JP3697766B2 - 濃度測定装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液体試料、特に発酵液などの混濁した試料を分析するのに適した濃度測定装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来濃度測定装置において、試料液を定量注入バルブに導き、該バルブに一定量の試料液を貯留し、定量注入バルブの流路を切り替えて、別途送液系に一定量の試料を流入させて、なんらかの分離、反応後特定化合物を検出する方法が多く用いられている。この代表例は液体クロマトグラフ、フローインジェクション装置などである。
しかし、たとえば発酵液などの汚染の著しい試料を分析する場合、定量注入バルブがつまったり、検出器が汚染されて精度が低下するという問題点があるので、発酵液などの試料液に含まれる微生物や固形物が検出部に至るのを防ぐ目的で、試料液をフィルターでろ過し、ろ液を分析する形式の装置が従来多く用いられてきた。この方式では、フィルターが目詰まりし、頻繁にフィルターの交換が必要で保守が困難であった。またフィルターを使い捨てにする方式も存在するが分析コストの上昇をもたらす欠点があった。もうひとつの形式としては、膜両面に別個の液体が流通するようにし、試料液から膜の別面に流れる捕捉液に試料液の一部もしくは試料液に溶解した化学物質の一部を膜を介して転溶させるようにした分離機構を用い、この転溶した試料液もしくは化学物質を検知する形式の装置がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記の転溶方式はフィルターでのろ過方式に比べて目詰まりはしにくいが、膜の特性変動により測定値の変化が起きる可能性があり、従来高精度測定が困難であるとされてきた。また膜を介して溶液または物質が移動するのに時間がかかり、測定に長時間を要すると同時にその間試料を流し続けるので試料消費量が多くなるという欠点があった。
試料消費量を低減させる目的で、分離機構を試料液が通過したのち、発酵槽等の試料貯留槽すなわち試料を採取したところへ戻る試料循環流路を設けた場合、膜の一面に常に試料液が流れていて、標準試料液を流す機会が持てないから、膜の特性変化を補正することが困難となる。
そこで膜両面に別個の液体が流通するように構成した上記分離機構の流路上流側に試料液供給配管と標準液供給配管の切り替え機構を設け、標準液と試料液を測定し膜の特性変化を補正するようとしても、標準液中に含まれる化学物質が試料循環流路を経て発酵槽等の試料留槽に混入してしまい好ましくない。
さらに、標準液の試料貯留槽への混入を防ぐために、分離機構の流路下流側に循環流路と排出流路の切り替え機構を設け、標準液を通液する場合は試料貯留槽に混入しないように排出したとしても、標準液が雑菌等で汚染されている場合は膜面や流路配管内面に付着した雑菌が試料液に混入してしまう危険性は避けられない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、試料液貯留槽に試料液が流出し再び試料液貯留槽に戻る閉ルー配管を接続して、この閉ループ内を試料液が循環するようにし、
この閉ループに分離膜を用いた第1の分離機構を挿入すると共に、この閉ループから開閉バルブを介して分岐路を出し、この分岐路に第2の分離機構を挿入し、この分離機構には切換手段を介して標準試料液を流入させる配管を接続し、上記第1,第2の分離機構の夫々の分離膜の反対側を流れる捕捉液を切換手段を通して共通の検出器に導くようにし、
上記検出器の出力を記憶させる第1,第2,第3の記憶機構を設け、
通常測定においては、上記分岐路を閉じ上記第1の分離機構を流れる捕捉液を上記検出器に送って、そのときの検出器出力を採取し、
較正動作においては、次の(1)〜(3)の記憶工程、(1)第1の分離機構を通った捕捉液を上記検出器に送ってそのときの検出器出力を第1の出力値として上記第1の記憶機構に記憶させる工程、(2)上記分岐路を開き、第2分離機構を通った捕捉液を上記検出器に送るように切換え、第2分離機構に試料液が流れているときの上記検出器出力を第2の出力値として上記第2の記憶機構に記憶させる工程、(3)分岐路を閉じ標準試料液が第2分離機構を流れるようにして、そのときの検出器出力を第3の出力値として上記第3の記憶機構に記憶させる工程を順序不同に行い、上記第2と第3の出力値から試料濃度を定め、この濃度値と上記第1の出力値とから第1の分離機構に対する較正データを求めるようにした。
送液ポンプを介して抜出した試料液を貯留槽にもどす閉ループを構成することにより、非測定時の試料消費をなくし、かつ上記閉ループ内に常時試料を循環させておくことで、測定に先立ち試料液の貯留槽内と閉ループを構成する配管内に存在する試料液の組成を均一化して待機させておくことができる。
記憶された試料液により得られた第2の出力値、標準液より得られた第3の出力値を用いれば試料液中に含まれる被測定物質の濃度を得ることができる。第2の出力値と第1の出力値から閉ループに設けられた試料液の一部もしくは試料液に溶解した成分を透過する膜の特性変化を知ることができ、閉ループに組み込まれた膜による転溶の度合を校正することができ、以降得られる第1の出力値から正確な被測定物質濃度を得ることができる。
また、適宜の間隔で閉ループに組み込まれた第1の分離機構の膜の特性変化を校正することにより、発酵液等の汚れを含んだ試料液の正確な測定を継続して行うことができる。
この装置により試料液と接触することによる分離機構の膜面の変動を補正しつつ、かつ迅速に試料液の消費を低減させた高精度の測定が可能となる。
【0005】
【発明の実施の形態】
図1に本発明の一実施形態を示す。図で1は試料液の貯留槽で例えば発酵タンクである。2は前述した閉ループの配管で第1の第1の分離機構3と送液ポンプ4が挿入されており、試料液は槽1から出てループ2を流れ槽1に戻る。分離機構3は膜31で2つの流路空間に仕切られた室で、その一方の流路が閉ループ2に挿入されている。第1の分離機構3の膜の反対側の流路空間には捕捉液貯留槽5から捕捉液が供給され、この液は第1の分離機構3から検出記7へと流れる。6は捕捉液を流通させるポンプである。閉ループ2には分岐路20が分岐部から分かれて設けられている。分岐路20はバルブ11を経て第2の分離機構12の膜22の一方側の流路空間に接続され、ポンプ13で吸引される。分岐路20にはジョイント15を介して別の配管が接続され、この配管は標準試料液槽17から出ていて、途中にバルブ18が挿入してある。バルブ11と18とは試料液と標準試料液とを切換える切換手段ともなるものである。第2の分離機構12の膜の反対側の流路空間には第1の分離機構3と同じ捕捉液が流通せしめられ、この捕捉液は3方バルブ14を介して検出記8に送られるようになっている。
【0006】
通常バルブ11,18は閉じてあり、試料液は閉ル−プ2内を循環している。また第1および第2の分離機構3,12の膜31.22の図で左側の流路空間には常時捕捉液が流通させてある。通常の測定は3方バルブ14を第1の分離機構3から検出器8の流路を開通させて、適時検出器8の出力を第1の出力値として第1の記憶機構81に記憶させる。分離機構の較正に当たってはバルブ11閉でバルブ18を開とし、標準試料液を第2の分離機構12に送る。このとき検出器8には第2の分離機構12を通った捕捉液が流れるから、そのときの検出器8の出力は標準試料液の既知濃度に対応したものであり、これが第3の検出出力として第3の記憶機構83に記憶せしめられる。次にバルブ11を開き、バルブ18を閉じると、試料液が第2の分離機構12を流れ、そのときの検出器8の出力が第2の検出出力として第2の記憶機構82に記憶せしめられる。
【0007】
上述した較正動作で第2の分離機構12に試料液と標準試料液のどちらを先に流すかは原理的には自由である。以上3つのデータを用いると、第2と第3の記憶デ−タから試料濃度が求まる。これと第1の記憶デ−タとを比較すると、第1の分離機構3の較正が出来、また分離膜の変化程度が定量的に判明する。従って時々この較正動作を行うことで、第1の分離機構3を通しての第1の検出出力を補正することが出来、常に正確な濃度を求めることが可能となる。
なお捕捉液は必要ならば定容量ループを備えた流路切換バルブ等の定容量注入装置を用いて別の流路に導き、その流路に設置した検出器8に送り第一の出力値として記憶せしめるようにしてもよい。
【0008】
更に本発明を詳述する。本発明では、配管系を構成するチューブの素材と太さは特に問わず、例えばシリコンチューブ、塩化ビニル樹脂チューブ、ポリオレフィン系チューブ、塩化ビニルチューブ、フッ素樹脂チューブ等の素材を用いることができる。
特にフッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレンで構成されていると金属のように中を流れる液体による腐食が起きにくく好ましい。さらに、フッ素樹脂およびポリプロピレン製のチューブは発酵液を送液する際に加圧蒸気滅菌が可能であり、より好ましい。
本発明の濃度測定装置で用いる基本的な動作および配管系をより具体的に説明すると以下のとおりである。
発酵タンク等の試料貯留槽から試料液を採取し、抜き出した試料液を貯留槽に戻す閉ループを構成する。貯留槽に接続する際に雑菌による汚染防止のために加圧蒸気滅菌が必要である場合には上記のようにフッ素樹脂およびポリプロピレン製チューブやシリコンチューブが好んで用いられる。この閉ループ配管系の途中に、膜を備えた分離機構を設け、膜の片面流路内に試料液を導く。
【0009】
膜を有する分離機構で用いる膜は、限外ろか膜、透析膜、メンブレンフィルターなどが例示できる。限外ろか膜としては、分離し測定する対象物質により各種の膜材が利用できるが、ポリスルフォン膜、セルロースアセテート膜などが例示できる。透析膜としては再生セルロース膜などが用いられる。メンブレンフィルターとしてはフッ素樹脂製、ポリカーボネート製、再生セルロース製、ニトロセルロース製などのものが用いられる。水溶性低分子を測定対象とする際には、加圧の必要性がなく丈夫な透析膜が好んで用いられる。また水中に溶けたアンモニアやアルコールを気化、転溶させる際にはフィルター孔径0.1〜1.0μm程度のフッ素樹脂製メンブレンフィルターを利用すると、一種のガス透過膜となり目的物質のみを転溶させ、不要な成分が検出器に到達することをより有効に防げる。
分離機構部自体は金属、プラスチックなどどのような素材でも構成できるが、液による腐食を防ぐため、ステンレス、チタン材、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネートなどで製作しておくことが好ましい。特にプラスチックで製作すると透析膜を挟んだ場合、膜を傷めることが少なく望ましい。
試料液を閉ループ配管系に循環させるために、適当な箇所に送液ポンプを設置する。
ポンプは分離機構の上流側に設置することも可能であり、また下流側に設置することも可能である。試料液の送液には、ギアポンプ、プランジャーポンプ、チューブポンプなど各種のものを用いることができるが、安価でかつ濁りを含む測定試料液を送液する目的ではチューブをしごいて送液を行なうチューブポンプが好ましい。チューブポンプに用いるチューブは前記の配管に用いた素材のもののうち弾力性を持つ素材のものを用いることができるが、長期の送液速度安定性が得られるポリオレフィン系チューブが好ましい。
分離機構の試料液と接する膜の反対面に試料液または試料液に溶解した成分を溶解する捕捉液を送液する。捕捉液の種類は特に問わないが、発酵槽等からの試料液を循環させる場合には、捕捉液から試料液へ逆方向の転溶が起こる場合があるので発酵液に混入すると不都合な成分、例えば殺菌剤や制菌剤のように発酵に用いている微生物に影響を与える成分を含まないことが望ましい。もちろん、逆方向への転溶の度合が低く、実質上発酵液に混入しても影響が小さい場合にはこの限りではなく、界面活性剤等任意の化学物質を含むこともできる。
分離機構で膜を通して試料液または試料液に溶解した成分を溶解した捕捉液は、分離機構から排出されたのち、別途の流路に導き捕捉液中の特定成分を検知する検出器に導くことができる。
【0010】
測定対象物質の検知に用いる検出器としては、吸光光度計、蛍光光度計、pHメータ、イオン電極、半導体イオンセンサ、電気化学検出器、原子吸光分析器、誘導プラズマ発光分析器、酵素電極、熱測定器などの公知の検出器が用いられる。また流路内部で化学反応を起こさせ、その結果変化する物理量を検知することも可能であるし、発酵液の菌体などを除去した後に、分離カラムに導入し、いわゆる液体クロマトグラフと接続することも可能である。この中で特定成分を特異的に検出できる酵素電極の利用は、装置を簡単に構成でき、容易に高精度化が可能である点で望ましい。
酵素電極の種類としては過酸化水素電極、酸素電極、pH電極などの表面に膜上に酵素を固定化する形式のものでも、担体に固定化した酵素をカラムに充填しその下流に各種電極を設置してもよい。酵素の固定化方法としては化学結合法、包括法、イオン結合法など公知の各種方法を用いることができる。また電極上に膜状に酵素を固定化する際は電極面に直接酵素あるいは酵素およびアルブミンなどの酵素と架橋する化合物などが接触していてもよいし、アセチルセルロース膜上に酵素を固定化し膜を電極面に押し当てる形で保持してもよい。担体に固定化する場合には、活性炭、シリカゲル、ケイソウ土などの公知の担体を利用できる。担体をカラムとして用いる方法は酵素活性が低い場合にタンパク質量を多く固定化できるため有利である。
【0011】
捕捉液は連続的に直接上記検出器に導入することもできるし、また定容量ループ等を備えた定容量注入装置を用いて、別途検出器へ至る移動槽中に注入することも可能である。上記のようにして、捕捉液中の特定成分に対する第1の出力値を得て記憶する。
検出器は1つに制限されることはなく、上記検出器を複数組み合わせて用いることも可能であるり、その場合には1つの検出器について1つの第1の出力値が得られる。
そして、上記の閉ループ配管系に別途に試料液を閉ループ外に導く分岐流路を設置する。該分岐流路には不要時に試料液の流通を停止するための機構と送液機構を設ける。試料液中に固形物等が含まれるおそれがある場合には、弾性体チューブを押しつぶして流路を開閉するピンチバルブ等を用いて分岐流路を開閉することが望ましい。この別途試料液を閉ループ外に導く流路中に、閉ループ内に組み込んだものと同等の膜を備えた分離機構を設置して膜面の片側流路に試料液を導き、分離機構から排出された試料液は廃棄する。閉ループ内に設けた分離機構と同様に膜の反対面流路に捕捉液を送液する。
第1の測定値を繰り返し測定しながら、あらかじめ定めた時間が経過したならば試料液または試料液に溶解した成分を溶解した捕捉液を検出器に導き第2の出力値を得る。捕捉液は閉ループに設けた分離機構から排出される捕捉液の場合と同様に、連続的に直接検出器に導入することもできるし、また定容量ループ等を備えた定容量注入装置を用いて、別途検出器へ至る移動槽中に注入することも可能である。また、同様に検出器は1つに制限されることはなく、上記検出器を複数組み合わせて用いることも可能であるり、その場合には1つの検出器について1つの第2の出力値が得られることになり、それぞれ第1の測定値と関連づけて記憶する。第2の出力値は適宜求めることが可能であるが、計時機能を持つ機構や第1の値の測定回数のカウンター等と組み合わせ一定時間間隔あるいは一定測定回数毎に自動的に行わせることが簡便である。
さらに、第3の出力値を得るために閉ループ外に導く試料液流路の分離機構より上流側に、検出器で検知する特定成分の標準液を送り込む流路を接続する。接続部は試料液中に固形物等が含まれるおそれがある場合には、弾性体チューブを押しつぶして流路を開閉するピンチバルブ等を用いて分岐流路を開閉しても良く、また標準液流路側に開閉機構を設けても良い。適宜閉ループ外に導く試料液流路に標準液を送液し、試料液の場合と同様にして捕捉液を検出器に導き、第3の出力値を得て記憶することができるが、第2の出力値の測定の度に前後して用いる方法が簡便である。また、第1の出力値、第2の出力値、第3の出力値は必ずしもこの順序で求める必要は無く、任意の順序で求めことができる。
【0012】
第2の出力値を標準液の出力値である第3の出力値で校正することにより、試料液中の特定物質の濃度を知ることができ、時間的に近接して得られた第2の出力値と第1の出力値は同濃度の特定物質を含む試料液から得られた出力値であるので、閉ループ流路系に設置した分離機構に組み込まれた膜の特性変化を知ることができ、測定した第1の出力値に補正を行うことが可能である。
補正の方法は膜の透過効率等の因子に対して、例えば試料液との接触時間等を変数として関数近似を行う等公知の補正方法を用いることができる。
また流路配管系に関しては、試料液と標準溶液の送液に用いるポンプは試料液流路と標準液流路に個別に設けることも可能であるが、試料液流路と標準液流路が1本の配管に合流する位置より下流側に設置すると、複数の溶液の送液が1つのポンプで行える。
測定対象である特定成分が複数の場合には、複数の標準液を順次試料液流路に導く機構とともに各成分に対する第3の測定値を順次得て記憶することもできる。また、複数の測定対象である特定物質が各々他の検出器の出力値に影響を与えず独立している場合には、標準液中に複数の特定物質を共存させておき、1回の測定で各々の検出器に対する第3の出力値を得ることができる。
閉ループに設けられた分離機構からの捕捉液を測定する検出器と、閉ループ外に設けられた分離機構からの捕捉液を測定する検出器は個別に各々の配管系に設置することも可能であるし、また閉ループに設けられた分離機構からの捕捉液流路と閉ループ外に設けられた分離機構からの捕捉液を流路切り替えバルブ等を介して合流させて1つの検出器に導くことも可能であるが、装置構成の簡便さから後者の配管系が好んで用いられる。
試料液から得られた第2の出力値と標準液から得られた第3の出力値から試料液中の特定物質の濃度を知ることができ、得られた試料液中の特定物質の濃度と第1の測定値から閉ループ内に組み込まれた分離機構に用いられている膜の特性変化を把握し補正することが可能となる。
以上のように、試料液から第1の出力値を続けて得る場合に、適宜定められた時間間隔で第2の出力値と第3の出力値による補正を行うことにより、試料液の消費を低減させかつ精度の良い測定が行える。
【0013】
【実施例】
本発明の実施例を以下に示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
図2に示すように、外径4mmで、内径2mmのシリコンチューブにより発酵タンクから試料液を循環する閉ループ配管系2を構築した。
閉ループの途中に設置した第1の分離機構3には膜厚さ20μmの再生セルロース製透析膜が装着されており、試料液配管系の分離機構より下流側にペリスタポンプ4を設置して送液を行った。
分離機構の膜の反対面の流路には捕捉液貯留槽5からの配管を接続し別途設けたペリスタポンプ6により送液を行った。分離機構から排出された捕捉液は定容量注入バルブ7によりその一部が固定化グルコースオキシダーゼ電極を備えたフローインジェクション分析器8の移動槽中に定容量注入され第1の出力値を得ることができる。得られる出力値はフローインジェクション装置の出力値をパーソナルコンピューター9に取込み記憶することができる。
次に試料液の閉ループ配管系に3方ジョイントによる分岐部10を設け閉ループ外に導く配管系を接続した。閉ループ外に導く配管系にはピンチバルブ11と第2の分離機構12を設け試料液を膜面の片側流路にペリスタポンプ13を用いて送液した。
閉ループ外に導く流路に設けた第2の分離機構12の試料液と膜の反対面には捕捉液貯留槽からの配管を接続し、電磁3方バルブ14を用いて定容量注入バルブ7の上流側で、閉ループ配管系に設けられた第1の分離機構3からの捕捉液配管系と合流させた。このように配管することで、定容量注入バルブ7、送液用ペリスタポンプ6、フローインジェクション分析器を兼用して用いることが可能である。
さらに、閉ループ外に導く配管系途中に4方ジョイント15を設け洗浄液貯留槽16からの配管と標準液貯留槽17からの配管をそれぞれピンチバルブ18、19とともに接続した。ピンチバルブ11、18、19のうち1つを開放し他の2つを閉じれば対応した1種類の溶液が分離機構へ供給される。
この濃度測定装置を用いて、酵母の発酵タンクに接続し試料液中のグルコース濃度の経時変化を測定した。
2.0%グルコースを含む酵母培地600mlを用意し、適量の酵母を植菌し測定を開始した。
測定は10分間隔で測定を行い第1の出力値を得るとともに、40分毎に第2の出力値と第3の出力値を得て第1の出力値の校正を行った。
それぞれの出力値を得るための詳細な手順は以下のとうりである。
まず、閉ループ配管系2に設置したペリスタポンプ4で試料液を循環させておく。そして捕捉液が捕捉液貯留槽5から膜を有する第1の分離機構3、定容量注入バルブ7を経て送液されるように電磁バルブ14の開閉を行い、別途設けられたペリスタポンプ6で送液を行う。
捕捉液中に転溶したグルコースは、定容量バルブによってフローインジェクション分析器8に注入され固定化グルコースオキシダーゼ電極に出力値を与える。
得られた出力値を、第1の出力値であるという判別可能な状態でパーソナルコンピューター9に入力する。以上の動作を10分間隔で行った。第1の測定値を得つつ40分が経過する毎に、捕捉液が捕捉液貯留槽から、閉ループ外に導かれる配管系に設けられた膜を有する第2の分離機構12、定容量注入バルブ7を経て送液されるように電磁バルブの開閉を行いペリスタポンプ6で送液を行う。そしてピンチバルブ11を開き試料液を第2の分離構12に導き、さきほどと同様にして第2の出力値を得てパーソナルコンピューターに記憶した。さらに第2の出力値を得た後、ピンチバルブ11を閉じピンチバルブ18を開き第2の分離機構12の流路に洗浄液を送液し、内部の洗浄を行った。その後、ピンチバルブ18を閉じピンチバルブ19を開き分離機構の流路に標準液を送液して第3の出力値を得てパーソナルコンピューターに記憶した。
補正演算は、40分毎に得られた第2の出力値と第3の出力値から試料液中に含まれるグルコース濃度を求め、対応する第1の出力値のグルコース単位濃度あたりの出力から出力値変化を直線補間法で補正演算を行いグルコース濃度を求めた。比較対象のために100分毎に試料液を一部抜き取り、別途用意したグルコース分析器で試料液に含まれるグルコース濃度の真値を求め表1に示す測定値が得られた。なお表には真値と比較可能な100分毎の測定値のみを記載してある。
【表1】
Figure 0003697766
本発明による濃度測定装置の測定値は、酵母発酵液を10分間隔でのべ400分間測定する間真値に対して平均99.2%の正確な測定値を得ることができた。またのべ400分間の測定後も、真値に対するずれは小さく真値に対して98.1%の測定値が得られていた。
【0014】
【比較例】
図3に示すように試料液が循環する閉ループ配管系のみを持つ測定装置で、実施例と同様の測定を行った。
発酵初発液を測定した際に得られる最初の出力値を、発酵初発液に含まれるグルコース濃度である2.00%として、以後得られる出力値はすべて最初に得られた出力値で校正して試料液中のグルコース濃度として表2に示す測定値が得られた。なお表には真値と比較可能な100分毎の測定値のみを記載してある。
【表2】
Figure 0003697766
比較例による濃度測定装置の測定値は、酵母発酵液を10分間隔でのべ400分間測定する間真値に対して平均87.0%のずれが大きい測定値しか得ることができなかった。またのべ400分間の測定後では、真値に対するずれは大きく真値に対して77.5%の測定値しか得られなかった。
【0015】
【発明の効果】
本発明の濃度測定装置を用いることにより、簡単な構成で発酵液などの汚染しやすい試料を試料液の消費を低減させかつ高速・高精度で測定することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を説明するブロック図である。
【図2】 本発明の実施例1で用いた濃度測定装置の図である。
【図3】 本発明の比較例1で用いた濃度測定装置の図である。
【記号の説明】
1・・・試料液貯留槽(発酵タンク)
2・・・閉ループ配管系
3・・・第1の分離機構
4・・・ペリスタポンプ
5・・・捕捉液貯留槽
6・・・ペリスタポンプ
7・・・定容量注入バルブ
8・・・検出器(フローインジェクション分析器)
9・・・パーソナルコンピューター
10・・・分岐部
11・・・ピンチバルブ
12・・・第2の分離機構
13・・・ペリスタポンプ
14・・・電磁3方バルブ
15・・・4方ジョイント
16・・・洗浄液貯留槽
17・・・標準試料1貯留槽
18・・・ピンチバルブ
19・・・ピンチバルブ
20・・・分岐路
22・・・分離膜
31・・・分離膜
81・・・第1の記憶機構
82・・・第2の記憶機構
83・・・第3の記憶機構

Claims (1)

  1. 試料液貯留槽に試料液が流出し再び試料液貯留槽に戻る閉ルー配管を接続して、この閉ループ内を試料液が循環するようにし、
    この閉ループに分離膜を用いた第1の分離機構を挿入すると共に、この閉ループから開閉バルブを介して分岐路を出し、この分岐路に第2の分離機構を挿入し、この分離機構には切換手段を介して標準試料液を流入させる配管を接続し、上記第1,第2の分離機構の夫々の分離膜の反対側を流れる捕捉液を切換手段を通して共通の検出器に導くようにし、
    上記検出器の出力を記憶させる第1,第2,第3の記憶機構を設け、
    上記第1の分離機構から流出する捕捉液を上記検出器に導いたときの、この検出器の検出器出力を採取し記憶させる第1の記憶機構と、
    上記第2の分離機構に試料液を通したとき同分離機構から流出する捕捉液を上記検出器に導いたときの同検出器出力を記憶させる第2の記憶機構と、
    上記第2の分離機構に上記切換手段を介して標準試料液を流通させたとき同分離機構から流出する捕捉液を上記検出器に導いたときの同検出器出力を記憶させる第3の記憶機構を備え、
    上記第2と第3の記憶機構に記憶された出力値から標準試料液を規準にした試料液濃度を定め、この濃度値と上記第1の記憶機構に記憶された出力値とから第1の分離機構に対する較正データを求める演算手段を有することを特徴とする濃度測定装置。
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