JP3693900B2 - 1a5b構造を有する蛋白質の製造法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、1A5B構造を有する蛋白質の製造に関するものであり、更に詳細には、遺伝子組換え技術により、1A5B構造という高次構造を同時発現、しかも外分泌発現することにはじめて成功したものである。このようにして分泌生産された組換え蛋白質は、ワクチン用アジュバントの製造に有利に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
コレラ菌(Vibrio cholerae)によって生産される、コレラトキシン(CT)及び大腸菌(Escherichia coli)腸管毒素産生株によって生産される、易熱性トキシン(LT)は、きわめて類似した蛋白質である(Clements and Finkelstein 1979. Infect. Immun, 24 : 760-769.)。CT及びLTは、28kDaのAサブユニット(CTAまたはLTA)と、11.5kDaモノマー5個からなる非共有結合で会合したBサブユニット(CTBまたはLTB)で構成されている。そして、Aサブユニットが毒性に関与し、標的細胞のアデニレートシクラーゼ複合体を不可逆的に活性化するNAD−リボシル化活性を有する(Moss and Richardson 1978. J. Clin. Invest, 62 : 281-285.)。毒性のあるAサブユニットの細胞内への侵入は、Bサブユニットによって促進される。このBサブユニットは5量体からなり、GM1、モノシアロガングリオシドトキシン受容体に結合する(Cuatrecasas 1973. Biochemistry, 12 : 3558-3566.)。GM1は、粘膜上皮を含めて、哺乳動物の様々な組織の表面上に存在する。
【0003】
CTおよびLTは、経口的または経鼻的に投与した場合、特異的に強力な粘膜免疫原性を示すことから粘膜アジュバントとして注目されてきた。注射することと比較し、経口、または経鼻免疫で利用することの利点を例示すると、注射では取扱に細心の注意が必要なこと、また注射位置の確認をする必要のあること、特に被適用者が家畜であった場合なおのこと有効である。加えて、特殊な装置を使用しなくても大規模に投与することが容易となること、また、粘膜への免疫原の送達は、分泌免疫応答の誘起を可能にすること等である。
【0004】
CTおよびLTは、哺乳動物に高い毒性を示すが、最近では毒性は軽減し、かつアジュバント効果を有する変異コレラトキシン(mCT)や変異易熱性トキシン(mLT)の例も知られている(Shingo Yamamoto et al 1997. J. Exp. Med, 185 : 1203-1210., Takao Tsuji et al 1997. Immunology, 90 : 176-182., Michio Kato et sl 1997. FEMS Microbiology Letters, 152 : 219-225.)。
【0005】
現在までにCT、LTを組換体で生産した例は、大腸菌を宿主菌とした例が報告されているが(Yoshihiko Uesaka et al 1994. Microbial Pathogenesis, 16 : 71-76.)、大腸菌では生産されたCT、LTは菌体内に止まっており、菌体外に分泌生産した例はこれまで知られていない。加えて、CTおよびLTは、1つのAサブユニットと5つのBサブユニットからなる高次構造を持っており、今までこのような高次構造をとって分泌生産された例もない。
【0006】
また、コレラ菌や大腸菌はグラム陰性菌であり、その細菌壁成分であるリポポリサッカリド(LPS)は発熱、ショックなどの内毒素活性を持っており、CTおよびLTの調製時において、LPSの除去は医薬品製造において大変重要な工程となっており、CTおよびLTを調製する上で重大な問題点となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、1A5Bのサブユニット構造を持つトキシンであるCT、LTを組換え体で製造する方法を提供することにある。特に本発明では、LTの毒性を軽減したLTの変異体であるmLT(Aサブユニットが配列番号3(図3)、Bサブユニットが配列番号4(図4)で示される)を例示し、CT、LT、mLTを安全性と有効性に優れた組換え体で製造する方法及び高次構造を持った形で、高純度に回収する方法を提供することである。
更に、本発明を完成させることにより、上記組換えmLTを経粘膜ワクチンのアジュバントとして使用に供することにある。
【0008】
本課題を解決するために、本発明者らは、(1)mLTのAサブユニット遺伝子とBサブユニット遺伝子のポリヌクレオチドを効率よく外分泌発現させるためのベクター・宿主系を確立し、(2)AサブユニットとBサブユニットを外分泌させた際、効率良く1つのAサブユニットと5つのBサブユニットからなる高次構造(1A5B)をとる発現系を構築し、(3)得られた組換えmLT(以下brmLTという)をアジュバントとして経粘膜投与し、被投与動物に強力な感染・発病防御免疫を誘導するための技術を確立することを目的として鋭意研究を行った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究の結果、mLTのAサブユニット遺伝子とBサブユニット遺伝子のN末端分泌シグナルをコードするDNA配列を削除した領域をブレビバチルス・チョウシネンシスの分泌発現ベクターに連結することにより高次構造(1A5B)を有するbrmLTを分泌生産することを見出した。また、5量体からなるBサブユニット遺伝子を前にして、SD配列遺伝子をはさんで、単量体のAサブユニット遺伝子を後ろにしてタンデムに連結することにより、より効率良く高次構造(1A5B)を持つbrmLTが分泌生産される方法を確立した。形質転換したブレビバチルス・チョウシネンシスの培養上清をアフィニティーカラムクロマトグラフィーで処理することによりbrmLTを回収したところ、アジュバント活性を有し、且つ、エンドトキシンの含量の低い高純度のbrmLTを製造する方法を確立した。
【0010】
すなわち本発明は、Aサブユニット遺伝子とBサブユニット遺伝子から、各々シグナルをコードするDNA配列を削除し、(Bサブユニット遺伝子)−(SD配列遺伝子)−(Aサブユニット遺伝子)の順にタンデムに結合した1A5Bのサブユニット構造を有するタンパク質のアミノ酸配列をコードする遺伝子のDNAを基本的技術思想とするものであって、これらのDNAは従来未知の新規物質であり、その非限定例としては次のものが例示される。
【0011】
(1)易熱性トキシン(LT)に関する、配列番号7(図7、8)の塩基配列で示されるDNA(Bサブユニット遺伝子:1gct〜307aac、Aサブユニット遺伝子:427gct〜1147tta)。
(2)変異易熱性トキシン(mLT)に関する、配列番号8(図9、10)の塩基配列で示されるDNA(Bサブユニット遺伝子:1gct〜307aac、Aサブユニット遺伝子:427gct〜1137tta)。
(3)コレラトキシン(CT)に関する、配列番号9(図11、12)の塩基配列で示されるDNA(Bサブユニット遺伝子:1acc〜307aat、Aサブユニット遺伝子:427gct〜1147tta)。
【0012】
また本発明は、上記したDNAを含有するプラスミドでブレビバチルス・チョウシネンシス等の宿主菌を形質転換し、得られた形質転換体を培養することにより、培養物から1A5Bのサブユニット構造を有するタンパク質を組換え体として製造する技術も包含するものであって、例えば次のような組換えタンパク質を製造することができる。
【0013】
(I)1A5Bのサブユニット構造を有するタンパク質が、Aサブユニットが配列番号1(図1)、Bサブユニットが配列番号2(図2)のアミノ酸配列で示される大腸菌(Escherichia coli)で生産される易熱性トキシン(LT)であることを特徴とする前記(1)のDNAを利用するタンパク質の製造法。
(II)1A5Bのサブユニット構造を有するタンパク質が、Aサブユニットが配列番号3(図3)、Bサブユニットが配列番号4(図4)のアミノ酸配列で示される変異易熱性トキシン(mLT)であることを特徴とする前記(2)のDNAを利用するタンパク質の製造法。
(III)1A5Bのサブユニット構造を有するタンパク質が、Aサブユニットが配列番号5(図5)、Bサブユニットが配列番号6(図6)のアミノ酸配列で示される、コレラ菌(Vibrio cholerae)によって生産されるコレラトキシン(CT)であることを特徴とする前記(3)のDNAを利用するタンパク質の製造法。
【0014】
以下、本発明を変異易熱性トキシン(mLT)を例にとって説明するが、LT、CT、その他1A5Bのサブユニット構造を有するタンパク質も同様である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に用いた変異易熱性トキシン(mLT)のポリペプチドは、すでに辻らによって報告(Takao Tsuji et al., 1997 Immunology, 90 : 176-182.)されており、AサブユニットのArg192-Thr193-Ile194が天然型より欠失しており、それによってトリプシン感受性部位が非感受性となっている。タンパク質分解酵素による被分解部位の欠落により、その毒性形態に変化するAサブユニットのタンパク質分解酵素によるプロセッシングが妨げられる。天然のLTは、細菌から単離された当初、毒性はないが、哺乳類の腸に見出されるプロテアーゼに暴露されプロセッシングを受け毒性を有する形になると考えられている。変異易熱性トキシン(mLT)は変異を受けていることにより毒性を有する形となる可能性は少ないが、免疫学的アジュバントとしての活性はなお保持している。
【0016】
本発明は、mLTのAサブユニット遺伝子とBサブユニット遺伝子のN末端分泌シグナルをコードするDNA配列を削除した領域を5量体からなるBサブユニット遺伝子−SD配列遺伝子−単量体のAサブユニット遺伝子と言うようにタンデムに発現ベクターに連結し、該ベクターで宿主細胞を形質転換し、この該形質転換体を培養し、生産したbrmLTを回収、精製する製造方法を提供する。
【0017】
本発明のポリペプチドは、分泌形態または非分泌形態のいずれで生産されていてもよいが、高次構造(1A5B)形成、分離精製の容易さから分泌形態が好ましい。分泌形態の場合、該ポリペプチドをコードするDNAの上流に任意のシグナルペプチドをコードするDNA配列を連結させる。
【0018】
発現ベクターとしては、ブレビバチルス属細菌において自律複製可能であって、目的DNAの転写が可能な位置にプロモーターを含有している物を選択できる。または、染色体中へ直接組込み、発現させることでもよい。
【0019】
宿主細胞としては、バチルス属細菌やBrevibacillus属細菌、特にブレビバチルス・チョウシネンシス(Brevibacillus choshinensis)が良好に使用できる。
【0020】
形質転換法として、エレクトロポレーション法、プロトブラスト法、PEG法などを用いることができる。
【0021】
形質転換された宿主菌を培地中に培養し、発現ベクターに組込まれた目的DNAや染色体に組込まれた目的DNAを発現させ、公知の蛋白質精製方法を利用して組換えmLT(brmLT)を分離精製することができる。精製は、溶媒抽出、塩析、脱塩、有機溶媒沈澱、限外濾過、イオン交換、疎水性相互作用、HPLC、ゲル濾過およびアフィニティークロマトグラフィー、電気泳動、等電点電気泳動などの方法を組合せて行うことができる。
【0022】
brmLTの粘膜アジュバント活性の評価試験は、既報(Takao Tsuji et al 1997, Immunology, 90 : 176-182.)に記載されたように、マウス、ウサギ等の実験動物あるいは豚、めん羊、牛などの家畜を対象とし、試験用抗原(ヘモシアニン、アルブミン、微生物の天然蛋白抗原/組換え抗原など)と被検アジュバント成分とを混合したものを経鼻、経口、経直腸、経膣的に投与し、アジュバント成分添加による免疫応答の増強性から評価するが、例えば次のようにしてもよい。豚丹毒菌(Erysipelothrix rhusiopathiae)組換え防御抗原蛋白(46.5kPA:特願平11−94004号)ならびに気管支敗血症菌(Bordetella bronchiseptica)由来シアル酸特異的赤血球凝集素(特許第2969147号)を抗原とした場合を例にとって説明する。
【0023】
この豚丹毒菌の46.5kDa抗原蛋白は、渡辺、横溝、今田らによって開発されたものである。渡辺、横溝、今田らは、豚丹毒菌の感染防御抗原遺伝子のうち、従来必要とされていたC末の繰り返し配列からなる断片をコードするDNA配列とN末の分泌シグナルをコードするDNA配列を削除したポリヌクレオチドで組換えたブレビバチルス・チョウシネンシスの大量培養液の除菌液から夾雑物を除去し、防御免疫誘導活性をもつ高純度の46.5kDa防御抗原(46.5kDa protective antigen ; 46.5KPA)を製造できる方法を見出した(特願平11−94004)。渡辺らの発明によりブレビバチルス・チョウシネンシスで発現して得られた46.5KPAは、豚丹毒菌の副作用に関係する菌体成分を全く含まないため、ワクチンの安全性の改善に貢献するものである。
【0024】
気管支敗血症菌由来シアル酸特異的赤血球凝集素(SSHA)は家畜衛生試験場及び共立商事株式会社により発明されたもので、本菌の培養上清中に含まれるシアル酸特異的赤血球凝集素を、牛の赤血球膜成分を固定化した不溶性支持体に吸着させ、カオトロピックイオンを含むイオン強度0.5以上の緩衝液で溶出させた7〜280nmの小胞状の膜様構造物である。本成分はオイルアジュバントまたは水酸化アルミニウムゲルアジュバントをともに豚に接種すると、免疫豚の血清中には凝集抗体が産生され、また免疫豚は本菌強毒株の経鼻攻撃に対する感染防御を示すことから、ワクチンとしての利用性が高い。
この46.5kPAとSSHAをリン酸緩衝液(PBS:pH7.2)とbrmLTまたは対照用PBSとを混合した溶液を動物の鼻腔内にマイクロチップを用いて注入/滴下するか、または噴霧器を用いてエアゾルを吸入させる。本免疫操作を一定間隔で複数回実施した後に、免疫動物の血液、鼻汁、唾液、糞便、膣粘液、乳汁を採取し、それらの検体中の試験用抗原に対する特異抗体価をELISAを用いて測定する。そして、brmLTと試験抗原混液を投与した動物に試験抗原単独またはbrmLTのいずれかを単独投与した動物よりも有意に高い抗体価が検出されれば、粘膜アジュバント活性を有すると判定することができる。さらに、brmLTと試験抗原とで免疫した動物での病原体攻撃に対する感染防御能(病原体の増殖抑制性、発病抑制等)の向上からも、粘膜アジュバント活性を評価することができる。
【0025】
粘膜投与アジュバントの毒性評価試験は、既報(Takao Tsuji et al 1997, Immunology, 90 : 176-182.)に記載されたように、ADP−リボシルトランスフェラーゼ活性、ウサギ回腸ループテスト、あるいは投与動物の臨床症状から評価するが、既知のアミノ酸配列変異を有するmLTの試験品について、家畜のワクチン用アジュバントとしての臨床応用性を評価する場合は、次のようにしてもよい。アジュバント活性評価試験に用いる10倍量のbrmLTを子豚に複数回、経口または経鼻投与し、投与後の食欲、動作、発熱、体重変化、下痢等を一定期間観察し、PBS投与群との比較で異常を認めない場合、また解剖後の投与粘膜部位及び腸管組織に炎症性病理学的変化を認めなければ臨床応用上、安全と評価する。
【0026】
以下に本発明の実施例について詳細に説明する。
【0027】
【実施例1】
変異易熱性トキシン(mLT)遺伝子のクローニング
【0028】
(1)大腸菌へのクローニング
変異易熱性トキシン(mLT:AサブユニットのArg192-Thr193-Ile194が欠失)遺伝子のクローニングには、LTのAサブユニット遺伝子のXbaI−EcoRIフラグメント由来のプラスミドpTSU135(Takao Tsuji et al., 1997
Immunology, 90 : 176-182.)を使用した。
【0029】
このプラスミドpTSU135 DNAを鋳型として合成した2種類のプライマーmLTAM1(配列番号10:図13)、mLTARV1(配列番号11:図14)を用いてmLTのAサブユニット遺伝子(714bp)をPCR法で増幅した。同様に2種類のプライマーmLTBM1(配列番号12:図15)、mLTBRV1(配列番号13:図16)を用いてmLTのBサブユニット遺伝子(312bp)を増幅した。
【0030】
mLTA遺伝子の取得にはプライマーmLTAM1とmLTARV1を、mLTB遺伝子の取得にはプライマーmLTBM1とmLTBRV1を各々100pmol、Taqポリメラーゼ2.5単位、dNTP200μM、染色体鋳型DNA1ng、100μlTaq緩衝液(10mMトリス−塩酸(pH8.5)、2.5mM Mg2+、50mM塩化カリウム、100μg/mlウシ血清アルブミン)を混合し、95℃で30秒保持した後、DNAの熱変性(94℃、60秒)プライマーのアニーリング(54℃、60秒)、プライマーの伸長(70℃、60秒)を25サイクルさせることによって増幅させた。遺伝子mLTA(723bp)とmLTB(312bp)を0.8%アガロース電気泳動に供し、断片を回収した。
【0031】
プラスミドpT7Blue(Novagen社製)と先に得たmLTA遺伝子とmLTB遺伝子をT4リガーゼを用いて連結した。連結DNAを大腸菌JM109に形質転換し、アンピシリン50μg/ml含有LB寒天培地(1.0% Tryptone、0.5% Yeast Extract、1.0% NaCl、1.5%寒天、pH7.0)に塗布して、アンピシリン耐性を持つ株を選択した。選択株よりプラスミドを抽出してmLTA遺伝子、mLTB遺伝子を保持するプラスミドpT7 Blue mLTA、pT7 Blue mLTBを得た。また、ここで得た株をE.coli JM109/pT7 Blue mLTA、E.coli JM109/pT7 Blue mLTBとした。
【0032】
(2)ブレビバチルス・チョウシネンシスへのクローニング
Brevibacillus choshinensis HPD31−S5(FERM BP−6623)この菌株はバチルス・チョウシネンシスH102(FERM BP−1087)と同一菌株である。)は蛋白質を菌体外に分泌生産し、培養液中にタンパク質分解酵素を生産しない菌株であり、遺伝子組換えの宿主菌として知られている(特公平4−74997号公報)。
【0033】
プラスミドpNH301(プラスミドpNH300(Yasuhiro Shiga et al 1992. Applied and Environmental Microbiology, 58 : 525-531.)の塩基配列3337番目のNcoIサイトに変異を入れてNcoIサイトを塩基配列91番目の1つにしたプラスミド)をNcoIとSalIで処理した後、0.8%アガロースゲル電気泳動に供して4.0kbpの断片を回収した。さらに、pT7 Blue mLTAとNcoIとSalIで処理した後、0.8%アガロースゲル電気泳動に供して714bpのmLTA遺伝子断片を回収し、先に得た4.0kbpの遺伝子断片とT4DNAリガーゼを用いて連結した。連結DNAを用いてブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−S5(FERM BP−6623)をエレクトロポレーション法で形質転換し、ネオマイシン50μg/ml含有TM寒天培地に塗布をして、ネオマイシン耐性を持つ株を選択した。選択株よりプラスミドを抽出してmLTA遺伝子を保持するプラスミドpNH301 mLTAを得た。また、ここで得た株をブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−S5/pNH301 mLTAとした。
【0034】
同様の方法でpNH301をNcoIとBamHIで処理して4.0kbpの断片を回収した。さらにpT7 Blue mLTBをNcoIとBamHIで処理して312bpのmLTB遺伝子断片を回収し、先に得た4.0kbpの遺伝子断片とT4DNAリガーゼを用いて連結した。連結DNAを用いてブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−S5を形成転換し、ネオマイシン耐性を持つ株を選択した。選択株よりプラスミドを抽出してmLTB遺伝子を保持するプラスミドpNH301 mLTBを得た、ここで得た株をブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−S5/pNH301 mLTBとした。
【0035】
(3)ブレビバチルス・チョウシネンシスのmLTA−mLTB、mLTB−mLTAの構築
mLTは、1つのAサブユニットと5つのBサブユニットからなる高次構造(1A5B)を持つ為、AとBを同時に発現させなければならない。ブレビバチルス・チョウシネンシスの発現ベクターに毒素原性大腸菌の染色体の並びと同しmLTA−mLTBで連結した物と逆のmLTB−mLTAで連結した物を作製した。また、mLTA、mLTB2つの遺伝子が両方とも発現できるように、間にはブレビバチルス・チョウシネンシスで認識されるSD配列を挿入した。
【0036】
pNH301 mLTAをSalIとKpnIで処理した後、0.8%アガロースゲル電気泳動に供して4.7kbpの断片を回収した。さらに、pNH301 mLTBを鋳型として合成した2種類のプライマーSDSM1(配列番号14:図17)、mLTBRV1(配列番号13:図16)を用いてSD−mLTB遺伝子(402bp)をPCR法で増幅した。PCR産物をSalIとKpnIで処理して0.4kbpの断片を回収し、先に得たpNH301 mLTA由来の4.7kbpの遺伝子断片とT4DNAリガーゼを用いて連結した。連結DNAを用いてブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−S5(FERM BP−6623)をエレクトポレーション法で形質転換し、ネオマイシン50μg/ml含有TM寒天培地(1%ペプトン、0.2%酵母エキス、0.5%肉エキス、1%グルコース、0.001% FeSO4・7H2O、0.001% MnSO4・4H2O、0.0001% ZnSO4・7H2O、1.5%寒天、pH7.0)に塗布して、ネオマイシン耐性を持つ株を選択しようとしたが、耐性株が得られなかった。
【0037】
pNH301 mLTBをBamHIとXhoIで処理した後、0.8%アガロースゲル電気泳動に供して4.3kbpの断片を回収した。さらに、pNH301 mLTAを鋳型として合成した2種類のプライマーSDBM1(配列番号15:図18)、mLTARV1(配列番号11:図14)を用いてSD−mLTA遺伝子(804bp)をPCR法で増殖した。PCR産物をBamHIとSalIで処理して0.8kbpの断片を回収し、先に得た4.3kbpの遺伝子断片とT4DNAリガーゼを用いて連結した。連結DNAを用いてブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−S5(FERM BP−6623)をエレクトロポレーション法で形質転換し、ネオマイシン耐性を持つ株を選択した。選択株よりプラスミドを抽出してmLTB−mLTA遺伝子を保持するプラスミドpNH301 mLTB−mLTAを得た(図19)。また、ここで得た株をブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−S5/pNH301 mLTB−mLTA(FERM BP−7000)とした。
【0038】
【実施例2】
形質転換体の培養
形質転換体ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−S5/pNH301 mLTB−mLTA(FERM BP−7000)を中試験管を用いてネオマイシン50μg/ml含有TM液体培地3mlで30℃で2日間振とう培養を行い、その培養上清をSDS−PAGE及びウサギmLTポリクローナル抗体を用いたウエスタンブロット法により解析を行った。mLTA及びmLTBの推定分子量は、それぞれ28kDa、12kDaであり、それぞれが相当の分子量の位置に染色バンドを示した。バンドの濃さよりmLTAの分泌生産量は70mg/l、mLTBの分泌生産量は30mg/lと定量した。そのパターンを図面代用写真に示す(図20)。
【0039】
【実施例3】
形質転換体培養物の精製
ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−S5/pNH301 mLTB−mLTAを500ml三角フラスコを用いてネオマイシン50μg/ml含有TM液体培地150mlで30℃で3日間振とう培養を行い、その培養上清をSDS−PAGEにより解析を行った。解析の結果、mLTA蛋白質が70mg/l、mLTB蛋白質が30mg/l培地中に生産されていることが確認された

【0040】
ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−S5/pNH301 mLTB−mLTAの培養液6Lを遠心分離機を用いて菌体を沈殿させ、培養上清液を得た。次に培養上清液を300mlずつimmobillized D−galactose(ピアス社)5mlを充填したカラムに通し、50mMリン酸buffer(pH8.0)で洗浄後、0.2M D−galactose/50mMリン酸buffer(pH8.0)で溶出した。この操作を複数くり返した。溶出した200mlの精製mLT液を分画分子量10,000のミニタンカセット膜(ミリポア社)を用いて濃縮し、PBS buffer(pH7.2)2000mlを加水することにより脱ガラクトースを行った。濃縮液のbrmLTを回収し、分画分子量30,000のペリコンXL膜(ミリポア社)を用いてエンドトキシンの除去を行った。透過液を回収し、1A5B構造を持つbrmLT溶液(PBS buffer(pH7.2))300mlを得た。brmLTの純度は95%以上で、培養液からの回収率は約10%であった。(表1)
【0041】
Figure 0003693900
【0042】
【実施例4】
マウスにおけるアジュバント活性の感染防御試験による評価試験
(1)豚丹毒菌防御抗原活性を有する蛋白質(46.5kPA)をコードする遺伝子で形質転換したブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−S5/pNH300 en2(FERM P−17698)を培養し、その培養物を、
(i)0.22μmの精密濾過膜で濾過処理し、更に50mMトリス緩衝液(pH8.5)で洗浄することによって培養物中に含まれる培地由来の成分などの夾雑物を濾過画分に除き、豚丹毒菌防御抗原蛋白質と菌体を濃縮する工程、
(ii)豚丹毒菌防御抗原蛋白質と菌体の濃縮画分を0.22μmの精密濾過膜及を用いて50mMグリシン−水酸化ナトリウム緩衝液(pH10〜11)で洗浄することにより豚丹毒菌防御抗原蛋白質を可溶化せしめて、これを濾過画分に集める工程、
(iii)濾過画分をDEAEによる陰イオン交換クロマトグラフィーにより分離回収する工程、
によって、豚丹毒菌防御抗原(46.5kPA)の回収精製を行った。その結果、高純度(純度80%)の46.5kPAが得られた。そのアミノ酸配列を配列番号16に示す。
【0043】
(2)上記で得た豚丹毒菌の46.5kPAを100μg/mlに、brmLTは100μg/mlとなるようにPBSに溶解し、それらの等量混合液50μlをエーテル麻酔下で6〜7週齢の雄ddYマウス(日本クレア生産SPFマウス)の鼻孔内に吸引させた。対照群には同濃度の46.5kPAのみ、またはbrmLTのみを鼻孔吸引させた。2週間後に同要領で追加免疫し、その1週後に豚丹毒菌のの強毒Fujisawa株の100倍50%マウス致命量(ブレインハートインフュージョン18時間培養菌液の10−5希釈の0.1ml)をもって腹側皮内に攻撃接種した。2週間にわたり生死を観察した後に安楽死させ、腎臓、肝臓、脾臓の混合乳剤からの接種菌の増菌分離培養を行った。その結果、46.5kPAまたは100μg/ml以上のbrmLT単独で免疫したマウスは攻撃4日後に全頭死亡したが、両者の混合液で経鼻免疫したマウスは全頭が発病せずに生残耐過し、耐過マウスの臓器からは接種菌は分離されなかった。またbrmLT100μg/mlを50mlを複数回経鼻投与したマウスにおいては異常な臨床症状を認めなかった。以上から、brmLTは経鼻投与により粘膜アジュバントとしての活性を有し、急性毒性を有さないと判定した。
【0044】
【実施例5】
豚丹毒菌の46.5kPAで経鼻免疫した豚でのアジュバント活性の感染防御試験による評価
豚丹毒菌の46.5kPAを1000μg/mlに、brmLTは200μg/mlとなるようにPBSに溶解し、それらの等量混合液1mlを6〜7週齢の子豚(豚丹毒菌ワクチン非接種母豚の産子)の鼻孔内に注入した。対照群には同濃度の46.5kPAのみ、またはbrmLTのみを鼻内注入した。3週間後に同要領で追加免疫した。免疫1週後に採取した鼻汁及び血清中の46.5kPAに対するELISA抗体価を測定した(実施例6参照)。また追加免疫2週後に強毒Fujisawa株のブレインハートインフュージョンブロス18時間培養菌液(5×109cfu/ml)の0.2mlを耳根部皮内に注射した。2週間にわたり臨床症状(皮疹、発熱、関節炎、元気食欲等)を観察した後に安楽死させ、腎臓、肝臓、脾臓の混合乳剤からの接種菌の増菌分離培養を行った。その結果、46.5kPAまたはbrmLT単独で免疫したそれぞれ3頭は攻撃3日に全頭が全身発疹、発熱、関節炎をもって発病し、臓器からは接種菌は分離されたが、41.5kPAと500μg/ml以上のbrmLTとを混合した溶液で経鼻免疫した3頭は全頭ともに発病せずに耐過し、耐過豚の臓器からの接種菌分離は陰性であった。また200μg/mlのbrmLTを2mlづつ2週間隔で2回経鼻投与した2頭の豚には下痢、発熱、食欲不振等の異常な臨床病状を認めず、また鼻粘膜、咽頭粘膜、腸管粘膜には炎症反応を認めなかった。
【0045】
【実施例6】
豚丹毒菌の46.5kPAで経鼻免疫した豚でのアジュバント活性の抗体価による評価
血清及び鼻汁中の46.5kPAに対する抗体はELISAにより測定した。ELISA抗体価の測定法には、96穴のマイクロプレート(NUNC製Maxsorp)の各ウェルに1μgの46.5kPAを加え、4℃で一夜静置後、3%ゼラチンPBSでブロッキングした反応用プレートを用いた。反応用プレートに1%ゼラチン、0.1%Tween20添加PBSで1,000倍希釈した豚血清を加え、25℃で90秒間反応後、0.1%Tween20添加PBSで洗浄し、これに最適濃度の抗豚IgGペルオキシダーゼ標識抗体を加え、上記同様に反応させ、洗浄する。最後に発色基質液を加え暗所で10分間反応後、3N硫酸液を加え、450nmにおける吸光度を測定し、ELISA抗体価とした。なお、鼻汁液のELISA抗体価測定には、綿棒で採取した鼻腔拭い液を1mlのPBSですずぎ、その上清を20倍希釈したものを用い、抗豚IgAペルオキシダーゼ標識抗体を用いた以外は血清と同様の方法で反応を行った。41.5kPAとbrmLTの混合液で経鼻免疫した豚の血清中のIgG抗体価及び鼻汁中のIgA抗体価は、46.5kPA単独またはbrmLT単独免疫豚よりも顕著に高かった。本結果と実施例2の結果をあわせて、brmLTは経鼻免疫豚において粘膜アジュバント活性を有すること、また臨床応用において異常毒性を示さないことから、豚用粘膜投与型ワクチンのアジュバントとして利用可能であると判定した。以上から、brmLTと46.5kPAとの混合溶液での経鼻免疫は、46.5kPA単独の経鼻免疫では得られない豚丹毒菌全身感染に対する防御免疫能を獲得させ得ることが示された。
【0046】
【実施例7】
気管支敗血症のシアル酸特異的赤血球凝集素(SSHA)で経鼻免疫した豚でのアジュバント活性の感染防御試験及び抗体価による評価
SSHAをHA価256倍に、brmLTは200μg/mlとなようにPBSに溶解し、それらの等量混合液2mlを5〜6週齢の子豚(豚ボルデテラ感染症不活化ワクチン非接種母豚の産子であり、鼻孔内からの気管支敗血症菌分離陰性の個体)の鼻腔内に注入した。対照群には同濃度のSSHAのみ、またはbrmLTのみを鼻腔内に注入した。3週後に同要領で追加免疫した。追加免疫2週後に強毒A−19株I相菌のボルデジャング平板培地37℃、24時間培養菌を、PBSで4×107cfu/mlとなるように調整し、その菌浮遊液を1mlづつ鼻腔内に注入した。2週間にわたり、3日間隔で採取した鼻汁中の攻撃接種菌の菌数推移を観察した。その結果、SSHA単独またはbrmLT単独で免疫した3頭の豚からは、2週間にわたり非免疫豚と同レベルの多数の攻撃菌が回収されたが、SSHAとbrmLTとを混合した溶液で経鼻免疫した3頭の豚からの回収菌数は非免疫豚のそれの1/100以下であった。また実施例6の要領で血清、鼻汁中のSSHAに対するELISA抗体価を測定したところ、SSHA単独またはbrmLT単独で経鼻免疫した豚では有意の抗体価の上昇が認められなかったが、SSHAとbrmLTの混合溶液で経鼻免疫した豚では、追加免疫により鼻汁中に高レベルのIgA抗体が、また血清中には高レベルのIgG抗体の上昇が検出された。以上から、brmLTとSSHAとの混合溶液での免疫は、SSHA単独の免疫では得られない気管支敗血症菌の鼻粘膜感染に対する防御免疫能を獲得させ得ることが示された。
【0047】
【発明の効果】
本発明によって創製されたDNAを使用することにより、1つのAサブユニットと5つのBサブユニットからなる高次構造(1A5B)を発現させること、つまりAとBとを同時に発現させること、しかもその際、外分泌させることにはじめて成功したものである。このようにして1A5Bのサブユニット構造を有する組換え蛋白質を効率的に製造することが可能となり、これら組換え蛋白質は、例えばトキシンやアジュバント等ワクチンの技術分野において有利に使用することができる。
【0048】
【配列表】
Figure 0003693900
Figure 0003693900
Figure 0003693900
Figure 0003693900
Figure 0003693900
Figure 0003693900
<210> 7
<211> 1152
<212> DNA
<213> Escherichia coli
<400> 7
gctccccaga ctattacaga actatgttcg gaatatcgca acacacaaat atatacgata 60
aatgacaaga tactatcata tacggaatcg atggcaggca aaagagaaat ggttatcatt 120
acatttaaga gcggcgaaac atttcaggtc gaagtcccgg gcagtcaaca tatagactcc 180
cagaaaaaag ccattgaaag gatgaaggac acattaagaa tcacatatct gaccgagacc 240
aaaattgata aattatgtgt atggaataat aaaaccccca attcaattgc ggcaatcagt 300
atgaaaaact agggatccag aggaggagaa cacaaggtca tgaaaaaaag aagggtcgtt 360
aacagtgtat tgcttctgct actgctagct agtgcactcg cacttactgt tgctcccatg 420
gctttcgcta atggcgacaa attataccgt gctgactcta gacccccaga tgaaataaaa 480
cgttccggag gtcttatgcc cagagggcat aatgagtact tcgatagagg aactcaaatg 540
aatattaatc tttatgatca cgcgagagga acacaaaccg gctttgtcag atatgatgac 600
ggatatgttt ccacttctct tagtttgaga agtgctcact tagcaggaca gtctatatta 660
tcaggatatt ccacttacta tatatatgtt atagcgacag caccaaatat gtttaatgtt 720
aatgatgtat taggcgtata cagccctcac ccatatgaac aggaggtttc tgcgttaggt 780
ggaataccat attctcagat atatggatgg tatcgtgtta attttggtgt gattgatgaa 840
cgattacatc gtaacaggga atatagagac cggtattaca gaaatctgaa tatagctccg 900
gcagaggatg gttacagatt agcaggtttc ccaccggatc accaagcttg gagagaagaa 960
ccctggattc atcatgcacc acaaggttgt ggaaattcat caagaacaat tacaggtgat 1020
acttgtaatg aggagaccca gaatctgagc acaatatatc tcagggaata tcaatcaaaa 1080
gttaagaggc agatattttc agactatcag tcagaggttg acatatataa cagaattcgg 1140
aatgaattat ga 1160
<210> 8
<211> 1143
<212> DNA
<213> Escherichia coli
<400> 8
gctccccaga ctattacaga actatgttcg gaatatcgca acacacaaat atatacgata 60
aatgacaaga tactatcata tacggaatcg atggcaggca aaagagaaat ggttatcatt 120
acatttaaga gcggcgaaac atttcaggtc gaagtcccgg gcagtcaaca tatagactcc 180
cagaaaaaag ccattgaaag gatgaaggac acattaagaa tcacatatct gaccgagacc 240
aaaattgata aattatgtgt atggaataat aaaaccccca attcaattgc ggcaatcagt 300
atgaaaaact agggatccag aggaggagaa cacaaggtca tgaaaaaaag aagggtcgtt 360
aacagtgtat tgcttctgct actgctagct agtgcactcg cacttactgt tgctcccatg 420
gctttcgcta atggcgacaa attataccgt gctgactcta gacccccaga tgaaataaaa 480
cgttccggag gtcttatgcc cagagggcat aatgagtact tcgatagagg aactcaaatg 540
aatattaatc tttatgatca cgcgagagga acacaaaccg gctttgtcag atatgatgac 600
ggatatgttt ccacttctct tagtttgaga agtgctcact tagcaggaca gtctatatta 660
tcaggatatt ccacttacta tatatatgtt atagcgacag caccaaatat gtttaatgtt 720
aatgatgtat taggcgtata cagccctcac ccatatgaac aggaggtttc tgcgttaggt 780
ggaataccat attctcagat atatggatgg tatcgtgtta attttggtgt gattgatgaa 840
cgattacatc gtaacaggga atatagagac cggtattaca gaaatctgaa tatagctccg 900
gcagaggatg gttacagatt agcaggtttc ccaccggatc accaagcttg gagagaagaa 960
ccctggattc atcatgtacc acaaggttgt ggaaattcat caacaggtga tacttgtaat 1020
gaggagaccc agaatctgag cacaatatat ctcagggaat atcaatcaaa agttaagagg 1080
cagatatttt cagactatca gtcagaggtt gacatatata acagaattcg gaatgaatta 1140
tga 1150
<210> 9
<211> 1152
<212> DNA
<213> Vibrio cholerae
<400> 9
acacctcaaa atattactga tttgtgtgca gaataccaca acacacaaat acatacgcta 60
aatgataaga tattttcgta tacagaatct ctagctggaa aaagagagat ggctatcatt 120
acttttaaga atggtgcaac ttttcaagta gaagtaccag gtagtcaaca tatagattca 180
caaaaaaaag cgattgaaag gatgaaggat accctgagga ttgcatatct tactgaagct 240
aaagtcgaaa agttatgtgt atggaataat aaaacgcctc atgcgattgc cgcaattagt 300
atggcaaatt aaggatccag aggaggagaa cacaaggtca tgaaaaaaag aagggtcgtt 360
aacagtgtat tgcttctgct actgctagct agtgcactcg cacttactgt tgctcccatg 420
gctttcgcta atgatgataa gttatatcgg gcagattcta gacctcctga tgaaataaag 480
cagtcaggtg gtcttatgcc aagaggacag agtgagtact ttgaccgagg tactcaaatg 540
aatatcaacc tttatgatca tgcaagagga actcagacgg gatttgttag gcacgatgat 600
ggatatgttt ccacctcaat tagtttgaga agtgcccact tagtgggtca aactatattg 660
tctggtcatt ctacttatta tatatatgtt atagccactg cacccaacat gtttaacgtt 720
aatgatgtat taggggcata cagtcctcat ccagatgaac aagaagtttc tgctttaggt 780
gggattccat actcccaaat atatggatgg tatcgagttc attttggggt gcttgatgaa 840
caattacatc gtaatagggg ctacagagat agatattaca gtaacttaga tattgctcca 900
gcagcagatg gttatggatt ggcaggtttc cctccggagc atagagcttg gagggaagag 960
ccgtggattc atcatgcacc gccgggttgt gggaatgctc caagatcatc gatcagtaat 1020
acttgcgatg aaaaaaccca aagtctaggt gtaaaattcc ttgacgaata ccaatctaaa 1080
gttaaaagac aaatattttc aggctatcaa tctgatattg atacacataa tagaattaag 1140
gatgaattat ga 1160
<210> 10
<211> 33
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<400> 10
ccatggcttt cgctaatggc gacaaattat acc 33
<210> 11
<211> 27
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<400> 11
gtcgacttat cataattcat tccgaat 27
<210> 12
<211> 34
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<400> 12
ccatggcttt cgctgctccc cagactatta caga 34
<210> 13
<211> 33
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<400> 13
ggtaccggat ccctagtttt tcatactgat tgc 33
<210> 14
<211> 27
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<400> 14
gtcgacagag gaggagaaca caaggtc 27
<210> 15
<211> 27
<212> DNA
<213> Artificial sequence
<400> 15
ggatccagag gaggagaaca caaggtc 27
<210> 16
<211> 402
<212> PRT
<213> Erysipelothrix rhusiopathiae
<400> 16
Figure 0003693900
Figure 0003693900

【図面の簡単な説明】
【図1】LTのA subunitのアミノ酸シーケンスを示す。
【図2】LTのB subunitのアミノ酸シーケンスを示す。
【図3】mLTのA subunitのアミノ酸シーケンスを示す。
【図4】mLTのB subunitのアミノ酸シーケンスを示す。
【図5】CTのA subunitのアミノ酸シーケンスを示す。
【図6】CTのB subunitのアミノ酸シーケンスを示す。
【図7】LT 5B−SD−1AのDNAシーケンスを示す。
【図8】
同上続きを示す。
【図9】mLT 5B−SD−1AのDNAシーケンスを示す。
【図10】同上続きを示す。
【図11】CT 5B−SD−1AのDNAシーケンスを示す。
【図12】同上続きを示す。
【図13】mLTAM1プライマーを示す。
【図14】mLTARV1プライマーを示す。
【図15】mLTBM1プライマーを示す。
【図16】mLTBRV1プライマーを示す。
【図17】SDSM1プライマーを示す。
【図18】SDBM1プライマーを示す。
【図19】形質転換体Brevibacillus choshinensis HPD31-S5/pNH301 mLTB-mLTAの構築図である。
【図20】形質転換体と非形質転換体の培養物のクマシーブリリアントブルー染色像及びウェスタンブロッティング像を示す図面代用写真である。

Claims (9)

  1. 1個のAサブユニットと5個のBサブユニットから成るタンパク質である、易熱性トキシン(LT)又はコレラトキシン(CT)又はこれらの変異体(mLT又はmCT)タンパク質のいずれかのAサブユニット遺伝子をコードするDNA、及び、いずれかのBサブユニット遺伝子をコードするDNAから、各サブユニット遺伝子をコードするDNA自身が有するシグナルをコードするDNA配列を削除し、(Bサブユニット遺伝子のDNA)−(SD配列遺伝子のDNA)−(Aサブユニット遺伝子のDNA)の順にタンデムに結合した1個のAサブユニットと5個のBサブユニットから成るタンパク質のアミノ酸配列をコードする遺伝子のDNA。
  2. 配列番号7〜9の少なくともひとつの塩基配列で示される請求項1に記載の遺伝子のDNA。
  3. ブレビバチルス・チョウシネンシス菌体内で作用するシグナルペプチドをコードするDNAを含有するベクターのシグナルペプチドをコードするDNAの下流に請求項1又は2に記載のDNAを挿入した発現ベクターでブレビバチルス・チョウシネンシスを形質転換し、該ブレビバチルス・チョウシネンシスの形質転換体を培養することによりタンパク質を培地中に分泌生産することを特徴とする1個のAサブユニットと5個のBサブユニットから成るタンパク質の製造法。
  4. 1個のAサブユニットと5個のBサブユニットから成るタンパク質が、Aサブユニットが配列番号1、Bサブユニットが配列番号2のアミノ酸配列で示される大腸菌(Escherichia coli)で生産される易熱性トキシン(LT)であることを特徴とする請求項に記載のタンパク質の製造法。
  5. 1個のAサブユニットと5個のBサブユニットから成るタンパク質が、Aサブユニットが配列番号3、Bサブユニットが配列番号4のアミノ酸配列で示される変異易熱性トキシン(mLT)であることを特徴とする請求項に記載のタンパク質の製造法。
  6. 1個のAサブユニットと5個のBサブユニットから成るタンパク質が、Aサブユニットが配列番号5、Bサブユニットが配列番号6のアミノ酸配列で示される、コレラ菌(Vibrio cholerae)によって生産されるコレラトキシン(CT)であることを特徴とする請求項に記載のタンパク質の製造法。
  7. 請求項1又は2に記載のDNAを含有してなるプラスミド。
  8. 該プラスミドがpNH301 mLTB−mLTAであることを特徴とする請求項に記載のプラスミド。
  9. 形質転換体ブレビバチルス・チョウシネンシスHPD31−S5/pNH301 mLTB−mLTA(FERM BP−7000)。
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