JP3696158B2 - Superconducting element and manufacturing method thereof - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、超電導素子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
超電導体により形成されるSFQ回路(Single Flux Quantum:単一磁束量子素子)は、100GHzを超える周波数領域において動作可能な特性を持つことから、近未来の超高速論理回路作製に向けた要素技術として期待されている。SFQ回路の応用分野としては、インターネットルータに代表される次世代モバイル通信のインフラ構築、超高速性を生かした超ハイスループットコンピュータ用演算回路構築、ソフトウエア無線対応の論理回路構築などが考えられている。
【0003】
SFQ回路を構築するにあたっては、低温超電導体よりも高温酸化物超電導体を用いることが有利なのは明らかである。すなわち、Nb系に代表される従来の低温超電導体を用いたSFQ回路は液体ヘリウムなどの冷媒を要し、4.2Kでしか動作できなかった。これに対して、高温酸化物超電導体を用いたSFQ回路は30〜40Kにおいて動作し、GMクーラーなどのクライオクーラーにより冷却可能であるため冷却コストが極めて安価であるうえに、動作周波数500GHz程度のパフォーマンスが期待できる。
【0004】
高温酸化物超電導体を用いたSFQ回路の構成要素の1つであるジョセフソン接合の形態には、積層型、ランプエッジ型、粒界接合型、ステップエッジ型などがある。以下、代表例として、ランプエッジ型のジョセフソン接合を有する素子の製造方法を簡単に説明する。まず、絶縁基板上に第1の超電導層および層間絶縁層を積層する。次に、層間絶縁層および第1の超電導層を斜め方向にエッチング加工してランプエッジを形成する。このエッチング加工により第1の超電導層の表面には変質層が形成される。次いで、第2の超電導層を成膜して、第1および第2の超電導層間にジョセフソン結合を形成した後、第2の超電導層をパターニングする。その後、アニーリングなどを行う。
【0005】
高温超電導体を用いたSFQ回路において100GHzオーダーの高速動作を実現するためには、回路構成要素の1つであるジョセフソン接合においてIcRn値に代表される電気特性を最適化するのみならず、回路構成要素の1つである配線部分の配線インダクタンス(L)および配線容量(C)を所望の範囲内に設定し、配線長、配線幅、配線層厚み、などにおける回路設計マージンを向上させることが重要である。これらのうち配線容量は配線長などの設計マージンに直接影響を与えるため、極力低い値に抑えることが重要である。このためには、動作条件下での層間絶縁層の比誘電率(εr)を極力低下させることが重要である。また、薄膜成長の観点から、層間絶縁層には、超電導層との格子整合が良好で、格子対称性が類似しており、超電導層とのエピタキシャル成長に適していることが要求される。
【0006】
高温超電導SFQの動作温度として期待されている約40K以下の温度領域において、膜厚約300nmの絶縁層は40以下のεrを持つことが望ましいとされる。従来、2層の超電導層間の層間絶縁層には、格子整合などの観点から、SrTiO3(チタン酸ストロンチウム)が多用されてきた。しかし、SrTiO3は、GHz帯周波数領域において比誘電率が高く(εr:100〜1000)、特に高周波数帯域において用いられるデジタルデバイスに対しては不適切であった。
【0007】
また、薄膜成長の観点から、従来用いられてきた層間絶縁層には以下に述べるような種々の問題があった。
【0008】
例えば、従来多用されているSrTiO3をYBa2Cu3y上に積層した場合、SrTiO3表面の凹凸がYBa2Cu3y表面の凹凸より著しく増大するうえに、積層界面でSrTiO3が(110)配向したドメインを生じることが頻繁に観測されていた。これらを用いてグランドプレーン(G.P.)などの積層膜を作製した場合、SFQ回路の接合におけるIcなどの電気物性値のバラツキが非常に大きくなっていた。
【0009】
MgOは比誘電率が低い物質であるが、MgOを特にランプエッジ型素子の層間絶縁層として使用した場合には、MgO層間絶縁層の傾斜面上に成長する超電導層の(001)方向が傾斜面の法線方向と平行になり、傾斜面端部の超電導層中に発生した粒界により粒界接合が形成される現象が見られる。このため、特にランプエッジ接合を基本とする回路のように、層間絶縁層の傾斜面上に超電導層をエピタキシャル成長させる場合にMgOを用いるのは適していない。また、MgOは水分により分解する性質が強く、プロセス中における大気、有機溶剤などから吸湿することによって、分解反応や表面のアモルファス化を起こしやすく、この点でもMgOは層間絶縁層として適していない。
【0010】
CeO2は比誘電率が20〜25程度であるが、CeO2にも以下のような問題がある。YBa2Cu37などの超電導薄膜とCeO2とのエピタキシャル成長は、傾斜面上においてもMgOに比較して良好である。しかし、CeO2層上にYBa2Cu37を成長させた場合、成長初期過程において界面で反応が起こり、特に斜方晶ペロブスカイト型のBaCeO3が生成される。この反応生成物は、超電導接合部の一部やグランドプレーンと下部電極層との界面付近に存在するため、接合特性およびグランドプレーンと下部電極層とのコンタクトなどの電気特性に著しく悪影響を及ぼす。しかも、この反応生成物は、薄膜中の析出物密度を高め、配線部の断線の原因となり、接合特性の再現性やバラツキに大きな影響を与える。また、CeO2を基板上およびYBCO上に(001)配向させた場合、CeO2は(111)面をエネルギー的に安定な面として成長するため、表面には(001)面に加えて(001)面に対して傾斜した(111)面をファセットとして持つ部分が多数混入し、非常に凹凸の激しい島状成長のような成長様式を示す。これらの理由により、CeO2は超電導層とのエピタキシャル成長には不適である。
【0011】
上記のように、従来の超電導素子の層間絶縁層として用いられてきた物質には様々な問題点があり、これら問題点を総合的に解決する物質の開発が求められていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、膜厚が約300nm以上で酸化物超電導層との平坦なエピタキシャル成長が可能であり、かつ約40K以下の動作温度においてεrが40以下である層間絶縁層を有し、良好な特性を示す超電導素子およびその製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の一態様に係る超電導素子は、基板と、前記基板上に形成された、ジョセフソン接合をなす第1および第2の酸化物超電導層と、前記第1および第2の酸化物超電導層の配線部分間に形成された、下記化学式(1)
(Ca1-xSrx)Snyz (1)
(ここで、0≦x≦0.8、0.4≦y≦1.1、1.6≦z≦3.4である)で表される酸化物層間絶縁層とを有する。
【0014】
本発明の他の態様に係る超電導素子の製造方法は、基板上に、第1の酸化物超電導層および下記化学式(1)
(Ca1-xSrx)Snyz (1)
(ここで、0≦x≦0.8、0.4≦y≦1.1、1.6≦z≦3.4である)で表される酸化物層間絶縁層を形成し、前記第1の酸化物超電導層および酸化物層間絶縁層の一部にエッチング加工を施し、エッチング加工された前記第1の酸化物超電導層および酸化物層間絶縁層上に第2の酸化物超電導層を積層して、前記第1の酸化物超電導層と第2の酸化物超電導層との間にジョセフソン接合を形成することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態における超電導素子についてより詳細に説明する。
基板としては、SrTiO3、MgO、La−Sr−Al−Ta−O系酸化物(LSAT基板)、NdGaO3、LaAlO3、YSZ(イットリア安定化ジルコニア)などが用いられる。
【0016】
ジョセフソン接合を形成する第1および第2の酸化物超電導層の材料としては、Ln−AE−Cu−O系(LnはYおよび希土類金属を表し、AEはアルカリ土類金属を表す)、Bi−Sr−Ca−Cu−O系、Tl−Ba−Ca−Cu−O系、(Ba,K)BiO3系などが用いられる。より具体的には、SFQ回路に一般的に用いられている銅系酸化物超電導体LnBa2Cu3z(ここで、LnはYおよび希土類金属からなる群より選択される少なくとも1種であり、6.0≦z≦8.0)、いわゆる123系超電導体が挙げられる。
【0017】
第1および第2の酸化物超電導層は、スパッタ法、レーザーアブレーション法、蒸着法、CVD法などにより成膜される。
【0018】
ジョセフソン接合の形態としては、積層型、ランプエッジ型、粒界接合型、ステップエッジ型などが挙げられる。
【0019】
本発明の実施形態において層間絶縁層として用いられる(Ca1-xSrx)Snyzはペロブスカイト型構造を持つ。この物質はバルク体で測定されたεrが約25程度であるため、SrTiO3などと比較して配線容量を著しく低下させることができる。また、この物質は固溶系を形成しており、酸化物超電導体とのエピタキシャル成長に適した格子対称性および格子整合性を持つため、複数のプロセスを経て形成される積層膜の結晶性、配向性、ならびに超電導転移温度(Tc)、配線部の巨視的臨界電流密度(Jc)などの電気特性を良好にすることができる。
【0020】
この(Ca1-xSrx)Snyzについて、0≦x≦0.8、0.4≦y≦1.1、1.6≦z≦3.4と規定したのは、以下のような理由による。すなわち、0≦x≦0.8の範囲をはずれると、超電導層上にこの酸化物からなる層間絶縁層を形成したときに表面の凹凸が増大し、さらに超電導層を積層した積層膜を作製した場合にSFQ回路の接合におけるIcなどの電気物性値のバラツキが生じやすくなる。また、0.4≦y≦1.1および1.6≦z≦3.4の範囲をはずれると、酸化物超電導体とのエピタキシャル成長に適した格子対称性および格子整合性が得られなくなる。yに関しては、0.5≦y≦1.0であることが好ましい。
【0021】
本発明の他の実施形態に係る超電導素子においては、第1および第2の酸化物超電導層ならびに酸化物層間絶縁層がいずれもアルカリ土類金属を含むことが好ましい。アルカリ土類金属としては、Ca、Sr、Baのうち少なくとも1種が含まれていればよい。上記の各層に全て同一のアルカリ土類金属が含まれている必要はなく、これらのアルカリ土類金属のうちいずれかが含まれていればよい。
【0022】
ランプエッジ型、積層型などの素子を形成するには、第1の酸化物層および層間絶縁層を含む積層膜のエッチング加工、高温アニール、第2の酸化物超電導層の堆積などがなされる。これらのプロセスにおいて、エッチングが施された表面層はほとんどの場合アモルファス化し、かつエッチング前の組成から逸脱した組成を有する劣化した層となる。特に、アルカリ土類金属を含む酸化物をエッチング加工した場合には、アルカリ土類金属が欠損しやすい。この劣化層が高温アニール処理および上層の積層プロセスを経る間に異相へと再結晶化し上層とのエピ関係劣化の原因となる。
【0023】
これに対して、第1および第2の酸化物超電導層ならびに酸化物層間絶縁層がアルカリ土類金属を含んでいれば、高温過程中に下層において欠損したアルカリ土類金属を上層から補うことができ、表面本来の構造を回復することができる。逆に、アルカリ土類金属が豊富になったとしても、薄膜中にshear構造が形成され、過剰なアルカリ土類を結晶中に積層欠陥として取り込むことにより、積層膜としての品質が保たれる。また、表面のアモルファス層に含まれる金属のうち最も反応性に富むアルカリ土類金属を下層および上層で共通して持つことにより、上層形成時に界面の平坦性を良好なものとすることが可能である。
【0024】
全ての層が共通のアルカリ土類金属、例えばSrを含む場合には、上記の効果が得られることは言うまでもない。また、アルカリ土類金属同志ならば、上層と下層のアルカリ土類金属の組み合わせが、SrとBaの組み合わせまたはBaとCaの組み合わせなどでも、同様の効果が得られる。
【0025】
本発明の他の実施形態に係る超電導素子は、第1および第2の酸化物超電導層間に形成されるジョセフソン接合の法線方向と基板表面の法線方向とが10°≦α≦45°の角度αをなす、いわゆるランプエッジ型素子であることが好ましい。
【0026】
本発明の実施形態に係る超電導素子の製造方法では、基板上に、第1の酸化物超電導層および(Ca1-xSrx)Snyz酸化物層間絶縁層を形成し、第1の酸化物超電導層および酸化物層間絶縁層の一部にエッチング加工を施し、エッチング加工された第1の酸化物超電導層および酸化物層間絶縁層上に第2の酸化物超電導層を積層して、第1の酸化物超電導層と第2の酸化物超電導層との間にジョセフソン接合を形成する。さらに、第2の酸化物超電導層はパターニングされる。また、プロセス中に高温アニール処理が適宜行われる。
【0027】
【実施例】
実施例1
本実施例においては、(Ca1-xSrx)Snyzで表される各種の絶縁層を作製した。表1に、(Ca1-xSrx)Snyz系絶縁層の構造物性を示す。格子定数はa,b方向の平均値を示す。格子定数および抵抗率は室温での値である。超電導層との格子不整合はNdBa2Cu37の格子定数を0.38525、YBa2Cu37の格子定数を0.38935として計算した値である。図1に、CaSnO3とNdBa2Cu37との格子対称性を示す。
【0028】
【表1】

Figure 0003696158
【0029】
次に、(100)面のLSAT基板または(100)面のSrTiO3基板上に、超電導層としてNdBa2Cu37またはYBa2Cu37、絶縁層として(Ca1-xSrx)Snyzを積層した。超電導層の厚さは200nm、絶縁層の厚さは500nmとした。
【0030】
図2に、LSAT基板上に形成したCaSnO3/NdBa2Cu37積層膜のXRD回折の測定結果を示す。図2から、絶縁層および超電導層のいずれも(001)配向単相となり、かつ界面での反応生成物からの回折ピークは一切観測されず、良好なエピタキシャル積層膜が形成されていることが判明した。一方、絶縁層にSrTiO3やCeO2などを用いた場合には、良好なエピタキシャル積層膜は得られない。
【0031】
表2に、YBa2Cu37またはNdBa2Cu37の上に積層した(Ca1-xSrx)Snyz、MgOまたはSrTiO3の表面粗さを測定した結果を示す。図3に、表2の結果に基づく、格子不整合と表面粗さRaとの関係を示す。
【0032】
表面粗さRaは、N個の測定点について、i番目の測定点の高さをZi、平均高さをZとして、下記式により求めた。
【0033】
Ra=Σ|Zi−Z|/N
表2および図3より、(Ca1-xSrx)Snyz(0≦x≦0.8、0.4≦y≦1.1、1.6≦z≦3.4)で表される絶縁層の表面粗さRaは3nm以下と良好なことがわかる。
【0034】
【表2】
Figure 0003696158
【0035】
実施例2
本実施例においては、下部超電導層としてNdBa2Cu37、層間絶縁層としてCaSnO3、上部超電導層としてYBa2Cu37を用い、ランプエッジ型素子を作製した。
【0036】
図4(A)〜(C)にランプエッジ型素子の製造工程を示す。表3に各層の成膜条件またはエッチング条件を示す。
【0037】
【表3】
Figure 0003696158
【0038】
図4(A)に示すように、LSAT基板11上に、厚さ約200nmのNdBa2Cu37からなる下部電極層12をスパッタリングにより成膜した。下部電極層12上に、厚さ約600nmのCaSnO3からなる層間絶縁層13をスパッタリングにより成膜した。層間絶縁層13上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィーによりレジストパターン14を形成した。
【0039】
図4(B)に示すように、レジストパターン14をマスクとして層間絶縁層13に対して第1段のイオンエッチングを行った。レジストパターンの残渣を除去した後、下部電極層12に対して第2段のイオンエッチングを行った。これらのイオンエッチングにより、ランプエッジをなす層間絶縁層および下部電極のパターンを形成した。イオンエッチングにより下部電極の表面には変質層が形成されているものと推定される。
【0040】
図4(C)に示すように、全面に厚さ約300nmのYBa2Cu37からなる上部電極層15を成膜した。この結果、下部電極層12と上部電極層15との間にランプエッジ型のジョセフソン結合が形成される。上部電極層15上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィーによりレジストパターン(図示せず)を形成した。レジストパターンをマスクとして上部電極層15をイオンエッチングすることにより上部電極のパターンを形成した。その後、レジストパターンの残渣を除去した。さらに、金電極を形成した後、O2流量1000sccm、1気圧の雰囲気において400℃でアニールした。
【0041】
X線回折(XRD)の結果、形成された各層は全て(001)配向していることが判明した。また、各層間の界面において、反応層は全く観測されなかった。
【0042】
単一チップ内における100個の素子についてジョセフソン接合の電気特性を評価した。図5に作製されたランプエッジ型素子の電気特性を示す。Icの平均値は1.04mA、Rnの平均値は1.5Ω、Icの標準偏差は5.7%であった。上部電極および下部電極について、Tcはそれぞれ87K、88K、Jcはそれぞれ4.5×107A/cm2、2.5×107A/cm2であった。
【0043】
実施例3
本実施例においては、下部超電導層としてNdBa2Cu37、層間絶縁層としてCaSnO3、上部超電導層としてYBa2Cu37を用い、積層型素子を作製した。
【0044】
図6(A)〜(C)に積層型素子の製造工程を示す。表4に各層の成膜条件またはエッチング条件を示す。
【0045】
【表4】
Figure 0003696158
【0046】
図6(A)に示すように、LSAT基板21上に、厚さ約200nmのNdBa2Cu37からなる下部電極層22をスパッタリングにより成膜した。下部電極層22上に、厚さ約600nmのCaSnO3からなる層間絶縁層23をスパッタリングにより成膜した。層間絶縁層23上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィーによりレジストパターン24を形成した。
【0047】
図6(B)に示すように、レジストパターン24をマスクとして層間絶縁層23のイオンエッチングを行った。その後、レジストパターンの残渣を除去した。このイオンエッチングにより下部電極の表面には変質層が形成されているものと推定される。
【0048】
図6(C)に示すように、全面に厚さ約300nmのYBa2Cu37からなる上部電極層25を成膜した。この結果、下部電極層22と上部電極層25との間に積層型のジョセフソン結合が形成される。上部電極層25上にレジストを塗布し、フォトリソグラフィーによりレジストパターン(図示せず)を形成した。レジストパターンをマスクとして上部電極層25をイオンエッチングすることにより上部電極のパターンを形成した。その後、レジストパターンの残渣を除去した。さらに、金電極を形成した後、O2流量1000sccm、1気圧の雰囲気において400℃でアニールした。
【0049】
X線回折(XRD)の結果、形成された各層は全て(001)配向していることが判明した。
【0050】
単一チップ内における100個の素子についてジョセフソン接合の電気特性を評価した。図7に作製された積層型素子の電気特性を示す。Icの平均値は1.04mA、Rnの平均値は1.5Ω、Icの標準偏差は5.7%であった。上部電極および下部電極について、Tcはそれぞれ87K、88K、Jcはそれぞれ4.5×107A/cm2、2.5×107A/cm2であった。積層型素子においてもエッジ型素子と同様の効果が得られており、従来の層間絶縁層を使用した場合に比べて電気特性は著しく向上していた。
【0051】
実施例4
本実施例においては、層間絶縁層としてCa0.5Sr0.5Sn0.52、下部および上部の超電導層としてNdBa2Cu37を用いたランプエッジ型素子を作製した。
【0052】
Ca0.5Sr0.5Sn0.52の構造物性は表1に示した通りである。この層間絶縁層は、全てのA−O層が2層積層された層状ペロブスカイト構造を示す。ランプエッジ型素子のシーケンスおよび製造条件は、実施例2と同様である。
【0053】
単一チップ内における100個の素子についてジョセフソン接合の電気特性を評価した。図8に作製されたランプエッジ型素子の電気特性を示す。Icの平均値は0.70mA、Rnの平均値は3.0Ω、Icの標準偏差は5.0%であった。上部電極および下部電極について、Tcはそれぞれ84K、87K、Jcはそれぞれ3.5×107A/cm2、3.5×107A/cm2であった。
【0054】
また、酸化物超電導層に(Ba,K)BiO3系、Bi系、Tl系、La214系などの結晶構造が123系と類似した他の超電導体を用いてランプエッジ型素子を作製した場合にも、上記実施例と同様の効果をもたらすことがスパッタ法による結果により判明した。
【0055】
また、スパッタ法に限らず、レーザーアブレーション法、CVD法、真空蒸着法などの他の成膜方法でも同様の効果が得られることが、これらの成膜方法を用いて素子を作製した結果により判明した。
【0056】
さらに、上記実施例で用いた絶縁層を基板と超電導層との間のバッファ層として用い、レーザーアブレーション法により作製した線材の電気特性を測定した結果、TcおよびJcの向上など、上記と同様の効果が得られた。このように著しく性能の優れた線材を作製することができ、電力応用に向けた線材の開発においても良好な結果を示すことが判明した。
【0057】
【発明の効果】
以上記述のように本発明によれば、膜厚が約300nm以上で酸化物超電導層との平坦なエピタキシャル成長が可能であり、かつ約40K以下の動作温度においてεrが40以下である層間絶縁層を有し、配線容量が小さく高速動作に適した超電導素子を提供できる。このため、高温超電導ジョセフソン接合の高速論理演算素子としての機能が飛躍的に向上し、通信インフラ技術の更なる高速化、通信容量の大型化に貢献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】CaSnO3とNdBa2Cu37との格子対称性を示す図。
【図2】CaSnO3/NdBa2Cu37積層膜のXRD回折の測定結果を示す図。
【図3】層間絶縁層の超電導層に対する格子不整合と表面粗さとの関係を示す図。
【図4】実施例2におけるランプエッジ型超電導素子の製造方法を示す図。
【図5】実施例2におけるランプエッジ型超電導素子の電気特性評価結果を示す図。
【図6】実施例3における積層型超電導素子の製造方法を示す図。
【図7】実施例3における積層型超電導素子の電気特性評価結果を示す図。
【図8】実施例4におけるランプエッジ型超電導素子の電気特性評価結果を示す図。
【符号の説明】
11…基板
12…下部電極層
13…層間絶縁層
14…レジストパターン
15…上部電極層
21…基板
22…下部電極層
23…層間絶縁層
24…レジストパターン
25…上部電極層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a superconducting element and a method for manufacturing the same.
[0002]
[Prior art]
The SFQ circuit (Single Flux Quantum) formed by superconductors has the characteristics that it can operate in a frequency range exceeding 100 GHz, so it is an elemental technology for the creation of ultra-high-speed logic circuits in the near future. Expected. Applications of SFQ circuits include the construction of next-generation mobile communication infrastructure represented by Internet routers, the construction of arithmetic circuits for ultra-high throughput computers that take advantage of ultra-high speed, and the construction of logic circuits that support software radio. Yes.
[0003]
Obviously, it is advantageous to use a high-temperature oxide superconductor rather than a low-temperature superconductor in constructing an SFQ circuit. That is, a conventional SFQ circuit using a low-temperature superconductor represented by an Nb system requires a refrigerant such as liquid helium and can only operate at 4.2K. In contrast, SFQ circuits using high-temperature oxide superconductors operate at 30 to 40K and can be cooled by a cryocooler such as a GM cooler, so that the cooling cost is extremely low and the operating frequency is about 500 GHz. Expect performance.
[0004]
As a form of the Josephson junction which is one of the components of the SFQ circuit using a high-temperature oxide superconductor, there are a stacked type, a ramp edge type, a grain boundary junction type, a step edge type, and the like. Hereinafter, as a representative example, a method for manufacturing an element having a ramp-edge type Josephson junction will be briefly described. First, a first superconducting layer and an interlayer insulating layer are stacked on an insulating substrate. Next, the interlayer insulating layer and the first superconducting layer are etched in an oblique direction to form a lamp edge. By this etching process, an altered layer is formed on the surface of the first superconducting layer. Next, after forming a second superconducting layer and forming a Josephson bond between the first and second superconducting layers, the second superconducting layer is patterned. Then, annealing is performed.
[0005]
In order to realize a high-speed operation on the order of 100 GHz in an SFQ circuit using a high-temperature superconductor, not only the electrical characteristics typified by the IcRn value are optimized in the Josephson junction, which is one of the circuit components, The wiring inductance (L) and wiring capacitance (C) of the wiring portion, which is one of the constituent elements, are set within a desired range, and the circuit design margin in wiring length, wiring width, wiring layer thickness, etc. is improved. is important. Of these, the wiring capacity directly affects the design margin such as the wiring length, so it is important to keep it as low as possible. For this purpose, it is important to reduce the relative dielectric constant (ε r ) of the interlayer insulating layer as much as possible under operating conditions. Also, from the viewpoint of thin film growth, the interlayer insulating layer is required to have good lattice matching with the superconducting layer and have similar lattice symmetry and be suitable for epitaxial growth with the superconducting layer.
[0006]
In a temperature range of about 40 K or less which is expected as the operating temperature of the high-temperature superconducting SFQ, it is desirable that the insulating layer having a film thickness of about 300 nm has an ε r of 40 or less. Conventionally, SrTiO 3 (strontium titanate) has been frequently used for an interlayer insulating layer between two superconducting layers from the viewpoint of lattice matching. However, SrTiO 3 has a high relative dielectric constant in the GHz band frequency region (ε r : 100 to 1000), and is inappropriate for digital devices used particularly in the high frequency band.
[0007]
Further, from the viewpoint of thin film growth, the conventionally used interlayer insulating layer has various problems as described below.
[0008]
For example, when laminating the SrTiO 3 which is conventionally often used on YBa 2 Cu 3 O y, in terms of unevenness of SrTiO 3 surface is significantly increased from the unevenness of the YBa 2 Cu 3 O y surface and SrTiO 3 in the lamination interface It has frequently been observed to produce (110) oriented domains. When a laminated film such as a ground plane (GP) is produced using these, variation in electrical property values such as Ic at the junction of the SFQ circuit is very large.
[0009]
MgO is a substance having a low relative dielectric constant. However, when MgO is used as an interlayer insulating layer of a lamp edge type element, the (001) direction of the superconducting layer grown on the inclined surface of the MgO interlayer insulating layer is inclined. There is a phenomenon in which a grain boundary junction is formed by the grain boundary generated in the superconducting layer at the end of the inclined surface, which is parallel to the normal direction of the surface. For this reason, it is not suitable to use MgO when epitaxially growing a superconducting layer on an inclined surface of an interlayer insulating layer, particularly in a circuit based on a lamp edge junction. In addition, MgO has a strong property of decomposing by moisture, and easily absorbs moisture from the atmosphere, organic solvent, etc. during the process, so that decomposition reaction and surface amorphization easily occur. In this respect, MgO is not suitable as an interlayer insulating layer.
[0010]
CeO 2 has a relative dielectric constant of about 20 to 25, but CeO 2 also has the following problems. Epitaxial growth of a superconducting thin film such as YBa 2 Cu 3 O 7 and CeO 2 is better than MgO even on an inclined surface. However, when YBa 2 Cu 3 O 7 is grown on the CeO 2 layer, a reaction occurs at the interface in the initial growth process, and in particular, orthorhombic perovskite-type BaCeO 3 is generated. Since this reaction product exists in a part of the superconducting junction and in the vicinity of the interface between the ground plane and the lower electrode layer, it significantly adversely affects the junction characteristics and electrical characteristics such as the contact between the ground plane and the lower electrode layer. In addition, this reaction product increases the density of precipitates in the thin film, causes disconnection of the wiring portion, and greatly affects the reproducibility and variation of the bonding characteristics. In addition, when CeO 2 is (001) oriented on the substrate and YBCO, CeO 2 grows with the (111) plane as an energetically stable plane, so in addition to the (001) plane (001) ) A large number of portions having (111) planes that are inclined with respect to the plane are mixed, and a growth pattern such as island-like growth with extremely ruggedness is exhibited. For these reasons, CeO 2 is not suitable for epitaxial growth with a superconducting layer.
[0011]
As described above, there are various problems in the materials used as the interlayer insulating layer of the conventional superconducting element, and the development of a material that comprehensively solves these problems has been demanded.
[0012]
[Problems to be solved by the invention]
It is an object of the present invention to have an interlayer insulating layer having a film thickness of about 300 nm or more and capable of flat epitaxial growth with an oxide superconducting layer and having an ε r of 40 or less at an operating temperature of about 40 K or less. It is an object of the present invention to provide a superconducting element exhibiting excellent characteristics and a method for manufacturing the same.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
A superconducting element according to an aspect of the present invention includes a substrate, first and second oxide superconducting layers formed on the substrate and forming a Josephson junction, and the first and second oxide superconducting layers. The following chemical formula (1) formed between the wiring parts of
(Ca 1-x Sr x) Sn y O z (1)
(Where 0 ≦ x ≦ 0.8, 0.4 ≦ y ≦ 1.1, 1.6 ≦ z ≦ 3.4).
[0014]
A method for manufacturing a superconducting element according to another aspect of the present invention includes a first oxide superconducting layer and a chemical formula (1) below on a substrate.
(Ca 1-x Sr x) Sn y O z (1)
(Where 0 ≦ x ≦ 0.8, 0.4 ≦ y ≦ 1.1, 1.6 ≦ z ≦ 3.4) is formed, and the first interlayer insulating layer is formed. Etching is performed on a part of the oxide superconducting layer and the oxide interlayer insulating layer, and a second oxide superconducting layer is stacked on the etched first oxide superconducting layer and the oxide interlayer insulating layer. A Josephson junction is formed between the first oxide superconducting layer and the second oxide superconducting layer.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The superconducting element in the embodiment of the present invention will be described in more detail.
As the substrate, SrTiO 3 , MgO, La—Sr—Al—Ta—O-based oxide (LSAT substrate), NdGaO 3 , LaAlO 3 , YSZ (yttria stabilized zirconia) or the like is used.
[0016]
As materials for the first and second oxide superconducting layers forming the Josephson junction, Ln—AE—Cu—O system (Ln represents Y and rare earth metal, and AE represents alkaline earth metal), Bi -Sr-Ca-Cu-O system, Tl-Ba-Ca-Cu -O system, (Ba, K) BiO 3 system are used. More specifically, a copper-based oxide superconductor LnBa 2 Cu 3 O z generally used in SFQ circuits (where Ln is at least one selected from the group consisting of Y and rare earth metals) 6.0 ≦ z ≦ 8.0), so-called 123 series superconductors.
[0017]
The first and second oxide superconducting layers are formed by sputtering, laser ablation, vapor deposition, CVD, or the like.
[0018]
Examples of the form of the Josephson junction include a stacked type, a ramp edge type, a grain boundary junction type, and a step edge type.
[0019]
Used as an interlayer insulating layer in embodiments of the present invention (Ca 1-x Sr x) Sn y O z has a perovskite structure. Since this material has an ε r measured by a bulk body of about 25, the wiring capacitance can be significantly reduced as compared with SrTiO 3 or the like. In addition, this material forms a solid solution system and has lattice symmetry and lattice matching suitable for epitaxial growth with oxide superconductors. Therefore, the crystallinity and orientation of the laminated film formed through multiple processes. In addition, electrical characteristics such as the superconducting transition temperature (Tc) and the macroscopic critical current density (Jc) of the wiring portion can be improved.
[0020]
This (Ca 1-x Sr x) Sn y O z, 0 ≦ x ≦ 0.8,0.4 ≦ y ≦ 1.1,1.6 ≦ z ≦ 3.4 as defined the following For reasons like this. That is, if the range of 0 ≦ x ≦ 0.8 is exceeded, surface irregularities increase when an interlayer insulating layer made of this oxide is formed on the superconducting layer, and a laminated film in which the superconducting layer is further laminated is produced. In this case, variations in electrical property values such as Ic at the junction of SFQ circuits are likely to occur. Further, if the ranges of 0.4 ≦ y ≦ 1.1 and 1.6 ≦ z ≦ 3.4 are not satisfied, lattice symmetry and lattice matching suitable for epitaxial growth with an oxide superconductor cannot be obtained. y is preferably 0.5 ≦ y ≦ 1.0.
[0021]
In the superconducting element according to another embodiment of the present invention, it is preferable that the first and second oxide superconducting layers and the oxide interlayer insulating layer both contain an alkaline earth metal. As the alkaline earth metal, at least one of Ca, Sr, and Ba may be included. It is not necessary for all the above layers to contain the same alkaline earth metal, and it is sufficient that any one of these alkaline earth metals is contained.
[0022]
In order to form an element such as a lamp edge type or a laminated type, etching processing of a laminated film including a first oxide layer and an interlayer insulating layer, high-temperature annealing, deposition of a second oxide superconducting layer, and the like are performed. In these processes, the etched surface layer becomes amorphous in most cases and becomes a degraded layer having a composition that deviates from the composition prior to etching. In particular, when an oxide containing an alkaline earth metal is etched, the alkaline earth metal is easily lost. The deteriorated layer is recrystallized into a different phase during the high temperature annealing process and the upper layer stacking process, causing deterioration of the epi relationship with the upper layer.
[0023]
On the other hand, if the first and second oxide superconducting layers and the oxide interlayer insulating layer contain an alkaline earth metal, it is possible to make up for the alkaline earth metal missing in the lower layer from the upper layer during the high temperature process. And the original structure of the surface can be restored. On the contrary, even if the alkaline earth metal becomes rich, a shear structure is formed in the thin film, and the quality of the laminated film is maintained by incorporating excess alkaline earth as a stacking fault in the crystal. In addition, by having the most reactive alkaline earth metal among the metals contained in the amorphous layer on the surface in common in the lower layer and the upper layer, it is possible to improve the flatness of the interface when forming the upper layer. is there.
[0024]
It goes without saying that the above effect can be obtained when all the layers contain a common alkaline earth metal such as Sr. Further, if the alkaline earth metals are used, the same effect can be obtained even when the combination of the upper and lower alkaline earth metals is a combination of Sr and Ba or a combination of Ba and Ca.
[0025]
In a superconducting device according to another embodiment of the present invention, the normal direction of the Josephson junction formed between the first and second oxide superconducting layers and the normal direction of the substrate surface are 10 ° ≦ α ≦ 45 °. A so-called ramp edge type element having the angle α is preferable.
[0026]
The method of manufacturing a superconducting element according to the embodiment of the present invention, on a substrate, a first oxide superconductor layer and (Ca 1-x Sr x) to form a Sn y O z oxide interlayer insulating layer, a first Etching is performed on a part of the oxide superconducting layer and the oxide interlayer insulating layer, and a second oxide superconducting layer is stacked on the etched first oxide superconducting layer and the oxide interlayer insulating layer, A Josephson junction is formed between the first oxide superconducting layer and the second oxide superconducting layer. Furthermore, the second oxide superconducting layer is patterned. Further, high-temperature annealing is appropriately performed during the process.
[0027]
【Example】
Example 1
In this example, a variety of insulating layer represented by (Ca 1-x Sr x) Sn y O z. Table 1 shows the structure physical properties of (Ca 1-x Sr x) Sn y O z based insulating layer. The lattice constant indicates an average value in the a and b directions. Lattice constant and resistivity are values at room temperature. Lattice mismatch between the superconducting layer is 0.38525 lattice constant of NdBa 2 Cu 3 O 7, a calculated value of the lattice constant of the YBa 2 Cu 3 O 7 as 0.38935. FIG. 1 shows the lattice symmetry between CaSnO 3 and NdBa 2 Cu 3 O 7 .
[0028]
[Table 1]
Figure 0003696158
[0029]
Next, on the (100) plane LSAT substrate or the (100) plane SrTiO 3 substrate, NdBa 2 Cu 3 O 7 or YBa 2 Cu 3 O 7 as the superconducting layer and (Ca 1-x Sr x ) as the insulating layer Sn y Oz was laminated. The thickness of the superconducting layer was 200 nm, and the thickness of the insulating layer was 500 nm.
[0030]
FIG. 2 shows the measurement results of XRD diffraction of the CaSnO 3 / NdBa 2 Cu 3 O 7 laminated film formed on the LSAT substrate. FIG. 2 shows that both the insulating layer and the superconducting layer have a (001) -oriented single phase, and no diffraction peak from the reaction product at the interface is observed, and a good epitaxial laminated film is formed. did. On the other hand, when SrTiO 3 or CeO 2 is used for the insulating layer, a good epitaxial laminated film cannot be obtained.
[0031]
Table 2 shows the results of measuring a YBa 2 Cu 3 O 7 or NdBa 2 Cu 3 was laminated on the O 7 (Ca 1-x Sr x) surface roughness of the Sn y O z, MgO or SrTiO 3. FIG. 3 shows the relationship between the lattice mismatch and the surface roughness Ra based on the results of Table 2.
[0032]
The surface roughness Ra was determined by the following equation for the N measurement points, where the height of the i-th measurement point was Z i and the average height was Z.
[0033]
Ra = Σ | Z i −Z | / N
From Table 2 and FIG. 3, it is represented by (Ca 1−x Sr x ) Sn y O z (0 ≦ x ≦ 0.8, 0.4 ≦ y ≦ 1.1, 1.6 ≦ z ≦ 3.4). It can be seen that the surface roughness Ra of the insulating layer is as good as 3 nm or less.
[0034]
[Table 2]
Figure 0003696158
[0035]
Example 2
In the present embodiment, NdBa 2 Cu 3 O 7 as a lower superconducting layer, CaSnO 3 as an interlayer insulating layer, a YBa 2 Cu 3 O 7 as an upper superconducting layer, to produce a ramp-edge element.
[0036]
4A to 4C show the manufacturing process of the lamp edge type element. Table 3 shows the film forming conditions or etching conditions of each layer.
[0037]
[Table 3]
Figure 0003696158
[0038]
As shown in FIG. 4A, a lower electrode layer 12 made of NdBa 2 Cu 3 O 7 having a thickness of about 200 nm was formed on the LSAT substrate 11 by sputtering. An interlayer insulating layer 13 made of CaSnO 3 having a thickness of about 600 nm was formed on the lower electrode layer 12 by sputtering. A resist was applied on the interlayer insulating layer 13, and a resist pattern 14 was formed by photolithography.
[0039]
As shown in FIG. 4B, first-stage ion etching was performed on the interlayer insulating layer 13 using the resist pattern 14 as a mask. After removing the resist pattern residue, second-stage ion etching was performed on the lower electrode layer 12. By these ion etching, a pattern of an interlayer insulating layer and a lower electrode forming a lamp edge was formed. It is estimated that an altered layer is formed on the surface of the lower electrode by ion etching.
[0040]
As shown in FIG. 4C, an upper electrode layer 15 made of YBa 2 Cu 3 O 7 having a thickness of about 300 nm was formed on the entire surface. As a result, a ramp edge type Josephson coupling is formed between the lower electrode layer 12 and the upper electrode layer 15. A resist was applied on the upper electrode layer 15, and a resist pattern (not shown) was formed by photolithography. The upper electrode layer 15 was ion-etched using the resist pattern as a mask to form an upper electrode pattern. Thereafter, the resist pattern residue was removed. Further, after forming a gold electrode, annealing was performed at 400 ° C. in an atmosphere of O 2 flow rate 1000 sccm and 1 atm.
[0041]
As a result of X-ray diffraction (XRD), it was found that all the formed layers were (001) oriented. In addition, no reaction layer was observed at the interface between the layers.
[0042]
The electrical characteristics of the Josephson junction were evaluated for 100 devices in a single chip. FIG. 5 shows the electrical characteristics of the manufactured lamp edge type element. The average value of Ic was 1.04 mA, the average value of Rn was 1.5Ω, and the standard deviation of Ic was 5.7%. Regarding the upper electrode and the lower electrode, Tc was 87K, 88K, and Jc was 4.5 × 10 7 A / cm 2 and 2.5 × 10 7 A / cm 2 , respectively.
[0043]
Example 3
In the present embodiment, NdBa 2 Cu 3 O 7 as a lower superconducting layer, CaSnO 3 as an interlayer insulating layer, a YBa 2 Cu 3 O 7 as an upper superconducting layer to prepare a multilayer element.
[0044]
6A to 6C show a manufacturing process of the stacked element. Table 4 shows the film forming conditions or etching conditions of each layer.
[0045]
[Table 4]
Figure 0003696158
[0046]
As shown in FIG. 6A, a lower electrode layer 22 made of NdBa 2 Cu 3 O 7 having a thickness of about 200 nm was formed on the LSAT substrate 21 by sputtering. An interlayer insulating layer 23 made of CaSnO 3 having a thickness of about 600 nm was formed on the lower electrode layer 22 by sputtering. A resist was applied on the interlayer insulating layer 23, and a resist pattern 24 was formed by photolithography.
[0047]
As shown in FIG. 6B, ion etching of the interlayer insulating layer 23 was performed using the resist pattern 24 as a mask. Thereafter, the resist pattern residue was removed. It is presumed that an altered layer is formed on the surface of the lower electrode by this ion etching.
[0048]
As shown in FIG. 6C, an upper electrode layer 25 made of YBa 2 Cu 3 O 7 having a thickness of about 300 nm was formed on the entire surface. As a result, a stacked Josephson bond is formed between the lower electrode layer 22 and the upper electrode layer 25. A resist was applied on the upper electrode layer 25, and a resist pattern (not shown) was formed by photolithography. The upper electrode layer 25 was ion-etched using the resist pattern as a mask to form an upper electrode pattern. Thereafter, the resist pattern residue was removed. Further, after forming a gold electrode, annealing was performed at 400 ° C. in an atmosphere of O 2 flow rate 1000 sccm and 1 atm.
[0049]
As a result of X-ray diffraction (XRD), it was found that all the formed layers were (001) oriented.
[0050]
The electrical characteristics of the Josephson junction were evaluated for 100 devices in a single chip. FIG. 7 shows the electrical characteristics of the fabricated multilayer element. The average value of Ic was 1.04 mA, the average value of Rn was 1.5Ω, and the standard deviation of Ic was 5.7%. Regarding the upper electrode and the lower electrode, Tc was 87K, 88K, and Jc was 4.5 × 10 7 A / cm 2 and 2.5 × 10 7 A / cm 2 , respectively. The same effect as that of the edge type element is obtained in the laminated type element, and the electric characteristics are remarkably improved as compared with the case where the conventional interlayer insulating layer is used.
[0051]
Example 4
In this example, a lamp edge type element using Ca 0.5 Sr 0.5 Sn 0.5 O 2 as an interlayer insulating layer and NdBa 2 Cu 3 O 7 as lower and upper superconducting layers was fabricated.
[0052]
The structural properties of Ca 0.5 Sr 0.5 Sn 0.5 O 2 are as shown in Table 1. This interlayer insulating layer has a layered perovskite structure in which all the A-O layers are laminated in two layers. The sequence and manufacturing conditions of the lamp edge type element are the same as those in the second embodiment.
[0053]
The electrical characteristics of the Josephson junction were evaluated for 100 devices in a single chip. FIG. 8 shows the electrical characteristics of the manufactured lamp edge type element. The average value of Ic was 0.70 mA, the average value of Rn was 3.0Ω, and the standard deviation of Ic was 5.0%. For the upper electrode and the lower electrode, Tc was 84K, 87K, and Jc was 3.5 × 10 7 A / cm 2 and 3.5 × 10 7 A / cm 2 , respectively.
[0054]
In addition, when a lamp edge type element is manufactured by using another superconductor having a crystal structure similar to that of the 123 series, such as (Ba, K) BiO 3 series, Bi series, Tl series, La214 series, etc., in the oxide superconducting layer. As a result, it was found from the results of the sputtering method that the same effect as in the above-described example was brought about.
[0055]
In addition, it is clear from the results of fabricating devices using these film forming methods that the same effect can be obtained not only by sputtering but also by other film forming methods such as laser ablation, CVD, and vacuum evaporation. did.
[0056]
Further, the insulating layer used in the above example was used as a buffer layer between the substrate and the superconducting layer, and the electrical characteristics of the wire produced by the laser ablation method were measured. As a result, the Tc and Jc were improved, and the like. The effect was obtained. Thus, it was found that a wire material with extremely excellent performance could be produced, and that good results were obtained in the development of a wire material for power application.
[0057]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, an interlayer insulating layer having a film thickness of about 300 nm or more and capable of flat epitaxial growth with an oxide superconducting layer and having an ε r of 40 or less at an operating temperature of about 40 K or less. And a superconducting element suitable for high-speed operation with a small wiring capacity. For this reason, the function of the high-temperature superconducting Josephson junction as a high-speed logic operation element is dramatically improved, which contributes to further increase in communication infrastructure technology and communication capacity.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a diagram showing lattice symmetry between CaSnO 3 and NdBa 2 Cu 3 O 7 .
FIG. 2 is a view showing a measurement result of XRD diffraction of a CaSnO 3 / NdBa 2 Cu 3 O 7 laminated film.
FIG. 3 is a diagram showing a relationship between lattice mismatch and surface roughness of an interlayer insulating layer with respect to a superconducting layer.
4 is a view showing a method for manufacturing a lamp edge type superconducting element in Example 2. FIG.
FIG. 5 is a view showing an electrical property evaluation result of a lamp edge type superconducting element in Example 2;
6 is a view showing a method for manufacturing a laminated superconducting element in Example 3. FIG.
7 is a graph showing the results of evaluating electrical characteristics of the multilayer superconducting element in Example 3. FIG.
FIG. 8 is a view showing an electrical property evaluation result of a lamp edge type superconducting element in Example 4;
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 11 ... Substrate 12 ... Lower electrode layer 13 ... Interlayer insulating layer 14 ... Resist pattern 15 ... Upper electrode layer 21 ... Substrate 22 ... Lower electrode layer 23 ... Interlayer insulating layer 24 ... Resist pattern 25 ... Upper electrode layer

Claims (3)

基板と、
前記基板上に形成された、ジョセフソン接合をなす第1および第2の酸化物超電導層と、
前記第1および第2の酸化物超電導層の配線部分間に形成された、下記化学式(1)
(Ca1-xSrx)Snyz (1)
(ここで、0≦x≦0.8、0.4≦y≦1.1、1.6≦z≦3.4である)で表される酸化物層間絶縁層と
を有することを特徴とする超電導素子。
A substrate,
A first and a second oxide superconducting layer forming a Josephson junction formed on the substrate;
The following chemical formula (1) formed between the wiring portions of the first and second oxide superconducting layers:
(Ca 1-x Sr x) Sn y O z (1)
(Where 0 ≦ x ≦ 0.8, 0.4 ≦ y ≦ 1.1, 1.6 ≦ z ≦ 3.4), and an oxide interlayer insulating layer Superconducting element.
前記第1および第2の酸化物超電導層ならびに酸化物層間絶縁層がアルカリ土類金属を含むことを特徴とする請求項1に記載の超電導素子。The superconducting element according to claim 1, wherein the first and second oxide superconducting layers and the oxide interlayer insulating layer contain an alkaline earth metal. 基板上に、第1の酸化物超電導層、および下記化学式(1)
(Ca1-xSrx)Snyz (1)
(ここで、0≦x≦0.8、0.4≦y≦1.1、1.6≦z≦3.4である)で表される酸化物層間絶縁層を形成し、
前記第1の酸化物超電導層および酸化物層間絶縁層の一部にエッチング加工を施し、
エッチング加工された前記第1の酸化物超電導層および酸化物層間絶縁層上に第2の酸化物超電導層を積層して、前記第1の酸化物超電導層と第2の酸化物超電導層との間にジョセフソン接合を形成する
ことを特徴とする超電導素子の製造方法。
On the substrate, the first oxide superconducting layer and the following chemical formula (1)
(Ca 1-x Sr x) Sn y O z (1)
(Where 0 ≦ x ≦ 0.8, 0.4 ≦ y ≦ 1.1, 1.6 ≦ z ≦ 3.4) is formed,
Etching is performed on a part of the first oxide superconducting layer and the oxide interlayer insulating layer,
A second oxide superconducting layer is stacked on the etched first oxide superconducting layer and the oxide interlayer insulating layer, and the first oxide superconducting layer and the second oxide superconducting layer are A method of manufacturing a superconducting element, characterized in that a Josephson junction is formed therebetween.
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