JP3690029B2 - 距離計測装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光を出射して測定対象物から反射されて来る光を受光し、この出射から受光までの時間に基づいて測定対象物までの距離を測定する距離計測装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車両等に搭載され、レーザ光を進行方向の測定対象物に出射し、その反射光を受光したタイミングから、測定対象物までの距離を測定して障害物が存在することを運転者に警報したり、測定距離を自動走行等のデータに利用するための距離計測装置が知られている。
【0003】
このような距離計測装置は、車両等に搭載されて用いられるため、特に、その軽量小型化が求められている。レーザ光を出射するためには、高電圧電源が必要であるが、装置の軽量小型化のために、スイッチング動作により低電圧電源を昇圧させるコンバータが用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この距離計測装置の小型化に伴い、距離計測装置内の各種構成が近接して配置されることにより、前記コンバータの使用において次のような問題が発生した。
【0005】
すなわち、上述したスイッチング動作により高電圧を得るコンバータにおいては、スイッチングノイズが発生し、このノイズがコンバータに近接して配置されている受光回路に大きな影響を与えるのである。例えば、図8に示すごとく、発光回路がレーザ光を発光してから(T0)、受光回路が反射光を受光するまで(T2)に、コンバータのスイッチング動作がオンからオフに切り替わった場合(T1)、その切り替わりにより生じた電磁波ノイズが、受光回路から出力される受光信号のノイズとなり、受光信号として誤検出される場合がある。この誤検出により、レーザ光出射から受光までの時間は実際よりも短い時間として検出されるので、測定対象物が実際よりも近くにあると検出されてしまう。
【0006】
このような誤検出は、距離計測装置を一層小型化しようとして出射するレーザ光の出力を小さくすると受光信号の増幅率を大きくしなくてはならず、このためノイズも増幅されて実際の受光信号として検出され易くなることからも問題となっていた。
【0007】
ノイズの影響を防止するためには、コンバータと受光回路との間をシールドすることも考えられるが、結局、シールドを形成するために装置本体の大型化やコストアップを招き、距離計測装置の小型化への障害となった。
本発明は、装置本体の大型化やコストアップをほとんど招くことなく、コンバータからのノイズによる誤検出を防止した距離計測装置を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明の距離計測装置は、コンバータの少なくともノイズが生じるスイッチング動作時と、レーザ発光手段の発光タイミングから受光手段の受光タイミングまでの期間との重複を禁止する重複禁止手段を備えている。
【0009】
このように重複禁止手段が機能することにより、レーザ発光手段の発光タイミングから受光手段の受光タイミングまでの期間には、コンバータの少なくともノイズが生じるスイッチング動作はなされないので、ノイズと受光信号とを取り違えることはなく、誤検出は防止できる。
【0010】
この重複禁止手段は、単にタイミングを調節すれば良いので、回路そのものが簡単に構成できる。重複禁止手段として、既に距離計測装置に用いられている回路の一部の機能を利用すれば、ほとんど回路の増加はない。例えば距離算出手段が、プログラムにより機能するCPUにより実現されているものであれば、重複禁止手段の機能を実現するためには、その機能の一部または全てをプログラムにて実現できるので、更に回路構成としての追加は少なくてもあるいは全くなくても済む。したがって、装置をほとんど大型化することなく、またコストアップをほとんど招くことなく、コンバータからのノイズによる誤検出を防止できる。
【0011】
具体的に、本発明の距離計測装置は、コンバータの少なくともノイズが生じるスイッチング動作を検出するスイッチング動作検出手段を備え、重複禁止手段が、レーザ発光手段の発光タイミングを制御することにより、レーザ発光手段の発光タイミングから受光手段の受光タイミングまでの期間を、スイッチング動作検出手段にて検出されたコンバータの少なくともノイズが生じるスイッチング動作と次の少なくともノイズが生じるスイッチング動作との間に配置する。この構成によって、誤検出は、防止される。
【0012】
なお、上述したコンバータとしては、負荷に対してスイッチ回路が並列に配置された昇圧型チョッパ回路とスイッチ回路のオン・オフのスイッチング動作を周期的に行うIC等のスイッチング制御回路とを備えたDC/DCコンバータを挙げることができる。
【0013】
また、重複禁止手段は、スイッチング動作検出手段にて検出された少なくともノイズが生じるスイッチング動作が行われた後であって、コンバータにおける次の少なくともノイズが生じるスイッチング動作が行われる前に、レーザ発光手段の発光タイミングから受光手段の受光タイミングまでの期間が終了するタイミングで発光するようにレーザ発光手段を制御する構成としても良い。
【0014】
前記スイッチング動作の間隔を、通常行われる、レーザ発光手段の発光タイミングから受光手段の受光タイミングまでの期間より長い期間としておけば、レーザ発光手段の発光タイミングを制御することにより、前記スイッチング動作の間に距離の測定を完了することができる。
【0015】
なお、ノイズが生じるスイッチング動作の直後にレーザ発光手段の発光タイミングを持ってくると、ノイズが減衰していないと、受光信号として検出されるおそれがあるので、ノイズが生じるスイッチング動作から十分減衰する時間待ってから、レーザ発光手段を発光させることが好ましい。
【0016】
また、重複禁止手段は、例えば、コンバータの少なくともノイズが生じるスイッチング動作を、レーザ発光手段の発光タイミングから受光手段の受光タイミングまでの期間中、禁止するように構成されても良い。すなわち、スイッチング動作側を制御しても良い。また、具体的に、重複禁止手段は、レーザ発光手段の発光タイミングから受光手段の受光タイミングまでの期間中は、少なくともノイズが生じるスイッチング動作を行わせる信号が、スイッチング制御回路からスイッチ回路へ伝達されるのを阻止する構成とすることができる。その他、重複禁止手段は、レーザ発光手段の発光タイミングから受光手段の受光タイミングまでの期間中は、スイッチング制御回路が、少なくともノイズが生じるスイッチング動作を行わせる信号を、スイッチ回路へ出力することを禁止する構成とすることができる。
【0017】
また、温度等の状況により、特に、受光手段の内部回路については信号伝搬の遅延時間が変化して、測定値に影響する場合があり、このような場合を考慮して、更に、受光手段の内部回路の信号伝搬遅延時間を測定する伝搬遅延時間測定手段と、所定タイミングにて、距離算出手段による時間間隔の測定処理の代りに、伝搬遅延時間測定手段の処理を実行させる遅延時間測定制御手段とを備える構成とし、更に、距離算出手段については、レーザ発光手段の発光タイミングから受光手段の受光タイミングまでの時間間隔と伝搬遅延時間測定手段にて測定された信号伝搬遅延時間とに基づいて、測定対象物までの距離を算出することとしても良い。このように信号伝搬遅延時間を実測して距離算出手段による測定対象物までの距離算出に反映させているので、一層正確な測定が可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1としての車載用の距離計測装置2の概略構成を表すブロック図である。
【0019】
距離計測装置2は、レーザ発光回路4、受光センサ6、DC/DCコンバータ8、AGC増幅回路10、STC増幅回路12、計測用カウンタ14、微分回路16および制御回路18を主体として構成されている。これらの構成には、図示していないイグニッションIGから電力が供給されている。
【0020】
DC/DCコンバータ8は、イグニッションIGの供給電圧、例えば12Vを、70Vに昇圧して、発光用電源としてレーザ発光回路4に供給している。レーザ発光回路4はこの70V電源を利用して周期的に前方に出射している。
レーザ発光回路4から出射されたレーザ光は自車の前方に存在する車両Mに反射され、その反射光は、フォトダイオードを備えた受光センサ6にて受光されて、受光信号がAGC増幅回路10およびSTC増幅回路12を介して計測用カウンタ14に出力される。
【0021】
計測用カウンタ14は、レーザ発光回路4からの発光信号を受信した時点から、AGC増幅回路10およびSTC増幅回路12を介して受光センサ6から受光信号を受信した時点までの時間をカウントして、制御回路18に出力する。
制御回路18は、レーザ発光回路4の発光と受光センサ6の受光から前方車両Mの距離を測定するタイミングとは別のタイミングに、微分回路16への信号のハイ/ローを切り替えることにより、微分回路16からAGC増幅回路10に対して受光信号の疑似信号を出力し、同時に発光信号を計測用カウンタ14に出力する。この発光信号により計測用カウンタ14はカウントを開始し、AGC増幅回路10およびSTC増幅回路12を介して疑似信号を受信すると、その受信時までのカウント値を制御回路18に出力する。このことにより、制御回路18はAGC増幅回路10およびSTC増幅回路12による信号伝搬遅延時間を得ることができる。
【0022】
したがって制御回路18は、実際にレーザ発光回路4を発光させてから、その反射光を受光センサ6にて受光したタイミングまでの時間Tmから、疑似信号がAGC増幅回路10およびSTC増幅回路12を介して計測用カウンタ14に到達するまでの時間Td(信号伝搬遅延時間)を差し引くことにより、信号伝搬遅延時間Tdに影響されずに、レーザ光の往復時間Tを得ることができ、この往復時間Tから正確に前方車両Mまでの距離を算出することができる。
【0023】
なお、AGC増幅回路10は、制御回路18により微弱信号を予め決められたレベルに変換する増幅回路であり、STC増幅回路12はレーザ発光回路4の発光に伴うノイズを低減するために制御回路18から制御可能な増幅回路である。
ここで、DC/DCコンバータ8およびその周辺の回路図を図2に示す。DC/DCコンバータ8にはイグニッションIG側から12Vの電源が供給されている。コイルL1、ダイオードD1、トランジスタTr1および出力コンデンサC1により、昇圧型チョッパ回路が形成されている。更に、DC/DCコンバータ8は、内部に発振器が備えられたコントロールIC8aを有している。このコントロールIC8aは、抵抗R1,R2にて取り出される出力側の電圧が低下した場合に、パルス信号を、スイッチ回路としてのトランジスタTr1に出力する。このパルス信号により、トランジスタTr1は、周期的にオン・オフし、DC/DCコンバータ8はいわゆるブーストコンバータ回路として機能して、出力コンデンサC1側を70Vまで昇圧する。したがって、DC/DCコンバータ8は、レーザ発光回路4に設けられているレーザダイオードLDの点灯用電源となる。そして、制御回路18が必要に応じて発光信号を出力すると、レーザダイオードLDのスイッチ回路であるトランジスタTr2がオンし、レーザダイオードLDが点灯して、レーザ発光回路4から前方車両Mにレーザ光が出射される。
【0024】
また、DC/DCコンバータ8には、トランジスタTr3を主体とするスイッチ回路8bが設けられている。制御回路18からのプレトリガ信号PRE−TRIGが出力されると、トランジスタTr3がオンとなって、コントロールIC8aからトランジスタTr1へ出力されるパルス信号が無効となるので、トランジスタTr1はスイッチング動作を行わなくなる。したがって、出力コンデンサC1には70Vの高電圧によるエネルギーは供給されなくなる。
【0025】
ただし、出力コンデンサC1およびレーザ発光回路4側のコンデンサC2に蓄積されたエネルギーにより、しばらくはレーザ発光回路4側にレーザダイオードLDが点灯する程度の高電圧エネルギーは供給することはできる。
次に、制御回路18において行われる上述した反射光による実際の計測処理および疑似信号による内部回路の信号伝搬遅延時間Tdの計測処理について、図3のフローチャートおよび図4のタイミングチャートに基づいて説明する。
【0026】
まず、距離計測装置2の各種構成の初期状態設定や制御回路18内のメモリの初期値設定等の初期化処理が行われる(S110)。次に、例えば1msecの周期で行われる計測周期か否かが判定される(S120)。計測周期でなければ(S120で「NO」)、次に学習周期か否かが判定される(S130)。ここで学習とは、前述したAGC増幅回路10およびSTC増幅回路12における信号伝搬遅延時間Tdおよび高感度で安定した計測のためAGC増幅回路10における上限利得AGC値を測定して記憶する処理である。この学習周期は、計測周期よりも長い周期、例えば100msecで行われる。学習周期でなければ、再度、ステップS120の処理に戻る。
【0027】
なお、計測処理の開始時には、学習を優先的に行っても良く、その場合にはステップS120で「YES」と判定されるよりも先にステップS130で「YES」と判定される。したがって、学習周期であるとして、次に、内部回路(AGC増幅回路10およびSTC増幅回路12)の信号伝搬遅延時間Tdの計測処理が行われる(S140)。すなわち、前述したごとく、制御回路18から発光信号を計測用カウンタ14に送信すると同時に、微分回路16にも疑似信号を出力させる指示を行う。
【0028】
このことにより計測用カウンタ14において、発光信号受信から疑似信号受信までの時間が測定される。この時間は、AGC増幅回路10およびSTC増幅回路12による信号伝搬遅延時間Tdである。なお、この疑似信号による計測の際に、DC/DCコンバータ8のスイッチング動作によりノイズが影響するのを防止するために、制御回路18からプレトリガ信号PRE−TRIGを出力してトランジスタTr1のスイッチング動作を停止する。
【0029】
更に、AGC増幅回路10における上限利得(AGC値)を測定して記憶する学習処理を行い(S150)、次に、計測結果を表示する(S160)。ただし、最初は、前方車両Mを計測したデータは存在していないので、ステップS160では何も行わずに、ステップS120の処理に戻る。
【0030】
そして、測定周期となると(S120で「YES」)、まず、プレトリガ信号PRE−TRIGが制御回路18からDC/DCコンバータ8へ出力される(S170)。このことにより、DC/DCコンバータ8のスイッチ回路8bがオンとなって、コントロールIC8aが周期的に出力しているパルス信号が無効となり、トランジスタTr1のスイッチング動作が停止する(図4の時刻T10)。すなわち、制御回路18は、スイッチング動作を行わせるパルス信号が、スイッチング制御回路であるコントロールIC8aからスイッチ回路8bへ伝達されるのを阻止する。
【0031】
したがって、スイッチング動作(特にオフのスイッチング動作)に伴ってDC/DCコンバータ8から発生する電磁ノイズが停止する。このことにより、受光センサ6側の増幅回路であるAGC増幅回路10およびSTC増幅回路12にノイズが侵入するのを防止できる。
【0032】
なお、前述したごとく、トランジスタTr1のスイッチング動作が停止しても、DC/DCコンバータ8の出力コンデンサC1およびレーザ発光回路4側のコンデンサC2に電力が蓄積されているので、以後行われる計測も可能である。なお、コンデンサC1,C2には、複数回計測できるほどの電気エネルギーが存在する。
【0033】
次にAGC増幅回路10の利得を既にステップS150で得られている上限利得(AGC値)の範囲に設定する(S180)。次に発光信号を制御回路18からレーザ発光回路4に出力し(S190)、レーザダイオードLDを発光させる(T11)。このとき、発光信号は計測用カウンタ14にも入力されて計測用カウンタ14のカウントが開始される。
【0034】
次に、制御回路18は、計測用カウンタ14が受光センサ6からの受光信号を受信したことにより停止すると(T12)、その計測用カウンタ14のカウント値を読み込み、制御回路18内のRAMへ格納する(S200)。
こうして計測期間が終了する(T13)と、次に、制御回路18からDC/DCコンバータ8へ継続して出力していたプレトリガ信号PRE−TRIGを停止する(S210)。このことにより、コントロールIC8aのパルス出力が有効となり、トランジスタTr1がオン・オフを繰り返し始めることにより、出力コンデンサC1側に高電圧が供給され始める(T14)。
【0035】
以後、ステップS130,S120の処理を繰り返して、再度、計測周期となれば(S120で「YES」)、プレトリガ信号PRE−TRIGを出力してトランジスタTr1のスイッチング動作を停止させ(T15)、上述した処理を繰り返して計測用カウンタ14のカウント値を得て、制御回路18内のRAMへ格納する(S200)。そして、トランジスタTr1のスイッチング動作を再開させる(S210:T18)。以後、計測周期となる毎にステップS170〜S210の処理を繰り返す。
【0036】
本距離計測装置2は、前方をレーザ光にてスキャンするタイプであるので、1ラインのスキャンあるいは1画面のスキャン分のカウント値を記憶し、学習周期の際に、図示していない液晶ディスプレイにその計測結果を、数値や画像として表示したり、他のシステムに計測結果を送信する。
【0037】
すなわち、学習周期であると判定されると(S130で「YES」)、前述した信号伝搬遅延時間Tdの計測処理(S140)およびAGC増幅回路10の上限利得(AGC値)を学習(S150)した後、信号伝搬遅延時間Tdと計測用カウンタ14にて計測されたカウント値Tmとに基づいて換算して、前方車両Mまでの距離を求め、液晶ディスプレイ等に表示したり、他のシステムに送信したりする(S160)。
【0038】
この換算処理は、学習周期と学習周期との間に蓄積した計測用カウンタ14のカウント値Tm(レーザの出射から受光までの時間を表す)から、次式のごとく、信号伝搬遅延時間Tdを差し引いて補正時間Tを得る。
【0039】
【数1】
Figure 0003690029
【0040】
そしてこの補正時間Tと光速とに基づいて、前方車両Mまでの距離を計算する。
本実施の形態1は、レーザ光を出射してその反射光を受光するための計測期間は、DC/DCコンバータ8のスイッチング動作を停止させているので、ノイズが受光信号として誤検出されることはなく、正確に出射から受光までの時間Tmをカウントでき前方車両Mまでの距離を正確に求めることができる。しかも、AGC増幅回路10とSTC増幅回路12との信号伝搬遅延時間Tdを学習して、距離計算時に時間Tmから、信号伝搬遅延時間Td分を差し引いた補正時間Tに基づいて距離を求めているので、温度変化等により信号伝搬遅延時間Tdが変化しても常に正確な距離を求めることができる。
【0041】
そして、DC/DCコンバータ8のスイッチング動作のオン・オフ操作は、簡単なスイッチ回路8bを設けるのみで可能であることから、回路的にはほとんど増加することがなく、装置の大型化やコストアップをほとんど招かない。
なお、スイッチ回路8bを用いずに、図2に破線で示すごとく、制御回路18から直接、コントロールIC8aを制御して、計測期間中は、コントロールIC8aからトランジスタTr1へ周期的に出力されるパルス信号を禁止させる構成とすれば、スイッチ回路8bも不要となり、装置の大型化やコストアップを全く招かなくて済む。
【0044】
[実施の形態2]
図5に、実施の形態2の距離計測装置の内のDC/DCコンバータ258およびレーザ発光回路254部分の回路図を示す。レーザ発光回路254は実施の形態1のレーザ発光回路4と同じ構成であり、図5に記載した構成以外の構成は、図6に示す制御回路268における計測処理を除いて、実施の形態1の構成と同じである。
【0045】
実施の形態2のDC/DCコンバータ258が前記実施の形態1のDC/DCコンバータ8と異なる点は、トランジスタTr1をオン・オフ制御するためにコントロールIC258aから出力されているパルス信号がオンからオフに切り替わるタイミングを避けて、計測あるいは学習処理のタイミングを設定する点である。このために、DC/DCコンバータ258にはスイッチ回路8bが存在せず、コントロールIC258aからのパルス信号を制御回路268が検出している。
【0046】
この構成の基で、制御回路268は、図6のフローチャートに示す計測処理を行う。なお、制御状態を図7のタイミングチャートに示す。
処理が開始されると、距離計測装置の各種構成の初期状態設定や制御回路268内のメモリの初期値設定等の初期化処理が行われる(S310)。
【0047】
次に、DC/DCコンバータ258のトランジスタTr1がオンからオフに切り替わったか否かが、コントロールIC258aのパルス信号に基づいて判定される(S320)。トランジスタTr1がオンからオフに切り替わったタイミング以外であれば、既に測定され、計算されている距離データが存在すれば、その距離データを必要なシステムに送信し、あるいは、液晶ディスプレイに表示する(S330)。以後、ステップS320にて「NO」と判定される限り、ステップS330の処理を継続する。
【0048】
トランジスタTr1がオンからオフに切り替わったタイミングでは(S320で「YES」)、DC/DCコンバータ258から発生するノイズが低減するまで待つため、500nsec待機する(S340)。次に計測モードか学習モードかが判定される(S350)。例えば、計測モード99回につき、学習モードが1回行われる設定がなされている。
【0049】
計測処理の初期には、学習モードが行われる。したがって、AGC増幅回路10における上限利得(AGC値)を測定して記憶する学習処理を行い(S400)、次に、内部回路(AGC増幅回路10およびSTC増幅回路12)の信号伝搬遅延時間Tdの計測・学習処理が行われる(S410)。ステップS400は実施の形態1のステップS150と同じ処理であり、ステップS410は実施の形態1のステップS140と同じ処理である。
【0050】
こうして学習モードを終了すると、ステップS320の処理に戻り、コントロールIC258aのパルス信号に基づいてDC/DCコンバータ258のトランジスタTr1がオンからオフとなるタイミング待ちとなり、その間、ステップS330の処理が実行される。
【0051】
次に、トランジスタTr1がオンからオフとなるタイミングとなると(S320で「YES」:T21)、500nsec待って(S340)、ノイズが減衰するのを待ち、次に計測モードが実行される(S350)。
計測モードでは、まず、AGC増幅回路10の利得を既にステップS400で得られている上限利得(AGC値)の範囲に設定し(S355)、次に発光信号を制御回路268からレーザ発光回路254に出力し(S360)、レーザダイオードLDを発光させる(T22)。このとき、発光信号は計測用カウンタ14にも入力されて計測用カウンタ14のカウントが開始される。
【0052】
次に、制御回路268は、計測用カウンタ14が受光センサ6からの受光信号を受信したことにより停止すると(T23)、その計測用カウンタ14のカウント値Tmを読み込み、制御回路268内のRAMへ格納する(S370)。このことにより計測が終了する。
【0053】
次に、ステップS410にて学習されている内部回路の信号伝搬遅延時間Tdを、実施の形態1にて示した式のごとくカウント値Tmから減算して、カウント補正値(補正時間)Tを求める(S380)。
次に、このカウント補正値Tと光速とに基づいて、前方車両Mまでの距離dの算出を行う(S390)。
【0054】
コントロールIC258aからのパルス信号の周期は、例えば、30μsecであるので、DC/DCコンバータ258のトランジスタTr1がオンからオフとなるタイミングの周期も、30μsecである。そして、通常の測定では、レーザ光の出射から反射光の受光までの時間は、約1〜2μsecであるので、レーザ光の出射から反射光の受光までの期間に、トランジスタTr1がオンからオフへ切り替わるタイミングとなることはなく、DC/DCコンバータ258からのノイズが受光信号の代りに検出されるおそれはない。また、学習モードの場合の処理は計測モードの処理時間に比較して同等かそれ以下であるので、学習モードのステップS410での信号伝搬遅延時間の測定にもノイズの影響のおそれはない。
【0055】
本実施の形態2は、このように構成されているので、計測期間にDC/DCコンバータ258のスイッチング動作によるノイズが受信信号として誤って受信されることがないので、正確に前方車両Mまでの距離を計測することができる。また、図5に示すごとく、従来の構成に比較して回路的な増加はないので、装置の大型化やコストアップを招くことがない。
【0056】
なお、本実施の形態2におけるレーザ発光回路254がレーザ発光手段に該当し、受光センサ6、AGC増幅回路10およびSTC増幅回路12が受光手段に該当し、計測用カウンタ14および制御回路268が距離算出手段に該当し、制御回路268が重複禁止手段に該当し、DC/DCコンバータ258の構成がスイッチング動作により電源電圧を昇圧させるコンバータに該当し、制御回路268がスイッチング動作検出手段に該当する。
【0057】
制御回路268が行う処理の内で、ステップS320がスイッチング動作検出手段としての処理に該当し、ステップS320,S340が重複禁止手段としての処理に該当し、ステップS380,S390が距離算出手段としての処理に該当する。
【0058】
計測用カウンタ14、微分回路16および制御回路268が、伝搬遅延時間測定手段に該当し、制御回路268が遅延時間測定制御手段に該当する。制御回路268が行う処理の内で、ステップS410が伝搬遅延時間測定手段としての処理に該当し、ステップS350が遅延時間測定制御手段としての処理に該当する。
【0059】
コントロールIC258a以外のDC/DCコンバータ258が昇圧型チョッパ回路に該当し、コントロールIC258aがスイッチング制御回路に該当する。
[その他]
計測に影響する電磁ノイズが発生するのはDC/DCコンバータ8のトランジスタTr1のオフ時であり、オン時には発生しないことから、少なくともトランジスタTr1のオフ時と計測期間とが重ならなければ良い。したがって、前記実施の形態1において、トランジスタTr1のオンが計測期間に重ったとしても問題ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1としての車載用の距離計測装置の概略構成を表すブロック図である。
【図2】 実施の形態1におけるDC/DCコンバータおよびその周辺の回路図である。
【図3】 実施の形態1における計測処理のフローチャートである。
【図4】 実施の形態1における計測処理のタイミングチャートである。
【図5】 実施の形態2におけるDC/DCコンバータおよびその周辺の回路図である。
【図6】 実施の形態2における計測処理のフローチャートである。
【図7】 実施の形態2における計測処理のタイミングチャートである。
【図8】 従来例の計測処理のタイミングチャートである。
【符号の説明】
2…距離計測装置 4…レーザ発光回路 6…受光センサ
8…DC/DCコンバータ 8a…コントロールIC
8b…スイッチ回路 10…AGC増幅回路
12…STC増幅回路 14…計測用カウンタ 16…微分回路
18…制御回路 254…レーザ発光回路
258…DC/DCコンバータ 268…制御回路
258a…コントロールIC

Claims (4)

  1. スイッチング動作により電源電圧を昇圧させるコンバータを介して得られた高電圧電源にてレーザ光を発光させるレーザ発光手段と、
    前記レーザ発光手段から出射されたレーザ光が測定対象物にて反射されて来た光を受光する受光手段と、
    前記レーザ発光手段の発光タイミングから前記受光手段の受光タイミングまでの時間間隔を測定し、該時間間隔に基づいて、前記測定対象物までの距離を算出する距離算出手段と、
    を備えた距離計測装置であって、
    更に、
    前記コンバータの少なくともノイズが生じるスイッチング動作時と、前記レーザ発光手段の発光タイミングから前記受光手段の受光タイミングまでの期間との重複を禁止する重複禁止手段と、
    前記コンバータの少なくともノイズが生じるスイッチング動作を検出するスイッチング動作検出手段と、
    を備え、
    前記重複禁止手段は、前記レーザ発光手段の発光タイミングを制御することにより、前記レーザ発光手段の発光タイミングから前記受光手段の受光タイミングまでの期間を、前記スイッチング動作検出手段にて検出された前記コンバータの少なくともノイズが生じるスイッチング動作と次の少なくともノイズが生じるスイッチング動作との間に配置することを特徴とする距離計測装置。
  2. 前記コンバータは、
    負荷に対してスイッチ回路が並列に配置された昇圧型チョッパ回路と、
    前記スイッチ回路のオン・オフのスイッチング動作を周期的に行うスイッチング制御回路と、
    を備えたDC/DCコンバータであることを特徴とする請求項1記載の距離計測装置。
  3. 前記重複禁止手段は、前記スイッチング動作検出手段にて検出された少なくともノイズが生じるスイッチング動作が行われた後であって、前記コンバータにおける次の少なくともノイズが生じるスイッチング動作が行われる前に、前記レーザ発光手段の発光タイミングから前記受光手段の受光タイミングまでの期間が終了するタイミングで発光するように前記レーザ発光手段を制御することを特徴とする請求項1または2記載の距離計測装置。
  4. 更に、
    前記受光手段の内部回路の信号伝搬遅延時間を測定する伝搬遅延時間測定手段と、
    所定タイミングにて、前記距離算出手段による前記時間間隔の測定処理の代りに、前記伝搬遅延時間測定手段の処理を実行させる遅延時間測定制御手段と、
    を備え、
    前記距離算出手段は、前記レーザ発光手段の発光タイミングから前記受光手段の受光タイミングまでの時間間隔と前記伝搬遅延時間測定手段にて測定された信号伝搬遅延時間とに基づいて、前記測定対象物までの距離を算出することを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の距離計測装置。
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