JP3694308B1 - 薄板広帯域アンテナおよび情報端末装置 - Google Patents

薄板広帯域アンテナおよび情報端末装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 小型、薄型、及び軽量でバンドワイズの広い薄板広帯域アンテナを提供する。
【解決手段】 第1のエレメント101は、長さの異なる複数の放射パターンを含んでおり第2のエレメント105に連絡している。第2のエレメントはグランド107に連絡しており、第2のエレメントに同軸給電線路の内導体を接続し、グランドに同軸給電線路の外導体を接続することで逆F型アンテナを構成する。第1のエレメントを構成する複数の放射パターンは、第1の周波数帯の規定のバンドワイズの電圧定在波比を低下させる長さで構成してあり、かつ相互に長さが異なっているため、それぞれの放射パターンは第2のエレメントに連絡することにより第1の周波数帯のバンドワイズに含まれる異なる周波数の電圧定在波比を低下させる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、周波数帯域(以後、バンドワイズという)の広い逆F型の薄板広帯域アンテナに関し、さらにはフレキシブル・プリント回路基板をエッチングして製作したバンドワイズの広い薄板広帯域アンテナに関する。
ノート型パーソナル・コンピュータやPDA(Personal Digital Assistant)等の移動情報端末装置は、軽量化および小型化が進展すると共に無線LAN機能を搭載することが多くなってきた。無線LANの周波数帯の周波数帯の規格に関しては、アメリカ電気電子技術者協会(以後、IEEEという。)のワーキング・グループの下で、現在2.4GHz帯(IEEE802.11b/g)と5GHz帯(IEEE802.11a)の二つの周波数帯について制定されている。したがって、無線LANを搭載する情報端末装置は、これら二つの周波数帯で使用できるアンテナを必要としており、耐久性、安価、軽量、およびコンパクトという観点から平板状のアンテナを多く用いている。また移動情報端末装置のアンテナ構造としては、主に無指向性で小型化が容易な逆F型のアンテナが採用されている。
特許文献1には、広いバンドワイズを実現するために、放射導体板の他に無給電導体板を設けた逆Fアンテナを記載している。特許文献2には、フレキシブル・プリント回路基板(以下、適宜FPCという。)を利用して絶縁性フィルム上に形成したアンテナユニットを記載している。非特許文献1には、金属平板に幅の狭いスリットを設けて放射素子を形成し逆F型アンテナの形状を満たしたフィルムアンテナを記載している。
特開平11−41026号公報 特開2003−78320号公報 日立電線 No.21(2002−1)「2.4GHz帯モバイル機器内蔵用フィルムアンテナ」
従来の逆F型の平板アンテナは、図1(a)に示すように長さの違う2本のエレメント11、13を平行に並べて、例えば2.4GHz帯と5.0GHz帯というように二つの周波数帯に適応するデュアルバンド対応のアンテナを構成していたが、5.0GHz帯のような周波数帯ではバンドワイズが十分でないという側面があった。バンドワイズとは用途毎に規格上使用することが許されている周波数の範囲をいい、情報端末装置はその範囲の周波数を利用して通信することができる。
例えば上記IEEEの5.0GHz帯の規格では、4.900GHz〜5.875GHzの範囲として制定された975MHzのバンドワイズを使用し、2.4GHz帯の規格では、2.412GHz〜2.486GHzの範囲として制定された74MHzのバンドワイズを使用することになっている。また、各国は、IEEEが制定したバンドワイズの範囲の中で独自に使用する周波数チャネルを定めている。例えば、5.0GHz帯において、日本はLower Band(5.13GHz〜5.24GHz)で4チャネル使用するが、米国やヨーロッパでは、Middle Band(5.25GHz〜5.43GHz)やUpper Band(5.5GHz〜5.825GHz)も使用する。
無線LANの送信機は、使用可能な周波数チャネルの中から空きのあるチャネルを自動的に選択して通信を確立するので、国境を越えて使用する移動情報端末装置の無線LANに使用するアンテナは、IEEEに定めるバンドワイズの全域に対応できることが望ましい。アンテナの性能を評価する項目として電圧定在波比(以下、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio)という。)がある。VSWRは、アンテナ素子と給電線路のインピーダンスの不整合により反射波が発生しているときに、給電線路上に生じた定在波の電圧振幅分布の山と谷の比をいい、インピーダンスが整合して反射のない理想的な状態では1.0になる。無線LANに使用するアンテナのVSWRはできるだけ小さい方が望ましく、使用するバンドワイズにおいて一般に2.0以下を実現すると諸条件の下で安定した特性を発揮するといわれている。
しかし、図1(a)に示す構造のアンテナ10は、5.0GHz帯の短い素子11、2.4GHz帯の長い素子13、およびグランド15で構成しており、それぞれの周波数帯で素子を1本ずつしか設けていないため、図1(b)に示すようなVSWR特性となって、特に5.0GHz帯ではVSWRを2以下にするバンドワイズΔFを十分に確保することができなかった。よって、バンドワイズを拡大するには異なる周波数で共振するアンテナ10を複数設けるなどの対策が必要であった。
そこで本発明の目的は、小型、薄型、および軽量でバンドワイズの広い薄板広帯域アンテナを提供することにある。さらに本発明の目的は、フレキシブル・プリント回路基板に対するエッチング手法を採用して実現した薄板広帯域アンテナを提供することにある。さらに本発明の目的は、IEEEに規定されるバンドワイズに適応可能な薄板広帯域アンテナを提供することにある。さらに本発明の目的は、量産化しても安定した特性を維持することができる薄板広帯域アンテナを提供することにある。
本発明の一の態様は、誘電体層の表面に形成した導体層のパターンを有し給電線路を接続して第1の周波数帯で使用する逆F型の薄板広帯域アンテナであって、前記導体層のパターンが、前記給電線路の接地ラインを接続するグランド・ポイントを備えるグランドと、それぞれが前記第1の周波数帯に適合する長さで、かつ相互に異なる長さの複数の放射パターンを含む第1のエレメントと、前記給電線路の電圧ラインを接続する給電ポイントを備え前記複数の放射パターンのそれぞれと前記グランドを連絡する第2のエレメントとを有する薄板広帯域アンテナを提供する。
本発明の薄板広帯域アンテナは、誘電体層の表面に導体層がパターン化されている。複数の放射パターンは、半導体を製造する際に使用する蒸着やリソグラフィ等の周知の技術を利用して精度よく形成することができる。さらに、それらの技術をベース・フィルムの表面に導体箔を積層したFPCに適用して製作することができる。第1のエレメントは第2のエレメントに連絡しており、第2のエレメントはグランドに連絡している。第2のエレメントに給電線路の電圧ラインを接続し、グランドに給電線路の接地ラインを接続することで逆F型の薄板広帯域アンテナを構成する。
第1のエレメントは長さの異なる複数の放射パターンを含んでおり、各放射パターンは第1の周波数帯のいずれかの周波数に共振する長さになっている。したがって、複数の放射パターンはいずれも第1の周波数帯のVSWRを低下させる。ここに放射パターンとは、誘電体層の上に積層された導体層を加工して形成したアンテナの細長い電極をいう。また、それぞれの放射パターンは相互に長さが異なっているため、第1の周波数帯のバンドワイズ内において、異なる周波数と共振してVSWRを低下させる。
実用的な広さのバンドワイズを得るには、放射パターンの数を6本以上にするとよい。複数の放射パターンの長さを、最も長い放射パターンから最も短い放射パターンに向かって順番に同じ長さだけ変化するように構成すると、各放射パターンが第1の周波数帯のバンドワイズの範囲において、各周波数をバランスよく分担してVSWRを低下させることができる。第1のエレメントを5.0GHz帯に使用する場合には、放射パターンの数を6本〜9本にすると良好な特性を得ることができる。
第1のエレメントと第2のエレメントで構成したアンテナにチップ・アンテナを組み合わせることで全体として複数のバンドワイズを含むアンテナを構成することができる。チップ・アンテナは、高誘電率材料を使ったモノポール・タイプのアンテナであり、同一周波数に対して逆F型のアンテナに比べてエレメントの長さを短くできるという特徴があるので、スペースの制約を受けないで第1の周波数帯より高い第2の周波数帯に適応するアンテナを構成することができる。また、マルチバンドのアンテナを容易に製作することができるようになる。
薄板広帯域アンテナは、微細な加工を施してパターンを形成することができるため小型化に適している。薄板広帯域アンテナのパターンを高い精度で形成することで性能のよい高周波アンテナを実現できる一方、給電ポイントに対する電圧ラインの接続位置も厳密に画定する必要があり、適正な位置からわずかにずれただけでも良好なVSWRを得ることができない。特にアンテナの量産には給電線路の高い位置決め精度と接続に関する技術が要求される。この点、給電線路の電圧ラインの延長部として機能する第2のエレメントから延びた給電パターンを設けることで、第2のエレメントの給電ポイントに対する電圧ラインの接続位置を、パターン形成のプロセスで画定することができ、量産時しても安定したVSWR特性を備えるアンテナを得ることができる。
第1のエレメントの複数の放射パターンのそれぞれに連絡する迂回パターンを設けて第1のエレメントの長さが全体として長くなるように作用させ、第1のエレメントと第2のエレメントが、迂回パターンがないとした場合に適応する周波数帯を低い周波数帯にシフトさせることができる。放射パターンを誘電体層の裏面に形成すれば、パターン形成のためのスペースを十分に得ることができるのでより長い迂回パターンを形成するのに都合がよい。導体層に5.0GHz帯に適応する長さの複数の放射パターンと2.4GHz帯に適応する長さの複数の放射パターンを設けて、いずれの周波数帯でも広いバンドワイズを実現することができる。
薄板広帯域アンテナは、あらかじめ製造されたベース・フィルムと導体箔からなるFPCに対してエッチングして形成することができる。FPCを利用すると複雑な半導体プロセスを必要とせず、主としてエッチングだけで微細なパターンを形成することができるので、本発明に係る薄板広帯域アンテナを製作するのに適している。アンテナのパターンをベース・フィルムの裏面にも設けるとスペースを有効に活用したり、安定した特性を得たりするのに都合がよい。表面の導体層と裏面の導体層は銀スルーホールで接続することができる。FPCを構成する材料は、一般にエッチングの過程で発生する薬品処理や熱処理に対して強くないので銅スルーホールの形成には適さないが、スクリーン印刷した銀スルーホールはFPCの性能を劣化させるような薬品処理や熱処理を必要としないので、FPCの表面パターンと裏面パターンを電気的に接続するのに都合がよい。
裏面の導体箔に給電パターンを形成し、その一端を銀スルーホールで表面のパターンである第2のエレメントの給電ポイントに接続すると、給電パターンの他端に給電線路の電圧ラインを接続して裏面から給電することが可能になるため、アンテナの取り付け場所に応じて給電位置を選択するのに都合がよい。この場合、接地ラインは銀スルーホールを通じて裏面から表面のグランドに接続する。給電線路を表面のパターンに接続して裏面の給電パターンを利用する場合には、接地ラインを表面でグランド・ポイントに接続し、電圧ラインを表面で裏面の給電パターンに接続された銀スルーホールに接続する構成になる。
カバー・フィルムは導体箔を酸化やハンダ接続時の短絡故障等から保護するなどの点で都合がよいが、さらに、カバー・フィルムのグランド・ポイントに対応する位置を切除して位置決め開口を形成しておくと、給電線路の接地ラインを接続する作業を行うときに接続位置を正確に決めることができる。位置決め開口は、導体箔を露出させると同時に、その大きさは接地ラインを接続するグランド・ポイントの位置の指標となる程度にしておく。グランド・ポイントの位置は、カバー・フィルムの位置決め開口をパターン形成プロセスにおいてエッチングして形成できるので、高い精度で画定することができる。グランドはできるだけ面積を広くすると安定した電位を提供することができる。しかし、グランド・ポイントに接地ラインをハンダ接続する際、熱が放散して接続領域の温度上昇を妨げるためハンダ接続の品質を維持できない場合がある。本発明では、グランド・ポイントにサーマル・ランドを設けることで、外導体のハンダ接続の品質を確保することができる。
本発明の他の態様は、ベース・フィルムの表面に導体箔を積層したフレキシブル・プリント回路基板の前記導体箔をエッチングして形成したパターンを有し給電線路を接続して第1の周波数帯で使用する逆F型の薄板広帯域アンテナであって、前記導体箔のパターンが、前記給電線路の接地ラインを接続するグランド・ポイントを備えるグランドと、それぞれが前記第1の周波数帯に適合し、かつ長さの異なる複数の放射パターンで構成した第1のエレメントと、前記複数の放射パターンのそれぞれと前記グランドを連絡する第2のエレメントと、前記給電線路の電圧ラインを接続する給電端子を備え前記第2のエレメントに接続された給電パターンとを有し、前記第1のエレメントの各放射パターンに流れる高周波電流が誘起する磁界が前記薄板広帯域アンテナからの反射波電圧を減少させる位置に前記給電パターンを形成した薄板広帯域アンテナを提供する。
放射パターンに流れる高周波電流が誘起する磁界を給電線路の電圧ラインに鎖交させ、アンテナから反射した反射波電圧を減少させるようにして位相調整をすることにより、VSWRをより一層低減して効率の高いアンテナを製作することができる。反射波電圧に対して放射パターンが誘起する電圧の位相調整をするためには、給電線路の一部である給電パターンと放射パターンとを接近して配置し、反射波電圧に対して逆位相の電圧が誘起されるように給電線路の位置決めをする。位相調整には繊細な作業が必要とされ、放射パターンと給電線路との最適な相互位置関係が定まっても量産時に再現することに困難を伴う場合がある。しかし、給電パターンを給電線路の一部として利用して給電パターンと放射パターンとの位置関係を反射波電圧の位相を調整できる関係に設定すれば、パターンは精度よく形成できるため量産に適した薄板広帯域アンテナを得ることができる。
本発明により、小型、薄型、および軽量でバンドワイズの広い薄板広帯域アンテナを提供することができた。さらに本発明により、フレキシブル・プリント回路基板にエッチング手法を適用して実現した薄板広帯域アンテナを提供することができた。さらに本発明により、IEEEに規定されるバンドワイズに適応可能な薄板広帯域アンテナを提供することができた。さらに本発明により、量産化しても安定した特性を維持することができる薄板広帯域アンテナを提供することができた。
図2は、本発明の実施の形態に係る薄板広帯域アンテナ(以後、アンテナという。)の平面図で、図3は図2に示した5.0GHz用エレメント101と2.4GHz用エレメント103の拡大図である。本明細書の全体を通じて同一要素には図面に同一参照番号を付して説明する。アンテナ100は、ベース・フィルム113としてのポリエチレンテレフタレート(PET)・フィルムの片面または両面に、導体箔としての銅箔層を積層した市販のFPCにエッチング(リソグラフィ)技術を利用してパターンを形成して製作する。FPCのベース・フィルムとしては、ポリイミド(PI)・フィルムを使用することもできる。
FPCをエッチングしてアンテナを製作する方法は後に詳しく説明する。銅箔層の上には、銅箔層が酸化したりハンダ工程で発生したハンダ飛沫が付着したりするのを防止するためにカバー・フィルムを設ける。図2および図3では、カバー・フィルムを除去してPETフィルム113の上に形成した銅箔層のパターンだけを示している。アンテナ100は、5.0GHz帯と2.4GHz帯の二つの周波数帯に適合するように構成している。アンテナ100は、PETフィルム113の上に設けた30mm×30mmの矩形の銅箔層をエッチングして、アンテナを構成するためのパターンを形成する。パターンには、5.0GHz用エレメント101を構成する細長い8本の放射パターン101a〜101h、2.4GHz用エレメント103を構成する細長い2本の放射パターン103a、103b、グランド・ポイント111を有するグランド107、および5.0GHz用エレメント101と2.4GHz用エレメント103をグランド107に連絡する短絡エレメント105を含む
短絡エレメント105には、給電ポイント109を設けている。アンテナ100を使用するときは、給電ポイント109とグランド・ポイント111に給電線路としての同軸ケーブル(図示せず。)を接続する。給電ポイント109には、電圧ラインとしての同軸ケーブルの内導体を接続し、グランド・ポイント111には、接地ラインとしての同軸ケーブルの外導体を接続することで逆F型のアンテナを構成する。
グランド107は、銅箔層のパターンの大部分の面積を占めている。グランド107は、情報端末装置へ取り付けた状態において5.0GHz用エレメント101、2.4GHz用エレメント103、および短絡エレメント105に対して安定したグランド電位を提供するためにできるだけ広い面積にすることが望ましい。グランド・ポイント111は、カバー・フィルムの一部に位置決め開口を形成して位置が画定した銅箔層の領域の一部である。グランド・ポイント111は、試作段階で複数のポイントに同軸ケーブルの外導体125を接続して特性試験を行った中から選択した最適位置となっている。
グランド・ポイント111にカバー・フィルムの位置決め開口を形成すると、量産時にも同軸ケーブルの外導体を正確な位置に接続することができるため、性能のよいVSWR特性を安定して得ることができる。本実施例では位置決め開口の大きさを、2.2mm×2.2mmにしている。また、パターンの端部から位置決め開口の端部までの距離は10.6mmとし、パターンの端部から給電ポイントまでの距離は6.0mmにしている。給電ポイント109もグランド・ポイント111と同様にカバー・フィルムに位置決め開口を設けることにより定義された銅箔層の領域の一部である。
5.0GHz用エレメント101を構成する8本の放射パターン101a〜101hは、グランド107および短絡エレメント105と共に逆F型アンテナとして5.0GHz帯の周波数にλ/4(λは波長)で適応する長さになっている。放射パターン101aは5.0GHz用エレメントの中で最も短く、給電ポイント109からの長さが8mmである。本発明において5.0GHz用エレメントおよび2.4GHz用エレメントの放射パターンの長さは、給電ポイント109から先端までの長さをいう。放射パターン101aは、グランド107の端部115から0.625mm離れた位置で端部115に平行に形成している。
放射パターン101b〜101hは、それぞれ順番に0.5mmずつ長くなっており、最も長い放射パターン101hの長さは給電ポイント109から11.5mmである。放射パターン101a〜101hは0.125mmのパターン幅と0.125mmのスペース幅で形成されており、パターン・ピッチが0.25mmとなっている。放射パターン101a〜101hにおいて隣接するパターン同士の長さはほぼ同じ差になっており、101aから101hに向かって長くなっている。このような構成により、各放射パターンが5.0GHz帯のバンドワイズにおいてVSWRを低下させる周波数をバランスよく分担することができる。放射パターンの数を変える場合は、最長放射パターンと最短放射パターンのそれぞれの長さを要求される周波数帯のバンドワイズの上限と下限に基づいて定め、その間を残りの放射パターンがほぼ均等の長さで割り付けるように構成する。
放射パターン101a〜101hの数はさらに増加させることもできるが、周波数帯域に対するアンテナの共振周波数、矩形の銅箔層の大きさ、およびFPCに対するエッチング加工の精度に影響されて制限を受ける。加工精度は現在のところパターン幅およびスペース幅が共に0.05mmでパターン・ピッチが0.1mm程度である。5.0GHz用エレメント101は、8本の放射パターン101a〜101hと短絡エレメント105により5.0GHz帯に要求されるバンドワイズのVSWRを低下させる。バンドワイズの中で最も低い4.900GHzに対しては最も長い放射パターン101hを対応させ、最も高い5.875GHzに対しては、最も短い放射パターン101aを対応させる。中間にある周波数に対しては101b〜101gを対応させる。このことは、放射パターン101a〜101hは、5.0GHz帯のバンドワイズに含まれるいずれかの周波数に共振していると考えることができる。ただし、放射パターン101a〜101hは全パターンが形成された状態で短絡エレメント105と共に作用して共振するのであり、個々に取り出した放射パターンと短絡エレメント105との特性を測定して、すべての放射パターンについて計算で合成したものとは意味が異なることに留意すべきである。
2.4GHz用エレメント103は、2.4GHz帯にλ/4で適応する長さにしてある。アンテナ100では、2.4GHz用エレメントがλ/4で適応する長さによりパターンの寸法がほぼ30mm×30mmとして定まる。放射パターン103aは長さが20.75mmで、放射パターン103bは長さが21.25mmである。パターンの幅およびパターン間のスペース幅は0.2mmである。2.4GHz帯は、要求されるバンドワイズが狭いため、2本の放射パターン103a、103bでも2.412GHz〜2.486GHzの範囲のVSWRを2.0以下にすることができる。5.0GHz用エレメントおよび2.4GHz用エレメントを構成する複数の放射パターンは、FPCに対するエッチング加工を行って形成すると容易に高い精度で形成することができる。ただし、蒸着、およびフォトリソグラフィ等の周知の半導体製造プロセスを利用しても実現できる。
図2および図3において、5.0GHz用エレメント101および2.4GHz用エレメント103の各放射パターンは、グランド107の端部115に平行に整列させているが、パターンの配列は、必ずしも厳密に平行である必要はなくグランド107の端部115に対して多少斜め方向に形成されていてもよい。また、放射パターンの長さの変化量、パターン幅、スペース幅などは図3に示すように一定にする必要はなく、それぞれの放射パターンの特性インピーダンスを調整するために変えることは自由である。
図4は、アンテナ100に同軸ケーブル121を接続した状態を示す。同軸ケーブル121は、外導体125と内導体123の間に絶縁層127が介在しており同心円筒状に形成されている。外導体125は、グランド・ポイント107(図2参照)にハンダ接続され、内導体123は、給電ポイント109にハンダ接続されている。同軸ケーブル121の他方の端は、情報端末装置の無線LANカードに搭載される送信機または受信機に接続される。同軸ケーブル121の全長のインピーダンス値は本実施例では50Ωであるが、他のインピーダンス値を採用してアンテナをそれに適合するように構成することもできる。
図5は、図2に示したアンテナ100の5.0GHz用エレメント101および2.4GHz用エレメント103の放射パターンをグランド107の端部115から離れるに従って順番に短くなるように配置した実施例である。図6は、図2に示したアンテナ100の給電ポイント109とグランド・ポイント111とに接続したチップ・アンテナ131を設けた実施例である。チップ・アンテナ131は、高誘電率材料を使用したモノポール・アンテナであり、同一の周波数帯に対しては逆F型のアンテナに比べて短い素子で構成できるので、図2に示した5.0GHz用エレメント101および2.4GHz用エレメント103と組み合わせてより多くのバンドワイズに適応したマルチバンドのアンテナを製作することができる。
図7は、図2に示したアンテナ100の銅箔層に給電パターン141を設けた実施例である。図4の実施例では短絡エレメント105の給電ポイント109に内導体123が接続されるが、量産したときに給電ポイント109の位置に内導体123を正確にハンダ接続することに困難を伴う場合がある。アンテナ100は、適応する周波数が高いほど給電ポイント109と内導体123との接続位置がわずかにずれただけでも特性が変化するので、位置のずれを防ぐ必要がある。この点、給電パターン141は、内導体123を接続する給電端子143を備えて短絡エレメント105に対する内導体123の延長部として機能することで、位置145を第2のエレメント105に対する給電ポイントにすることができる。
給電パターン141は、銅箔層に対するエッチング・プロセスで形成することができるので、この実施例では給電ポイント145を高い精度で画定することができる。図8は、図2のアンテナ100に対する他の給電方法を示す実施例である。本実施例では、銅箔層の給電パターン155をPETフィルム113の裏面にも形成する。図8のアンテナ100は、内導体123が接続される給電端子151を、PETフィルム113の表面側において銅箔層のパターンがない位置に設けている。給電端子151は、PETフィルム113の表面と裏面を電気的に導通させる銀スルーホールの端部である。銀スルーホールは、裏面の銅箔層に形成した給電パターン155に電気的に結合している。銀スルーホールの形成方法は後に説明する。
給電パターン155はPETフィルム113の裏面を給電ポイント153に対応する位置まで延び、給電ポイント153の位置で銀スルーホールを利用して表面の銅箔層のパターンである短絡エレメント105と電気的に結合している。このような給電方式を採用すると、表面のパターンの影響を受けないで最適な給電経路を裏面の銅箔層に形成することができるので、より良好なVSRW特性を実現できる。また、図7に示した実施例と同様に、エッチングによりパターンを形成するので、短絡エレメント105に対する給電ポイントの位置を正確に決めることができる。また、給電端子151を表面に形成しないで、裏面の給電パターン155の端部に設けてもよい。裏面にある給電パターン155に給電端子を設け、さらにグランドに接続された銀スルーホールを裏面まで形成することにより、同軸ケーブル121でアンテナ100の裏面からも給電することができるので、アンテナを取り付けスペースの小さい移動情報端末装置へ取り付けるときに自由度が増して都合がよい。
図9は、銅箔層のサイズが小さくても低い周波数帯に適応することができるアンテナ100の実施例である。アンテナ100には、給電ポイント109と第1のエレメント101との間に迂回パターン161を形成している。迂回パターン161は、電流が流れるエレメント長を長くして、アンテナをより低い周波数帯に適応させるものである。迂回パターン161のパターン形状は、図9に示すような葛折り以外に、ジグザグまたはコイル状等のいかなるものであってもよい。本実施例では、迂回パターンを表面の銅箔層に形成しているが、裏面の銅箔層に形成して銀スルーホールを利用して表面の銅箔層のパターンに接続するようにすると、アンテナのエレメントによりスペースの制約を受けないでより長いパターン経路長を得ることができる。迂回パターンの長さを20cm〜30cmにすると、図1に示したアンテナがUHF帯に適応するようになる。
図10は、図1のグランド・ポイント111に形成したサーマル・ランドを説明する図である。グランド107は比較的広い面積の銅箔層となっており、グランド・ポイント111に同軸ケーブルの外導体125をハンダ接続する際熱が拡散しやすい。ハンダ接続時にグランド・ポイント111の温度が十分に上昇しないと、ハンダ接続の品質が低下する。図10に示すサーマル・ランド170は、銅箔層のグランド107に形成した接続領域171の回りに、周辺開口部173a〜173dを備えている。周辺開口部173a〜173dは、グランド107の銅箔層が部分的に除去されて、PETフィルム113が露出している領域である。
同軸ケーブル121の外導体125を接続領域171にハンダ接続する際、熱は連絡領域175a〜175dを伝達してグランド全体に放散するが、周辺開口部173a〜173dの部分だけ熱伝導の面積が小さくなっているので熱の放散速度は遅くなる。よって、接続領域171の温度を一時的に高く維持することができる。サーマル・ランド170は、接続領域171の周辺にある熱放散の経路を、周辺開口部173a〜173dを利用して連絡領域175a〜175dに制限するものであり、そのような作用を発揮する限り図10に示したパターン形状に限定するものではない。
図11および図12を参照して、放射パターンの数と5.0GHz帯のバンドワイズにおけるVSWRの関係を説明する。図10(A)、(B)、図11(C)、(D)に示すアンテナ300a〜300dは、5.0GHz用エレメント301a〜301d、2.4GHz用エレメント303a〜303d、短絡エレメント305a〜305d、およびグランド307a〜307dを含んでいる。また、図2と同様にパターン全体の大きさはいずれも30mm×30mmである。同軸ケーブル313a〜313dの外導体は、給電ポイント309a〜309dで短絡エレメント305に接続され、さらにグランド・ポイント311a〜311dでグランド307a〜307dに接続されている。
図11(A)の薄板広帯域アンテナ300aは、2本の放射パターンで構成した5.0GHz用エレメント301aと1本の放射パターンで構成した2.4GHz用エレメント303aを含んでいる。2.4GHz用エレメント303aは、給電ポイント309aからの長さが21.9mmであり、2.4GHz用エレメント303b〜303dの長さも同様である。5.0GHz用エレメント301aは、給電ポイント309aからの長さを10.6mmと12.7mmにしている。アンテナ300aのVSWR特性をみると、5GHz帯のバンドワイズΔFである4.900GHz〜5.875GHzの範囲においてVSWRが2.0を超える部分が多く特性はあまりよくない。
図11(B)のアンテナ300bは、5.0GHz用エレメント301bの放射パターンを3本有しており、それぞれの長さを10.6mm、11.6mm、および12.7mmにしている。薄板広帯域アンテナ300bのVSWR特性をみると、アンテナ300aに比べてXで示す部分のVSWRが改善されている。図12(C)の薄板広帯域アンテナ300cは、5.0GHz用エレメント301cの放射パターンを4本有しており、それぞれの長さを9.6mm、10.6mm、11.6mm、および12.7mmにしている。アンテナ300cのVSWR特性をみると、アンテナ300bに比べて5.0GHz帯のバンドワイズにおけるVSWRが改善されていることがわかる。
図12(D)のアンテナ300dは、5.0GHz用エレメント301dの放射パターンを8本有しており、それぞれの長さを8.0mm、8.5mm、9.0mm、9.5mm、10.0mm、10.5mm、11.0mm、および11.5mmにしている。アンテナ300dのVSWR特性をみると、他に比べてVSWRが2以下になる5.0GHz帯のバンドワイズΔFが最も広くなっていることがわかる。この試料では、IEEEで規定されている5.0GHz帯のバンドワイズ全域に渡ってVSWRを2以下にするまでには至らない。ただし、このような構成のアンテナではIEEEのバンドワイズの要求を満たすことができないということではない。特に高い周波数帯で使用するアンテナのVSWR特性は、給電線路の接続位置やパターンの若干の変化でも変わり得るからで、他の実験では放射パターンの数を8本にしたとき、VSWRを2以下にするバンドワイズがIEEEの要求を満たすことがある場合を確認している。
図13は、エレメントの各放射パターンが5.0GHz帯のバンドワイズにおいてVSWRの低下に寄与する状態を説明する図である。図13は、放射パターンが4本のアンテナについて説明している。4本の放射パターンはいずれも5.0GHz帯のバンドワイズに含まれる周波数に共振し、最長放射パターンと最短放射パターンとの間にある放射パターンの長さが均等に変化するように割り付けている。G1は、最も長い放射パターンがVSWRの低下に寄与する状態を説明するための仮想的なVSWRである。G4は最も短い放射パターンがVSWRの低下に寄与する状態を説明するための仮想的なVSWRである。G2とG3は、中間の長さの放射パターンがVSWRの低下に寄与する状態を説明するための仮想的なVSWRである。ここに仮想的なVSWRとしているのは、長さの異なる1本の放射パターンだけを形成したアンテナを4つ製作し、それぞれのVSWRを測定して計算上で合成したとしても、4本の放射パターンが同時に形成されたアンテナから得られるVSWRには一致しないからである。
その理由は、4本の放射パターンを形成したアンテナは、それぞれの放射パターンが相互に作用し合って全体のVSWR特性を決定するようになるからである。しかし、最も長い放射パターンはバンドワイズの中で最も低い周波数に共振してVSWR低下に寄与し、最も短い放射パターンは最も高い周波数に共振してVSWR低下に寄与することは実験の結果から明らかである。また、最も長い放射パターンと最も短い放射パターンの間にある放射パターンの数がある程度までは、当該バンドワイズΔFの範囲においてVSWRが高い方に飛び出す部分をなくすことができることも実験の結果で確認している。
以上のとおり、図2を参照して説明した構造のアンテナでは、5.0GHz帯において放射パターンの数を増加するに伴って、VSWRを2以下にするバンドワイズが拡大することが確認できた。ここにバンドワイズ拡大の効果は5.0GHz帯に限るものではなく、2.4GHz帯でも放射パターンを2本にすることで従来の1本の場合よりも拡大している。さらに他の周波数帯でも当該周波数帯に要求されるバンドワイズに適合した長さの放射パターンの数を増加してVSWRを2以下にするバンドワイズを拡大することができる。
しかし、5.0GHz帯について放射パターンの数を2本から8本まで増加していった場合にはVSWRを2以下にするバンドワイズは拡大するが、9本以上にすると逆にバンドワイズが狭くなる傾向を確認した。図14は、位相調整前後のアンテナついて放射パターンの本数と帯域幅の関係を示すグラフである。位相調整については、後に詳細を説明する。図15は、図14で参照番号を付している各アンテナについて、30mm×30mmの銅箔層に2.4GHz用エレメントと5.0GHz用エレメントを形成したときのパターンの構成を示すリストである。
図14のライン401は、5.0GHz用エレメントの放射パターンを6本から9本にしたときのVSWRを2以下にするバンドワイズを示している。放射パターンの本数に対応する各パターンの構造は、図15に示すとおりである。ライン401に含まれる各アンテナに対する給電は、図8に示した裏面の給電パターン155(図8参照)を利用して行っており、同軸ケーブル121を接続した状態を図16(A)に示す。同軸ケーブル121は、外導体125がグランド・ポイントでグランド107に接続され、内導体123が給電端子151に接続されている。
ライン401は、放射パターンの本数が8本の場合にバンドワイズがピークになることを示している。参照番号407で示す5.0GHz用エレメントの放射パターンを8本にしたアンテナ100のVSWRを測定した結果を図17(A)に示す。測定は、アジレント・テクノロジー社(Agilent Technologies)から、型式5071Bで入手できるネットワーク・アナライザーで行った。図17(A)では、5.0GHz帯でVSWRを2以下にする周波数の下限と上限がそれぞれ4.85GHzと5.65GHzとして得られ、バンドワイズは0.76GHzとなっている。
放射パターンを8本にした場合に最もバンドワイズが広くなるが、この試料ではIEEEで制定したバンドワイズを満たすことはできなかった。ライン401が示すように、放射パターンの数を9本以上に増やしてもバンドワイズが拡大しない理由は、放射パターンの長さを、対応する周波数帯のλ/4になる共振周波数で定めて銅箔層のサイズを決めている点が考えられる。放射パターンの数を増やしていくと、パターンの幅およびパターン間のスペース幅が狭くなり、各放射パターンのインピーダンスが変化して数の増大効果が得られないものと考えられる。
本実施の形態でパターン形成のために使用した矩形の銅箔層のサイズが、30mm×30mm程度であることは、携帯電話などの小型の情報端末装置に搭載する上で都合がよいので、このサイズでさらにバンドワイズを拡大するために、本発明において位相調整という方法を取り入れた。図14のライン403は位相調整したアンテナが、放射パターンの本数毎にVSWRを2以下にするバンドワイズを示している。ライン403を構成する各アンテナは、ライン401のアンテナに対応するように6本から9本までの同一構成の放射パターンとし、給電部の構成だけを変えたものである。ライン403の各アンテナは、ライン401の対応する各アンテナに対して、2倍ほどバンドワイズが広がっており、7本(参照番号413)と8本(参照番号409)の場合はIEEEが制定する5.0GHz帯のバンドワイズを超えている。
位相調整とは、給電線路に流れる高周波電流が誘起する磁界と放射エレメントに流れる高周波電流が誘起する磁界とを相互に鎖交させ、給電線路に発生している反射波電圧に逆位相の電圧を加えて低減することをいう。図16(A)に示すアンテナ100において、同軸ケーブル121に高周波電流を流すと、給電端子151と内導体123との接続点で反射がおきて反射波電圧が同軸ケーブル121に戻ってくる。反射波電圧は、同軸ケーブル121の特性インピーダンスとアンテナ100の特性インピーダンスとの差により発生するが、送信機から送られた電力が有効にアンテナに伝わらなかったり、送信機に反射波電流が戻ったりするのでこれを低減する必要がある。
反射波は、電圧または電流として給電線路を戻ってくるが、VSWRは反射波電圧の大きさを間接的に評価して反射の程度を知るための指標である。位相調整においては、同軸ケーブル121の内導体123とアンテナ100の5.0GHz用放射パターンとを磁気的に結合させ、反射波電圧に逆位相の電圧が加わるようにしてこれを低減する。
アンテナ100の5.0GHz用エレメントは、複数の放射パターンで構成しているため、一般には特性インピーダンスが放射パターン間で相違しており、反射波電圧の周波数も様々である。その結果、位相調整をしないアンテナ100では、所定のバンドワイズの中でVSWRが悪い周波数とよい周波数が現れる。位相調整をするためには、VSWRを観測しながら、給電線路と放射パターンとの位置関係を画定する。それはVSWRを低下させる必要のある周波数に関係する放射パターンに対して給電線路が平行になる成分を多く含むように配置して磁気的結合度を強めることで実現できる。以下、図16(B)を参照して位相調整の具体的な方法について説明する。
図16(B)は、位相調整を行って反射波電圧を減少させるように同軸ケーブル121をアンテナ100に接続した図である。同軸ケーブル121の外導体125はグランド・ポイント111(図2参照)に接続され、絶縁体127に被覆された内導体123が5.0GHx用放射パターン101の上を交差して給電ポイント109まで延びている。絶縁体127は、放射パターン101の上に設けたカバー・フィルムに接触してもよく、また離隔していてもよい。
位相調整は、放射パターンに流れる高周波電流が誘起する磁界が内導体123に鎖交することで行われるので、特定の放射パターンに対して内導体123が平行な位置関係の成分を有するように配置されると当該放射パターンに対する磁気的結合度が強くなり、位相調整を特定の周波数に集中して行うことができる。そのために内導体123をS字状に配線したり、放射パターンの表面(実際にはカバー・フィルムの表面)から離隔して配線したりして適切な位置関係を定める。
たとえば、5.0GHz帯が要求するバンドワイズの中で上限近辺の周波数についてVSWRを改善しようとする場合は、図3に示した放射パターン101a、101bといった短い放射パターンに対して内導体123が平行して配線される成分を含むようにするとよい。VSWRを改善する周波数は、図17に示したような波形を観測して選択することができる。位相調整を理想的に行うと、一般的には5.0GHz用エレメントの放射パターンの一部に内導体123の垂直投影が重なるが、垂直投影が重ならない場合でも内導体123と放射パターンを近接させて磁気的な結合ができる状態にすれば可能である。
内導体123と放射パターンとを位相調整関係の配置にしたとき、反射波電圧に対して必ずしも逆位相の電圧が作用するとは限らない。順位相の電圧が作用したときは反射波電圧が増大しVSWRが悪化する場合もある。よって、位相調整では、ネットワーク・アナライザーでVSWRの波形を観測しながら、内導体123と放射パターンとの相対的位置関係を様々に変化させて、所定の周波数の反射波電圧に対して逆位相となる電圧が加わるような最適な内導体123のルートを画定する。
図4のライン403を構成する位相調整後の各アンテナのバンドワイズを測定した結果を、図17(B)、図18(A)〜図18(C)に示す。給電方式はすべて図16(B)に示すものであり、放射パターンの構成は図15に示すとおりである。図17(B)は、5.0GHz用放射パターンを8本にした場合(参照番号409)であり、VSWRを2以下にする周波数の上限および下限は、それぞれ6.56GHzおよび4.93GHzでバンドワイズは1.63GHzである。図18(A)は、5.0GHz用放射パターンを6本にした場合(参照番号411)であり、VSWRを2以下にする周波数の上限および下限は、それぞれ5.85GHzおよび4.94GHzでバンドワイズは0.91GHzである。図18(A)の上側のラインは、入射電力が反射するときの損失を示すリターン・ロス (return loss)を示している。
図18(B)は、5.0GHz用放射パターンを7本にした場合(参照番号413)であり、VSWRを2以下にする周波数の上限および下限は、それぞれ5.90GHzおよび4.77GHzでバンドワイズは1.13GHzである。図18(C)は、5.0GHz用放射パターンを9本にした場合(参照番号415)であり、VSWRを2以下にする周波数の上限および下限は、それぞれ5.62GHzおよび4.90GHzでバンドワイズは0.72GHzである。
図19および図20は、5.0GHz用放射パターンについて、位相調整前後の各周波数の位相を示す波形の一例である。位相の波形観測は、先に示したネットワーク・アナライザーのPhase Formatという機能を使用して行った。Phase Formatは、周波数毎の位相角度(マイナス180度からプラス180度)を計測して表示する機能である。図19は放射パターンが8本の場合であり、図20は放射パターンが6本の場合である。図19は、縦軸は位相角度で横軸が周波数であり、図20は縦軸がVSWRで横軸が周波数である。いずれの図も、上側が位相角度の波形で、下側が同時に測定したVSWRの波形である。図20の縦軸の目盛りがVSWRになっているのは、ネットワーク・アナライザーが2種類の波形を同時に表示することができるために、縦軸の目盛りを自由に変更できるようになっているからである。したがって、図19と図20では実質的に測定している内容に変わるところはない。
図19(A)、図20(A)は、図16(A)に示す給電方式を採用して位相調整をしない場合の波形を示しており、Yの部分がなだらかに変化している。図19(B)、図20(B)は、図16(B)に示す給電方式を採用して位相調整をした場合の波形を示しており、Zで示す部分がふくらみをもったり歪みが生じたりして、この部分の周波数に共振する放射パターンと同軸ケーブルの内導体123とが磁気的に結合して、位相が変化したことを示している。
図21は、図22は、放射パターンが8本のアンテナについて、裏面パターンを利用して位相調整を行う構造とVSWRの測定結果を示す。図21には、裏面パターンに形成した給電パターン183が示されている。給電パターン183は、一端が銀スルーホールで表面のグランド・パターン107を切除した領域に設けた給電端子181に接続される。給電パターン183の他端は、銀スルーホールで短絡エレメント105の給電ポイント109に接続されている。図8の給電パターン155と異なる点は、給電パターン183の銅箔層に対する垂直投影が5.0GHz用エレメント101の放射パターンに重なる点である。
その結果、給電端子181に同軸ケーブル121の内導体123を接続し、グランド・ポイント111に同軸ケーブル121の外導体125を接続して給電したとき、各放射パターンに流れる高周波電流が誘起する磁界が反射波電圧に対して逆位相の電圧を誘起するように作用してVSWRを低下させる。位相調整する給電パターン183は、PETフィルム113の裏面のパターンに形成するだけでなく、表面の放射パターンの上に絶縁層を介在して形成するようにしてもよい。図22に、図21の給電パターンで位相調整したアンテナ100のVSWRの測定結果を示す。VSWRを2以下にする周波数の上限が6.16GHzで下限が4.93となり、バンドワイズは1.23GHzとなった。
位相調整の最適な状態は、給電線路と放射パターンとの微妙な配置関係で決まる。したがって、図16(B)に示したように同軸ケーブルで位相調整を行う方法は量産には適さない。一方図21に示すように、給電パターン183で位相調整を行うと、あらかじめ最適なパターン配置を定めておくことにより、良好な特性のアンテナを量産することができる。図23は、図16(B)に示したアンテナの利得特性を測定した結果を示す。本実施の形態に係る薄板広帯域アンテナは、バンドワイズが広くなっている一方、主偏波である垂直偏波において無指向性に近い特性を示す。これは、全方位からの電波を安定して受信することができることを意味しており、移動用情報端末装置にとって理想的な特性である。
図24は、FPCをエッチングして薄板広帯域アンテナを製作するときの工程を説明する図である。図24(A)は、ベース・フィルム605に接着剤603a、603bで接着した銅箔層601a、601bを有するFPC600の断面図である。ベース・フィルム605は厚さが75μmのPETである。ベース・フィルムの材料としては、ポリイミドを使用することもできる。接着剤603a、603bはベース・フィルム605と銅箔層601a、601bを接着するもので厚さが25μmである。銅箔層601a、601bは厚さが35μmである。アンテナのパターンを片面にだけに形成する場合は、裏面の銅箔層601bがないFPCを使用することができる。このような構造のFPC600は、ベース・フィルムの材質と銅箔層の範囲を指定して国内外の多くの企業から購入することができる。
図24(B)において、銀スルーホールを形成する位置に銅箔層601aから601bまで貫通する直径0.2mm〜0.3mmの貫通孔607をドリルで開ける。図24(C)では、銅箔層601a、601bの上にホトレジスト膜609を塗布する。図24(D)では、アンテナのパターンを形成したマスクを通してホトレジスト膜609a、609bを露光し、光が当たった部分611a、611bを洗浄液に対して可溶性に変質させる(ポジ型)。あるいは、光が当たらない部分が洗浄液に対して可溶性となるネガ型のホトレジスト膜を利用することもできる。
図24(E)では、露光したホトレジスト膜を現像して、ホトレジスト膜が光を浴びた部分611a、611bを洗浄液に浸して除去し、銅箔層601a、601bの上にホトレジスト膜609a、609bのパターン613a、613bを形成する。パターン613a、613bは、銅箔層601a、601bから除去される部分のパターンである。ホトレジスト膜、洗浄液、および照射光の種類は周知の組み合わせで選択してよい。図24(F)では、ホトレジスト膜のパターン613a、613bを利用して銅箔層601a、601bをエッチングして銅箔層のパターン615a、615bを形成する。エッチングは塩化第二銅水溶液を使用した湿式エッチングで行うことができる。
図24(G)では、ホトレジスト膜609a、609bを別の洗浄液ですべて除去する。図24(G)では、銀スルーホールを除いてアンテナの銅箔層のパターンがすべて形成されている。図24(H)では、貫通孔607の位置にシルクスクリーン印刷で銀を印刷して銀スルーホール617を形成する。シルクスクリーン印刷は、ナイロン(登録商標)やテトロン(登録商標)のスクリーンに銀が通過する部分と通過しない部分を形成しスキージーで銀を印刷して行う。FPCに形成するスルーホールには、銅メッキを施して形成する銅スルーホールも考えられるが、PETは熱や化学薬品に弱いため、これらの弊害のないシルクスクリーン印刷による銀スルーホール617が好適である。図24(I)では、接着剤619a、619bが付着したカバー・フィルム621a、621bを貼り付ける。カバー・フィルム621a、621bは、それぞれ25μmのPETフィルムである。カバー・フィルムには、別工程でグランド・ポイントや給電ポイントに対する位置決め開口を形成しておき、位置合わせして加工された銅箔層のパターンに貼り付ける。
本発明に係る薄板広帯域アンテナは、ノート型パソコン、PDA、および携帯電話機等のプロセッサとプロセッサに制御される無線LAN装置を備えた情報端末装置の送信機および受信機またはいずれかに接続して使用することができる。特に本発明に係る薄板広帯域アンテナは、小型、無指向性、に加えてバンドワイズが広いといった特徴があるので、国境を越えて使用する移動用の情報端末装置に適する。これまで本発明について図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られたいかなる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
無線LANを搭載する情報端末装置へ利用することができる。さらに、無線装置一般に利用することができる。
従来のアンテナの構造とVSWR特性を示す図である。 薄板広帯域アンテナの平面図である。 図2に示した薄板広帯域アンテナのエレメント部分の拡大図である。 図2に示した薄板広帯域アンテナに同軸ケーブルを接続した状態を示す図である。 薄板広帯域アンテナの放射パターンに関する他の実施例を説明する図である。 薄板広帯域アンテナにチップ・アンテナを加えた実施例を説明する図である。 薄板広帯域アンテナの表面の給電パターンに関する実施例を説明する図である。 薄板広帯域アンテナの裏面の給電パターンに関する実施例を説明する図である。 薄板広帯域アンテナの迂回パターンに関する実施例を説明する図である。 グランド・ポイントに設けたサーマル・ランドの図である。 放射パターンの数とVSWRの関係を説明する図である。 放射パターンの数とVSWRの関係を説明する図である。 それぞれの放射パターンがバンドワイズ内の周波数に対してVSWRの低減に寄与する状態を説明する図である。 位相調整前後のアンテナついて放射パターンの本数とバンドワイズの関係を示すグラフである。 位相調整の実験に使用したアンテナのエレメントの構造を示す図である。 位相調整の実験に使用したアンテナの給電方式の構造を示す図である。 放射パターンを8本にした場合の位相調整前後のバンドワイズの測定結果である。 放射パターン数を6本、7本、9本にした場合の位相調整後のバンドワイズを測定した結果である。 放射パターン数8本の場合の位相調整時の波形を示す一例である。 放射パターン数6本の場合の位相調整時の波形を示す一例である。 裏面の給電パターンを利用して位相調整を行うための構造を示す図である。 図21に示すアンテナの帯域幅の測定結果を示す図である。 利得特性を示す図である。 FPCをエッチングして薄板広帯域アンテナを製作するときの工程を説明する図である。
符号の説明
100、200、300 薄板広帯域アンテナ
101、301 5.0GHz用エレメント
103、303 2.4GHz用エレメント
105、305 短絡エレメント
107、307 グランド
109、145、153、309 給電ポイント
111、311 グランド・ポイント
113 PETフィルム
121、313 同軸ケーブル
123 内導体
125 外導体
127 絶縁層
131 チップ・アンテナ
143、151、181 給電端子
141、155、183 給電パターン
161 迂回パターン
170 サーマル・ランド
171 接続領域
173 周辺開口部
175 連絡領域
600 FPC
605 ベース・フィルム
617 銀スルーホール

Claims (5)

  1. 誘電体層の表面に形成した導体層のパターンを有し給電線路を接続して5.0GHzの周波数帯と2.4GHzの周波数帯で使用する逆F型の薄板広帯域アンテナであって、前記導体層のパターンが、
    前記給電線路の接地ラインを接続するグランド・ポイントを備え前記誘電体層の表面に形成されたグランドと、
    それぞれが前記5.0GHzの周波数帯に適合し6本以上で9本以下の相互に異なる長さの放射パターンを含み前記誘電体層の表面に形成された第1のエレメントと、
    前記給電線路の電圧ラインを接続する給電ポイントを備え前記第1のエレメントの放射パターンのそれぞれと前記グランドを連絡し前記誘電体層の表面に形成された第2のエレメントと、
    前記第2のエレメントに連絡し前記2.4GHzの周波数帯にλ/4で適合する長さの放射パターンを含み前記誘電体層の表面に形成された第3のエレメントと、
    給電端子を備え前記第2のエレメントの給電ポイントに接続され前記誘電体層の裏面に形成された給電パターンとを有し、
    前記給電パターンが前記第1のエレメントの放射パターンに対して平行して配線される成分を含み、前記導体層に対する前記給電パターンの垂直投影が前記第1のエレメントの放射パターンのいずれかに重なるようにして位相調整により反射波電圧を減少させる位置に前記給電パターンを位置決めした薄板広帯域アンテナ。
  2. ベース・フィルムの表面と裏面に導体箔を積層したフレキシブル・プリント回路基板の前記導体箔をエッチングして形成したパターンを有し給電線路を接続して第1の周波数帯で使用する逆F型の薄板広帯域アンテナであって、
    前記給電線路の接地ラインを接続するグランド・ポイントを備え表面に形成されたグランドと、
    それぞれが前記第1の周波数帯に適合する長さで、かつ相互に異なる長さの複数の放射パターンを含み表面に形成された第1のエレメントと、
    前記複数の放射パターンのそれぞれと前記グランドを連絡し表面に形成された第2のエレメントと、
    前記給電線路の電圧ラインを接続する給電端子を備えて前記第2のエレメントに接続され裏面に形成された給電パターンとを有し、
    前記給電パターンが前記放射パターンに対して平行して配線される成分を含み、前記導体箔に対する前記給電パターンの垂直投影が前記第1のエレメントの放射パターンのいずれかに重なるようにして位相調整により反射波電圧を減少させる位置に前記給電パターンを位置決めした薄板広帯域アンテナ。
  3. 前記ベース・フィルムがポリエチレンテレフタレートで形成され、前記給電パターンと前記第2のエレメントとは銀スルーホールで接続されている請求項2記載の薄板広帯域アンテナ。
  4. 前記ベース・フィルムがポリエチレンテレフタレートで形成され、一端が前記給電パターンに接続され他端が前記ベース・フィルムの表面で前記電圧ラインに接続される銀スルーホールを備えており、前記給電パターンの位置決めがネットワーク・アナライザでVSWRの波形を観測しながら行われた請求項2記載の薄板広帯域アンテナ。
  5. 無線LANを搭載した情報端末装置であって、
    プロセッサと、
    前記プロセッサにより制御される受信機と、
    前記受信機に接続されたアンテナとを有し、
    前記アンテナが請求項1〜請求項4のいずれかに記載した薄板広帯域アンテナである情報端末装置。

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