JP3360075B2 - 浮遊型省エネ浄水機 - Google Patents

浮遊型省エネ浄水機

Info

Publication number
JP3360075B2
JP3360075B2 JP26176990A JP26176990A JP3360075B2 JP 3360075 B2 JP3360075 B2 JP 3360075B2 JP 26176990 A JP26176990 A JP 26176990A JP 26176990 A JP26176990 A JP 26176990A JP 3360075 B2 JP3360075 B2 JP 3360075B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
water
flow
blade
spread
power
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP26176990A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH04141300A (ja
Inventor
宏哉 稲葉
Original Assignee
有限会社センサ研究所
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=17366442&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP3360075(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by 有限会社センサ研究所 filed Critical 有限会社センサ研究所
Priority to JP26176990A priority Critical patent/JP3360075B2/ja
Publication of JPH04141300A publication Critical patent/JPH04141300A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3360075B2 publication Critical patent/JP3360075B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/10Biological treatment of water, waste water, or sewage
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W10/00Technologies for wastewater treatment
    • Y02W10/30Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies
    • Y02W10/37Wastewater or sewage treatment systems using renewable energies using solar energy

Landscapes

  • Biological Treatment Of Waste Water (AREA)
  • Aeration Devices For Treatment Of Activated Polluted Sludge (AREA)
  • Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 池の水を透明にしたい。他の底の腐敗を防いで悪臭を
無くしたい。アオコの発生を防ぎたいがどうすればよい
のか。打つ手がない。これは最近よく聞く話である。小
さい庭池の水や産業廃水のように、少量の水の場合は従
来法でどうにかなるが、広い養殖池や公園の景観池、ダ
ム、湖沼、入り海の水の浄化となると話は別である。
例えば、面積が数十万平方メートルで水深数十メート
ルもあるダムの腐敗を防ぐには、水を耕して縦方向の流
れを起こし、水面と水底の温度差を無くしてダム全体に
酸素が行き渡るようにしなければならない。が、これが
出来るほどの流体機械はまだ開発されていない。ポン
プ、水車、噴流式曝気装置、水に空気を吹き込むエア曝
気装置など、どれもこれも似たり寄ったりで、水の流れ
を起こすのに膨大な電力が要求される。消費される電力
の面で、従来法には無理があった。
ダムに限らない。公園の景観池、農業の潅漑用池など
についても浄化の試みはいろいろなされて来た。しか
し、池の場合も今一つで成功した例はまだ無い。水を乱
暴に跳ね上げたり、細かい気泡を水に吹き込んだり、水
に強い衝撃を加えて、水中の微生物のフロックを大電力
で破壊してしまう。水に酸素を供給することしか考えな
いこうしたやり方に、効果が得られない最大の原因があ
った。
微生物のフロックは植物性プランクトンや動物性プラ
ンクトンなどが太陽の紫外線の働きで凝集して生じたも
のである。水の浄化剤のようなもので、太陽の光を受け
て酸素を生産し、水中の溶存酸素を増やしているのがこ
のフロックである。水中の虫や小魚、稚魚を育てる餌に
もなるこの貴重なフロックを、粉々に砕いて雑菌を水に
撒き散らし、強い振動による超音波風呂の効果で魚介類
の保護膜を洗い流して雑菌の感染を助長し、魚病を招い
て生態系を破壊していたのがこれまでのやり方であっ
た。酸素は水面を吹く風と太陽と植物性プランクトン
で、水に十分供給されているものである。その自然の力
を無視して、電力で強制的に水を跳ね上げ、自然が保有
する自浄のメカニズムを狂わすようなことを従来法は行
なっていたのである。
また、流れを速くすると、その流速の3乗に比例した
電力が消費される計算である。そのため、大電力を投入
しても、跳ね上がるのは水面の一部だけで、流れは水の
底まで及ばない。底の水はいつまでも底に停滞していて
酸素の欠乏状態に陥り、腐敗と悪臭の問題は解消されな
いままの状態である。
池、ダム、湖沼、入り海の汚れと富栄養化の対策が問
われ、土木工事と設備と電力などに大変な費用を投じて
いろいろ手を尽くして来た。しかし何をやってもだめ、
打つ手が無い、とあきらめて何も出来ないでいるのが実
状である。あれもこれもと、膨大な費用をかけて、技術
に技術を重ねる技術の足し算には限界がある。そうでは
ない。水と暮す人々の宿望は、シンプルで省エネで無駄
を省いた技術の引き算である。自然の力を引き出し、活
かして水を浄化する工夫である。
腐敗を招く悪さの根源は溜まり水にある。溜まり水で
酸素が水底まで行き渡らなくなると、水底が腐敗して魚
介類が育たない。すると、食物連鎖が円滑に行かなくな
り、浮遊性プランクトンが異常発生して水は濁る。光が
遮断され、光不足で水底が光合成の機能を失い、酸素が
生産されなくなって酸欠による腐敗に拍車がかかる。こ
れが池、湖沼、ダム、入り海の腐敗の構図であった。
ところが、地球は例外である。宇宙から見た地球は丸
い水槽で、地球の水はその水槽の溜まり水である。放置
しておけばダムのように腐敗して当然のはずだがそうな
らない。十数億年経過した今日でも地球の水は清く限り
なく透明である。
地球は何もしていない。ポンプで水を吹きあげて噴水
にもしていないし、水車を回して水を跳ね上げたり、厖
大な電力を投じてコンプレッサーで水に空気を吹き込む
などもしていない。水の浄化に必要な瀘材やバクテリア
は天然のものに頼り、ホルマリン、抗生物質の投入は論
外で、凝集剤のような薬剤を使用するなどの無駄は一切
なしである。
地球は、風で水面の水を静かに押し流して海底から深
層水を水面に導き、太陽と風に水を晒して水底に戻す循
環を行ない、ひたすら風で水を耕し続けて海を腐敗から
護りとおしてきた。太陽の光で植物性プランクトンを育
み、酸素を生産し、それで植物性プランクトンや魚介類
を育て、これらの生命体の作用で分解されて生じたアン
モニアや臭気などは、風の換気作用で水面から発散さ
せ、水中に浮遊する雑菌は太陽の紫外線の効果で排除し
て魚介類を丈夫に育て、食物連鎖を円滑にして水を浄化
してきたのである。地球が十数億年の永い年月を掛けて
立証し、教えて来たこの自浄の原理に学び、それを可能
にしたのが本発明の浮遊型省エネ浄水機である。
重要なのは水に酸素を吹き込むことではない。水を耕
して生態系を確立し、食物連鎖を円滑にするのが水の浄
化の基本である。広大な大海は風が水を耕しているので
その必要は無いが、湖沼、入り海の閉じた水域や深いダ
ム、池の場合は風に頼れない。人為的に水を耕す必要が
ある。それには、水に強い衝撃を加えないようにして
(1)わずかなエネルギーで(2)水面に広がる流れを
起こし(3)多量の水を水底から水面に導き、水底を這
うように流れる循環流を起こさねばならない。この三つ
の条件を満たす流れを作るのが本発明による水を耕す流
体機械である。
水面に放射状に広げて浮べた水掻き羽根を回し、風が
水面の水を運ぶように、羽根で静かに水を掻いて、水面
の水を回りに退して水面に広がる流れを起こせば、排除
された水面の水を埋めるように、水底の水はひとりでに
上昇して来て縦方向の流れが生じ、多量の水が省エネで
耕せるようになる。
これでどれほどの効果が期待出来るのか、先ず省エネ
の面から考えてみる。
この流れの循環水量Qと、1ワットあたりの循環水量
ηは次式で表わされる。Kとkは羽根の形で決まる定数
を意味する。
Q=K(ωR3) 〔m3/分〕 η=k{1/(ωR)} 〔m3/分W〕 Rは回転軸から水掻き羽根の先端までの距離で、羽根の
広がりを表わし、ωは羽根の回る速さを表わす角速度で
ある。
これによると、羽根を広げてRを大きくすれば、その
3乗で水量が増える。しかし、そうすると電力効率ηが
減少して水を耕すのに大きなパワーが消費されてしま
う。そこで、Rは広げたままにしておいて、羽根をゆっ
くり回し、(ωR)を小さくして電力効率を上げるよう
にする。つまり、羽根を広げてゆっくり回わせば、省エ
ネで多量の水が耕せるようになるのである。
例えば、羽根を広げてRを1mにして、ゆっくり回して
1分間に2回転にすると、電力効率は1.4〔m3/分W〕
で、1分間の循環水量Qは13〔m3/分〕にもなる。しか
も、これに要する電力はわずか9.3Wである。ところが、
従来の水を跳ね上げる方式では、羽根のRを0.23mにし
た場合、少なくとも、1分間に170回転羽根を回さねば
水は飛ばない。羽根をこのように速く回してRを小さく
すると、電力効率は0.0037〔m3/分W〕に落ちて、羽根
を広げてゆっくり回した場合の380倍、即ち3.5KWもの電
力が消費されることになる。“羽根を広げてゆっくり回
す”方法によれば、これだけの省エ効果が期待出来るの
である。
次に(2)の、水面を移動して行く流れの広がりを考
えてみる。
羽根の先端Rの所から流出して水面を広がる流れは、
角運動量が保存されるように流れる。Rの所での流れの
角速度をω、回転の中心からr離れた所のそれをωと
すると、流れの広がる距離rは次式で表わされる。
r=R(ω0/ω)1/2〔m〕 水の広がりは羽根の広がりRに比例して大きくなるこ
とをこの式は示している。
Rが1.74mの羽根を、水深10mのダムに浮かべ、50wの
モーターで毎分3回転で回し、毎分25m3の水を耕したと
ころ、水面と水底で3℃あったダムの温度差が無くな
り、上下一様化された。その水域は1万7千平方メート
ルで、流れの広がりは130mにも及んでいることが実測さ
れている。
最後に、(3)の羽根の広がりと水底を這うように移
動する流れとの関係である。
水底を這うように移動する流れは、水底の水が水面に
上昇しないと起こらない。上昇流を起こせば、その上昇
で水底に生じた空白を埋めるように、回りの底水がそこ
に集まり、水底には底を這うように流れて上昇点に収束
する流れが生じる。従って、まず上昇流を起こすのが先
決である。
ダムの底の水はダムの底から上の方向に高い圧力を受
けている。上に上がりたい状態にあるのだが上がれな
い。それはその上に他の水がおおいかかつているからで
ある。その上の水を退かせば、下の水はひとりでに上昇
して来る。この流れのメカニズムを数式にして描いたの
が2図の流線で、この流線で囲まれた、ラッパ状の目に
見えないパイプが流管である。2図はその流管の内部を
水が上昇して行く様子を表わしたものである。
この理論の理解を深めるために、この流管と同形のラ
ップ状のパイプをダムに立てたと仮定して思考実験して
みよう。パイプの縁は水面から突き出た状態で、水底の
部分は水が出入り出来るように開けたままにしておく。
このパイプ内の水をバケツで排除するとパイプ内の水面
は外部のそれより一瞬降下する。が、すぐに元に戻るは
ずである。これは、底水がパイプ内に流入しないと起こ
らない現象で、水面の水を排除すれば水底の水が一瞬に
して上昇することを教えたものである。つまり、パイプ
内の水面に羽根を広げて浮かべ、水を掻いて連続的にパ
イプの外に水を排除すれば、水は導かれてひとりでに上
昇してくるのを思考実験は教えているのである。
羽根を広げ、パイプの径を大きくすると、低流速で多
量の水が導けるようになる。パイプの内圧と外圧の差は
流速の2乗で大きくなるものであるが、羽根を広げて低
流速にすれば、内圧と外圧の差が無視出来るほど小さく
なり、パイプの壁を通して外から内部に水が押し込まれ
る現象は起こり得ない。パイプなしでも2図に描いた流
管通りに、底水だけが上昇すると考えられる。また、水
深に合わせて羽根を広げてパイプの径を大きくすれば、
それに比例した水深の所から多量の水を導びくことも可
能である。深さに制限はない。このことは理論的に立証
出来るのである。
水底の水を引き上げるのに大電力は要らない。水面方
向に水を退かすわずかなエネルギーがあれば十分であ
る。パイプを用いて力で水を引き上げる、従来の力任せ
の流体力学の盲点を衝いて構築された、この省エネの新
理論に基づいて本発明の省エネ浄水機は開発されたもの
である。
この省エネで水を耕して行なう浄水技術の一例とその
作用について、初めに1図を用いて説明する。これは水
の透明度が要求される景観池に浮かべた場合の例であ
る。先ず、池の水面(1)の方向に放射状に広げた起流
羽根(2)を浮べる。それをフロート(4)で浮べたモ
ーター(3)でゆっくり回して、その回転の中心から放
射状に流れる川を水面に作る。するとその流れは、空気
との接触により酸素を取り込み、水面を吹く風の換気効
果でアンモニアや臭気などを発散し、太陽の光を一杯に
受けながら方向を下向きに変え、池の底(6)を這うよ
うに流れてもとの回転の中心に戻り、再び上昇して循環
を繰り返す。流れの場の中にマット(5)が設けてある
のは水の透明化を図るためである。水がマットを通過し
て流れていると、これに着性型と葡蔔型のズーグレア細
菌集団が繁殖する。すると、これらの菌が分泌するスラ
イム(粘着性物質)で、濁りの原因である自由遊泳型微
生物や浮遊物などが凝集され、マットに付着して水は透
明になる。アオコなどのラン藻類も例外ではない。スラ
イムで凝集されて光合成の活動を失い、マットに付着し
てミジンコや魚介類の餌になり消滅してしまう。
ズーグレア菌は水を浄化する微生物の集まりである。
循環流で取り込まれた酸素や植物性プランクトンが生産
した酸素を活用し、水中の有機物を分解しながら増殖を
続ける。この過程でBODやCODなども除去され、水は次第
に浄化されていく。泡立ちは景観の面で嫌われるがこれ
も無くなる。
微生物の浄化作用が進めばマットに付着して繁殖する
微生物の量も次第に増えて層が厚くなる。これを除去す
るのが池に棲息する昆虫や魚介類である。水を太陽の紫
外線に晒すと浮遊している微生物はそれを嫌ってマット
に固く付着するようになる。するとそこにはワムシ、ゾ
ウリムシ、等のプランクトンが繁殖し、ミジンコ、アカ
ムシ等の大型微生物も増え始め、昆虫や小魚の餌になっ
て食されて消滅してしまう。日照りが続くと、川の石に
微生物が固く付着して、それをアユが好んで食べて成長
するのと同じ理屈である。
水底の腐敗が原因で悪臭やアオコが発生している深い
ダムや湖沼の場合は、景観池のような透明度は要求され
ない。それより問題なのは悪臭対策である。このような
場合は2図のようにマットを取り外し、深さに合わせて
羽根をもっと大きく広げて浮かべる。すると流線(7)
で囲まれたラッパ状の流管が水中に形成され、その中を
水は流れて上昇する。流れは深い水底まで及び、水底に
は底面を這うように移動する流れが生じる。
また羽根を広げるとそれに比例して、流れも水面方向
に広がり、水には酸素も太陽の光も一杯に取り込まれ、
風による換気効果で水から悪臭もアンモニアも発散して
しまう。浄化されたこの水が水底に戻り、水底(6)に
堆積しているヘドロ(8)の表面がこの水で洗われる
と、その表面は水を浄化するズーグレア菌の膜に変わ
る。微生物濾過床(9)のじゅうたんでヘドロが覆い包
まれると、腐敗の問題は解消されて悪臭もしなくなる。
また、水に浮遊している大腸菌など、雑菌類は太陽の
紫外線を嫌って濾過床の下に潜り込み、一部は紫外線の
作用で凝集して生じた動・植物性プランクトンのフロッ
クの中に潜伏して水中から消えて居なくなる。雑菌の感
染による病気の多発も無くなり、魚介類が丈夫に大きく
育つ環境が作り出される。
凝集して生じたフロックと水底に形成された微生物の
濾過床は、1図の微生物濾過マットと同じ働きをするも
ので、水をきれいにする微生物とプランクトンの集まり
である。これらの作用で水溶性有機物は酸化分解され、
水は次第に浄化されて光る。
水底の濾過床で盛んに生産されるプランクトンも水中
に分散しているフロックも水中の昆虫や小魚、稚魚を育
てる餌である。これが増えて、雑菌が排除され、きれい
に磨かれた水と、強い振動が加わらない静寂な環境が作
り出されると、生命がそこに蘇る。生態系が確立されて
食物連鎖が円滑になり、フロックは食されて次第に減少
していく。ヘドロも同様である。プランクトンに変換さ
れ、魚介類の餌になって消滅し、その活性化された状態
はいつまでも持続されていくのである。
羽根は浮かべてあるので水面を自由に動き回れる。3
図は本発明の実施例で、フロート付き起流羽根(4)に
駆動部(1)を載せたものである。池の中心部に支点
(3)を設けてアンカー(5)で流されないようにして
おいて、これと駆動部とを連結竿(2)で連結すると、
羽根が水を掻く力の反作用で、支点に対して起流羽根を
移動させる力のモーメントが現れる。この力の作用で起
流羽根は水を耕しながら惑星の公転運動のように、支点
を中心にして旋回して行く。支点と連結した竿の長さで
描いた円周上を静かに辿り、時を刻む時計の針のような
静かな運動で、広い範囲の水域を腐敗から護っていくの
である。
本発明の省エネ浄水機によれば、従来の浄水技術では
想像も出来ない、常識を遥かに超えた効果が期待出来
る。
起流羽根を水面に浮かべる方式なのでその直径はいく
らでも大きく広げられる。直径を8mまで広げて90wのモ
ーターで、毎分一回転の速さで回せば、毎分85m3もの水
が上昇し、これだけの水が水深30mの水底を這うように
流れる計算である。
ところが、力任せに水を飛ばして行なう従来の方式だ
とこうならない。水掻き羽根を広げないで多量の水を引
き上げるやり方をすると、どうしても流れが速くなる。
すると、水中に形成された流管の内圧と外圧の差はその
流速の2乗で高くなってしまう。例えば水を跳ね上げる
水掻き羽根の直径が、8m広げた羽根の1/10だとすると、
100倍の流速にしないと広げた羽根と同じ85m3の水量に
ならない。すると、流管を押し付ける外圧は羽根を広げ
た場合の1万倍にもなってしまう。これでは、外圧の作
用で水は横から押し込まれ、水底の水は上がって来な
い。深い所の水をポンプで引き上げるのにパイプが使用
されているのはそのためである。
問題はパイプを使用した場合の消費電力である。流速
を100倍にすると、その流れを作るのに消費される電力
は流速の3乗に比例して増加して100万倍にもなってし
まう。直径0.8mのパイプで、毎分85m3の水を引上げるの
に、90Wの100万倍、9万KWもの電力が必要とされるので
ある。
様々試みた。だがダムの温度差の壁は破れない。これ
はパイプで水を引上げる理論の限界を意味するものだっ
たのである。
だが本発明によればわずか90Wの電力で水を耕して、
水深30mの水底に、底を這うように移動する流れを起こ
すことが出来る。この流れで水底は活性化され、水底に
堆積したヘドロの表面は好気性菌のじゅうたんで覆い包
まれて雑菌もカビ臭も消えて無くなり、水の消毒や脱臭
に要する費用なども大幅に軽減される。放流水域の生態
系が破壊されることもない。漁業補償の心配も無くな
り、もたらす利益は甚大である。
可能性は無限である。羽根をもっと大きく広げて釣り
人が乗るいかだのようなものにすれば、海洋養殖場の浄
化も夢ではない。養殖すれば海が汚れる。これはこれま
での常識であった。しかしそれは間違いで、養殖を盛ん
にすれば海の浄化が進むのが本当である。海底が見えな
い深い所で、水と餌だけに頼ってする養殖は海底を腐敗
させ、結局ホルマリンや抗生物質など、薬剤に依存して
しまう。このような養殖はもう流行らない。薬剤の投入
は論外である。そうではない、本当の養殖は水を耕して
海底の活性化を図り、プランクトンを生産してエビを育
て、それを餌にしてタイやフグを育てることにある。
水を耕して太陽と風と海底で行なう食物連鎖を活かし
た養殖の技術革新、餌と薬に頼らない天然の養殖の夢を
本発明は実現して、養殖産業の明るい未来を拓くもので
ある。
水底が腐敗し、ヘドロとアオコと悪臭対策で困ってい
る湖沼なら、直径3.5mの起流羽根を60wのモーターで回
し、100m間隔で浮かべると10台で1分間に280m3の水が
耕せる。8万平方メートルの水底が水を浄化する微生物
の濾過床に変わり、プランクトンを生産する畑になっ
て、エルトンのピラミットの土台が形成されると、邪魔
物扱いのヘドロやアオコは、ワカサギ、エビ、シジミな
どの小魚や魚介類の稚魚を育てる貴重な資源に変わる。
食されて消えて無くなり、富栄養化で病む湖沼や入り海
は、逆に、宝の漁場として生まれ変るのである。
水鳥が飛来し、遊び、活性化されたその輝きは永久に
持続されて消えることは無い。
土木工事などの費用は一切要らない。起流羽根を大き
く広げて浮かべて静かに回すだけの簡単な方式である。
何処にでも、誰でも、子供、高齢者でも浮かべられる。
老人と云うとすぐ介護とか年金など、面倒見の話になっ
てしまうがそれは違う。六十半ばを過ぎた私達世代は宮
沢賢治を学び、おごらず、強く明るく生きてきた世代で
ある。技術があれば生きられる。ハイテクは若い人達の
もので向かないが、悠久なる大自然が相手の本発明の技
術は私達世代のものである。
雨にも負けず、風にも負けず、昔の中学生になってみ
んなで浮かべて水を耕せば、池や湖沼の水底は蛋白(プ
ランクトン)を生産する畑に変わる。この畑で蛋白を生
産する能率は、土を耕して大豆を植えて蛋白を合成する
農業のおよそ200倍だといわれている。土を耕すほどの
力もパワーも要らない。水を耕すわずかな力で蛋白が生
産出来るのである。
水掻き羽根の直径を2mに広げて浮べ、わずか蛍光灯二
本分の50Wの電力で、毎分5回転でゆっくり回して水を
耕せば、毎分11m3の水が水底を這うように流れ、2000m2
の水底が活性化されて畑に変わる。この畑で生産される
蛋白の量は、2000m2の200倍、つまり40ヘクタールの土
を耕して蛋白を合成する農業に匹敵するほどある。
漁業を農業に例えると、リンやヘドロは魚介類を育て
る肥料である。この大事な資源を活かさないで、ヘドロ
の浚渫工事、リンの除去対策など、デメリットな面に大
変な費用をかけているのが今日の湖沼浄化対策の実態で
ある。このような無駄はやめて、池や湖沼を蛋白の生産
の場として活用し、ワカサギ、シジミ、ウナギなどは食
用に、ボラやブラックバスなどは魚粉に加工して畜産の
飼料にするなど、貴重な蛋白源を生産しながら水資源を
守り、頼らないで、地域振興の力になり、余裕を取り戻
し、地域に根付いた文化と融合した生活を皆が営めるよ
うにしていくのが私達世代なのである。本発明の省エネ
浄水機は、水を耕し、池や湖沼、入り海と共に暮す人々
の文化を耕すものである。
流れる水は決して腐敗しない。流れて水は酸素と太陽
の光を吸収し、水底の腐敗を防いで微生物や魚介類を育
み、その生命の営みの作用で清澄な輝きを維持して来
た。この自浄の原理に学び、活かして、不可能とされて
来た広い池やダム、湖沼、入り海の浄化を省エネで行な
えるようにしたところに本発明の特徴がある。力任せの
流体力学の盲点を衝き、水面に流れを起こして底水を水
面に導く理論を構築し、徹底した技術の引き算で無駄を
省いたこの省エネ浄水機は、人知を超えた無双の浄水技
術を可能にするものである。
食物連鎖の円滑化による自浄の原理、水底から水を導
く新理論、桁外れの省エネ技術、どの点をもって判断し
ても、この発明は従来に全く例の無いものである。
【図面の簡単な説明】
図は本発明の実施例で、発明の方式を説明するための図
である。1図は透明度が要求される景観池に浮かべた状
態を側面から見た断面図で、2図は微生物濾過マットを
取り外してダムに適用した場合の断面図である。 (1)……水面、(6)……水底 (2)……モーター、(7)……流線 (3)……フロート、(8)……ヘドロ (4)……フロート付き起流羽根、(9)……微生物濾
過床 (5)……微生物濾過マット である。 3図は起流羽根が水を耕しながら、池の中央に設けた支
点を中心にして旋回移動して行くように構成された本発
明の実施例である。 (1)……駆動部、(4)……フロート付き起流羽根 (2)……連結竿 (3)……支点、(5)……アンカー

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水面に垂直に立てた回転軸から水面方向に
    放射状に伸ばして広げた羽根を水面に浮かべて回し、水
    面の水を跳ね上げることなく、羽根の回転の中心から放
    射状に流れる川を水面上に起こして水を浄化することを
    特徴とした浄水機。
JP26176990A 1990-09-28 1990-09-28 浮遊型省エネ浄水機 Expired - Fee Related JP3360075B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26176990A JP3360075B2 (ja) 1990-09-28 1990-09-28 浮遊型省エネ浄水機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP26176990A JP3360075B2 (ja) 1990-09-28 1990-09-28 浮遊型省エネ浄水機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH04141300A JPH04141300A (ja) 1992-05-14
JP3360075B2 true JP3360075B2 (ja) 2002-12-24

Family

ID=17366442

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP26176990A Expired - Fee Related JP3360075B2 (ja) 1990-09-28 1990-09-28 浮遊型省エネ浄水機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3360075B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015182076A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 佐々木 正志 広い池・湖沼・入り海の活性化を可能にした耕水機

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2738823B2 (ja) * 1995-05-16 1998-04-08 株式会社ダイセツ 炭ユニット並びに水質浄化装置及び水質浄化方法
CN100383063C (zh) * 2006-07-11 2008-04-23 赵万立 浮式节能耕水机性能参数的确定方法
US8011642B2 (en) * 2009-06-04 2011-09-06 RongFeng Tsai Cruising aerator
JP5922834B1 (ja) * 2015-12-03 2016-05-24 強 下山 養殖用旋回流気液混合装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015182076A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 佐々木 正志 広い池・湖沼・入り海の活性化を可能にした耕水機

Also Published As

Publication number Publication date
JPH04141300A (ja) 1992-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10982400B2 (en) Structure for an aquatic space and method for conserving large bodies of water
US5647983A (en) Aquarium system
CN103739082A (zh) 人工造流曝气耦合生物膜浮床净化富营养化水体的系统
WO2006121074A1 (ja) 水域浄化方法
US6158386A (en) Fluid treatment systems
CN102219302A (zh) 解层式水华消除方法
KR101950140B1 (ko) 미세버블을 이용한 회류식 바이오플락용 양식 수조
CN203748454U (zh) 广泛适用的生态高效循环流水养鱼系统
CN110372156A (zh) 一种水体生态自修复施工方法
CN109851163A (zh) 一种缓流小流域除藻控藻方法
JP3360075B2 (ja) 浮遊型省エネ浄水機
WO2000006504A1 (en) Clean water system and its structure
KR20140046578A (ko) 부유형 수질정화장치
KR20190070152A (ko) 나노 버블 및 마이크로 버블을 이용한 양식장 관리방법
KR101834375B1 (ko) 정체 수역 및 하천 복원 시스템
CN107555602A (zh) 一种微纳米气泡增氧活化的生态修复装置
CN109574302A (zh) 一种分区循环养殖方法及系统
CN109179863A (zh) 一种水产养殖排水综合处理系统
CN108623087A (zh) 一种不良水体和深水养殖治理的工艺
CN205803121U (zh) 一种浮岛流水聚藻控藻系统
JPH07284355A (ja) 養殖生簀のための海水濾過装置
CN1183827C (zh) 一种海珍品的环保养殖方法及其养殖设备
CN107897101B (zh) 一种虾菜轮作生态养殖塘
CN2903041Y (zh) 耕水机
JP6497847B2 (ja) 広い池・湖沼・入り海の活性化を可能にした耕水機

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees