JP3699338B2 - 生体電気インピーダンス測定装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体電気インピーダンス、または、生体電気インピーダンスと共に体脂肪、体水分、脈拍、血圧等を測定するための生体電気インピーダンス測定装置に関し、特に、両手の手のひらを所定の間隔をあけてほぼ向かい合うように配置して、両手で持ち上げて使用する型の生体電気インピーダンス測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この型の生体電気インピーダンス測定装置としては、図1に示すように、1対のグリップ部11a、11bが備えられ、1対のグリップ部11a、11bには、1対の測定電流印加電極12a、12bと1対の測定電流印加電極13a、13bとが備えられているような手専用電極型のもの10が知られている。この生体電気インピーダンス測定装置10を用いて生体電気インピーダンスを測定する場合、被測定者は、両手の手のひらが所定の間隔をあけてほぼ向かい合うように両手で1対のグリップ部11a、11bを握って、両手の指を1対の測定電流印加電極12a、12bおよび1対の電圧測定電極13a、13bに接触させるようにして、両手で生体電気インピーダンス測定装置10を持ち上げ、起立位で、両腕をほぼ水平に身体の前方に伸ばして測定を行う。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の生体電気インピーダンス測定装置では、グリップ部を握る両手の位置や向きが固定されないため、測定間で、または、測定中に測定姿勢が変動してしまい、生体電気インピーダンスを正確に測定できないという問題があった。
【0004】
また、両手の特に指を電極に接触させて測定するため、これらの接触面積は狭く、この部分の接触抵抗は大きくなってしまい、従ってやはり生体電気インピーダンスを正確に測定できないという問題もあった。
【0005】
更に、両手の特に指で生体電気インピーダンス測定装置を握るため、手首の間接や腕部などに無駄な力がかかってしまい、測定誤差が生じてしまうという問題や、測定中に生体電気インピーダンス測定装置を落としてしまうという問題もあった。
【0006】
従って、本発明の目的は、上述した問題点を解消し、生体電気インピーダンスを正確に測定誤差なく測定可能であり、測定中に装置を落としてしまう危険のない生体電気インピーダンス測定装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の1つの観点によれば、両手の手のひらを所定の間隔をあけてほぼ向かい合うように配置して、両手で持ち上げて使用する型の生体電気インピーダンス測定装置において、両手の親指が挿入される1対の親指挿入孔と、該1対の親指挿入孔に挿入された両手の親指が接触配置される1対の親指用電極と、両手の手のひらが接触配置される1対の手のひら用電極と、1対の親指用電極に交流電流を供給する交流電流供給手段と、1対の手のひら用電極間の電圧を測定する電圧測定手段と、供給された交流電流と測定された電圧とに基づいて生体電気インピーダンスを演算する演算手段とを備えることを特徴とする生体電気インピーダンス測定装置が提供される。
【0008】
本発明の別の観点によれば、両手の手のひらを所定の間隔をあけてほぼ向かい合うように配置して、両手で持ち上げて使用する型の生体電気インピーダンス測定装置において、両手の親指が挿入される1対の親指挿入孔と、該1対の親指挿入孔に挿入された両手の親指が接触配置される1対の親指用電極と、両手の手のひらが接触配置される1対の手のひら用電極と、1対の手のひら用電極に交流電流を供給する交流電流供給手段と、1対の親指用電極間の電圧を測定する電圧測定手段と、供給された交流電流と測定された前記電圧とに基づいて生体電気インピーダンスを演算する前記演算手段とを備えることを特徴とする生体電気インピーダンス測定装置が提供される。
【0009】
これらの発明の一つの観点によれば、生体電気インピーダンス測定装置は、両手の手のひらで持ち上げられるような形状およびサイズにされている。
【0010】
本発明の別の観点によれば、演算手段は体脂肪、体水分、脈拍、または、血圧のうちの少なくとも1つを更に演算する。
【0011】
本発明の更に別の観点によれば、交流電流供給手段は複数の異なる周波数の交流電流を供給し、電圧測定手段は各周波数の交流電流に対応して電圧を測定し、演算手段は、供給された異なる周波数の交流電流とこれらに対応して測定された電圧とに基づいて生体電気インピーダンスを演算するか、または、交流電流供給手段は単一の周波数の交流電流を供給し、電圧測定手段は測定された電圧の位相を更に測定し、演算手段は、供給された電流と測定された電圧との位相差を更に演算する。
【0012】
本発明の更に別の観点によれば、演算手段は細胞内液量対細胞外液量比、細胞外液量対体水分液量比、細胞内液量、細胞外液量、体水分液量、または、体脂肪量のうちの少なくとも1つを更に演算する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の好適な実施例を図面に基づいて説明する。
【0014】
図2は、本発明に係る生体電気インピーダンス測定装置の一実施例の外部構成を示す斜視図である。本測定装置20は、両手の手のひらを所定の間隔をあけてほぼ向かい合うように配置して両手の特に手のひらで持ち上げることができるような形状およびサイズをしており、図2に示すように、ほぼ箱型のハウジング21を備えている。ハウジング21の左側部分には、ハウジング21の前面の左上部からハウジング21の後面の左上部にほぼ直線状に貫通する左親指挿入孔22aと、左親指挿入孔22aの周壁全体に広がり両端面が開口した円筒形の左親指用電極23aと、左親指挿入孔22aの下方のハウジング21の左側部に広がる左手のひら用電極24aとが備えられている。同様に、ハウジング21の右側部分には、ハウジング21の前面の右上部からハウジング21の後面の右上部にほぼ直線状に貫通する右親指挿入孔22bと、右親指挿入孔22bの周壁全体に広がり両端面が開口した円筒形の右親指用電極23bと、右親指挿入孔22bの下方のハウジング21の右側部に広がる右手のひら用電極24bとが備えられている。左親指用電極23aおよび右親指用電極23bは1対の親指用電極23a、23bを形成し、同様に、左手のひら用電極24aおよび右手のひら用電極24bは1対の手のひら用電極24a、24bを形成している。また、ハウジング21の前面には、操作案内、測定状況、測定結果、演算結果等が表示される表示部25と、本測定装置20の制御命令および測定に必要な被測定者の個人パラメータ等を入力するための操作キー26と、本測定装置20を作動させるための電源キー27とが備えられている。
【0015】
図3は、図2に示した生体電気インピーダンス測定装置の内部構成を示すブロック図である。図3に示すように、本測定装置20の内部構成は、主として制御、演算およびデータの入出力を行う第1ブロックと、主として生体電気インピーダンス測定およびアナログ信号からデジタル信号への変換を行う第2ブロックとに分けられ、ハウジング21内に収容されている。
【0016】
第1ブロックは、測定に関する制御、測定データの処理等を行う制御および演算装置31、制御および演算用プログラム、定数等を記憶するROM32、測定データ、演算結果、外部より読み込んだデータ、プログラム等を一時的に記憶するRAM33、測定データ、演算結果、測定に関するパラメータ等を記憶、読み出し、更新可能な不揮発性の補助記憶装置34、表示部25に接続され、操作案内、測定状況、測定結果、演算結果等を表示部25に表示させる表示装置35、測定に関するパラメータ、測定結果等を外部機器へ出力し、また、測定に関するパラメータ、測定時の制御情報、制御プログラム等を外部機器から本測定装置20へ読み込むための外部入出力インターフェイス36、外部入出力インターフェイスと外部機器とを接続するための外部インターフェイス端子37、操作キー26に接続され、操作キー26の押下を受けて、本測定装置20の制御命令、測定に必要な被測定者の個人パラメータ等の入力情報を生成するキー入力装置38、測定の日時等を管理するための時間情報を取得するための時計装置39、測定値、測定値から算出されたパラメータ等を電話回線を通じて他のコンピュータに送信するためのモデム内蔵の通信装置40、電源キー27に接続され、電源キー27の押下を受けて、本測定装置20の各部分への電力供給を開始または停止するための電源装置41、外部から電源装置41へ電力を供給するための電源端子42を備える。
【0017】
第2ブロックは、ROM32またはRAM33に記憶された制御プログラムにより決められた周波数の交流信号を発生させる交流信号発生装置43、交流信号発生装置43から出力される交流信号をROM32またはRAM33に記憶された制御プログラムにより決められた実効値の交流信号にするための交流電流出力装置44、被測定者を流れる電流を検出して、基準電流検出信号として出力する基準電流検出装置45、交流電流出力装置44から基準電流検出装置45を介して供給される交流電流を出力するための1対の交流電流出力端子46a、46b、基準電流検出装置45の出力であるアナログ信号をデジタル信号に変換する第1A/D変換装置47、被測定者の2ヶ所の電位信号を入力するための1対の電圧測定端子48a、48b、1対の電圧測定端子48a、48b間の電位信号の差分信号を出力する電位差検出装置49、電位差検出装置49の出力であるアナログ信号をデジタル信号に変換する第2A/D変換装置50を備える。1対の交流電流出力端子46a、46bは1対の親指用電極23a、23bに接続され、1対の電圧測定端子48a、48bは1対の手のひら用電極24a、24bに接続されている。
【0018】
図4は、図2に示した生体電気インピーダンス測定装置の測定手順および動作の概要を示すフローチャートである。ステップ1で、被測定者が電源キー27を押下すると、ステップ2で、本測定装置20内部の初期化が行われ、ステップ3で、図5に示す初期画面が表示部25に表示される。ステップ4で、被測定者の個人パラメータである性別、身長、体重、年齢が既に入力されているかどうかが判断され、既に入力されている場合には、ステップ8に進む。まだ入力されていない場合には、ステップ5に進み、個人パラメータ入力用画面が表示部25に表示される。ステップ6で、被測定者が操作キー26を押下して個人パラメータを入力すると、ステップ7で、初期画面が再び表示部25に表示される。ステップ8に進み、被測定者が操作キー26を押下して「1」を入力すると、ステップ9で、個人パラメータ入力画面が表示部25に表示され、ステップ10で、個人パラメータの変更が有る場合には、被測定者は操作キー26を押下して個人パラメータを変更し、ステップ11に進む。
【0019】
ステップ11で、被測定者は、操作キー26を押下して測定開始の指示を入力する。そして、ハウジング21の前面と向かい合い、左手の親指を左親指挿入孔22aに挿入し、挿入した親指を左親指用電極23aに接触配置し、左手の手のひらを左手のひら用電極24aに接触配置し、同様に、右手の親指を右親指挿入孔22bに挿入し、挿入した親指を右親指用電極23bに接触配置し、右手の手のひらを右手のひら用電極24bに接触配置する。このように両手を本測定装置20に配置すると、両手の手のひらは所定の間隔をあけてほぼ向かい合うように本測定装置20の両端に配置されることとなる。この状態で、両手の特に手のひらで本測定装置20を左右両端から挟むように持ち上げ、起立位で、両腕をほぼ水平に身体の前方に伸ばして測定を行う。このように、本測定装置20を用いて生体電気インピーダンスを測定する場合、被測定者は両手の親指を親指挿入孔22a、22bに挿入して、両手を本測定装置20に配置するので、親指挿入孔22a、22bは両手の向きおよび位置を定める位置決め部材としての機能を果たし、従って、被測定者は、常に同一の両手の位置や向きで両手を本測定装置20に配置することができ、測定間で、または、測定中に同一の測定姿勢を保つことができる。また、被測定者は両手の特に手のひらを手のひら用電極24a、24bに接触配置するので、これらの接触面積は従来のように指を電極に接触配置して測定する場合よりも広くなり、従って、この部分の接触抵抗は従来のように指を電極に接触配置して測定する場合よりも小さくなる。そしてまた、被測定者は両手の特に手のひらで持ち上げるので、従来のように指で装置を握って測定する場合のように手首の間接や腕部などに無駄な力がかかってしまうようなことなく本測定装置20を持ち上げて測定を行うことができる。更に、被測定者は両手の親指を親指挿入孔22a、22bに挿入して、親指がほぼ水平に延びるような状態で本測定装置20を持ち上げるので、万一、測定中に両手の手のひらの力が抜けてしまったとしても、本測定装置20は親指に引っ掛かることとなり落下してしまうことはない。
【0020】
ステップ12では、生体電気インピーダンスが以下のように測定される。すなわち、ROM32に予め記憶されるか、または、補助記憶装置34や外部入出力インターフェイス36からRAM33に記憶された測定制御パラメータに基づいて交流信号発生装置43に出力信号周波数が設定され、交流信号発生装置43からの出力信号は交流電流出力装置44に出力される。測定制御パラメータに基づいて交流電流出力装置44の定電流出力回路に出力電流値が設定され、交流電流出力装置44からの出力は、基準電流検出装置45、1対の交流電流出力端子46a、46b、1対の親指用電極23a、23bを順に介して被測定者に印加される。この時、被測定者に流れる電流は基準電流検出装置45により検出され、そのアナログ信号の出力は第1A/D変換装置47によりデジタル信号に変換される。そして、そのデジタル信号の出力はRAM33に記憶される。同時に、被測定者の2ヶ所の電位信号は、1対の手のひら用電極24a、24b、1対の電圧測定端子48a、48bを順に介して電位差検出装置49に入力され、電位差検出装置49により、入力された電位信号の差分信号が第2A/D変換装置50に出力される。第2A/D変換装置50では、アナログ信号である差分信号がデジタル信号に変換され、そのデジタル信号の出力はRAM33に記憶される。このようにして、生体電気インピーダンスが、測定制御パラメータに基づき周波数Fi(i=1、2、…、n)について繰り返し測定される。
【0021】
続いてステップ13に進み、ステップ12で測定された生体電気インピーダンス測定値から、生体電気インピーダンスベクトル軌跡およびそれに関するパラメータが算出される。
【0022】
通常、生体電気インピーダンスは、図6に示すような、細胞外液抵抗Re、細胞内液抵抗Ri、細胞膜容量Cmから成る集中定数による等価回路で表されるが、実際には、生体を構成する個々の細胞が、その形状や性質の差異により、それぞれ定数の異なる回路で表されるため、その集合体である生体では、集中定数による等価回路を測定した場合のように、生体電気インピーダンスベクトル軌跡は半円とならずに、コール−コールの円弧則に従う円弧となるとされている。
【0023】
従って、一般に、生体電気インピーダンスは、図7に示すような円弧状の軌跡を描くことになる。ここで、X軸は生体電気インピーダンスのレジスタンス成分を表し、Y軸は生体電気インピーダンスのリアクタンス成分を表す。生体電気インピーダンスのリアクタンス成分は容量性なので負の値をとるため、生体電気インピーダンスベクトル軌跡は、X軸の下方に位置し、また、求める生体電気インピーダンスベクトル軌跡は円弧であるという仮定から、周波数F1、F2、…、FNの各々における生体電気インピーダンス測定値Z1、Z2、…、ZNは、ある円の円周上にある。ここで、円の中心のX座標をa、円の中心のY座標をb、円の半径をrとすると、生体電気インピーダンス測定値を通る円の方程式は式1のように表される。
【0024】
(X−a)2+(Y−b)2=r2 (式1)
a、b、rは、式1に、周波数F1、F2、…、FNにおける生体電気インピーダンス測定値Z1、Z2、…、ZNを代入することにより求められる。
【0025】
また、式1から、Xは以下のように表される。
【0026】
そして、式2より、式1で表される円とX軸との交点R0、Rinf(R0>Rinf)は、以下のように求められる。
【0027】
更に、式3および式4より、図6の等価回路におけるReおよびRiは以下のように求められる。
【0028】
Re=R0 (式5)
Ri=R0・Rinf/(R0−Rinf) (式6)
特性周波数Fcにおける生体電気インピーダンスベクトルZcは、リアクタンス成分、すなわちY軸成分の絶対値が最大になる点であるから、その場合のレジスタンス成分であるX座標値およびリアクタンス成分であるY座標値は以下のように算出される。
【0029】
X=a (式7)
Y=b−r (式8)
ここで、RcはZcのレジスタンス成分、XcはZcのリアクタンス成分とすると、Zcは以下のように表される。
【0030】
Zc=Rc+jXc=a+j(b−r) (式9)
また、Z(ω)はωにおける生体電気インピーダンスベクトル、τ、βは定数とすると、コール−コールの円弧則から、任意の角周波数ωにおける生体電気インピーダンスベクトルは以下のように表される。
【0031】
更に、τ=1/ωcとして、式10は以下のように表される。
【0032】
ここで、ωc=2πFcであるから、先に測定された生体電気インピーダンス測定値を用いて、Fcおよびβが求められる。
【0033】
上述のように生体電気インピーダンス測定値から求められた生体電気インピーダンスベクトル軌跡およびそれに関するパラメータR0およびRinf、ReおよびRi、Zc、Rc、Xc、Fc等に基づいて、細胞外液量、細胞内液量、体水分液量(細胞外液量と細胞内液量との和)、体脂肪量、除脂肪量(体重と体脂肪量との差)等の身体成分量が算出され、また、算出された身体成分量から、細胞内液量対細胞外液量比、細胞外液量対体水分液量比、体水分液量比から求められる脱水状態、体脂肪の割合等が算出される。
【0034】
それから、ステップ14に進み、測定値および測定値から算出された結果が表示部25に表示される。ステップ15では、測定値および測定値から算出された結果等が、補助記憶装置34に記憶されるか、または、外部入出力インターフェイス36を介して外部機器へ送信される。その後、ステップ16に進み、被測定者が操作キー26を押下して、再測定の指示を入力した場合は、ステップ11から再度測定がやり直される。ステップ16で、被測定者が再測定の指示を入力せず、ステップ17で、操作キー26を押下して、グラフ表示を指示した場合は、過去に求められた測定値および測定値から算出された結果が表示部25にグラフ表示される。そして、ステップ18で、被測定者が電源キー27を押下すると、一連の測定は終了し、本測定装置20は停止する。
【0035】
上述したステップ8で、被測定者が操作キー26を押下して、「2」を入力した場合には、ステップ19で、表示に関連するデータおよびパラメータ等が補助記憶装置34から読み出され、ステップ17に進み、上述したように所定のデータが表示部25にグラフ表示される。そして、ステップ18で、上述したように本測定装置20は停止する。
【0036】
ステップ8で、被測定者が操作キー26を押下して、「3」を入力した場合には、ステップ20で、送信に関連するデータおよびパラメータ等が補助記憶装置34から読み出され、ステップ21で、所定のデータが、電話回線を介して、外部の他のデータ処理装置に送信される。所定のデータは、例えば、上述した生体電気インピーダンス測定により測定された測定値(生体電気インピーダンス、電圧、位相差、測定日時等)、その測定値から算出されたパラメータ(R0、Rinf、Re、Ri、Zc、Rc、Xc、Fc等)、身体成分量(細胞内液量、細胞外液量、体水分液量、除脂肪量、体脂肪量等)、むくみ指標値(細胞外液量、細胞内液量対細胞外液量比、細胞外液量対体水分液量比等)、個人パラメータ(識別番号、名前、性別、年齢、身長、体重等)等である。それから、ステップ18で、上述したように本測定装置20は停止する。
【0037】
尚、上述したステップ12およびステップ13では、複数の周波数の交流電流について測定および演算が実施されるが、より簡易に、単一の周波数の交流電流についてのみ測定および演算が実施されても良い。その場合には、ステップ12では、生体電気インピーダンス、および、生体電気インピーダンス測定時に被測定者へ印加された交流電流の位相と被測定者から測定された電圧の位相との間の位相差が単一の周波数F1についてのみ測定される。
【0038】
ステップ13では、F1の周波数における生体電気インピーダンス測定値Z1からレジスタンス成分値R1およびリアクタンス成分値X1が求められ、それらの値が、図8に示されるF1=50kHzの場合の例に示されるような予め求められたレジスタンス成分およびリアクタンス成分の正常値の範囲内にあるか否かが判定される。そして、もし、正常値の範囲内にないならば、生体電気インピーダンス測定値から、生体電気インピーダンスベクトル軌跡に関するパラメータが以下に基づいて算出される。
【0039】
すなわち、生体電気インピーダンスの電気的特性については、第1実施例の場合と同様である。生体電気インピーダンスベクトル軌跡は円弧であるという仮定から、周波数F1における生体電気インピーダンス測定値Z1は、図9に示すように、ある円の円周上にある。ここで、X軸は生体電気インピーダンスのレジスタンス成分を表し、Y軸は生体電気インピーダンスのリアクタンス成分を表す。
【0040】
任意の角周波数ωFにおける生体電気インピーダンスベクトルは、ω0、βは定数として、式12のように表される。
【0041】
更に、β=1として、式12は以下のように表される。
【0042】
そして、生体電気インピーダンスおよび位相差の測定値、測定された電圧と印加された交流電流とから求められる抵抗値とに基づいて、体水分液量、除脂肪量、体脂肪量等の身体成分量が算出され、また、算出された身体成分量から体脂肪の割合等が算出される。
【0043】
以上、本発明に係る生体電気インピーダンス測定装置の一実施例を説明したが、本発明はこの実施例に限定されることはなく、例えば、上述した実施例では、1対の親指用電極を1対の測定電流印加電極とし、1対の手のひら用電極を1対の電圧測定電極としているが、1対の親指用電極を1対の電圧測定電極とし、1対の手のひら用電極を1対の測定電流印加電極としても良い。
【0044】
また、上述した実施例では、左および右親指用電極23a、23bは左および右親指挿入孔22a、22bの周壁全体に広がるものであるが、親指が配置される周壁の下側部分のみに広がるものであっても良い。
【0045】
そしてまた、上述した実施例は本測定装置の外部から電源を取得するものであるが、電池式または充電式の装置としても良い。
【0046】
更に、上述した実施例では、細胞外液量、細胞内液量、体水分液量(細胞外液量と細胞内液量との和)、体脂肪量、除脂肪量(体重と体脂肪量との差)、細胞内液量対細胞外液量比、細胞外液量対体水分液量比、体水分液量比から求められる脱水状態、体脂肪の割合等が算出されるが、脈拍や血圧が算出されても良い。
【0047】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の生体電気インピーダンス測定装置によるならば、両手の向きおよび位置を定める位置決め部材としての機能を果たす親指挿入孔が備えられているので、常に同一の両手の位置や向きで両手を本測定装置に配置することができ、測定間で、または、測定中に同一の測定姿勢を保つことができる。また、両手の特に手のひらが接触配置される1対の手のひら用電極が備えられているので、両手と電極との接触面積は比較的広くなり、この部分の接触抵抗は比較的小さくなる。従って、生体電気インピーダンスを正確に測定することができる。
【0048】
また、両手の親指が接触配置される1対の親指用電極および両手の特に手のひらが接触配置される1対の手のひら用電極が備えられ、両手の特に手のひらで本測定装置をその左右両端から挟むように持ち上げることができるようになっているので、手首の間接や腕部などに無駄な力がかかってしまうようなことなく本測定装置を持ち上げて測定することができる。従って、生体電気インピーダンスを測定誤差なく測定することができる。
【0049】
更に、親指挿入孔が備えられ、両手の親指をほぼ水平に延びるように親指挿入孔に挿入した状態で本測定装置を持ち上げることができるようになっているので、万一、測定中に両手の手のひらの力が抜けてしまったとしても、本測定装置は親指に引っ掛かることとなり落下してしまうことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術の手専用電極型の生体電気インピーダンス測定装置を示す概要図である。
【図2】本発明に係る生体電気インピーダンス測定装置の一実施例の外部構成を示す斜視図である。
【図3】図2に示した生体電気インピーダンス測定装置の内部構成を示すブロック図である。
【図4】図2に示した生体電気インピーダンス測定装置の測定手順および動作の概要を示すフローチャートである。
【図5】図2に示した生体電気インピーダンス測定装置の表示部に表示される初期画面を示す図である。
【図6】生体電気インピーダンスを表す等価回路図である。
【図7】生体電気インピーダンスベクトル軌跡を表すグラフ図である。
【図8】予め求められている生体電気インピーダンスのレジスタンス成分とリアクタンス成分の正常値の範囲を示すグラフ図である。
【図9】生体電気インピーダンスベクトル軌跡を示すグラフ図である。
【符号の簡単な説明】
10、20 生体電気インピーダンス測定装置
11a、11b グリップ部
12a、12b 測定電流印加電極
13a、13b 電圧測定電極
21 ハウジング
22a 左親指挿入孔
22b 右親指挿入孔
23a 左親指用電極
23b 右親指用電極
24a 左手のひら用電極
24b 右手のひら用電極
26 操作キー
27 電源キー
31 演算および制御装置
32 ROM
33 RAM
34 補助記憶装置
35 表示装置
36 外部入出力インターフェイス
37 外部インターフェイス端子
38 キー入力装置
39 時計装置
40 通信装置
41 電源装置
42 電源端子
43 交流信号発生装置
44 交流電流出力装置
45 基準電流検出装置
46a、46b 交流電流出力端子
47 第1A/D変換装置
48a、48b 電圧測定端子
49 電位差検出装置
50 第2A/D変換装置
Claims (7)
- 両手の手のひらを所定の間隔をあけてほぼ向かい合うように配置して、両手で持ち上げて使用する型の生体電気インピーダンス測定装置において、
両手の親指が挿入される1対の親指挿入孔と、
該1対の親指挿入孔に挿入された両手の親指が接触配置される1対の親指用電極と、
両手の手のひらが接触配置される1対の手のひら用電極と、
前記1対の親指用電極に交流電流を供給する交流電流供給手段と、
前記1対の手のひら用電極間の電圧を測定する電圧測定手段と、
供給された前記交流電流と測定された前記電圧とに基づいて生体電気インピーダンスを演算する前記演算手段とを備えることを特徴とする生体電気インピーダンス測定装置。 - 両手の手のひらを所定の間隔をあけてほぼ向かい合うように配置して、両手で持ち上げて使用する型の生体電気インピーダンス測定装置において、
両手の親指が挿入される1対の親指挿入孔と、
該1対の親指挿入孔に挿入された両手の親指が接触配置される1対の親指用電極と、
両手の手のひらが接触配置される1対の手のひら用電極と、
前記1対の手のひら用電極に交流電流を供給する交流電流供給手段と、
前記1対の親指用電極間の電圧を測定する電圧測定手段と、
供給された前記交流電流と測定された前記電圧とに基づいて生体電気インピーダンスを演算する前記演算手段とを備えることを特徴とする生体電気インピーダンス測定装置。 - 両手の手のひらで持ち上げられるような形状およびサイズにされている請求項1または請求項2に記載の生体電気インピーダンス測定装置。
- 前記演算手段は体脂肪、体水分、脈拍、または、血圧のうちの少なくとも1つを更に演算する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の生体電気インピーダンス測定装置。
- 前記交流電流供給手段は複数の異なる周波数の交流電流を供給し、前記電圧測定手段は各周波数の交流電流に対応して電圧を測定し、前記演算手段は、供給された異なる周波数の前記交流電流とこれらに対応して測定された前記電圧とに基づいて生体電気インピーダンスを演算する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の生体電気インピーダンス測定装置。
- 前記交流電流供給手段は単一の周波数の交流電流を供給し、前記電圧測定手段は測定された前記電圧の位相を更に測定し、前記演算手段は、供給された前記電流と測定された前記電圧との位相差を更に演算する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の生体電気インピーダンス測定装置。
- 前記演算手段は細胞内液量対細胞外液量比、細胞外液量対体水分液量比、細胞内液量、細胞外液量、体水分液量、または、体脂肪量のうちの少なくとも1つを更に演算する請求項5もしくは請求項6に記載の生体電気インピーダンス測定装置。
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