JP3697691B2 - 核燃料物質含有ダスト捕集装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核燃料物質含有ダストの捕集をする核燃料物質含有ダスト捕集装置に係わり、特に核燃料ペレット製造工程に於けるグローブボックス内の核燃料物質のダストを捕集するに適した構造の核燃料物質含有ダスト捕集装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、核燃料物質含有ダスト捕集装置としては、図３に示した様に、サイクロンによる捕集装置本体３１内に縦円筒状の濾布または金属のフイルター筒３２を複数配置し、この各フイルター筒３２を捕集装置本体３１の上端を閉鎖する上板３３に装着すると共に、複数のフイルター筒３２を囲んだ内筒３４を設け、この内筒３４の上端を上板３３に装着している。更に、前記捕集装置本体３１の側壁上部にはダスト含有ガス入口３６が接続され、捕集装置本体下部にはダスト捕集室３７が設けられている。フイルター筒を逆洗するための逆洗エアを通す配管３８はその先端に逆洗ノズル３９を有し、この逆洗ノズルが上部ケーシング３５内でフイルター筒上部に間隔を隔てて配置されている。又、排気ブロワーと通じる清浄ガス出口４０は上部ケーシング３５内と通じて、この上部ケーシングから一括して排気しているものであった。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、従来のこの種の核燃料物質含有ダスト捕集装置にあっては、複数のフイルター筒３２を内蔵した捕集装置本体３１のダスト含有ガス入口３６からダスト含有ガスを入れ、この捕集装置本体でフイルター筒３２の外側からフイルター筒内側に向けて吸気して、ダストをこの捕集装置本体でフイルター筒３２外側に捕集し、捕集後フイルター筒の内側より圧縮空気をフイルター筒の外側に向けて噴射することによって、フイルター筒３２の外側に付着したダストを払い落とし捕集装置本体下部のダスト捕集室３７に捕集していたために、捕集装置本体の内壁にダストが付着滞留することは避けられないという問題があった。また、フイルター筒の交換時にはダストが飛散しないように十分注意をして行われるが、フイルター筒３２の外側面にダストを捕集していたために、フイルター筒の着脱時や移動時にフイルター筒の外側面に取り残されたダストが払い落ち、飛散することが避けられないという問題があった。更に、このような核燃料物質含有ダスト捕集装置にあっては、フイルター筒の着脱時に際しては、捕集装置本体の上方より抜き差ししていたために、余分なスペースが必要でグローブボックスの大型化をきたしていたという課題も有しているものであった。
【０００４】
そこで、本発明は、このような従来の核燃料物質含有ダスト捕集装置が有していた課題を解決したものであって、濾布筒を囲む捕集装置本体の内壁にダストが付着滞留することが避けられ、また捕集したダストが濾布筒内側に封じこめられるために、濾布筒の着脱または移動に際して全くダストの飛散の恐れがない。又、濾布筒が破損した際にも、金属フイルター筒にて効率的にダストが捕集されるために、清浄ガス出口からのガスは常に安全性の高いものである。さらに濾布筒の交換移動が少ないスペースでスムーズに行えることを目的とした核燃料物質含有ダスト捕集装置を提供しようとするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
該目的を達成するための本発明の構成を、実施例説明において使用した符号を用いて説明すると、本発明は、上端にダスト含有ガス入口３を備え、下端にダスト捕集室５と清浄ガス出口７とを備えた捕集装置本体１を設け、この捕集装置本体１内に、上端をダスト含有ガス入口３に連通し、下端をダスト捕集室５に連通して、ダスト含有ガスを濾布の内側より外側に向けて排出し内側にダストを捕集する円筒型の濾布筒２を設け、濾布筒２の外側より濾布筒内付着のダストを振り落とすダスト振落機構Ａを設けた核燃料物質含有ダスト捕集装置に於いて、上記捕集装置本体１内に濾布筒２と並設した金属フイルター筒６を設け、この金属フイルター筒６の下端を清浄ガス出口７に連通している。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施例について図に基づいて説明する。
図中、図１乃至図２は、本発明の１実施例を示す図であって、核燃料物質のダスト含有ガスはダスト含有ガス入口３より吸入されて捕集装置本体１の縦円筒型の濾布筒２，２内に流れ込む。この捕集装置本体１は縦筒型に形成されていて、下端に一つのホッパー４が設けられ、このホッパー４の下にダスト捕集室５が着脱自在に設けられている。またこの捕集装置本体１の内部には濾布筒２が一列二本で二列配設されており、濾布筒２の隣には縦円筒型の金属フイルター筒６が一列一本で二列配設されている。
【０００７】
捕集装置本体１内のガスを排気ブロワー（図示せず）で吸引する清浄ガス出口７は金属フイルター筒６内と通じて、この金属フイルター筒内から一括して排気している。この金属フイルター筒６は通常、濾布筒を通過した捕集装置本体１内の清浄ガスを通し清浄ガス出口７に通じているが、濾布筒２の濾布が破損したとき、捕集装置本体１内のダスト含有ガスを濾過し清浄ガスを清浄ガス出口７に通し、排気ブロワーへダストを付着させないようにして排気ブロワーを保護している。８は捕集装置本体１の上板で、この上板８の上部にダスト含有ガス入口３と連通した上部ケーシング９を装着している。このダスト含有ガス入口３からのダスト含有ガスは一旦上部ケーシング９内に導かれ、この上部ケーシング内よりそれぞれ濾布筒２へと吸気される。
【０００８】
１０は捕集装置本体１の上板８下端に装着して、上部ケーシング９内と濾布筒２内とをつなぎダスト含有ガスを濾布筒２内に通す上部連通管である。それゆえに上板８には濾布筒２の数量に相当する数量の孔が形成されおり、このそれぞれの孔に上部連通管１０が取り付けられている。１１は捕集装置本体１の下部を閉鎖する下板である。１２はダストを集めるホッパー４と濾布筒２内とをつなぎ、ダストを通す下部連結管である。それゆえに下板１１には濾布筒２の数量に相当する数量の孔が形成されており、このそれぞれの孔に下部連結管１２が取り付けられている。また１３は金属フイルター筒６と清浄ガス出口７とをつなぎ、清浄されたガスを通すガス出口用連結管である。それゆえに下板１１にはこの清浄ガス出口用の孔が形成されており、この孔にガス出口用連結管１３が取り付けられている。
【０００９】
濾布筒２は所定のメッシュの濾布で所定の内径を有する縦円筒型に形成されており、その上下端を上部フランジ１４、下部フランジ１５にて固定されている。この各濾布筒２の上部フランジ１４が捕集装置本体１の上部連通管１０とボルトにて取り付けられており、下部フランジ１５が下部連結管１２とボルトにて取り付けられている。
【００１０】
濾布筒２内付着のダストを振り落とすダスト振落機構Ａは図１に示すように、エアパイプ１８より供給されたエアを配管１６の先端に取り付けた逆洗ノズル１７，１７にて濾布筒２へ吹き付ける構造としている。この逆洗ノズル１７は濾布筒２の上下間周りに間隔を隔てて複数配置されている。この逆洗ノズル１７からのエアを濾布筒２の外側から定期的に吹き付けることにより、濾布筒２の内側に付着したダストが振り落とされホッパー４を介してダスト捕集室５に貯溜される。このとき濾布筒２へのエアの吹き付けにて濾布筒に振動を与えるのでより濾布筒２の内側に付着したダストの落下を向上させている。このダスト振落機構Ａは逆洗ノズル１７による振り落とし構造に変えて濾布筒を直接振動させる振動駆動部を設け、この振動駆動部の駆動により濾布筒を振動させ濾布筒に付着のダストを振り落とす構造としてもよい。
【００１１】
捕集装置本体１には前面に濾布筒２用の扉１９と金属フイルター筒６用の扉２０とが形成されており、この各扉１９，２０はそれぞれ前方へ取り外しができるようにボルトを介して着脱自在に取り付けられている。この各扉１９，２０の前方への取り外しによって濾布筒２、金属フイルター筒６の着脱、移動がスペースを必要とせずしかもよりスムーズに行うことができる。２１は濾布筒２用の後扉、２２は金属フイルター筒６用の後扉で、２３はそれぞれの扉の把手である。
【００１２】
以上本発明の代表的と思われる実施例について説明したが、本発明は必ずしもこれらの実施例構造のみに限定されるものではなく、本発明にいう前記の構成要件を備え、かつ、本発明にいう目的を達成し、以下にいう効果を有する範囲内において適宜改変して実施することができるものである。
【００１３】
【発明の効果】
以上の説明から既に明らかなように、本発明にいうところの核燃料物質含有ダスト捕集装置は、上端にダスト含有ガス入口を備え、下端にダスト捕集室と清浄ガス出口とを備えた捕集装置本体を設け、この捕集装置本体内に、上端をダスト含有ガス入口に連通し、下端をダスト捕集室に連通して、ダスト含有ガスを濾布の内側より外側に向けて排出し内側にダストを捕集する円筒型の濾布筒を設け、濾布筒の外側より濾布筒内付着のダストを振り落とすダスト振落機構を設けた核燃料物質含有ダスト捕集装置に於いて、上記捕集装置本体内に濾布筒と並設した金属フイルター筒を設け、この金属フイルター筒の下端を清浄ガス出口に連通したものであるから、濾布筒を囲む捕集装置本体の内壁にダストが付着滞留することが避けられ、また捕集したダストが濾布筒内側に封じこめられるために、濾布筒の着脱または移動に際して全くダストの飛散の恐れがない。又、濾布筒が破損した際にも、金属フイルター筒にて効率的にダストが捕集されるために、清浄ガス出口からのガスはダスト含有ガスと混ざることがなく、常に安全性の高いものである。という顕著な効果を期待することが出来るに至ったのである。
【００１４】
また、本発明は、捕集装置本体の前面に濾布筒及び金属フイルター筒の長手方向に相当する長手方向の各扉を着脱自在に装着したものであるから、濾布筒の交換移動が少ないスペースでスムーズに行うことができるという効果をも期待することが出来るに至ったのである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明核燃料物質含有ダスト捕集装置を示した縦断面図。
【図２】本発明核燃料物質含有ダスト捕集装置を示した平面図。
【図３】従来の核燃料物質含有ダスト捕集装置を示した縦断面図。
【符号の説明】
１，３１ 捕集装置本体
２ 濾布筒
３，３６ ダスト含有ガス入口
４ ホッパー
５，３７ ダスト捕集室
６，３２ 金属フイルター筒
７，４０ 清浄ガス出口
８ 上板
９，３５ 上部ケーシング
１０ 上部連通管
１１ 下板
１２ 下部連結管
１３ ガス出口用連結管
１４ 上部フランジ
１５ 下部フランジ
１６ 配管
１７，３９ 逆洗ノズル
１８ エアパイプ
１９ 濾布筒の扉
２０ 金属フイルター筒用の扉
２１ 濾布筒の後扉
２２ 金属フイルター筒用の後扉
２３ 把手
Ａ ダスト振落機構

Claims (2)

1. 上端にダスト含有ガス入口（３）を備え、下端にダスト捕集室（５）と清浄ガス出口（７）とを備えた捕集装置本体（１）を設け、この捕集装置本体（１）内に、上端をダスト含有ガス入口（３）に連通し、下端をダスト捕集室（５）に連通して、ダスト含有ガスを濾布の内側より外側に向けて排出し内側にダストを捕集する円筒型の濾布筒（２）を設け、濾布筒（２）の外側より濾布筒内付着のダストを振り落とすダスト振落機構Ａを設けた核燃料物質含有ダスト捕集装置に於いて、上記捕集装置本体（１）内に濾布筒（２）と並設した金属フイルター筒（６）を設け、この金属フイルター筒（６）の下端を清浄ガス出口（７）に連通したことを特徴とする核燃料物質含有ダスト捕集装置。
2. 捕集装置本体(1)の前面に濾布筒(2)及び金属フイルター筒(6)の長手方向に相当する長手方向の各扉(19)，(20)を着脱自在に装着した請求項１に記載の核燃料物質含有ダスト捕集装置。

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