JP3686142B2 - 振動発生用モータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯用ページャ(ポケットベル)、携帯用電話機等において人体に伝えるための振動を発生するモータに主として利用される振動発生用モータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の振動発生用モータについて以下説明する。
【0003】
(従来例1)
図43の(a)は従来の小判型断面の携帯型ページャー用コア付モータの断面図、図43の(b)は軸に対して直角面上の断面図を示すものである。
【0004】
図43において、101はフレームケース、102はマグネット、103はシャフト、104、105は焼結軸受、106はコア、107はコイル(巻線)、108は整流子端子台、109は整流子、110はブラシ、111はブラケット、112はアンバランス用のウェイトである。
【0005】
図43に示すように、シャフト103に珪素鋼板を積層したモ−タのコア106(鉄心ともいう)を固定し、コア形状に樹脂成形したインシュレ−タをコア106に挿入し、整流子端子台108をシャフト103に圧入する。さらに、コア106にコイル107を巻回して、そのコイル107の通電箇所を整流子端子台108の所定の位置に取り付け、半田で導通させて、モ−タのアマチュア巻線組立体を作る。次に、アマチュア巻線組立体の整流子端子台108の整流子面をラッピング処理し、アマチュア巻線組立体全体を洗浄する。フレ−ムケース101の中央部に焼結軸受105を固定し、そのフレームケース101は小判型形状で、その2カ所の円弧部のフレームケース101内周側に円弧状のマグネット102を個々に取付け、その2個のマグネット102の内側は磁極が異極に着磁されている。洗浄したアマチュア巻線組立体のシャフト103を焼結軸受104に挿入し、ブラシ110と焼結軸受105のついたブラケット111をフレ−ムケース101に取り付けてモ−タを組み立てる。
【0006】
マグネット102の磁束は一方のマグネット内側表面から出て、モータのコア106を通り、次いでもう一方のマグネット102の内側表面に入り、フレームケース101を通ってはじめのマグネット102に戻る磁気回路構成である。軸に対して直角面上での磁気回路構成である。
【0007】
モータの回転により、アンバランス用のウェイト112を固着したシャフト103は振動し、その振動がフレームケース101に伝わる。
【0008】
(従来例2)
図44は携帯用通信機器用モータとして、四角形断面コアレスモータを示し、(a)はその平面図、(b)はその断面図を示す。
【0009】
図44において、121はシャフトで、整流子122を介して無鉄心型のコイル群123に固定されている。124は中空円筒状のマグネットであり、ハウジング126に固定され、コイル群123の内側に空間をもった配置である。125は外周に平面部を持つフレームケースであり、円筒状マグネット124を固定したハウジング126をコイル群123の内側に空間を持って配置するよう固定するとともに、円筒状マグネット124との間で磁気回路を構成している。127は軸受であり、ハウジング126に固定され、シャフト121を回転自在に支持している。128はブラシ組立であり整流子122を介してコイル群123に通電する。シャフト121にはアンバランス用のウェイト129が固着されている。
【0010】
(従来例3)
図45はインナロータタイプの振動発生用のブラシレスモータの断面図を示す。
【0011】
図45において、141は3極の突極を有する円筒状コア、142はコイル、143はマグネット、144はシャフト、145はフレームケース、146、147は軸受、148は電子部品が実装された回路基板、149はシャフト144に固着されたアンバランス用のウェイトである。
【0012】
図45に示すように、シャフト144に中空円筒のマグネット143の内円筒部が挿入固定され、そのシャフト144の一方端はフレームケース145に取り付けられた軸受146に支承され、もう一方のシャフト端は軸受147に支承された両持ち支持構造のインナーロータである。軸受146、147で回転自在に保持されたシャフト144に取付らたマグネット143は2極に着磁され、コア141の突極に巻回されたコイル142に通電することにより発生する磁束によりロータマグネットは回転する。2極の着磁を有するマグネット143であり、コア141の突極はそれぞれU相、V相、W相の巻線となる3相の巻線構造である。3相に発生する誘起電圧の位相がそれぞれ120゜づつずれて発生するように回路で通電駆動させている。即ち、3相ブラシレスモータとして駆動している。
【0013】
シャフト144の回転に伴ってアンバランス用のウェイト149も回転し、これに伴いシャフト144を振動させる。この振動は、フレームケース145等に伝わる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記の従来の構成では、機器の小型化が進み、小型でなおかつ高効率の振動発生用モータの要求に対して、
(従来例1)はモータを小判型にしての対応では小形になると巻線が困難となる。
【0015】
(従来例2)は、小形になればなるほど出力トルクを取り出す量がコア付に対して少なくなってくる。高効率の小形の振動発生用コアレスモータの実現が、径が小さくなれば困難になってくる。コイル群に使用するコイル線も0.01〜0.02mmを使用しなくてはならず、コイル群の加工の歩留まりが悪くなり、安価にモータを供給することができなくなる。
【0016】
(従来例3)は、円筒状のコアであるため、モータの回転軸に直角の面での寸法に規制があると、巻線部をある程度確保しないと巻線作業ができなくなり、ロータマグネット径が小さくなってくると作業は極端に困難となる。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の振動発生用モータは、各段において周方向のN、S極の着磁位置が互いにずれたK段(Kは2以上の整数)のマグネット体を備えたロータマグネットを有し、各段のマグネット体に対応するコイル巻回突極をK段と、各段の突極を軸方向に磁気的に連結する継鉄部とを備えたコアを互いに対向するように1対有し、ロータマグネットを回転自在に支持する1対の軸受を有し、ロータマグネットと一体回転するアンバランス用のウェイトを有する振動発生用モータであって、ロータマグネットが、K個のマグネット体と、マグネット体間に介装されるスペーサと、マグネット体及びスペーサを積層状態で支持固定するシャフトとで構成され、シャフトが1対の軸受で回転自在に支持され、スペーサの重心がロータマグネットの軸に対し偏心していることを特徴とする。
また本発明の振動発生用モータは、各段において周方向のN、S極の着磁位置が互いにずれたK段(Kは2以上の整数)のマグネット体を備えたロータマグネットを有し、各段のマグネット体に対応するコイル巻回突極をK段と、各段の突極を軸方向に磁気的に連結する継鉄部とを備えたコアを互いに対向するように1対有し、ロータマグネットを回転自在に支持する1対の軸受を有する振動発生用モータであって、ロータマグネットが、K個のマグネット体と、マグネット体間に介装されるスペーサと、マグネット体及びスペーサを積層状態で支持固定するシャフトとで構成され、シャフトが1対の軸受で回転自在に支持され、スペーサの重心がロータマグネットの軸に対して偏心していて特別のアンバランス用のウェイトを有さず、スペーサがアンバランス用のウェイトを兼ねることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、ロータマグネットの磁極及びコアのコイル巻回突極を、モータ軸方向にK段に振り分けて配置することができる。すなわち、前記磁極及びコイル巻回突極が同一平面上に配置展開された従来例に比較し、本発明はモータ軸方向に展開されるK段の平面上に分離して前記磁極及びコイル巻回突極を配置することができ、モータのロータマグネットの軸に対し垂直な断面形状を小さくできると共に、その断面形状を任意の形状とすることが容易となり、例えば扁平な断面形状とすることが可能であり、更に突極に巻回するコイルのターン数を増大させることが容易になるので、モータの効率化を図ることができる。このように、本発明によれば、前記断面形状を小さく、かつ任意の形状にできる、高効率の振動発生用モータを提供することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
以下本発明の実施形態1について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
図1の(a)は、移動体通信用のページャモータの軸方向断面図で、図1の(b)は移動体通信用のページャモータの軸垂直方向断面図を示すものである。
【0021】
図1において、18は3個の突極1a、1b、1cとこれらを結合する継鉄板11とで構成される第1のコア、19は3個の突極2a、2b、2cとこれらを結合する継鉄板12とで構成される第2のコア、3は3個のマグネット体3a、3b、3cとマグネット体間に介装されるスペーサ8a、8bとシャフト4とで構成されるロータマグネット、5、6は軸受、7は突極1a〜1c、2a〜2cに巻回されるコイル、9はアンバランス用のウェイト、10はスラスト板、13、14はブラケット、15はプリント基板、16は駆動IC、17はシートである。
【0022】
本実施形態のモータの外装体90は、ロータマグネット3の軸方向に直角の断面形状が、扁平長方形となっていて、その1対の短辺90a、90aが共に前記継鉄板11、12で構成され、その1対の長辺90b、90bが前記プリント基板15と前記シート17で構成されている。前記外装体90の前記断面形状は小判形等の扁平断面形状とすることも可能である。
【0023】
図1において、突極1a、1b、1c、2a、2b、2cのそれぞれは電着塗装で絶縁処理され、絶縁処理層の上から、コイル7が巻回されている。コイル7が巻回された突極1a、1b、1cの3個は継鉄板11にシャフト4の軸方向に間隔をもって取り付けられて第1のコア(コア組立体)18が構成される。また、シャフト4を介した反対位置には、第2のコア(コア組立体)19がある。第2のコア19はコイル7が巻回された突極2a、2b、2cの3個が継鉄板12にシャフト4の軸方向に間隔をもって取付られた構成となっている。
【0024】
ロータマグネット3の各マグネット体3a、3b、3cは中空円筒のラジアル異方性焼結のマグネットで、それぞれN、Sの2極に着磁されている。図2に示すように、3個のマグネット体3a、3b、3cは120度ずつ極性がずれた状態で配置され、マグネット体3a、3b、3cの中空円筒部にシャフト4が挿入され、さらに、マグネット体3a、3b、3c間にはスペーサ8a、8bが挿入された状態で、3個のマグネット体3a、3b、3cは間隔をおいてシャフト4に固定される。
【0025】
本実施形態は移動体通信用の振動呼び出しページャ用モータであるので、モータから発生させる振動を取り出すために、重心が回転中心(軸芯)から離れた位置にあるアンバランス用のウェイト9を設けることによって、回転によるウェイト9の重心の遠心力がモータのステータ側に伝わるエネルギを利用している。上記の場合は軸受6に作用するラジアル荷重が大きい方が振動は大きいので、軸受6に作用する荷重を増やすためにスペーサ8a、8bも偏心荷重となるように、重心を回転中心から離している。軸受6に作用するラジアル方向の負荷荷重はアンバランス力を作用力とする反力となる。その反力の大きさに及ぼすウェイト9の重心位置とスペーサ8a、8bの重心位置の影響を図3の説明図で説明する。質量mの物体の重心が、回転軸からrだけ偏心して、軸が回転角速度ωで回転する場合、遠心力Fは(式1)で表される。
【0026】
F=m・rω2 ………(1)
遠心力によってロータの弾性変形ρを検討すると、全遠心力Fは(式2)で表される。
【0027】
F=m(r+ρ)ω2 ………(2)
弾性変形ρはrに比べて無視できるので、遠心力Fは(式1)となる。
【0028】
軸受5からウェイト9、スペーサ8a、スペーサ8bまでの距離をL1 、L2 、L3 、軸受5から軸受6までの距離をL、軸中心をX軸、X軸に垂直な軸をY軸とする。ウェイト9、スペーサ8a、8bの遠心力F1 、F2 、F3 をX、Y軸方向に分解すると、(式3)に示すようになる。
【0029】
1x=m1 1 ω2 =F1
1y=0
2x=m2 2 ω2 cosθ2 =F2 cosθ2
2y=m2 2 ω2 sinθ2 =F2 sinθ2
3x=m3 3 ω2 cosθ3 =F3 cosθ3
3y=m3 3 ω2 sinθ3 =F3 sinθ3 ………(3)
軸受6の反力をRとすれば、反力RもX、Y方向に分解し、軸受5を支点としてモーメントを考えると、(式4)に示すようになる。
【0030】
LRx =L1 1x+L2 2x+L3 3x
LRy =L1 1y+L2 2y+L3 3y………(4)
反力Rの分力RX 、RY を合成すると、(式5)に示すようになる。
【0031】
2 =Rx 2 +Ry 2 ………(5)
従って、反力Rの2乗は、(式6)で表される。
【0032】
Figure 0003686142
RはR2 が最大のとき最大である。(式6)において、回転角速度ωや質量m1 、m2 、m3 、偏心距離r1 、r2 、r3 や軸方向のスパンL1 、L2 、L3 は設計上既知であり、未知数は角度θ2 、θ3 である。Rが最大となるのはθ2 =θ3 =0である。即ち、スペーサの遠心力がウェイトの遠心力と同一方向になる場合である。
【0033】
上記説明から、スペーサの偏心方向はウェイトの偏心方向と同じ方向とするとよく、本実施形態のロータ部もそのように構成されている。そのため、軸受6に作用するアンバランス負荷荷重を大きく作用させることができる。
【0034】
ウェイト9の形状は振動に重要な影響をおよぼすので、図4のようなウェイトのモデルを考える。ウェイト9が半円形から角度2αだけの減少した角度の扇型形状として、ウェイト9の最外周の直径をDとし、これを以後ウェイト外径と記す。ウェイト外径D/シャフト径dに対する、ウェイト9の重心偏位量g、ウェイト9の面積A、遠心力F4 との関係を角度αをパラメータとして図5(a)、(b)、(c)に表す。ただし、シャフト径d=1、ウェイト9の厚み、ウェイト9の比重、回転速度の2乗は不変とした。扇形ウェイト9の重心偏位量は、ウェイト外径Dとシャフト径dの比(D/d)に対して1次式で表される。ウェイト9の面積Aはウェイト外径Dとシャフト径dの比(D/d)に対して高次の式で表される。遠心力は(式1)で表されるから、遠心力F4 はウェイト9の面積Aと重心偏位量gの積に比例する。
【0035】
ウェイト9による振動を大きくするには、少しでもウェイト9の外径が大きい方が好ましいことが、図5からいえるが、図1のように、扁平な横断面形状のモータでは、その短辺90aの長さ以上のウェイト外径Dにすることは、特殊な場合以外ほとんどない。図1のように扁平は横断面形状のモータでは、以下のようにウェイト9の外径Dを規定する。
【0036】
前記短辺90aの長さをa(図1の(b)参照)とすると、ウェイト外径Dを(式7)のように規制する。
【0037】
0.6×a<D<a………(7)
さらに、シート17、プリント基板15は薄い方が、モータの特徴上好ましいので、ロータマグネット外径をDm とすると、前記ウェイト外径Dは(式8)のように選べば好適である。
【0038】
0.8×Dm <D<1.1×Dm ………(8)
図6に示すように、軸受5はラジアル方向荷重を受ける円筒状の軸受で、スラスト方向の荷重はシャフト4先端の円弧とスラスト板10とのピボット軸受で構成されている。スラスト板10には、低摺動樹脂材料を使用する。
【0039】
また、シャフト4の先端球形状の半径をrとすると、最大面圧Pmax と摩擦トルクTp は(式9)で求められる。
【0040】
max =a×r-2/3
p =b×r1/3 ………(9)
ただし、 aは係数
bは係数
ある半径rO の場合の最大面圧Pmax と摩擦トルクTp を1とした最大面圧、摩擦トルクのそれぞれの比率の関係を図7に示す。シャフト先端の半径rを小さくすると摩擦トルクTp は下がるが面圧Pmax が大きくなるので、スラスト板10が樹脂の場合は面圧を余り大きくすることはかえって信頼性を損ねることがある。また、半径rを大きくすると、面圧Pmax は低下するが、摩擦トルクTp が増えてその損失トルクが熱となり温度が上昇して信頼性を損ねることがあるので、2000rpm回転以上の高速では、スラスト軸受のシャフト先端の半径rとシャフト直径dとの関係を(式10)に示すように、ピボット軸受を設計してある。
【0041】
10×d>r>1.5×d/2………(10)
スラスト板10は一般的な高分子材料で構成されている。しかし、電池駆動、携帯タイプの装置にモータを使用する場合は、長期摩擦トルクを低減するために、潤滑性に優れたポリアセタール樹脂をスラスト板10に使用すると好適である。高温時での使用が多いときには耐熱性の優れるポリイミド樹脂、テフロン樹脂を使用選定する。
【0042】
また、スラスト板10の外径Ds とシャフト外径dの関係を(式11)に示すようにする。
【0043】
s >d………(11)
このようにすることにより、シャフト挿入時にスラスト板10が軸受5から抜け落ちないので、作業が安定する。シャフト4がスラスト方向に移動しても、注油オイルや軸受5のオイルのためにスラスト板10はブラケット14に密着して動かないが、面方向には動く場合があり、軸受ロスを低減するためには、動きを規制する必要がある場合もある。(式11)の関係にすることにより、接触面積が多くなり動きにくいうえに、軸受5の円筒部の径で規制することもできる。ブラケット14にスラスト板10を挿入し軸受5を固定して組立ることによって(式27)の関係の軸受が構成できる。
【0044】
モータが小形になってくると、発生するトルクに対して軸受ロスの割合が大きくなるので、軸受ロスを低減する必要があり、軸受5、6は含油焼結軸受を使用する。含油のオイルの粘度は粘度10cst〜50cstのものを使用する。
【0045】
また、焼結材料も低摩擦の樹脂例えば粒径1μm以下のテフロンの微細粉末を混成させて、軸受を作れば、テフロンが金属の隙間に介在し、バインダのような働きとなる上に、シャフト4に対した軸受面に樹脂が点在し、含油だけの場合以上に軸受ロスを低減することが可能となる。モータの低電圧起動が可能となる上に、電池寿命を長くすることも可能となる。
【0046】
さらに、軸受の内径の形状を図8のように断面円弧状にすれば、軸受ロスを低減できる。図8の(a)はシャフト4がウェイト側の軸受6を貫通した状態の図で、図8の(b)はピボット軸受側の軸受5の部分を表わす図である。図8の(a)は組立上のコジレやアンバランスによるシャフト4の曲がりなどによるブラケット13に対する軸垂直性が少し悪くても、軸受6の内径が円弧状のために円弧部6aとシャフト4との接触は点接触となり、軸受6が自動調心性を有することとなる。図8の(b)の場合も、組立上のコジレやアンバランスによるシャフト4の曲がりなどによる軸受5とシャフト4との接触は軸受5の内径円弧5aの一点で点接触する。軸受6、5の内径を円弧状にして、シャフト4と点接触するようにすることにより、軸受ロスを低減することができる。
【0047】
前記外装体90の一つの長辺90b部を構成するプリント基板15のランドには、各突極1a〜1c、2a〜2cに巻回したコイル7の端末を間接または直接的に導通させている。本実施形態のプリント基板15はフレキシブルプリント基板であり、フレキシブルプリント基板の上に、駆動IC16など駆動回路電子部品が実装され、装置側の電源に接続のランド15aが設けられている。
【0048】
本実施形態のようにフレキシブルプリント基板を前記長辺90b側の一面に配設するので、モータの厚さが薄い割には、比較的大きな基板形状となり、駆動回路部品をフレキシブルプリント基板上に実装することが容易となり、薄型で小型のブラシレスモータが構成できる。
【0049】
また、プリント基板15とは逆面側にシート17が貼られている。シート17を貼ることにより、モータ内部は密閉構造となるので、モータ内部にゴミの入り込みが無く、ロータマグネット3とコア18、19との間に外部からのゴミをかみ込み、ロータの回転が低下するようなことがなくなる。すなわち防塵対策となる。また、このシート17に製造番号や製造社名などを記載でいるので、合理的な使用が行える。
【0050】
本実施形態の突極1a、1b、1c、2a、2b、2cと継鉄板11、12は一体ではなく、突極1a〜1c、2a〜2cが個々に別部品にピース化された構成となっている。そのピース化された突極1a〜1c、2a〜2cの一例は図9のような構造である。図9の突極を符号20であらわすと、突極20の突出部21のロータマグネット3に対向する面21aは回転軸を中心にした曲率半径に沿う円弧面となっている。突出部21のロータマグネット3に対向する面21aの裏面部21bは曲面部をもち、その面21bにはコイル7を巻回する円筒断面形状のティース部22が形成され、そのティース部22の円筒断面の直径をh1とすると、h1より小さい断面直径の円筒部23がティース部22の先に形成されている。円筒部23は継鉄板11、12に開けた穴に係合挿入するためで、ティース部22の円筒部径より小さいのは、その段差部で継鉄板11、12との挿入位置決めすることによって、ロータマグネット3と前記対向面21aとのエアーギャップをそれぞれの突極20において均一にできるためである。円筒部23の先端面は凹面になっている。突極20を継鉄板11、12に挿入した状態で円筒部23の凹面の外周部をかしめで、継鉄板11、12に固定する。突極20と継鉄板11、12の固定にはカシメ以外に、圧入や接着などの方法がある。
【0051】
ピース化された突極1a〜1c、2a〜2cは図10に示すような形状の例もある。図10の突極を符号24であらわすと、コア24の突出部25のロータマグネット3に対向する面25aは回転軸を中心にした曲率半径に沿う円弧面となっている。突出部25のロータマグネット3に対向する面25aの裏面部25bは曲面部をもち、その面25bにはコイル7を巻回する四角形断面のティース部26が形成され、そのティース部26の四角形断面は回転軸に直角方向の長さをh2 、回転軸方向の長さをh3 とすると、図10のティース部26は(式12)に示す関係になっている。
【0052】
2 ≒h3 ………(12)
その四角形の辺の長さより小さい断面直径の円筒部27がティース部26の先に形成されている。円筒部27は継鉄板11、12に開けた穴に係合挿入するためで、ティース部26の断面より小さいのは、その段差部で継鉄板11、12との挿入位置決めすることによって、ロータマグネット3と前記対向面25aのエアーギャップをそれぞれの突極24において均一にするためである。
【0053】
ピース化された突極1a〜1c、2a〜2cは図11に示すような形状の例もある。図11の突極を符号28であらわすと、突極28の突出部29のロータマグネット3に対向する面29aは回転軸を中心にした曲率半径に沿う円弧面となっている。突出部28のロータマグネット3に対向する面29aの裏面部29bは曲面部をもち、その面29bにはコイル7を巻回する四角形断面のティース部30が形成され、小径断面の円筒部31と一体に形成されている。前記ティース部30の四角形断面は回転軸に直角方向の長さをh4 、回転軸方向の長さをh5 とすると、図11のティース部30は(式13)に示す関係の長方形である。
【0054】
4 <h5 ………(13)
(式13)に示すように、扁平長方形断面のモータにおいて、突極28のティース部30を軸方向に平行の寸法を長い形状としているのは次のような利点があるからである。すなわち図9、図10、図11において、コイル7をティース部22、26、30に巻回した場合、ティース部22、26、30の幅の方向の長さを同じとする。即ち(式14)に示すようにする。
【0055】
1 =h2 =h4 ………(14)
その結果(式15)に示すようになり、図11のティース断面積が図9、図10に示すものに比較し最大となる。
【0056】
(π/4)h1 2<h2 ・h3 <h4 ・h5 ………(15)
したがって、ティース断面積を同じにすれば、突極の幅方向の長さは図11のh4 が小さくなるので、コイル7の巻線高さが厚くでき、ターン数を多く巻き込むことができる。
【0057】
上記突極1a〜1c、2a〜2cはピース化されているので、その製造方法としての一例を挙げる。金属の粉末と樹脂の混合物を射出成形により成形し、成形後焼き固めることにより、樹脂を取り除いた、いわゆるメタルインジェクション製法によって突極1a〜1c、2a〜2cを作成する。切削や研磨に比べて、量産性に優れ、また図9から図11のロータマグネット3に対する対向面21a、25a、29aの曲率は焼成後も求める寸法の公差範囲であるので、モータ特性のばらつきは少なくなる。
【0058】
突極1a〜1c、2a〜2cをメタルインジェクション(金属粉末射出成形ともいう)技術を使用して作ると、図9、図10、図11のような形状が複雑な小さな突極は後仕上げをしなくてもよい最終形状にできる。突極に使用する粉末材料の一例としてFe−Si系材料があるが、難加工材であるため後加工はほとんどできない。カシメ工程があるような突極の場合は純鉄系の粉末材料を使用する。メタルインジェクションの製造工程はふるい分けした設定粒度で、還元減量で規制された化学組成の各成分の原料金属粉末と樹脂のバインダーを秤量混合して混練し、射出成形可能な材料をつくり、金型を用いて射出成形し、成形後にバインダの樹脂除去を行い、これを加熱によって、粒子間に充分な原子間結合を生じさせて、粉末金属を焼結させて金属焼結結合させる。図12のような気孔32のある状態となる。この気孔32が多くあると焼結後の寸法が変化するので、突極など精度が厳しい部品には粉末粒子が微細で、粒子径が均一であるものを使用して、密度を高める。気孔32が小さくなり突極の密度が上昇することによって、突極の磁束密度が大きなところまで対処可能な構造とすることができる。焼結金属面や気孔部に樹脂の絶縁皮膜が形成されるように、樹脂を最終工程で含浸させるか、バインダ樹脂が少し残るようにする。突極の内部構造的な絶縁皮膜よって、渦電流の発生は押さえることができる。
【0059】
突極1a〜1c、2a〜2cの製造方法としての別の例を挙げる。
【0060】
鍛造成形により突極を作ると、突極がピース化されて小さいので、小さな鍛造機で大量に作ることができる。鍛造では角部は丸くなり、図11のような突極28では、角部は丸くなるが、ロータマグネット3との対向する面29aの曲率には影響がないので、金属粉末成形品にくらべて突極形状によるモータの特性には差が発生しない。図13に鍛造製の突極の金属組成の方向流れ図を表す。図13のように組成流れKの方向と同じように磁束が流れるので、磁束損失とはならないが、金属の結晶粒子が鍛造による歪で損失が発生する。結晶粒子を粗大化させ、ロスを減少させるために、突極を焼鈍する。
【0061】
次に、本実施形態のモータ(図1)の組立て方を図14を使って説明する。スラスト板10を設置し軸受5を圧入で固定したブラケット14の一方の切り込み部14aに軸方向から、継鉄板11にコイル7を巻回した3個の突極が組み立てられてなる第1のコア18の下側突部18aをはめ込み、また、継鉄板12に3個の突極が組立てられてなる第2のコア19の下側突部19aをブラケット14の他方の切り込み部14bにはめ込む。又マグネット体3a、3b、3cとスペーサ8a、8bが所定数量、所定位置で、シャフト4に固定されてロータマグネット3が組立てられる。そのロータマグネット3のシャフト4の下端をブラケット14の軸受5に挿入する。次いで第1のコア18の上側突部18bをブラケット13の一方の切り込み部13aにはめ込み、さらに、第2のコア19の上側突部19bをブラケット13の他方の切り込み部13bにはめ込む。そのブラケット13の組み立ては、シャフト4の上端をはじめにブラケット13の軸受6に挿入したうえで行っている。上記組立は軸方向からビルトインで組立ができる。モータの枠組みができあがったところで、シャフト4にアンバランス用のウェイト9を取り付け、電子部品が実装されたプリント基板15を取り付け、コイル端末をプリント基板15上のランド15aに半田付けする。さらに、シート17を貼る。
【0062】
次に本実施形態のモータの回転原理を図41及び図42に基づき説明する。
【0063】
図41はそのマグネット体3a、3b、3cと突極1a〜1c、2a〜2cと、コイル7(上段より順次7a、7b、7cと称す)の関係を模式的に表した図である。
【0064】
図41に示すように前記突極1a〜1c、2a〜2cは夫々のコア18、19において同一周方向位置にて配置され縦1列となっており、又各段においてコイル7a、7b、7cは1本の導線で連続に両コア18、19の突極1a〜1c、2a〜2cに同一方向に巻かれている。又各段におけるコイル7a、7b、7cの巻き方向は図41に示すように同一方向である。
【0065】
図42は、この構成によりロータマグネット3が回転したときに各コイルに発生する誘起電圧の波形を示した図である。
【0066】
図42に示すようにコイル7a、7b、7cに発生する誘起電圧Va、Vb、Vcは、マグネット体3a、3b、3cの角度がそれぞれ120°ずつずれているために、位相が120°ずつずれた波形となる。ここで各コイル7a、7b、7cの一端をCOMとして共通接続し、夫々の他端に3相を振り分け、この3相の誘起電圧に合わせプリント基板15上の電子回路で通電駆動させることによりトルクが発生し、マグネット体3a、3b、3cは回転する。即ち、3相ブラシレスモータとして駆動している。又前記電子回路は直流電源から電流が供給されている。以下の実施形態のモータも同様の原理で回転する。
【0067】
なお本実施形態では、モータを3段の構成としたが、K段(n=2、3、4…)のマグネット体及び突極を有する構成とすることにより、K相のブラシレスモータに一般的に、広く用いることができる。
【0068】
(実施形態2)
以下本発明の実施形態2について、図面を参照しながら説明する。
【0069】
図15の(a)は、移動体通信用のページャモータの軸方向断面図で、図15の(b)は移動体通信用のページャモータの軸垂直方向断面図を示すものである。
【0070】
実施形態2において実施形態1と同じところは説明を省略し、相違点について説明する。図15で使用する部品符号は図1と共通な部品の場合は同じ符号を使用する。
【0071】
実施形態2の外装体90はロータマグネット3の軸方向に直角の断面形状が扁平長方形となっていてその短辺90a、90aが1対の継鉄板11、12で構成される一方、その長辺90b、90bは一方が開放され、他方がプレート35及びフレキシブルプリント基板34で構成されている。
【0072】
図15において、37はウェイト9側のブラケット、33は軸受ブラケット、34はフレキシブルプリント基板、35はプレート、36は端子板である。
【0073】
モータのロータマグネット3を構成するマグネット体3a、3b、3cは中空円筒のマグネットで、それぞれN、S2極に2分されて着磁されている。図16に示すように、3個のマグネット体3a、3b、3cは各段間で120°ずつ極性がずれた状態で配置され、各マグネット体3a〜3cの中空円筒部にシャフト4が挿入されて固定されている。表面の磁極分布が軸方向に層別された一体のロータマグネット3と見なすことができる。
【0074】
3個のマグネット体3a〜3cの極性のずれを決められた位置に位置決めするために、図17のように、3個のマグネット体3a、3b、3cそれぞれに、角度決めのための凹凸が付けられている、この凹凸92、91は、上下を合わせると、マグネット体3a〜3cがちょうど120゜ずつずれるようになっている。この構成により、マグネット体3a〜3cの着磁をこの凹凸基準で行い、これらを凹凸が合うように組み合わせるだけで、所定の磁極が得られるため、組立が容易になる。また、実施形態1のようにマグネット間にスペーサを設け、そのスペーサに位置決め機構を設けることもできる。一例として、次に説明する。
【0075】
図18は、3個のマグネット体3a、3b、3cとそれらの間にスペーサ37a、37bを設けた構成である。3個のマグネット体3a、3b、3cに凹部94と、2個のスペーサ37a、37bにマグネット体に対応する凸部93が設けられている。スペーサ37a、37bの凸部93は、上下で120゜角度がずれた位置に設けられており、マグネット体とスペーサの凹凸を合わせて組み合わせると、マグネット体3a〜3cがちょうど120゜ずつずれるようになっている。この構成により、マグネット体の着磁をこの凹部基準で行い、マグネット体とスペーサの凹凸が合うように組み合わせるだけで、所定の磁極が得られるため、組立が容易になり量産に適した構成となる。スペーサ37a、37bはアンバランス用のウェイトにもなると共に、マグネット体相互の位置決めとしての役割りを果し、上下のマグネット体間の磁束の漏洩を防ぐこともできる。
【0076】
本実施形態は移動体通信用の振動呼び出しページャ用モータであるので、モータから発生させる振動を取り出すために、アンバランス用のウェイト9はその重心が回転中心(軸芯)から離れた位置になるように設けられている。
【0077】
ウェイト9による振動を大きくするには、少しでもウェイト9の外径が大きい方が好ましい。本実施形態において、前記外装体90の短辺90aの寸法をa(図15の(b)参照)とすると、ウェイト9の外径Dは(式16)のようにする。
【0078】
0.6×a<D<a………(16)
さらに、軸の中心がブラケット側面の中央にあるとはかならずしもいえないが、ロータマグネット3は回転するので、マグネット体3a、3b、3cの直径とウェイト9の直径との関係を(式17)のように選べばよい。ただし、マグネット体の外径をDm 、アンバランス用のウェイトの外径をDとする。
【0079】
0.8×Dm <D<1.1×Dm ………(17)
ブラケット37の軸受部37aは軸受用孔の周縁部を薄肉にして構成され、図15の(a)に示すように、その内周面に低摩擦樹脂層38がコーティングされている。したがってシャフト4は低摩擦コーティング材38を介して接触する軸受ロスが少ない上に、低摩擦コーティング材38の厚さが例えば100μm以下であって、強い剛性として働くので、アンバランス用のウェイト9によって軸受に作用する力は減衰することなくモータの外郭部へ振動として伝達する。(表1)に使用する低摩擦コーティング材の材料例を示す。
【0080】
【表1】
Figure 0003686142
【0081】
また、ブラケット33は、低摩擦樹脂製で、球面状凹部の軸受33aも一体に形成されている。このブラケット33は射出成形品であるので、軸受周りも複雑な形状が可能である。
【0082】
例えば低摩擦樹脂はフッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリイミド樹脂のいずれかを使用する。フッ素樹脂は低摩擦性以外に、耐薬品性、耐熱性、非粘着性の特性があり、広い分野で使用されている。
【0083】
また、ブラケット33が金属材料の場合では、ブラケット37の軸受部37aに使用した低摩擦コーティング材をコーティングしてピボット軸受を構成することができる。
【0084】
駆動IC16など駆動回路電子部品が実装されたフレキシブルプリント基板34はプレート35に貼り付けて固定する。フレキシブルプリント基板34には、各突極1a〜1c、2a〜2cに巻回したコイル7の端末を端子板36に接続し、端子板36を介してフレキシブルプリント基板34上のランドに導通させる。本実施形態のようにフレキシブルプリント基板34を前記長辺90bの面で構成すると、モータの厚さが薄い割には、駆動回路部品をフレキシブルプリント基板34上に実装することが容易となり、薄型で小型のブラシレスモータが構成できる。なお、前記プリント基板34の逆面側は解放されている。
【0085】
本実施形態の突極1a〜1c、2a〜2cも継鉄板11、12とは一体ではなく、突極が個々に別部品にピース化された構成となっている。そのピース化された突極の一例は図19のような構造となっている。図19の突極を符号39であらわすと、突極39の突出部40のロータマグネット3に対向する面40aはロータマグネット3の軸43を中心にした曲率の円弧ではなく、この軸43より遠くに曲率中心を持つ円弧面である。その円弧面の半径R2 が無限大の場合は平面になる。
【0086】
突出部40のロータマグネット3に対向する面40aの裏面部40bは平面であり、ティース部41の断面形状は長方形であるので、扁平四角断面のコイル7を巻回する場合は巻ずれが少なく、巻形状がきれいで信頼性の高い巻線処理ができる。図20に図19の突極39に扁平四角断面のコイル7を巻回したものを示す。
【0087】
また、図19に示す突極39を継鉄板11、12に係合挿入する穴の形状は円形ではなく、四角形であるので、係合する突極39の方の接合部42の断面形状も四角形である。挿入する形状が円以外の多角形であると、突極39を継鉄板11、12に挿入する位置決めが可能となる。
【0088】
図15において、突極1a、1b、1c、2a、2b、2cのそれぞれは電着塗装で絶縁処理されている。各突極に絶縁処理層の上から、コイル7を巻回する場合、端子板36が継鉄板挿入部に圧入して組立てられた状態にコイル7を巻回してコイル端子を端子板36の突極近傍に圧接接続する。図21にピース化された突極39に端子板36を取り付けた状態を示す。端子板36は金属板43と絶縁用樹脂44とが一体成形されていて、金属板43は突極39に対して2個の構成であり、一つは巻始め線処理、もう一方は巻終わりの線処理をするので、ピース化された突極39は巻線が施された状態で、チップ抵抗のように実装しやすい部品形態になっている。
【0089】
次に、本実施形態のモータ(図15)の組立て方を図22を使って説明する。プレート35の上に駆動IC16など電子部品を実装されたフレキシブルプリント基板34を貼り付け、そのプレート35に、マグネット体3a、3b、3cとシャフト4との組立体であるロータマグネット3をブラケット37の軸受部に挿入した状態で軸直角方向から組立て、さらに、もう一方のブラケット33も軸受部がシャフト4と嵌合するように、やや斜め軸方向から組み立てる。その状態で、コイル7を巻回されそれぞれの端子板36に端末処理を施された突極1a、1b、1cが継鉄板11にシャフト4の軸方向に間隔をもって取り付けられてなる第1のコア18と、同様に突極2a、2b、2c等が継鉄板12に取付けられてなる第2のコア19とをブラケット33、37に嵌合組立する。
【0090】
上記組立ては軸直角方向からビルトインで組立てができる。モータの枠組みができあがったところで、シャフト4にアンバランス用のウェイト9を取り付ける。
【0091】
(実施形態3)
以下本発明の実施形態3について、図面を参照しながら説明する。
【0092】
図23の(a)は、本発明の実施形態3における移動体通信用のページャモータの軸方向断面図で、図23の(b)は移動体通信用のページャモータの軸垂直方向断面図を示すものである。
【0093】
実施形態3において実施形態1と共通するところは説明を省略し、相違点について説明する。図23で使用する部品符号は図1と共通な部品の場合は同じ符号を使用する。
【0094】
図23において、3はロータマグネット、45、46は軸受ブラケット、47はフレキシブルプリント基板、48は端子板、49、50は軸受ブッシュである。
【0095】
モータのロータマグネット3は円柱体のマグネットで、一体構造のものである。実施形態1、2ではロータマグネット3が3つのマグネット体3a〜3cに分かれていたが、本実施形態では一体のロータマグネットである。しかしその着磁状態は実施形態1、2の場合と同様であるので、図24では説明上ロータマグネット3を3段に分けて3個のマグネットの磁極の位相が120°ずつずれた状態で着磁されているように示している。一体のロータマグネット3であるので磁極の位置決めなどの作業が廃止できる。ロータマグネット3の両端は外径が小さい円筒部71があり、その円筒部71に一部リング状の軸受ブッシュ49、50を圧入固定する。
【0096】
軸受ブッシュ49、50は、図23、図24に示すように、厚肉の半円形部49a、50aを有し、これらを利用して回転に伴うアンバランス力を発生させている。また軸受ブッシュ49、50の中央部には軸受用穴49b、50bがある。上下の軸受ブラケット45、46のそれぞれの中心には軸受ピン(軸受用凸部)45a、46aが突設されており、前記軸受用穴(軸受用凹部)49b、50bがこれに嵌合して、ロータマグネット3は上下の軸受ブラケット45、46に回転自在に支持される。
【0097】
本実施形態は移動体通信用の振動呼び出しページャ用モータであるので、モータから発生させる振動を取り出すために、重心が回転中心(軸芯)から離れた位置にある軸受ブッシュ49、50を設けることによって、回転による軸受ブッシュ49、50の重心の遠心力がモータのステータ側に伝わるエネルギを利用している。上記の場合は軸受ピン45a、46aに作用するラジアル荷重が大きい方が振動は大きいので、軸受ピン45a、46aに作用する荷重を図25のモデル図で説明する。
【0098】
軸受ピン46aから軸受ブッシュ49、軸受ブッシュ50までの距離をL5、L6とし、軸受ピン46aから軸受ピン45aまでの距離をLとし、軸受ブッシュ49の重心と軸中心との距離をr5 、軸受ブッシュ50の重心と軸中心との距離をr6 とする。また軸中心をX軸とし、X軸に垂直にY軸をとる。軸受ブッシュ49、50の遠心力F5 、F6 をX、Y軸方向に分解すると、(式18)に表される。ただしωは回転角速度、m5 、m6 はそれぞれ軸受ブッシュ49、軸受ブッシュ50の質量である。
【0099】
5x=m5 5 ω2 =F5
5y=0
6x=m6 6 ω2 cosθ6 =F6 cosθ6
6y=m6 6 ω2 sinθ6 =F6 sinθ6 ………(18)
軸受ブッシュ49に対する軸受ピン45aの反力をR3 とすれば、反力R3 をX、Y方向に分解したR3x、R3yは、軸受ブッシュ50の軸受ピン46aを支点としたモーメントを考えると、(式19)のようになる。
【0100】
LR3x=L5 5x+L6 6x
LR3y=L5 5y+L6 6y………(19)
反力R3 の2乗は(式20)で表される。
【0101】
Figure 0003686142
(式20)において回転角速度や軸受ブッシュの質量、偏心距離や軸方向のスパンは設計上既知であり、未知数は角度θ6 である。R3 が最大となるのはθ6 =0である。即ち、2個の軸受ブッシュ49、50の遠心力が同一方向になる場合である。
【0102】
上記説明から、軸受ブッシュ49に対応する軸受ピン45aに作用するアンバランス負荷荷重を大きく作用させるためには、2個の軸受ブッシュ49、50の重心の偏心方向を同じ方向となるように構成させる必要がある。実際、組立精度の関係で(式21)の関係となる。
【0103】
|θ6 |<30°………(21)
軸受ブッシュ49に対応する軸受ピン45aを支点として、軸受ブッシュ50に対応する軸受ピン46aに作用する反力をR4 を求めると、(式22)のようになる。
【0104】
Figure 0003686142
ただし R4x、R4yは反力R4 のX、Y方向分力である。
【0105】
(式22)から、軸受ブッシュ50に対応する軸受ピン46aの反力R4 が最大になるのは軸受ブッシュの重心の偏心角度が一致したときである。
【0106】
アンバランスによる振動を大きくするには、少しでもアンバランスの質量と重心の積が大きい方が好ましいので、軸受ブッシュも最外周直径が大きく、モータの外装体90に接触しない寸法でなくてはならないので、ロータマグネット3の外径をDmとし、軸受ブュシュの最外周直径をDb とすると(式23)の関係になる。
【0107】
0.8×Dm <Db <1.1×Dm ………(23)
また、アンバランス用軸受ブッシュ49、50の寸法は、外装体90の短辺90aの寸法によって規制されるので、以下のように選ぶ必要がある。前記短辺90aの寸法をa(図23の(b)参照)、軸受ブッシュ49、50の最外周直径をDb とすると、(式24)のように選定する。
【0108】
0.6a<Db <a………(24)
本実施形態の突極1a〜1c、2a〜2cも継鉄板11、12とは一体ではなく、突極が個々に別部品にピース化された構成となっている。図26に示すように、そのピース化された突極1a〜1c、2a〜2cにコイル7が巻回され、金属片51を樹脂で一体成形した端子板52が巻回時に設置され、端子板52の金属片51にコイル7の端末を接続処理する。金属片51にコイル7の端末はヒュージングの熱圧接で接続され、コイル7の巻始めと巻終わりが接続処理されている。突極1a〜1c、2a〜2cの突出部53は、ロータマグネット3に対向する面が円弧面になっている。また突極は継鉄板11、12に位置決め挿入するための円筒部54を有している。
【0109】
図27に示すように、継鉄板11、12の上にフレキシブルプリント基板47の両側部を固定し、突極1a〜1c、2a〜2cを所定数配置し、これらの円筒部54を継鉄板11、12に設けられた穴57に挿入する。フレキシブルプリント基板47にはあらかじめクリーム半田が塗られ、駆動IC55などの電子部品が実装されている。したがって端子板52の金属片51はフレキシブルプリント基板47のランド56上に設置され、その後リフロー炉を通すことによって、電子部品や、コイルを導通させることができる。
【0110】
つぎに、本実施形態のモータ(図23)の組立て方について説明する。導通処理が終了し突極1a〜1c、2a〜2c等が組み付けられた継鉄板11、12をそれぞれ両側から起立させ、軸受ブッシュ49、50が組み付けられたロータマグネット3を両継鉄板11、12の間に配す。その状態で軸方向から、軸受ブラケット45、46を上下両側から挿入し、ロータマグネット3を組み付けると共に両継鉄板11、12に固定する。さらに、シート58を貼る。シート58を貼ることにより、モータ内部は密閉構造になる。
【0111】
上記軸受ブラケット45、46には図28に示すように軸受ピン45a、46aが設けられている。本実施形態のロータマグネット3は中実円柱形状のものであり、実施形態1、2と異なり、シャフトがない構造のものであるので、軸受ブッシュ49、50をロータマグネット3の上下両側から挿入し、これらの軸受用穴49b、50bで軸受部を構成する。その軸受部に係合する部分が、上記軸受ブラケット45、46に設けられた軸受ピン45a、46aである。その軸受ピン45a、46aは、軸受ブラケット45、46が金属板で構成されている場合はコイニングプレスで一体形成することができる。さらに、図29のように突起部60の先端を球状することによって、軸受ロスの少ない金属のプレスピボット軸受が構成できる。
【0112】
(実施形態4)
本発明の実施形態4について、図面を参照しながら説明する。
【0113】
図30の(a)は、本実施形態における移動体通信用のページャモータの軸方向断面図を示し、図30の(b)は移動体通信用のページャモータの軸垂直方向断面図を示すものである。
【0114】
図30において、61は3つの突極67a、67b、67cが軸方向と平行に配置されたコア、62はコア61に一体に成形された樹脂インシュレータ、63はコア61と対をなすバックヨーク、64はロータマグネット、65はシャフト、66a、66bは軸受、68はコイル、69、70はブラケット、71はプリント基板、72、73はアンバランス用のウェイト、74は防塵カバーである。本実施形態のモータではコア61とバックヨーク63を、ロータマグネット64を挟んだ位置に対向して配置している。3つの突極67a、67b、67cが軸方向と平行に配置されたモータでは、実施形態1〜3のようにコア61をロータマグネット64に対して対称に2個配置した場合がバランス的には良いが、コイル68が6個になるため、コイル68の端末も12カ所(図41のようにすればこのような場合でも6カ所ですむ。)となり巻線、端末の接続共非常に手間がかかる。そこで本実施形態のモータではコア61は1個とし、もう一つのコアの代わりにバックヨーク63が取り付けられている。この構成によりコイル68は3個、コイル68の端末も6カ所になり巻線、端末の接続共に大幅に手間が省けコストダウンに向いた構成である。
【0115】
上記ロータマグネット64は図16に示すものと同様に構成され、縦3段のマグネット体64a、64b、64cに分けて、それぞれ3段で120゜ずつ極性がずれた状態で着磁され、マグネット体64a〜64cの中空円筒部にはシャフト65が挿入されている。
【0116】
このシャフト65の両端は上下のブラケット69、70に挿入固定された軸受66a、66bにより回転自在に保持されている。
【0117】
コア61、バックヨーク63、ブラケット69、70にはそれぞれプリント基板71が固定され、最後に防塵カバー74がかぶせられた構成となっている。
【0118】
本実施形態のモータの外装体90は、ロータマグネット64の軸方向に直角の断面形状が、扁平長方形となっていて、その一方の長辺90bがプリント基板71で構成され、他方の長辺90b及び1対の短辺90a、90aの三方は防塵カバー74で構成されている。
【0119】
図31は上記コア61の構成を示した図である。図31の(a)はコア61を側面からみた図、図31の(b)はその垂直方向の断面図である。このコア61は、モータ中心軸とコア61がつくる平面で半分に分割された2つの同じ形状のコア部品61a、61bを結合することにより構成されている。それぞれのコア部品61a、61bは複数枚の珪素鋼板を積層して製作してもよく、又1枚の金属板から製作してもよい。
【0120】
珪素鋼板を積層してコア61を製作する場合、コア61の渦電流損の関係から、磁束の流れる方向と平行の面に沿って積層する場合が最も効率が良い。3つの突極67a〜67cが軸方向と平行に配置されたモータの場合、磁束の流れは図31の(a)の矢印に示すように、突極67a〜67cでは軸に対して放射状方向、3極の突極67a〜67cをつないだ部分では、軸と平行な方向で磁束が流れる。従って本実施形態の場合、軸とコアがつくる平面に対して垂直な方向に積層した場合が最も効率がよい。
【0121】
本実施形態の場合コア61はちょうどこの方向に2枚のコア部品61a、61bを積み重ねた構成となっており、単一で成形した場合より渦電流損が少なく効率がよい。
【0122】
また、このコア61は、軸とコア61がつくる平面で半分に分割した2つの同じ形状のコア部品61a、61bに分割されて構成されているため、板材を用い曲げ加工、切断加工のみで製作できる結果、プレス製法により容易に製作でき、絞り、鍛造等に適さない珪素鋼板等を用いても比較的容易に製作できる。
【0123】
図32は上記コア61と樹脂インシュレータ62の構成を示した図である。コア61の2つのコア部品61a、61bは樹脂成形により絶縁性の樹脂インシュレータ62に一体に固定されており、同時にコア61の巻線部分には絶縁層、コア61のプリント基板側には、プリント基板71に圧入固定するピン75が成形されている。
【0124】
この構成により、コア部品61a、61bの締結とコア61の絶縁とが同時に行えるため製作にかかる手間が少なく量産に適した構成となる。さらに、樹脂一体成形は、樹脂成形の形状自由度の高さを活かし、他の機能を持たせることが容易である。
【0125】
またこの構成により、コア61を固定する場合は前記ピン75を圧入するのみで良いのと同時に、プリント基板71に対してコア61の位置決めを行うことができる。
【0126】
また、本実施形態のモータは、移動体通信用のページャモータであるので電池で駆動される。そのため1.2〜3.3V程度の低電圧で確実に起動する必要がある。モータの起動電圧に起因する要因としては、軸ロス、コアとマグネット間の吸引力により発生するコギングトルク、駆動回路の電圧降下等があるが、本実施形態では、このうちコギングトルクの低減について以下のような対策を講じている。
【0127】
図33は、コア61、バックヨーク63、ロータマグネット64の関係を模式的に表した図である。図33に示すコア61の突極67a〜67cのロータマグネット64に対向する部分の角度αとバックヨーク63の角度βは、コギングトルクと密接な関係がある。
【0128】
図34はα=βとして角度αを変化させたときのαとコギングトルクの関係を示した図である。図34のとおりコギングトルクは90゜付近と150゜付近の2カ所で極小となる。従ってαを90゜あるいは150゜前後に設定することによりコギングトルクが抑えられる。但し90゜とした場合は、磁束の漏れが多くなるために磁気的な効率が悪くなるため、150゜とした場合がより優れている。
【0129】
さらにコア61の突極67a〜67cの角度αとバックヨーク63の角度βはそれぞれコギングトルクと密接な関係があることは上記に示したが、αとβを異なる値にした場合のαとβの関係についても同様にコギングトルクと密接な関係がある。
【0130】
図35はα+βを一定としα−βを変化させた場合の一例を示した図である。図35のとおりコギングトルクは±30゜、±90゜付近で極小となる。但し±90゜とした場合は、両側のバランスが悪いために磁気的な効率が悪く、±30゜とした場合がより優れている。
【0131】
なお本実施形態ではコアとバックヨークを用いた場合を示したが、実施形態1〜3のようにコアを2個用いた場合も同様に2個のコアの角度の差を±30゜とすることにより同様の効果が得られる。
【0132】
次にアンバランス用のウェイト72、73について説明する。
【0133】
本実施形態は移動体通信用のページャモータに係るものであるため、モータから振動取り出すために、重心が軸芯から離れたウェイト72、73を設けることによって、ウェイト72、73の遠心力がステータ側に伝わるエネルギを利用している。
【0134】
図36に示すようにロータマグネット64には、シャフト65が貫通されて、シャフト65の両端部分にアンバランス用のウェイト72、73がカシメ固定され、さらにロータマグネット64の両端部分を接着剤72a、73aを用いてアンバランス用のウェイト72、73に接着固定した構成となっている。
【0135】
図37は軸受66a、66bに対するアンバランス用のウェイト72(73)の重心位置の関係を示した図である。図37の(a)はアンバランス用のウェイト72(73)の重心Gを2つの軸受66a、66bの外側に設置した場合、図37の(b)はアンバランス用のウェイト72(73)の重心Gを2つの軸受66a、66b間に設置した場合である。両軸受66a、66b間の距離をL1 、片側の軸受66aからのウェイト重心Gまでの軸方向距離を、もう一方の軸受66bの方向を正としてL2 、遠心力による負荷をFとすると軸受66a、66bそれぞれにかかる負荷F6 、F7 は、(式25)に示すようになる。
【0136】
6 =((L1 −L2 )/L1 )・F
7 =(L2 /L1 )・F………(25)
ここで、図37の(a)のようにアンバランス用のウェイト72(73)の重心Gを2つの軸受66a、66bの外側に設置した場合はF7 が負となる。これは負荷の方向が逆になることを表したものである。
【0137】
また、一般的に軸受のロストルクTr は、負荷をfとして(式26)のように近似される。
【0138】
r =Tc +kf………(26)
ここでTc は負荷によらず一定な成分、kは比例定数である。
【0139】
従って、2つの軸受66a、66bのロストルクを合計すると(式27)のようになる。
【0140】
r =Tc +k(|F6 |+|F7 |)………(27)
図38はロストルクTn とL1 、L2 の関係を示した図である。
【0141】
図38よりL2 が0とL1 の間つまりアンバランス用のウェイト72(73)の重心Gを2つの軸受66a、66b間に設置した場合がロストルクTr が少ない。
【0142】
さらに、軸受の寿命を考えた場合、軸受66a、66bのそれぞれにかかる負荷F6 、F7 はそれぞれ少ない方が望ましく、(式28)に示すようにした場合、つまり、アンバランス用のウェイト72(73)の重心Gを2つの軸受66a、66b間の真ん中に設置した場合、F6 とF7 が共に小さく寿命の面で有利である。
【0143】
2 =L1 /2………(28)
図37においては、アンバランス用のウェイト72(73)の重心位置を考えたが、本実施形態のモータのようにアンバランス用のウェイトを2個以上用いた場合も、アンバランス用のウェイト72(73)全体の重心Gを考えればよい。本実施形態のモータではアンバランス用のウェイト72(73)全体の重心Gは、2つの軸受66a、66b間の真ん中に設置した形になっており、軸ロス、寿命とも有利なモータである。
【0144】
また、軸ロスをさらに小さくしようとした場合、シャフト65の径を小さくすることは、非常に有効な手段である。しかしながら、シャフト65を細くした場合、シャフト65のたわみが無視できなくなり、ロータの当たり等の問題が発生する。
【0145】
図39はアンバランス用のウェイト72(73)によりシャフト65にかかる負荷を示した図である。図39の(a)はアンバランス用のウェイト72(73)を1個用いた場合、図39の(b)はアンバランス用のウェイト72、73を2個用いた場合の図である。
【0146】
シャフト65を剛体と考えた場合、図39の(a)、図39の(b)は全く等価であるが、シャフト65のたわみを考えた場合は、若干異なる。
【0147】
図39の(a)のようにアンバランス用のウェイト72(73)を1個用いた場合のシャフト65のたわみδは、(式29)に示すようになる。
【0148】
δ=FL1 3/48EI………(29)
ここでEはシャフトの縦弾性係数、Iはシャフトの断面二次モーメントである。同様に、図39の(b)のようにアンバランス用のウェイト72、73を2個用いた場合のシャフト65のたわみδは、軸受66a、66bから片側のアンバランス用のウェイト72、73までの軸方向距離を、もう一方の軸受66b、66aの方向を正としてL3 とすると、(式30)に示すようになる。
【0149】
δ=(FL3 2 (L1 −L3 2 )/3L1 EI………(30)
図40はたわみδとL3 の関係を示した図である。図において点線は比較のためにウェイトを1個用いた場合のシャフト65のたわみを示したものである。
【0150】
図40よりL3 が0のときがたわみδが0となり最も良いが、軸受66a、66bがあるため実際上不可能である。従って最もたわみδが少ないのは、アンバランス用のウェイト72、73を軸受66a、66bの一番近くに配置した場合である。
【0151】
本実施形態のモータでは、アンバラス用のウェイト72、73をロータマグネット64の両端部分に取り付けることにより、シャフト65のたわみδが少なく、その分細いシャフト65を用いることにより軸ロスの低減を図っている。
【0152】
また、前記のとおり、本実施形態のモータは軸ロス低減のために細いシャフト65が用いられているが、シャフト65が細い場合シャフト65に対するアンバランス用のウェイト72、73、ロータマグネット64の取付は、固定強度の面で、太いシャフトの場合より不利になる。
【0153】
一般的によく使われている、カシメ固定、圧入固定の場合を例にとって考えると、抜け強度Fn 、回転トルクTn とシャフト径dには、(式31)に示す関係がある。
【0154】
n ∝d
n ∝d2 ………(31)
従ってシャフト65が細い場合は、特に回転トルクTn については強度の確保が難しい。
【0155】
特にロータマグネット64については、金属等に比べ、機械的強度が弱いものが多く強度確保はさらに難しくなる。
【0156】
そこで本実施形態のモータでは、ロータマグネット64には、シャフト65が貫通されて、シャフト65のマグネット64の両端部分にアンバランスウェイト72、73をカシメ固定することによりロータマグネット64のシャフト65に対する抜け強度Fn を確保し、さらにロータマグネット64の両端部分をアンバランス用のウェイト72、73に接着固定することにより、ロータマグネット64のウェイト72、73に対する回転トルクTn を確保している。
【0157】
本実施形態は移動体通信用のページャモータであるため、モータの外部に出力軸を取り出す必要はなく、ロータマグネット64はシャフト65に対する抜け強度Fn とアンバランス用のウェイト72、73に対する回転トルクTn が確保されていれば問題ない。本実施形態の構成は、ロータマグネット64について、シャフトに対する抜け強度Fn とアンバランス用のウェイト72、73に対する回転トルクを最小限確保したものでありページャモータに適した構成である。
【0158】
なお、本実施形態はコア61とバックヨーク63とを対で備えているが、コア61のみを備えた構成とすることも可能である。
【0159】
上記実施形態1〜4は、いずれも振動発生用ブラシレスモータに関するものであり、ブラシ付きモータに比較して信頼性において優れるものである。しかし本発明を従来例1等で説明したブラシ付きモータに適用することも可能である。すなわち、直流電源を分配し、各段のコイル巻回突極に発生する誘起電圧の位相が同じ段のマグネット体を回転させるに適する位相となるようにコイルに電流を与えるブラシ及び整流子を備えて、ブラシ付きモータとして作動する振動発生用モータを構成することも可能である。
【0160】
【発明の効果】
本発明によれば、ロータマグネットの軸に対し垂直な断面形状を小さくできると共に任意の形状とすることが容易で小型化に適する上に、高効率な振動発生用モータを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1における移動体通信用のページャモータを示し、(a)はその軸方向断面図、(b)はその軸垂直方向断面図である。
【図2】ロータマグネットの磁極位置関係を説明する斜視図。
【図3】アンバランス量を説明するモデル図。
【図4】アンバランス用のウェイトを示す斜視図。
【図5】アンバランスの関係を示し、(a)はD/dとgの関係を示すグラフ、(b)はD/dとAの関係を示すグラフ、(c)はD/dと遠心力Fの関係を示すグラフである。
【図6】ピボット軸受部の拡大断面図。
【図7】ピボット軸受部のr/r0 とPmax 、Tp の関係を示すグラフ。
【図8】自動調心軸受を示し、(a)はシャフト上端部の断面図、(b)はシャフト下端部の断面図を示す。
【図9】突極の一例の斜視図。
【図10】突極の他の例の斜視図。
【図11】突極の更に別の例の斜視図。
【図12】金属粉末成形品の断面図。
【図13】鍛造成形した突極の断面図。
【図14】モータの組立を説明する分解斜視図。
【図15】本発明の実施形態2における移動体通信用のページャモータを示し、(a)はその軸方向断面図、(b)はその軸垂直方向断面図である。
【図16】ロータマグネットの磁極位置関係を説明する斜視図。
【図17】ロータマグネットの磁極位置決めを説明する分解斜視図。
【図18】ロータマグネットの磁極位置決めを説明する他の例の斜視図。
【図19】突極の一例の斜視図。
【図20】コイルを巻回した突極の斜視図。
【図21】端子板を取付た突極の斜視図。
【図22】モータの組立を説明する分解斜視図。
【図23】本発明の実施形態3における移動体通信用のページャモータを示し、(a)はその軸方向断面図、(b)はその軸垂直方向断面図である。
【図24】軸受ブッシュが装着されたロータマグネットの斜視図。
【図25】アンバランス量を説明するモデル図。
【図26】コイルが巻回されると共に端子板が組み込まれた突極の斜視図。
【図27】モータの組立を説明する分解斜視図。
【図28】ブラケットの斜視図。
【図29】他の例のブラケットの断面図。
【図30】本発明の実施形態4における移動体通信用のページャモータを示し、(a)はその軸方向断面図、(b)はその軸垂直方向断面図である。
【図31】コアの構成を示し、(a)はその側面図、(b)はその平面図である。
【図32】コアと樹脂インシュレータの構成を示し、(a)はその正面図、(b)はその側面図、(c)はその平面図である。
【図33】コアとバックヨークとロータマグネットの関係を模式的に表した図。
【図34】角度αとコギングトルクの関係を示した図。
【図35】角度α−βとコギングトルクの関係を示した図。
【図36】ロータマグネットの構成を示し、(a)はその正面図、(b)はその底面図である。
【図37】軸受に対するアンバランス用のウェイトの重心位置の関係を示し、(a)はウェイトの重心を2つの軸受の外側に設置した場合を示す図、(b)はウェイトの重心を2つの軸受間に設置した場合を示す図である。
【図38】ロストルクとL1 、L2 の関係を示した図。
【図39】アンバランス用のウェイトによってシャフトにかかる負荷を示し、(a)はウェイトを1個用いた場合を示す図、(b)はウェイトを2個用いた場合を示す図である。
【図40】シャフトたわみδとL3 の関係を示した図。
【図41】本発明のモータ回転原理を示す図。
【図42】誘起電圧の電圧波形を示す図。
【図43】従来例1のモータの構造を示し、(a)はその一部切欠断面図、(b)はその横断面図である。
【図44】従来例2のモータの構造を示し、(a)はその平面図、(b)はその縦断正面図である。
【図45】従来例3のモータの構造を示す断面図。
【符号の説明】
1a、1b、1c、2a、2b、2c、67a、67b、67c 突極
3、64 ロータマグネット
3a、3b、3c、64a、64b、64c マグネット体
4、65 シャフト
5、6、66a、66b 軸受
7、7a、7b、7c、68 コイル
8a、8b、37a、37b スペーサ
9、72、73 ウェイト
10 スラスト板
11、12 継鉄板
13、14、33、37、45、46、69、70 ブラケット
15、34、47、71 プリント基板
16、55 駆動IC
17、58、74 シート
18、19、61 コア
22、26、30、41 ティース部
35 プレート
36、48、52 端子板
38 低摩擦コーティング材
49、50 軸受ブッシュ
49b、50b 軸受ブッシュの軸受穴
51 金属片
61a、61b コア部品
62 樹脂インシュレータ
63 バックヨーク
75 ピン
90 外装体
90a 短辺
90b 長辺

Claims (12)

  1. 各段において周方向のN、S極の着磁位置が互いにずれたK段(Kは2以上の整数)のマグネット体を備えたロータマグネットを有し、
    各段のマグネット体に対応するコイル巻回突極をK段と、各段の突極を軸方向に磁気的に連結する継鉄部とを備えたコアを互いに対向するように1対有し、
    ロータマグネットを回転自在に支持する1対の軸受を有し、
    ロータマグネットと一体回転するアンバランス用のウェイトを有する振動発生用モータであって、
    ロータマグネットが、K個のマグネット体と、マグネット体間に介装されるスペーサと、マグネット体及びスペーサを積層状態で支持固定するシャフトとで構成され、シャフトが1対の軸受で回転自在に支持され、スペーサの重心がロータマグネットの軸に対し偏心していることを特徴とする振動発生用モータ。
  2. 各段において周方向のN、S極の着磁位置が互いにずれたK段(Kは2以上の整数)のマグネット体を備えたロータマグネットを有し、
    各段のマグネット体に対応するコイル巻回突極をK段と、各段の突極を軸方向に磁気的に連結する継鉄部とを備えたコアを互いに対向するように1対有し、
    ロータマグネットを回転自在に支持する1対の軸受を有する振動発生用モータであって、
    ロータマグネットが、K個のマグネット体と、マグネット体間に介装されるスペーサと、マグネット体及びスペーサを積層状態で支持固定するシャフトとで構成され、シャフトが1対の軸受で回転自在に支持され、スペーサの重心がロータマグネットの軸に対して偏心していて特別のアンバランス用のウェイトを有さず、スペーサがアンバランス用のウェイトを兼ねることを特徴とする振動発生用モータ。
  3. 各段のコイル巻回突極がロータマグネットの軸方向に1列状態に配置された請求項1または2記載の振動発生用モータ。
  4. ロータマグネットの軸方向に直角の断面形状が対向する1対の長辺と対向する1対の短辺からなる扁平形状の外装体を備え、外装体の中心部をロータマグネットが貫通し、外装体の両短辺部の夫々にコアが配設されている請求項3記載の振動発生用モータ。
  5. 外装体の断面形状が長方形である請求項4記載の振動発生用モータ。
  6. 外装体の両短辺部に夫々配設されているコアの内の一方のコアに代えて、バックヨークが配設されている請求項4記載の振動発生用モータ。
  7. 1対の軸受の一方の軸受が、スラスト軸受部とラジアル軸受部で構成され、シャフトの前記スラスト軸受部に接触する端面が球面に形成され、シャフトの端面の曲率半径rと、シャフトの直径dとの間に次の関係が成立する請求項1〜6のいずれかに記載の振動発生用モータ。
    10d>r>1.5d/2
  8. シャフトの端面を球面に形成し、外装体の端面を構成するブラケットに球面状凹部の軸受を一体に形成して、シャフトの端部をスラスト方向及びラジアル方向の両方向から支承した請求項1〜6のいずれかに記載の振動発生用モータ。
  9. ブラケットが低摩擦樹脂製である請求項8記載の振動発生用モータ。
  10. 低摩擦樹脂がフッ素樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリイミド樹脂のいずれかである請求項9記載の振動発生用モータ。
  11. K=3である請求項1〜10のいずれかに記載の振動発生用モータ。
  12. 直流電源を制御し、各段のコイル巻回突極に発生する誘起電圧の位相が同じ段のマグネット体を回転させるに適する位相となるようにコイルに電流を与える電子回路を備え、ブラシレスモータとして作動する請求項1〜11のいずれかに記載の振動発生用モータ。
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