JP3697779B2 - 巻取ロール保管装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラスチックフィルムを巻軸のまわりにロール状に巻いた巻取ロールを水平な姿勢で保管する巻取ロール保管装置に関する。この巻取ロール保管装置は、製膜装置から送り出されたプラスチックフィルムの巻取ロールをスリッターリワインダーや他の処理装置へ供給するまで保管するためのものである。また上記巻取ロールの巻軸はプラスチックフィルム幅より少し長いため、その両端部が巻取ロール端面から突出している。
【0002】
【従来の技術】
従来、上述のような巻取ロール保管装置には、巻取ロールが保管中に重力によって巻軸長手直角方向の断面が楕円状になるよう変形したり局部的にしわが生じたりするのを防ぐために、巻軸長手直角方向に水平に伸びた一対の梁上の、各巻取ロールに対応する位置にそれぞれ一対のコロを設け、この各一対のコロで巻取ロールの巻軸両端部の下面を支持し、保管中にコロをモータにより所定の速度で回転駆動して巻取ロールを一定方向に回転させるようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが上述の巻取ロール保管装置では、コロ上の巻取ロールが巻軸と共に回転中徐々に幅方向にずれるという問題が生じる。そして、これを阻止しなければ巻軸の端部がコロから脱落して巻取ロールが落下するので非常に危険である。そこで巻取ロールの移動を阻止するために、例えばコロの外縁に鍔を設けて巻軸端面に関係させるなどの機械的なストッパーが必要になる。しかし、その場合、巻軸の端面がストッパーに当ると回転抵抗が増し、コロの回転駆動用のモータが過負荷となったり回転不能になったりするので、巻取ロールの安定した回転を得るには、出力の大きいモータを備えなければならない。それゆえ巻取ロールを回転駆動するための駆動装置が大型となり、高価になる。また、出力の大きいモータを用いても、巻軸とコロがスリップしてコロが空回りし得る。そして上述の問題は、保管する巻取ロールの数が多いものほど重大になる。
【0004】
【課題を解決するための手段】
製膜装置から送り出されたプラスチックフィルムを巻き取るための巻軸は、普通、鋼管素材から作られ、その両端部内周、端面等は巻取装置のチャックで保持するための必要な形状に加工されるが、その外周面は仕上げ加工されない。また巻取ロールを支えるためのラックやコロについても、それらの加工、組立には一定の許容される範囲内で誤差が伴う。そして、上述の保管装置における巻取ロールの幅方向の移動は、巻軸やコロ等の通常の加工、組立誤差等に起因し、その移動量は巻取ロールを一定方向にのみ回転させることにより累積して次第に大きくなる。
【0005】
そこで本発明では、巻軸両端部の下面を支持する各一対のコロと、順次、各所定時間ずつの正方向の回転、停止、逆方向の回転及び停止からなる動作を繰り返すように前記コロを回転駆動する駆動装置とを備え、巻軸の両端部を各一対のコロに載せて巻取ロールを保管する。そして保管中に駆動装置でコロを回転駆動して巻取ロールを交互にほぼ1回転ずつ正転・逆転させる。それによって巻取ロールの幅方向のずれを減少させると共に、巻取ロールが保存中に重力によって巻軸に対し楕円状に変形するのを防ぐことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の巻取ロール保管装置は、図3(A)に示すように、プラスチックフィルムをその幅より長い巻軸Cのまわりにロール状に巻いた巻取ロールRを保管する巻取ロール保管装置において、前記巻軸Cの両端部の下面をそれぞれ支持する各一対のコロ1と、前記コロ1を回転駆動するための駆動装置4とを備える。そして駆動装置4は前記コロ1を、図3(B)に示す順次各所定時間ずつの正転、停止、逆転及び停止からなる動作を繰り返すように回転駆動する。
【0007】
【実施例】
本発明の一実施例を図面を参照して説明する。図1は巻取ロール保管装置の要部を示す概略側面図、図2は巻取ロールの中央部を省略して示した巻取ロール保管装置の概略正面図である。巻取ロール保管装置は、複数の巻取ロールRを水平姿勢で並列に支持して保管し、必要なときに必要な巻取ロールRを次の工程へ供給できるようにするためのものである。この保管装置に保管する巻取ロールRは、製膜機から送り出されたプラスチックフィルムをその幅より長い巻軸Cのまわりに適度の巻き堅さとなるようロール状に巻き取って形成したもので、そのロール端面から巻軸Cの両端部が突出している。この巻取ロール保管装置には、巻軸Cの両端部下面を支持する各一対のコロ1、1が各巻取ロールR毎に備えてあり、各コロ1はラック2の梁2a上にそれぞれ回転可能に支持されている。また、この実施例では巻軸Cの落下を防ぐための一対のローラ3、3を、各巻軸Cの下部端面に対向するように、かつ垂直軸線を中心にそれぞれ回転可能に梁2a上に設けて万が一の場合の安全を確保している。
【0008】
また巻取ロール保管装置にはコロ1を回転駆動する駆動装置としての減速機付きモータ4が備えてある。この減速機付きモータ4はモータ本体4aと減速機4bからなる。この実施例ではモータ本体4aは誘導電動機であり、図3(A)に示す制御装置6により動作を制御される。そして減速機4bの出力軸が巻軸Cの両端部の4個のコロ1のうちの一つのコロ1の中心軸1aに継手5を介して接続してある。なお必要に応じて減速機4bの出力軸の回転を残りのコロ1にそれぞれ公知の伝動装置により伝達するようにしてもよい。
【0009】
図3(B)は巻取ロール保管装置における駆動装置の駆動速度と時間との関係を示し、縦軸はコロ1の駆動速度、横軸は時間に対応している。図3(A)の制御装置6は公知のシーケンスコントローラからなり、巻取ロールRの保管中、減速機付きモータ4に、図3(B)における時刻t1からt2までの間(T1)は正転、t2からt3までの間(T2)は停止、t3からt4までの間(T3)は逆転、t4からt5までの間(T4)は停止を指令し、このt1からt5までの一連の動作指令を時刻t5以後も繰り返すことができる。また時間T1、T2、T3、T4の長さは制御装置6に備えた設定部6aで設定することができる。そして減速機付きモータ4は、制御装置6からの指令に基づき作動し、コロ1を、それが順次に正転、停止、逆転及び停止からなる動作を繰り返すように駆動することができる。
【0010】
上述のように構成された巻取ロール保管装置で巻取ロールRを保管するには、巻取ロールRを公知の搬送手段で搬送して巻軸Cの両端部を各一対のコロ1の上に載せる。そして保管中、コロ1を減速機つきモータ4により制御装置6からの指令に基づき回転駆動する。そうすると巻取ロールRは巻軸Cと共に正転、停止、逆転、停止の一連の動作を繰り返す。
【0011】
この実施例装置において、減速機付きモータ4によるコロ1の駆動速度を、1時間に巻軸Cが4.4回転する速度とし、図3(B)におけるT1、T3を前記駆動速度で巻軸Cが1回転するために必要な時間に設定し、T2、T4をそれぞれ5秒に設定して、OPPフィルムの巻取ロールを約10時間ないし20時間保管した。その結果、それぞれの巻取ロールRに変形はほとんどなく、その巻取ロールをスリッターリワインダーに掛けて巻き戻したときプラスチックフィルム自体にも、しわ等の品質低下を招く変形が認められなかった。
【0012】
本発明によれば、必要に応じて、図3(B)の時間T1とT3とを互いに異なる長さに設定し、巻取ロールRの回転停止時における回転角を少しずつ変えるようにしてもよい。またT1、T3を、巻取ロールRの回転角が360度を越えるような長さ、あるいは360度より僅かに小さくなるような長さに設定してもよい。また駆動装置は上述の実施例に限らず、複数の巻取ロールの各々のコロへ共通のモータの回転を伝動装置を介して伝えるようにしたものでもよい。
【0013】
【発明の効果】
本発明では、保管中に巻取ロールが交互に正転・逆転するので、その幅方向のずれが正転時と逆転時とで打ち消し合うように作用すると共に、それに働く重力の方向が刻々変わる。そのため、巻取ロールをほとんど変形させずに保管できるだけでなく、巻取ロールの幅方向の移動量が微少になるので、従来のように巻軸の端面がストッパーに当たることにより回転抵抗が増してコロの駆動装置に長時間にわたり大きな負荷が生じるという問題を解消できる。しかも、巻取ロールを非常に低速で回転させても、それがほとんど変形しない。したがって、本発明によれば巻取ロールの品質を低下させることなく保管できると共に、コロの駆動装置の小型化を図ることができる。そしてスリット工程等で巻取ロールからプラスチックフィルムを巻き戻したとき、巻取ロールの変形に起因する張力変動が非常に小さくなり、それによる巻取不良や切断不良等を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の概略側面図である。
【図2】本発明の一実施例の概略正面図である。
【図3】本発明の一実施例における駆動装置の説明図である。
【符号の説明】
C 巻軸
R 巻取ロール
1 コロ
2 ラック
4 駆動装置(減速機付きモータ)
6 制御装置
Claims (1)
- プラスチックフィルムをその幅より長い巻軸のまわりにロール状に巻いた巻取ロールを保管する巻取ロール保管装置において、前記巻軸両端部の下面をそれぞれ支持する各一対のコロと、順次、各所定時間ずつの正転、停止、逆転及び停止からなる動作を繰り返すように前記コロを回転駆動する駆動装置とを備えることを特徴とする巻取ロール保管装置。
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JP16231696A JP3697779B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 巻取ロール保管装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP16231696A JP3697779B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 巻取ロール保管装置 |
Publications (2)
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JPH09315688A JPH09315688A (ja) | 1997-12-09 |
JP3697779B2 true JP3697779B2 (ja) | 2005-09-21 |
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ID=15752214
Family Applications (1)
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JP16231696A Expired - Fee Related JP3697779B2 (ja) | 1996-06-03 | 1996-06-03 | 巻取ロール保管装置 |
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Families Citing this family (1)
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-
1996
- 1996-06-03 JP JP16231696A patent/JP3697779B2/ja not_active Expired - Fee Related
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