JP3687878B2 - 噴霧装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、噴霧地点から離れた位置で噴霧操作することができるようにした簡易タイプの噴霧装置に係る技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
最近、家庭園芸に利用される殺虫剤等の各種の薬剤等が、噴霧剤としてボンベに圧縮充填されて提供されるようになってきている。このボンベは、噴射ボタンを押すことにより噴霧剤を噴射することができて操作が容易であるものの、噴射された噴霧剤が手元で拡散してしまうため噴霧剤の性質によっては危険である。また、蜂等の危険な虫類を殺虫する際には、噴霧地点から離れた遠隔位置での噴霧操作が要求される。
【0003】
このため、ボンベを利用して噴霧地点から離れた位置で噴霧操作することができるようにした簡易タイプの噴霧装置の開発が切望されている。
【0004】
従来、噴霧装置としては、例えば、噴霧剤が圧縮充填されたボンベと、先端部にボンベの取付部とボンベの噴射ボタンを押操作する操作片とが設けられた伸縮構造を有するポールと、ポールの先端部の操作片からポールの基端部まで配設された操作ワイアとを備えたものが知られている。
【0005】
この従来の噴霧装置は、ポールの取付部にボンベを装着してポールを伸長させ、ボンベの噴射ボタンを操作ワイアを介して操作片で押操作して噴霧剤を噴射させるもので、ポールの伸長した長さ分噴霧地点から離れた位置で噴霧操作することができるようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来の噴霧装置では、噴霧剤の噴霧方向が固定されているため、噴霧剤の噴霧方向を変更するにはポールを起伏,回転等させなければならず、噴霧剤の噴射方向の制御が面倒であるという問題点がある。
【0007】
本発明の目的は、このような問題点を考慮してなされたもので、噴霧剤の噴射方向を簡単に制御することのできる噴霧装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、本発明に係る噴霧装置は、次のような手段を採用する。
【0009】
上記目的は、殺虫剤などの噴霧剤が圧縮充填されたボンベと、潰れずに屈折可能な材質で形成され、ボンベに接続されてボンベから噴射された噴霧剤を圧送する移送チューブと、伸縮構造を有して内部に移送チューブがスライド可能に配設される中空のポールと、ポールの先端部に取付けられて移送チューブに接続されるとともに、移送チューブの押引で噴霧剤の噴霧方向が可変されるノズルとを備えたことにより達成される。
【0010】
この手段では、手元のボンベから噴射された噴霧剤が、移送チューブを介してノズルから噴霧される。ノズルは、移送チューブの押引という簡単な操作で噴霧方向が可変される。なお、押引された移送チューブは、屈折するが潰れないで噴霧剤の移送を確保する。
【0011】
上記目的は、請求項1の噴霧装置において、ノズルは弾性部材によってポールの先端部に支持せしめられ、移送チューブの引張りで弾性部材の弾性に抗してノズルの噴霧方向が可変され、移送チューブの引張り解除で弾性部材の弾性によりノズルの噴霧方向がポールの軸線に沿った直進姿勢に復帰されることにより達成される。
【0012】
この手段では、移送チューブの引張り操作のみでノズルの噴霧方向が可変される。移送チューブの引張りの解除は、弾性部材の弾性による移送チューブの押出となって、ノズルの噴霧方向が特定方向へ復帰される。
【0013】
上記目的は、請求項2の噴霧装置において、弾性部材はポールの先端部に固定された取付座とノズルとの間にポールの軸線と平行に掛渡しされ、移送チューブはノズルに固定されて弾性部材と少しの間隔を介して弾性部材と平行に配設されて取付座を貫通していることにより達成される。
【0014】
この手段では、移送チューブの引張りで弾性部材を湾曲させてノズルを傾倒させることにより、ノズルの噴霧方向が可変される。
【0015】
上記目的は、請求項3の噴霧装置において、ノズルの噴霧口は弾性部材の掛渡線の延長線上に位置していることにより達成される。
【0016】
この手段では、ノズルの噴霧口と弾性部材とが剛体化される。
【0017】
上記目的は、請求項3または4の噴霧装置において、ノズルと取付座との対面する面にそれぞれ移送チューブを中心として掘込まれたテーパ溝が設けられていることにより達成される。
【0018】
この手段では、引張られた移送チューブがテーパ溝に案内されて湾曲する。
【0019】
上記目的は、請求項1〜5のいずれかの噴霧装置において、ポールの基端部に移送チューブの押引位置を保持するロック機構が設けられていることにより達成される。
【0020】
この手段では、移送チューブの押引位置をロック機構で保持することにより、ノズルの噴霧方向が固定される。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る噴霧装置の実施の形態を図面に基いて説明する。
【0022】
図1〜図6は、本発明に係る噴霧装置の実施の形態(1)を示すものである。
【0023】
この実施の形態では、図1に示すように、ボンベ1,移送チューブ2,ポール3,ノズル4,取付座5,弾性部材6,ノズルカバー7,カバー取付部8,ロック機構9,滑止チューブ10の各部で構成されている。
【0024】
ボンベ1は、図1に示すように、殺虫剤等の噴霧剤が圧縮充填されたもので、一般家庭向けとして提供されているエアゾルや圧力式噴霧器(手押し蓄圧タイプ,電池によるモータタイプなど)の比較的小型で携帯可能なものが採用される。
【0025】
移送チューブ2は、ポリエチレン(EP)やポリプロピレン(PP)等のように、耐薬品性を有して潰れずに屈折される材質のものによって構成される。この移送チューブ2は、図2〜図4に詳細に示されるように、噴霧地点から噴霧操作位置までの距離に充分に対応可能な長さが確保され、一端がノズル4に接続されてポール3の内部に遊挿され、他端がポール3の基端部から引出されてボンベ1に接続される。
【0026】
ポール3は、図2に詳細に示されているように、内部に移送チューブ2をスライド可能に配設することのできる中空形からなるもので、先端側ポール3a,後端側ポール3bの2重管からなる伸縮構造を有している。この伸縮構造は、先端側ポール3aを先端部の外径よりも後端部の外径を大きくしたテーパ管として、後端側ポール3bから延出させた先端側ポール3aの後端外面部を、後端側ポール3bの先端内面部に圧接させて伸長姿勢を保持することができるようになっている。なお、後端側ポール3bの基端部(後端部)には、図4に示すように、先端側ポール3aの抜脱を防止する栓3cが取付けられている。このポール3については、軽量で丈夫な例えば、既存の釣竿等を採用することも可能である。
【0027】
ノズル4は、図2に詳細に示されるように、噴射口4aを有するキャップ4bが、取付ネジ4cによって台座4dの上面に交換可能に螺合取付けされてなる。取付ネジ4cの内部に設けられている通孔4eには、パッキング4fを介して移送チューブ2の先端部が接続されている。台座4dの取付ネジ4cから少し離れた位置には、台座4dを貫通した移送チューブ2を固定する固定ナット4gが上面側に螺合され、固定ナット4gから下面側に向けて拡開したテーパ溝4hが設けられている。また、台座4dの下面の取付ネジ4cの正反対側には、弾性部材6を装着する取付穴4iが掘設されている。取付穴4iには、弾性部材6を側方から抜止め固定する固定ネジ4jが設けられている。このノズル4については、耐腐食性のあるステンレスが形成材料として選択される。
【0028】
取付座5は、図2に詳細に示されるように、ノズル4の台座4dにほぼ対応した本体部5aの下面側に、固定筒部5bが設けられてなる。本体部5aの上面には、ノズル4のテーパ溝4hに対応したテーパ溝5cが設け、このテーパ溝5cから固定筒部5bには、移送チューブ2の外径よりも大きな径の配設孔5dが貫通形成されている。本体部5aの上面の上面のテーパ溝5cから少し離れた位置には、ノズル4の取付穴4iに対応した弾性部材6を装着する取付穴5eが掘設されている。取付穴5eには、弾性部材6を側方から抜止め固定する固定ネジ5fが設けられている。固定筒部5bの内側は、ポール3の先端側ポール3aの先端部に固定されている。固定筒部5bの外側は、ポール3の後端側ポール3bの先端部に嵌合着脱されるように構成されている。なお、固定筒部5bの外側には、ポール3の後端側ポール3bの先端部へ圧接するパッキング5gが取付けられており、この取付座5については、耐腐食性のあるアルミニウムやステンレスなどが形成材料として選択される。
【0029】
弾性部材6は、コイルスプリングからなるもので、ノズル4の取付穴4iと取付座5の取付穴5eとの間に掛渡されている。弾性部材6の両端部は、図2に詳細に示されているように、固定ネジ4j,5fによって、ノズル4の台座4dと取付座5の本体部5aとにそれぞれ抜止め固定されている。弾性部材6の軸中心とノズル4のキャップ4b(噴射口4a)の軸中心とは、ポール3の軸中心(移送チューブ2の配設中心)を通る直線Xから少し離れた平行な共通の直線Y上に位置している。この弾性部材6については、耐腐食性のあるステンレスなどが形成材料として選択される。
【0030】
ノズルカバー7は、図2に詳細に示されるように、合成樹脂材等で天板を有する筒形に形成されてなるもので、ノズル4,取付座5を覆ってポール3の後端側ポール3bの先端部付近に設けられているカバー取付部8に嵌脱自在に嵌着せしめられ、ノズル4,取付座5に土砂などが付着するのを防止し、更にノズル部を保護する。又、ノズルカバー7に天板を設けずに開口することにより、ノズルカバー7を天地の区別なくカバー取付部8に嵌脱することができるようにしてもよい。
【0031】
カバー取付部8は、図1,図2に詳細に示されるように、ポール3の後端側ポール3bの先端部に固定されたスぺーサ8aと、後端側ポール3bの先端部から少し後端部よりに固定されたスぺーサ付ストッパ8bとからなる。スぺーサ8aの外径は、ノズルカバー7の内径とほぼ一致している。スぺーサ付ストッパ8bの外径は、ノズルカバー7の内径とほぼ一致した部分と僅かに大きな部分とからなる。
【0032】
ロック機構9は、図4に詳細に示されるように、外筒9aの内部にバネ9bで一定方向へ弾圧される内筒9cを収容してなる。外筒9aには、移送チューブ2が挿通される円形または円形に近い長孔形の挿通孔9dが設けられており、又内筒9cには、移送チューブ2が挿通される長孔形の挿通孔9eが設けられている。両挿通孔9d,9eは、バネ9bの弾性に抗した内筒9cの突起9fの押操作により、移送チューブ2の移動を許容する孔合わせがなされ、又内筒9cの突起9fの押操作の解除のバネ9bの弾性により移送チューブ2の移動を阻止する孔位相がなされるようになっている。このロック機構9は、ポール3の後端側ポール3bの後端部(基端部)から引出された移送チューブ2に装着される。
【0033】
10は滑り止めチューブであって、この滑り止めチューブ10は、加圧で変形する柔軟性と、加圧で移送チューブ2に滑らずに圧接する摩擦性とを有するゴム系等の材質のものによって構成されている。又、この滑止チューブ10は、移送チューブ2の所要部位の外側に嵌装してあり、ロック機構9の通孔9d,9e部が挿通されるようにしてある。
【0034】
この実施の形態を使用しない状態では、ポール3が短縮されてポール3の先端側にノズルカバー7が装着される。
【0035】
ノズルカバー7が装着された状態では、図2に示すように、ノズル4全体がノズルカバー7によって覆われているため、ゴミ等の付着によるノズル4(特に、噴霧口噴射口4a)の汚損,目詰まりや損傷が防止される。また、取付座5のテーパ溝5c,配設孔5dもノズルカバー7によって覆われているため、ポール3の先端側ポール3aの先端部からのゴミ等の侵入が防止され、ポール3の伸縮に不具合を生じさせることもない。
【0036】
また、ポール3が短縮された状態では、取付座5のパッキング5gがポール3の後端側ポール3bの先端部に圧接しているため、ポール3の先端側ポール3aが不測に振出されて伸長することがない。
【0037】
この実施の形態を使用するには、図5に示すように、ノズルカバー7を外してポール3を伸長させる。このとき、ロック機構9の内筒9cの突起9fを押操作して、外筒9aの挿通孔9dと内筒9cの挿通孔9eとを孔合わせすると、ノズル4の台座4dに固定されている移送チューブ2が、ポール3の伸長により追随してポール3の内部に引込まれる。また、伸長したポール3は、先端側ポール3aの後端部を後端側ポール3bの先端部に圧接させることにより、伸長状態が保持される。
【0038】
伸長したポール3から引出されている移送チューブ2は、作業者Mの腰付近に装備されたボンベ1に接続される。このとき、必要に応じて、移送チューブ2とボンベ1とをニップル類を介して接続する。
【0039】
その後、すずめ蜂の巣等の噴霧対象Tにノズル4の噴霧口4aを向けることになる。このとき、ノズル4の噴霧口4aがポール3の軸中心の直線Xと平行する直線Yの延長方向を向いているが、噴霧対象Tの照準に際してノズル4(特に、キャップ4b)が噴霧対象T等に誤って衝突することがあっても、キャップ4b(噴霧口4a)とノズル4全体を支持する弾性部材6とが直線Y上に位置して剛体化されているため、ノズル4の噴霧口4aの向きが簡単に変化することはない。
【0040】
ノズル4の噴霧口4aを噴霧対象Tに照準した後には、ボンベ1のボタン,レバー等を操作して噴霧剤を噴射させ、噴霧剤を移送チューブ2の内部からノズル4に移送して噴霧口4aから噴霧する。
【0041】
また、噴霧対象Tが照準し難い位置にある場合には、移送チューブ2を引張することにより、弾性部材6の弾性に抗してノズル4の台座4dを傾倒させて、ノズル4の噴霧口4aの向きを変化させることができる(図3,図6参照)。このノズル4の台座4dの傾倒は、移送チューブ2,ノズル4の台座4d,弾性部材6のてこの原理と弾性部材6の弾性変形とにより円滑になされる。従って、移送チューブ2を引張という簡単な操作で噴霧対象Tを正確に照準することができる。このとき、移送チューブ2は、その材質の特性から、ノズル4の台座4dの傾倒に伴って屈折するものの潰れることはない。従って、噴霧剤の移送に支障が生ずることはない。また、ノズル4のテーパ溝4hと取付座5のテーパ溝5cとは、移送チューブ2の湾曲を容易にして折曲がりを防止する。
【0042】
なお、このノズル4の噴霧口4aの変化された向きは、ロック機構9をポール3の栓3cに当て内筒9cの突起9fを押操作を解除して、外筒9aの挿通孔9dと内筒9cの挿通孔9eとを孔位相させることにより保持される。このノズル4の噴霧口4aの向きの変化は、移送チューブ2の引張量によって無段階に調整される。また、ロック機構9から移送チューブ2に掛かる弾性部材6の弾性の応力は、滑止チューブ10で吸収されることになる。従って、ロック機構9によって移送チューブ2が損傷して噴霧剤が漏出するようなことはない。
【0043】
噴霧剤の噴霧作業の終了後には、ロック機構9の内筒9cの突起9fを押操作して、外筒9aの挿通孔9dと内筒9cの挿通孔9eとを孔合わせすることにより、弾性部材6の弾性の付勢で移送チューブ2をポール3の内部に引込みノズル4の噴霧口4aの向きを元の状態に自動的に復帰させることができる。
【0044】
その後には、ポール3を短縮させてポール3の先端側にノズルカバー7を装着することになる。
【0045】
図7は、本発明に係る噴霧装置の実施の形態(2)を示すものである。
【0046】
この実施の形態では、前述の実施の形態(1)のロック機構9を変更したものである。
【0047】
この実施の形態のロック機構11は、前述の実施の形態(1)のポール3の栓3cを改造して後端側ポール3bの後端部(基端部)に抜止め回転可能に取付けられた回転リング11aと、回転リング11aに螺合し一部後端側ポール3bから突出し大部分が後端側ポール3bの内部をスライドするスライダ11bと、スライダ11bに設けられ後端側ポール3bの内周壁に当接してスライダ11bのスライドを円滑にするガイド11cと、後端側ポール3bの軸方向に延びて貫通形成されたガイド溝11dと、ガイド11cに固定されてガイド溝11dに嵌合しスライダ11b,ガイド11cを回り止めする突起11eと、スライダ11bの後端側ポール3bから突出した端部に内外を貫通して螺合された蝶ネジ11fとを備えたものである。
【0048】
この実施の形態では、スライダ11bの内部に移送チューブ2を配設し、蝶ネジ11fで滑止チューブ10を介して移送チューブ2を固定しておいて、ノズル4の噴霧口4aの向きを変化させることになる。
【0049】
即ち、回転リング11aを回転させると、スライダ11bがポール3の後端側ポール3bの軸方向にスライドして移送チューブ2を押引することになる。この移送チューブ2の押引は、前述の実施の形態(1)での説明のように、ノズル4の噴霧口4aの向きの変化を無段階に調整することになる。
【0050】
なお、この実施の形態のロック機構11は、ノズル4の噴霧口4aの向きの変化を回転リング11aの回転調整で行うため、前述の実施の形態(1)のロック機構9よりも微調整が可能である。
【0051】
図8,図9は、本発明に係る噴霧装置の実施の形態(3)を示すものである。
【0052】
この実施の形態は、前述の実施の形態(1)のノズル4のキャップ4bを直線X上に位置させ、前述の実施の形態(1)のノズル4の取付ネジ4c,固定ナット4gが共通一体化されている。
【0053】
この実施の形態によると、ノズル4の噴霧口4aの向きの変化に係る作用,効果を変更することなく、ノズル4の構造が簡素化される。
【0054】
以上、図示した実施の形態の外に、ノズル4の噴霧口4aの向きの自動復帰が望めず、ノズル4の噴霧口4aの向きの変化を移送チューブの押引の双方で行わなければならないが、弾性部材6に代えて非弾性のフレキシブル材でノズル4を支持することも可能である。
【0055】
【発明の効果】
上述のように本発明の構成によれば、次のような効果が得られる。
(a)本発明に係る噴霧装置は、移送チューブを押引するだけでノズルの向きを変化させることができるため、噴霧剤の噴射方向を簡単に制御することができる。
(b)請求項2として、移送チューブの引張のみノズルの向きを変化させることができ、移送チューブの引張の解除でノズルの向きを元に復帰させることができるため、噴霧剤の噴射方向をより簡単に制御することができる効果がある。
(c)請求項3として、移送チューブ,ノズル,弾性部材のてこの原理と弾性部材の弾性変形とにより、ノズルの向きの変化が円滑になされる効果がある。
(d)請求項4として、ノズルの噴出口と弾性部材とが近接して剛体を形成するため、ノズルの噴出口が噴霧対象等に衝突しても簡単に向きが変化せず、取扱い性の向上が図れる。
(e)請求項5として、ノズルの噴霧口の向きの変化に伴う移送チューブの屈折がテーパ溝の内部でなされるため、移送チューブの湾曲屈折が容易になり折曲が防止される。
(f)請求項6として、ロック機構によりノズルの噴霧口の向きが保持されるため、噴霧対象への噴霧剤の噴射を正確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る噴霧装置の実施の形態(1)を示す全体の側面図である。
【図2】 図1の要部の拡大縦断面図である。
【図3】 図2の要部の動作を示す側面図である。
【図4】 図1の他の要部の拡大縦断面図である。
【図5】 図1の使用状態図である。
【図6】 図1の他の使用状態図である。
【図7】 本発明に係る噴霧装置の実施の形態(2)を示す要部の断面図である。
【図8】 本発明に係る噴霧装置の実施の形態(3)を示す要部の断面図である。
【図9】 図6の要部の動作を示す側面図である。
【符号の説明】
1 ボンベ
2 移送チューブ
3 ポール
4 ノズル
4a 噴射口
4h テーパ溝
5 取付座
5c テーパ溝
6 弾性部材
9 ロック機構
11 ロック機構

Claims (6)

  1. 殺虫剤などの噴霧剤が圧縮充填されたボンベと、潰れずに屈折可能な材質で形成され、ボンベに接続されてボンベから噴射された噴霧剤を圧送する移送チューブと、伸縮構造を有して内部に移送チューブがスライド可能に配設される中空のポールと、ポールの先端部に取付けられて移送チューブに接続されるとともに、移送チューブの押引で噴霧剤の噴霧方向が可変されるノズルとを備えたことを特徴とする噴霧装置。
  2. 請求項1の噴霧装置において、ノズルは弾性部材によってポールの先端部に支持せしめられ、移送チューブの引張りで弾性部材の弾性に抗してノズルの噴霧方向が可変され、移送チューブの引張り解除で弾性部材の弾性によりノズルの噴霧方向がポールの軸線に沿った直進姿勢に復帰されることを特徴とする噴霧装置。
  3. 請求項2の噴霧装置において、弾性部材はポールの先端部に固定された取付座とノズルとの間にポールの軸線と平行に掛渡しされ、移送チューブはノズルに固定されて弾性部材と少しの間隔を介して弾性部材と平行に配設されて取付座を貫通していることを特徴とする噴霧装置。
  4. 請求項3の噴霧装置において、ノズルの噴霧口は弾性部材の掛渡線の延長線上に位置していることを特徴とする噴霧装置。
  5. 請求項3または4の噴霧装置において、ノズルと取付座との対面する面にそれぞれ移送チューブを中心として掘込まれたテーパ溝が設けられていることを特徴とする噴霧装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかの噴霧装置において、ポールの基端部に移送チューブの押引位置を保持するロック機構が設けられていることを特徴とする噴霧装置。
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