JP3695074B2 - 電磁流量計 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、導電性流体の流速を検出する電磁流量計に関し、さらに詳しくは、電源からの周波数信号を得ないで複数の電源周波数ノイズに対応してノイズ除去可能な電磁流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】
電磁流量計は、例えば生体の血流とか高速増殖炉の流体ナトリウムのような導電性の流体が管路内を流れる場合の流量の測定に用いられるファラデーの電磁誘導の原理を応用した流量計である。ファラデーの電磁誘導の原理における、磁場の中で導体を動かすときに、磁場の方向と導体の運動方向のいずれに対しても直角になる方向に起電力が誘起されることを応用して、電磁流量計では導線の代わりに管路内を流れる導電性の流体が動いていることになり、起電力eは次の(数1)で表される。
【0003】
【数1】
Figure 0003695074
【0004】
ここで、kは定数、Bは磁場の強さ、Dは管路の管口径、Vは流速である。例えば、kを1、管口径Dを0.1m(10cm)、磁場の強さBを0.01T(テスラ)、流速V=1m/sとすると、(数1)から、起電力e=1mVが得られるので、逆に、流速Vは、起電力eが得られれば求まることになる。
【0005】
但し、起電力eは小さい値であるので、直流である電極の分極電位や熱起電力と区別するため低周波交番磁界を加え、周期的な出力電圧を得る。また、(数1)には流体の電気電導度や成分などに関する量が含まれないので、わずか(例えば10μs/cm以上)の電導度があれば測定でき、流体に個体微粒子が含まれていても差し支えない。
【0006】
そして、この起電力eを用いて管路内を流れる導電性の流体の流量Qは、
【0007】
【数2】
Figure 0003695074
【0008】
で与えられるので、(数1)のVを(数2)に代入すると次の(数3)になる。
【0009】
【数3】
Figure 0003695074
【0010】
この(数3)からは、管路内を流れる流体の流量Qは、管路の管口径Dと磁場の強さBが与えられていれば、起電力eに比例していることが理解できる。
電磁流量計は、管路内に流体の流れに直角になるように対向する電極を設け、上記したファラデーの電磁誘導の原理で発生する起電力eから上記(数3)を用いて、管路内を流れる導電性の流体の流量を求めている。尚、上記管路内の対向する電極を管路の内部壁面と段差無く設けることで、流量を測定するために管路内を流れる流体の抵抗を増やすことなく測定することが可能になる。尚、管路内の流れは一様ではなく、中心部では早く、管壁付近では遅くなるが、管内の流速分布が軸対象で磁束密度が一様とすれば平均流速を本発明の流速とすれば上記の式は成り立つ。
【0011】
ところで、電磁流量計には商用電源より直接に電源供給される4線式の電磁流量計と、4−20mA等の信号線から電源供給される2線式の電磁流量計が有り、その両者では、電磁流量計の起電力検出で問題となる商用電源と同じタイミングで起電力に加えられる商用ノイズへの対処方法が異なる。
【0012】
4線式の電磁流量計では、商用電源を使用するため、商用周波数およびそのタイミングが既知である。そのため、商用周波数の周期に同期して励磁および起電力信号のサンプリングを行って、商用電源と同じタイミングの商用ノイズを除去している。図5にそのブロック図を示す。
【0013】
タイミング生成回路1は、入力される商用電源の周期から、上記した低周波交番磁界である磁場Bを与えるための励磁のタイミング信号と、商用電源の一周期分の検出結果を積分サンプリングさせるタイミング信号を生成して送出する。
【0014】
励磁回路2では、受け取った励磁のタイミング信号に従って、磁場Bを与える励磁コイル3に励磁用の電力を給電し、励磁コイル3は給電されて測定管4内を流れる導電性の流体に磁場Bを加える。
【0015】
測定管4内に加えられた磁場Bを直角に横切って流れる導電性流体によりファラデーの電磁誘導の原理から測定管4内の電極5の間には起電力が発生し、その起電力は増幅器6で増幅されて積分サンプリング回路7へ入力する。
【0016】
積分サンプリング回路7では、入力した起電力をタイミング生成回路1から入力した商用電源の1周期分のサンプリングタイミングで積分サンプリングして演算装置8に出力する。
【0017】
演算装置8では、励磁コイル3で加えられた交番磁界の双方の磁場Bにおける積分サンプリングの結果を受けて起電力を演算し、その得られた起電力から流体の流量を演算して結果を出力する。
【0018】
また、図6には、図5の各部における商用電源、励磁電流、起電力、サンプリング波形の一例を示す。
図6の(イ)は、商用電源の周波数を示し、太平洋側の例では、富士川以東の東日本の50Hzと、それ以西の西日本の60Hzの正弦波の周波数を示す。(ロ)は、励磁コイル3に流れる励磁電流を示しており、前記したように、起電力eが小さい値であることから、同様に直流の各電極の分極電位や熱起電力と区別するため低周波交番磁界を加えることとし、周期的な出力電圧を得るようにしている。(ハ)は、電極5で検出された起電力に商用電源の電圧がノイズとして重畳されている様子を示している。
【0019】
(ニ)は、(ハ)の起電力における電源周波数1周期分をサンプリングしたことを示す図である。このサンプリングした起電力の斜線部が積分サンプリングされる対象領域となる。(ホ)は、参照用の商用電源の電圧のノイズが無い時のサンプリングの結果である。
【0020】
(ニ)と(ホ)を比較してわかるように、対応する部分の面積は等しくなるので、(ニ)を積分サンプリングした結果は(ホ)と等しくなり、(ニ)の結果は商用電源のノイズが無い場合と等価といえる。
【0021】
このように、商用電源の成分に同期してタイミング生成回路1で励磁電流の方向が変わる毎に一周期間分のタイミングを積分サンプリングした結果、その励磁電流同極側の積分値は商用ノイズの影響を受けない起電力と同様になる。したがって、この積分サンプリング値より求めるPeak−to−Peak値および流速値には、商用ノイズが除去されていると見なせる。
【0022】
一方、2線式電磁流量計では、商用電源を使用していないので、商用ノイズの周波数およびそのタイミングを検出することができない。そこで、装置の電源部の電極などに生じる商用ノイズ信号を増幅し、それをコンパレートした信号から商用電源ノイズのタイミングを検出し、それに同期して励磁および起電カサンプリングを行うようにしている例もある。
【0023】
従来は、上記のように4線式の電磁流量計であるか2線式の電磁流量計であるかに関わらず、商用電源から商用電源周波数のタイミングを得て、検出された起電力に重畳された商用電源ノイズが見かけ上で無くなるように一周期分(又はその整数倍)の積分サンプリングを行っていた。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電磁流量計で、4線式の電磁流量計では必ず電源周波数を得ているので商用電源ノイズを無くす処理は比較的容易であるが、電源電圧をタイミング生成回路まで装置内で延伸されるために、装置自体の大型化は避けられなかった。
【0025】
2線式の電磁流量計では、電源周波数を得るために電源部のどこかに電源周波数信号を取り込み用の接続を行う必要があり、その処理は煩雑であった。
本発明は、電磁流量計における上記問題から、ノイズのうち成分の大きい商用ノイズを、商用電源を用いることなく、かつ、商用ノイズタイミングを作成することなく、商用周波数が50Hzでも60Hzでも見かけ上除去される2線式電磁流量計を得ることを課題とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の態様によれば、除去したいノイズのうちの1つの周波数の周期の整数倍の時間で起電力を積分サンプリングし、積分サンプリング値に含まれる除去したい2つ目のノイズの周波数成分の和がゼロとなるように積分サンプリングのタイミングを設定し、その移動平均を利用することで、2つの周波数成分のノイズを見かけ上除去することができる。
【0028】
本発明の第2の態様は、上記第1の態様とマニュアル入力した電源周波数の周期タイミングによる積分サンプリングを切り替えられるようにすることで、通常は応答性の良いノイズ除去ができ、マニュアル入力が無い場合には上記第1の態様を用いてどのような場合にも安全に使用できる電磁流量計である。
【0029】
上記のようにすることで、電磁流量計のノイズのうち成分の大きい商用ノイズを商用電源を用いることなく、かつ、商用ノイズタイミングを作成することなく、応答性が良く安全性も高く、商用周波数が50Hzでも60Hzでも見かけ上除去することができる電磁流量計が提供できる。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態につき図を用いて詳細に説明を行う。
図1は、本発明の第1と第2の実施形態のブロック図である。従来技術の図5とのちがいは、ブロック図としては、商用電源がタイミング生成回路1又は11に入力していないことの他には、図1では演算装置の移動平均演算が追加されていることが判る。
【0031】
図1の励磁回路2、励磁コイル3、測定管4、電極5及び増幅器6は、従来技術の図5と全く同じであるので同番号で示したが、他のタイミング生成回路11、積分サンプリング回路17及び演算装置18は、従来技術の図5とは内容が異なるので番号が異なっている。
【0032】
タイミング生成回路11は、低周波交番磁界である磁場Bを与えるための励磁のタイミング信号と、商用電源の一周期分の検出結果を積分サンプリングさせるタイミング信号を生成して送出することについては従来技術と同様であるが、電源周波数の入力手段を持たず、積分サンプリング回路17へ出力されるサンプリングのタイミングも異なっている。そのタイミングについては図2(第1の実施例)と図4(第2の実施例)を用いて後で詳しく説明する。
【0033】
積分サンプリング回路17は、入力した起電力をタイミング生成回路11から入力したサンプリングタイミングに従って積分サンプリングして演算装置18に出力することについては、従来技術と同様であるが、従来技術のように商用電源の1周期分をサンプリングするのではなく、複数の周期分のサンプリング結果を得る。
【0034】
演算装置18では、従来技術同様に励磁コイル3で加えられた交番磁界の双方の磁場Bにおける積分サンプリングの結果を受けてPeak−to−Peakの起電力等や、その得られた起電力からの流体の流量の演算も行うが、本実施の形態で従来技術と最も大きく異なるのは、後述する(数5)=第1の実施形態や(数7)=第2の実施形態に示すような複数の異なる積分サンプリング値の移動平均の演算を行う事である。
【0035】
図2は、第1の実施形態の動作波形図である。
図2の第1の実施形態では積分サンプリング時間を20ms(50Hzの1周期と同じ)に固定とした場合を示している。
【0036】
図2における(A)は、交番磁界を作るための励磁電流であり、1周期が170msになっている。その170ms周期中で磁界の交番間隔は80msと90msとなっている。
【0037】
又、1周期を170msとした理由は、積分サンプリングのノイズの同極性の波形を連続させるためである。最初の積分サンプリングの後の同極性側で次の積分サンプリングが始まるまでの間隔を、60Hzの1周期の16.66msの整数倍である150ms(=16.66ms×9)として、最初の積分サンプリング時間の20msと合わせて1周期を170msとした。このようにすることで、最初のサンプリングの終了時の後には60Hzの1周期の整数倍の間隔が開くことになるが、次のサンプリングでは、最初のサンプリングの終了時のノイズの位相の続きを得ることができる。
【0038】
図2の(B)は50Hzの電源ノイズが重畳されている検出された起電力である。
図2の(C)は、50Hzの周波数に対して20msのサンプリングであるので、従来技術と同様にちょうど50Hzでは1周期分づつサンプリングされているので、積分値ではノイズの影響を受けずに起電力を演算できる。
【0039】
このサンプリングのタイミングは、交番磁界が同極性である間なら任意のタイミングでサンプリングの開始と終了を行っても良いが、本実施の形態では、交番磁界の励磁電流の立ち上がりや立ち下がりの20ms前のタイミングでサンプリングを開始するようにしており、励磁電流の立ち上がりや立ち下がりにより同時にサンプリングを終了するようにしている。
【0040】
図2の(D)は、(B)の起電力の電源周波数(電源ノイズ)が60Hzになった場合である。この図2の(D)を20msでサンプリングしたのが(E)である。
【0041】
図2の(E)では、(C)とは異なりちょうど1周期分だけサンプリングしたのでなく、各サンプリングにおいてそれぞれ1周期と1/5周期だけサンプリングされている。従って各サンプリング結果で得られる斜線部の面積は(C)のように均一にノイズの無い場合と同じ面積にはならない。
【0042】
但し、図2の(D)では、上記図2の(A)で説明した理由により、同極側の隣り合うサンプリングのノイズ波形は連続するようになっている。
図2の(F)は、参照のための電源ノイズが含まれない場合の20msでサンプリングした結果の起電力がどうなるかを示している。
【0043】
このように、図2に示す50Hz商用電源ノイズが生じている起電力を20msの時間で積分サンプリングすると、その値は図のハッチングした面積に相当し、サンプリングするタイミングに関わらず、商用ノイズの成分が除去される。これは以下の積分値に商用ノイズ成分が含まれないことからも分かる。
【0044】
【数4】
Figure 0003695074
【0045】
ここで、Vs:起電力の大きさ、Vn:商用ノイズの大きさ、ω:商用ノイズの周波数(数4では50Hz)、T:積分サンプリングの開始時刻(任意)である。
【0046】
(数4)では、商用ノイズの重畳された起電力(Vs+Vnsin(ωt))を50Hzの1周期時間である20msだけ積分してやると、ノイズ部分Vnsin(ωt)の1周期時間における前半と後半の変動成分はちょうど+部分と−部分で補償しあうので1周期時間トータルでのノイズ部分は相殺して0になり、Vsのみが20ms続く場合と同様になる。
【0047】
正の起電力および負の起電力ともに20msの積分サンプリングすることで、積分値には50Hzの商用ノイズが含まれていない。したがって、これらの積分値を用いてどのような演算を行っても、50Hzの商用ノイズの影響がない流速が求められる。
【0048】
一方、起電力に60Hzの商用ノイズが生じているときには、20msの積分サンプリング値は積分開始時刻によりノイズの影響を受けてしまう。そこで、同極性の隣接するサンプリングの5つの和で60Hzノイズが除去できるように積分サンプリングの間隔を設定する。5つの和としているのは、積分時間の20msの5倍の100msは、60Hzの16.66msの6周期分に相当し、即ち50Hzの1周期と60Hzの1周期の公倍数であるため、その公倍数で積分サンプリングすることで50Hzと60Hz商用ノイズが双方共結果的に除去できるからである。
【0049】
図3は、第1の実施形態で商用ノイズが除去できることの説明をする図であり、図2の(e)に示す積分サンプリングの間隔(TI)を16.6ms(60Hz)の整数倍に設定した場合の同極側の積分サンプリング波形を連続して5個得るようにした図である。図2(e)のサンプリングした起電力は、図2(a)のところで説明したようにノイズの位相は同極性で隣り合うサンプル同士は連続する。従って、その同極性で隣り合うサンプリングした起電力を5個連続させて並べると図3の(G)で示したようになり、この同極性で隣接する5個の20ms積分サンプリングの60Hz商用ノイズ波形は、位相がちょうど6周期分だけ連続するように収まる。
【0050】
この(G)の正弦波の積分サンプリングの波形が連続しており、さらに、波形の開始値と終了値から一波長の整数倍となっていることから、正の部分と負の部分で平滑化でき、結果的に(H)のノイズの無い起電力と同様になる。この連続する5つの積分サンプリングの和には(数5)のように60Hz商用ノイズ成分が含まれない。
【0051】
【数5】
Figure 0003695074
【0052】
ここで、V1 60〜V5 60は60Hzノイズがある場合の積分値であり、Vは商用ノイズがない場合の積分値である。
正の起電力は(数5)を5で割った値を用いる。また、V5 60の次はV1 60の値がサンプリングされるので、途中の値からサンプリングを行ったばあいでも同様の結果が得られ、移動平均演算を実行することでノイズ除去が可能となることが理解できる。そのため、それから求まるサンプリング値の更新周期は本発明を用いない場合と同じ170msとなる。負の起電力についても同様にして、60Hzの商用ノイズの影響がなく流速を求めることができる。正のサンプリングおよび負のサンプリング独自で60Hzノイズを除去しているので、正と負のサンプリング間隔についての制約はない。
【0053】
本実施例では、60Hz商用ノイズ除去のために、隣接する積分サンプリング値の移動平均を取る演算を行っているが、前に示したとおり、この演算を行っても50Hz商用ノイズ除去の効果に影響を与えることはないので50Hzと60Hzの商用ノイズを同時に除去することができることが確認できる。
【0054】
第1の実施形態では同極性の隣接サンプリングを用いて60Hz商用ノイズを除去しているが、起電力のPeak−to−Peakを求める場合などは、隣接する逆極性の積分サンプリングの移動和をとることで60Hz商用ノイズを除去したpeak−to−peakの起電力を得ることも可能である。
【0055】
また、例えば図2の(C)で積分サンプリング時間を60Hzノイズ用の16.66msとして60Hz商用ノイズを除去し、同極側の積分サンプリングの間隔を50Hz用の20msの倍数の、例えば160ms(=20ms×8)とし、励磁電流の周期を176.66ms(=160+16.66ms)として、50Hz商用ノイズを除去することも可能である。
【0056】
図4では、第2の実施形態の波形図を示す。尚、第2の実施形態においても、構成のブロック図は第1の実施形態と同じ図1が適用される。
図4の第2の実施形態でも積分時間を20msの固定とした場合を示している。
【0057】
図4における(a)〜(c)は、図2(A)〜(C)と同様であり、(a)は、交番磁界を作るための励磁電流であり、(b)は、50Hzの電源ノイズが重畳されている検出された起電力である。(c)は、50Hzの周波数に対して20msのサンプリングであり、従来技術と同様にちょうど1周期分づつサンプリングされている。
【0058】
図4の(d)は、(b)の起電力の電源周波数(電源ノイズ)が60Hzになった場合である。この(d)を20msでサンプリングしたのが(e)であり、(e)では、(c)とは異なりちょうど1周期分だけサンプリングしたのでなく、各サンプリングにおいてそれぞれ1周期と1/5周期だけサンプリングされている。従って各サンプリング結果で得られる斜線部の面積は(c)のように均一にノイズの無い場合と同じ面積にはならない。(f)は参照のための電源ノイズが含まれない場合の20msでサンプリングした結果がどうなるかを示している。
【0059】
このように、図4に示す50Hz商用電源ノイズが生じている起電力を20msの時間で積分サンプリングすると、その値は図のハッチングした面積に相当し、サンプリングするタイミングに関わらず、商用ノイズの成分が除去される。
【0060】
従って、50Hz商用ノイズ除去に関しては第1の実施形態と同様である。
一方、起電力に60Hzの商用ノイズが生じているときには、20msの積分サンプリングの値は積分開始時刻の影響を受けてしまう。そこで、同極性の隣接するサンプリングとの和で60Hzノイズが除去できるように積分サンプリングの間隔を設定する。
【0061】
図4に示す積分サンプリングの間隔(TI)を60Hzの周期の(整数+0.5)倍に設定する。そのようにすることで、同極性の隣接する積分サンプリングでは60Hzのノイズの位相が半周期ずれることになり、同極性の隣り合う積分サンプリングした起電力の正負は逆となる。従って、その同極性で隣り合う積分サンプリングした起電力の和をとることで、和の値からは(数6)のように60Hzのノイズ成分がなくなる。図4の(e)では、60Hzの周期である16.6msの10.5周期に設定して175msとしている。
上記を式で表すと次の(数6)のようになる。
【0062】
【数6】
Figure 0003695074
【0063】
ここで、Vs:起電力の大きさ、Vn:商用ノイズの大きさ、ω=商用ノイズの周波数(数6では60Hz)、T:積分サンプリングの開始時刻(任意)、Ti=積分サンプリング間隔(60Hzの(整数+0.5)倍)、V1 60、V2 60は60Hz商用ノイズがある場合の積分サンプリング値である。
【0064】
図4では、
【0065】
【数7】
Figure 0003695074
【0066】
となり、50Hzおよび60Hz商用ノイズがあっても、ノイズのない場合の起電力を求めることができる。ただし、V50は50Hz商用ノイズがある場合の積分サンプリング値であり、Vはノイズのない場合の積分サンプリング値である。
【0067】
負の起電力についても同様にして、60Hzの商用ノイズの影響なく流速を求めることができる。ここで、正のサンプリングおよび負のサンプリングは、それぞれ独自で60Hzノイズを除去しているので、正と負のサンプリング間隔についての制約はない。
【0068】
このように、第2の実施形態では同極性の隣接サンプリングの移動平均で60Hz商用ノイズを除去しているが、起電力のPeak−to−Peakを求める場合などは、隣接する逆極性の積分サンプリングの移動平均で60Hz商用ノイズを除去する方式も可能である。この場合は、移動平均を取る2つのサンプリング間隔を調整することになる。
【0069】
また、上記第1と第2の実施形態では、積分時間を50Hzに合わせて20msとしているが、逆に60Hzに合わせて積分時間を16.66msとし、60Hz商用ノイズを除去し、50Hz商用ノイズを除去するように積分サンプリング間隔を設定する方式も可能である。
【0070】
尚、第1及び第2の実施形態の方式では、少なくとも2つ以上の積分サンプリング値の移動平均をとるためサンプリング更新周期は低下しないが、測定の応答性が遅くなるという問題が発生することが考えられる。
【0071】
上記した第1及び第2の実施の形態において、この応答性が遅くなることが問題となる場合には、第3の実施形態として、上記第1又は第2の実施形態にユーザー自身が商用電源ノイズ周波数をサンプリングタイミングとして入力する設定手段とその切替手段を設けて、タイミング生成手段は、2つの商用電源周波数の双方の周期の整数倍の時間のサンプリングタイミングを出力できるようにし、積分サンプリング手段は、ユーザーが設定手段の設定が行ったか否かによって、積分サンプリングの積分時間とサンプリング時刻を切り換えて起電力をその周期の整数倍の時間で積分サンプリングし、移動平均演算を不要として応答性を上げることができる。一例として、50Hzの時は積分時間を20msとし、60Hzの時は積分時間を16.6msとすることで対応する。
【0072】
そして、この商用ノイズ周波数が入力されない場合は第1及び第2の実施形態で示したような方式を適用する。
【0073】
【発明の効果】
本発明によれば、電磁流量計の流量測定におけるノイズのうち成分の大きい商用電源周波数ノイズを、商用電源からの周波数信号を用いることなく、かつ、商用電源周波数のノイズタイミングを作成することなく、電磁流量計が使用される場所の商用電源周波数が50Hzでも60Hzでも除去して流量の測定をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す電磁流量計のブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態の動作説明のための波形図である。
【図3】図2で商用ノイズが除去されるメカニズムを示した図である。
【図4】本発明の第2の実施形態の動作説明のための波形図である。
【図5】従来方式の一例を示す電磁流量計のブロック図である。
【図6】図5の動作説明のための波形図である
【符号の説明】
1、11 タイミング生成回路
2 励磁回路
3 励磁コイル
4 測定管
5 電極
6 増幅器
7、17 積分サンプリング回路
8、18 演算装置

Claims (2)

  1. 導電性流体の流れる測定管の近傍に配置される励磁コイルと、該励磁コイルに励磁電流を流して前記測定管内に交番磁界を発生させる励磁回路と、前記測定管内に配置される1対の電極と、該1対の電極間に発生した起電力に基づき前記導電性流体の流量を検出する流量検出手段と、を備える電磁流量計において、
    前記流量検出手段は、
    前記起電力にノイズを与える可能性のある第1、第2の商用電源周波数のうちの第1の商用電源周波数の1周期の整数倍の時間で、且つ、前記交番磁界の交番タイミングに合わせて、前記起電力を積分サンプリングする積分サンプリング手段と、
    前記積分サンプリング手段で順次積分サンプリングして得られる波形にノイズとして生じうる前記第2の商用電源周波数の同極性で隣あった位相が互いに連続するよう前記積分サンプリングの開始タイミングと前記交番磁界のタイミングを生成するタイミング生成手段と
    前記積分サンプリング手段による積分サンプリング時間の和を前記第1、第2の商用電源周波数の周期の公倍数に一致するまで求め、該和に基づき前記導電性流体の流量を演算する演算手段と、
    を備えることを特徴とする電磁流量計。
  2. 前記タイミング生成手段は、2つの商用電源周波数の双方の周期の整数倍の時間の積分サンプリングのタイミングを出力でき、
    さらに、前記タイミング生成手段には、どちらか一方の商用電源周波数の積分サンプリングのタイミングを出力するように外部から設定する設定手段を有し、
    前記積分サンプリング手段は、前記設定手段の設定が外部から行われたら設定された積分サンプリングに従って前記起電力を積分サンプリングする
    ことを特徴とする請求項1に記載の電磁流量計。
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