JP3695673B2 - 消泡剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製紙工程、排水処理工程などの分野で広く用いられる消泡剤組成物であり、優れた消泡、抑泡効果を有し、加えて製品の長期貯蔵中においても増粘しない粘度の安定した消泡剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
製紙工程、排水処理工程など各種工業における工程水の発泡は、生産性の低下や該工程から生産される製品の品質上に極めて好ましくない影響を及ぼす。そこで消泡、あるいは発泡抑制を目的として種々の消泡剤が用いられている。この消泡剤の一つとして脂肪酸ビスアミドを鉱油中に分散させた消泡剤組成物があり、従来から広く使用されている。脂肪酸ビスアミド化合物は、α型とβ型の結晶型があり、脂肪酸ビスアミドをベースとした消泡剤はこのα型結晶とβ型結晶とで消泡剤特性が変わり、さらにα型結晶からβ型結晶への結晶転移が比較的容易であることからα型結晶とβ型結晶の存在比率が変化することにより消泡性能も変わり消泡性能が不安定になるという問題があった。そこでβ型結晶含有率を80%以上に調製して消泡性能を安定化させ、かつ向上させる方法が提案された(特公昭64−6803号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしそれにも拘わらず消泡性能、効果の持続性などの点で多くの問題を残しており、より一層の改良が望まれていた。本発明の目的は、かかる脂肪酸ビスアミドをベースにした消泡剤について、消泡性能、効果の持続性においてより優れた消泡剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、かかる脂肪酸ビスアミドの結晶型と消泡剤性能の関連を追求した結果、特定の脂肪酸ビスアミド化合物を、特定の共重合体の共存下に炭化水素油中に加熱溶解し、 これを冷却して析出したα型の脂肪酸ビスアミド結晶を、直ちに分散処理することにより消泡剤性能が格段に向上し、 消泡性能も安定することができることを見い出し本発明をなすに至った。
【0005】
すなわち、本発明請求項1は、(A) 一般式
1CONH−(CH2n−NHCOR2
[式中、R1、R2は炭素数12〜20のアルキル基であり、R1とR2は同一であっても異なっていてもよく、nは1〜6の整数を示す]で表されるビスアミド化合物と、(B) α−オレフィンと無水マレイン酸を主成分とした共重合体の部分エステル化物を、重量比で1.5:1〜50:1の割合で炭化水素油中に加え、これを各成分の融点以上の温度で溶解した後、冷却してα型のビスアミド化合物を析出させ、次いでこれを圧力式ホモジナイザーを用いて400〜700kg/cm2で高圧分散させ、かつ高圧分散直後の液温が80〜100℃としたことよりなる消泡剤組成物である。
【0006】
請求項2は、α−オレフィンと無水マレイン酸を主成分とした共重合体の部分エステル化物が、炭素数が12〜24のα−オレフィンと無水マレイン酸で構成された、分子量が5,000〜20,000の共重合体を炭素数が14〜30の直鎖脂肪族第一級アルコールにより部分的にエステル化したものである請求項1記載の消泡剤組成物である。
【0007】
請求項3は、該共重合体の部分エステル化物におけるエステル化率が、実質的に50%である請求項1又は2記載の消泡剤組成物である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
本発明におけるビスアミド化合物は消泡作用に直接関係する実質有効成分であり、前記一般式で表される化合物である。式中、R1、R2は炭素数12〜20、好ましくは炭素数14〜18のアルキル基であり、R1とR2は同一であっても異なっていてもよい。炭素数が11以下のものは消泡性能が劣り好ましくなく、炭素数が21以上のものは消泡性能はあるが、該化合物を得るための脂肪酸が一般的でなく経済的見地からみて好ましくない。式中のnは1〜6、好ましくは1ないし2である。nが7以上のものは消泡性能はあるが、該化合物を得るための原料アルキレンジアミンが一般的でなく経済的見地からみて有利でない。
【0010】
nが2より大きいビスアミド化合物は、相当するアルキレンジアミンと脂肪酸との縮合アミド化反応で合成でき、nが1の化合物は、相当する脂肪酸アミドとホルムアルデヒドとの反応により合成することができる。しかし本発明においては、ビスアミド化合物の合成方法は制限されるものではなく、任意の方法で合成したものを包括するものである。
【0011】
ビスアミド化合物の具体例を挙げると、エチレンビスステアリルアミド、エチレンビスパルミチルアミド、エチレンビスミリスチルアミド、メチレンビスステアリルアミド、ブチレンビスステアリルアミド、ヘキサメチレンビスパルミチルアミドなどがある。工業的にはステアリン酸やパルミチン酸など単一成分脂肪酸よりは混合脂肪酸を用いることが多いので、ビスアミド化合物もそれに応じて混合物となることが多い。また、上記アルキレンジアミンと脂肪酸を反応させて合成する場合、反応モル比は1:2であれば理論的に完全にビスアミド化合物となるが、本発明ではアミン成分に対し脂肪酸成分を少なく、具体的にはアミン成分1モルに対し、脂肪酸成分を1.8〜2モル未満のようにアミンがやや過剰の条件で反応させて得た化合物を用いることもできる。
【0012】
ビスアミド化合物は固体状態で、α型とβ型の結晶型がある。ビスアミド化合物を炭化水素油に高温、例えば140〜160℃で加熱溶解し次いで該溶液を冷却して析出させると、析出直後はα型結晶が得られ、これを冷却していくと次第にβ型結晶に転移していく。ところがビスアミド化合物をα−オレフィンと無水マレイン酸を主成分とした共重合体の部分エステル化物の共存下で結晶析出を行うと、析出したα型結晶は放置してもβ型結晶への転移が極めて起こり難くくなる。本発明に用いられるビスアミド化合物は、α型結晶が多いほど好ましいが、実用的には70重量%以上である。α型結晶が70重量%未満のものは消泡剤性能が劣り、かつ炭化水素油中分散液の粘度が高くなり取り扱い上困難となり好ましくない。
【0013】
ビスアミド化合物のα型結晶とβ型結晶は赤外吸収スペクトルにより識別でき、955cm-1の吸収と940cm-1の吸収に違いがあり、両吸収の吸収強度を比べることにより定量できる。この方法は特公昭64−6803号公報あるいは米国特許4248792号公報に記載されている。
【0014】
本発明におけるα−オレフィンと無水マレイン酸を主成分とした共重合体の部分エステル化物は、α型結晶ビスアミド化合物と共結晶を作り、該結晶の転移を抑制する結晶安定化剤として作用すると考えられる。
【0015】
本発明における該共重合体は、α−オレフィンと無水マレイン酸、さらに必要によりこれらと共重合可能な他のビニル化合物を、ラジカル重合開始剤の存在下に塊状重合、溶液重合させるなどの方法により得られる。重合開始剤としてはベンゾイルペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシドなどの有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物があり、重合温度は60〜180℃、重合時間は3〜10時間である。
【0016】
本発明におけるα−オレフィンと無水マレイン酸を主成分とする共重合体において、α−オレフィンの炭素数は好ましくは12〜24、さらに好ましくは16〜20である。このα−オレフィンの炭素数範囲はα型ビスアミド化合物の結晶安定化効果の上から選ばれたものである。また、α−オレフィンは単品であっても、また異なる炭素数を有するα−オレフィン混合物であってもよい。α−オレフィンの具体例として、ヘプタデセン、ヘキサデセン、オクタデセン,エイコセンなどが挙げられる。
【0017】
α−オレフィンと無水マレイン酸の重合反応におけるモル比は、好ましくは実質的に等モル比である。
【0018】
本発明における該共重合体の分子量は、好ましくは5,000〜20,000、さらに好ましくは10,000〜20,000である。この共重合体の分子量範囲はα型ビスアミド化合物の結晶安定化効果の上から選ばれたものである。
【0019】
α−オレフィンと無水マレイン酸の共重合体は、次いで直鎖脂肪族第一級アルコール、好ましくは炭素数が14〜30、さらに好ましくは18〜24の直鎖脂肪族第一級アルコールを用いて部分エステル化反応に供する。また炭素数の異なる数種の直鎖脂肪族第一級アルコール混合物を用いることも可能である。脂肪族アルコールの具体例としては、ミリスチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどがある。
【0020】
エステル化率は、好ましくは30〜70%、さらに好ましくは実質的に50%である。50%エステル化率は、無水マレイン酸単位をアルコール分解すれば得られるものであり、製造上の有利さがある。このエステル化率範囲はα型ビスアミド化合物の結晶安定化効果の上から選ばれたものである。本発明における共重合体部分エステル化物は、α−オレフィンとマレイン酸エステル、あるいはα−オレフィンとマレイン酸とマレイン酸エステルを共重合させる方法によっても得ることができる。しかし本発明においては、これら重合方法を限定するものではない。
【0021】
本発明の消泡剤組成物は(A) 前記一般式のビスアミド化合物と(B) α−オレフィンと無水マレイン酸を主成分とした共重合体部分エステル化物を炭化水素油中に加熱溶解した後、冷却してα型ビスアミド化合物を析出させ、これを高圧分散させたものである。(A) ビスアミド化合物と(B) α−オレフィンと無水マレイン酸を主成分とした共重合体部分エステル化物との混合比は、1.5:1〜50:1、好ましくは2:1〜30:1、さらに好ましくは3:1〜12:1である。(B)成分のα−オレフィンと無水マレイン酸を主成分とした共重合体部分エステル化物がこの範囲より少ないと、α型結晶ビスアミド化合物の結晶安定化効果が充分に発揮されず、またこの範囲より多いと結晶安定化効果はあるが、添加の割には効果が向上せず経済的に不利であり、逆に消泡効果が落ちることがあり、さらに炭化水素油中の分散液の粘度が低くなり過ぎて分散液の安定性が悪くなることがある。
【0022】
本発明における炭化水素油は分散媒体であり、用いられる炭化水素油は、パラフィン油系炭化水素油やアルキルベンゼン、ナフタレン、メチルナフタレンなどを含む混合芳香族系炭化水素油でであり、好ましくは常圧における沸点が140℃以上、さらに好ましくは150℃以上のものである。
【0023】
炭化水素油の配合量は消泡剤組成物の取扱い上の容易さ、使用上の便利さで決められるが、好ましくはビスアミド化合物濃度が炭化水素油中に1〜10重量%、好ましくは3〜8重量%となるようにする。10重量%を越えると組成物の粘度が高くなり、また分散性、取り扱い上も不利なことがある。また、1重量%未満では消泡性能を出すのに多量の添加が必要となり不利なことがある。
【0024】
本発明の消泡剤組成物の製造の好ましい形態は、まず前記一般式表示のビスアミド化合物とα−オレフィンと無水マレイン酸を主成分とした共重合体部分エステル化物を炭化水素油中に加え、各成分の融点以上の温度、具体的には140〜160℃に加熱して溶解した後、これを冷却してビスアミド化合物を析出させ分散液とする。このとき、ビスアミド化合物と該共重合体を、140〜160℃で炭化水素油中に溶解し、別に室温、ないし室温近くの温度の炭化水素油を用意し、両者を一気に混合し溶液を急冷しビスアミド化合物を析出させることもできる。本発明においてはこのような溶液の冷却方法についてなんら制限を加えるものではない。ビスアミド化合物を析出させた後、出来る限り速やかに圧力式ホモジナイザーを用いて高圧分散、微粒子化させる。この時の圧力は、400〜700kg/cm2、好ましくは400〜600kg/cm2である。400kg/cm2より低い圧力では分散が充分でなく、α型ビスアミド化合物の結晶安定化効果が劣りβ型結晶へ移転しやすく、消泡効果も劣ってくる。また700kg/cm2より高い圧力ではα型ビスアミド化合物の結晶安定化効果は充分あるが、通常の圧力式ホモジナイザーでは機械的に限界がある。このとき高圧分散直後の分散液の温度は、80〜100℃、好ましくは85〜95℃とするようにする。高圧分散直後の分散液温度が80℃より低いとα型ビスアミド化合物の結晶安定化効果が劣りβ型結晶へ転移しやすく、また100℃より高い温度ではビスアミド化合物結晶の一部が炭化水素油中に溶解してしまうことがあり、充分な分散効果が得られず好ましくない。高圧分散の際に分散液の温度は上昇するので、高圧分散前の分散液温度は、高圧分散の際の温度上昇を見込んでおく必要がある。この温度上昇は、分散の圧力により変わり、経験的には400kg/cm2の圧で約20℃の上昇、600kg/cm2の圧で約30℃の上昇である。従って、例えば400kg/cm2の圧で分散処理して直後に85〜95℃としようとすると、分散処理前の分散液は65〜75℃にしておく必要がある。
【0025】
高圧分散に用いられる圧力式ホモジナイザーは、処理液を一定圧に昇圧する加圧機構とホモバルブ機構とから成立っている。ポンプによって加圧された処理液を、バルブとシートの間の狭いすきまを通過するときの圧力差で分散するものである。
【0026】
本発明の消泡剤組成物の使用における添加量は、対象とするプロセス、泡の問題の程度など諸条件によって決定され、一律に決められるものではないが、一般的な目安としては、1〜1000ppmである。
【0027】
本発明の消泡剤組成物は、他の公知の補助成分、添加剤、例えば疎水性シリカ、シリコーン油、その他公知の消泡剤、各種分散剤などをさらに加えることになんら制限を加えるものではない。
【0028】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。
【0029】
1.消泡剤組成物
1−1 ビスアミド化合物
[A−1]:エチレンビス脂肪酸〔脂肪酸組成:ステアリン酸38重量%、パルミチン酸60重量%、ミリスチン酸2重量%〕アミド−エチレンジアミンと脂肪酸混合物からビスアミド化合物を合成した。
[A−2]:エチレンビスステアリルアミド−エチレンジアミンとステアリン酸からビスアミド化合物を合成した。
[A−3]:メチレンビス脂肪酸〔脂肪酸組成:ステアリン酸70重量%、パルミチン酸30重量%〕アミド─日本化成(株)製、「ダイヤミット200ビス」(商品名)〕
[A−4]:ヘキサメチレンビス脂肪酸〔脂肪酸組成:ステアリン酸38重量%、パルミチン酸60重量%、ミリスチン酸2重量%〕アミド−ヘキサメチレンジアミンと脂肪酸混合物からビスアミド化合物を合成した。
【0030】
1−2 α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体部分エステル化物
[B−1]:ヘキサデセン1.5モルと無水マレイン酸1.5モルを、フラスコ内に仕込み、窒素ガスで系内を置換した。これを撹拌下に160〜165℃に加熱して、この温度に維持しながらt−ブチルペルベンゾエート3gを2.5時間かけてゆっくり加え、加え終わった後180〜185℃でさらに1時間撹拌し共重合体を得た。共重合体の分子量は15,000であった。この共重合体に炭素数20〜28の直鎖脂肪族第一級アルコール混合物〔コンディアビスタ社製、「ナフォール(NAFOL)22+」(商品名);炭素数20:6重量%、炭素数22;53重量%、炭素数24;25重量%、炭素数26;13重量%、炭素数28;7重量%より構成される〕1.5モルを混合し、170〜180℃で2時間撹拌し50%エステル化物を得た。
[B−2]:[B−1]の共重合体に、ベヘニルアルコール〔東京化成(株)製、試薬〕1.5モルを反応させ50%エステル化物を得た。
[B−3]:[B−1]と同様にして、α−オレフィンとしてヘキサデセン57重量%とオクタデセン43重量%の混合物を用い、直鎖脂肪族第一級アルコールとしてステアリルアルコール〔東京化成(株)製、試薬〕を用いて50%エステル化物を得た。
【0031】
1−3 消泡剤組成物
[消泡剤組成物−1〜4、16]
ビスアミド化合物[A−1]6重量部、α−オレフィン−無水マレイン酸との共重合体部分エステル化物[B−1]所定重量部およびパラフィン系鉱物油〔出光興産(株)製、「MCオイル P−22」(商品名)〕18重量部を混合し、145〜150℃に加熱し、全体を均一に溶解させた。別途同じパラフィン系鉱物油75重量部を室温にて用意し、両者を撹拌しながら一気に混合しビスアミド化合物を析出させた。この混合液の温度は70℃であり、これを直ちに圧力式ホモジナイザー〔APVゴウリン社製、「15MR−8TA」(商品名)〕を用い、400kg/cm2の圧で分散処理した。
分散処理後の温度は90℃であった。
【0032】
[消泡剤組成物−5〜10]
上記と同様にしてビスアミド化合物[A−1]〜[A−4]、α−オレフィン−無水マレイン酸との共重合体部分エステル化物[B−1]〜[B−3]およびパラフィン系鉱物油から消泡剤組成物を得た。
【0033】
[消泡剤組成物−11〜13]
ビスアミド化合物[A−1]6重量部、α−オレフィン−無水マレイン酸共重合体部分エステル化物[B−1]を1量部およびパラフィン系鉱物油〔出光興産(株)製、「MCオイル P−22」(商品名)〕93重量部を混合し、150℃に加熱し、全体を均一に溶解させた。次いでこの液温を70℃にまで冷却させてビスアミド化合物を析出させ、これを直ちに圧力式ホモジナイザーで分散処理の圧力を変えて消泡剤組成物を調整した。尚、分散処理の圧力により処理時の温度上昇が変わるので、処理後の温度が90℃となるように、処理前の温度を調整した。
【0034】
[消泡剤組成物−14〜15]
消泡剤組成物−3と同様の方法で、消泡剤組成物を調整し、分散処理後の温度を40℃、あるいは60℃とした。
【0035】
[消泡剤組成物−17〜18]
[消泡剤組成物−1]と同様の方法で、ビスアミド化合物[A−1]、あるいは[A−3]を6重量部とし、パラフィン系鉱物油に加え、α−オレフィン−マレイン酸無水物共重合体部分エステル化物を全く加えずに消泡剤組成物を調整した。
【0036】
実施例および比較例に挙げた消泡剤組成物について、その組成を表1および表2に一括して示した。
【0037】
【表1】
Figure 0003695673
【0038】
【表2】
Figure 0003695673
【0039】
2.結晶型の判定
ビスアミド化合物の結晶型の同定は、赤外スペクトル〔日本分光(株)製、「FT/IR8300」(商品名)〕を用い、940cm-1と955cm-1の吸収強度を比較することに依った。図1〜5は、ビスアミド化合物A−1の20重量部をパラフィン系鉱物油〔出光興産(株)製、「MC−オイルP−22」(商品名)〕80重量部に加え圧力式ホモジナイザーで微粒子化分散させることにより調整した試料の赤外吸収スペクトルである。図1は100%α型結晶、図2はα型結晶70重量%とβ型結晶30重量%の混合物、図3はα型結晶結晶50重量%とβ型結晶50重量%の混合物、図4はα型結晶30重量%とβ型結晶70重量%の混合物、図5は100%β型結晶の赤外吸収スペクトルである。図1〜5の吸収スペクトルを標準とし、実施例で調整した消泡剤組成物の赤外吸収スペクトルを測定し、940cm-1と955cm-1の吸収強度から消泡剤組成物中のビスアミドの結晶型の同定を行った。ここではα型結晶70重量%以上をα型結晶、β型結晶70重量%以上をβ型結晶として記した。
【0040】
3.粘度の測定
消泡剤組成物の製造直後、および40℃に30日間静置したものそれぞれについて、測定前に全体を軽く撹拌し均一にして、25℃、20rpmの条件下でB型粘度計〔(株)東京計器製、BH型粘度計〕を用い粘度を測定した。
【0041】
4.消泡効果の判定
パルプ工場における蒸解後の黒液(固型分:24.7重量%)に水道水を加え固型分を5重量%に調整し試験液とした。判定は図6の装置を用いた。図6において、1はシリンダー(内径16.5cm)、2は試験液(1400mL)、3は循環ポンプ、4は流量計、5はストップバルブである。試験液をシリンダー1に入れ、循環ポンプでシリンダーの底部から流量計4を経由して試験液2を10L/分で循環させ、シリンダー上部液面上20cmの所から落下させた。この循環液がシリンダー内の液面に落ち混合されたとき泡が発生する。循環開始後、15分発泡させてから、消泡剤組成物を試験液中に10ppmとなるように添加し、5分経過後の泡の高さ(mm)を測定し、消泡効果を比較した。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の消泡剤組成物は、優れた消泡、抑泡効果を有し、しかも長期貯蔵中においても、増粘せず、粘度安定性が良好であるため、取扱い易いという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ビスアミド化合物[A−1]についてα型結晶100%の赤外吸収スペクトルを表す。
【図2】 ビスアミド化合物[A−1]についてα型結晶70重量%とβ型結晶30重量%の混合物の赤外吸収スペクトルを表す。
【図3】 ビスアミド化合物[A−1]についてα型結晶50重量%とβ型結晶50重量%の混合物の赤外吸収スペクトルを表す。
【図4】 ビスアミド化合物[A−1]についてα型結晶30重量%とβ型結晶70重量%の混合物の混合物の赤外吸収スペクトルを表す。
【図5】 ビスアミド化合物[A−1]についてβ型結晶100%の赤外吸収スペクトルを表す。
【図6】 消泡効果の判定に用いた装置の概略図を表す。
【符号の説明】
1…シリンダー(内径16.5cm)
2…試験液(1400mL)
3…循環ポンプ
4…流量計
5…ストップバルブ

Claims (3)

  1. (A) 一般式
    1CONH−(CH2n−NHCOR2
    [式中、R1、R2は炭素数12〜20のアルキル基であり、R1とR2は同一であっても異なっていてもよく、nは1〜6の整数を示す]で表されるビスアミド化合物と、(B) α−オレフィンと無水マレイン酸を主成分とした共重合体の部分エステル化物を、重量比で1.5:1〜50:1の割合で炭化水素油中に加え、これを各成分の融点以上の温度で溶解した後、冷却してα型のビスアミド化合物を析出させ、次いでこれを圧力式ホモジナイザーを用いて400〜700kg/cm2で高圧分散させ、かつ高圧分散直後の液温が80〜100℃としたことよりなる消泡剤組成物。
  2. α−オレフィンと無水マレイン酸を主成分とした共重合体の部分エステル化物が、炭素数が12〜24のα−オレフィンと無水マレイン酸で構成された、分子量が5,000〜20,000の共重合体を炭素数が14〜30の直鎖脂肪族第一級アルコールにより部分的にエステル化したものである請求項1記載の消泡剤組成物。
  3. α−オレフィンと無水マレイン酸を主成分とした共重合体の部分エステル化物におけるエステル化率が、実質的に50%である請求項1又は2記載の消泡剤組成物。
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