JP3688462B2 - 情報処理装置及び方法並びに情報処理用プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

情報処理装置及び方法並びに情報処理用プログラムを記録した記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ネットワーク上に分散する情報をエージェントを使って処理する技術の改良にかかわるもので、より具体的には、モバイルエージェントとステーショナリエージェントとを状況に応じて動的に使い分けることで円滑に情報を処理するようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
〔エージェントシステム〕
従来から、コンピュータのネットワーク上に分散した情報を処理する技術として、エージェントシステムが知られている。エージェントとは、ソフトウェア上の処理単位であり、周囲の状況に応じて自律的に動作するものである。このエージェントは、ネットワークを構成するノード間で移動する能力を持つモバイルエージェントと、そのような移動の能力を持たないステーショナリエージェントに分けることができる。
【0003】
エージェントシステムは、このようなエージェントが利用者の要求を満たすために情報処理を行うシステムであり、特に、1つのシステム上で複数のエージェントを使えば、ネットワークのような分散システムでの情報処理を一層効率的に行うことができる。このように複数のエージェントを使うシステムはマルチエージェントシステムと呼ばれる。
【0004】
エージェントのうち、モバイルエージェントは、ネットワークを構成するノード上を必要に応じて移動することで情報収集などの処理を行い、ステーショナリエージェントは、契約ネットプロトコルなどの手続きを使って他のエージェントと協力することで情報処理を行う。なお、ノードとは、ネットワークを構成する論理的な単位であり、エージェントをプログラムとしてとらえた場合、エージェントの動作を支えるインタプリタやオペレーティングシステムの役割を果たす。このようなノードはプラットフォームとも呼び、一つのマシンすなわちコンピュータ上に複数存在し得る。
【0005】
〔エージェントシステムの例〕
次に、このようなエージェントシステムの一例を示す。すなわち、図19は、モバイルエージェントを使ったマルチエージェントシステムの一例として、本出願人が特願平9−176181で提案しているエージェントシステムの構成例を示す機能ブロック図である。この図に示すエージェントシステムは、複数のノード800をネットワーク800Nで接続したものであり、ノード800はシステム上に多数設けることができるが、図15では2つのノードを代表例として示している。そして、ノード800のうち、利用者がエージェント生成に使用するノードをローカルノード(800L)と呼び、生成されたエージェントが移動して行く先のノードをリモートノード(800R)と呼ぶ。
【0006】
このエージェントシステムにおいて、各ノード800は、利用者がエージェントを生成する操作を行なったり、エージェントが情報処理を行なった結果を受け取るための入出力手段803(L,R)を有する。また、各ノードのエージェント管理手段804(L,R)は、エージェントを生成したり、役割を終えたエージェントを消去する他、エージェントの情報を他のノードへ転送することによって、エージェントを他のノードへ移動させたり、他のノードから同様に移動してくるエージェントを受け入れる手段である。
【0007】
利用者は、このようなエージェントシステムを用いて何らかの情報処理を行ないたい場合、ローカルノード800Lにおいて、入出力手段803Lからエージェント管理手段804Lに指示を与えることによってエージェントを生成させる。
【0008】
そして、最も基本的な例を示せば、生成されたエージェントに対して、利用者が入出力手段803Lからスクリプトを与える。スクリプトは、エージェントの行動プログラムであり、どのノードへ移動し、どのような処理を行う、といった内容を具体的に記述したものである。スクリプトのより具体的な例としては、例えば、ノードAに移動してファイルaのコピーを利用者のノードに送信し、次にノードBに移動してファイルbのコピーを利用者のノードに送信し…といった内容が考えられる。そして、各ノードに備えられた解釈実行手段802(L,R)は、このようなスクリプトを実行することによってエージェントを活動させ、これによって目的とする情報処理を実現する。
【0009】
この場合、各ノードに備えられたエージェント情報記憶手段801(L,R)が、エージェントに必要な情報を記憶する。エージェントに必要な情報は、例えば、前記のスクリプトのほか、スクリプトの解釈実行に必要な各変数(スクリプト変数と呼ばれる)や、必要な場合は、エージェントが収集した情報やファイルなどである。また、エージェントのスクリプトに記述される命令としては、一つのノード上だけで実行できる命令のほか、エージェントを他のノードへ移動させるための移動命令がある。解釈実行手段802Lは、スクリプトの命令を順次実行し、移動命令の実行が必要になった場合には、移動先のノードを指定して、エージェントの移動をエージェント管理手段804に依頼する。
【0010】
このようなエージェントシステムでは、利用者が、いくつかのファイルをネットワーク上から収集したいような場合、この目的を達成するための行動プログラムをエージェントに持たせてネットワーク上に送り出せばよく、送り出されたエージェントは、与えられたスクリプトに基づいて自律的に活動する。このため、利用者のノードとエージェントとの間で通信を始終維持する必要はないことから、ftpやtelnetといった従来のネットワーク機能と比べて回線障害に強いという利点がある。
【0011】
〔プランニングを用いる構成例〕
図19に示したエージェントシステムに対して、エージェントの行動プログラムであるスクリプトを、状況に応じて変化させることができるエージェントシステムも知られている。
【0012】
すなわち、近年のようにネットワークが大規模化・複雑化し、特に、インターネットのような広域ネットワークと接続されることによっていわゆる開放型ネットワークになると、ファイルの所在などのようなネットワークの構成要素がしばしば変化するようになる。ところが、図19に示した上記のようなエージェントシステムでは、エージェントは生成される時点で固定されたスクリプトを与えられるため、状況に応じて行動を変更することができない。そこで、このような変化に柔軟に対応するため、人手を煩わせずにエージェントの行動を自動的に変化させる技術として、本出願人は、プランニング機能を持ったエージェントシステムを出願している。
【0013】
この技術では、エージェントの行動プログラムはプランと呼び、プランを生成することをプランニングと呼ぶ。そして、この技術では、状況に応じてプランを適宜作り直すことによって、ネットワークの構成要素の変化に対応する。なお、ネットワークの構成などの変化に対応したり、プランの実行が失敗したためにプランニングを再度やり直すことを再プランニングと呼ぶ。
【0014】
このようなエージェントシステムの構成例を図20の機能ブロック図に示す。この技術において、プランの生成に用いる情報としては、「知識」と呼ばれる情報とアクション定義とが挙げられる。このうち「知識」は、エージェントの動作、特にプランニングに利用する各種の情報であり、その一例として、どのファイルがどのノードに存在するかといったネットワークの構成要素に関する情報を含む。例えば図20の例では、このようなネットワークの構成に関する知識を、ローカル情報記憶手段1Lに保存しておき、ネットワークの構成に変化があったときは、更新手段2Lが、自動検出や手作業などによって、このような変化を知識に反映させる。また、アクション定義とは、プランを構成する部品として、どのような種類の命令(アクション)が使えるかを表す情報であり、エージェント情報記憶手段3に格納しておく。
【0015】
このようなエージェントシステムでは、エージェントの生成を指示する利用者は、スクリプトの代わりに、達成したいゴールをノードに与える。ここで、ゴールとは、情報処理の目的として達成したい状態を、予め定められた文法で記述したものである。すると、プラン生成手段5は、与えられた知識を参照しながら、アクション定義に含まれる各種のアクションを組み合わせることによって、ゴールを達成するためのプランを生成する。このようなエージェントシステムでは、ネットワークの構成の変化は、プランニングや再プランニングの際に、知識を介してエージェントのプランに反映されるので、エージェントは人手を介さずに状況の変化に対応し柔軟に行動を変化させることができる。
【0016】
なお、このようなプランを生成する手段は「プランナ」とも呼ばれ、その実体はプランニングの手続きを表すプログラムの一種である。また、エージェントの行動プログラムやその各部分を呼ぶ広義の概念がスクリプトであり、プランというときは、特に、図20に示したようなプランニングを行うエージェントによって生成されたスクリプトの全体を指す。
【0017】
〔プランを使った動作の例〕
続いて、上に述べたようなプランニングを用いたエージェントシステムの具体的な動作手順を図21に例示する。この手順では、利用者が、情報処理のゴールとしてエージェントに対する要求の記述(要求記述)を入力すると(ステップ201)、必要な初期化が行なわれた後(ステップ202)、プランが生成される(ステップ203)。なお、処理は、ゴールが既に達成されているなど終了条件の判定結果に応じて終了する(ステップ204,205)。
【0018】
すなわち、このような終了条件が満たされるまでは(ステップ204)、ゴールを達成するために実行を要するプランの実行が行われる。プランの実行では、プランに含まれる各命令を順次実行し(ステップ206,208)、実行する命令が移動命令の場合には(ステップ207)エージェントをノード間で移動させる処理(goアクションと呼ばれる)が実行される(ステップ208)。また、各命令の実行やgoアクションの実行に失敗した場合は、必要に応じて新たなプランを生成する(ステップ203)。
【0019】
〔エージェントのライフサイクル〕
次に、以上のようにプランニングを行うエージェントのライフサイクルを示す概念図を図22に示す。すなわち、エージェントは、ゴール投入と共に生成されて活動を開始すると、まず、プランを生成するプランニングフェーズPから開始し、生成されたプランにしたがい、プランを実行する実行フェーズEやノード間で移動する移動フェーズMに移行し、実行や移動の失敗に応じてこれらの各フェーズ間を移行しながら活動する。そして、当初与えられたゴールを達成すれば正常終了となり、ゴールが達成できずにプランニング自体にも失敗すると完全失敗となって終了する。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、複雑なネットワークや大規模なネットワークでは、1つのシステム上にモバイルエージェントとステーショナリエージェントの両方があったり、1つのエージェントが、モバイルエージェントとして移動する機能と、ステーショナリエージェントと同じように他のエージェントと契約ネットプロトコルなどで協調する機能を、両方持っている場合も考えられる。
【0021】
このような場合、モバイルエージェントとステーショナリエージェントとの統合的活用が重要になる。つまり、あるノードでエージェントが動作する際に、他のノードに固有のファイルやソフトウェアなどの資源を使うことがしばしば必要になる。そして、このようにエージェントが他のノードの資源を使うには、エージェント自身が他のノードへ移動するか、他のノードのエージェントに仕事を頼む必要がある。このように、あるノードにいるエージェントから、他のノードにいるエージェントに仕事を頼むことを協調と呼ぶ。
【0022】
さらに、このように移動と協調とが可能な場合、ある条件では自分がモバイルエージェントとしてそのノードに移動して行くほうがよいが、別の条件ではそのノードにいるステーショナリエージェントに処理を依頼して協調するほうがよい、といった場合が多い。従来では、プランに基づいて他のノードの資源を利用するために移動と協調とが考えられる場合、移動と協調のうちどちらを行うかを、プラン中の動作列としてあらかじめ規定しておく必要があった。
【0023】
しかし、このような決定は、通信回線の性質やノードの性質などに応じて動的に行う必要があることが多い。ここで、通信回線の性質としては、例えば信頼性や通信帯域などが考えられ、信頼性の低い回線で接続されているノードの資源を使おうとするときは、協調よりも移動のほうが望ましい。つまり、協調では、そのノードと通信を維持する必要があるが、信頼性の低い回線を通しての通信は途絶えやすく、このように通信が途絶えると協調の処理が中断されるからである。これに対して、エージェント自身がそのノードに移動してしまえば、移動の時に通った回線が切断されていても移動先での処理には差し支えがなく、処理が終了した後で、回線の状態が回復したときに元のノードに戻るなどすれば足りるからである。
【0024】
また、ノードの性質としては、例えばモバイルエージェントをサポートしているかどうか、などが考えられる。つまり、エージェントに移動する機能があっても、移動先のノードが、エージェントの情報を受け入れて活動させる手段を持っていなければそのノードでエージェントが処理を続けることはできない。
【0025】
さらに、利用したいノードとの間の通信回線の信頼性が低くても、全てのノードを移動させればよいわけではなく、エージェント自身が他のノードに移動する機能を持ったモバイルエージェントでなければ、移動は不可能であり、協調を選ぶべきである。このように、従来では、モバイルエージェントとステーショナリエージェントとを状況に応じて動的に使い分けることで円滑に情報を処理することは困難であった。
【0026】
また、モバイルエージェントを他のノードに移動させる場合、移動先のノードは利用者が直接管理できる対象ではなく、特に移動先のノードが信頼性の低い回線の先にあるようなとき、移動先や回線で障害が起きたときの対処も困難であった。
【0027】
つまり、モバイルエージェントの運用に当たり、次の2点には注意すべきである。第1点は、モバイルエージェントの大きな採用理由の1つに、通信回線の信頼性が低い、あるいは帯域幅が小さい、という状況がある場合が多いことである。このため、モバイルエージェントは携帯端末を用いたモバイルコンピューティングを、もっとも主要な適用分野としている。このように信頼性の低い回線を使うときは、エラーなどの例外が発生したときにどのように対処するかが大きな課題となる。
【0028】
第2点は、モバイルエージェントは移動により利用者が管理し得ないマシンのノード上で動作し得る、という点である。このため、そのようなマシンでエージェントの動作に例外的状況が発生した場合、モバイルエージェントでない場合に比べて対処が一層困難となる。特に、第1点で挙げたような信頼性の低い通信回線を通じて移動先のマシンを利用している場合には、このような困難は顕著なものとなる。
【0029】
この発明は、上に述べたような従来技術の問題点を解決するために提案されたもので、その目的は、モバイルエージェントとステーショナリエージェントとを状況に応じて動的に使い分けることで円滑に情報を処理するエージェントの技術を提供することである。また、この発明の他の目的は、通信回線の信頼性が低い場合でも例外的な状況に円滑に対処する技術を提供することである。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上に述べた目的を達成するため、本発明は、ネットワークで互いに接続された複数のプラットフォーム上でソフトウェアエージェントに情報処理を行わせる情報処理装置において、エージェント他のプラットフォームの資源を使わせるとき、そのエージェントを当該他のプラットフォームへ移動させる移動手段と、エージェント他のプラットフォームの資源を使わせるとき、そのエージェントから当該他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させる協調手段と、個々のプラットフォームが移動されたエージェントを受け入れて活動させる手段を備えているかどうかを表わすプラットフォームプロファイルを格納する手段と、個々のエージェントがプラットフォーム間で移動する能力を持つかどうかに関するエージェント属性を格納する手段と、エージェント他のプラットフォームの資源を使わせるとき、前記プラットフォームプロファイル及び前記エージェント属性に基づいて、そのエージェントを当該他のプラットフォームへ移動させるか、そのエージェントから当該他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させるかを決定する決定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0031】
本発明では、エージェントが他のプラットフォームの資源を使うとき、移動か協調かは、プラットフォームプロファイルとエージェント属性の両方に基づいて決める。例えば、そのエージェントとプラットフォームの両方が移動をサポートしていればエージェントを移動させるが、どちらか一方でもサポートしていなければ協調とする。これによって、移動機能を持つモバイルエージェントとステーショナリエージェントの統合的活用が容易になる。
【0032】
例えば、エージェントが他のプラットフォームの資源を使うとき、そのプラットフォームとの間の回線の信頼性が低ければ、そのプラットフォームに移動することが望ましいが、そのプラットフォームがモバイルエージェントをサポートしていないことをプラットフォームプロファイルから予め判断することで、移動を試すまでもなく、そのプラットフォームのエージェントと協調を行うべきだと判断できる。
【0033】
また、本発明では、エージェントごとに、プラットフォーム間で移動する能力を持つモバイルエージェントか、移動する能力を持たないステーショナリエージェントかの情報をエージェント属性として用意しておく。そして、エージェントが他のプラットフォームの資源を使うとき、そのエージェントを当該他のプラットフォームへ移動させるか、そのエージェントから当該他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させる(協調)かは、このエージェント属性に基づいて容易に決めることができる。
【0034】
なお、複数のエージェント間で協調を行うには、従来から知られているエージェント間協調の技術、例えば契約ネットプロトコルや、黒板機能などを使えばよい。
【0035】
本発明の実施の形態の一つは、与えられた要求を満たすエージェントのプランを生成するプランニング手段と、生成されたプランを実行することでエージェントを動作させる実行手段と、エージェントの動作に必要な情報を格納するためのエージェント情報格納手段と、プラットフォーム上のエージェントに対して、他のプラットフォームに移動させ又は他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させることで他のプラットフォームの資源を使わせるエージェント管理手段と、前記プランの生成、前記移動及び前記依頼に必要な知識を格納する知識格納手段と、前記知識格納手段を管理する知識管理手段と、を備えたことを特徴とする。このような構成によれば、プランニングによってネットワークの予期せぬ変化に柔軟に対応できる。そして、プランニングによってエージェントのプランが変わり、どのエージェントがどのプラットフォームの資源を使うことになっても、プラットフォームプロファイルやエージェント属性に基づいて移動か協調かを容易に決めることができる。このように、移動と協調とを使い分けることで、ネットワークという分散環境でエージェントを使う情報処理が効率化される。また、ネットワークの変化にもプランニングで対応しながら、エージェントの移動と協調とを有効に結び付けて活用するので、開放型ネットワークでも効果的に情報処理を行うことができる。
【0036】
本発明の実施の形態の一つは、ネットワークで互いに接続された複数のプラットフォーム上でエージェントが情報処理を行う情報処理装置において、エージェントがプラットフォーム間で移動しようとするときの例外に対応するための例外対応手段を備えたことを特徴とする。このような構成によれば、エージェントがプラットフォーム間で移動しようとするときに移動失敗などの例外が発生しても、そのような例外に適切に対応することで情報処理が円滑に行われる。
【0037】
本発明の実施の形態の一つは、前記例外対応手段は、どのような例外に対してどのように対処するかを表わす例外記述と、前記例外記述に基づいて例外に対処する対処手段と、を備えたことを特徴とする。このような構成によれば、移動時のどのような例外に対してどのように対処するかは例外記述に表わしておき、例外記述を書き換えることで対処の内容を容易に変更することができる。
【0038】
本発明の実施の形態の一つは、前記例外記述は、(1)移動先として指定されたプラットフォームとの通信が失敗したためにエージェントが移動できない例外、(2)移動先の指定が無効であるためにエージェントが移動できない例外、(3)移動先として指定されたプラットフォームが移動されたエージェントを受け入れて活動させる手段を備えていないためにエージェントが移動できない例外、(4)移動先として指定されたプラットフォームにおける資源不足のためにエージェントが移動できない例外、のうち少なくとも1つについて、どのように対処するかを表わすことを特徴とする。このような構成によれば、移動のときによく起きがちな例外、すなわち移動先との通信の失敗、移動先の指定が無効、移動先がモバイルエージェントに対応していない、移動先での資源不足、のうち少なくとも1つに対する対処を例外記述に表わしておくので、例外に効果的に対処することができる。
【0039】
本発明の実施の形態の一つは、前記例外記述は、前記通信回線のうち信頼性の低い通信回線に関する情報と、エージェントが前記信頼性の低い通信回線を通してプラットフォーム間で移動するときに発生する可能性がある例外に対してどのように対処するかを表わす情報と、を含むことを特徴とする。このような構成によれば、どの通信回線の信頼性が低いかの情報を予め各プラットフォームなどに用意しておき、エージェントがそのような回線を通して移動しようとするときに通信が途絶したときの対応を決めておく。これによって、通信回線の信頼性が低く、通信が途絶しやすい場合でも動作不全や故障などが起きにくくなる。
【0040】
本発明の実施の形態の一つは、前記通信回線で一定時間反応が途絶していることを検知するタイムアウト検知手段を備え、前記例外対応手段は、前記信頼性の低い通信回線を通してエージェントを移動させるための通信を行っているときに、前記タイムアウト検知手段が前記途絶を検知した場合、予め決められた待ち時間の後で前記通信を再び試みる処理を繰り返すように構成されたことを特徴とする。このような構成によれば、エージェントを移動させるための通信が途絶えるとしばらく待ってから再び通信を試みる処理が繰り返される。このため、通信回線の信頼性が低くても、状態がよくなっている間にエージェントの情報を送ってエージェントを移動させることができる可能性が高くなる。
【0041】
本発明の実施の形態の一つは、各プラットフォームは、異なった目的に対応する複数のフィールドを備え、プラットフォームの持っている資源をフィールドごとに分けて管理するフィールド管理手段を備えたことを特徴とする。このような構成によれば、プランニングに使う知識などプラットフォームの資源が情報処理の目的や知識の適用分野などを基準に、フィールドごとに分けて管理される。このため、あるフィールドのエージェントは、自分の目的と関係ない知識まで参照する必要がなく、効率的にプランニングをすることができる。
【0042】
本発明の実施の形態の一つは、複数のエージェントが情報をやり取りするための黒板手段と、前記黒板手段を、情報の優先度に応じた複数の階層に分けて管理することで各エージェントを協調させるように制御する黒板管理手段と、を備えたことを特徴とする。このような構成によれば、ネットワークの予期せぬ変化のような急ぎの情報は、例えば、黒板の上位階層に書き込むことで、エージェントの通常の動作に割り込ませ、そのような変化に対応してエージェントの動作を制御することができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態(以下「実施形態」という)について図面を参照しながら説明する。なお、この発明は、周辺機器を持つコンピュータを、ソフトウェアで制御することによって実現されることが一般的と考えられる。この場合、そのソフトウェアは、この明細書の記載にしたがった命令を組み合わせることで作られ、上に述べた従来技術と共通の部分には従来技術で説明した手法も使われる。また、そのソフトウェアは、プログラムコードだけでなく、プログラムコードの実行のときに使うために予め用意されたデータも含む。
【0044】
そして、そのソフトウェアは、CPU、コプロセッサ、各種チップセットといった処理装置、キーボードやマウスといった入力装置、メモリやハードディスク装置といった記憶装置、ディスプレイやプリンタといった出力装置などの物理的な資源を活用することでこの発明の作用効果を実現する。
【0045】
但し、この発明を実現する具体的なソフトウェアやハードウェアの構成はいろいろ変更することができる。例えば、ソフトウェアの形式には、コンパイラ、インタプリタ、アセンブラなどいろいろあり、外部との情報をやり取りするにも、フロッピーディスクなどの着脱可能な記録媒体、ネットワーク接続装置などいろいろ考えられる。また、この発明を実現するソフトウェアやプログラムを記録したCD−ROMのような記録媒体は、単独でもこの発明の一態様である。さらに、この発明の機能の一部をLSIなどの物理的な電子回路で実現することも可能である。
【0046】
以上のように、コンピュータを使ってこの発明を実現する態様はいろいろ考えられるので、以下では、この発明や実施形態に含まれる個々の機能を実現する仮想的回路ブロックを使って、この発明と実施形態とを説明する。
【0047】
〔1.構成〕
〔1−1.プラットフォームの全体構成〕
この実施形態は、ネットワークで互いに接続された複数のプラットフォーム上でエージェントが情報処理を行う情報処理装置であり、図1は、この実施形態を構成する1つのプラットフォームの構成を示すブロック図である。
【0048】
この図において、1は、エージェントを管理するエージェント管理部であり、このエージェント管理部1は、プランニング、ネットワークN上でのエージェントの移動、およびエージェント間での協調を実現するのに必要な構成(後述)を備えている。また、2は、与えられた要求を満たすためにエージェントが実行すべき実行手順すなわちプランを生成するプランニング部であり、3は、このように生成したプランを実行することでエージェントを動作させる実行部である。また、4は、エージェントが動作するときに必要な情報、例えば前記のプランやエージェントの内部状態を表わす変数などを格納するエージェント情報記憶部である。
【0049】
また、5は、プランニングに必要な知識や、信頼性の低い通信回線で接続された計算機に関する知識など各種の情報(後述)を格納する知識格納部であり、6は、この知識格納部5を管理する知識管理部であり、知識格納部5に格納されている各種の知識について、書き込み、読み出し、修正などの処理を行う。
【0050】
また、この実施形態では、個々のプラットフォームが、異なった目的に対応する複数のフィールドを備えている。このフィールドは、知識およびエージェントの動作の範囲を示すもので、7は、プラットフォームの持っている資源をフィールドごとに分けて管理するフィールド管理部である。
【0051】
また、8は、エージェント間の協調やエージェントの動作を制御するのに使う情報を格納する黒板部である。また、9は、黒板部8においてエージェントの動作制御のレベルを表す黒板階層構造を管理する階層黒板管理部である。また、20は、以上の各部を管理し、またネットワーク間の通信を管理するプラットフォームであり、11は、各部の情報を出力し、また各部への入力、および各部の状態を制御する情報を入力できる入出力部である。
【0052】
〔1−2.問題の具体例〕
次に、図2は、この実施形態の情報処理装置を具体的な問題に適用する場合の具体例を示す概念図であり、具体的には、通信回線C1〜C5で接続されたいくつかのプラットフォーム101〜106の上で、旅行のチケットを予約する例である。すなわち、この図2において、101は、利用者が持ち歩くことができる携帯計算機であり、携帯電話やPHSのような無線回線などの随時接続・切断可能な回線によって、この実施形態におけるネットワークNに組込めるものとする。図1は、このようにネットワークに組み込まれるプラットフォームの一例を示したものである。
【0053】
利用者は、この携帯計算機101を通じてネットワークを利用することで、ある地方のある大学(仮に「地方大学」と呼ぶ)に東京から赴く旅行計画および交通機関のチケット予約を行うものとする。
【0054】
また、図2において、102は、ある旅行代理店の計算機であり、ネットワーク上の旅行計画および交通機関チケット予約に利用できる種々の計算機に関する情報を格納している。また、103、104はそれぞれ、航空会社AL1,AL2の計算機であり、105は地方大学のある地域を担当している観光局の計算機、さらに106は、目的地である地方大学の計算機である。
【0055】
これら各計算機101から106には、後に説明するような旅行計画およびチケット予約に必要なデータが格納されている。なお、これら各計算機101から106は、以下では単に「旅行代理店」「地方大学」や「交通局」のように表わす。
【0056】
〔1−3.知識格納部の内容〕
次に、図1に示したプラットフォーム10の知識格納部5に、どのような情報が格納されているかを説明する。この知識格納部5は、プランの生成、エージェントのプラットフォーム間での移動及びエージェント同士の協調に必要な知識を格納する部分であり、この知識格納部5には、具体的には、プランニング用知識51、プラットフォームプロファイル52、エージェント属性53、例外記述54が格納されている。
【0057】
〔1−3−1.プランニング用知識〕
このうち、プランニング用知識51は、エージェントのプラン生成に使うものであり、どのファイルがどのプラットフォームにあるのかといったネットワークの構成に関する知識や、どのようなときにどのようにプランニングを行うのかといった知識の他に、情報処理装置やエージェントの利用目的に応じて各種の知識を含めることができる。
【0058】
〔1−3−2.プラットフォームプロファイル〕
また、プラットフォームプロファイル52は、個々のプラットフォームが移動されたエージェントを受け入れて活動させる構成を備えているかどうか、すなわちモバイルをサポートしているかどうかを表わす情報であり、このプラットフォームプロファイル52の例を図3に示す。この例は、図2に示した各プラットフォームに対応するもので、携帯計算機(図2の101)や旅行代理店(図2の102)といった各プラットフォームごとに、モバイルエージェントのサポートがあるかないかを記録したものである。
【0059】
〔1−3−3.エージェント属性〕
また、エージェント属性は、個々のエージェントがプラットフォーム間で移動する能力を持つかどうか、すなわちモバイルをサポートしているかどうかに関する情報であり、このエージェント属性53の例を図4に示す。この例は、図2に示した実例に対応するもので、エージェントの名称ごとに、そのエージェントがどのプラットフォームに所属するものであるかと、そのエージェントが移動型かどうかを表わす属性mobilityを登録したものである。
【0060】
この属性mobilityは、エージェントがモバイルエージェントならmobile、ステーショナリエージェントならstationaryという属性値を設定することで、エージェントの移動能力の有無を区別している。このような属性値は、エージェント情報格納部4に格納されているエージェントの情報のうち、エージェントがモバイルをサポートしているかどうかを表わすフラグや、プラットフォーム間での移動に関する情報があるかどうかなどから判断することができる。
【0061】
そして、エージェント管理部1は、新しくエージェントを生成するときや、移動してきたエージェントを受け入れたときに上に述べたような情報からエージェント属性を判断して登録しておけばよい。
【0062】
また、所属は、ステーショナリエージェントについてそのエージェントが存在するプラットフォームであり、モバイルエージェントについては、そのエージェントが生成されたプラットフォームの名称である。
【0063】
〔1−3−4.例外記述〕
例外記述54は、エージェントがプラットフォーム間で移動しようとするときについて、どのような例外に対してどのように対処するかを表わすものであり、この例外記述54の例を図5に示す。この例は、次のような例外内容に対して、それぞれ対処内容を定めている。
【0064】
(1)移動先として指定されたプラットフォームとの通信が失敗したためにエージェントが移動できない例外(通信タイムアウト)。
これは、例えば移動先のプラットフォームに、エージェントを移動させたいという通知を送信したが、相手からの反応が一定時間以上途絶えているような場合である。
【0065】
(2)移動先の指定が無効であるためにエージェントが移動できない例外(移動先指定誤り)。
これは、つまり移動先の指定が誤っている場合であり、例えば、移動先として指定したプラットフォームあるいはドメインのIDなどが無効である場合などが考えられる。このような例外は、エージェントが生成されたプラットフォームから他のプラットフォームへの移動しようとしたときなどに発生する。
【0066】
(3)移動先として指定されたプラットフォームが移動されたエージェントを受け入れて活動させる構成を備えていないためにエージェントが移動できない例外(モバイルサポートなし)。
これは、つまり移動先のプラットフォームが、そのプラットフォームの機能としてモバイルエージェントをサポートしていない場合であり、このような例外は、エージェントが生成されたプラットフォームから他のプラットフォームへの移動しようとしたときなどに発生する。
【0067】
(4)移動先として指定されたプラットフォームにおける資源不足のためにエージェントが移動できない例外(移動先資源不足)。
これは、つまり移動先のプラットフォームが、本来は移動されたエージェントを受け入れて活動させる構成を備えているが、たまたまメモリなどの資源が不足しているためエージェントを受け入れられないような場合である。このような例外は、エージェントが、生成されたプラットフォームから他のプラットフォームへ移動しようとしたとき、移動のためにエージェントのデータが転送された後、転送されたエージェントが移動先で動作を再開しようとするときなどに発生する。
【0068】
なお、(1)の通信タイムアウトでは、信頼性の高い回線で発生した場合と、信頼の低い回線で発生した場合とで、対処内容が異なる。このため、この例外記述は、信頼性の低い通信回線に関する情報を含んでいる。
【0069】
〔1−3−5.信頼性の低い通信回線に関する情報〕
ここでいう「信頼性の低い通信回線に関する情報」は、図2に示した通信回線C1〜C5のうち、どの通信回線の信頼性が低いかを表わす情報であり、このような情報の例を図6に示す。この例では、各通信回線C1〜C5について、どのプラットフォーム(接続先1)とどのプラットフォーム(接続先2)を接続しているかと、その通信回線の信頼性が低いか高いかを登録したものである。なお、図2では、信頼性の高い通信回線は太い実線で示し、信頼性の低い通信回線は細い点線で示している。
【0070】
また、以下では、他のノードとの通信回線の信頼性については、説明を単純にするために、1つの通信回線についてだけ述べるが、実際には、インターネットのようなハブ(中心)のないネットワーク構成では、あるプラットフォームから別のプラットフォームへの通信回線の信頼性は、複数の通信回線の信頼性に基づいて決まる。そのような場合、回線の信頼性については、複数の通信回線の組み合わせごとに登録しておいたり、ある経路の信頼性を、その経路を構成するいくつかの通信回線の信頼性から計算してもよい。
【0071】
信頼性の低い通信回線に関する情報は、後で詳しく説明するが、プラットフォーム間でエージェントを移動させようとする通信で通信タイムアウトが発生したときに、現在通信に使っている通信回線の信頼性が低いか高いかを調べるのに使うことができ、図5に示す「通信タイムアウト(信頼性の低い回線)」は、エージェントが信頼性の低い通信回線を通してプラットフォーム間で移動するときに通信タイムアウトが発生したとき、どのように対処するかを表わしている。
【0072】
〔1−4.エージェント管理部の構成〕
また、エージェント管理部1は、プラットフォーム上のエージェントを管理すると共に、個々のエージェントに対して、他のプラットフォームに移動させ又は他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させることで他のプラットフォームの資源を使わせる部分である。このエージェント管理部1は、エージェントを生成したり、登録したり、消滅させたりするための構成(図示せず)の他に、協調部11と、移動部12と、決定部13と、対処部14と、タイムアウト検知部15と、を備えている。
【0073】
このうち、協調部11は、エージェントが他のプラットフォームの資源を使うとき、そのエージェントから当該他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させる部分であり、具体的には契約ネットプロトコルを実行するためのタスクアナウンス、入札締切、落札といった処理を行うように構成されている。また、移動部12は、エージェントが他のプラットフォームの資源を使うとき、そのエージェントを当該他のプラットフォームへ移動させる部分であり、具体的には、移動先としてプランなどで指定されるプラットフォームとの間で、エージェント移動の打診や、エージェント情報格納部4に格納されている情報の転送といった処理を行うように構成されている。
【0074】
また、決定部13は、エージェントが他のプラットフォームの資源を使うとき、プラットフォームプロファイル52及びエージェント属性53に基づいて、そのエージェントを当該他のプラットフォームへ移動させるか、そのエージェントから当該他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させるかを決定する部分である。
【0075】
また、対処部14は、例外記述54に基づいて例外に対処する部分であり、これら対処部14及び例外記述54は、エージェントがプラットフォーム間で移動しようとするときの例外に対応するための例外対応手段を構成している。また、タイムアウト検知部15は、通信回線で一定時間反応が途絶していることを検知する部分であり、信頼性の低い回線での通信タイムアウトの場合の例外記述と組み合わせて使う。
【0076】
これにより、信頼性の低い通信回線を通してエージェントを移動させるための通信を行っているときに、タイムアウト検知部15が途絶を検知した場合、対処部14の働きによって、予め決められた待ち時間の後で前記通信を再び試みる処理を繰り返す、という例外への対応を実現する。
【0077】
〔1−5.フィールド〕
また、フィールド管理部7に関連して上で説明したように、各プラットフォームは、異なった目的に対応する複数のフィールドを備えている。このフィールドは、情報処理の目的や分野ごとに設定されるエージェントの活動領域であり、ファームとも呼ばれる。このようなフィールドは、一つのプラットフォーム上に複数存在することができ、フィールド管理部7は、メモリなどの資源やプランの生成・実行に用いる情報などを、フィールド毎に管理する。
【0078】
ここで、図7は、ネットワークNに複数のホストH(マシン)が接続され、各ホストH上には1つずつのプラットフォームすなわちノードXが存在し、ノードX上に複数のフィールドFLが存在する例を示す概念図である。このようなエージェントシステムでは、プラン生成に用いる知識がフィールドFLごとに分けられており、これによって、エージェントはプランニングなどに必要な情報を検索する際、余分な情報まで参照する必要がないので、情報処理が効率化される。なお、プラン生成に用いられる知識はその知識を所持している主体によって、ファームが所持しているファーム知識、エージェントが所持しているエージェント知識などに分けることができる。
【0079】
〔1−6.黒板〕
また、黒板管理部9は、黒板部8を、情報の優先度に応じた複数の階層に分けて管理することで、協調動作を含め、各エージェントを制御するように構成されている。すなわち、図8に示すように、黒板部8は、上位階層と下位階層を備え、ネットワークの予期せぬ変化のように、例えばエージェント間で急いで伝える必要がある情報は黒板の上位階層に書き込むようになっている。また、これに対応して、黒板管理部9は、そのような情報に関する処理を、エージェントの通常の動作に割り込ませるように構成されている。これによって、ネットワークの予期せぬ変化のような状況の変化に対応してエージェントの動作を制御するすることができる。
【0080】
〔1−7.他のプラットフォームの構成〕
なお、図1では1つのノードすなわちプラットフォームについてその構成を示したが、これは、この実施形態の情報処理装置に含まれる多数のプラットフォームの一例であり、構成が一部異なる他のプラットフォームが存在する場合も考えられる。例えば、モバイルエージェントをサポートしていないプラットフォームには移動部12やタイムアウト検知部15は必要なく、また、エージェント間の情報交換に、特定の1つのプラットフォームの黒板部8と黒板管理部9を使うときは、それ以外のプラットフォームには黒板部8や黒板管理部9は必要ない。
【0081】
また、例えば、プランニングの機能を持たないプラットフォームがあってもよく、そのようなプラットフォームでは、プランニング用知識51、プランニング部2は必要がない。また、複数のフィールドを持たないプラットフォームではフィールド管理部7は必要がない。
【0082】
〔2.作用〕
上に述べたように構成されたこの実施形態は、次のように働く。まず、図9は、この実施の形態における処理手順を示すフローチャートである。
【0083】
〔2−1.要求の入力〕
すなわち、まず、利用者が、本システムへの要求を、携帯計算機の入出力部20を通じて入力する(ステップ301)。この要求は、情報処理の結果として達成したい状態を、予め定められた形式で記述することによって表す。例えば、利用者は、下記の通り旅行計画およびチケット予約に関する要求を入力する。
出発地:東京
出発日時:11月3日
到着地:地方大学
到着日時:11月3日午後0時まで
利用交通機関:航空機
【0084】
〔2−2.ゴールへの変換〕
このように入力された要求は、続いて、ゴールに変換される(ステップ302)。このゴールは、エージェントによる情報処理によって達成したい状態を、エージェントやプランニング部2が処理できる形式で表わしたものである。例えば、上に述べた旅行計画及びチケット予約に関する要求は、例えば、次のようなゴールに変換される。
Figure 0003688462
【0085】
〔2−3.エージェントの初期化〕
このように要求がゴールに変換されると、プラットフォームのエージェント管理部1が、ゴールの達成に使うエージェントを生成し、初期化の手順を実行する(ステップ303)。例えば、“user”という名前でエージェントを生成した場合、初期化の手順として、エージェントを管理するためのリストに名称“user” を登録したり、エージェントuserの内部変数に所定の初期値を設定したり、タイムシェアリングシステムにおけるタイムスライス(CPU時間)をエージェントuserに割り当てるなどの処理を行なう。
【0086】
なお、複数のフィールドが存在するプラットフォームでは(図7)、各エージェントはエージェント管理部1による管理のもとで特定のフィールド内に生成される。そして、これに続くプランニング部2によるプランニングでは、知識管理部6がフィールドに対応する知識を読み出して提供する。
【0087】
〔2−4.プランニング〕
続いて、プランニング部2が、変換されたゴールを達成するためのプランを生成(プランニング)する(ステップ304)。ここで、プランニング用知識51には、プランを構成する部品として、エージェントはどのような種類の動作を実行できるかという情報が含まれている。このような単位となる動作はアクションとも呼ばれ、動作ごとに、事前条件と事後条件とが予め決められている。
【0088】
ここで、事前条件とは、その動作を実行するために必要な条件であり、事後条件とは、その動作の実行によって作りだされる条件である。このため、ある動作である事後条件が達成されれば、その事後条件に対応する事前条件を持つ動作が実行できる状態となる。例えば、「ファイルをコピーする」という動作を行うには、「現在いるプラットフォームにファイルが存在する」という事前条件が必要であり、コピーの動作を行なった結果として「ファイルのコピーが存在する」という事後条件が産み出される。
【0089】
すなわち、プランの生成は、最終的なゴールを事後条件として産み出す動作を発見し、この動作の事前条件を事後条件として産み出すさらに別の動作を発見する、という処理を続けることによって、プランを実行する前の状態(現在の状態)と最終的なゴールとの間をつなぐ動作の列を得ることである。なお、図10は、生成途中におけるプランの例を示す図であり、この例では、動作P2の一方の事前条件C5と、動作P3の事前条件C7について、これら事前条件を事後条件として産み出す動作がまだ見つかっていない。このように、事後条件として産み出す他の動作がまだ見つかっていない事前条件は未達成ゴールと呼ばれる。
【0090】
このようなプラン生成の処理は、ゴールの側から因果を逆に遡って行ない、プランの実行を開始する時点で存在している状態(現在の状態)に到達すると終了する。図11は、このような処理によって完成したプランの例を示す図である。
【0091】
続いて、プラン生成の具体的な手順を図12に示す。すなわち、この手順では、ゴールを記録しておくゴールリストの一部を、図10に示したような未達成ゴールを記録しておく未達成ゴールリストとしておき、次のような処理を行う。まず、ゴールリストに未達成ゴールが存在しなくなるまで(ステップ401)、未達成ゴールリストから未達成ゴールを1つずつ選択し(ステップ402)、ゴールが満足されている場合を除いて(ステップ403)、次のような動作を行う。すなわち、ゴールである事前条件を事後条件によって達成可能な動作が存在すれば(ステップ404)この動作を選択し(ステップ405)、このように選択した動作(選択動作)を図10に示したような動作の系列(プラン木)に追加する(ステップ405)。
【0092】
また、ゴールを達成可能な動作が存在しない場合は、ゴールが不確実知識で達成可能かを判断する。ここで、不確実知識とは、ネットワークの構成に関する知識のうち、他のプラットフォームで実際に何らかの処理を行なってみないと、真偽などの具体的な値がわからない知識である。ゴールが不確実知識で達成可能な場合はこの不確実知識を選択動作としてプラン木に追加するが(ステップ405)、不確実知識でも達成不可能な場合は、処理をバックトラックさせ(ステップ408)、現在の未達成ゴールを生じさせている動作を他の動作に置き換えて再度処理を行う。
【0093】
例えば、利用者が使用するプラットフォームの知識で、「ファイルaがプラットフォームAに存在する」とされているとする。この場合、ファイルaを得るというゴールを利用者が与えると、プラットフォームAに存在するという知識が参照されるので、生成されたエージェントのプランは、「プラットフォームAに移動してファイルaのコピーを利用者のプラットフォームに送信する」、といった内容になる。
【0094】
しかし、エージェントがプラットフォームAに移動した時点で、ファイルaはプラットフォームBに移動されていると、ファイルaが発見できないためにプランは実行失敗となり、プラットフォームA上で再プランニングが行なわれる。このとき、プラットフォームBの知識がファイルの移動にあわせて更新されており、「ファイルaはプラットフォームBに存在する」と変更されている場合、新しいプランは「プラットフォームBに移動してファイルaのコピーを利用者のプラットフォームに送信する」、という内容に変更される。この結果、エージェントはプラットフォームBに自律的に移動するし、ファイルaを無事発見して利用者のプラットフォームに送信することができる。
【0095】
〔2−5.不確実知識を利用したかの判断〕
上に述べたようなプランニング手順(図9のステップ304)が終了すると、決定部13が、プランニングにおいて不確実知識を用いたか否かを判別する(ステップ305)。不確実知識の使用の有無は、プランニングにおいて不確実知識を用いる度にその旨のデータを記録しておいて、記録したデータに基づいて判別してもよいし、作成されたプラン自体を再度検索することによって、不確実知識が含まれているか否かを判別してもよい。
【0096】
〔2−6.不確実知識の分類〕
不確実知識は、他のプラットフォーム(以下「目的のプラットフォーム」と呼ぶ)での処理によって確認される知識であるから、プランに不確実知識が用いられた場合、そのプランによって目的が達成されるためには、不確実知識を確認する処理が必要である。ここでは、不確実知識を確認する処理は、プラン実行に先だって行なう。
【0097】
そして、決定部13は、不確実知識ごとに、その不確実知識の確認をエージェントの移動で行うべきか、協調で行うべきかを決定することで、例えば「移動」と「分類」の2種類に分類する(ステップ306)。この分類では、決定部13は、次の(1)から(3)の3つの条件を同時に満たす不確実知識について、確認を移動で行うと決定し、条件の1つでも満たさない不確実知識については、確認を協調で行うと決定する。
【0098】
(1)エージェントが現在いるプラットフォームと目的のプラットフォームとを結ぶ通信回線の信頼性が低いこと
通信回線の信頼性が高ければ目的のプラットフォームと通信を続けることができるためであり、このような通信回線の信頼性は、通信回線の信頼性に関する情報(図6)から、次のように調べることができる。例えば、図6の情報では、個々の通信回線ごとに、どのプラットフォームとどのプラットフォームを接続しているかが記録されている。このため、この2つプラットフォームの組み合わせが、現在のプラットフォームと目的のプラットフォームに一致する通信回線を探し、その通信回線の信頼性を読み出せばよい。
【0099】
(2)目的のプラットフォームがモバイルをサポートしていること
(3)エージェントの属性がモバイルであること
目的のプラットフォームとエージェントの両方がモバイルをサポートしていなければ、エージェントが移動したり移動先のプラットフォームで活動することができないためである。このうち目的のプラットフォームがモバイルをサポートしているかどうかは、図3に例示したプラットフォームプロファイル52を参照することで判断でき、また、エージェントがモバイルをサポートしているかどうかは、図4に例示したエージェント属性53を参照することで判断できる。
【0100】
なお、必ずしもこれら3つの条件全てに基づいて判断しなければならないわけではない。例えば、ネットワーク内の全てのプラットフォームがモバイルをサポートしていることが予めわかっているような場合は、1つ又は2つの条件で判断することもできる。また、不確実知識が確認できるプラットフォームやそのプラットフォームにいるエージェントが、モバイルではなく、協調動作をサポートしているかどうかなどを、判断の項目に加えることもできる。
【0101】
続いて、上に述べたような分類にしたがって、不確実知識の確認が行われる。すなわち、確認を協調で行うと決定された不確実知識については協調部11が契約ネットプロトコル手続きに基づいて確認を行い(ステップ307)、一方、確認を移動で行うと決定された不確実知識については移動部12がエージェントを移動させることによって確認を行う(ステップ308)。
【0102】
なお、不確実知識を移動で確認するか協調で確認するかは、プランニング後に決定部13が行うので、プランニングでは不確実知識の確認のために移動するか協調するかをプランで指定する必要がない。このため、プランニングの手順も単純で済み、処理が効率化される。
【0103】
〔2−7.契約ネットプロトコル手続き〕
次に、契約ネットプロトコル(Contract Net Protocol) 手続きの詳細を図13に示す(参考文献:Smith, R. G., "The Contract Net Protocol: High-level Communication and Control in a Distributed Problem Solver", IEEE Trans. Computers, Vol. 29, pp. 1104-1113(1980). )。ここで、契約ネットプロトコルでは、エージェントから他のエージェントに依頼される作業をタスクと呼ぶ。また、タスクをエージェント間で依頼する契約ネットプロトコルは、実際には、エージェントが存在するプラットフォームの協調部11同士の間で行なわれる。
【0104】
〔2−7−1.タスクアナウンス〕
契約ネットプロトコルにおいてタスク実行を依頼する場合は、まず、タスクを持つエージェント(以下、タスクマネジャと呼ぶ)が、ステップ601において、タスクを依頼したいプラットフォーム群に対して依頼に関する情報(以下「タスク情報」という)をブロードキャストする。なお、ブロードキャストとは一定範囲の相手に対して無差別に情報を送信することであり、タスク情報をブロードキャストすることをタスクアナウンスという。ブロードキャストするタスク情報としては、例えば、タスクID、タスクの内容、タスクマネジャのID、プラン評価基準、入札期限などがある。
【0105】
〔2−7−2.入札〕
上に述べたようなタスク情報を受信したプラットフォームは、各フィールドにエージェントを生成し、それらにタスク情報を転送する(ステップ602)。タスク情報を受け取った各エージェントは、自らが所属しているフィールドにおいてタスクを実行可能かどうか判断し(ステップ603)、タスク内容を実行可能なエージェントは、入札する旨の情報(以下「入札情報」や「入札メッセージ」という)をタスクマネジャに送信(入札)する(ステップ604)。なお、入札情報を送信したエージェントを入札エージェントと呼ぶ。
【0106】
入札情報には、例えば、タスクID、エージェントID、タスク実行プラン評価値などがあり、このうちタスク実行プラン評価値は、タスクアナウンスで示されたプラン評価基準に基づいて、入札エージェントが、自分がタスクを実行する場合における評価を計算したものである。
【0107】
〔2−7−3.入札締切と落札〕
タスクマネジャは、入札を締め切る入札期限と現在時刻を比較しながら入札情報を受信し、ステップ605において入札期限に到達すると、次のステップ606において入札締切を示すメッセージを発信する。この締切のメッセージは、タスク情報のブロードキャスト先とした全ての依頼プラットフォームに対してブロードキャストする。そして、タスクマネジャは、ステップ609において、落札するエージェントを決定する。この決定は、入札期限までに受信した各入札情報のタスク実行プラン評価値と、予め定めた決定の基準に基づいて、各エージェントの入札情報を比較することによって行なう。
【0108】
落札するエージェント(落札エージェントと呼ぶ)の決定は、タスクマネジャが、実際にタスクを依頼する先としてそのエージェントを決定することを意味するが、実際にタスクを依頼する時期は処理の内容に応じて異なっていてもよく、契約ネットプロトコルの終了後に直ちに依頼する場合もあれば、所定の時期まで待って依頼する場合もある。
【0109】
落札エージェントを決定すると、タスクマネジャは、ステップ610において、各入札エージェントに、落札の内容を表す落札情報をマルチキャスト(同報送信)する。この落札情報を受信することによって、落札エージェントは、タスクを実際に実行すべき旨の実行依頼を待つ状態となる。タスクマネジャは、落札されたタスクの実行をその後、落札エージェントに依頼し、その結果、落札エージェントは依頼されたタスクの内容を実際に実行する。
【0110】
上に述べたように、この実施の形態では、エージェント間協調を実現するために契約ネットプロトコルを用いる。そして、契約ネットプロトコルで処理を他のプラットフォームに依頼する場合は、依頼側プラットフォームの持つ条件と請負側プラットフォームの持つ能力との間で、入札制による調和が図られる。このため、システム全体として優れた処理効率が実現される。
【0111】
〔2−8.エージェントの移動の詳細〕
また、エージェントがプラットフォーム間で移動する場合の手順を図14に示す。この例では、エージェントの移動元のプラットフォームをローカルノード、移動先のプラットフォームをリモートノードと呼ぶ。この場合、ローカルノードからの移動要求(ステップ501)を受信したリモートノードは(ステップ502)、エージェント用のプロセスを設定する(ステップ503)。
【0112】
続いて、リモートノードから、プロセスの設定が完了した旨の通知(ステップ504)を受信したローカルノードは(ステップ505)、エージェントのプランや変数領域などのエージェント情報をリモートノードに送信する(ステップ506)。このエージェント情報を受信したリモートノードは(ステップ507)、エージェント情報を格納し(ステップ508)、ローカルノードへ移動成功の通知を送信し(ステップ509)、プランの解釈実行を開始する(ステップ510)。一方、成功の通知を受信したローカルノードは(ステップ511)、不要になったエージェント用のプロセスを消去する(ステップ512)。
【0113】
〔2−9.プランの実行〕
図9のステップ305の判断で、プランに不確実知識が用いられていない場合は、実行部3が直ちにプランを実行し(ステップ309)、実行が成功すると手順を終了するが、実行に失敗すると再プランニングを行う。なお、プランに不確実知識が用いられていた場合は、上に述べたように、契約ネットプロトコル(図9のステップ307)やエージェントの移動(ステップ308)によって不確実知識が確認され、その時点までのプランが実質的に完成してから、実行部3がプランを実行する(ステップ309)。
【0114】
なお、これら契約ネットプロトコルやエージェントの移動を具体的にどの時点で行い、その結果をどのように使うかは、どのようなときにどのように再プランニングを行うかといった具体的な構成や情報処理の内容などに応じて異なることも考えられるが、例えば次のような例が考えられる。
【0115】
この例は、移動の条件を満たしても一律に移動とはせず、移動を使うプランと協調を使うプランを両方作って比較し、有利な方を実行するものである。このような場合は、まず、ステップ307の契約ネットプロトコル手続きを使ってゴールの達成を試みるプランを作成し、次に、不確実知識を確認できるプラットフォームに対しステップ308のエージェント移動手続きを使って移動することでゴールを達成するプランを作る。そして、このように作ったプラン同士を、必要なデータの量や通信の量などをコストと考えて評価し、コストの最も低い有利なものを選択し、実行する。なお、実行失敗時には再プランニングとして以上のプランニング手順を繰り返す。
【0116】
〔2−10.移動時の例外への対応〕
また、この実施形態では、プラットフォーム間でエージェントを移動させようとするとき、エラーなどの例外が発生しても、対処部14が例外記述54に基づいて例外への対処を行う。例えば、移動元のプラットフォームから移動先のプラットフォームに対して、移動手続きの実行通知を送信している最中に、移動先からの応答がなくなり、タイムアウトが発生する場合を考える。
【0117】
すなわち、移動に使おうとしている通信回線の信頼性が低い場合、移動元のプラットフォームでは、タイムアウト検知部15がタイムアウトを検知して対処部14に知らせ、対処部14は、図5に示したような例外記述54にしたがって、次のように対処する。
【0118】
すなわち、対処部14は、移動元のプラットフォームの移動部12を一旦待ち状態に移行させたうえ、予め決められた待ち時間が経過するごとに移動先への通知を再試行させる。この再試行で、反応が途絶えることなく移動先の計算機に通知が届けば、移動部12は通常の移動手続きを続行する。その後また反応途絶が発生すれば、再び移動待ち状態に移行し、上に述べたように、待ち時間後の再試行を繰り返す。
【0119】
〔2−11.エージェント間での情報交換〕
また、契約ネットプロトコルによるタスクの依頼など、エージェント間で協調動作を行なう場合、あるエージェントが他のエージェントの振る舞いを制御することによって、予期せぬ状況変化に柔軟に対応することが望ましい。この実施の形態では、図8に示した階層的な黒板部8と、黒板管理部9とを次にように使って、このような柔軟な対応を実現する。
【0120】
すなわち、個々のエージェントは、黒板部8のどれか1つの階層に、エージェントの優先度に応じて対応付けられていて、図8の例では、エージェントの702と703のどちらも、黒板部8の下位階層に対応付けられているものとする。そして、他のエージェントに送る通常の情報は、自分の優先度と同じ階層に記入しておくと、受け取る側のエージェントは、処理の区切りがついたときなどに黒板部8の下位階層を参照し、自分宛のメッセージを発見して受け取る。
【0121】
一方、エージェントが、自分に設定された優先度に本来対応する階層よりも高い階層、すなわち上位階層へデータを記入すると、そのような記入は黒板管理部9が検出し、情報の宛先になっているエージェントにハードウェア割り込みなどで情報を通知する。このように、この実施の形態では、黒板部8が階層的に構成され、優先度の高い上位の階層に記入した情報の方が下位の階層に記入された情報よりも優先的に処理される。
【0122】
このため、エージェント間で交換する情報を重要度に応じた階層に記入することによって、エージェント間の協調関係を柔軟に制御できるので、予期せぬ状況の変化に対応することが容易になる。また、エージェント単位に優先度を設定しておき、優先度が高いエージェントが交換する情報ほど高い階層を用いたり、情報を黒板部8に入出力する処理も高い階層ほど優先して行なえば、一層きめ細かな制御も可能となる。
【0123】
〔3.情報処理の例〕
続いて、上に述べたようなこの実施形態の動作によって、図2で説明した具体的な問題を処理する例を示す。
【0124】
〔3−1.要求の入力と最初のプランニング〕
すなわち、上に述べたようなゴールplan_and_reserve_tickets(...) に基づいて最初にプランニングが行われる段階では、ゴールはまだ満足されていないので、プランニング部2は、ゴールを満足する動作を知識管理部6に問い合わせる。しかし、携帯計算機101には、要求の入力を受け付ける構成はあったが、ゴールを達成するために必要なチケットの予約手順がないものとする。
【0125】
この場合、知識管理部6は、知識格納部5内のプランニング用知識51を検索した結果、ゴールを満足するために十分な動作がないと判断する。そこで、知識管理部6は、不確実知識である
maybe(plan_and_reserve_tickets(Requirements),ta)
を利用してゴールを満足できるかもしれないことをプランニング部2に伝える。
【0126】
この不確実知識は、チケットの予約手順は旅行代理店102すなわちノードtaにあるかもしれないという内容であり、プランニング部2は、この不確実知識を使ったプランを生成する。この時点でのゴールと不確実知識との関係を図15の概念図に示す。なお、図15において、K1〜K5のような確定している知識は実線の図形で表わし、M1のような不確実知識は破線の図形で表わす。
【0127】
〔3−2.旅行代理店への移動〕
エージェント管理部1は、この不確実知識が確認できる目的のプラットフォームであるノードtaが、どのような回線で接続されていて、また、エージェントuser及びノードtaがモバイルをサポートしているかどうかを知識管理部6に問い合わせる。
【0128】
この場合、知識管理部6は、知識格納部5の例外記述54に記述されている回線の信頼性に関する情報を参照し、携帯計算機101が、ノードtaに信頼性の低い無線回線C1で接続されていることが判明するため(図6)、その旨を知らせるmobile_connection(ta) といった形式の情報をエージェント管理部1に返信する。
【0129】
また、同じように、エージェント管理部1は、知識格納部5に格納されたプラットフォームプロファイル52とエージェント属性53に基づいて、エージェントuserとノードtaの両方がモバイルをサポートしていることを確認する。
【0130】
この場合、エージェント管理部1が、エージェントを移動させるための3つの条件
(1)エージェントが現在いるプラットフォームと目的のプラットフォームとを結ぶ通信回線の信頼性が低いこと
(2)目的のプラットフォームがモバイルをサポートしていること
(3)エージェントの属性がモバイルであること
が満たされることを確認する結果、プランニング部2がノードtaに移動するプランを生成し、このプランにしたがって移動部12がエージェントuserをノードtaに移動させる。
【0131】
〔3−3.予約手順に基づくプランニング〕
ノードtaでは、不確実知識の指していた予約手順が発見され、不確実知識M1は、図16に示すように、確定した知識K6となる。このため、エージェントは、この知識K6の指す予約手順を使って、ゴールresolve_goal(plan_and_reserve_tickets(...)を満たすために再プランニングを行う。その結果、次のようなプランが生成される。
Figure 0003688462
このプランは、図16に示すように、経路を決める処理P1と、交通機関を予約する処理P21によって、ゴールである予約完了が実現できるというプランである。次に、実行部3はこのプランの実行に移る。
【0132】
〔3−4.移動による経路の検索〕
この実行では、まず、動作
Figure 0003688462
を実行する。この動作は、図16の処理P1であり、出発地東京および到着地地方大学という条件で旅行経路を検索する動作である。しかし、ノードtaには地方大学への経路に関するデータベースが存在しないため、プラン実行失敗と判断される。
【0133】
そこで、プラン実行失敗の原因となった動作
Figure 0003688462
の事前条件
exists(routeDB(tokyo,a_university))
をゴールとして再プランニングを行う。この事前条件は、経路のデータベース(DB)が存在していることを意味する。その結果、この事前条件は、不確実知識
Figure 0003688462
により達成可能であることが、知識管理部6より知らされて判明する(図16)。
【0134】
この不確実知識M2は、経路のデータベースは観光局105にあるかも知れないという内容である。この不確実知識についてエージェント管理部1が分類を行うときは、エージェントの現在地であるノードtaからみて、目的のプラットフォームである
a_tourist_bureau_site
すなわち、観光局105がやはり信頼性の低い回線で接続されていることが分かる。また、エージェントuserはすでに述べたようにモバイルをサポートしていて、さらに、この目的のプラットフォームである観光局105もモバイルをサポートしている(図3)。
【0135】
このため、この不確実知識も、移動によって確認すべきと判断され、プランニング部2は、エージェントが観光局105に移動後検索を行い、再び旅行代理店102に戻るプランを作成し実行する。今回は、観光局105に存在するデータベースから次の情報を検索するという処理P1に成功し、図17に示すように、不確実知識M2は確定した知識K7となる。
route([tokyo,city1],[city1,a_university])
route([tokyo,city2],[city2,a_university])
これらの情報は、東京から地方大学に行くには、city1を経由する経路と、city2を経由する経路があることを意味する。以下、これらの都市はそれぞれ都市1および都市2と呼ぶ。
【0136】
なお、この例のように利用交通機関を指定した経路の検索では、指定された交通機関、すなわちここでは航空機を含んだ経路が検索される。この場合は、例えば東京から都市1への部分が航空機、残りの部分はバスだったものと仮定する。なお、説明を簡単にするため、都市2を経由する経路については省略し、次に述べる時刻表データベースに関する処理については図示しない。
【0137】
〔3−5.時刻表の入手〕
このように経路の検索に成功すると、エージェントuserは旅行代理店102であるノードtaに戻り、続いて、図示はしないが、検索された経路に対応する時刻表を手に入れる動作retrieve_tt を実行しようとする。このとき、この動作も都市1から地方大学への交通機関の時刻表データベースがノードtaに存在しないため失敗し、再プランニングとなる。その結果、やはり地方の観光局105にデータベースが存在するという不確実知識を得、上記と同様の移動・再プランニングとなる。
【0138】
ただ今回は、移動先の観光局105にもデータベースが存在しないとする。その場合、やはり観光局105において再プランニングを行い、今度は地方大学106にデータベースが存在するという不確実知識を使ったプランが生成される。この不確実知識については、地方大学106がモバイルをサポートしていないことから(図3)、協調によって確認すべきと決定される。この結果、エージェントuserは、地方大学106のエージェントとの協調によって、都市1から地方大学への交通機関(バス)の時刻表を検索する。
【0139】
〔3−6.協調による航空機の予約〕
次に、エージェントuserは、reserve_tickets を実行しようとする。この場合、ここまでの処理によって、図17に示すように、予約は航空機(P2)とバス(P3)の両方について行うことになっているものとする。このうち、まず、航空機の予約に必要な予約受付データベース(チケットデータベース)がノードtaに存在しないため、再プランニングを行い、その結果、2つの航空会社airline1、airline2(以下、それぞれ航空会社1、2とする)に存在するとの不確実知識M4を得る。
【0140】
ここで、この2つの会社の計算機とは、信頼性の高い回線で接続されているとの知識も得られるため、エージェントの移動ではなく、今回は契約ネットプロトコル手続きを実行する。この契約ネットプロトコルでは、エージェントuserは、2つの航空会社社1,2(103,104)の計算機上のエージェントに、次のようなタスクアナウンスメッセージを送信する。
【0141】
Figure 0003688462
このタスクアナウンスメッセージは、東京から都市1までのチケット予約について、値段を評価の基準として入札されたし、という意味である。
【0142】
このタスクアナウンスメッセージを受信した航空会社の各エージェントは、ゴール
ticket_reserved(tokyo,city1)
に対しプランニングを行い、その結果、それぞれプラン
reserve_ticket(tokyo,city1)
を作成する。次に各航空会社1,2のエージェントは、作成したプランについてコストを計算する。ここで計算するコストは、タスクアナウンスメッセージに含まれたprice、すなわち、チケットの値段とする。その結果、航空会社1、2のチケットの値段がそれぞれ20000円、および23000円であったとする。
【0143】
この場合、各航空会社1,2のエージェントは、以上の結果をそれぞれ以下のような入札メッセージを、旅行代理店102で動作中のエージェントに返信する。
【0144】
Figure 0003688462
この入札メッセージを受信したエージェントuserは、入札にあるコストを比較し、小さい方を選択する。すなわち、ここでは航空会社1のエージェントairline1_ag1を落札エージェントとして選択する。そして、エージェントuserは、選択した航空会社1の落札エージェントairline1_ag1に対しては、落札を表わすnockdownメッセージを送信し、選択しなかった航空会社2のエージェントairline2_ag1に対しては、落札しなかったことを表わすno_nockdown メッセージを送信する。
【0145】
〔3−7.バスの予約〕
このようにして、航空機を予約する処理P2が終了すると、エージェントuserは、次に、最終ゴールである
resolve_goal(plan_and_reserve_tickets(...))
にとって必要なもう1つの処理、すなわちバスを予約する処理P3を行う。
【0146】
バスを予約する処理P3は、事前条件としてバスの予約受付データベース(DB)の存在を必要とする。この予約受付データベースは、エージェントuserの現在地であるノードtaには存在しないので、実行失敗に続いて再プランニングが行われる結果、バスの予約受付データベースは観光局105にあるという不確実知識を使ったプランが得られる。
【0147】
観光局105は、上に述べたように移動の条件を満たすのでエージェントuserは観光局105に移動してバスの予約受付データベースを探すが発見できず、次に、バスの予約受付データベースは地方大学106にあるという不確実知識を使ったプランが得られる。
【0148】
このとき、地方大学106は、モバイルをサポートしていないので、契約ネットプロトコルによってバスを予約する処理P3を行い、これによって予約完了という最終ゴールが達成される。なお、最初の不確実知識から最終ゴールに至る全体的な流れの概略を図18に示す。
【0149】
〔4.効果〕
以上説明したように、この実施形態では、個々のプラットフォームが移動型のモバイルエージェントをサポートしているかどうかの情報をプラットフォームプロファイル52として用意しておく。そして、エージェントが他のプラットフォームの資源を使うとき、そのエージェントを当該他のプラットフォームへ移動させるか、そのエージェントから当該他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させる(協調)かは、このプラットフォームプロファイル52に基づいて容易に決めることができる。
【0150】
例えば、エージェントが他のプラットフォームの資源を使うとき、そのプラットフォームとの間の回線の信頼性が低ければ、そのプラットフォームに移動することが望ましいが、そのプラットフォームがモバイルエージェントをサポートしていないことをプラットフォームプロファイル52から予め判断することで、移動を試すまでもなく、そのプラットフォームのエージェントと協調を行うべきだと判断できる。なお、複数のエージェント間で協調を行うには、従来から知られているエージェント間協調の技術、例えば契約ネットプロトコルや、黒板機能などを使っている。
【0151】
また、この実施形態では、エージェントごとに、プラットフォーム間で移動する能力を持つモバイルエージェントか、移動する能力を持たないステーショナリエージェントかの情報をエージェント属性53として用意しておく。そして、エージェントが他のプラットフォームの資源を使うとき、そのエージェントを当該他のプラットフォームへ移動させるか、そのエージェントから当該他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させる(協調)かは、このエージェント属性に基づいて容易に決めることができる。
【0152】
特に、この実施形態では、エージェントが他のプラットフォームの資源を使うとき、移動か協調かは、上に述べたようなプラットフォームプロファイル52とエージェント属性53の両方に基づいて決める。例えば、そのエージェントとプラットフォームの両方が移動をサポートしていればエージェントを移動させるが、どちらか一方でもサポートしていなければ協調とする。これによって、移動機能を持つモバイルエージェントとステーショナリエージェントの統合的活用が容易になる。
【0153】
また、この実施形態では、プランニングによってネットワークの予期せぬ変化に柔軟に対応できる。そして、プランニングによってエージェントのプランが変わり、どのエージェントがどのプラットフォームの資源を使うことになっても、プラットフォームプロファイル52やエージェント属性53に基づいて移動か協調かを容易に決めることができる。このように、移動と協調とを使い分けることで、ネットワークという分散環境でエージェントを使う情報処理が効率化される。また、ネットワークの変化にもプランニングで対応しながら、エージェントの移動と協調とを有効に結び付けて活用するので、開放型ネットワークでも効果的に情報処理を行うことができる。
【0154】
また、この実施形態では、エージェントがプラットフォーム間で移動しようとするときに移動失敗などの例外が発生しても、そのような例外に適切に対応することで情報処理が円滑に行われる。特に、この実施形態では、移動時のどのような例外に対してどのように対処するかは例外記述54に表わしておき、例外記述を書き換えることで対処の内容を容易に変更することができる。
【0155】
さらに、この実施形態では、移動のときによく起きがちな例外、すなわち移動先との通信の失敗、移動先の指定が無効、移動先がモバイルエージェントに対応していない、移動先での資源不足、のうち少なくとも1つに対する対処を例外記述54に表わしておくので、例外に効果的に対処することができる。
【0156】
特に、この実施形態では、どの通信回線の信頼性が低いかの情報を予め各プラットフォームなどに用意しておき、エージェントがそのような回線を通して移動しようとするときに通信が途絶したときの対応を決めておく。これによって、通信回線の信頼性が低く、通信が途絶しやすい場合でも動作不全や故障などが起きにくくなる。
【0157】
具体的には、この実施形態では、エージェントを移動させるための通信が途絶えるとしばらく待ってから再び通信を試みる処理が繰り返される。このため、通信回線の信頼性が低くても、状態がよくなっている間にエージェントの情報を送ってエージェントを移動させることができる可能性が高くなる。
【0158】
さらに、この実施形態では、プランニングに使う知識などプラットフォームの資源が情報処理の目的や知識の適用分野などを基準に、フィールドごとに分けて管理される。このため、あるフィールドのエージェントは、自分の目的と関係ない知識まで参照する必要がなく、効率的にプランニングをすることができる。
【0159】
加えて、この実施形態では、ネットワークの予期せぬ変化のような急ぎの情報は、例えば、黒板の上位階層に書き込むことで、エージェントの通常の動作に割り込ませ、そのような変化に対応してエージェントの動作を制御することができる。
【0160】
〔5.他の実施形態〕
なお、この発明は上に述べた実施形態に限定されるものではなく、次に例示するような他の実施形態をも含むものである。例えば、この発明において、ネットワークの規模、形式、プラットフォーム数などは自由であり、エージェントを用いて行う情報処理の種類や、動作、知識、プランなどを記述する言語の形式も自由に選択しうる。また、この発明はチケット予約以外の課題に適用できることはもちろんである。
【0161】
また、図に示したプラットフォームプロファイル52(図3)、エージェント属性53(図4)、例外記述54(図5、図6)などの形式や内容は例示に過ぎず、他の形式にしたり、それらの情報にどのような項目を含めるかなどは自由に変更することができる。また、例えば、例外記述をエージェント属性などと一緒に、又はそのような情報に対応付けて格納しておくこともできる。また、同じように、通信回線の信頼性に関する情報は、例外記述の一部とせずに、独立した情報として格納しておいてもよいし、プラットフォームプロファイルの一部としてもよい。
【0162】
また、上に述べた実施形態では、プラットフォームプロファイル、エージェント属性、例外記述などをプラットフォームごとの知識格納部に格納したが、これらの情報は、エージェントが所有する情報として実現し、エージェントが他のプラットフォームに移動のため転送されるときは、これらの情報がエージェントと一緒に転送されるようにしてもよい。
【0163】
また、上に述べた実施形態では、プランニングを行うエージェントを主に例示したが、この発明は、プランニングを行わないエージェントに適用することもできる。また、対処部、例外記述を含めた例外に対応するための構成やタイムアウト検知部は必ずしも設ける必要はなく、また、例外記述の内容も実施形態に示した実例にかかわらず、自由に定めることができる。
【0164】
また、同じように、各プラットフォームには必ずしも複数のフィールドを設ける必要はなく、また、黒板部や黒板管理部もこの発明にとって必須ではない。
【0165】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、モバイルエージェントとステーショナリエージェントとを状況に応じて動的に使い分けることで円滑に情報を処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図2】この発明の実施形態における問題の内容を示す概念図。
【図3】この発明の実施形態におけるプラットフォームプロファイルの例を示す図。
【図4】この発明の実施形態におけるエージェント属性の例を示す図。
【図5】この発明の実施形態における例外記述の例を示す図。
【図6】この発明の実施形態における通信回線の信頼性に関する情報の例を示す図。
【図7】この発明の実施形態におけるフィールドを示す概念図。
【図8】この発明の実施形態における黒板部を示す概念図。
【図9】この発明の実施形態における処理手順を示すフローチャート。
【図10】この発明の実施形態において、生成途中のプランを示す概念図。
【図11】この発明の実施形態において、完成したプランを示す概念図。
【図12】この発明の実施形態におけるプラン生成の具体的な手順を示すフローチャート。
【図13】この発明の実施形態における契約ネットプロトコルの手順を示すフローチャート。
【図14】この発明の実施形態において、エージェントがプラットフォーム間で移動する手順を示すフローチャート。
【図15】この発明の実施形態における問題の例について、ゴールを達成する途中経過を示す概念図。
【図16】この発明の実施形態における問題の例について、ゴールを達成する途中経過を示す概念図。
【図17】この発明の実施形態における問題の例について、ゴールを達成する途中経過を示す概念図。
【図18】この発明の実施形態における問題の例について、ゴールを達成する途中経過を示す概念図。
【図19】従来のエージェントシステムの一例を示すブロック図。
【図20】プランニングを使う従来のエージェントシステムの例を示すブロック図。
【図21】プランニングを使う従来のエージェントシステムにおける処理手順を示すフローチャート。
【図22】プランニングを使う従来のエージェントシステムにおけるエージェントのライフサイクルを示す概念図。
【符号の説明】
1…エージェント管理部
11…協調部
12…移動部
13…決定部
14…対処部
15…タイムアウト検知部
2…プランニング部
3…実行部
4…エージェント情報格納部
5…知識格納部
51…プランニング用知識
52…プラットホームプロファイル
53…エージェント属性
54…例外記述
6…知識管理部
7…フィールド管理部
8…黒板部
9…黒板管理部
20…入出力部
L…ローカルマシン
R…リモートマシン
N…ネットワーク
C…条件
P…動作
S…状態
800N…ネットワーク
800L…ローカルノード
800R…リモートノード
801…エージェント情報記憶手段
802…解釈実行手段
803…入出力手段
804…エージェント管理手段
STEP…手順の各ステップ

Claims (15)

  1. ネットワークで互いに接続された複数のプラットフォーム上でソフトウェアエージェントに情報処理を行わせる情報処理装置において、
    エージェント他のプラットフォームの資源を使わせるとき、そのエージェントを当該他のプラットフォームへ移動させる移動手段と、
    エージェント他のプラットフォームの資源を使わせるとき、そのエージェントから当該他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させる協調手段と、
    個々のプラットフォームが移動されたエージェントを受け入れて活動させる手段を備えているかどうかを表わすプラットフォームプロファイルを格納する手段と、
    個々のエージェントがプラットフォーム間で移動する能力を持つかどうかに関するエージェント属性を格納する手段と、
    エージェント他のプラットフォームの資源を使わせるとき、前記プラットフォームプロファイル及び前記エージェント属性に基づいて、そのエージェントを当該他のプラットフォームへ移動させるか、そのエージェントから当該他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させるかを決定する決定手段と、
    を備えたことを特徴とする情報処理装置。
  2. 与えられた要求を満たすエージェントのプランを生成するプランニング手段と、
    生成されたプランを実行することでエージェントを動作させる実行手段と、
    エージェントの動作に必要な情報を格納するためのエージェント情報格納手段と、
    プラットフォーム上のエージェントに対して、他のプラットフォームに移動させ又は他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させることで他のプラットフォームの資源を使わせるエージェント管理手段と、
    前記プランの生成、前記移動及び前記依頼に必要な知識を格納する知識格納手段と、
    前記知識格納手段を管理する知識管理手段とを備えていることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
  3. エージェントがプラットフォーム間で移動しようとするときの例外に対応するための例外対応手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記例外対応手段は、どのような例外に対してどのように対処するかを表わす例外記述と、前記例外記述に基づいて例外に対処する対処手段と、を備えたことを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。
  5. 前記例外記述は、(1)移動先として指定されたプラットフォームとの通信が失敗したためにエージェントが移動できない例外、(2)移動先の指定が無効であるためにエージェントが移動できない例外、(3)移動先として指定されたプラットフォームが移動されたエージェントを受け入れて活動させる手段を備えていないためにエージェントが移動できない例外、(4)移動先として指定されたプラットフォームにおける資源不足のためにエージェントが移動できない例外、のうち少なくとも1つについて、どのように対処するかを表わすことを特徴とする請求項4記載の情報処理装置。
  6. 前記例外記述は、前記通信回線のうち信頼性の低い通信回線に関する情報と、エージェントが前記信頼性の低い通信回線を通してプラットフォーム間で移動するときに発生する可能性がある例外に対してどのように対処するかを表わす情報と、を含むことを特徴とする請求項4又は5記載の情報処理装置。
  7. 前記通信回線で一定時間反応が途絶していることを検知するタイムアウト検知手段を備え、前記例外対応手段は、前記信頼性の低い通信回線を通してエージェントを移動させるための通信を行っているときに、前記タイムアウト検知手段が前記途絶を検知した場合、予め決められた待ち時間の後で前記通信を再び試みる処理を繰り返すように構成されたことを特徴とする請求項6記載の情報処理装置。
  8. 各プラットフォームは、異なった目的に対応する複数のフィールドを備え、プラットフォームの持っている資源をフィールドごとに分けて管理するフィールド管理手段を備えたことを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の情報処理装置。
  9. 複数のエージェントが情報をやり取りするための黒板手段と、前記黒板手段を、情報の優先度に応じた複数の階層に分けて管理することで各エージェントを協調させるように制御する黒板管理手段と、を備えたことを特徴とする請求項1からのいずれか1つに記載の情報処理装置。
  10. 情報処理装置を使用して、ネットワークで互いに接続された複数のプラットフォーム上でエージェント情報処理を行わせる情報処理方法において、
    エージェント他のプラットフォームの資源を使わせるとき、そのエージェントを当該他のプラットフォームへ移動させるステップと、
    エージェント他のプラットフォームの資源を使わせるとき、そのエージェントから当該他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させるステップと、
    個々のプラットフォームが移動されたエージェントを受け入れて活動させる手段を備えているかどうかを表わすプラットフォームプロファイルと、個々のエージェントがプラットフォーム間で移動する能力を持つかどうかに関するエージェント属性に基づいて、エージェント他のプラットフォームの資源を使わせるとき、そのエージェントを当該他のプラットフォームへ移動させるか、そのエージェントから当該他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させるかを決定するステップと、
    を含むことを特徴とする情報処理方法。
  11. 与えられた要求を満たすエージェントのプランを生成するステップと、生成されたプランを実行することでエージェントを動作させるステップと、
    エージェントの動作に必要な情報を格納し及び読み出すステップと、
    プラットフォーム上のエージェントに対して、他のプラットフォームに移動させ又は他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させることで他のプラットフォームの資源を使わせるステップと、
    前記プランの生成、前記移動及び前記依頼に必要な知識を格納し及び読み出すステップと、
    前記知識格納手段を管理するステップと、
    を備えていることを特徴とする請求項10に記載の情報処理方法。
  12. 前記情報処理装置が、エージェントがプラットフォーム間で移動しようとするときの例外に対応するための例外対応手段を備え、
    エージェントプラットフォーム間で移動させるときの例外に対応するためのステップを含むことを特徴とする請求項10又は11に記載の情報処理方法。
  13. 前記例外対応手段は、どのような例外に対してどのように対処するかを表わす例外記述と、前記例外記述に基づいて例外に対処する対処手段と、を備え
    前記例外に対応するためのステップが、どのような例外に対してどのように対処するかを表わす例外記述に基づいて例外に対処するステップを含み、
    前記例外記述は、前記通信回線のうち信頼性の低い通信回線に関する情報と、エージェントが前記信頼性の低い通信回線を通してプラットフォーム間で移動するときに発生する可能性がある例外に対してどのように対処するかを表わす情報と、を含むことを特徴とする請求項12に記載の情報処理方法。
  14. 前記通信回線で一定時間反応が途絶していることを検知するステップと、前記信頼性の低い通信回線を通してエージェントを移動させるための通信を行っているときに前記途絶が検知された場合、予め決められた待ち時間の後で前記通信を再び試みる処理を繰り返すことを特徴とする請求項13記載の情報処理方法。
  15. コンピュータを使用して、ネットワークで互いに接続された複数のプラットフォーム上でエージェント情報処理を行わせる情報処理用プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体において、
    前記プログラムは前記コンピュータに、
    エージェント他のプラットフォームの資源を使わせるとき、そのエージェントを当該他のプラットフォームへ移動させ、エージェント他のプラットフォームの資源を使わせるとき、そのエージェントから当該他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させ、個々のプラットフォームが移動されたエージェントを受け入れて活動させる手段を備えているかどうかを表わすプラットフォームプロファイルを格納させ、個々のエージェントがプラットフォーム間で移動する能力を持つかどうかに関するエージェント属性を格納させ、エージェント他のプラットフォームの資源を使わせるとき、前記プラットフォームプロファイル及びエージェント属性に基づいて、そのエージェントを当該他のプラットフォームへ移動させるか、そのエージェントから当該他のプラットフォームのエージェントに処理を依頼させるかを決定させることを特徴とする情報処理用プログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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