JP3697292B2 - 超音波診断装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は超音波診断装置に係り、とくに超音波造影剤を被検体に投与して、この超音波造影剤による超音波信号の散乱を含むエコー信号を受信し、このエコー信号に基づいて診断対象の機能情報を得るようにした超音波診断装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
近年、超音波造影剤を用いたコントラストエコー法が心筋画像の解析分野で注目されている。
【0003】
このコントラストエコー法の一つとして、超音波造影剤を動脈から注入する動脈注入による心筋コントラストエコー法が研究されており、心筋分布像(perfusion)による心筋内血流の灌流域の評価に利用されている。この心筋コントラストエコー法は大動脈に留置されたカテーテルより超音波造影剤(例えば、用手的あるいはソニケータにより気泡の生成された5%ヒトアルブミン)を注入するものである。造影剤により心筋内血流の灌流域は、Bモード上の輝度増強領域として表示される。同様に、血流の灌流域の評価あるいは腫瘍の支配血管系を評価するために、腹部領域でも動脈注入によるコントラストエコー法が研究されている。これらのコントラストエコー法を実施する診断装置は、一般検査用の超音波診断装置あるいはさらにワークステーションが用いられる。これにより、目視によりBモード像の輝度増強を評価したり、あるいは、メモリに記憶された画像データをワークステーション上で適当な処理をしたりした後、輝度レベルの変化を定量評価するようになっている。
【0004】
また、近年、超音波造影剤を静脈から注入して左心系の評価が可能な超音波造影剤が開発され、これを用いた超音波コントラストエコー法が試みられている。
【0005】
この超音波造影剤としては、塩野義製薬株式会社により輸入販売されている、『5%人血清アルブミンを超音波処理するときに生成するアルブミン膜の中に、空気を封じ込めた平均粒子径約4μmの空気小球体』(販売名:アルブネックス注5ml)がある。
【0006】
この静脈注入によるコントラストエコー法は、現在、試験,研究段階であり、今後、頭部・心腔・腹部などの診断で、その有用性に期待が高まっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
このように近年、超音波造影剤を用いた診断法が盛んになってきているが、これらの診断法にあっては、超音波造影剤の超音波反射信号に対する増強作用にのみ着目したものに止まっており、造影剤の特異な性質に着目した計測は未だ行われていなかった。
【0008】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、気体から成る泡を成分とする超音波造影剤の体積変化に因って超音波エコー信号の散乱強度が変化することを利用して、生体内の機能的情報を的確且つ簡便に得ることができる超音波診断装置を提供することを、その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の超音波診断装置は、気体から成る泡を含んだ超音波造影剤を注入した生体に超音波信号を照射する送信手段と、前記超音波信号の生体からの反射信号に基づいて断層面の画像データを得る受信処理手段と、前記画像データを表示する断層像表示手段と、前記断層像表示手段によって表示された断層像上に所望のROIを設定するROI設定手段と、前記断層面の経時的に収集される複数枚の画像データに対して前記ROI内の領域に含まれる画素の輝度を画像毎に演算する輝度演算手段と、この輝度演算手段により演算された時系列の輝度のデータから、前記生体の心拍由来の変化成分を表すパラメータ演算するパラメータ演算手段と、このパラメータ演算手段の演算結果を表示するパラメータ表示手段とを備え、前記パラメータ演算手段は、前記心拍由来の変化成分自体を抽出するハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタを備たことを要部とする。
【0010】
【作用】
生体には気体から成る泡を含んだ超音波造影剤が注入される。この状態で生体に超音波信号を照射し、その反射信号に基づいて断層面の画像データが得られ、断層像が表示される。操作者は、表示された断層像上に所望のROIを設定する。断層面の経時的に収集される複数枚の画像データに対して、設定したROI内の領域に対応する画素の輝度が例えば平均値として画像毎に演算される。この時系列の輝度データに基づいて生体の心拍由来の変化成分を表すパラメータ(例えば、心拍に呼応して超音波造影剤の体積が変化することに伴う心拍由来の変化成分)が演算され、この演算結果が数値やグラフとして表示される。これにより、超音波造影剤の輝度増強作用による診断情報に止まらず、造影剤が気体の泡を成分とすることに伴う診断情報も得ることができる。
【0011】
【実施例】
本発明の一実施例を図1〜図9に基づいて説明する。なお、この実施例は心機能のパラメータ演算に関して複数の実施態様を含んでいる。
【0012】
図1に示す超音波診断装置は、フェーズド・アレイ・タイプの超音波プローブ10(以下、「プローブ」という)と、このプローブ10を介して被検体との間で超音波信号を送受する送受信部11と、この送受信部11が得た超音波エコー信号に基づいてデータ処理を行うデータ処理部12と、このデータ処理部12に接続された入力器13及び表示モニタ14とを備えている。送受信部11及びデータ処理部12のステアリングライン制御、動作タイミング制御などは制御回路15によって指令される。
【0013】
プローブ10は超音波信号の送受を兼ねるもので、複数の振動子(圧電体)を一方向に配列させた超音波振動子群10Aを備えている。
【0014】
送受信部11は、その送信系として基準発振器20、送信遅延回路群21、及びパルサ回路群22を備えており、パルサ回路群22の出力側が超音波振動子群10Aにチャンネル毎に接続されている。これにより、各振動子はパルサ回路群22から供給された駆動電圧パルスを受けて励振し、被検体に向けて超音波ビーム信号を照射する。なお、送信フォーカスを掛けない場合、送信遅延回路群21を省くこともできる。
【0015】
さらに送受信部11は、受信系として、プリアンプ群23、受信遅延回路群24、加算回路25、対数圧縮回路26、検波回路27、及びADC(A/D変換器)28を備えており、プリアンプ群23の入力端が超音波振動子群10Aにチャンネル毎に接続されている。生体内から反射してきた超音波エコー信号は、プローブ10で受信され、振動子群10Aにより電気量のエコー信号に変換される。このエコー信号はプリアンプ群23でチャンネル毎に増幅された後、受信遅延回路群24でチャンネル毎に遅延が掛けられ、加算回路25により加算される。
この遅延及び加算(整相加算)により受信フォーカスが掛けられる。この遅延・加算信号はその後、対数圧縮回路27で圧縮され、検波回路28で包絡線検波された後、ADC28により超音波ビームラインに沿ったデジタル量の画像データが得られる。超音波ビームを走査することで、2次元の画像データが得られる。
【0016】
データ処理部12はADC28から出力された画像データを記憶する画像メモリ(フレームメモリ)30と、その画像データに後述するグラフデータなどを合成する合成回路31と、この合成回路31の出力データをアナログ量に変換するDAC(D/A変換器)32とを備え、このDAC32の出力側が表示モニタ14に接続されている。これにより、画像メモリ30に一時記憶された画像データは表示モニタ14にリアルタイムに表示される。
【0017】
またデータ処理部12は、ROI設定回路33を備えている。このROI設定回路33はトラックボールなどの入力器13から出力されるROI設定情報(ROI位置、大きさ、形状)を受けて、これに対応するROI設定信号(ROIのグラフィックデータを含む)を合成回路31に出力する。このため、観察者が表示モニタ14の画面を観察しながら入力器13を操作することにより、例えば図2に示す如く、画面上の所望位置に所望形状及び大きさのROI(関心領域)を設定することができる。
【0018】
データ処理部12はさらに、図1に示すように輝度の平均強度演算回路35、メモリ36、パラメータ演算回路37、及びグラフ表示回路38を備えている。
これらの構成は本発明の要旨を具現化するもので、以下のように構成され機能する。
【0019】
平均強度演算回路35はROI設定回路34から出力されるROI設定信号を受けてROIの設定内容(位置、形状、大きさ)を解読するとともに、そのROI内の領域を形成する複数の画素の各輝度値(画素値)を画像メモリ30から読み出す。そして、平均強度演算回路35は各輝度の平均値(又は積算値でも良い)を算出する。この算出は経時的に(フレーム毎に)連続して得られる画像データに対して行われ、各フレームの算出毎に、その算出値がグラフ表示回路38及びメモリ36に送られるようになっている。
【0020】
なお、この平均強度演算回路35の演算においては、上述の如く、対数圧縮処理がなされた画像輝度データ(すなわち超音波の散乱強度)のまま近似的に輝度平均値又は積算値を算出するとしてもよいが、以下のように補正しながら算出しても良い。この補正は
【数1】
y=exp(αx)
ここで、
α:定数 log(10)/10(logは自然対数を表す)、
y:散乱強度、
x:画像輝度
の式を用いて対数圧縮データを元に戻す逆変換処理を行うものである。従って、この補正処理を伴う場合、演算回路35はそのデータ(散乱強度)についてROI内の平均値又は積算値を算出することになる。
【0021】
なお、このように平均強度演算回路35を作動させている間、その演算結果に誤差を生じさせる恐れのある処理(例えば画像の輪郭等を強調表示するための信号処理)は、制御回路15によって禁止される。
【0022】
グラフ表示回路38は、平均強度演算回路35から送られてくる、経時的に連続したROI内輝度の平均強度データを入力するとともに横軸を時間、縦軸を平均強度Bavとするグラフデータをリアルタイムに作成し、このグラフデータを合成回路31に出力するようになっている。合成回路31は、リアルタイムに供給されるグラフデータとROIを設定した超音波断層像データとを例えば分割表示態様の画像データに合成する。このため、表示モニタ14には例えば図3に示す如く、平均強度Bavのグラフを左側、測定している断層像を右側に置いた表示画面が現れる。平均強度Bavのグラフにおける時間軸のスパンは数十秒から数分のオーダーであり、造影剤注入からの時間経過とともに、このグラフは時々刻々と更新しながら表示される。なお、この平均強度グラフは超音波断層像に対して上下左右何れの位置に分割表示してもよいし、単独表示するようにしてもよい。
【0023】
本発明で得られる平均強度曲線は、超音波造影剤が気体からなる泡でできていることに因り、通常のX線診断の輝度変化曲線に加えて、心拍由来の情報をも含んでいる。
【0024】
これを詳述すると、以下のようである。超音波信号の散乱強度は造影剤の体積濃度により変化する。注入直後の濃度は高いが、時間経過とともにその濃度は低下するので、この濃度変化に対応して散乱強度も変化する。例えば、図3中の平均強度Bavの曲線において、点線で示した部分が造影剤自体の濃度に由来しており、時間to で造影剤を注入した場合、ROI内輝度の平均強度は時間と伴に徐々に上がって最大値に到達し、その後なだらかに低下する。この曲線部分(以下、「造影剤濃度の変化成分BCT」という)は、X線診断装置などで通常得られる輝度変化曲線(Time Density Curve:TDC) と同等なものである。
【0025】
さらに、本発明の超音波造影剤は泡を成分としているため、圧力変化により個々の泡の体積が変化する。つまり、心臓などのように圧力が小刻みにかつ大きく変化する診断対象の場合、この圧力変化に伴って小刻みな体積変化が合わせて生じ、従って平均強度Bavも小刻みに変動する。診断対象が心臓の場合、かかる小刻みな平均強度の変動は心拍に由来する成分(以下、「心拍由来の変化成分BHB」という)となり、図3に示す如く、TDCに相当する造影剤濃度の変化成分BCT(点線の曲線)に重畳されている(実線の曲線)。この両者の散乱強度(曲線BCTとBHB)の変化には、時間変化の速度に大きな差がある。造影剤濃度の変化成分BCTは時間的にゆっくり変化し、数十秒〜数分持続するのに対して、心拍由来の変化成分BHBは心拍に同期するため、その周期は1秒以下である。
【0026】
上記造影剤濃度の変化成分及び心拍由来の変化成分を個別に抽出したり識別したりするために、前述したメモリ36及びパラメータ演算回路37が設けられている。メモリ36には、平均強度演算回路35から出力された輝度の平均強度の時系列データBavが記憶される。
【0027】
パラメータ演算回路37は、メモリ36に記憶された平均強度の時系列データを読み出して心機能に関する指令パラメータを演算する。時系列データの読出しタイミングは、入力器13を介して演算が指令された時間でもよいし、予め決めた適宜な時間(例えば造影剤注入後の一定時間経過後)でもよい。また、演算するパラメータも入力器13からその都度指令するようにしてもよいし、予め決めておいてもよい。
【0028】
まず、心拍由来の変化成分そのものを抽出する場合、図4に示す如く、パラメータ演算回路37はデジタル型のフィルタ37aを有する。フィルタ37aがハイパスフィルタの場合、そのカットオフ周波数はほぼ心拍周期の周波数未満のある値に設定される。フィルタ37aがバンドパスフィルタの場合、その通過帯域は心拍の周波数成分に設定される。
【0029】
造影剤濃度の変化成分のみを抽出する場合、パラメータ演算回路37は図5に示す如く、デジタル型のバンドパスフィルタ37bと減算器37cとを有する。
バンドパスフィルタ37bは心拍由来の変化成分BHBを抽出するもので、減算器37cにより、その成分BHBを元の時系列のデータBavから減算することで造影剤濃度の変化成分BCTのみが抽出される。
【0030】
なお、造影剤濃度の変化成分BCTのみを抽出するには、上記の減算する構成のほか、単にローパスフィルタを用いて心拍由来の変化成分BHBを平均強度Bavから抽出するようにしてもよい。
【0031】
このように抽出された心拍由来の変化成分BHB及び造影剤濃度の変化成分BCTはグラフ表示回路38に送られる。グラフ表示回路38は前述した平均強度Bavのグラフデータ作成のほか、今回抽出した変化成分BHB、BCTのグラフデータ(横軸は時間軸)を作成して合成回路31に送る。このため、表示モニタ14には断層像などと伴に、それらの変化成分のグラフが表示され、心機能の状態を表すパラメータとして目視観察することができる。
【0032】
さらに、パラメータ演算回路37は心圧の最大値と最小値の比を演算することもできる。散乱体からの信号の散乱強度はその体積濃度に比例することが知られている。また気体の体積と圧力の関係はボイルシャルルの法則から互いに反比例する。このことから心拍周期内の時間における散乱強度の最大値と最小値の比をとればその間の心圧の最大値と最小値の比が得られることになる。
【0033】
この心圧の最大値と最小値の比を演算する場合、パラメータ演算回路37はCPU機能を備え、図6に示す処理を心周期ごとに行う。すなわち、メモリ36に記憶されている各フレーム(時系列)のROI内の輝度の平均強度データBavの中から、1心周期分のデータを読み込む(同図ステップS1)。次いで、読み込んだ1心周期分の時系列データの中の最大値Bmax 及び最小値Bmin を演算する(同図ステップS2、S3)。さらに、最大値Bmax 及び最小値Bmin の比「Bmax /Bmin 」を演算し、その演算値をグラフ表示回路38に出力する(同図ステップS4)。
【0034】
グラフ表示回路38は上記輝度比「Bmax /Bmin 」のデータを入力して、内部メモリに記憶していた平均強度曲線Bavのデータに、例えば図示しない計時信号を用いて心時相を合わせたグラフ(図7参照)のデータを作成する。作成されたグラフデータは合成回路31に送られ、断層像などの他の必要な画像データと一緒にフレーム画像に合成される。
【0035】
この結果、表示モニタ14には例えば図7に示す如く、横軸を時間とし、下側に輝度の平均強度曲線Bav、これに心時相を合わせた状態で上側に輝度比「Bmax /Bmin 」のグラフを配置した画像が得られる。これにより、心臓のポンプ機能の状態に関する一つの指標が好適に得られ、モニタで観察することができる。したがって、心臓のポンプ機能を判断する上で、従来のように、カテーテルを使って圧力センサを左室又は右室に留置させて心圧を測定するという困難な手法を用いなくても済む。
【0036】
なお、上記の輝度比を演算する際、対数圧縮を掛けた数値そのものを用いる場合、輝度差「 max −B min 」を演算することで輝度比と等価な解析を行うことになる。
【0037】
さらに、超音波造影剤の散乱強度(エコー信号)の変化は前述したように2種の変化成分BCT及びBHBの和として得られる。この内、造影剤濃度の変化成分BCTの時間変化は非常に緩やかであるから、その時間微分値は小さく無視できる。従って、輝度の平均強度データBavに適宜な微小時間幅dt(例えば2秒以下)の時間微分演算を施すと、その結果は心拍由来の変化成分BCTの微分値にほぼ一致し、心圧の時間変化(dp/dt)が近似的に得られる。
【0038】
この心圧の時間変化(dp/dt)を計測する場合、パラメータ演算回路37は例えば図8に示す如く、デジタル型の微分回路37dを備えている。この微分回路37dで演算された心圧の時間変化(dp/dt)は同様にグラフ表示回路38に送られ、内臓メモリに記憶されていた輝度の平均強度データBavに心時相(時間)を合わせた状態で合成されたグラフデータに変換される。これにより、表示モニタ14には、計測対象の断層像などと伴に、例えば図9に示すグラフが表示され、輝度の平均強度Bavの変化に対応する心圧の時間変化(dp/dt)を目視で観察することができる。これによって、心臓のポンプ機能に対する良い指標が得られる。
【0039】
なお、上記の如く心圧の時間変化(dp/dt)を計測するにあたり、造影剤濃度の変化成分の影響を殆ど完全に低減するには、平均強度Bavのデータにハイパスフィルタやバンドパスフィルタを掛けて心拍由来の変化成分BHBのみを抽出し、この抽出データを時間微分するパラメータ演算回路の構成にしてもよい。
【0040】
本発明に係る超音波診断装置の別の実施例を図10及び図11に基づき説明する。この実施例は、前述した心圧の時間変化(dp/dt)を計測する場合の、表示状態の改善に関する。図1と同一又は同等の構成要素には同一符号を用いて説明を省略又は簡単化する。
【0041】
図10に示す超音波診断装置は、図1記載の構成に加えて、ECG(心電計)40、ECG用アンプ41、ADC42及び表示制御回路43を備える。ECG40により収集された被検体の心電図信号はECG用アンプ41、ADC42を介して画像メモリ30に記憶される。従って、プローブ10を介してエコー信号を収集すると同時に心電図信号も収集され、画像メモリ30には画像データと心電図データが蓄えられる。
【0042】
この画像データ及び心電図データは合成回路31に送られる。これと伴に、合成回路31にはグラフ表示回路38から前述した如く輝度の平均強度Bavと心圧の時間変化(dp/dt)のグラフデータ(図9参照)が送られてくる。表示制御回路43は入力器13からオペレータの指令によって与えられる拡大/縮小表示などの表示指令信号を受けて、合成回路31に、対応する表示制御信号を送るようになっている。これにより、合成回路31は画像データやグラフデータを指令された適宜な態様で合成するとともに、拡大/縮小処理も行うようになっている。
【0043】
この結果、オペレータが入力器13の操作により拡大表示を指令すると、例えば図11に示す如く、拡大された平均強度Bav、心圧の時間変化(dp/dt)、及び心電図のグラフ像が同時・拡大表示される。したがって、表示画面から時相評価を行い易くなるとともに、心圧変化の数値的評価のみならず、時間的変化をも容易に評価可能になる。
【0044】
本発明のさらに別の実施例を図12及び図13に基づき説明する。この実施例は前述した心圧の時間変化(dp/dt)を2次元画像のまま処理/表示するようにしたものである。
【0045】
図12に示す超音波診断装置は、そのデータ処理部12において、図1に示した平均強度演算回路35、メモリ36、パラメータ演算回路37、及びグラフ表示回路38に代えて、画像データ出力回路49、空間フィルタ50、メモリ51、及び画像間演算回路52を備える。
【0046】
画像データ出力回路49は、指令されたROIの内部領域を形成する画素の2次元画像データB2Dを画像メモリ30から読み出して空間フィルタ51に出力するようになっている。この2次元画像データB2Dは、空間フィルタ50により、2次元画像のまま、スペックルノイズ除去のフィルタリングが施され、スペックルノイズの影響が著しく低減されたROI内画像データが生成される。このフィルタリングされた画像データB2Dはメモリ51に送られ、一時記憶される。画像間演算回路52はメモリ51に記憶された、連続する2枚の画像間の画素同士の輝度差又は強度(輝度)比を演算し、その演算値を新たな輝度値とする、ROI内の2次元画像データB2D を生成するようになっている。この2次元画像データB2D の各画素は、各画素値の時間微分値であり、前述した心圧の時間変化(dp/dt)の空間分布の画素を形成する。
【0047】
このROI内領域に相当する2次元画像データB2D は合成回路31、DAC32を介して表示モニタ14に、例えば図13に示す如く表示される。これにより、心圧の時間変化(dp/dt)の空間分布を実時間で観測することができる。
【0048】
さらに本発明の他の実施例を図14に基づき説明する。
【0049】
図14に示す超音波診断装置は、データ処理部12を外部機器として備え、送受信部11からオンラインで画像データを送信可能にしたものである。このために、送受信部11の出力側に画像メモリ60を備えて、収集した画像データを一度蓄積可能になっている。この画像メモリ60の読み出し側はインターフェース61、62を介してデータ処理部12(外部機器)に接続され、制御回路15からの指令によって画像データをオンライン伝送させる。
【0050】
これにより、データ処理部12の画像データ処理をバッチ処理で行うことができる一方、データ処理部12での各コンポーネントを画像解析専用の装置に組み込むこともできる。なお、送受信部11とデータ処理部12間の画像データ伝送はオフライン伝送であってもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の超音波診断装置によれば、断層面の経時的に収集される複数枚の画像データに対して、設定したROI内の領域に対応する画素の輝度を画像毎に演算し、この時系列の輝度データに基づいて生体の心拍由来の変化成分を表すパラメータ(例えば、心拍に呼応して超音波造影剤の体積が変化することに伴う心拍由来の変化成分)を演算し、この演算結果を数値やグラフとして表示するようにしたので、超音波造影剤の輝度増強作用による診断情報に止まらず、造影剤が気体の泡を成分とすることに伴う心圧やその最大値、最小値の比など、生体内の機能的情報を的確且つ簡便に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る超音波診断装置のブロック図。
【図2】断層像上に設定するROIの説明図。
【図3】ROI内の輝度の平均強度グラフの表示例を示す図。
【図4】パラメータ演算回路の位置態様を示すブロック図。
【図5】パラメータ演算回路の別の態様を示すブロック図。
【図6】パラメータ演算回路の更に別の態様に係る処理を示す概略フローチャート。
【図7】図6に示す処理に係る画像例を示す図。
【図8】パラメータ演算回路の更に別の態様に係るブロック図。
【図9】図8に示す構成に係る画像例を示す図。
【図10】本発明の他の実施例に係る超音波診断装置のブロック図。
【図11】図10の構成に係る装置の画像例を示す図。
【図12】本発明の更に他の実施例を示す超音波診断装置のブロック図。
【図13】図12の構成に係る装置の画像例を示す図。
【図14】本発明の更に他の実施例を示す超音波診断装置のブロック図。
【符号の説明】
10 プローブ
11 送受信部
12 データ処理部
13 入力器
14 表示モニタ
15 制御回路
30 画像メモリ
31 合成回路
32 DAC
34 ROI設定回路
35 平均強度演算回路
36 メモリ
37 パラメータ演算回路
38 グラフ表示回路
37a,37b フィルタ
37c 減算器
37d 微分回路
49 画像データ出力回路
50 空間フィルタ
51 メモリ
52 画像間演算回路

Claims (8)

  1. 気体から成る泡を含んだ超音波造影剤を注入した生体に超音波信号を照射する送信手段と、
    前記超音波信号の生体からの反射信号に基づいて断層面の画像データを得る受信処理手段と、
    前記画像データを表示する断層像表示手段と、
    前記断層像表示手段によって表示された断層像上に所望のROIを設定するROI設定手段と、
    前記断層面の経時的に収集される複数枚の画像データに対して前記ROI内の領域に含まれる画素の輝度を画像毎に演算する輝度演算手段と、
    この輝度演算手段により演算された時系列の輝度のデータから、前記生体の心拍由来の変化成分を表すパラメータ演算するパラメータ演算手段と、
    このパラメータ演算手段の演算結果を表示するパラメータ表示手段とを備え、
    前記パラメータ演算手段は、前記心拍由来の変化成分自体を抽出するハイパスフィルタ又はバンドパスフィルタを備えることを特徴とする超音波診断装置。
  2. 気体から成る泡を含んだ超音波造影剤を注入した生体に超音波信号を照射する送信手段と、
    前記超音波信号の生体からの反射信号に基づいて断層面の画像データを得る受信処理手段と、
    前記画像データを表示する断層像表示手段と、
    前記断層像表示手段によって表示された断層像上に所望のROIを設定するROI設定手段と、
    前記断層面の経時的に収集される複数枚の画像データに対して前記ROI内の領域に含まれる画素の輝度を画像毎に演算する輝度演算手段と、
    この輝度演算手段により演算された時系列の輝度のデータから、前記生体の心拍由来の変化成分を表すパラメータを演算するパラメータ演算手段と、
    このパラメータ演算手段の演算結果を表示するパラメータ表示手段とを備え、
    前記パラメータ演算手段は、前記心拍由来の変化成分の一定時間内での最大値と最小値の比若しくは差分又は当該比若しくは差分の時間の関数値を前記パラメータとして演算する手段であることを特徴とする超音波診断装置。
  3. 気体から成る泡を含んだ超音波造影剤を注入した生体に超音波信号を照射する送信手段と、
    前記超音波信号の生体からの反射信号に基づいて断層面の画像データを得る受信処理手段と、
    前記画像データを表示する断層像表示手段と、
    前記断層像表示手段によって表示された断層像上に所望のROIを設定するROI設定手段と、
    前記断層面の経時的に収集される複数枚の画像データに対して前記ROI内の領域に含まれる画素の輝度を画像毎に演算する輝度演算手段と、
    この輝度演算手段により演算された時系列の輝度のデータから、前記生体の心拍由来の変化成分を表すパラメータを演算するパラメータ演算手段と、
    このパラメータ演算手段の演算結果を表示するパラメータ表示手段とを備え、
    前記パラメータ演算手段は、前記時系列の輝度のデータに基づいて前記心拍由来の変化成分の時間微分値又は当該微分値の時間の関数値を前記パラメータとして演算する手段であることを特徴とする超音波診断装置。
  4. 気体から成る泡を含んだ超音波造影剤を注入した生体に超音波信号を照射する送信手段と、
    前記超音波信号の生体からの反射信号に基づいて断層面の画像データを得る受信処理手段と、
    前記画像データを表示する断層像表示手段と、
    前記断層像表示手段によって表示された断層像上に所望のROIを設定するROI設定手段と、
    前記断層面の経時的に収集される複数枚の画像データに対して前記ROI内の領域に含まれる画素の輝度を画像毎に演算する輝度演算手段と、
    この輝度演算手段により演算された時系列の輝度のデータから、前記生体の心拍由来の変化成分をパラメータとして演算するパラメータ演算手段と、
    このパラメータ演算手段の演算結果を表示するパラメータ表示手段と、
    前記心拍由来の変化成分を前記時系列の輝度のデータから減じて前記超音波造影剤の体積濃度の変化成分を求める手段と、を備えることを特徴とする超音波診断装置。
  5. 前記輝度演算手段により演算された時系列の輝度のデータをグラフとして表示する輝度グラフ表示手段を更に備える請求項1〜4の何れか一項に記載の超音波診断装置。
  6. 前記パラメータは、前記超音波造影剤の濃度に関する前記生体の心拍由来の変化成分である請求項1〜4の何れか一項に記載の超音波診断装置。
  7. 前記パラメータ演算手段は、前記時系列の輝度のデータから前記心拍由来の変化成分を除去するローパスフィルタを備える請求項4に記載の超音波診断装置。
  8. 前記パラメータ表示手段は、前記パラメータ演算手段により演算されたパラメータの演算結果を数値及びグラフの少なくとも一方で表示する手段である請求項1〜4の何れか一項に記載の超音波診断装置。」
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