JP3697108B2 - ハイパー文書の制御方法、ハイパー文書の制御装置、ハイパー文書の制御プログラムを格納した記憶媒体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、情報処理方法に関し、詳しくは、ハイパー文書の構造を動的に変更する方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットは、所与のネットワーク上のどのコンピュータも他の所与のネットワーク上の1つまたは複数のコンピュータと通信することができるように相互接続された複数のコンピュータ・ネットワークを含んでいる。ゲートウェイ・コンピュータは、2つのネットワークを相互接続し、1つのネットワークから他のネットワークにデータを渡すコンピュータである。
【0003】
インターネット上のすべてのコンピュータは、特定の通信プロトコル、すなわちインターネット・プロトコル(IP)を介して通信する。ほとんどのアプリケーションは、インターネット・プロトコルと共に伝送制御プロトコル(TCP)を使用する。したがって、インターネットはTCP/IPネットワークとも呼ばれる。インターネットに接続されたコンピュータは、固有のインターネット・アドレスで識別される。
【0004】
インターネットは、周知のパケット交換技法を使用して情報をルーティングする。インターネット上では、データはアドレスの付いたパケット(IPパケットとも呼ぶ)を介して伝送される。一般的なインターネット・アプリケーションの中には、電子メール、FTP、テルネット、及びネットワーク・ニュースなどが組み込まれたものがある。インターネットの通信プロトコル及びアプリケーションは周知である。
【0005】
ワールド・ワイド・ウエブ(すなわちWWWまたはウエブ)は、インターネットに基づく情報サービス・システムである。WWWはハイパーテキストとクライアント/サーバ技法とを使用する。
【0006】
ハイパーテキストは、ハイパーテキスト・ファイル内のデータ・オブジェクトが他のハイパーテキスト・ファイルまたはデータ・オブジェクトへのリンクを持つことができるように情報を構成し、提示する方法である。たとえば、ハイパーテキスト・ページを表示している間に、ユーザはリンクを持つ語を選択することができる。これによって、ユーザはその語について説明する他のテキストや絵を含む別のハイパーテキスト・ファイルに移動することができる。(その新しいファイルにも他のハイパーテキスト・ファイルへの他のリンクがある場合があり、以降同様にリンクされていく。)
【0007】
現在、ハイパーテキスト・ファイルの多くは、ハイパーテキスト・マークアップ言語(HTML)を使用して構成されている。ハイパーテキスト・データ・オブジェクトは、テキスト、画像、音声、動画像、または1つの実行可能コンピュータ・プログラムなど、ほとんどどのような情報媒体ともすることができる。ウエブ上のどのハイパーテキスト・ファイルも、そのユニバーサル・リソース・ロケータ(URL)によって固有に識別される。
【0008】
ウエブ・クライアントまたはクライアント(一般には、ブラウザと呼ばれるプログラムを実行するコンピュータ)は本質的に、ハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)などの特定のデータ転送プロトコルを介してウエブ・サーバと通信するハイパーテキスト・リーダである。クライアントは、このURLを使用してハイパーテキスト・ファイルを要求し、そのファイルをグラフィカル・ユーザ・インタフェース(GUI)上に表示する。この表示をウエブ・ページと呼ぶ。クライアントは、サーバに特定のデータを戻すこともでき、サーバ・コンピュータ上のコモン・ゲートウェイ・インタフェース(CGI)プログラムを呼び出して特定のタスクを行うことができる。現在、ネットスケープ・ナビゲーターとインターネット・エクスプローラが一般的なブラウザとして知られている。なお、「ネットスケープ・ナビゲーター」は、ネットスケープ・コミュニケーションズ・コーポレイションの商標であり、「インターネット・エクスプローラ」は、マイクロソフト社の商標である。
【0009】
WWWは、インターネットの世界的規模の接続を使用してインターネット上のどこにいるユーザでもハイパーテキスト・ファイルをWWWで送信することができるようにし、世界中からどのハイパーテキスト・ファイルでもローカル・ハード・ディスクを使用するのと同じくらい便利に取り出すことができるようにする。これによってユーザは情報を入手する強力な力が与えられ、インターネットはハイパーメディア・グローバル・データベース、すなわち情報スーパーハイウェイとなる。
【0010】
インターネットとWWWは最年爆発的に拡大している。企業も、インターネットとWWWを、膨大な消費市場に進出するための新世代の世界的通信基盤として使用することに大きな可能性を予測している。
【0011】
かかるインターネット環境において最も広く使用されているハイパーテキスト文書システムは、ワールド・ワイド・ウエブ(WWW)のように広く公開され非常に多くの読者よりアクセスを受けるが、商用的効果の向上等の目的から、読者の嗜好や利用履歴、文書提供者の意図などによって読者毎に異なった文書構造を持つ情報を提供したいという要求が有った。
【0012】
例えば、在庫不足のため、ある特定の商品が一定期間出荷できない場合には、その商品を紹介するページを販売停止中を説明するページに置き換えたり、ある特定の情報に既にアクセスしたユーザに対しては簡略した説明を記載したページに置き換え、ユーザの要求が無い限り詳細な説明を記載したページを表示しないようにしたいと思う場合がある。
【0013】
かかる文書提供者の要求に関連して、特開平5−181736号公報が存在する。しかし、当該公報において開示されている技術においては、図22に示すように、隣接2ページ間の選択判断が行われるのみであり、複数ページに渡った順序構造等の変更を行うことはできない。
【0014】
また、特開平5−224854号公報は、関連データをハイパーテキスト構造を構成することによって、ユーザ・フレンドリな表示を提供する技術を開示しているが、ハイパーテキストのリンクは直示的であり、リンク先を表示するときの複数リンクの評価・選択等を行うことができず、複数リンクの評価に基づいて文書構造を構成することは開示していない。
【0015】
特開平8−6957号公報は、図23に示すように、ノードに付随した複数リンクの各々に対応してリンク制御規則属性(条件式及び動作部)を設定し、読者のリンク遷移と共に構築される「文脈」の相違により文書構造に差異を生み出している。このため、評価ルールをリンク集合に対応して設定する本発明とは、以下のような違いが存在する。
【0016】
1−1.特開平8−6957号公報においては個々のリンクに対して互いに無関係に評価方式を記述するのに対し、本発明においては一群のリンクに対して評価方式を設定することができる。これにより複数リンクの評価ルールにある程度の斉一性、関連性があるときは本発明の方における評価ルールの記述・管理の方が1個所に記述される分、より簡易であると言える。
【0017】
例えば、特開平8−6957号公報においてはノード1から発するリンクa、bが互いに排他的なリンクだというようなリンク制御規則属性相互の関係は明示的には記述し得ないようだが、本発明ではそれは評価ルール自身の一部である。
【0018】
1−2.特開平8−6957号公報においては複数ノードの順序関係を変更することが困難である。これは、特開平8−6957号公報では、次にナビゲートされるべきノードへのリンクに対するリンク制御規則属性が、ノードに対して付随しているため、3つ以上のノード間の順番を規定しようとすると、人為的で複雑なリンク制御規則属性を与えなければならないからである。
【0019】
これに対し、本発明においてはリンクの集合に対して評価ルールが設定されるため、複数ノード間の順番の変更が容易に設定できる。
【0020】
2.特開平8−6957号公報においては読者が積み上げる「文脈」を用いて評価ルールが記述されるため、ノードの追加、削除等の文書の変更があった場合に評価ルールに記述変更を要する範囲が大きい。[ノード変更部位より”下流”のノードのリンク制御規則属性がすべて影響を受ける]
【0021】
これに対し、本発明では選択基準値の有効範囲はリンク集合内であり、リンク集合外の文書変更の影響は受けない。
【0022】
3.特開平8−6957号公報においてはノードに付随したキーワードによって条件が評価されるが、この方式では同一ノードに対して文脈に応じて異なった条件を与えることが困難であり、同一内容を持つノードを複数持たなければならない場合がある。本発明においては構造の評価基準はリンクに属し、内容を持つノードとは別の実体であるので同一ノードについて文脈に応じて異なった条件を与えることが容易であり、同一内容=同一実体であるため管理が容易である。
【0023】
4.特開平8−6957号公報においては、例えば文書構造表示(Webのサイトマップのようなもの)等の目的で文書構造を取り出すためには各ノードのリンクを逐次的に評価しなければならない。(読みつつある文脈によって構造が決定される場合には文書構造は動的で全体構造そのものが存在しない)。
【0024】
これに対し、本発明においては評価ルールはリンク集合に対応しておりその要素であるリンクに付随する選択基準値をまとめて評価する事により文書構造の入手が可能であり、個々のリンクの逐次的な評価は要さない。また部分構造の取り出しも容易である。
【0025】
5.文書構造の大枠を固定しておきたい場合には、特開平8−6957号公報におけるようなノードのキーワードに基づいた逐次的文脈構成で評価ルールを記述していくには困難な場合もあると考えられる。本発明においてはリンク集合の入れ子などによってある程度複雑な文書構造を記述することもできるが、基本的には文書の全体構造の大枠が定まった状態を想定し、リンク集合によってそれを可能にしている。従って特開平8−6957号公報程文書構造の構成に対する自由度はない代わりに、その分システムの構成、文書構造データの記述、管理などにおいてより簡易になっている。
【0026】
全体的に、特開平8−6957号公報はノードの意味(キーワードで表現された)に基づいて自然に構成される文書構造を指向し、かつ読者が閲覧中の文脈による変更を意図しているに対し、本発明は外部的に定められた、つまりノードの意味内容には必ずしもよらない文書構造に簡易に変更を与えることを指向しており、選択基準値が与えられた時点で文書構造が定まっているという点で本発明とは解決課題を異にしている。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の一つの目的は、文書提供者の意向により、状況に応じ、異なった文書構造を持つ情報を動的に読者に提供することにある。
【0028】
本発明の一つの目的は、文書提供者の意向により、読者毎に異なった文書構造を持つ情報を動的に提供することにある。
【0029】
本発明の他の一つの目的は、文書構造を動的に変更するに際し、複数ページに渡った文書構造の変更を行うことにある。
【0030】
本発明の他の一つの目的は、操作する情報端末のプラットフォームに依存することのないコンピュータシステムを提供することにある。
【0031】
本発明の他の一つの目的は、情報端末の操作に必要となる入力が軽減されたコンピュータシステムを提供することにある。
【0032】
本発明の他の一つの目的は、必要となる情報へアクセスするに際し、ハイパーテキスト文書制御システム内の通信データのデータ量を少なくしたコンピュータシステムを提供することにある。
【0033】
本発明の他の一つの目的は、ユーザの欲するさまざまな処理要求に柔軟に対応することのできるコンピュータシステムシステムを提供することにある。
【0034】
【課題を解決するための手段】
文書ブラウザーから発せられた次ページ要求が文書サーバを経由して、ハイパーテキスト文書制御ユニットに入力される。本発明の一態様においては、次ページ要求には、次ページのページ識別子及び必要に応じて選択基準、ユーザを表わすユーザ識別子などの付加情報を含んでいる。ハイパーテキスト文書制御ユニットは、入力された付加情報に従って文書構造データを読み込み、文書構造の解析を行う。得られた文書構造から、入力された次ページのページ識別子を基に次ページに接続するリンク又はリンク集合を決定する。次ページに接続するのがリンク集合である場合、リンク集合の要素である各リンクの選択基準値を評価し、実際に接続するリンクを選択する。選択されたリンクを次ページ内に表示するためのデータを作成し、文書サーバを介して文書ブラウザに送信する。
【0035】
本発明の一態様においては、
文書ブラウザからの要求に応じて前記文書ブラウザに表示される表示データをリンクルールに基づいて動的に変更する方法であって、
(a)オペレータの文書取得要求に応答して、第1のリンク条件情報に対応付けられた第1のページ特定情報と、第2のリンク条件情報に対応付けられた第2のページ特定情報とを管理するリンク集合情報にアクセスする段階と、
(b)前記第1のリンク条件情報と前記第2のリンク条件情報を前記リンクルールに基づいて評価し、前記第1のページ特定情報を選択する段階と、
(c)前記第1のページ特定情報を用いて前記文書ブラウザに表示させる表示データを生成する段階と、
を含むハイパー文書の制御方法が提供される。
【0036】
なお、本願明細書の特許請求の範囲において、「文書ブラウザ」とは、インターネット・エクスプローラ(「インターネット・エクスプローラ」はマイクロソフト社の商標)やネットスケープ・ナビゲータ(「ネットスケープ・ナビゲータ」はネットスケープ社の商標)等のウエブ・ブラウザのみではなく他のリンク構造を有する対象をブラウズするソフトウエアを含む概念である。また、「リンク条件情報」は、本願の実施例において後述する「選択基準値」に対応する概念であるが、たんなるパラメータだけではなく、関数や条件文等、あるページ等の構成要素をどのような構造でリンクさせるかを特定するために使用される情報を含む概念である。さらに、「ページ特定情報」は、本願の実施例において後述する「URL」や「リンク集合」に対応する概念であり、ハイパー文書の構成要素を特定するための情報を含む概念である。
【0037】
本発明の他の一態様においては、
前記第1のリンク条件情報を文書ブラウザの参照履歴に応答して更新する段階を更に含むハイパー文書の制御方法が提供される。
【0038】
本発明の他の一態様においては、
前記第1のページ特定情報が複数のページを特定していることを特徴とするハイパー文書の制御方法が提供される。
【0039】
本発明の他の一態様においては、
文書ブラウザからの要求に応じて前記文書ブラウザに表示される表示データをリンクルールに基づいて動的に変更するハイパー文書の制御装置であって、
(a)第1のページ特定情報と、第2のリンク条件情報に対応付けられた第2のページ特定情報とを管理するリンク集合情報を格納する文書構造データ格納部と、
(b)オペレータの文書取得要求に応答して、前記文書構造格納部にアクセスし、前記文書取得要求に含まれる情報に対応する文書する文書構造データを読み取る文書構造データ読み込み部と、
(c)読み取られた文書構造データの第1のリンク条件情報と第2のリンク条件情報をリンクルールに基づいて評価し、第1のページ特定情報を選択するリンク評価部と、
(d)前記第1のページ特定情報を用いて前記文書ブラウザに表示させる表示データを生成する表示データ生成部と、
を含むハイパー文書の制御装置が提供される。
【0040】
本発明の他の一態様においては、
前記第1のリンク条件情報を文書ブラウザの参照履歴に応答して更新する文書構造データ更新部を更に含むハイパー文書の制御装置が提供される。
【0041】
本発明の他の一態様においては、
前記第1のページ特定情報が複数のページを特定していることを特徴とするハイパー文書の制御装置が提供される。
【0042】
本発明の他の一態様においては、
ハイパー文書の制御装置上で実行され、文書ブラウザからの要求に応じて前記文書ブラウザに表示される表示データをリンクルールに基づいて動的に変更するプログラムを格納した記録媒体であって、
該制御プログラムは、
(a)オペレータの文書取得要求に応答して、第1のリンク条件情報に対応付けられた第1のページ特定情報と、第2のリンク条件情報に対応付けられた第2のページ特定情報とを管理するリンク集合情報にアクセスすることを前記ハイパー文書の制御装置に指示するためのプログラムコードと、
(b)前記第1のリンク条件情報と前記第2のリンク条件情報を前記リンクルールに基づいて評価し、前記第1のページ特定情報を選択することを前記ハイパー文書の制御装置に指示するためのプログラムコードと、
(c)前記第1のページ特定情報を用いて前記文書ブラウザに表示させる表示データを生成することを前記ハイパー文書の制御装置に指示するためのプログラムコードと、
を含む記憶媒体が提供される。
【0043】
本発明の他の一態様においては、
前記第1のリンク条件情報を文書ブラウザの参照履歴に応答して更新することを前記ハイパー文書の制御装置に指示するためのプログラムコードを更に含む記憶媒体が提供される。
【0044】
本発明の他の一態様においては、
前記第1のページ特定情報が複数のページを特定していることを特徴とする記憶媒体が提供される。
【0045】
【実施例】
A.概要
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。図1は、本発明の好適な実施例におけるハイパーテキスト文書の概念図である。
【0046】
本発明の好適な実施例においては、文書提供者が
1.文書構造をあらわすデータの構成要素及びその属性として表1に示したものを用い、
2.各ページ又はリンク集合に、接続先としてリンク又はリンク集合を指定して記述したデータを文書構造データとして予めファイルや記憶装置に指定し、
3.ページ表示時に必要に応じてリンクの集合の要素であるリンクに付与された選択基準値を評価し、
4.適切な接続先のページ又はページ群を選択することによって、
5.動的にページ間の接続関係を構成し、動的な文書構造を提供する。
【0047】
【表1】
【0048】
本発明の好適な実施例のハイパーテキスト文書においては、ハイパーテキスト文書の構成単位となるページ51〜53に選択基準値、すなわち重み付けのあるリンク61を導入し、その重み付けに応じて次のページを選択することによって、動的な文書構造を実現する。本発明の好適な実施例の1態様においては、図1の2.html(52)のように同じページへのリンクでも a.html(41)からのパスによるものか、b.html(43)からのパスによるものかと言った文脈の違いによって異なった重み付けが必要な可能性があるので、さらにリンク集合を導入することによって文脈を限定できるようにしている。
【0049】
文書構造(各ページのリンク構造)及び選択基準値は文書提供者によって定義されるが、選択基準値を文書閲覧者のページの利用頻度や事前の調査による好みに応じて変更する事により、文書閲覧者の選好を文書構造に反映することが可能になる。また、選択基準値の評価がページ表示時に行われるので選択基準値の変更はそれ以降のページ表示時には反映される。これにより文書閲覧者から見て動的に文書構造を変更することができる。選択基準値はリンクを評価する部分の実装に応じて、数値でもラベルでもよい。
【0050】
B.ハードウエア構成
図2を参照すると、本発明において使用されるハイパーテキスト文書制御ユニット110のハードウエア構成の一実施例を示す概観図が示されている。ハイパーテキスト文書制御ユニット110は、中央処理装置(CPU)1とメモリ4とを含んでいる。CPU1とメモリ4は、バス2を介して、補助記憶装置としてのハードディスク装置13とを接続してある。フロッピーディスク装置(またはMO、CD−ROM等の記録媒体駆動装置)20はフロッピーディスクコントローラ19(またはIDEコントローラ、SCSIコントローラ等)を介してバス2へ接続されている。
【0051】
フロッピーディスク装置(またはMO、CD−ROM等の記録媒体駆動装置)20には、フロッピーディスク(またはMO、CD−ROM等の記録媒体)が挿入され、このフロッピーディスク等やハードディスク装置13、ROM14には、オペレーティングシステムと協働してCPU等に命令を与え、本発明を実施するためのコンピュータ・プログラムのコードを記録することができ、メモリ4にロードされることによって実行される。このコンピュータ・プログラムのコードは圧縮し、または、複数に分割して、複数の媒体に記録することもできる。
【0052】
ハイパーテキスト文書制御ユニット110は更に、ユーザ・インターフェース・ハードウエアを備え、入力をするためのポインティング・デバイス(マウス、ジョイスティック等)7またはキーボード6や、視覚データをユーザに提示するためのディスプレイ12を有することができる。タッチ・パネルを入力手段とすることもできる。また、パラレルポート16を介してプリンタを接続することや、シリアルポート15を介してモデムを接続することが可能である。このハイパーテキスト文書制御ユニット110は、シリアルポート15およびモデムまたは通信アダプタ18(イーサネットやトークンリング・カード)等を介してネットワークに接続し、他のコンピュータ等と通信を行うことが可能である。
【0053】
スピーカ23は、オーディオ・コントローラ21によってD/A(デジタル/アナログ変換)変換された音声信号を、アンプ22を介して受領し、音声として出力する。また、オーディオ・コントローラ21は、マイクロフォン24から受領した音声情報をA/D(アナログ/デジタル)変換し、システム外部の音声情報をシステムにとり込むことを可能にしている。
【0054】
このように、本発明のハイパーテキスト文書制御ユニット110は、通常のパーソナルコンピュータ(PC)やワークステーション、ノートブックPC、ネットワークコンピュータ等を含む通信機能を有する情報端末、または、これらの組合せによって実施可能であることを容易に理解できるであろう。ただし、これらの構成要素は例示であり、その全ての構成要素が本発明の必須の構成要素となるわけではない。
【0055】
特に、ここで説明したハードウエア構成は、ハイパー文書の構造を更新・制御するに必要なものであるため、音声の処理に必要なオーディオ・コントローラ21、アンプ22、スピーカ23、マイクロフォン24やオペレータからの直接的な入力を可能にするキーボード6、マウス7、キーボード/マウスコントローラ5、視覚データをユーザに提示するためのCRT12、表示装置11、VRAM9,VGA8、各種記録媒体処理装置19、25、27等は必須の構成要素ではない。
【0056】
このハイパーテキスト文書制御ユニット110の各構成要素は、複数のマシンを組合せ、それらに機能を配分し実施する等の種々の変更は当業者によって容易に想定されるものであって、それらの変更は、本発明の思想に包含される概念である。
【0057】
ハイパーテキスト文書制御ユニット110のオペレーティング・システムとしては、WindowsNT(マイクロソフトの商標)、Windows95(マイクロソフトの商標)、Windows3.x(マイクロソフトの商標)、OS/2(IBMの商標)、MacOS(Apple社の商標)、AIX(IBMの商標)上のX−WINDOWシステム(MITの商標)などの、標準でGUIマルチウインドウ環境をサポートするものや、PC−DOS(IBMの商標)、MS−DOS(マイクロソフトの商標)などのキャラクタ・ベース環境のもの、さらにはOS/Open(IBMの商標)、VxWorks(Wind River Systems, Inc.の商標)等のリアルタイムOS、JavaOS等のネットワークコンピュータに組み込まれたOSでも実現可能であり、特定のオペレーティング・システム環境に限定されるものではない。
【0058】
C.システム構成
図3は、本発明の好適な実施例におけるハイパーテキスト文書制御システム100のシステム構成を示す機能ブロック図である。本発明の好適な実施例におけるハイパーテキスト文書制御システム100は、文書ブラウザ101、文書サーバ103、入力部105、出力部107、表示データ作成部109、リンク評価部111、文書構造データ解釈部113、文書構造データ読み込み部115、文書構造データ格納部117、ハイパー文書121、文書構造データ更新部123、更新参照データ格納部125、参照履歴情報格納部127、リンクルール格納部129を含んでいる。
【0059】
入力部105、出力部107、表示データ作成部109、リンク評価部111、文書構造データ解釈部113、文書構造データ読み込み部115、文書構造データ更新部123、更新参照データ格納部125、参照履歴情報格納部127、リンクルール格納部129は、ハイパーテキスト文書制御ユニット110に含まれている。本発明の好適な実施例におけるハイパーテキスト文書制御ユニット110は、従来の文書サーバに対する外部的な付加機能、又は文書サーバに対する改変として実施されている。
【0060】
図において、文書ブラウザ101は、オペレータの操作に応じて、ハイパーテキスト文書の取得要求(次ページ要求)等を文書サーバ103に送信する。また、文書サーバ103から受領したハイパーテキスト文書データを情報端末の表示装置上に表示する。文書ブラウザー101から発せられた次ページ要求には、次ページのページ識別子及び必要に応じて選択基準、ユーザを表わすユーザ識別子などの付加情報を含ませることができる。
【0061】
文書サーバ103は、文書ブラウザ101からハイパーテキスト文書の取得要求等を取得し、その要求に対応したハイパーテキスト文書データをハイパーテキスト文書格納部121から取り出す。このハイパーテキスト文書データは、ハイパーテキスト文書の取得要求とともにハイパーテキスト文書制御ユニット110に渡される。また、文書サーバ103は、ハイパーテキスト文書制御ユニット110から渡された更新済みのハイパーテキスト文書データを文書ブラウザ101側に送信する。
【0062】
入力部105は、ハイパーテキスト文書の取得要求、付加情報やハイパーテキスト文書データ等を文書サーバ103経由で取得する。出力部107は、最終的に構成された次ページの表示データを文書サーバ103を介して文書ブラウザー101に出力する。
【0063】
表示データ作成部109は、リンク評価部111によって選択されたリンクを次ページ内に表示するためのデータを作成する。
【0064】
リンク評価部111は、得られた文書構造から、入力された次ページのページ識別子を基に次ページに接続するリンク又はリンク集合を決定する。次ページに接続するのがリンク集合である場合、リンク評価部111は、さらにリンクルール129に基づいて、リンク集合の要素である各リンクの選択基準値を評価し、実際に接続するリンクを選択する。また、ユーザ毎やユーザ・グループ毎の参照履歴情報を取得し、参照履歴情報127を更新する。リンクルール格納部129には、ユーザグループID等の条件やリンク集合毎にリンク条件を定義している。例えば、評価値の高い上位3つをリンクする等定義することができる。このリンクルールは、個々のユーザやユーザグループやアクセスの時間、日付等、その他の条件に応じて設定することもできる。
【0065】
文書構造データ読み込み部115は、ハイパーテキスト文書の取得要求に含まれた付加情報に従って文書構造データ格納部117にアクセスし、文書構造データを読み込む。文書構造データ解釈部113は、文書構造データ読み込み部115によって読み込まれた文書構造データを解析し、文書構造を得る。文書構造データ格納部117は、文書構造データを格納する。
【0066】
文書構造データ更新部123は、更新参照データ125と、参照履歴情報127にアクセスし、文書構造データを更新する。更新に際しては、どのようなルールで選択基準値を更新するかを定義している更新参照データ125を参照することもできる。更新参照データ125には、所定のページや複数ページへのアクセスの組み合わせへのアクセス回数や所定のパラメータ等と、各リンクに対応する選択基準値の関数を定義することもできる。
【0067】
以上図3に示す各機能ブロックを説明したが、これらの機能ブロックは、論理的機能ブロックであり、各々1つのまとまりを持ったハードウエアやソフトウエアによって実現されることを意味するのではなく、複合し、または共通したハードウエアやソフトウエアによって実現可能である。また、この図3に示す全ての機能ブロックが本発明に必須の構成要素という訳ではない。
【0068】
例えば、参照履歴に応じて文書構造データを変更する本発明の追加的機能を導入しなければ、文書構造データ更新部123、更新参照データ125、参照履歴データ127は不要な構成要素である。
【0069】
D.文書構造の変更手順
次に、本発明の一態様の好適な実施例における発明を実施するための前準備としてシステム構成の登録、ユーザ情報データベースの登録、及びアプリケーションの登録の手順を説明する。
【0070】
図4は、本発明の好適な実施例における文書構造変更手順を示すフローチャートである。図に示すように、手順はステップ400より開始する。この状態において、文書ブラウザ101上には、文書サーバ103より取り込んだハイパーテキスト文書が表示されている。この状態において、オペレータが次ページ要求を付加情報をつけて文書サーバ側に送信する(ステップ401)。付加情報としては、ユーザ識別子、現在表示しているリンクの属しているリンク集合の情報などがある。
【0071】
この次ページ要求を取得した文書サーバ103は、このリクエストに基づいて、ハイパー文書格納部121より次ページのハイパーテキスト文書のテンプレートを読み込む(ステップ403)。そして、次ページ要求が本発明を利用するものであるときは、次ページ中の接続先表示の処理を行う(ステップ404、405)。この詳しい処理内容は後述する。次ページ要求が本発明を利用するものであるか否かの判断は、付加情報にリンク集合の情報が入っているか否か、本発明の利用を指示するフラグが入っているか否か等によりコントロールすることができる。
【0072】
本発明による次ページ中の接続先表示の処理が行われ、表示データ作成部109により、表示データの生成が行われると、出力部107より、文書サーバ103に、表示データ及び更新された付加情報が渡される。文書サーバ103は、表示データと更新された付加情報を次ページに埋め込み、文書ブラウザ101側に送出する(ステップ407)。これを受領した文書ブラウザ101は、これを表示する(ステップ409)。
【0073】
図5は、本発明の好適な実施例における次ページ中の接続先表示の処理手順を示すフローチャートである。図に示すように、手順はステップ420より開始する。まず、文書サーバ103は、ハイパーテキスト文書制御ユニット110に次ページ要求及び付加情報を渡す(ステップ421)。文書構造データ読み込み部115は、付加情報に基づき、文書構造データ格納部117から適切な文書構造データSDを読み込む(ステップ423)。
【0074】
図7は、本発明の好適な実施例における文書構造データの1例である。本発明の好適な実施例においては、文書構造データの表現形式としてXMLを用いている。図で用いられている各タグは以下のような意味を表わすとする。これらのタグはリンク先制御システムによって任意に規定されるものである。
【0075】
<HTMLPage>ページ
about 属性 : ページのURL
【0076】
<Map>文書全体の構造
about 属性 : WebサイトのURL
【0077】
<li>順序集合の要素
resource 属性 : Web上の資源(ページ、リンク又はリンク集合)
【0078】
<Selectable>リンク集合
about 属性 : リンク集合のURL
【0079】
<PreferredLink>リンク集合内の属性付きリンク
about 属性 : リンクのURL
【0080】
<Rating>選択基準値
【0081】
<TargetPage>接続先ページ
about 属性 : 接続先ページのURL
【0082】
読み込まれた文書構造データSDは、文書構造データ解釈部113において解析される。文書構造データ解釈部113は、まず、付加情報にリンク集合が指定されているか否かを判断する(ステップ425)。もし、付加情報にリンク集合が指定されていない場合には、文書構造データSDにおいて、次ページに接続している構成要素NEを探す(ステップ435)。
【0083】
また、付加情報にリンク集合が指定されている場合には、文書構造データSDにおいて、リンク集合LS1を探し(ステップ427)、リンク集合LS1の構成の評価を行う(ステップ429)。
【0084】
そして、次ページに接続すべき構成要素NEがLS1内に存在しているか否かを検査し(ステップ431)、次ページに接続すべき構成要素NEがLS1内に存在しない場合には、文書構造データSDにおいてリンク集合LS1に接続している構成要素NEを探索する(ステップ433)。
【0085】
ステップ431、433、435の終了後、文書構造データ解析部113は、構成要素NEがリンク集合LS2であるか否か判断し(ステップ437)、構成要素NEがリンク集合LS2である場合には、新しい付加情報にリンク集合LS2を設定し(ステップ439)、リンク集合LS2の構成要素の評価を行う(ステップ441)。
【0086】
そして、リンク評価部111が、構成要素NEを次ページの実際の接続先として設定し(ステップ443)、表示データ作成部109が、得られた接続先を用いて次ページの接続先の表示データを作成する(ステップ445)。作成された次ページの接続先の表示データと更新された付加情報を文書サーバ103を介して文書ブラウザ101側に返す(ステップ447)。
【0087】
図6は、本発明の好適な実施例におけるリンク集合の構成要素の評価手順を示すフローチャートである。図に示すように、手順はステップ450より開始する。まず、この手順においては、文書構造データにおいて、リンク集合LSの構成要素で未処理のリンクLを探す(ステップ451)。
【0088】
そして、全ての未処理のリンクLの選択基準とCVを読み込み(ステップ453、455)、読み込まれた選択基準値CV(群)を基に次ページの実際の接続先となる構成要素NEを選択する(ステップ447)。
【0089】
その後、接続先となる構成要素NEがリンク集合LS’であるか否かが判断され(ステップ459)、接続先となる構成要素NEがリンク集合LS’である場合には、新しい付加情報にリンク集合LS’の名前を設定し(ステップ461)、リンク集合LS’の構成要素の評価を行う(ステップ463)。
【0090】
そして、接続先がリンク集合LS内に存在するか否かが判断され(ステップ465)、接続先がリンク集合LS内に存在しない場合には、実際の接続先となる構成要素NEとしてヌル値を設定し(ステップ467)、実際の接続先となる構成要素NEを返す(ステップ469)。
【0091】
D−1.第1の実施例
文書構造データ上、ページ同士の間のリンクは暗黙的に定義されている態様である第1の実施例を説明する。この第1の実施例は、選択基準値による単純な選択による、ユーザ毎の文書構造変更の実施例である。
【0092】
文書提供者によって、
(1)文書閲覧者甲の文書構造として図7に示されている文書構造データ300、
(2)文書閲覧者乙の文書構造として図8に示されている文書構造データ(部分)310、
(3)a.html の次ページの選択基準として「選択基準値の上位2つを接続先として表示する」
が定義されているとする。
【0093】
文書閲覧者甲の文書ブラウザー101上に現在index.htmlが表示されており、次ページa.htmlに対する表示要求が発せられたとする。a.html へのページ要求は選択基準、すなわち「選択基準値の上位2つを接続先として表示する」という情報及び付加データとして甲のユーザ識別子を持つ。文書ブラウザー101から発せられた a.html へのページ要求がハイパーテキスト文書制御ユニット110に入力されると、文書構造データ読み込み部115がユーザ識別子に応じた文書構造データを読み込む。
【0094】
文書構造データ解釈部113は読み込まれた文書構造データ300内の <Map>タグから順に文書構造データの構文解析を行い、図9に図解される文書構造を作成する。図9は index.html の接続先としてa.html、a.html の接続先としてリンク集合 para1、para1の接続先としてb.htmlが各々接続している構造を表わす。リンク集合 para1 は4個のリンク link1 link2 link3 link4 を持ち、各リンクは接続先として 1.html 2.html 3.html 4.html、選択基準値として 3 7 5 1 を各々持っている。文書構造データ解釈部113は得られた文書構造をリンク評価部111に渡す。
【0095】
リンク評価部111は文書構造データ解釈部113から渡されたデータから、a.html を探索し、a.html の次の要素としてリンク集合 para1 を得る。次に para1 の要素であるリンク link1 link2 link3 link4 の選択基準値が各々 3,7,5,1 であることを得て、付加情報として入力された選択基準に基づき選択基準値が大なるものから2つのリンク link2 link3 を接続先として選択する。
【0096】
なお、選択基準値が大なるものから2つのリンクを接続先として選択することはリンクルール格納部129に格納されたリンクルールの指定に従い、決定しているが、このリンクルールを個々のユーザやユーザグループやアクセスの時間、日付等、その他の条件に応じて設定することもできる。
【0097】
リンク評価部111は、link2 link3 の接続先データから最終的なa.htmlの接続先ページ2.html及び3.htmlを得て、表示データ生成部109へ渡す。
【0098】
表示データ生成部109は接続先ページ2.html及び3.htmlをリンク先として含んだHTML記述を生成しその他の文書記述に付加してa.htmlとして文書サーバ103に出力する。以降は従来のWWW文書表示に従う。結果として得られた文書構造を図10に示す。なお、この実施例におけるリンク評価部111の動きを図11に示す。
【0099】
別の文書閲覧者乙からの a.html へのページ要求は異なるユーザ識別子を持つ。そのユーザ識別子に対応する文書構造データの部分及び文書構造が図12に示されるものの場合、同様にして異なった選択基準値の記された文書構造データから文書構造データ解釈部111によって文書構造が得られ、リンク評価部111に渡される。リンク評価部111によって選択基準値の大なるものから2つのリンク、今度は link1 と link4 が選択され、a.htmlの接続先ページ1.html及び4.htmlを得る。最終的に表示データ生成部109が接続先ページ1.html及び4.htmlをリンク先として含んだHTML記述を生成しその他の文書記述に付加してa.htmlとして文書サーバ103に出力する。結果として得られる文書構造を図13に示す。このようにして、別のユーザ識別子を持つユーザに対して異なる文書構造が提供される。
【0100】
D−2.第2の実施例
次に第2の実施例について説明する。第2の実施例は、複数ページに渡る構造を変更する実施例である。
【0101】
文書提供者によって、
(1)図14に示された文書構造データ、
(2)a.html の次ページの選択基準として「選択基準値の大きいものから順に接続先として表示する」
が定義されているとする。
【0102】
文書ブラウザー101上に現在index.htmlが表示されており、次ページa.htmlに対する表示要求が発せられたとする。文書ブラウザー101から発せられた a.html へのページ要求がハイパーテキスト文書制御ユニット110に入力されると、文書構造データ読み込み部115が文書構造データ格納部117から文書データを読み込む。この時読み込まれる文書構造データを図14に示す。
【0103】
図14でタグ<Rotatable>はリンク集合を表わす。タグの違いは選択基準の違いを示しており、タグ<Rotatable>によって選択基準「選択基準値の大きいものから順に接続先として表示する」が表わされているものとする。
【0104】
第1の実施例と同様に文書構造データは、文書構造データ読み込み部115によって読み込まれ、文書構造データ解釈部113によって構造が解釈され、図15に図解される文書構造を得る。図15は index.html の接続先としてa.html、a.html の接続先としてリンク集合 seqAlt1、seqAlt1の接続先としてb.htmlが各々接続している構造を表わす。リンク集合 seqAlt1 は3個のリンク link1 link2 link3 を持ち、各リンクは接続先として 1.html 2.html 3.html、選択基準値として 5 3 7 を各々持っている。
【0105】
文書構造データ解釈部3は link1 link2 link3 並びそれらの選択基準値、接続先ページをリンク評価部111へ渡す。リンク評価部111は、文書構造データ解釈部113から渡されたデータから、各リンク link1 link2 link3 の選択基準が各々 5,3,7 であることを得、選択基準に基づいて接続先 link3 を選択し、最終的に 3.html が接続先ページとして表示データ生成部109へ渡される。
【0106】
表示データ生成部109は接続先ページ3.htmlをリンク先として含んだHTML記述を生成する。この際 3.html 要求時に付加情報としてseqAlt1内の3.htmlであることがシステム1に入力されるように a.html に記述を追加する。生成された記述をその他の文書記述に付加してa.htmlとして文書サーバ103に出力する。
【0107】
次に 3.html へのページ要求が文書ブラウザー101からハイパーテキスト文書制御ユニット110に入力される際、リンク集合 seqAlt1 内であることも付加情報として同時に入力される。以下同様に文書構造が取得され、リンク評価部111に渡される。
【0108】
リンク評価部111では図14に図解される文書構造から、付加情報で渡されたリンク集合seqAlt1内を探索し、候補が link1 link2 link3 であることを得、3.html を接続先ページに持つ link3 の次に大きな選択基準を持つ接続先 link1を選択し、最終的に 1.html が接続先ページとして表示データ生成部109へ渡される(図11)。表示データ生成部109は接続先ページ1.htmlをリンク先として含んだHTML記述を生成し、生成された記述をその他の文書記述に付加して3.htmlとして文書サーバ103に出力する。結果として得られる文書構造を図16に示す。このように属しているリンク集合を持ち回る事により、複数ページに渡る文書構造を変更できる。
【0109】
D−3.文書構造データの更新
本発明の好適実施例の一態様において、文書構造を参照される頻度に応じて変更することができる。この例では、ユーザによる特定ページへの参照回数がユーザ毎に参照履歴情報127に記録される。更新参照データ125は、特定リンク集合内の選択基準値を決定するルール(例えば、参照回数を選択基準値として設定する)を格納している。文書構造データ更新部123は、更新参照データ125と参照履歴情報127にアクセスし、文書構造データを更新する。
【0110】
文書構造データの更新の具体例を図14に示した文書構造データをもとに説明する。ここでは、文書提供者は、「参照回数が少ないページを先にユーザに見せたい」という意図を持っていたとする。
【0111】
この例において、文書提供者によって
(1)図14に示されたような文書構造データ
(2)a.htmlの次のページの選択基準として「選択基準値の小さいものから順に接続先として表示する」
(3)seqAlt1 内の選択基準値を決定するルールとして「参照回数を選択基準値として設定する」
が定義されているとする。
【0112】
また、参照履歴情報127にはユーザ甲の seqAlt1 内の1.html,2.html,3.htmlへの参照回数−各々4回、3回、8回、ユーザ乙の seqAlt1 内の1.html,2.html,3.htmlへの参照回数−各々2回、6回、4回 が記録されているとする。
【0113】
文書構造データ更新部123は、参照履歴情報127に記録されている seqAlt1 内の 1.html, 2.html, 3.html への参照回数にアクセスし、ユーザ甲及びユーザ乙の文書構造データを更新参照データ125に従って更新する。
【0114】
結果両者の文書構造データはユーザ甲については図17、ユーザ乙については図18となる。 第2の実施例と同様に本発明によって表示するとユーザ甲に対する文書構造は図19、ユーザ乙に対する文書構造は図20となる。
【0115】
D−4.文書構造データの更新
本発明の好適実施例の一態様においては、図6のフローチャートで説明したように、リンク集合の入れ子構造を設定することができる。図21は、かかる態様における一例を説明した図である。
【0116】
E.その他
以上、本発明をウエブブラウザを使用した態様において説明したが、本発明は、HTMLやXML等によるハイパー文書のみならず、リンク構造を有する対象を順次ブラウズしていくシステム全てに適用可能なものである。
【0117】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、文書提供者の意向により、読者毎に異なった文書構造を持つ情報を動的に提供することができ、また、本発明の1態様においては、複数ページに渡った文書構造の変更を行うこともできる。
【0118】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の概要を説明する図である。
【図2】 本発明の情報端末支援サーバまたは情報端末のハードウエア構成の一実施例を示すブロック図である。
【図3】 本発明の好適な実施例におけるハイパーテキスト文書制御システムのシステム構成を示す機能ブロック図である。
【図4】 本発明の好適な実施例における文書構造変更手順を示すフローチャートである。
である。
【図5】 本発明の好適な実施例における次ページ中の接続先表示の処理手順を示すフローチャートである。
たものである。
【図6】 本発明の好適な実施例におけるリンク集合の構成要素の評価手順を示すフローチャートである。
【図7】 本発明の好適な実施例における文書構造データの1例である。
【図8】 本発明の好適な実施例における文書構造データの1例である。
【図9】 本発明の好適な実施例における文書構造の概念図である。
【図10】 本発明の好適な実施例における結果の文書構造の概念図である。
【図11】 本発明の好適な実施例におけるリンク評価部の機能を説明する図である。
【図12】 本発明の好適な実施例における文書構造の概念図である。
【図13】 本発明の好適な実施例における結果の文書構造の概念図である。
【図14】 本発明の好適な実施例における文書構造データの1例である。
【図15】 本発明の好適な実施例における文書構造の概念図である。
【図16】 本発明の好適な実施例における結果の文書構造の概念図である。
【図17】 本発明の好適な実施例における文書構造データの1例である。
【図18】 本発明の好適な実施例における文書構造データの1例である。
【図19】 本発明の好適な実施例における結果の文書構造の概念図である。
【図20】 本発明の好適な実施例における結果の文書構造の概念図である。
【図21】 本発明の好適な実施例における文書構造の概念図である。
【図22】 従来技術の概要を示す図である。
【図23】 従来技術の概要を示す図である。
【符号の説明】
100 文書ブラウザ
103 文書サーバ
105 入力部
107 出力部
109 表示データ作成部
111 リンク評価部
113 文書構造データ解釈部
115 文書構造データ読み込み部
117 文書構造データ格納部
121 ハイパー文書
123 文書構造データ更新部
125 更新参照データ格納部
127 参照履歴情報格納部
129 リンクルール格納部
Claims (6)
- 文書ブラウザからの要求に応じて前記文書ブラウザに表示される表示データをリンクルールに基づいて動的に変更する方法であって、
オペレータの文書取得要求に応答して、第1のリンク条件情報に対応付けられた第1のページ特定情報と第2のリンク条件情報に対応付けられた第2のページ特定情報とを管理するリンク集合情報を含む文書構造データを格納する文書構造データ格納部にアクセスし、前記文書取得要求に含まれる情報に対応する文書構造データを読み取るステップと、
読み取られた文書構造データの第1のリンク条件情報と第2のリンク条件情報を文書提供者によって定義されたリンクルールに基づいて評価するステップと、
前記第1のページ特定情報を用いて前記文書ブラウザに上記評価の結果に基づいて必要に応じて文書構造を変更して表示させる表示データを生成するステップ を含み、前記第1のページ特定情報が複数のページを特定していることを特徴とするハイパー文書の制御方法。 - 前記第1のリンク条件情報を文書ブラウザの参照履歴に応答して更新するステップを更に含む請求項1に記載のハイパー文書の制御方法。
- 文書ブラウザからの要求に応じて前記文書ブラウザに表示される表示データをリンクルールに基づいて動的に変更するハイパー文書の制御装置であって、
第1のリンク条件情報に対応付けられた第1のページ特定情報と、第2のリンク条件情報に対応付けられた第2のページ特定情報とを管理するリンク集合情報を含む文書構造データを格納する文書構造データ格納部と、
オペレータの文書取得要求に応答して、前記文書構造格納部にアクセスし、前記文書取得要求に含まれる情報に対応する文書構造データを読み取る文書構造データ読み込み部と、
読み取られた文書構造データの第1のリンク条件情報と第2のリンク条件情報を文書提供者によって定義されたリンクルールに基づいて評価するリンク評価部と、
前記第1のページ特定情報を用いて前記文書ブラウザに上記評価の結果に基づいて必要に応じて文書構造を変更して表示させる表示データを生成する表示データ生成部と、
を含み、前記第1のページ特定情報が複数のページを特定していることを特徴とするハイパー文書の制御装置。 - 前記第1のリンク条件情報を文書ブラウザの参照履歴に応答して更新する文書構造データ更新部を更に含む請求項3に記載のハイパー文書の制御装置。
- ハイパー文書の制御装置上で実行され、文書ブラウザからの要求に応じて前記文書ブラウザに表示される表示データをリンクルールに基づいて動的に変更するプログラムを格納した前記制御装置が読み取り可能な記録媒体であって、
該制御プログラムは前記制御装置に、
オペレータの文書取得要求に応答して、第1のリンク条件情報に対応付けられた第1のページ特定情報と第2のリンク条件情報に対応付けられた第2のページ特定情報とを管理するリンク集合情報を含む文書構造データを格納する文書構造データ格納部にアクセスし、前記文書取得要求に含まれる情報に対応する文書構造データを読み取るステップと、
読み取られた文書構造データの第1のリンク条件情報と第2のリンク条件情報を文書提供者によって定義されたリンクルールに基づいて評価するステップと、
前記第1のページ特定情報を用いて前記文書ブラウザに上記評価の結果に基づいて必要に応じて文書構造を変更して表示させる表示データを生成するステップと、
を実行させるものであり、前記第1のページ特定情報が複数のページを特定していることを特徴とする、記憶媒体。 - 前記第1のリンク条件情報を文書ブラウザの参照履歴に応答して更新することを前記ハイパー文書の制御装置に実行させるためのプログラムコードを更に含む請求項5に記載の記憶媒体。
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