JP3690898B2 - 洋上石油積出し設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洋上で石油掘削船からタンカーへ石油を積出すための設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の洋上石油積出し設備としては図5(平面図)に示すようなものがあり、石油掘削船1から繰出し可能に設けられた石油送出用フレキシブルホース2と、同ホース2の先端に接続された先取りロープ3を引いて輸送用タンカー5へ到達させるための作業船4とをそなえている。
【0003】
石油の積出しに際しては、作業船4により先取りロープ3を引いて、同ロープ3をタンカー5に引上げた後、タンカー5を徐々に掘削船1へ近づけてゆき、係船状態にする操作が行なわれる。そして、この状態でフレキシブルホース2を介し石油の積出し作業が行なわれる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、洋上における石油の積出しに際しては、図5に示すように、波,風および潮流による外力の作用する中で作業が実施されるが、作業船4は小さなボートであるため、海象状況によっては作業限界を超えてしまい、作業ができなくなることがある。
【0005】
また、作業船4がタンカー5に連絡できたとしても、石油掘削船1とタンカー5との相互干渉などで衝突したりして、危険な状態になることもある。
【0006】
このことは、石油積出し時の稼働率を低下させる要因となり、石油生産システム全体として大きな問題となる。
【0007】
そこで、本発明は、石油掘削船から石油輸送用タンカーへの連絡のための作業船を不要にして、厳しい海象状況でも石油の積出しを安全に行なえるようにした洋上石油積出し設備を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明の洋上石油積出し設備は、海底に係留された石油掘削船にウィンチを介し引寄せ用ロープで引き寄せられるブイと、同ブイに先端を着脱可能に取付けられるようにして上記石油掘削船から繰出し可能に設けられた石油送出用フレキシブルホースと、上記石油掘削船から水平方向に離隔した位置で海底に設置されたシンカーと、同シンカーに一端を係止されるとともに他端を上記ブイに係止された係留索とをそなえ、同係留索が、上記引寄せ用ロープによる上記ブイの上記石油掘削船への引寄せ状態で緊張し、上記引寄せ用ロープの繰出しに対応した同係留索の弛緩に伴って上記ブイを上記石油掘削船から離隔させるように、同係留索の長さおよび重さを設定されていることを特徴としている。
【0009】
上述の本発明の洋上石油積出し設備では、石油の積出しに際し、海底に係留された石油掘削船に引寄せられているブイが、その引寄せ用ロープの繰出しに伴って、同ブイの係留索の緊張を弛緩させるようにしながら上記石油掘削船から遠ざかるように移動するので、同ブイへの石油輸送用タンカーの接近が、上記石油掘削船との干渉を招くことなく容易に行なわれるようになり、同ブイと上記石油掘削船とを連絡する石油送出用フレキシブルホースを用いて、上記石油掘削船から上記タンカーへの石油積出しが荒天でも支障なく行なわれるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図面により本発明の一実施形態としての洋上石油積出し設備について説明すると、図1はその石油掘削船へのブイ引寄せ状態を示す立面図、図2は上記設備の平面図、図3はその作用状態を示す立面図、図4は図3の作用状態の要部を上方からみた平面図である。
【0011】
図1,2に示すように、海底に係留索6で係留された石油掘削船1に、海面に浮くブイ7がウィンチ12(図3,4参照)を介し引寄せ用ロープ11で引寄せられるようになっており、同ブイ7には石油掘削船1から繰出し可能に設けられた石油送出用フレキシブルホース9の先端が着脱可能に取付けられている。
【0012】
また、ブイ7は、石油掘削船1から水平方向に離隔した位置で海底に設置されたシンカー13に、係留索8を介し係留されるようになっている。
【0013】
そして、ブイ7の係留索8は、同ブイ7の石油掘削船1への引寄せ状態で緊張するようになっており、図3,4に示すごとく、引寄せ用ロープ11の繰出しに対応した係留索8の弛緩に伴ってブイ7を石油掘削船1から離隔させるように、同係留索8の長さおよび重さが設定されている。
【0014】
すなわち、なお係留索8としては、その長さについて適切な設定が行われるほか、その単位長さ当たりの重量の大きいものが用いられ、チェーンを用いるようにしてもよい。
上述の本実施形態の洋上石油積出し設備では、石油の積出しに際し、海底に係留された石油掘削船1に引寄せられているブイ7が、その引寄せ用ロープ11の繰出しに伴って、同ブイ7の係留索8の緊張を弛緩させるようにしながら石油掘削船1から遠ざかるように移動するので、同ブイ7への石油輸送用タンカー5の接近が、石油掘削船1との干渉を招くことなく容易に行なわれるようになり、同ブイ7と石油掘削船1とを連絡する石油送出用フレキシブルホース9を用いて、石油掘削船1からタンカー5への石油積出しが荒天でも支障なく行なわれるようになる。したがって、本設備の稼働率の大幅な向上が期待される。
【0015】
なお、タンカー5がブイ7に接近した際に、同ブイ7は、図3,4に示すタンカー5のクレーン10を用いて同タンカー上に引き上げられる。
【0016】
そして、ブイ7からフレキシブルホース9が切離されて、タンカー5の石油荷役ラインに接続される。
【0017】
このようにして、石油掘削船1から石油輸送用タンカー5への石油の積出し作業が終了すると、ブイ7に再びフレキシブルホース9が取付けられ、同ブイ7をクレーン10で海面に降ろす操作が行なわれる。
【0018】
そして、ブイ7は、石油掘削船1のウィンチ12により、引寄せ用ロープ11を介し同石油掘削船1へ引寄せられて図1,2に示す状態とされ、これに伴いブイ7の係留索8は再び緊張状態になる。
【0019】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の洋上石油積出し設備によれば次のような効果が得られる。
(1) 石油の積出しに際し、海底に係留された石油掘削船に引寄せられているブイが、その引寄せ用ロープの繰出しに伴って、同ブイの係留索の緊張を弛緩させるようにしながら上記石油掘削船から遠ざかるように移動するので、同ブイへの石油輸送用タンカーの接近が、上記石油掘削船との干渉を招くことなく容易に行なわれるようになり、同ブイと上記石油掘削船とを連絡する石油送出用フレキシブルホースを用いて、上記石油掘削船から上記タンカーへの石油積出しが荒天でも支障なく行なわれるようになる。
(2) 上記(1)項により本設備の稼働率の大幅な向上が期待される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態としての洋上石油積出し設備のブイ引寄せ状態を示す立面図である。
【図2】 図1の設備の平面図である。
【図3】 図1,2の設備の作用状態を示す立面図である。
【図4】 図3の作用状態の要部を上方かみた平面図である。
【図5】 従来の洋上石油積出し設備の一例を示す平面図である。
【符号の説明】
1 石油掘削船
2 石油送出用フレキシブルホース
3 先取りロープ
4 作業船
5 石油輸送用タンカー
6 係留索
7 ブイ
8 係留索
9 石油送出用フレキシブルホース
10 クレーン
11 引寄せ用ロープ
12 ウィンチ
Claims (1)
- 海底に係留された石油掘削船にウィンチを介し引寄せ用ロープで引き寄せられるブイと、同ブイに先端を着脱可能に取付けられるようにして上記石油掘削船から繰出し可能に設けられた石油送出用フレキシブルホースと、上記石油掘削船から水平方向に離隔した位置で海底に設置されたシンカーと、同シンカーに一端を係止されるとともに他端を上記ブイに係止された係留索とをそなえ、同係留索が、上記引寄せ用ロープによる上記ブイの上記石油掘削船への引寄せ状態で緊張し、上記引寄せ用ロープの繰出しに対応した同係留索の弛緩に伴って上記ブイを上記石油掘削船から離隔させるように、同係留索の長さおよび重さを設定されていることを特徴とする、洋上石油積出し設備。
Priority Applications (1)
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JP13603997A JP3690898B2 (ja) | 1997-05-09 | 1997-05-09 | 洋上石油積出し設備 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13603997A JP3690898B2 (ja) | 1997-05-09 | 1997-05-09 | 洋上石油積出し設備 |
Publications (2)
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JPH10310095A JPH10310095A (ja) | 1998-11-24 |
JP3690898B2 true JP3690898B2 (ja) | 2005-08-31 |
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ID=15165758
Family Applications (1)
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JP13603997A Expired - Fee Related JP3690898B2 (ja) | 1997-05-09 | 1997-05-09 | 洋上石油積出し設備 |
Country Status (1)
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EP1746023B1 (en) | 2004-04-30 | 2014-04-09 | The Yokohama Rubber Co., Ltd. | Flexible buoy |
-
1997
- 1997-05-09 JP JP13603997A patent/JP3690898B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Publication date |
---|---|
JPH10310095A (ja) | 1998-11-24 |
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