JP3696058B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明はパチンコ機のような遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パチンコ機のような遊技機には、球を誘導する球流路が隣接して設けられ、これら隣接する球流路が仕切板によって仕切られた構造のものが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、隣接する球流路を仕切板によって仕切るとともに、その球流路を流れる球に帯電した静電気を、仕切板において除去し、静電気が原因となる不具合を防止することができる遊技機を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る遊技機は、本体枠の裏側に組み付けられた球タンクから送り出されてタンクレールから供給されるパチンコ球をそれぞれ一列をなして下方に誘導する複数の球流路を隣接して有する払い出し装置を備えた遊技機であって、
前記隣接する球流路に対応しかつ合成樹脂材によって形成された両側の通路壁と、
前記両側の通路壁とは別体に形成されかつこれら両側の通路壁の間に垂立状態で組み付られることによって、前記隣接する球流路を仕切る仕切板と、を備え、
前記仕切板は導電性を有するとともにアースされ、
前記パチンコ球が前記隣接する球流路内をそれぞれ流下する際、前記導電性の仕切板によって、前記パチンコ球に帯電した静電気をそれぞれ除去する構成にしてあることを特徴とする。
また、請求項2に係る遊技機は、請求項1に記載の遊技機であって、
仕切板には、球流路に突出して球を誘導案内する突出部が設けられていることを特徴とする。
【0005】
【作用】
したがって、請求項1に係る遊技機によれば、仕切板によって仕切られた隣接する球流路にはパチンコ球がそれぞれ一列状に誘導されて流れる。これら隣接する球流路をそれぞれ一列状をなして流れるパチンコ球に帯電した静電気は、アースされた導電性を有する仕切板において除去される。
すなわち、隣接する球流路内をそれぞれ一列状をなして流下するパチンコ球のうち、仕切板を境としてその一面側を流れるパチンコ球が同仕切板の一面に接触し、仕切板の他面側を流れるパチンコ球が同仕切板の他面に接触して流下することによって、パチンコ球に帯電した静電気が除去される。
また、請求項2に係る遊技機によれば、仕切板に設けた突出部によって球流路の球を誘導案内することができるとともに、その突出部に対し球が接触し易くなるため、球に帯電した静電気が突出部を介して仕切板に流れ易くなる。
【0006】
【発明の効果】
この発明によれば、球に帯電した静電気を仕切板によって除去することができ、静電気が原因となる不具合を防止することができる。
【0007】
【実施例】
次に、本発明の1実施例を図面にしたがって説明する。但し、パチンコ機を正面から見たときの前後方向を前後方向とし、左右方向を内外方向として以下説明する。
パチンコ機の本体枠Hの片側の縦枠部の裏側に取外し可能に組付けられてタンクレールの先端部付近の下方に設置される払い出し制御装置Aにおいて、透明合成樹脂材によって成形された収納ケース1は縦長状で後方開放の方形箱形状に形成され、この収納ケース1に結合された部材および各ユニットとともに図1、図20に示す本体枠Hに着脱可能に装着される。
【0008】
収納ケース1には内外1対の側壁板1aと、水平な上壁板1bおよび下壁板1bと、各壁板1a,1bの前端縁に連接された垂直な前壁板1cとが形成されている。
【0009】
収納ケース1の内側の側壁板1aの上端には図3に示すように球タンク内から送り出されてタンクレール上を前後2列となって払い出し制御装置A側へ流下したパチンコ球が導入される球入口2が開口され、内側の側壁板1aの上下方向中央部の若干下方には賞品球若しくは貸し球を上皿へ向けて誘導する賞品球流路に連通された球出口3が開口され、内側の側壁板1aの下部にはパチンコ球をパチンコ機外へ排出する球排出流路に連通された球抜き口4が開口されている。
【0010】
収納ケース1の前壁板1cの内壁面の上部にはタンクレールから前後2列で送られるパチンコ球のうち、前列のパチンコ球を導く通路を形成する壁が設けられ、前壁板1cには上端縁が球入口2の上側開口縁に連接されて上端部付近が外方へ先下り状に傾斜し、中央部付近が内方へ若干凸曲して下部が垂直状に形成された第1前側通路壁1dと、内端縁が球入口2の下側開口縁に連接され、外方へ先下り状に傾斜した状態で第1前側通路壁1dの上端部付近の下方に形成された第2前側通路壁1eと、この第2前側通路壁1eの外端縁の下方に間隙を隔ててほぼ垂直状に形成された第3前側通路壁1fの各前端縁がそれぞれ連接されている。
【0011】
各通路壁1d,1e,1fは前列のパチンコ球の誘導が可能な奥行で後方へ突出され、第1前側通路壁1aと、第2、第3前側通路壁1e,1fとの間には前後2列となって球入口2へ導入されたパチンコ球のうちの前列のパチンコ球をタンクレールの延長方向へ誘導してから下方へ誘導する前補給流路5が形成されている。
【0012】
収納ケース1の前壁板1cの内壁面の中央部付近には両側壁板1a間に水平状に設置されて収納ケース1内を上下2室に区画する仕切り壁1gの前端縁が連接され、この仕切り壁1gの内方には前後2列のパチンコ球の通過が可能な球通し口8が開設されている。
【0013】
収納ケース1の前壁板1cの内壁面の中央部付近および下部には上端縁が仕切り壁1gの内端縁付近の下方に隣接されて下端縁が球抜き口4の下側開口縁の前部に連接され、外方へ凸円弧状に湾曲した湾曲部と、垂直部と、傾斜部と、垂直部と、傾斜部とが上から順に形成された第4前側通路壁1iの前端縁と、上端縁が球通し口8の下方に配設されて下端縁が球出口3の下側開口縁の前部に連接され、垂直部と傾斜部とが形成された第5前側通路壁1jの前端縁とが連接されている。
【0014】
両前側通路壁1i,1jは前列のパチンコ球の誘導が可能な奥行で後方へ突出され、収納ケース1の内側の側壁板1aと第5前側通路壁1jとの間には球通し口8の前部を通り抜けたパチンコ球を球出口3へ誘導する前払い出し流路6が形成され、第4前側通路壁1iと第5前側通路壁1jとの間には球通し口8の前部を通り抜けたパチンコ球を球抜き口4へ誘導する前球抜き流路7が形成されている。
【0015】
前壁板1cの下端には遊技盤面の各入賞口に入賞したセーフ球が導入される導入口と、収納ケース1内へ1時的に導入されたセーフ球をパチンコ機外へ排出する排出口とを兼ねたセーフ球出入口9が傾斜状に開口されている。このセーフ球出入口9は払い出し制御装置A外に設置された図示しない通路壁によって上下に仕切られて上部が入口部で下部が出口部となるように形成されている。
【0016】
収納ケース1の上部には図2に示すようにタンクレールからパチンコ球を受入れて下方へ誘導する球補給ユニット10が着脱可能に結合されて収納されている。
【0017】
球補給ユニット10のユニットベース11は透明合成樹脂材で成形され、このユニットベース11の後端には図1、図2に示すように収納ケース1の開口部の上部を覆蓋する蓋板11aが垂直状に形成されている。
【0018】
ユニットベース11の蓋板11aの前面には図4、図5に示すように収納ケース1の第1前側通路壁1dの後方に隣設されて第1前側通路壁1dに突合わせ状に対置された第1後側通路壁11bと、第2前側通路壁1eの後方に隣設されて第2前側通路壁1eに突合わせ状に対置された第2後側通路壁11cと、第3前側通路壁1fの後方に隣設されて第3前側通路壁1fに突合わせ状に対置された第3後側通路壁11dとの各後端縁がそれぞれ連接されるとともに、蓋板11aの前面には第1後側通路壁11bと第2、第3後側通路壁11c,11dとの中間部に配設されて奥行が各後側通路壁11b,11c,11dの奥行より短縮されたガイド壁11gが連接されている。
【0019】
第1後側通路壁11bと、第2、第3後側通路壁11c,11dとの間にはタンクレール上から球入口2内へ導入された前後2列のパチンコ球のうちの後列の各パチンコ球をタンクレールの延長方向へ誘導してから下方へ誘導する後補給流路13が前補給流路5の後側に隣接して形成されている。
【0020】
隣接する球流路をなす前補給流路5と後補給流路13とは収納ケース1の各前通路壁1d,1e,1fと、ユニットベース11の各後通路壁11b,11c,11dとの間に挟み込まれた状態で垂立され、ステンレス製で導電性を有し、前後補給流路5,13内を流下するパチンコ球の静電気を除去する機能を有する帯電防止用の除電板15(この発明の仕切板に相当する)によって仕切られている。この除電板15はリード線19およびこのリード線19に接続されたコネクタ端子を通じてアースされ、後記払い出し制御基板79を静電気から防護する目的で設置されている。
【0021】
除電板15の下端の左右方向中央部には正面形状がほぼ逆V形状で深さが上方へ漸減する誘導のVカット部16(この発明の突出部に相当する)が後補給流路13内へ若干突入された状態で曲げ起し状に形成されている。
【0022】
蓋板11aの前側には蓋板11aの上部に挿着されて前方へ水平状に延出された支軸18によってそれぞれ内外方向への搖動可能に支持されて前後補給流路5,13内の球切れを検出する前後1対の球切れ検出片14が設置されている。
【0023】
両球切れ検出片14の下端には内方へ突出された押圧部14aが形成されている。球切れ検出片14が搖動すると、その下端縁がそれぞれ前後補給流路5,13の内外へ出没する。
【0024】
両補給流路5,13内に所定数以上のパチンコ球が貯留されている場合には両球切れ検出片14がパチンコ球によって押動されて内方へ搖動し、両補給流路5,13内の一方若しくは両方に貯留されたパチンコ球数が不足している場合には一方の球切れ検出片14若しくは両球切れ検出片14が球切れ検出スイッチ17の触動片17aによって押圧されて外方へ搖動する。
【0025】
ユニットベース11の蓋板11aの前面の内端部には図6に示すように両球切れ検出片14の内方で前方へ水平状に突出された上下1対の挟持片11eと、この両挟持片11e間に設置された上下1対のスイッチ支持片11fとが連接され、両スイッチ支持片11fの前端面には前方へ若干突出されたピン状の突起61がそれぞれ形成されている。
【0026】
蓋板11aの前側には後記スイッチホルダ60を介して前後に離隔して並行状態で両挟持片11e間に挟み込まれた前後1対の球切れ検出スイッチ17が両球切れ検出片14にそれぞれ対向して設置されている。
【0027】
両球切れ検出スイッチ17間にはこの両球切れ検出スイッチ17間の間隙の中央部に垂立された方形板状の仕切り板60aと、この仕切り板60aの両側面の上下部にそれぞれ突設された左右各1対の突片60bと、この突片60bの外端面にそれぞれ突設されたピン状の突起60cとを有する合成樹脂製のスイッチホルダ60が挟み込まれている。
【0028】
両球切れ検出スイッチ17の本体部には上下1対の貫通孔17bがそれぞれ貫設され、両球切れ検出スイッチ17は、両スイッチ支持片11fの突起61が前側の球切れ検出スイッチ17の両貫通孔17b内にそれぞれ挿入され、スイッチホルダ60の各突起60cが両球切れ検出スイッチ17の各貫通孔17b内にそれぞれ挿入された状態でユニットベース11に取付けられている。前側の球切れ検出スイッチ17は収納ケース1の前壁板1cとスイッチホルダ60との間に挟持され、後側の球切れ検出スイッチ17はスイッチホルダ60と蓋板11aとの間に挟持され、両球切れ検出スイッチ17はビスを使用せずに組付けられているので、両球切れ検出スイッチ17の組付け手数を軽減することができる。
【0029】
ユニットベース11の蓋板11aには球切れ検出片14の押圧部14aと球切れ検出スイッチ17の触動片17aとの作動状態を球補給ユニット10の外部から透視するための覗き窓62が丸孔状に開口されている。この覗き窓62によって球切れ検出スイッチ17の作動状態が正常か異常かを明確に視認することができる。
【0030】
両補給流路5,13のうちの一方でパチンコ球が欠乏して一方の球切れ検出片14が外方へ搖動すると、その球切れ検出片14に対向する球切れ検出スイッチ17の触動片17aが解放されてその球切れ検出スイッチ17がONとなり、球切れ検出信号が発信される。
【0031】
両補給流路5,13内にそれぞれパチンコ球が補給されて充満すると、両球切れ検出片14が共に外方へ搖動して両球切れ検出スイッチ17の触動片17aを押圧し、両球切れ検出スイッチ17がOFFとなる。球切れ検出スイッチ17は後記払い出しモータ25や払い出し起動モータ55を電源断状態にする信号を発信したり、貸し球禁止、球抜き禁止を含む払い出し禁止信号を発信する。
【0032】
収納ケース1内の中央部付近には図2に示すように収納ケース1に仕切り壁1g上で分離可能に結合されて球補給ユニット10の下側に隣接して設置された球払い出しユニット20が収納されている。
【0033】
球払い出しユニット20のユニットベース21は透明合成樹脂材で形成され、このユニットベース21は図8に示すように収納ケース1の前壁板1cに沿って垂直状に設置されたセット板22と、このセット板22の後側に垂直状に設置されたカバー板23と、セット板22とカバー板23との間に挟み込まれた中板24とが分離可能に結合されて形成されている。
【0034】
ユニットベース21のセット板22の前端には図9〜図14に示すように収納ケース1の前壁板1cに密接された前通路壁22aが垂直状に形成され、セット板22の上端には前補給流路5から送り込まれたパチンコ球を受入れる前導入口22bが開設されている。
【0035】
セット板22の上部で前導入口22bの下方にはパチンコ球の落下衝撃が吸収されるようにほぼ円弧状に湾曲されて前導入口22bに落入したパチンコ球を一旦下外方へ誘導してから下内方へ誘導する前誘導流路22cが形成されている。
【0036】
セット板22の中央部付近には円弧状に湾曲した路壁面を有し、前誘導流路22cの出口部63を通り抜けたパチンコ球が送り込まれる前凹陥部22dが凹設され、セット板22の下端には前凹陥部22dを通り抜けたパチンコ球をセット板22内からその下方へ送り出す前送り出し口22eが収納ケース1の球通し口8に対向して開設されている。
【0037】
カバー板23の後端には中板24の後方にパチンコ球約1個分の間隙を隔てて垂立された後側通路壁23aが形成され、カバー板23の上端には前導入口22aの後側に隣設されて後補給流路13から送り込まれたパチンコ球を受入れる後導入口23bが開設されている。
【0038】
カバー板23の上部で後導入口23bの下方には前誘導流路22cの後側に隣設されてパチンコ球の落下衝撃が吸収されるように曲折され、後導入口23bに落入したパチンコ球を一旦若干下方へ誘導してから下内方へ誘導する後誘導流路23cが形成され、この後誘導流路23cの出口部64は前誘導流路22cの出口部63よりパチンコ球約1個分下位に配置されている。前後誘導流路22c,23cの出口部63,64付近は内方に向って先下り状に傾斜した形状に形成されている。
【0039】
カバー板23の中央部付近には前凹陥部22dの後側に隣設されて後誘導流路23cの出口部64を通り抜けたパチンコ球が送り込まれる後凹陥部23dが凹設され、カバー板23の下端には前送出し口22eの後側に隣設されて後凹陥部23dを通り抜けたパチンコ球をカバー板23内からその下方へ送り出す後送り出し口23eが収納ケース1の球通し口8に対向して開設されている。
【0040】
前後導入口22b,23bおよび前後誘導路22c,23cおよび前後送り出し口22e,23eはそれぞれ中板24によってそれぞれ仕切られている。
【0041】
前後導入口22b,23bの壁面、すなわち、セット板22の前通路壁22aの上端部の後面と、カバー板23の後通路壁23aの上端部の前面と、中板24の上端部の後面とにはそれぞれ深さが上方へ漸増するように面取りされ、前後導入口22b,23bを通り抜けるパチンコ球を前後方向へ若干逃避挙動させながら流下させてパチンコ球の球噛みを防止する上面取り部65がそれぞれ形成されている。
【0042】
前後球送り出し口22e,23eの壁面、すなわち、セット板22の前通路壁22aの下端部の後面と、カバー板23の後通路壁23aの下端部の前面と、中板24の下端部の後面とにはそれぞれ深さが下方へ漸増するように面取りされ、前後送り出し口22e,23eを通り抜けるパチンコ球を前後方向へ逃避挙動させながら流下させてパチンコ球の球噛みを防止する下面取り部66が形成されている。
【0043】
セット板22,カバー板23の前後通路壁22a,23aには前後誘導流路22c,23c内および前後凹陥部22d,23d内に侵入したゴミ等の異物を外部へ取出す目的で図9、図12に示す取出し窓67がスリット状に開設されている。
【0044】
セット板22の前凹陥部22dの中心部にはその後方へ横出された支軸26の前端部が挿着されている。
【0045】
カバー板23の後面には支軸26の後方に突合わせ状に隣設された出力軸25aを有するステッピングモータ型の払い出しモータ25が、この払い出しモータ25とカバー板23との間に金属製の放熱板68が挟み込まれた状態で放熱板68とともに取付けられ、放熱板68は本例ではアルミニルム板をほぼL形状に曲折した形状に形成されている。
【0046】
払い出しモータ25が球噛み等の原因によって過熱したときには払い出しモータ25の熱が放熱板68を通じて放散されてユニットベース21への熱の伝導が防止される。また、球払い出しユニット20の組付け等に際し、球払い出しユニット20が誤って落下したときなどに放熱板68によって落下衝撃を受止めてユニットベース21を落下衝撃から防護することができる。
【0047】
払い出しモータ25の出力軸25aには支軸26によって回転可能に支持されて前後凹陥部22d,23d内に装入され、払い出しモータ25によって回転駆動される不透明合成樹脂製の球送り部材27が結合されている。
【0048】
球送り部材27の前後方向中央部には円盤状で払い出し球数の検出および仕切り壁兼用の回転盤28が形成され、この回転盤28の前面および後面には球送り部材27の回転軸の回りに60°の回転対称状態で配列された各6個の歯部29aと、隣り合う歯部29a間にそれぞれ凹曲面状に凹設された各6個の球受部29bとをそれぞれ有し、前後対称状に形成された前後1対の球切り歯29A,29Bが連接されている。
【0049】
回転盤28の周縁部には両球切り歯29A,29Bの各歯部29aの各外方と、隣合う歯部29a間の中間部の各外方とにそれぞれ配設されて球送り部材27の回転中心の回りに30°の回転対称状態で配列された12個のフォトセンサ用の切込み部70が凹設されている。球送り部材27の回転盤28は前後の球受部29bを仕切る機能と、払い出し球数を検出する機能とを兼有しているので、球送り部材27をコンパクト化することができる。
【0050】
回転盤28の各切込み部70は、各切込み部70内でのゴミ詰まりを防止してフォトセンサの検出時間を長くする目的で、切込み幅が外方へ漸次増大して両側縁が半径方向外側に向けて漸次拡開し、かつ、内端付近に円弧状の丸味が付与されてほぼU形状で角部がない形状にそれぞれ形成されている。
【0051】
球送り部材27の両球切り歯29A,29Bの各球受部29bはパチンコ球を受止め易くかつ放出し易いように球切り歯29A,29Bの回転中心と球受部29bの中心とを結ぶ線分に対して非対称状に形成され、各球受部29bはパチンコ球を放出する側の曲面の曲率がパチンコ球を受取る側の曲面の曲率より緩やかとなるように形成され、各パチンコ球は各球受部29によってユニットベース21内での球噛みを無くして円滑に旋回移送される。
【0052】
球送り部材27が回転駆動されると、ユニットベース21の前後誘導流路22c,23c内およびその上方で待機していた前後2列パチンコ球は両球切り歯29A,29Bの各球受部29bで順次受止められ、前後凹陥部22d,23d内の上半部で球受部29bとともに上内方へ旋回してから下内方へ旋回し、旋回開始位置から約180°旋回した時点で球受部29bから放出され、前後送り出し口22e,23eを通じて下方へ順次送り出されて収納ケース1の球通し口8内へ前後2列となって導入される。
【0053】
球送り部材27の前側の球切り歯29Aの各球受部29bが前誘導流路22c内のパチンコ球を受取る位置は後側の球切り歯29Bの各球受部29bが後誘導流路23c内のパチンコ球を受取る位置より約球1個分上位となり、また、前側の球切り歯29Aの球受部29bがパチンコ球を放出する位置は後側の球切り歯29Bの各球受部29bがパチンコ球を放出する位置より下位となるように設定され、前後の球切り歯29A,29Bはパチンコ球を交互に受取り、また、パチンコ球を交互に放出する。前後誘導流路22c,23cの下部ではパチンコ球が下方へ移動してから内方へ若干先下り状に移動して曲進し、出口部63,64のパチンコ球にはその上方のパチンコ球の重量が殆ど加えられないので、球送り部材27に加えられるパチンコ球群の重量を可及的に減少することができる。
【0054】
球送り部材27の前後の球切り歯29A,29Bは1個のパチンコ球が球切り歯29A,29Bの球受部29bによって受止められるとほぼ同時に1個のパチンコ球が球受部29bから放出されるように回転し、また、各3個のパチンコ球が両球切り歯29A,29Bの各6個の球受部29bのうちの上半分の各3個の球受部29b内に保持された状態で回転し、各パチンコ球は球受部29bによって受止められた位置から球受部29bとともに凹陥部22d,23d内の上半部で約180°旋回移送されてから放出される。
【0055】
従って、球送り部材27には各3個のパチンコ球の重量が球送り部材27の回転中心を通る垂直面に対して左右対称状に加えられて球払い出し時に球送り部材27に加わるパチンコ球の重量は球送り部材27の左右部においてバランスされる。従って、払い出しモータ25に対してパチンコ球の重量によって加わる負荷を減殺させることができ、払い出しモータ25を電源断状態にしても払い出しモータ25の出力軸25aおよび球送り部材27を静止状態で保持することができるので、払い出しモータ25の回転停止時にその出力軸25aを静止状態で保持するための保持電力が不要となる。
【0056】
ユニットベース21のセット板22の内壁面の下端には回転盤28の各切込み部70の通過を検出して切込み部70の通過毎にパルス信号を発信する球送り数センサ(フォトセンサ)71が取付けられ、この球送り数センサ71にはその投光部と受光部との間に形成され、回転盤28の周縁部が挿入された検出溝71aが凹設されている。
【0057】
球送り部材27がパチンコ球を1個送り出す毎に回転盤28の切込み部70が球送り数センサ71の検出溝71a内を通過して払い出し球数がカウントされ、球送り数センサ71がカウントしたカウント数と同数個のパチンコ球が球払い出しユニット20から払い出される。
【0058】
後記賞品球払い出し検出スイッチ55がセーフ球を検出すると、払い出しモータ25が起動されて球送り部材27が回転駆動され、パチンコ球が前後球切り歯29A,29Bによって球払い出しユニット20から下方へ遂次送り出され、回転盤28の切込み部70が球送り数センサ71の検出溝71a内を通過する毎に払い出し球数が1カウントされ、セーフ球の種別に対応する払い出し球数と同数個の切込み部70が球送りセンサ71によってカウントされた時点で払い出しモータ25が停止する。また、遊技盤面の各入賞口毎に異なる個数の賞品数が払い出されるタイプのパチンコ機では払い出し球数は遊技盤面の各入賞口にそれぞれ対設されたセーフ球検出スイッチの出力信号に基づいて指定される。
【0059】
払い出し制御装置Aがカード式パチンコ機に装着されている場合には、カードに記録されたデータや貸し球操作部への操作信号がカード球貸し情報処理部(カード情報処理部、貸し球情報処理部)によって処理制御された後、予め定められた球貸し球数分だけ払い出しモータ25が回転駆動されて球貸し球数に相当する回転角度だけ球送り部材27が回転し、所要個数の貸し球が球払い出しユニット20から送り出される。
【0060】
例えば、25個がパチンコ球の購入単位である場合には100円で25個のパチンコ球を購入することができ、貸し球スイッチへの操作回数により購入単位が指定される場合には「1」球貸し操作すると(球貸しスイッチを1回押した場合)、パチンコ球25個分を球送り数センサ71と回転盤28の切込み部32とによって検出してカウントし、25個のパチンコ球の球貸し動作が完了するようにカード球貸し情報処理部が球貸し要求信号に基づいて払い出しモータ25の回転量を制御する。操作回数が5回であれば回転盤28が25個単位で5回連続して回転し、計125個のパチンコ球が貸し球として払い出される。
【0061】
収納ケース1内の中央部付近および下部には図2に示すように球払い出しユニット20の下方に隣接して設置され、収納ケース1に分離可能に結合された球払い出し起動ユニット30が収納されている。
【0062】
球払い出し起動ユニット30の透明合成樹脂製のユニットベース31は図15〜図18に示すように上部が収納ケース1の第4前側通路壁1iの後端縁および第5前側通路壁1jの後端縁に当接した状態で前壁部1cの中央部および下部の後側に垂直状に設置されたセット板32と、このセット板32の後側に垂直状に設置されたカバー板33とが分離可能に結合されて形成され、ユニットベース31の上部には球払い出しユニット20から送り込まれた前後列のパチンコ球を受入れる球導入口が球通し口8の下方に隣接して開口されている。
【0063】
カバー板33にはセット板32の後方にパチンコ球約1個分の間隙を隔てて垂立された後側通路壁33aが形成され、この後側通路壁33aの前面には収納ケース1の第4前側通路壁1iの後側にセット板32を挟んで突合わせ状に隣設された第4後側通路壁33bと、第5前側通路壁1jの後側にセット板32を挟んで突合わせ状に隣設された第5後側通路壁33cとが連接されている。
【0064】
第4後側通路壁33bの下端縁は収納ケース1の球出口2の下側開口縁の後部に連接され、第5後側通路壁33cの下端縁は収納ケース1の球抜き口4の下側開口縁の後部に連接されている。
【0065】
カバー板33の第4後側通路壁33bと収納ケース1の内側の側壁板1aとの間には前払い出し流路6の後側にセット板32を隔てて並行状態で隣設された後払い出し流路35が形成され、第5後側通路壁33cと、第4後側通路壁33bおよび収納ケース1の内側の側壁板1aとの間には前球抜き流路7の後側にセット板32を隔てて並行状態で隣設された後球抜き流路36が形成されている。
【0066】
カバー板33の後側通路壁33aの上部にはセット板32とカバー板33との間に侵入したゴミ等の異物を取出すための取出し窓33c(図2参照)がスリット状に開設されるとともに、セット板32の上端およびカバー板33の後側通路壁33aの上端には収納ケース1の球通し口8内の中央部および後端に設置され、前面が傾斜状で厚さが上方へ漸減して上端縁が尖鋭状となるようにそれぞれ面取りされた前後1対の面取り部37が並行状に形成され、この両面取り部37には正面形状がV形状となるように切込まれて前後払い出し流路6,35の入口部の中央部に配置されたVカット部38がそれぞれ形成されている。
【0067】
パチンコ球が球払い出しユニット21から前後2列となって送り出されて球通し口8を通り抜けるときに、前列および後列のパチンコ球が両面取り部37によって若干前方へ誘導されるとともに、両Vカット部38によって球通し口8の左右方向の中間部側へ誘導され、球通し口8を通過する前後列のパチンコ球の相互干渉や球噛みが防止される。また、球払い出しユニット20の中板24の下端縁とセット板32の上端縁との間、およびカバー板23の下端縁とカバー板33の上端縁との間に前後方向の段差があっても、Vカット部38に係合したパチンコ球をその前下方へ誘導して球払い出しユニット20内から球払い出し起動ユニット30内へ円滑に導入することができる。
【0068】
ユニットベース31の上端付近にはユニットベース31と収納ケース1の前壁部1cとによって左右方向への搖動可能に支持されて、球通し口8を通り抜けた前後列のパチンコ球を前後払い出し流路6,35若しくは前後球抜き流路7,36へ振り分ける振り分け弁40が設置されている。
【0069】
振り分け弁40には、図17に示すようにセット板32と収納ケース1の前壁板1cとの間、およびセット板32とカバー板33の後側通路壁33aとの間にそれぞれ装入され、先細状に形成された前後1対の弁体40aと、この両弁体40a間に挟み込まれた状態で両弁体40aの中央部に結合された連結部40bと、両弁体40aの下端に連接された軸部40cとが形成されている。
【0070】
振り分け弁40の両弁体40aが外方へ搖動した常態では球払い出しユニット20によって送り出された賞品球は前後払い出し流路6,35および球出口3を通り抜けて収納ケース1外へ排出され、収納ケース1外の賞品球流路によって誘導されて上皿口に導入され、上皿上へ送り込まれる。上皿上からオーバフローした賞品球は図22に示す誘導樋82によって誘導されて下皿口を通じて下皿上へ送り込まれ、下皿上および下皿口に連通された賞品球貯留部81(図22参照)に貯留される。
【0071】
振り分け弁40の両弁体40aが内方へ搖動したときには球払い出しユニット20によって送り出されたパチンコ球は前後球抜き流路7,36および球抜き口4を通り抜けて収納ケース1外へ排出され、収納ケース1外の球排出流路によって誘導されてパチンコ機外へ送り出される。
【0072】
ユニットベース31の下部には図18に示すように上下方向へ進退動するプランジャ50aと、このプランジャ41aを下方へ付勢するスプリング50bとを有し、セット板32に結合された保持ソレノイド50が設置され、プランジャ50aの上端には上方へ突出された上突片42aおよび前方へ突出された前突片42bを有する伝動片42が分離可能に結合されている。
【0073】
伝動片42と振り分け弁40とは上端が振り分け弁41の前側の弁体41aに係止されて下端が伝動片42の上突片42aに係止された連動杆48によって連動可能に連繋されている。
【0074】
ユニットベース31のセット板32の中央部付近には保持ソレノイド50の後側に隣設されて軸46によって上下方向への搖動可能に軸支された搖動片43が設置され、この搖動片43の先端には伝動片42の前突片42bが挿入されて伝動片42と搖動片43とを連動可能に連繋する円筒状の係合部43aが形成されるとともに、搖動片43の基端付近に貫設された丸孔状の係止孔43bにはパチンコ機外で引上げ操作される操作杆に連繋されて収納ケース1内の外端に装入された連継杆44の下端が遊挿されている。連継杆44の下端は搖動片43が上方へ搖動した状態で連継杆44が引下げられたときに連継杆44が搖動片43を押下げずに下動するように係止孔43bの上端縁に掛止されている。
【0075】
振り分け弁40は伝動片42および連動杆48を介して両弁体40aを外方へ付勢する保持ソレノイド50のスプリング50bによって常には球通し口8と両払い出し流路5,36とを連通させた姿勢で保持される。
【0076】
ユニットベース31の中央部付近にはセット板32とカバー板33の後側通路壁33aとの間に挟持されて保持ソレノイド50を励磁および消磁するソレノイド作動スイッチ49が伝動片42に対向して設置されている。
【0077】
連継杆44が球抜きのために引上げ操作されると、搖動片43が上方へ搖動して伝動片42が上動し、振り分け弁40の両弁体40aが球通し口8と両球抜き流路7,36とが連通される方向へ搖動するとともに、保持ソレノイド50のプランジャ50aが引上げられ、また、ソレノイド作動スイッチ49の触動片49aが伝動片42の上突片42aによって押上げられてソレノイド作動スイッチ49がONとなり、払い出しモータ25が起動されかつ保持ソレノイド50が励磁されてプランジャ50aが上動状態で保持され、振り分け弁41の両弁体41aが両球抜き流路7,36を開通した状態で保持される。従って、プランジャ50aを引上げるための励磁電力が不要となってプランジャ50aを上動位置に保持する保持電力のみで済むので、保持ソレノイド50を小型にすることができる。
【0078】
この状態で、連継杆44が下降しても、連継杆44の下端が係止孔43内の下端へ移動して搖動片43が上搖動端で保持され、かつ保持ソレノイド50が励磁状態で保持され、収納ケース1内のパチンコ球が前後球抜き流路7,36を通って収納ケース1外へ送り出されてパチンコ機外へ抜き取られる。タイマ等によって設定した球抜き時間、すなわち、球タンク内、タンクレール上、球補給ユニット10内、球払い出しユニット20内に貯留されたパチンコ球が全て両球抜き流路7,36内へ流入するまでに必要な時間が経過すると、払い出しモータ25が停止しかつ保持ソレノイド50が消磁されて元の状態に復元する。
【0079】
ユニットベース31のセット板32の下端部には周縁部に仕切り壁が突設されたセーフ球用の球切り部52がケース体1のセーフ球出入口9に対向して形成され、この球切り部52の後面には常時一定方向へ回転駆動される払い出し起動モータ54が前向き状に取付けられている。
【0080】
払い出し起動モータ54の出力軸には図19に示すように180°の回転対称状に形成されてパチンコ球の受止めが可能な1対の球受部56aを有し、セーフ球出入口9を通って球切り部52内へ導入されたセーフ球を受渡しする球切りカム56が固定されている。
【0081】
ユニットベース31の球切り部52には球切りカム56の斜め上方に配設されて球切り部52内へ導入されたセーフ球を検出する賞品球払い出し検出スイッチ55が球切りカム56に対向して取付けられ、球切り部52の上部にはセーフ球出入口9の上部を通じて球切り部52内へ導入されたセーフ球を後下方の球切りカム56上へ誘導する上ガイド部52aが後下りの傾斜状に形成され、球切り部52の下部には球切りカム56の球受部56aから放出されたセーフ球を前下方のセーフ球出入口9の下部へ誘導する下ガイド部52bが前下りの傾斜状に形成されている。
【0082】
セーフ球がセーフ球出入口9の上部を通じて球切り部52内へ導入されると、そのセーフ球は上ガイド部52aによって後下方へ誘導されて回転中の球切りカム56の両球受部56aのうち、上方へ旋回した球受部56aによって受止められ、その球受部56aによって賞品球払い出し検出スイッチ55側へ旋回移送されて旋回途中で賞品球払い出し検出スイッチ55の触動片54aを押圧し、賞品球払い出し検出スイッチ55がONとなり、賞品球払い出し起動信号が発信されて払い出しモータ25が起動され、球送り部材27が所定数の賞品球の送り出しに必要な時間だけ回転駆動される。
【0083】
セーフ球を受止めた球切りカム56の球受部56aが上方の受止め位置から約90°旋回してセーフ球が賞品球払い出し検出スイッチ55の下方へ移送されると、そのセーフ球が球受部56aから放出されて下ガイド部52cによって前下方へ誘導され、セーフ球出入口9の下部から転がり出て収納ケース1外へ排出される。
【0084】
セーフ球が連続的に発生して1群のセーフ球がセーフ球出入口9の上部前側で本体枠H側の通路壁によって受止められ、セーフ球出入口9の上部前側に集合して待機している状態では先づ、セーフ球出入口9の上部を通り抜けた最先端のセーフ球が球切りカム56の一方の球受部56a上へ転落してその球受部56aによって移送され、最先端のセーフ球がセーフ球出入口9の下部を通じて排出されてから、他方の球受部56aが上方へ旋回して次続するセーフ球が他方の球受部56a上へ転落し、その球受部56aによって移送されて賞品球払い出し検出スイッチ55の触動片55aを押圧後セーフ球出入口9を通じて排出され、同様にして各セーフ球が1個づつ順次球切りカム56によって球切りされてセーフ球出入口9の下部を通じて収納ケース1外へ排出され、各セーフ球の移送毎に賞品球払い出し起動信号が発信されて記憶される。
【0085】
ユニットベース31のセット板33の前面には球払い出しユニット20によって送り出された賞品球が賞品球流路等の賞品球貯留部81(図22参照)に一定量以上充満して賞品球が球貯留部に過剰貯留されたときに満タン検出信号を発信して賞品球の払い出し禁止状態を出現させる球払い出し禁止スイッチ58が、カバー板33の前面に凸設されて球払い出し禁止スイッチ58の貫通孔内に圧挿された1対の突起を介して取付けられている。
【0086】
カバー板33の中央部付近には図22に示すように賞品球払い出し禁止スイッチ58の内方に隣設されて内外方向への水平移動可能で上下方向への移動不能に支持された係動部材59が水平姿勢で設置されている。
【0087】
係動部材59の外端には前方へ突出されて球払い出し禁止スイッチ58の押ボタン58aの押圧が可能な押圧片59aが形成され、係動部材59の内端には前方へ突出された受動片59bが形成されている。
【0088】
パチンコ機の本体枠Hの裏側下部に配設されて球払い出しユニット20によって送り出されて誘導樋82によって誘導された賞品球が貯留される賞品球貯留部81の近傍には上端部に嵌挿された支軸72aによって収納ケース1側およびその反対側への傾動可能に支持された満タン検知部材72が設置されている。
【0089】
満タン検知部材72は一定量以上の賞品球が賞品球貯留部81に貯留されて過剰貯留状態となったときに過剰貯留された賞品球によって押動されて収納ケース1側へ傾動し、前記賞品球貯留部に貯留された賞品球が一定量以下に減少して満タン検知部材72に対する押動作用が除去されたときに復帰傾動して垂直姿勢に変換される。
【0090】
満タン検知部材72と係動部材59との間には本体枠Hの裏側下部に設置されたガイド部材74によって内外方向へのスライド可能で上下方向への移動不能に支持され、満タン検知部材72の動きを係動部材59に伝達する連繋部材75が設置されている。この連繋部材75は満タン検知部材72によって押動されて外方へ移動した後で、球払い出し禁止スイッチ58の押ボタン58aの付勢力によって内方へ復帰移動するが、押ボタン58aの付勢力が不足する場合には連繋部材75を内方へ付勢するスプリング等の付勢部材を設けてもよい。
【0091】
連繋部材75には内端が満タン検知部材72の下端に対置された水平な水平部75aと、この水平部75aの外端に連接された垂立部75bと、この垂立部75bの上端に連接されて係動部材59側へ突出された押圧部75cとが形成されている。
【0092】
球払い出し禁止スイッチ58は払い出し制御装置Aを本体枠Hに組付けることによって満タン検知部材72に係動部材59および連繋部材75を介して連繋され、払い出し制御装置Aを本体枠Hから取外すことによって満タン検知部材72から分離される。
【0093】
賞品球が賞品球貯留部81に過剰貯留されて満タン検知部材72が収納ケース1側へ傾動すると、連繋部材75が満タン検知部材72によって収納ケース1側へ押動されかつ係動部材59が連繋部材75によって球払い出し禁止スイッチ58側へ押動され、球払い出し禁止スイッチ58の押ボタン58aが係動部材59によって押圧されて球払い出し禁止スイッチ58がONとなる。
【0094】
球払い出し禁止スイッチ58がONとなって賞品球の過剰貯留が検出されると、払い出し起動モータ54が電源断状態となって払い出し起動モータ54が駆動を停止し、球払い出しユニット20の球送り部材27による払い出し動作が禁止されて球払い出し禁止状態が出現する。
【0095】
賞品球の過剰貯留状態が解消されると、満タン検知部材72が反収納ケース側へ復帰傾動し、連繋部材75および係動部材59が内方へ復帰移動して球払い出し禁止スイッチ58の押ボタン58aが解放され、球払い出し禁止スイッチ58がOFFとなって球払い出し禁止状態が解消される。
【0096】
また、球払い出し禁止スイッチ58がONとなって賞品球の過剰貯留が検出されたときに賞品球払い出し検出スイッチ54を電源断状態にしてセーフ球の検出を不能にし、球払い出し禁止状態を出現させるようにしてもよい。
【0097】
収納ケース1の開口部の中央部付近および下部には図1、図17に示すように球払い出し起動ユニット30の後側に隣設された制御基板ユニット77が設置されている。
【0098】
制御基板ユニット77の基板ケース78は透明合成樹脂材で浅箱状に成形されて収納ケース1の下部の後側に重ね合わされ、この基板ケース78の底板78aの外端縁の前面には図20、図21に示すように底板78aの上部から下部にわたって開口された縦長状の開口部78dを全長にわたってカバーした状態で突設されて断面形状がほぼL形状に形成され、リード線束を保持するリード線保持部78cが連接され、基板ケース78の下板78bの下面には下部が内方へ湾曲した形状を有し、リード線を挿通保持するリード線挿通部78eと、基板ケース78を収納ケース1に締結するねじが挿通される1対のねじ挿通部78fと、収納ケース1の下壁板1bの前端縁に突設された掛止縁に掛脱可能に掛止された掛合部78gとが連接されている。
【0099】
基板ケース78の開口部には球払い出しに関連する諸動作をコントロールする制御回路を備え、縦長の方形板状に形成されて基板収納ケース71にねじ止めされた払い出し制御基板79が設置され、この払い出し制御基板79の制御回路には払い出し制御装置A内の各電気部品および払い出し制御装置A外の回路基板に接続されたリード線がコネクタを介して接続される。
【0100】
基板ケース78内には両側縁および下端縁が払い出し制御基板71の前面に当接された状態で払い出し制御基板79の前側に間隙を隔てて重ね合わされて払い出し制御基板79とともに基板ケース78にねじ止めされ、払い出し制御基板79の制御回路を静電気ノイズおよび電磁ノイズから防護する金属製のシールド板80が密嵌状に装入されている。
【0101】
収納ケース1には透明合成樹脂材によって、上板76aと下板76bと左右の側板76cと後板76dとを有する箱形状に成形され、球払い出しユニット20、球払い出し起動ユニット30および制御基板ユニット77を覆蓋した状態で収納ケース1の中央部から下端にわたって収納ケース1の後側に設置されたユニットカバー76が分離可能に結合されている。
【0102】
ユニットカバー76の上板76aの前端縁には図24に示すように球補給ユニット10のユニットベース11の蓋板11aの前側に重ね合わされて蓋板11aによって係止された係止縁76eと、ユニットベース11のガイド壁11gの下端部の両側で蓋板11aの前側に重ね合わされて球払い出しユニット20の後導入口23bの後側開口縁付近に設置された1対のガイド縁76fとが突出形成されている。
【0103】
ユニットカバー76の後板76dの上下部にはそれぞれ横1列に配列されてユニットカバー76内の熱をユニットカバー76外へ放散させる複数個の放熱孔76gが払い出しモータ25および払い出し起動モータ54に対向してそれぞれ貫設されている。
【0104】
続いて、上記した構成をもつ実施例の作用と効果を説明する。
本例ではパチンコ機の本体枠Hに取外し可能に取付けられて球補給ユニット10と球払い出しユニット20と球払い出し制御ユニット30とが収納された収納ケース1内には球払い出しユニット20によって送り出された賞品球が賞品球貯留部81で過剰貯留されたときに作動する満タン検知部材72に収納ケース1の取付け時に連繋部材75、係動部材59を介して連繋されて満タン検知部材72の作動時に球払い出し禁止状態を出現させる球払い出し禁止スイッチ58を設置してある。
【0105】
このため、球払い出しユニット20によって送り出された賞品球の過剰貯留状態を検知する満タン検知部材72と、球払い出し禁止状態を出現させる球払い出し禁止スイッチ58とを払い出し制御装置Aの組付けおよび取外しに対応して容易に連繋および分離させることができ、電源回路への球払い出し禁止スイッチ58の接続忘れを防止することができる。
【0106】
また、本例では球補給ユニット10のユニットベース11がケース体1の上部をカバーする機能を兼有しているので、球払い出し制御装置Aの部品点数を節減して組立て手数を軽減することができる。
【0107】
さらに、球補給ユニット10から送り込まれたパチンコ球を受入れる球払い出しユニット20の前後導入口22b,23bの壁面と、球払い出しユニット20内からパチンコ球を送り出す球払い出しユニット20の前後球送り出し口22e,23eの壁面と、球払い出しユニット20内から送り込まれたパチンコ球を受入れる球払い出し制御ユニット30の球導入口の壁面とにそれぞれ面取り部65,66,37を形成し、球補給ユニット10の球出口および球払い出し制御ユニット30の球導入口の壁面にそれぞれVカット部16,38を形成してあるので、各ユニット10,20,30間のパチンコ球の受け渡しを円滑化することができ、払い出し制御装置A内を流通するパチンコ球の球噛みを的確に防止することができる。
【0108】
また、球払い出しユニット20の球送り部材27を、この球送り部材27に加わるパチンコ球の重量が左右バランスされた状態で球送り部材27がパチンコ球を受け渡しするように形成してあるので、球払い出し時に払い出しモータ25に加わる負荷を低減させることができ、払い出しモータ25を電源断状態にしても払い出しモータ25の出力軸および球送り部材27を静止状態で保持することができ、払い出しモータ25の回転停止時にその出力軸を静止状態で保持するための保持電力を少なくすることができ、場合によっては保持電力の供給を断つことも可能となる。
【0109】
さらに、球送り部材27の回転盤28には球送り数センサ71によって感知される各切込み部70を切込み幅が外方へ漸次増大し、内端付近に丸味が付与された形状に形成してあるので、各切込み部70内でのゴミ詰まりを防止することができるとともに、球送り数センサ71による感知時間が延長するので、球送り数センサ71の感知ミスをなくすことができる。
【0110】
また、ユニットベース21と払い出しモータ25との間に放熱板68を介在させてあるので、払い出しモータ25が球噛み等の原因によって過熱したときの熱を効果に放散させて球払い出しユニット20を過熱から防護することができる。
【0111】
また、球払い出し起動ユニット30において、球抜き操作時に振り分け弁40の姿勢を両球抜き流路6,36を開通させた姿勢に保持するに際し、保持ソレノイド50のプランジャ50aを手動操作によって引上げた状態で保持ソレノイド50を励磁してプランジャ50aを引上げ位置に保持し、プランジャ50aを引上げるための励磁電力が不要となって保持電力のみで済むので、保持ソレノイド50を小型化することができる。
【0112】
さらに、賞品球払い出し起動の原因となるセーフ球の検出に際しては、さらにセーフ球をセーフ球出入口9の前側で待機させ、待機球数を記憶回路に記憶させる必要がないので、停電時などに電源断によってセーフ球数が記憶回路から消去されるということもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施例を示す払い出し制御装置の側面図である。
【図2】球補給ユニットと球払い出しユニットと球払い出し起動ユニットとの収納状態を示す背面図である。
【図3】収納ケースの背面図である。
【図4】球補給ユニットの正面図である。
【図5】図4のX1−X1線断面図である。
【図6】図4のX2−X2線断面図である。
【図7】球払い出しユニットの背面図である。
【図8】図7のX3−X3線断面図である。
【図9】球払い出しユニットのユニットベースの背面図である。
【図10】図9のX4−X4線断面図である。
【図11】図9のX5−X5線断面図である。
【図12】球払い出しユニットのセット板の背面図である。
【図13】同じく、中板の背面図である。
【図14】球送り部材による球受渡し動作を説明する説明図である。
【図15】球払い出し起動ユニットの一部破断背面図である。
【図16】球払い出し起動ユニットの正面図である。
【図17】球払い出し起動ユニットおよび制御基板ユニットの縦断面図である。
【図18】振り分け弁駆動機構の正面図である。
【図19】球払い出し起動機構の正面図である。
【図20】制御基板ユニットの横断面図である。
【図21】制御基板ユニットの分解斜視図である。
【図22】球払い出し禁止スイッチ作動機構の正面図である。
【図23】図22のX6−X6線断面図である。
【図24】カバー体の背面図である。
【符号の説明】
1 収納ケース
5 前補給流路(球流路)
10 球補給ユニット
13 後補給流路(球流路)
15 除電板(仕切板)
20 球払い出しユニット
30 球払い出し起動ユニット
58 球払い出し禁止スイッチ
59 係動部材
72 満タン検知部材
81 球貯留部
A 払い出し制御装置
Claims (2)
- 本体枠の裏側に組み付けられた球タンクから送り出されてタンクレールから供給されるパチンコ球をそれぞれ一列をなして下方に誘導する複数の球流路を隣接して有する払い出し装置を備えた遊技機であって、
前記隣接する球流路に対応しかつ合成樹脂材によって形成された両側の通路壁と、
前記両側の通路壁とは別体に形成されかつこれら両側の通路壁の間に垂立状態で組み付られることによって、前記隣接する球流路を仕切る仕切板と、を備え、
前記仕切板は導電性を有するとともにアースされ、
前記パチンコ球が前記隣接する球流路内をそれぞれ流下する際、前記導電性の仕切板によって、前記パチンコ球に帯電した静電気をそれぞれ除去する構成にしてあることを特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載の遊技機であって、
仕切板には、球流路に突出して球を誘導案内する突出部が設けられていることを特徴とする遊技機。
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