JP3685600B2 - インバータコンプレッサ用過負荷リレー組立体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はインバータ駆動タイプの冷蔵庫等に搭載されるコンプレッサに用いられる過負荷リレー組立体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷蔵庫等に搭載されるコンプレッサを駆動するモータとしては、従来は、単相交流電源で駆動される単相誘導モータが主流であったが、近年は、インバータモジュールが小型でかつ安価に入手できるようになったため、単相交流を整流器で直流に変換し、更にインバータモジュールで直流を3相交流に変換して無整流子モータに供給し、この無整流子モータでコンプレッサを駆動している。
【0003】
これにより、静音運転が達成されると共にコンプレッサの運転効率も飛躍的に向上したが、かかる装置に必須の部材である過電流による過熱により動作する過負荷リレーの取付けに従来と違った工夫が要求されている。即ち、単相交流電源で単相誘導モータを駆動するものでは、単相交流電源と単相誘導モータが直接に接続されるため、電気回路的にはその電源ラインの一方に過負荷リレーを挿入すれば過負荷防止機能と電源供給機能を充足でき、また、機械的な設置においてもコンプレッサに簡単に接触配置すればこと足りた。
【0004】
しかし、上記したように、コンプレッサの駆動源がインバータモジュールであり、インバータの二次側は直流を変換した3相交流になる。そのため、インバータの二次側の任意の1相に過負荷リレーを接続した状態で過負荷動作をしても、他の2相が接続されているためモータは依然として運転を継続することとなるので、インバータの二次側に過負荷リレーを接続することは許容されない。
【0005】
そこで、過負荷防止機能はインバータの一次側の単相交流で行わなければならず、しかも過負荷リレーの設置はコンプレッサに接触配置しなければならない。また、電源供給機能は対象とするモータが3相モータであるためインバータの二次側で行う必要があり、電源供給のためのソケットターミナルはコンプレッサに設けられているターミナルと直接接続しなければならない。
【0006】
このために過負荷リレーと電源供給のためのソケットターミナルはそれぞれ個別に配置しなければならないため、その設置のため作業が面倒であった。また、過負荷リレーとソケットターミナルを一体に形成すれば取付けの作業手間は軽減されるが、一体の部材を新規に作成することコストの面で問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、過負荷リレーと電源供給のためのソケットターミナルは既存のものを利用して、あたかも過負荷リレーとソケットターミナルを一体に形成した部材のように組立て、電気的には所要の接続態様を確保しつつ、機械的には、ソケットターミナルをコンプレッサに設けられているターミナルと直接接続しさえすれば、同時に、過負荷リレーもコンプレッサに接触配置でき、コンパクトで作業効率を高めることができるインバータコンプレッサ用過負荷リレー組立体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係るインバータコンプレッサ用過負荷リレー組立体は、感温素子の両端にそれぞれ接続されたタグ端子と、インバータモジュールの1相の出力端子と接続される電源タグ端子を有し、該1相の出力端子と接続される電源タグ端子にはコンプレッサモータの電源端子と接続されるメスピン端子をその先端に有する接触片が固着されてなる過負荷リレーと、インバータモジュールの他の2相の出力端子と接続される電源タグ端子と、該他の2相の出力端子と接続される電源タグ端子とそれぞれ接続されコンプレッサモータの電源端子と接続される2つのメスピン端子と、該過負荷リレーのメスピン端子を保持する保持部とを有するソケットターミナルからなり、ソケットターミナルの側方に形成された把持手段により該過負荷リレーを一体に把持した構成とする。
【0011】
こうして、過負荷リレーと電源供給のためのソケットターミナルは既存のものを利用して、あたかも過負荷リレーとソケットターミナルを一体に形成した部材のように組立て、電気的には所要の接続態様を確保しつつ、機械的には、ソケットターミナルをコンプレッサに設けられているターミナルと直接接続しさえすれば、同時に、過負荷リレーもコンプレッサに接触配置できる。
【0012】
本発明の請求項2に係るインバータコンプレッサ用過負荷リレー組立体は、感温素子の両端にそれぞれ接続されたタグ端子と、インバータモジュールの1相の出力端子と接続される電源タグ端子を有し、該1相の出力端子と接続される電源タグ端子にはコンプレッサモータの電源端子と接続されるメスピン端子をその先端に有する接触片が固着されてなる過負荷リレーと、インバータモジュールの他の2相の出力端子と接続される電源タグ端子と、該他の2相の出力端子と接続される電源タグ端子とそれぞれ接続されコンプレッサモータの電源端子と接続される2つのメスピン端子と、該過負荷リレーのメスピン端子を保持する保持部とを有するソケットターミナルからなり、ソケットターミナルの側方に形成され、弾性を有する帯状体により過負荷リレーを把持する形状の把持手段により該過負荷リレーを一体に把持した構成とする。
【0013】
こうして、電源供給のためのソケットターミナルと過負荷リレーとをソケットターミナルの側方に形成され弾性を有する帯状体によりしっかり固定できる。そして、現場での組立を簡単に行うことができるので作業効率を高めると同時にインバータコンプレッサ用過負荷リレー組立体のコンパクト化が図られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明のインバータコンプレッサ用過負荷リレー組立体の実施の形態を図1及び図2に基づいて以下に詳述する。図1(A)は本発明の過負荷リレーとソケットターミナルとの組立体の裏面側面図、図1(B)はコンプレッサに設けられているターミナル(電源端子)、図1(C)は電気回路図である。
【0015】
図2は過負荷リレーとソケットターミナルとの組立体の斜視図であり、同図(A)は組立前の状態図である。ソケットターミナル2の側方には、弾性を有する帯状体により形成され、過負荷リレー1を把持する形状にされた把持手段3が取付けられている。そして、この把持手段3により過負荷リレー1をソケットターミナル2と一体になるように把持する。
【0016】
図において、1は過負荷リレー、2はソケットターミナルであり、これらは既にそれぞれ個別に市販されているものである。3は過負荷リレーを把持する把持手段、4は接触片保持部、5はコンプレッサの温度を検知する温度センサ、6は先端にメスピン端子7を有する接触片、8,9はメスピン端子、10はタグ端子である。
【0017】
過負荷リレー1は、表面にはモータが組込まれたコンプレッサに面接触することによりコンプレッサ温度を検知する温度センサ5を有し、裏面には端子番号12,13,14で表示されるタグ端子が設けられている。端子番号13,14のタグ端子は通常市販されている過負荷リレーに装着されているが、端子番号12のタグ端子は本発明のために新たに付加したものであり、それには先端にメスピン端子7を有する接触片6が固着されている。
【0018】
過負荷リレー1の電気回路は図1(C)に示すように、端子番号13のタグ端子は単相交流電源の1端子に接続され、端子番号14のタグ端子はダイオードブリッジ等の整流回路の入力端子に接続される。そして端子番号13,14のタグ端子の他方端間にはバイメタル等の感温素子が接続されていて、過電流による過熱と温度センサ5によるコンプレッサ温度の上昇を検知して過負荷防止の機能を果たしている。
【0019】
ソケットターミナル2の表面にはメスピン端子7,8,9が、図1(B)に示すコンプレッサに設けられているターミナルのR、S、T相のオスピン端子に対応する位置に設けられている。また、ソケットターミナル2の上面には先端にメスピン端子が設けられている接触片6を係合保持する保持部4が形成されている。従って、ソケットターミナル2の表面のメスピン端子7は過負荷リレー1の接触片6の先端に設けられているメスピン端子7が相当することとなる。
【0020】
ソケットターミナル2の側方には、弾性を有する帯状体が設けられ、過負荷リレー1を把持する形状にされた把持手段3が取付けられている。そして、この把持手段3により過負荷リレー1をソケットターミナル2と一体になるように把持する。
【0021】
ソケットターミナル2の裏面には、コンプレッサの駆動源であるインバータモジュールの二次側の3相交流端子R、S、Tの内の2つと接続される端子番号10,11で表示される2個のタグ端子が設けられている。ソケットターミナル2の電気回路は、図1(C)に示すように、端子番号10,11で表示されるタグ端子はそれぞれ表面のメスピン端子8,9と内部で接続されている。また、過負荷リレー1に装着されている端子番号12のタグ端子もインバータモジュールの二次側の3相交流端子の残りの1つに接続される。そして過負荷リレー1の端子番号13,14のタグ端子はインバータモジュールの一次側の電源ラインに直列に接続され、過負荷リレー1が動作すると電源ラインを遮断することができる。
【0022】
図2に過負荷リレー1とソケットターミナル2との組立体の斜視図を示し、同図(A)は組立前の状態図である。そして、ソケットターミナル2の側方に取付けられている、弾性を有する帯状体により形成された把持手段3に過負荷リレー1を押し込んで弾性力により把持させる。把持手段3は過負荷リレー1を把持し易いように過負荷リレー1の形状に形成されているので、スムーズに把持手段3によりソケットターミナル2と一体になるように把持できる。
【0023】
同時に、過負荷リレー1の端子番号12と表示されたタグ端子に固着された、先端にメスピン端子7を有する接触片6が、ソケットターミナル2の上面に形成された保持部4に係合保持されるので、過負荷リレー1が回転するような不安定な状態にはならず、しっかりした固着がなされる。そしてこの結果、過負荷リレー1とソケットターミナル2とが一体に組立てられた状態図は図2(B)に示す通りである。このように構成された負荷リレー組立体を図1(B)のターミナルに接続すると、過負荷リレーの温度センサ5もコンプレッサに同時に接触配置できる。
【0024】
図1(A)に示す過負荷リレー組立体を、図1(B)に示される、コンプレッサに設けられているターミナルのR、S、T相のオスピン端子に対して図面上部から押し込むことにより、ソケットターミナル2の表面にメスピン端子7,8,9が係合してコンプレッサのモータへの電気回路は完結される。
【0025】
【発明の効果】
以上のように、本発明のインバータコンプレッサ用過負荷リレー組立体は、過負荷リレーと電源供給のためのソケットターミナルは既存のものを利用して、あたかも過負荷リレーとソケットターミナルを一体に形成した部材のように組立て、電気的には所要の接続態様を確保しつつ、機械的には、ソケットターミナルをコンプレッサに設けられているターミナルと直接接続しさえすれば、同時に、過負荷リレーもコンプレッサに接触配置できるので取付け作業が簡単になる。
【0026】
また、電源供給のためのソケットターミナルと過負荷リレーとをソケットターミナルの側方に形成され弾性を有する帯状体によりしっかり固定できる。そして、現場での組立を簡単に行うことができるので作業効率を高めると同時にインバータコンプレッサ用過負荷リレー組立体のコンパクト化が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は本発明の過負荷リレーとソケットターミナルとの組立体の裏面側面図、(B)はコンプレッサに設けられているターミナル、(C)は電気回路図。
【図2】本発明の組立体の斜視図であり、(A)は組立前の状態図、(B)は一体に組立状態図。
【符号の説明】
1 過負荷リレー
2 ソケットターミナル
3 把持手段
4 接触片保持部
5 温度センサ
6 接触片
7,8,9 メスピン端子
10〜14 タグ端子
Claims (2)
- 感温素子の両端にそれぞれ接続されたタグ端子と、インバータモジュールの1相の出力端子と接続される電源タグ端子を有し、該1相の出力端子と接続される電源タグ端子にはコンプレッサモータの電源端子と接続されるメスピン端子をその先端に有する接触片が固着されてなる過負荷リレーと、インバータモジュールの他の2相の出力端子と接続される電源タグ端子と、該他の2相の出力端子と接続される電源タグ端子とそれぞれ接続されコンプレッサモータの電源端子と接続される2つのメスピン端子と、該過負荷リレーのメスピン端子を保持する保持部とを有するソケットターミナルからなり、ソケットターミナルの側方に形成された把持手段により該過負荷リレーを一体に把持したことを特徴とするインバータコンプレッサ用過負荷リレー組立体。
- 上記把持手段は弾性を有する帯状体により過負荷リレーを把持する形状に形成されることを特徴とする請求項1記載のインバータコンプレッサ用過負荷リレー組立体。
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