられたものとする。問題解決手段1bは、問題に関して自らの推論手段11を用いて推論を行う(s23,s24)。問題解決手段1bは、与えられた問題のうち、動詞“is”を翻訳することができるが(s25)、問題解決手段1bは、他の品詞“the ”,“apple ”及び“lisa”を翻訳することはできない。そこで、問題解決手段1bは、この自ら解決できない問題(以下「部分問題」という)について、外部通信手段13を用いて他の問題解決手段1a,1cに対して公告を行なう(s26)。ここでは、まず、部分問題“apple ”について公告するものとする。この場合、例えば、(公告,"apple" )から構成されるメッセージを通信路2を介して他の問題解決手段に通知する。他の問題解決手段は、自己の診断手段12を用いて、その問題に対して入札を行なうかどうかを決定する。
【0015】
図3は、診断手段の構成を示す図である。同図において、メッセージ解析部121は、外部通信手段13から送られてきたメッセージを解析し、その解析結果に基づいてさまざまな処理を依頼する。例えば、メッセージとして(公告,"apple" )を受け取った場合、メッセージ解析部121は、メッセージの第1データを抽出する。この場合、「公告」であるので、メッセージ解析部121は、次に、第2データを抽出し、それを推論実行判断部122に渡すこととなる。推論実行判断部122は、受け取ったデータが、自己の推論手段11が推論を実行できるかどうかを推論種類テーブル123を検索し、その旨をメッセージ作成部124に通知する。即ち、上記日英翻訳システムの例では、推論種類テーブル123には、自己の推論手段11が翻訳できる単語の品詞が登録されており、受け取った第2のデータについてその品詞を解析し、その品詞が登録されているかどうかを照合する。照合した結果、推論種類テーブル123に登録されている場合には、推論実行判断部122は、自己の推論手段が推論できるものである旨を、また、登録されていなかった場合には、推論できない旨をメッセージ作成部124に通知する。メッセージ作成部124は、送られてきたさまざまなデータに基づいて、通信路2に流すメッセージを作成するものである。例えば、公告に対して(公告である旨はメッセージ解析部121より通知される)、推論できる旨を受け取った場合には、入札する旨のメッセージを作成し、外部通信手段13に渡すことになる。また、推論できない旨を受け取った場合には、無視する。
【0016】
推論状態フラグ125は、自己の推論手段11が現在推論を行っているかどうかに関する状態を「0」又は「1」のフラグの形式で管理している。即ち、メッセージ解析部121によって推論すべき旨のメッセージを受け取り、その問題を推論手段11に渡す場合には、同時に推論状態フラグを「1」に書き換える。また、推論手段11により推論が完了した場合には、推論結果を受け取ったメッセージ作成部124は、この推論状態フラグ125を「0」に書き換える。この推論状態フラグ125はまた、メッセージ解析部121によって適宜参照される。
【0017】
タイマー126は、推論状態フラグ125を監視し、推論状態フラグ125の状態が「0」のまま一定時間経過した場合に、その旨を自己消滅手段127に通知する。そして、自己消滅手段127は、一定条件の下、問題解決手段それ自身を消滅するものである。なお、自己消滅手段127による消滅は、例えば、オペレーティングシステムレベルで処理するようにしてもよい。
【0018】
図4は、診断手段12が公告を受け取った場合の処理の流れを説明するための図である。同図において、まず、他の問題解決手段からのメッセージは、メッセージ解析部121に入力される(s42)。メッセージ解析部121は、そのメッセージを解析し、第2データである単語を推論実行判断部122に渡し、推論実行判断部122は、単語の品詞を判断し(s43)、推論種類テーブル123を照合することによりその単語が翻訳できるか否かを確認する(s44)。そして、推論を実行することができると判断した場合には、その旨をメッセージ作成部124に通知し、メッセージ作成部124は、入札を行うべく、メッセージを通信路2に流す。一方、推論実行判断部122によって品詞の判断ができないと解析された場合や、解析されたにもかかわらず推論手段11によって推論することにより翻訳できない品詞であると判断された場合には、その旨メッセージ作成部124に通知する。
【0019】
問題解決手段1bによって公告され、上記処理を経て、問題解決手段1aが入札を行なったものとする。入札とは、ある公告に対して自己がその部分問題を解決することを宣言することである。本実施例では、入札を行う問題解決手段は、(入札する旨,問題,自己の名前)からなるメッセージを通信路2に流す。つまり、上記日英翻訳システムの例では、(入札,"apple" ,1a)からなるメッセージを通信路2に流し、問題解決手段1bはこれを拾い上げる。
【0020】
一方、落札とは、公告を行った問題解決手段が所定の基準に従ってある問題解決手段を選択することである。落札の基準としては、例えば、最も入札の早かった問題解決手段を選択する等があるが、問題に対する適応度を入札時のメッセージ中に含めることにより、その適応度に従って行うようにしてもよい。ここでは、入札が問題解決手段1aによってのみ行なわれるので、問題解決手段1bは、問題解決手段1aを選択(落札)する。
【0021】
落札が行われると、落札された問題解決手段は、推論依頼のメッセージを受け取って、自己の推論手段11により、推論を行うこととなる。
ところで、上記入札及び落札は、自己の推論手段11の状態に関係なく行われる。従って、推論手段11が推論中で他の問題を推論することができない場合についても、推論依頼を受け取ることもある。
【0022】
そこで、このような場合には、問題解決手段は、以下のように動作する。
図5及び図6は、問題解決手段が推論依頼を複数受け取った場合の動作を説明するための図である。
【0023】
上記の例において、問題解決手段1bが部分問題"apple "について落札を行った後、問題解決手段1bは部分問題“lisa”について公告を行う。これについても、同様に、入札及び落札が行なわれ、問題解決手段1aが落札したものとする(図5のs52,s53,s54,s55)。しかし、この時点では問題解決手段1aの推論手段11は、先に落札した部分問題“apple ”の推論処理を行なっている(s56)。診断手段12において、メッセージ作成部124は、先に落札した問題の推論結果を推論手段11から受け取っていないと判断した場合、推論実行中であるとみなし、外部通信手段13を用いて複製手段4に自分と同じ問題解決手段の複製を依頼する(s59)。複製手段4は、依頼元の問題解決手段1aと同じ推論手段をもつ別の問題解決手段1aを複製し(これを「問題解決手段1a(1) ,1a(2) 」と表すこととする)、その宛先を複製元である問題解決手段1a(1) の診断手段12に通知する。複製は、例えば、計算機上で実行中のプログラムの実体をメインメモリ上の別の位置にコピーすることにより行われる。問題解決手段1a(1) の診断手段は、新しく作成された問題解決手段1a(2) に対して部分問題“lisa”を依頼し(s510)、以後問題解決手段1a(2) と通信するように部分問題の本来の依頼元である問題解決手段1bに問題解決手段1a(2) の宛先を通知する(s511)。
【0024】
依頼先である問題解決手段1a(2) では、図6に示すように、部分問題と依頼元との情報が揃った場合に(S61)、自らその部分問題について推論を行って、その単語を翻訳し(s62)、その結果を依頼先である問題解決手段1a(1) へ返答する(s63)。
【0025】
図7は、複製手段により複製された場合における協調型推論装置の構成を示す概念図である。即ち、同図は、問題解決手段1a(1) の複製として問題解決手段1a(2) が複製手段4によって複製された状態を示している。
【0026】
このようにして、本実施例に係る協調型推論装置は、問題を推論し、又は部分問題について公告を行って入札・落札を行って、必要に応じて複製を行って問題を解決していく(図2のs29)。
【0027】
部分問題"apple" について公告、落札が終了すると、問題解決手段1bは、部分問題“the ”を公告する。それに対して、問題解決手段1cが入札し、問題解決手段1bは問題解決手段1cに対して落札する。以後、はじめに問題が与えられた問題解決手段1bに部分問題“apple ” ,“lisa”の推論結果「りんご」、「リーサ」及び部分問題“the ”の推論結果「その」が返され、問題解決手段1bは自ら推論した部分問題“is”の推論結果「です」と併せて、個々の問題解決手段に備わっている文法知識に基づいて問題Aに対する最終的な推論結果「そのりんごはリーサです」を作成する(s210)。問題解決手段1bは、その最終的な推論結果を入出力手段3へ送る(s211)。
【0028】
図8は、入出力手段3より与えられた問題が問題解決手段によって処理される流れを示した概念図である。即ち、同図(a)は、問題解決手段1bに与えられた問題が部分問題として他の問題解決手段に渡されるとともに、問題解決手段1aについては問題解決手段1a(2) が複製された状態を示している。また、同図(b)は、各問題解決手段によって推論された結果が問題解決手段1bに集められ、最終的な結果を出力している状態を示している。
【0029】
ここで、本発明に係る協調型推論装置と従来の協調型推論装置との情報の流れに着目して比較する。図9(a)は、本発明に係る協調型推論装置における各手段間の情報の流れを示す図であり、同図(b)は、従来の協調型推論装置における各手段間の情報の流れを示す図である。即ち、同図(b)は、推論処理の依頼元(本実施例における問題解決手段1bに相当する)が複製を行なうかどうかを判断する場合である。具体的には、同図(b)において、問題解決手段1bは問題解決手段1aに問題解決を依頼する。しかし、問題解決手段1aは現在、他の問題を処理中であるため、新たな問題の依頼を拒否することを問題解決手段1bに返答し又はその依頼を無視する。そこで、問題解決手段1bは複製手段4に問題解決手段1aの複製を依頼する。複製手段は問題解決手段1a(2) を作成し、その宛先を問題決手段2に返す。そして、問題解決手段1bは改めて問題解決手段1a(2) に問題解決を依頼する。
【0030】
同図(a)に示すように、本発明に係る協調型推論装置によれば、通信の負荷が推論処理の依頼元から推論処理の依頼先へと移行しているのに対し、従来の協調型推論装置では、依然として依頼元に通信の負荷が集中しているのがわかる。一般に、契約ネットを用いた協調型推論装置では、推論処理の依頼は初めに入出力手段から問題を受け取った問題解決手段が行なう。そのため、推論処理の依頼元に多くの通信負荷がかかるようなシステムでは、協調型推論装置全体において通信がそこに集中することになり効率的でない。そこで、本発明に係る協調型推論装置は、それを依頼先の各々の問題解決手段へと移行することで通信負荷を分散し、情報の集中やそれに基づく時間的な遅れを回避でき、効率的な推論を行うことができるようになる。
【0031】
なお、複製された問題解決手段は、複製を依頼した問題解決手段と同様に他の問題解決手段の公告に対して入札を行なうことができる。また、診断手段12の判断によって自己の複製の作成を複製手段に依頼することもできる。
【0032】
次に、本発明の第2の実施例に係る協調型推論装置について説明する。
図10は、本発明の第2の実施例に係る協調型推論装置の構成を示す概念図である。本実施例に係る協調型推論装置は、さらに共有記憶手段5を備えている。
【0033】
同図において、問題解決手段1a(2) は、問題解決手段1aの複製であり、共有記憶手段5が通信路2に接続されている。なお、共有記憶手段5は、例えば、共有メモリによって実現することができる。共有記憶手段5の役割は、以下の通りである。
【0034】
即ち、上記の実施例に沿って、問題解決手段1aが複製手段4を用いて問題解決手段1a(2) を作成する際には、複製された問題解決手段1a(1) とその複製元の問題解決手段1a(1) との間で、依頼された部分問題の数(上記例においては、依頼された名詞の数)の整合性をとる必要がある。つまり、問題解決手段1a(1) 及び1a(2) 依頼された部分問題の数を数えるカウンタが2つ存在することを回避するため、両者で共有記憶手段5を用いてカウンタを共有する。そこで、問題解決手段1のそれぞれは、依頼された部分問題の個数を共有記憶手段5内の対応する領域において管理している。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればコンピュータネットワークのような分散計算機環境において実装された協調型推論装置において、負荷の高い問題解決手段が自ら自己の複製を作成することで、単一の問題解決手段への処理の集中、推論依頼側の問題解決手段の推論処理が待たされる等の問題を防ぐと同時に、各問題解決手段を複製するか否かは各問題解決手段の独自の判断で処理されるため、推論処理の依頼元への情報の集中が回避され、通信負荷が分散されることになる。その結果、与えられた問題を効率よく推論することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係る協調型推論装置の構成を示す概念図。
【図2】 問題解決手段の動作の流れを説明するための図。
【図3】 診断手段の構成を示す図。
【図4】 診断手段が公告を受け取った場合の処理の流れを説明するための図。
【図5】 問題解決手段が推論依頼を複数受け取った場合の動作を説明するための図。
【図6】 問題解決手段が推論依頼を複数受け取った場合の動作を説明するための図。
【図7】 複製手段により複製された場合における協調型推論装置の構成を示す概念図。
【図8】 与えられた問題が問題解決手段によって処理される流れを示した概念図。
【図9】 本発明に係る協調型推論装置と従来の協調型推論装置とを比較説明するための図。
【図10】 本発明の第2の実施例に係る協調型推論装置の構成を示す概念図。
【符号の説明】
1…問題解決手段
2…通信路
3…入出力手段
4…複製手段
5…共有記憶手段
11…推論手段
12…診断手段
13…外部通信手段
111…知識格納手段
121…メッセージ解析部
122…推論実行判断部
123…推論種類テーブル
124…メッセージ作成部
125…推論状態フラグ
126…タイマー
127…自己消滅手段
Claims (2)
- 計算機上に設けられ特定の問題について相互に情報交換を行って前記特定の問題を解決する複数の問題解決手段と、前記問題解決手段からの複製依頼に基づいて該依頼した問題解決手段の複製を計算機上で実行中のプログラムの実態をメインメモリ上の別の位置にコピーすることにより行う複製手段とを有し、前記計算機が前記複数の問題解決手段および複製手段を用いて処理を行うことにより推論処理を行う協調型推論装置であって、
前記一の問題解決手段は、
前記特定の問題について自身が解決することができるか否かを前記計算機による実行により判断するための第1の判断プログラム手段と、
この手段の前記計算機による実行により自身では解決することができないと判断された場合に、他の問題解決手段に前記特定の問題の解決を依頼するための解決依頼プログラム手段と、
所定の時点で自身が問題解決を行っているか否かを前記計算機による実行により判断するための第2の判断プログラム手段と、
この手段の前記計算機による実行により問題解決を行っていると判断された場合に、前記複製手段に対し自身の複製を依頼するための複製依頼プログラム手段とを備え、
前記複製依頼プログラム手段は、前記第1の判断プログラム手段,前記解決依頼プログラム手段,前記第2の判断プログラム手段および前記複製依頼プログラム手段を含む自身の複製を依頼するための手段であることを特徴とする協調型推論装置。 - 計算機上に設けられ特定の問題について相互に情報交換を行って前記特定の問題を解決する複数の問題解決手段と、前記問題解決手段からの複製依頼に基づいて該依頼した問題解決手段の複製を計算機上で実行中のプログラムの実態をメインメモリ上の別の位置にコピーすることにより行う複製手段とを有し、前記計算機が前記複数の問題解決手段および複製手段を用いて処理を行うことにより推論処理を行う協調型推論装置であって、
前記一の問題解決手段は、
前記特定の問題について自身が解決することができるか否かを前記計算機による実行により判断するための第1の判断プログラム手段と、
この手段の前記計算機による実行により自身が解決することができないと判断された場合に、他の問題解決手段に対して前記特定の問題の解決を依頼するための第1の解決依頼プログラム手段とを備え、
前記他の問題解決手段は、
前記一の問題解決手段から前記特定の問題の解決を依頼された場合に、自身が他の問題の解決を行っているか否かを前記計算機による実行により判断するための第2の判断プログラム手段と、
この手段の前記計算機による実行により自身が他の問題の解決を行っていると判断された場合に、前記複製手段に対し自身の複製を依頼するための複製依頼プログラム手段と、
この手段の前記計算機による実行による複製依頼に基づいて複製された問題解決手段に対し、前記前記特定の問題の解決を依頼するための第2の解決依頼プログラム手段とを備え、
前記複製依頼手段は、前記第2の判断プログラム手段,前記複製依頼プログラム手段,前記第2の解決依頼プログラム手段を含む自身の複製を依頼することを特徴とする協調型推論装置。
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