JP3691480B2 - 雑音除去方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は雑音除去方法及び装置に関し、特に雑音に埋もれた信号を忠実に取り出すための雑音除去方法及び装置に関するものである。
このような雑音除去方法及び装置は以下に示すような多岐に渡る産業上の利用分野においてその必要性が顕著になっている。
【0002】
・電力線搬送のように雑音の多い環境下で高速でデータ伝送を実現しようという電力線搬送モデム分野
・CATVモデムやADSLモデム、さらにVDSLモデム、2.4Gの無線LAN、無線伝送分野、光伝送分野など
・高速化することで雑音に埋もれてしまうような信号も取り出し、高記録密度を実現しようとした磁気ディスク又は光ディスク
・高速化された多値伝送技術の半導体
・雑音環境下での音声認識、画像圧縮、バーコードスキャナの復調など
以下、かかる雑音の存在について、電力線搬送モデムを例にとって説明するが、上記のような他の分野についても同様である。
【0003】
まず、図20に示す電力系統において、配電変電所100の電力は、6.6KVの高圧配電線102を介して柱上変圧器103に供給され、さらに100V/200V低圧配電線104を介して家庭105に供給されている。
そして、電力線搬送通信を行う場合には、高圧配電線102と並行して配電変電所100のアクセスノード101と柱上変圧器に設置したモデムとの間に光ファイバ(図示せず)を設置し、この光ファイバを経由し、柱上変圧器103のモデムと家庭105内の屋内配線106に接続されたコンセントに差し込んだモデムとの間で100V/200V低圧配電線104を介して通信を行っている。
【0004】
この場合、図21に示すように低圧配電線104は同図(1)に示す送信信号TXのスペクトラムに対して同図(2)に示すように1μH/mのインダクタに見え、線路長が150mだとすると150μHのインダクタに見える。
また、低圧配電線104に接続された引込線107は75pF/mのコンデンサに見え、50mの引込線を家庭105に接続したとすると、0.1125μFのコンデンサに見える。これだけでなく、家庭105内の各種家電機器においては、雑音防止用のコンデンサをAC100V間に接続しているため、容量性負荷に見えることになる(同図(2)参照)。
【0005】
結果として、柱上変圧器103が在る電柱から、家庭のコンセント間は同図(2)に示すように、低域通過型のLPFに見え、同図(3)に示すように受信信号RXは高域が大きく減衰する。このため、最悪の場合には高域信号は端末側に到着した時には雑音Nに埋もれている。
【0006】
一方、低域は、高域に比べてロスはさほどではないが、家電機器が出す、例えばインバータ機器などによるランダムな雑音(白色雑音)が極めて多く、低域信号は、やはり同図(3)に示すように雑音Nに埋もれ高速のデータ通信が実用化できず、長年に渡り解決策が求められて来た。
【0007】
【従来の技術】
このような解決策を提案した従来技術を、以下、三世代に渡り説明する。
<第一世代>
雑音に強いと言われるFM変調方式、FSK変調方式、PSK変調方式などが電力線搬送モデムの変調方式として採用された。ただし、現実の電力線は雑音レベルが大きいため、実用化は1200bps以下低速の限られたアプリケーションに留まった。
<第二世代>
スペクトラム拡散方式の導入である。スペクトラム拡散方式は、雑音に強いということで、電力線搬送の実用化に向けて大きな期待が寄せられた。
【0008】
しかしながら、シャノンの理論限界によれば、白色系雑音配下で、S/N値がマイナスの場合(図21(3)参照)には、伝送容量が急激に低下し、高速伝送の実現は理論的に不可能である。従って、シャノンの限界は超えられず、やはり最大でも100kbps、最悪は通信不能という状況にあった。
<第三世代>
OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の登場である。OFDM方式はマルチキャリア変調方式を採用したもので、雑音が多いキャリア帯域は使わず、避けて通るという技術である。このため、大きな雑音を回避でき、大きな高速化の実現の目処が見え始めている。
【0009】
しかしながら、雑音源の主である家電機器のインバータ化率は増える方向にあり、かつ容量性負荷に伴う高域減少問題も増える方向にある。結果として、従来技術では、低速な通信も場合によって可能であるが、数Mbpsのより高速な通信を実現するのが不可能であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このように、家電機器のインバータ化は大きなトレンドであり、今後、家電機器のインバータ化による雑音は益々増大する傾向にある。また、これに伴い、容量性負荷も雑音防止対策として増大する傾向にある。
【0011】
このような環境下では、第三世代の解決策の如く雑音を避けて通るという考え方ではトレンド的に十分ではなく、むしろ、第四世代の解決策としては、雑音に積極的に立ち向かい、雑音をキャンセル(除去)し、高速のデータ通信を実現しようという試みが重要である。
【0012】
図21(3)に示したように、高域は雑音は少ないが、受信信号は、容量性負荷により大きく減衰し、雑音レベル以下となっている。低域は受信信号の減衰はさほどではないが、家電機器の出す雑音により、やはりS/N値はマイナスの状況である。
【0013】
従って本発明は、このようにS/N値がマイナスの状況にあっても信号の減衰が少ない低域の雑音をキャンセルして埋もれている受信信号を再生することにより高速伝送を実現する方法と装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
図1(1)に示すように雑音Nのレベルが高い低域部分(雑音成分N1、信号成分S1)をカットして高域部分のみを使用してデータ伝送してもS/N値はマイナスのままである。
【0015】
一方、図21(3)及び図1(1)において、電力線の雑音をよく見ると、低域強調型が多く、ミクロ的に見ると白色雑音だが、マクロ的に見ると(全周波数帯域で見ると)有色系雑音になっていることが分かる。つまり、全周波数帯域内のどの狭帯域で見ても同じ白色雑音になっている。
【0016】
従って本発明は、このようにマクロ的に見た有色系雑音に注目し、図1(2)に示すように、低域の支配的な雑音成分N1を積極的に除去してS/N値をプラスに転じさせ、低域に埋もれた、比較的高いレベルの受信信号Sを抽出しようとするものである。
【0017】
このため、本発明においては、時間と振幅と位相が特定された信号(以下、特定信号と称することがある。)を含む受信信号から雑音成分を補間予測し、該雑音成分を該受信信号から除去して送信された元の信号を再生するようにした雑音除去方法及び装置を実現している。
【0019】
このような本発明に係る雑音除去方法及び装置を、図面を参照して以下に説明する。
図2(1)には、従来における信号の送受信系統が示されており、送信信号発生部32からの送信信号は透過伝送路としてのナイキスト伝送路31を経由して受信信号再生部33に送られる。
【0020】
このような送受信系統において、本発明は、同図(2)に示すように、送信信号発生部32とナイキスト伝送路31との間に特定信号又はゼロ点(以下、ゼロ点と総称する。)の挿入部1を設けるとともに、ナイキスト伝送路31と受信信号再生部33との間に雑音除去部2を設けたものである。なお、雑音除去部2は、後述するように、周波数シフト部3と間引部(DCM)4と補間部(IPL)5と周波数逆シフト部6と減算部7とで構成されている。
【0021】
まず、送信信号発生部32で発生された送信信号のシンボルレートを、図3(1)に示すように例えば192kBであるとする。このような送信信号が、ゼロ点挿入部1に与えられると、ゼロ点挿入部1では、同図(2)に示すように、同図(1)の送信信号に対して、ゼロ点を挿入してナイキスト伝送路31へ送信する。この場合、信号Sも同じ速度で送信するならば、送信速度は384kBとなる。
【0022】
受信側では、同図(3)に示すように、受信信号S及びゼロ点にそれぞれ伝送路31の雑音Nが乗った形で受信することになる。
そこで、雑音除去部2では、雑音Nを含む信号S(S+N)を除去し、ゼロ点における雑音Nのみを残し、これらの雑音Nから、各受信信号点において、同図(4)に示すように、両側の雑音Nから雑音補間信号N'を生成する。
【0023】
そして、雑音除去部2においてはさらに、同図(3)に示す受信信号から、同図(4)に示す雑音補間信号N'を差し引くことにより、同図(5)に示すように雑音NがN-N'となり実質的に除去された信号成分Sのみから成る信号(送信信号に相当)を再生することができる。
【0024】
このような雑音除去部2の動作を図4〜図6を用いてより詳しく説明する。
まず、上述した送信信号は、図4(1)に示すように192kBの速度で伝送される。この場合のスペクトルをスカラー(横軸は周波数帯域kHz)で表したものが同図右側に示されている。
【0025】
そして、このような送信信号に対してゼロ点を挿入すると、同図(2)に示すように、各信号点の間にゼロ点が挿入されて、挿入後の周波数帯域は384kBとなる。この場合は、+192kHzを中心にコピーしたスペクトルになる。
このようなゼロ点が挿入された送信信号が受信側に送られた時の受信信号は、同図(3)に示すように、信号S及びゼロ点それぞれにおいて雑音成分Nが重畳されたものとなる。この場合のスペクトルも同図(2)に示した送信信号の場合と同様である。
【0026】
このような受信信号が雑音除去部2における周波数シフト部3においてシフトされた後、間引部4に送られた時の動作が図5に示されている。
すなわち、受信信号S(n)のサンプル値とスペクトラムは同図(1)に示す通りであり、この信号S(n)のZ変換Aは、次式で表わされる。
【0027】
A=S(z)=ΣS(n)z-n …式(1)
なお、同図右側のスペクトラムは、伝送路31で雑音が付加されるため、0〜fs/2(fsはサンプル周波数)に分布することを示している。
このような受信信号S(n)の反転信号のZ変換Bは、次式で示される。
【0028】
B=Z[(-1)nS(n)]=S(-z) …式(2)
この場合の反転信号は、信号点における信号成分のみに対して行われるために(-1)nが係数となっている。
そして、このような反転信号(-1)n*S(n)と同図(1)に示す受信信号S(n)とを加算した後の信号t(n)のZ変換Cは、次式で与えられる。
【0029】
C=Z[t(n)]=T(z)=(1/2)*[S(z)+ S(-z)] …式(3)
すなわち、信号点における振幅はゼロになり、信号成分Sだけでなく信号Sに重畳されていた雑音成分Nも一緒に除かれる形になる。ここで、信号t(n)はt(1), t(3),,,=0のため、次式で表わされる。
【0030】
T(z)=Σt(2n)*Z-2n …式(4)
このようにして得られた同図(3)に示す信号t(n)の信号点を間引いた後の信号Dは、次式で表わされる。
D=u(n)=T(z1/2) …式(5)
この場合、伝送速度は192kBに低下するので、同図(4)の右図に示すように、スペクトラムは折り返す形となる。
【0031】
最終的な信号E=U(z)は次式で与えられる。
E=[S(z1/2)+S(-z1/2)]/2 …式(6)
このようにして得られた間引信号u(n)は図2に示した補間部5に与えられると、図6に示す動作を呈する。
【0032】
すなわち、間引部4からの信号u(n)は、同図(1)に示すサンプル値とスペクトラムを有する雑音成分のみであり、この雑音成分にゼロ点を挿入した信号t(n)は同図(2)に示すようなサンプル値とスペクトラムを有し、そのZ変換Aは次式で示される。
【0033】
A=(z)=Σt(n)z-n …式(7)
ここで、t(1),t(3),,,=0であるため、
A=Σt(2n)z-n=u(n)z-2n …式(8)
となるので、次式が得られる。
【0034】
T(z) =U(z2) …式(9)
この、信号T(z)において、ゼロ点の両側の雑音成分Nで補間すると、図5(1)に示した受信信号S(n)と同一の伝送速度を有し、なおかつ雑音成分のみを有する。
【0035】
従って、受信信号S(n)から、その補間した信号を差し引くことにより、図4(2)に示すゼロ点が挿入された送信信号が得られることになる。
なお、同図(1)に示す送信信号を得るためには、ゼロ点を間引けばよい。
上記の説明は、送信信号がどのようにして受信側で再生されるかを示したものであるが、雑音成分のみに着目して雑音成分がどのように除去されるかを示したものが図7である。
【0036】
すなわち、送信信号が192kB(±96kB)の伝送帯域を有するとき、これに対してゼロ点挿入を行うと帯域が2倍になるとともに、コピー成分が発生してナイキスト伝送路31へ送られる。
そして、雑音除去部2においては、まず雑音分布特性▲1▼に示すように、雑音分布は、±192kHzに渡っており、図1にも示したように、特に左半分の−192〜0kHzの周波数帯域において雑音レベルが高くなっており、0〜+192kHzの間は、低い雑音レベルになっている。
【0037】
この状態で、周波数シフト部3によって、+96kHzだけシフトさせると、雑音特性▲2▼に示すように、雑音成分A+Bは、雑音特性▲1▼に対して+96kHzだけシフトされた形になっており、これに伴って、雑音特性▲1▼における雑音成分Dは−192kHz〜−96kHzに折り返されることになる。これにより、補間予測したい雑音帯域を補間帯域にシフトしたことになり、雑音をより効果的に除去することができる。
【0038】
なお、+96kHzのシフト量は説明の便宜上の一例にすぎない。
この状態で間引部5において間引動作を行うと、周波数が半分になるため、雑音成分Aは+96〜+192kHzに折り返され、雑音成分Bは−192〜−96kHzに、雑音成分Cは−96〜0kHzに、そして雑音成分Dは0〜+96kHzに折り返される形となる。ここでは、折り返し成分が最小となる帯域を選定している。
【0039】
そして補間部5においてゼロ点の補間を行い且つ両端の雑音成分A+C及びB+Dをフィルタ除去すると、雑音特性▲4▼に示すように、−96〜+96kHzの間だけ雑音成分A+C及びB+Dが残ることになる。
そして、この補間した雑音成分を上記の周波数シフトと逆方向に、すなわち−96kHzだけシフトさせると、雑音特性▲5▼に示すように−192〜0kHzの間のみ雑音成分A+C及びB+Dが残る。
【0040】
従って、このような雑音成分を、雑音特性▲1▼に示した全体の雑音成分から減算部7において減算することにより、雑音特性▲6▼に示すように、−192〜0kHzにおける雑音成分A及びBは完全に除去されることとなる。なお、雑音成分C及びDは残存することになるが、図1(2)にも示したように、これらの雑音レベルは低いものであるのでS/N値には大きな影響は及ばさない。
【0041】
このようにして雑音除去がされた受信信号は実質的に送信信号に対応したものとして再生されたことになる。
なお、上記のように周波数シフトを行うのは、例えば補間予測する帯域を雑音の最も多い帯域(この例では低域)に設定し、折り返しとなる周波数帯域に関しては高域の雑音の少ない帯域を選択するためである。
【0042】
上述した図3及び図4においては、信号点間にゼロ点を1個挿入した場合を取り上げたが、図8においては、ゼロ点挿入の種々のパターンを示している。
すなわち、同図(1)の場合には、ゼロ点を信号S3個置きに1個挿入し、雑音予測帯域が96kHzになる場合を示している。
【0043】
また、同図(2)の場合には、ゼロ点を信号S2個置きに1個挿入した場合を示し、雑音予測帯域は128kHzになる。
同図(3)は上記の例と同様にゼロ点を信号1個置きに1個挿入したときの例であり、雑音予測帯域は192kHzとなる。
【0044】
同図(4)に示す例では、ゼロ点を信号S1個置きに2個挿入したときの例を示し、雑音予測帯域は256kHzとなる。
さらに、同図(5)の場合には、ゼロ点を信号S1個置きに3個挿入したときの例を示し、雑音予測帯域は288kHzとなる。
【0045】
図8(4)及び(5)に示すようにゼロ点の数を増大させることにより、より広帯域の雑音をキャンセル可能となり雑音耐力が増す代わりにデータ伝送の速度が低下することがあるが、より劣悪な環境にも耐えられることとなる。
例えば、狭い帯域を通過時には符号間干渉が増えるため、雑音もキャンセルするが信号自体も部分的にキャンセルが行われることとなる。このような場合には、全体の速度を落とし、信号を減衰させることなく雑音も効果的にキャンセルするべくシステムパラメータを最適化すればよい。または、雑音除去部の前段に等化器を挿入すればよい。
【0046】
また、このゼロ点の挿入個数は受信側で信号品質を判定し、この判定結果に応じてその個数を決定し、送信側へ通知するようにすれば、適応的にゼロ点挿入個数を変化させることが可能となる。
上記において、本発明ではPN系列(擬似ランダム系列)を用いて、送信側のゼロ点挿入を実施する。これにより、受信側ではランダム雑音に対してPN系列により雑音を補間予測することができる。
【0047】
PN系列の例としては、次のものが挙げられる。
・15チップ:1111010110010000
・31チップ:1111100110100100001010111011000
この場合、画像圧縮方式で行われているようなミューズ方式のように、ゼロ点の挿入点を時間軸をずらしながら順次挿入して行くことも可能である。
【0048】
その他にもゼロ点挿入の方法には種々あり、システムの特性に合わせて最適化を行えばよい。
図2に示した補間部5は、図9に示すように、種々のフィルタ特性を用いて行うことができる。
【0049】
すなわち、同図(1)に示すローパスフィルタにおいては、補間予測帯域幅を伝送帯域幅としており、この場合には補間予測帯域幅外の折り返しはないが、フィルタをトランスバーサルフィルタなどで構成した場合にはタップ数が多く除去範囲が狭いという特性を有する。
【0050】
また、同図(2)に示すcos二乗フィルタの場合には、補間予測帯域幅をナイキスト幅としており、タップ数が少なく、除去範囲も広いが、補間予測帯域幅外の折り返しが生ずる特性を有する。
さらに、同図(3)に示すcosフィルタの場合には、やはり補間予測帯域幅はナイキスト幅とするが、この場合にはタップ数が多く演算量が多いとともに、補間予測帯域幅外の折り返しも生ずるという特性がある。
【0051】
さらに、本発明においては、上記の周波数シフト量を、受信信号の雑音周波数成分が大きい周波数帯域を検出し、その周波数帯域に対して自動的に決定することもできる。
さらには、雑音除去の前段又は後段で符号間干渉を取り除くために自動等化処理を行ってもよい。
【0052】
【発明の実施の形態】
図10は、本発明に係る雑音除去方法及び装置を用いたモデムの実施例を示したものである。
すなわち、送信信号SDを、スクランブラー(SCR)11でスクランブル処理するとともにシリアル信号をパラレル信号に変換する。このパラレル信号はベクトル和分回路12において、元々送信信号がグレイコード(G)であったものをナチュラルコード(N)に変換し、さらに、受信側で位相検出するために用いるベクトル差分回路28に対応してベクトル和分演算を行った後、信号発生部13において図3(1)及び図4(1)に示すような送信信号を送出する。
【0053】
この送信信号は、本発明によるゼロ点挿入部1でゼロ点が挿入され、ロールオフフィルタ(ROF)14で波形整形される。
このロールオフフィルタ14の出力信号は変調回路(MOD)15によって変調を受け、さらにD/A変換回路16でデジタル信号からアナログ信号に変換された後、ローパスフィルタ(LPF)17で電力搬送波の周波数帯域(10kHz〜450kHz)を含む低周波帯域のみの信号を抽出して送信線路に送り出す。
【0054】
このような送信線路からの送信信号を受信線路を介して受信したとき、まずバンドパスフィルタ(BPF)19において所定の周波数帯域成分(電力搬送モデムの場合は10〜450kHz)のみを抽出し、A/D変換回路20においてデジタル信号に戻す。
【0055】
このデジタル表記されたアナログ信号は、復調回路(DEM)21でベースバンドの信号に復調され、ロールオフフィルタ22で波形整形される。
そして、このロールオフフィルタ22の出力はタイミング抽出部23及びVCXO型PLL回路24に送られることにより、ゼロ点信号の位相が抽出されるとともに、A/D変換器20へサンプリングタイミング信号を与えている。
【0056】
ロールオフフィルタ22の出力信号は本発明による雑音除去部2において伝送路の雑音成分が除去された後、等化器(EQL)25で符号間干渉を取り除き、自動キャリア位相制御器(CAPC)26で位相合わせを行い、さらに判定回路(DEC)27で雑音を取り除いた信号成分のみを出力する。
【0057】
そして、ベクトル差分回路28においてナチュラルコードでベクトル和分回路12と反対のベクトル差分演算を行った後、グレイコードに戻し、デスクランブラ(DSCR)29でこのパラレルグレイコードをシリアル信号に変換してデスクランブル処理し、受信信号RDとして出力する。
【0058】
また、送信クロック発生回路(TX−CLK)18は、送信クロックをゼロ点挿入部1とD/A変換器16とに与えるとともに、その他の各部へ分配している。また、受信側においては、受信クロック発生回路(RX−CLK)30が雑音除去部2並びに受信部の各部へ受信クロックを抽出して与えている。
【0059】
なお、受信クロック発生回路30は、PLL回路24から抽出されたゼロ点信号を通過させているだけである。また、このゼロ点信号は従来例では単なるシンボルタイミング信号である。
また、図中に網掛け部分で囲んだ部分が透過伝送路としてのナイキスト伝送路31に相当している。このナイキスト伝送路は、図1(2)に示すように、送信信号点の間隔がナイキスト間隔(384kB)で送信されるものである。
【0060】
図11は、図10に示した雑音除去部2の実施例を示したものであり、図2に示した雑音除去部2に対応している。
すなわち、受信信号A(384kB)は、周波数シフト部3において、所望の回転ベクトル信号Bにより周波数シフトされた信号Cとして出力される。
【0061】
この信号Cは間引部4に送られ、この間引部4では、図10に示したPLL回路24から抽出されたゼロ点信号(192kB)に基づき、図5(4)に示した雑音成分のみの信号D(192kB)に変換される。
この信号Dは補間部5に送られて、そのフィルタ処理により補間された信号E(384kB)として出力される。この信号Eは周波数逆シフト部6に送られ、周波数シフト部3で用いた回転ベクトル信号Bと逆方向にシフトするため、信号Bとは共役複素数を構成する信号Fによって逆回転されて信号Gとして出力される。なお、この信号Fは補間部5の出力信号とタイミングを合わせるため遅延回路8が途中に設けられている。
【0062】
周波数逆シフト部6の出力信号Gは減算器7において受信信号Aから減算されて出力信号Kとなる。なお、この場合も補間部5の出力信号とタイミングを合わせるため遅延回路9が受信信号Aに対して設けられている。
このようにして、雑音除去部2からは、受信信号Aから雑音成分が除去された後の信号Kが出力されることとなる。
【0063】
図12は、図11に示した補間部5の実施例を示しており、この実施例では、ゼロ点挿入部51と補間フィルタ52とで構成されている。
すなわち、間引部4から出力された雑音成分のみの信号D(192kB)に対し、ゼロ点挿入部51が、図6(2)で示したようにゼロ点を雑音間に挿入し、伝送帯域384kBの信号として補間フィルタ52に与える。
【0064】
補間フィルタ52はトランスバーサルフィルタで構成することができ、遅延回路部521と乗算回路522のフィルタ係数C1〜Cnとにより、図9に示したような種々のフィルタを構成することができる。ここから出力される補間予測信号Eは、図3(4)に示した信号において各ゼロ点での雑音成分N'がその両側の雑音成分Nによって補間された或る振幅を有する信号として出力される。
【0065】
図13は、図10に示したタイミング抽出部23とVCXO型PLL回路24の実施例を示したものである。この内、タイミング抽出部23は、パワー演算回路(PWR)231とバンドパスフィルタ232とベクトル化回路233とで構成されており、PLL回路24は比較部241とローパスフィルタ242と二次PLL回路243とD/A変換回路244とVCXO(Voltage Controlled Crystal Oscillator:電圧制御水晶発振器)回路245と分周器246とで構成されている。
【0066】
すなわち、ロールオフフィルタ22から出力されたベクトル信号はパワー演算回路231で二乗演算されてパワーが計算される。この時のスペクトラムを示したものが図14に示されており、写真の中央に出ている線スペクトラムが192kHzのゼロ点信号を示している。すなわち、送信側では、定期的にゼロ点を送信しているため、エネルギーはこの区間はゼロであるが、ゼロ点の挿入度合いに応じたパワースペクトラムを抽出することが可能となる。
【0067】
このようにして得たパワー値をバンドパスフィルタ232に通す。この例では、192kHzを中心周波数とするバンドパスフィルタを用いているので所望のゼロ点信号情報を出力してベクトル化回路233に送る。
ベクトル化回路233では、入力信号を90度位相の異なった信号で合成することによりベクトル化し、タイミング位相情報としてPLL回路24に与える。
【0068】
PLL回路24においては、まず比較部241において、ベクトル化回路233からのタイミング位相情報と予め分かっている基準点の位相とを比較してその位相差をローパスフィルタ242で低域成分のみとし、2つの積分器で構成された二次PLL回路243とD/A変換回路244でVCXO245の制御電圧を制御する。
【0069】
そして分周器246で分周した後、比較部241へフィードバックすることにより基準点との比較を実施する。これにより、ベクトル化回路233からのタイミング位相情報と基準点との位相差を引き込み、同期が確立したゼロ点信号を抽出することができる。また、VCXO回路245からは、A/D変換器16へのサンプルタイミング信号が出力され、最終的に比較部241にバックされ位相同期ループを構成する。
【0070】
上記の実施例では、送信信号に挿入するゼロ点は図8に示したように種々の実施例が考えられるが、このゼロ点間隔は固定する必要はなく、図15に示すように制御することも可能である。
すなわち、全二重伝送路31a及び31bを挟んで2つの送信部34及び38がそれぞれ受信部35及び39と接続されている送受信系統において、受信部35からの出力信号により信号品質を判定する判定部36を設け、この判定結果をゼロ点挿入個数設定通知部37に与えると、このゼロ点挿入個数設定通知部37はゼロ点挿入個数を決定し、この情報を伝送路31b経由でゼロ点挿入個数設定通知部41に通知して送信部34のゼロ点個数を設定する。
【0071】
同様にして、送信部38から伝送路31bを介して受信部39で受信した信号に基づき、信号品質判定部36と同様に設けた信号品質判定部40で信号品質が判定され、この判定結果に基づいてゼロ点挿入個数設定通知部41がゼロ点挿入個数を決定して送信部38へ通知すると、この送信部38においても送信部34と同様にしてゼロ点の挿入制御を行う。
【0072】
従って、図8に示したようなゼロ点間隔は、伝送路の信号品質に基づいて適応的に変えることが可能となる。
上記の周波数シフト部3においては、図11に示したように、一定の回転ベクトル信号Bを与えているが、このベクトル信号を自動的に変えることも可能である。
【0073】
図16はこのような自動周波数シフトを行う構成例を示しており、この構成においては、図11の雑音除去部2に対して、乗算器42,43と間引部44,45と、FFT演算部46,47と、シフト量決定部48とが新たに設けられている。
【0074】
動作において、ロールオフフィルタ22の出力を乗算部42及び43においてそれぞれ互いに90度周波数をずらしたキャリア信号Δf1とΔf2とを乗算し、間引部44及び45においてそれぞれ192kBの速度の信号に間引いた後、FFT演算部46及び47において周波数信号に変換し、どの周波数帯域が最も雑音帯域が大きいかを周波数シフト量決定部48で決定し、この決定した周波数シフト量を周波数シフト部3に与えている。
【0075】
なお、FFT演算部を2個用いているのは、その入力信号の周波数帯域が192kBと全帯域の半分であるからである。
図17には、周波数シフト量を種々変化させた場合の雑音の低減状態が示されており、この場合には、128kHz〜224kHzの範囲が最も低減効果が大きいことが分かる。
【0076】
ここで、所望の雑音除去範囲に対してどのような周波数シフトが決定されるかを、図18を参照して以下に説明する。
まず、電力線搬送通信の例では、特別搬送AM変調方式として165.2kHz(165kHz+0.24kHz=165.24kHz)、同PM変調方式として162kHz(132kHz+30kHz=162kHz)が規定されているため、雑音除去範囲としては、雑音除去部2の補間フィルタ52(図12参照)が、図9(2)に示したように、ロールオフ率14.5%のCOS二乗フィルタを用いた場合、このロールオフ率を考慮して、174kHz以下で10kHz以上(10kHz〜174kHz)の雑音をキャンセルできることとなり方式共存ができ、望ましい。
【0077】
これを伝送路帯域で示したものが同図(1)であり、10kHz〜450kHzの許容伝送帯域は230kHzを中心周波数としており、雑音除去範囲10kHz〜174kHzは網掛部分に相当している。
このような伝送帯域の信号が、図10に示したモデムのロールオフフィルタ22から出力されたときのベースバンド信号帯域が図18(2)に示されている。この場合には、0kHzを中心として±192kHzの帯域になる。従って、同図(1)の10kHz〜174kHzは、同図(2)では−220kHz〜−56kHzに対応する。
【0078】
一方、補間フィルタ52が処理する周波数帯域は、間引部4で半分に間引かれ周波数帯域が半分の192kHzになっているため、COS二乗フィルタのロールオフ率14.5%を考慮すると、164kHzとなるので、ベースバンド帯域としては、164/2=±82kHzとなる。
【0079】
したがって、補間フィルタ52の上限周波数+82kHzが、同図(2)の雑音帯域の上限周波数-56kHzと一致するためには、56+82=138kHzだけシフトすればよいことになる。図7の例では、説明の便宜上、+96kHzを用いただけである。
【0080】
なお、図16に示したような自動周波数シフトを行う場合には、図18(1)の雑音帯域10kHz〜174kHz自体が移動することになる。
また、図10に示した実施例においては、本発明の雑音除去部2が、ロールオフフィルタ22の出力信号をそのまま入力しているが、図19に示す変形例のように、復調器/ロールオフフィルタ(DEM/ROF)21(図10のフィルタ22に対応)の出力側(雑音除去部2の前段)に等化器(EQL)33を設け、符号間干渉を事前に取り除くようにすればより効果的な雑音除去が可能となる。
【0081】
この場合、等化器33では例えば時間等化を行い、等化器25では例えば周波数等化を行うというように等化処理を分担することになる。
また、この等化器として時間等化と周波数等化がADSLの分野では知られているが、時間軸等化だけでも極めて大きな効果が得られる。
(付記1)
時間と振幅と位相が特定された信号を含む受信信号から雑音成分を補間予測するステップと、
該雑音成分を該受信信号から除去して送信された元の信号を再生するステップと、
を備えたことを特徴とする雑音除去方法。
(付記2)
送信側で定期的に信号にゼロ点を挿入するステップと、
受信側で、該ゼロ点を用いて受信信号の雑音成分を補間予測するステップと、該雑音成分を該受信信号から差し引くことで送信された元の信号を再生するステップと、
を備えたことを特徴とする雑音除去方法。
(付記3)付記2において、
該ゼロ点を、整数サンプル数間隔毎に1個以上挿入することを特徴とした雑音除去方法。
(付記4)付記3において、
該ゼロ点の挿入個数は、該受信側で信号品質を判定することにより決定されて該送信側へ通知されることを特徴とした雑音除去方法。
(付記5)付記1から4のいずれかにおいて、
該受信信号の伝送路が、透過伝送路であることを特徴とした雑音除去方法。
(付記6)付記5において、
該透過伝送路が、ナイキスト伝送路であることを特徴とした雑音除去方法。
(付記7)付記1又は2において、
該補間予測するステップが、該受信信号を所望の周波数帯域に周波数シフトさせた後、該ゼロ点に応じて間引を行い、さらに補間を行った後、該元の信号に合わせるために該周波数シフトを逆方向に行って該受信信号の雑音成分を生成するステップを含むことを特徴とした雑音除去方法。
(付記8)付記7において、
該補間ステップとして、該間引いた信号に対してゼロ点を挿入し、さらに補間予測帯域幅を伝送帯域幅とするローパスフィルタ処理を行うことを特徴とした雑音除去方法。
(付記9)付記8において、
該ローパスフィルタ処理が、該補間予測帯域幅をナイキスト幅とするcos二乗フィルタ処理であることを特徴とした雑音除去方法。
(付記10)付記8において、
該ローパスフィルタ処理が、該補間予測帯域幅をナイキスト幅とするcosフィルタ処理であることを特徴とした雑音除去方法。
(付記11)付記7において、
該受信信号の雑音周波数成分が大きい周波数帯域を検出し、該周波数帯域に対して該周波数シフト量を自動的に決定することを特徴とした雑音除去方法。
(付記12)付記1から11のいずれかにおいて、
雑音除去の前段又は後段で符号間干渉を取り除くために自動等化処理をさらに行うことを特徴とした雑音除去方法。
(付記13)
時間と振幅と位相が特定された信号を含む受信信号から雑音成分を補間予測する手段と、
該雑音成分を該受信信号から除去して送信された元の信号を再生する手段と、
を備えたことを特徴とする雑音除去装置。
(付記14)
送信側で定期的に信号にゼロ点を挿入する手段と、
受信側で、該ゼロ点を用いて受信信号の雑音成分を補間予測する手段と、
該雑音成分を該受信信号から差し引くことで送信された元の信号を再生する手段と、
を備えたことを特徴とする雑音除去装置。
(付記15)付記14において、
該ゼロ点が、整数サンプル数間隔毎に1個以上挿入されることを特徴とした雑音除去装置。
(付記16)付記14において、
該ゼロ点の挿入個数は、該受信信号の信号品質を判定することにより決定されて該送信側へ通知されることを特徴とした雑音除去装置。
(付記17)付記13から15のいずれかにおいて、
該受信信号の伝送路が、透過伝送路であることを特徴とした雑音除去装置。
(付記18)付記17において、
該透過伝送路が、ナイキスト伝送路であることを特徴とした雑音除去装置。
(付記19)付記14又は15において、
該補間予測する手段が、該受信信号を所望の周波数帯域に周波数シフトさせる手段と、その後、該ゼロ点に応じて間引を行う手段と、さらに補間を行う手段と、該元の信号に合わせるために該周波数シフトを逆方向に行って元の周波数帯域に戻すことにより該受信信号の雑音成分を生成する手段とを含むことを特徴とした雑音除去装置。
(付記20)付記19において、
該補間手段が、該間引いた信号に対してゼロ点を挿入する回路と、さらに補間予測帯域幅を伝送帯域幅とするローパスフィルタとを含むことを特徴とした雑音除去装置。
(付記21)付記20において、
該ローパスフィルタが、該補間予測帯域幅をナイキスト幅とするcos二乗フィルタであることを特徴とした雑音除去装置。
(付記22)付記20において、
該ローパスフィルタが、該補間予測帯域幅をナイキスト幅とするcosフィルタであることを特徴とした雑音除去装置。
(付記23)付記19において、
該周波数シフトさせる手段が、該受信信号の雑音周波数成分が大きい周波数帯域を検出し、該周波数帯域に対して自動的に行う手段を含むことを特徴とした雑音除去装置。
(付記24)付記1から23のいずれかにおいて、
雑音除去の前段又は後段で符号間干渉を取り除くために自動等化器をさらに設けたことを特徴とした雑音除去装置。
【0082】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る雑音除去方法及び装置によれば、時間軸と振幅と位相が特定された信号又はゼロ点信号を送信信号に挿入し、この特定信号またはゼロ点を用いて受信信号の雑音成分を補間予測し、その雑音成分を受信信号から差し引くことで送信された元の信号を再生するように構成したので、雑音の多い環境、特に電力線搬送のようなS/N値がマイナスの状況でも、信号の減衰が少ない低域での効果的な雑音キャンセルにより高速でデータ伝送を実現することが可能となる。
【0083】
また、電力線搬送モデムに限らず、CATVモデムやADSLモデム、VDSLモデム、2.4Gの無線LANや無線伝送分野や光伝送分野などにおいても同様に適応される。
さらには、磁気ディスクのように高速化することで雑音に埋もれてしまうような信号に対しても正確に信号を取り出し高記録密度を実現することが可能である。
【0084】
そして、さらには半導体における多値伝送技術においてもその雑音から信号を取り出す過程に用いることができ半導体性能の高速化に貢献することができる。さらには音声認識、画像圧縮、バーコードスキャナの復調など種々雑音で悩まされている分野に適用が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る雑音除去方法及び装置の基本原理を説明するためのグラフ図である。
【図2】本発明の基本構成を従来例と比較したブロック図である。
【図3】本発明の動作概要を示した図である。
【図4】本発明の送信側動作を詳しく示した図である。
【図5】本発明の間引動作を説明した図である。
【図6】本発明の補間動作を説明した図である。
【図7】本発明の雑音成分の除去プロセスを示した図である。
【図8】本発明によるゼロ点挿入の種々の態様を示した図である。
【図9】本発明に用いる補間フィルタ例を示した図である。
【図10】本発明をモデムに適用した実施例を示したブロック図である。
【図11】本発明に用いる雑音除去部の実施例を示したブロック図である。
【図12】本発明に用いる補間部の実施例を示したブロック図である。
【図13】本発明に用いるタイミング抽出部及びVCXO型PLL回路の実施例を示したブロック図である。
【図14】本発明によるタイミング抽出部の波形図である。
【図15】本発明によるゼロ点のシステム制御例を示したブロック図である。
【図16】本発明による自動周波数シフトの構成例を示したブロック図である。
【図17】本発明による周波数シフト量による雑音の低減例を示した図である。
【図18】本発明により除去したい雑音帯域に対して周波数シフト量を求める一例を示した周波数帯域図である。
【図19】本発明の変形例(等化器付加の場合)を示したブロック図である。
【図20】本発明の適用分野を説明するための概略図である。
【図21】従来の問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
1 特定信号(ゼロ点)挿入部
2 雑音除去部
3 周波数シフト部
4,44,45 間引部(DCM)
5 補間部(IPL)
6 周波数逆シフト部
7 減算部
8,9 遅延回路
11 スクランブラ(SCR)
12 ベクトル和分回路
13 信号発生部
14,22 ロールオフフィルタ(ROF)
15 変調器(MOD)
16,244 D/A変換器
17,242 ローパスフィルタ(LPF)
18 送信クロック発生回路(TX−CLK)
19,232 バンドパスフィルタ(BPF)
20 A/D変換器
21 復調器(DEM)
23 タイミング抽出器
24 PLL回路
25,33 等化器(EQL)
26 キャリア自動位相制御器(CAPC)
27 判定部(DEC)
28 ベクトル差分演算部
29 デスクランブラ(DSCR)
30 受信クロック分配部
31a,31b ナイキスト伝送路
51 ゼロ点挿入部
52 補間フィルタ
231 パワー演算部(PWR)
233 ベクトル化回路
241 比較部
243 二次PLL回路
245 VCXO
246 分周器
36,40 信号品質判定部
37,41 ゼロ点挿入個数設定通知部
42,43 乗算器
46,47 FFT
48 周波数シフト量決定部
図中、同一符号は同一又は相当部分を示す。
Claims (8)
- 送信側でPN系列を用いて信号にゼロ点を挿入するステップと、
受信側で、該ゼロ点を用いて受信信号の雑音成分を補間予測するステップと、
該雑音成分を該受信信号から差し引くステップと、
を備えたことを特徴とする雑音除去方法。 - 請求項1において、
該ゼロ点の挿入個数は、受信側で信号品質を判定し、この判定結果に応じて決定することを特徴とした雑音除去方法。 - 請求項1又は2において、
該補間予測するステップが、該受信信号を所望の周波数帯域に周波数シフトさせた後、
該ゼロ点に応じて間引きを行い、さらに補間を行った後、該元の信号に合わせるために該周波数シフトを逆方向に行って該受信信号の雑音成分を生成するステップを含むことを特徴とした雑音除去方法。 - 請求項3において、
該受信信号の雑音周波数成分が大きい周波数帯域を検出し、該周波数帯域に対して該周波数シフト量を自動的に決定することを特徴とした雑音除去方法。 - 送信側でPN系列を用いて信号にゼロ点を挿入する手段と、
受信側で、該ゼロ点を用いて受信信号の雑音成分を補間予測する手段と、
該雑音成分を該受信信号から差し引く手段と、
を備えたことを特徴とする雑音除去装置。 - 請求項5において、
該ゼロ点の挿入個数は、受信側で信号品質を判定し、この判定結果に応じて決定することを特徴とした雑音除去装置。 - 請求項5又は6において、
該補間予測する手段が、該受信信号を所望の周波数帯域に周波数シフトさせる手段と、その後、該ゼロ点に応じて間引を行う手段と、さらに補間を行う手段と、該元の信号に合わせるために該周波数シフトを逆方向に行って元の周波数帯域に戻すことにより該受信信号の雑音成分を生成する手段とを含むことを特徴とした雑音除去装置。 - 請求項7において、
該周波数シフトさせる手段が、該受信信号の雑音周波数成分が大きい周波数帯域を検出し、該周波数帯域に対して自動的に周波数シフト量を決定する手段を含むことを特徴とした雑音除去装置。
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