JP3689947B2 - 冷却水系用スライム防止剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、冷却水系用スライム防止剤に関する。さらに詳しくは、本発明は、冷却水に添加することにより、藻類の発生及び繁殖と、バクテリアやカビ類の粘質物の生成を防ぎ、スライムを有効に防止することができる冷却水系用スライム防止剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
開放循環冷却水系では、熱交換器を通って温度が上昇した水は、冷却塔を通すことによって再冷却され、循環使用されている。開放循環冷却水系は、大気中から混入する塵埃や砂ぼこり、各種有機物などで汚れやすく微生物を主体とする汚れ(スライム)が発生しやすい状態となっている。特に、冷却塔の散水槽や充填材など光のあたる場所では、細胞内に葉緑素をもち、光のエネルギーを用いて炭酸同化作用を営む微生物である藻類が繁殖する。
冷却塔の散水槽や充填材で繁殖したスライムは、徐々に剥離して循環水中に懸濁し、熱交換器に運ばれて伝熱面に付着し、熱交換効率の低下を引き起こすのみならず、汚れの付着した伝熱面の下部で局部腐食を起こし、熱交換器に用いられる金属材料の寿命を著しく短くし、腐食が著しく進んだ場合には貫通に至り、多大な損失を与える。
藻類が繁殖すると、それにともなってバクテリアやカビ類が繁殖し、これらが菌体外に生成する粘質物の作用により土砂などの無機物を巻き込んでスライムが形成される。
これらのスライムを防止するため従来種々のスライムコントロール剤が用いられているが、藻類に効果があってもバクテリアやカビに効果がなかったり、バクテリアやカビに効果があっても藻類に効果がないため十分な処理効果が得られない場合が多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、冷却水に添加して藻類の発生及び繁殖と、バクテリア、カビ類の粘質物の生成を防ぎ、スライムを有効に防止することができる冷却水系用スライム防止剤を提供することを目的としてなされたものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するため、スライムが藻類やバクテリア、カビなどの微生物と土砂などの無機物によって構成されていることに着目し、藻類の発生の防止に効果のあるトリアジン化合物と、これと併用してバクテリアやカビなどが粘質物を生成するのを防止する作用のある素材について鋭意研究を重ねた結果、スライム防止に対して相乗効果を有する組合せを見いだし、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)(A)トリアジン化合物、並びに、(B)(b)アクリル酸単位、メタクリル酸単位、マレイン酸単位及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種の不飽和カルボン酸単位を有する重合体、並びに、(c)ホスホン酸若しくはその塩、より選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有し、前記トリアジン化合物が、一般式[1]又は一般式[2]で表される化合物であることを特徴とする冷却水系用スライム防止剤、
【化3】
(ただし、式中、R1及びR3は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2及びR4は、炭素数1〜4のアルキル基である。)
【化4】
(ただし、式中、R1及びR3は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2及びR4は、炭素数1〜4のアルキル基である。)
を提供するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のスライム防止剤は、トリアジン化合物を含有する。使用するトリアジン化合物は、藻類の発生及び繁殖を防止する効果を有するものであれば特に制限はなく、このようなトリアジン化合物としては一般式[1]で表される6−メチルチオ−s−トリアジン類及び一般式[2]で表される6−クロロ−s−トリアジン類などを挙げることができる。
【化5】
ただし、一般式[1]及び一般式[2]において、R1及びR3は、水素又は炭素数1〜4のアルキル基であり、R2及びR4は、炭素数1〜4のアルキル基である。一般式[1]で表されるトリアジン化合物としては、例えば、2−エチルアミノ−4−イソプロピルアミノ−6−メチルチオ−s−トリアジン、2−メチルアミノ−4−ジメチルアミノ−6−メチルチオ−s−トリアジン、2,4−ビスジメチルアミノ−6−メチルチオ−s−トリアジン、2−メチルアミノ−4−イソプロピルアミノ−6−メチルチオ−s−トリアジン、2−エチルアミノ−4−ジエチルアミノ−6−メチルチオ−s−トリアジン、2,4−ビスイソプロピルアミノ−6−メチルチオ−s−トリアジン、2,4−ビスジエチルアミノ−6−メチルチオ−s−トリアジンなどを挙げることができる。一般式[2]で表されるトリアジン化合物としては、例えば、2−エチルアミノ−4−ターシャリーブチル−6−クロロ−s−トリアジン、2−エチルアミノ−4−イソプロピルアミノ−6−クロロ−s−トリアジン、2,4−ビスエチルアミノ−6−クロロ−s−トリアジンなどを挙げることができる。
本発明のスライム防止剤は、(A)成分であるトリアジン化合物に加え、(B)成分として、(a)ベンゾイソチアゾロン化合物若しくはブロモニトロアルコール化合物、(b)アクリル酸単位、メタクリル酸単位、マレイン酸単位及びこれらの塩から選ばれた少なくとも1種の不飽和カルボン酸単位を有する重合体、及び、(c)ホスホン酸若しくはその塩、より選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有する。本発明のスライム防止剤は、(A)成分であるトリアジン化合物に、(B)成分として、(a)成分、(b)成分、又は(c)成分の1種を組み合わせて用いることができ、(a)成分と(b)成分、(b)成分と(c)成分、又は(c)成分と(a)成分の2種を組み合わせて用いることができ、あるいは、(a)成分と(b)成分と(c)成分の3種を組み合わせて用いることができる。
【0006】
本発明のスライム防止剤に使用する(a)成分のベンゾイソチアゾロン化合物としては、一般式[3]
【化6】
(ただし、式中、R5は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。)
で表されるベンゾイソチアゾロン又はその低級アルキル置換体を挙げることができる。一般式[3]で表される化合物としては、例えば、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−2−メチル−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−2−エチル−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−2−イソプロピル−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−2−n−プロピル−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−2−ブチル−3−オン、1,2−ベンゾイソチアゾリン−2−ペンチル−3−オンなどを挙げることができる。これらの化合物は、1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのベンゾイソチアゾロンやその低級アルキル置換体を液体の状態で使用するには、アルカリ金属の水酸化物、好ましくは水酸化カリウムを用いてスライム防止剤のpHを9以上とすることが好ましい。
【0007】
本発明のスライム防止剤に使用する他の(a)成分のブロモニトロアルコール化合物としては、一般式[4]
【化7】
(ただし、式中、R6及びR7は炭素数1〜5のアルキレン基であり、それらはたがいに同一でも異なっていてもよい。)
で表される化合物を挙げることができる。一般式[4]で表されるブロモニトロアルコール化合物としては、例えば、2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール、2−ブロモ−2−ニトロブタン−1,4−ジオール、2−ブロモ−2−ニトロペンタン−1,5−ジオール、3−ブロモ−3−ニトロペンタン−1,5−ジオール、2−ブロモ−2−ニトロヘキサン−1,6−ジオール、3−ブロモ−3−ニトロヘキサン−1,6−ジオール、2−ブロモ−2−ニトロヘプタン−1,7−ジオール、3−ブロモ−3−ニトロヘプタン−1,7−ジオール、4−ブロモ−4−ニトロヘプタン−1,7−ジオールなどを挙げることができる。これらの化合物は1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることができる。ブロモニトロアルコール化合物を含有するスライム防止剤は、安定化のためにpHを5以下とすることが好ましい。
本発明のスライム防止剤の(a)成分としては、ベンゾイソチアゾロン化合物のみを用いることができ、ブロモニトロアルコール化合物のみを用いることができ、あるいは、ベンゾイソチアゾロン化合物とブロモニトロアルコール化合物を組み合わせて用いることができる。
【0008】
本発明のスライム防止剤に使用する(b)成分としては、アクリル酸単位、メタクリル酸単位、マレイン酸単位及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種の不飽和カルボン酸単位を有する重合体を挙げることができる。このような不飽和カルボン酸系重合体としては、1種の不飽和カルボン酸単位のみからなる単独重合体を用いることができ、2種以上の不飽和カルボン酸単位を有する共重合体を用いることができ、さらに、1種又は2種以上の不飽和カルボン酸単位と他の単量体単位を有する共重合体を用いることができる。本発明のスライム防止剤においては、(b)成分の不飽和カルボン酸系重合体は1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の(b)成分である不飽和カルボン酸系重合体を与える原料単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、これらの不飽和カルボン酸の塩、例えば、ナトリウム塩やカリウム塩などのアルカリ金属塩、さらには無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸の無水物などを挙げることができる。これらの単量体は単独で重合してもよいし、2種以上を共重合してもよく、また、該単量体1種以上とその他の共重合可能な不飽和化合物1種以上とを共重合させてもよい。他の共重合可能な不飽和化合物としては、例えば、不飽和アルコール、不飽和カルボン酸エステル、アルケン、スルホン基含有単量体などを挙げることができる。不飽和アルコールとしては、例えば、アリルアルコール、メタリルアルコールなどの炭素数4以下のものを好ましく挙げることができる。不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシルエチルなどの炭素数6以下のものを好ましく挙げることができる。アルケンとしては、例えば、イソブチレン、n−ブチレン、ジイソブチレン、ペンテンなどの炭素数8以下のものを好ましく挙げることができる。スルホン基含有単量体としては、例えば、ビニルスルホン酸、2−ヒドロキシ−3−アリルオキシ−1−プロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸などを挙げることができる。これらの不飽和化合物は1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0009】
本発明のスライム防止剤に使用する(c)成分のホスホン酸又はその塩としては、例えば、式[5]で表される1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、式[6]で表される2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸などのホスホン酸およびそれらの塩を挙げることができる。
【化8】
ホスホン酸の塩としては、例えば、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩などを挙げることができる。ホスホン酸の塩は、酸の特性成分である水素が完全に置換された正塩であってもよく、酸成分の水素の一部が残っている酸性塩であってもよい。これらのホスホン酸及びその塩は、1種を単独で用いることができ、2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明のスライム防止剤における(A)成分と(B)成分の配合割合は、使用する水質によって適当に選択することができるが、通常は、(A)成分:(B)成分が重量比で1:9〜9:1、好ましくは3:7〜7:3の範囲で選ばれる。
本発明のスライム防止剤の使用に当たっては、必要ならば予め溶媒により希釈したのち、用水中に通常0.5mg/リットル以上の濃度になるよう、好ましくは1〜40mg/リットルの濃度になるよう連続的又は間欠的に注入して使用することができる。
【0010】
【実施例】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
参考例1
図1は、本実施例に使用した試験装置の斜視図である。容積30リットルのダイライトタンク1の上に、透明アクリル樹脂製のモデル冷却塔2を置き、冷却塔下部に、取り外し可能な寸法300mm×150mm×10mmのラワン材製のテストボード3を取り付けた。このテストボードには光が当たるようになっている。
第1表に示す水質の下水処理水20リットルをダイライトタンクに入れ、2−エチルアミノ−4−イソプロピルアミノ−6−メチルチオ−s−トリアジン[(A)成分]と、1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン[(a)成分]の重量比1:1の混合物よりなるスライム防止剤を濃度が5mg/リットルになるよう添加した。ポンプ4を用いて水を毎分1リットルの速度でモデル冷却塔の散水板5に導き、散水板に開けられた孔から水をテストボードに落下させ、テストボードに落下した水はパイプ6を通してダイライトタンクに戻した。微生物が繁殖しやすいように、水温は30℃に維持した。
【0011】
【表1】
【0012】
微生物の繁殖を促進するため、グルコースとイーストエキスの重量比1:1の混合物を毎日1回BODとして25mg/リットルを添加し、同時に脱イオン水を加えて蒸発による水の損失を補い、水量を20リットルに保った。試験期間1カ月でテストボードを取り外し、テストボードの上面(表面積450cm2)に付着しているスライムを全量採取し、60℃で1日間乾燥後重量を測定したところ、30mgであった。
比較例1
参考例1に用いたものと同じ構造の試験装置と同じ下水処理水を用い、下水処理水にスライム防止剤を加えないこと以外は、参考例1と同時に並行して、参考例1と全く同じ操作を行った。試験期間1カ月後のテストボードに付着したスライムの乾燥重量は1,185mgであった。参考例1のスライム付着量30mgは、比較例1のスライム付着量1,185mgの2.5重量%に相当し、これより参考例1におけるスライム防止率は97.5%と求められる。
参考例2〜4
参考例1に用いたものと同じ構造の試験装置と同じ下水処理水を用い、下水処理水に第2表に示すスライム防止剤を加えたこと以外は、参考例1と同時に並行して、参考例1と全く同じ操作を行った。スライム付着量及びスライム防止率を第2表に示す。
比較例2
参考例1に用いたものと同じ構造の試験装置と同じ下水処理水を用い、下水処理水にスライム防止剤として2−エチルアミノ−4−イソプロピルアミノ−6−メチルチオ−s−トリアジン[(A)成分]を濃度が5mg/リットルになるよう添加したこと以外は、参考例1と同時に並行して、参考例1と全く同じ操作を行った。スライム付着量は675mgであり、スライム防止率は43.0%であった。
比較例3
スライム防止剤として2−エチルアミノ−4−ターシャリーブチルアミノ−6−クロロ−s−トリアジン[(A)成分]を用いた以外は、比較例2と全く同じ操作を行った。スライム付着量は563mgであり、スライム防止率は52.5%であった。
比較例4
スライム防止剤として1,2−ベンゾイソチアゾリン−3−オン[(a)成分]を用いた以外は、比較例2と全く同じ操作を行った。スライム付着量は425mgであり、スライム防止率は64.1%であった。
比較例5
スライム防止剤として2−ブロモ−2−ニトロプロパン−1,3−ジオール[(a)成分]を用いた以外は、比較例2と全く同じ操作を行った。スライム付着量は450mgであり、スライム防止率は62.0%であった。
【0013】
【表2】
【0014】
【表3】
【0015】
(A)成分と(a)成分からなる本発明のスライム防止剤を使用した参考例1〜4においては、いずれもスライム防止率が97%以上に達し、優れたスライム防止効果が得られているのに対して、(A)成分のみを使用した比較例2〜3及び(a)成分のみを使用した比較例4〜5では、参考例1〜4と同じ濃度の薬剤を添加しているにもかかわらずスライム防止率が低く、この結果から(A)成分と(a)成分の併用により相乗効果が発現していることが分かる。
実施例5
参考例1に用いたものと同じ構造の試験装置と同じ下水処理水を用い、下水処理水にスライム防止剤として2−エチルアミノ−4−イソプロピルアミノ−6−メチルチオ−s−トリアジン[(A)成分]と、ポリマレイン酸[(b)成分]の重量比1:1の混合物よりなるスライム防止剤を濃度が5mg/リットルになるよう添加したこと以外は、参考例1と同時に並行して、参考例1と全く同じ操作を行った。スライム付着量は150mgであり、スライム防止率は87.3%であった。
実施例6〜8
参考例1に用いたものと同じ構造の試験装置等同じ下水処理水を用い、下水処理水に第3表に示すスライム防止剤を加えたこと以外は、参考例1と同時に並行して、参考例1と全く同じ操作を行った。スライム付着量及びスライム防止率を第3表に示す。
比較例6〜7
参考例1に用いたものと同じ構造の試験装置と同じ下水処理水を用い、下水処理水に第3表に示す(b)成分のみからなるスライム防止剤を加えたこと以外は、参考例1と同時に並行して、参考例1と全く同じ操作を行った。スライム付着量及びスライム防止率を第3表に示す。
【0016】
【表4】
【0017】
(A)成分と(b)成分からなる本発明のスライム防止剤を使用した実施例5〜8においては、いずれもスライム防止率が87%以上に達し、優れたスライム防止効果が得られているのに対して、(b)成分のみを使用した比較例6〜7では、実施例5〜8と同じ濃度の薬剤を添加しているにもかかわらずスライム防止率が低く、この結果から(A)成分と(b)成分の併用により相乗効果が発現していることが分かる。
実施例9
参考例1に用いたものと同じ構造の試験装置と同じ下水処理水を用い、下水処理水にスライム防止剤として2−エチルアミノ−4−イソプロピルアミノ−6−メチルチオ−s−トリアジン[(A)成分]と、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸[(c)成分]の重量比1:1の混合物よりなるスライム防止剤を濃度が5mg/リットルになるよう添加したこと以外は、参考例1と同時に並行して、参考例1と全く同じ操作を行った。スライム付着量は126mgであり、スライム防止率は89.4%であった。
実施例10〜12
参考例1に用いたものと同じ構造の試験装置と同じ下水処理水を用い、下水処理水に第4表に示すスライム防止剤を加えたこと以外は、参考例1と同時に並行して、参考例1と全く同じ操作を行った。スライム付着量及びスライム防止率を第4表に示す。
比較例8〜9
参考例1に用いたものと同じ構造の試験装置と同じ下水処理水を用い、下水処理水に第4表に示す(c)成分のみからなるスライム防止剤を加えたこと以外は、参考例1と同時に並行して、参考例1と全く同じ操作を行った。スライム付着量及びスライム防止率を第4表に示す。
【0018】
【表5】
【0019】
(A)成分と(c)成分からなる本発明のスライム防止剤を使用した実施例9〜12においては、いずれもスライム防止率が85%以上に達し、優れたスライム防止効果が得られているのに対して、(c)成分のみを使用した比較例8〜9では、実施例9〜12と同じ濃度の薬剤を添加しているにもかかわらずスライム防止率が低く、この結果から(A)成分と(c)成分の併用により相乗効果が発現していることが分かる。
実施例13
参考例1に用いたものと同じ構造の試験装置と同じ下水処理水を用い、下水処理水にスライム防止剤として2−エチルアミノ−4−ターシャリーブチルアミノ−6−クロロ−s−トリアジン[(A)成分]、1 , 2−ベンゾチアゾリン−3−オン[(a)成分]及びポリマレイン酸[(b)成分]の重量比1:0.5:0.5の混合物よりなるスライム防止剤を濃度が5mg/リットルになるよう添加したこと以外は、参考例1と同時に並行して、参考例1と全く同じ操作を行った。スライム付着量は104mgであり、スライム防止率は91.2%であった。
実施例14
参考例1に用いたものと同じ構造の試験装置と同じ下水処理水を用い、下水処理水にスライム防止剤として2−エチルアミノ−4−ターシャリーブチルアミノ−6−クロロ−s−トリアジン[(A)成分]、ポリマレイン酸[(b)成分]及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸[(c)成分]の重量比1:0.5:0.5の混合物よりなるスライム防止剤を濃度が5mg/リットルになるよう添加したこと以外は、参考例1と同時に並行して、参考例1と全く同じ操作を行った。スライム付着量は148mgであり、スライム防止率は87.5%であった。
実施例15
参考例1に用いたものと同じ構造の試験装置と同じ下水処理水を用い、下水処理水にスライム防止剤として2−エチルアミノ−4−ターシャリーブチルアミノ−6−クロロ−s−トリアジン[(A)成分]、1 , 2−ベンゾチアゾリン−3−オン[(a)成分]及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸[(c)成分]の重量比1:0.5:0.5の混合物よりなるスライム防止剤を濃度が5mg/リットルになるよう添加したこと以外は、参考例1と同時に並行して、参考例1と全く同じ操作を行った。スライム付着量は89mgであり、スライム防止率は92.5%であった。
実施例16
参考例1に用いたものと同じ構造の試験装置と同じ下水処理水を用い、下水処理水にスライム防止剤として2−エチルアミノ−4−ターシャリーブチルアミノ−6−クロロ−s−トリアジン[(A)成分]、1 , 2−ベンゾチアゾリン−3−オン[(a)成分]、ポリマレイン酸[(b)成分]及び1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸[(c)成分]の重量比1:0.4:0.3:0.3の混合物よりなるスライム防止剤を濃度が5mg/リットルになるよう添加したこと以外は、参考例1と同時に並行して、参考例1と全く同じ操作を行った。スライム付着量は134mgであり、スライム防止率は88.7%であった。
【0020】
【表6】
【0021】
実施例13〜16の結果より、(A)成分に、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の中の2種を配合したスライム防止剤を使用した場合も、(A)成分に、(a)成分、(b)成分及び(c)成分のすべてを配合したスライム防止剤を使用した場合も、いずれもスライム防止率が88%以上に達し、優れたスライム防止効果が得られている。この結果から(A)成分とともに、(a)成分、(b)成分及び(c)成分の中の2種又は3種すべてを使用した場合も、相乗効果が発現していることが分かる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の冷却水系用スライム防止剤を冷却水に添加することにより、藻類の発生及び繁殖と、バクテリアやカビ類の粘質物の生成を防ぎ、スライムを有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例に使用した試験装置の斜視図である。
【符号の説明】
1 ダイライトタンク
2 モデル冷却塔
3 テストボード
4 ポンプ
5 散水板
6 パイプ
Claims (1)
- (A)トリアジン化合物、並びに、(B)(b)アクリル酸単位、メタクリル酸単位、マレイン酸単位及びこれらの塩から選ばれる少なくとも1種の不飽和カルボン酸単位を有する重合体、並びに、(c)ホスホン酸若しくはその塩、より選ばれる1種又は2種以上の化合物を含有し、前記トリアジン化合物が、一般式[1]又は一般式[2]で表される化合物であることを特徴とする冷却水系用スライム防止剤。
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