JP3685222B2 - 横型撹拌装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、横型容器内の内容物、例えばペレット状,泥状,粉状の湿原料を撹拌乾燥するのに用いる横型撹拌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、横型容器内の内容物を撹拌乾燥するため、内部の回転主軸やこれに連設された撹拌翼内にスチーム,温水などの熱媒を通して、上記内容物の乾燥をこれらのスチームや温水などの外部熱を利用して促進する横型撹拌装置が提案されている。
【0003】
そして、かかる従来の横型撹拌装置では、上記スチームや温水を上記回転主軸の一方のノズル端から供給し、他方のノズル端から排出する構成となっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の横型撹拌装置にあっては、横型容器の両端にそれぞれ各一のノズルが突設されるため、横型撹拌装置の全長が長くなり、設置空間の確保および配管の引き廻しの都合上好ましくないという課題があった。
【0005】
また、一般に、回転主軸内部の流路断面積が入口および出口の上記各ノズルの開口断面積に比べて小さく、上記回転主軸における熱媒の流速が大幅に低下することによって、熱効率が低下してしまうなどの課題があった。
【0006】
さらに、上記回転主軸および撹拌翼の両方に熱媒を供給する場合にあっても、これらの両方を単に連通させるのみでは、撹拌翼内への熱媒の供給が停滞することとなり、熱交換が不十分となり、上記内容物の撹拌乾燥の能率が上がらないという課題があった。
【0007】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであり、回転する外管軸および撹拌翼付近への熱媒の流通を活発化,流動化することで、横型容器内の内容物の撹拌乾燥を一層促進するとともに、熱交換が終了した熱媒の排出を速やかに実施でき、しかも熱媒が空気やガスである場合にこれらの凝縮液が再び撹拌翼側へ逆流するのを阻止できる省占有空間型の横型撹拌装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そして、上記目的達成のために、請求項1の発明にかかる横型撹拌装置は、被撹拌物が収容される横型容器内に回転自在に支持された外管軸と、該外管軸内に取り付けられて一端が封止された内管軸と、上記外管軸にこれの内周方向および軸方向に一定の間隔で連結され、かつ先端に撹拌翼を有する撹拌管軸とを設けて、該撹拌管軸内に噴出ノズル管の一端を開口させ、その他端を上記外管軸との間に一定間隙を保って上記内管軸に連結したものである。
【0009】
さらに、請求項1の発明にかかる横型撹拌装置は、螺旋板状のポンプ部材を、外管軸および内管軸間の排出通路に介装し、上記内管軸端に形成した連通孔を介して上記排出通路から排出される熱媒を熱媒排出通路へ汲み出させるようにしたものである。
【0010】
請求項の発明にかかる横型撹拌装置は、内管軸の他端に封止リングを介して熱媒導入ノズル管を連結し、該熱媒導入ノズル管の外周側に外管軸および内管軸間の排出通路に連通する熱媒排出通路を設けたものである。
【0011】
請求項の発明にかかる横型撹拌装置は、上記噴出ノズル管が所定間隙を介して貫通する上記外管軸の透孔に、上記外管軸の内周面より所定量突出するドレン逆流阻止用の堰部を取り付けたものである。
【発明の実施の形態】
【0012】
以下、この発明の実施の一形態を図について説明する。図1はこの発明の横型撹拌装置の全体を示す断面図であり、1は図示しない機台に設置された横型容器で、この横型容器1には被撹拌物の投入口(図示しない)およびその被撹拌物の排出口2が設けられている。この排出口2には開閉蓋(図示せず)が設けられている。
【0013】
また、この横型容器1の中心部には軸受5を介して外管軸6が回転自在に支承され、さらに、この外管軸6の両端部には軸部材8が取り付けられ、これらが機台側のブラケット10上に回転自在に支持されている。
【0014】
11は上記外管軸6内において両端が軸部材8の中心部間に架設された内管軸で、これの左端は封止され、右端は軸部材8の中心部に貫通形成した軸孔12端に開口して連通している。
【0015】
また、この軸部材8との結合部付近の内管軸11内にはOリングなどの封止リング13が嵌挿されており、この封止リング13の中心部には、これを貫通するように熱媒導入ノズル管14の一端が支持され、他端は給排ソケット15内を通じて熱媒供給用のフレキシブルチューブ16に連結されている。
【0016】
17は上記軸部材8の内端によって塞がれる付近の外管軸6および内管軸11間の排出通路Pに、図2に示すように介装された螺旋板状のポンプ部材で、このポンプ部材17に対向する部位の内管軸11に、この内管軸11内と軸部材8および熱媒導入ノズル管14間の熱媒排出通路18とに連通する連通孔19が形成されている。
【0017】
そして、この熱媒排出通路18は上記給排ソケット15内を通じて熱媒排出用のフレキシブルチューブ28に連結されている。
【0018】
また、20は上記軸部材8端の外周に固定された上記外管軸6回転用のスプロケット、21は給排ソケット15に対して、回転しながら熱媒の給排を行う経路を水密に形成するガスケットである。
【0019】
一方、22は上記外管軸6の外周に、これの円周方向および軸方向に一定の間隔で連結された撹拌管軸で、この撹拌管軸22の先端には撹拌翼23が取り付けられている。
【0020】
この撹拌翼23は上記横型容器1内の被撹拌物を排出口2に向って排出させる形状および向きにて、上記撹拌管軸22端に取り付けられている。
【0021】
また、外管軸6には撹拌管軸22内および外管軸6内に連通する図3に示すような透孔hが設けられ、この透孔hには外管軸6の内周壁面よりも内部へ突出する、図3に示すようなリング状の堰部24が設けられている。
【0022】
25は上記内管軸11にソケット部材26を介して一端が連通接続された噴出ノズル管で、これが上記堰部24内に挿通されて撹拌管軸22内に及び、さらに先端が撹拌翼23の取付部付近にまで至って開口している。
【0023】
なお、この開口部は例えば図4(A),(B)に示すように先端に小孔25aを設けた噴出ノズルやスプレーノズル25bを設けた噴出ノズルとされる。
【0024】
また、上記堰部24とこれを上記のように貫通する噴出ノズル管25との間には、撹拌管軸22内の熱媒を外管軸内に導出するための排出孔(間隙)27が設けられている。
【0025】
かかる構成になる横型撹拌装置にあっては、まず、横型容器1に設けられた投入口から被撹拌物を投入する。また、熱媒供給用のフレキシブルチューブ16から、熱媒を給排ソケット15内の供給通路(図示しない)および熱媒導入ノズル管14を介して内管軸11内に導入する。
【0026】
このため、この内管軸11内に導入された熱媒は、ソケット部材26を介して噴出ノズル管25内に送出され、この噴出ノズル管25の先端から撹拌翼23の取付部品を含む撹拌軸22の内壁面に、例えばスプレー状に均等に噴射され、その撹拌翼23とともに撹拌管軸22を加熱する。
【0027】
また、上記噴出ノズル管25端から噴射された熱媒は噴出ノズル管25と撹拌管軸22との間隙および堰部24内の上記間隙27を介して外管軸6内、すなわち、外管軸6と内管軸11との排出通路Pに流出される。
【0028】
そして、この排出通路P内の熱媒は上記ポンプ部材17,挿通孔19,熱媒排出通路18,給排ソケット15内の排出通路(図示しない)を介して熱媒排出用のフレキシブルチューブ28へ導出される。
【0029】
一方、このとき、上記スプロケット20に架設されたチェーンを介してモータなどの駆動手段(図示しない)から軸部材8に回転が伝えられ、この軸部材8に一体の外管軸6も内管軸11とともに同様に回転する。
【0030】
このため、その外管軸6に撹拌管軸22を介して取り付けられた撹拌翼23が、上記横型容器1内の被撹拌物を撹拌し、この被撹拌物は撹拌軸22および撹拌翼23からの乾燥用熱エネルギを受けて連続的かつ効率的に加熱乾燥される。
【0031】
そして、この加熱乾燥動作が終了した場合には、上記外管軸6の回転を止め、あるいは低速回転させながら、開閉蓋3を開いて排出口から乾燥が完了した被撹拌物を横型容器1の外へ取り出すことができる。
【0032】
また、この場合においては、撹拌管軸22内を、熱媒を供給する通路を熱媒を排出する通路とに分けて、横型容器1の一方にあるフレキシブルチューブ16から導入した熱媒を、同一方向にあるフレキシブルチューブ28へ導出可能な給排往復通路構成としている。
【0033】
このため、撹拌管軸22および撹拌翼23は常時流入する熱媒に晒されて、効率的に熱交換により加熱され、被撹拌物の乾燥効率を十分に高めることができる。
【0034】
そして、この例では熱媒の供給および排出を横型容器1の一側を壁面に向けて設置する場合に好適であるほか、軸方向の占有空間を狭小に抑えることができる。
【0035】
さらに、上記内管軸11内の軸部材8側封止端とは反対側に、封止リング13を介して熱媒導入ノズル管14を連設し、この熱媒導入ノズル管14の外周側に上記外管軸6および内管軸11間の排出通路Pに連通する熱媒排出通路18を設けたので、上記噴出ノズル管25への熱媒の導入および上記撹拌管軸22からの熱媒の導出を別系統に分けて実施できる。
【0036】
これにより給排される温度差のある熱媒が互いに混合することがなく、高温で安定量の熱媒を上記撹拌管軸内へ送出できる。
【0037】
また、上記撹拌管軸22内には熱媒とともに空気や不凝縮性のガスが滞留することがあり、このうち空気の滞留は熱媒による撹拌管軸22の熱伝達を阻害する。
【0038】
この発明では、螺旋板状のポンプ部材17が軸部材8付近の外管軸6および内管軸11間に設けられているため、これらの回転により、その外管軸6および内管軸11間の排出通路Pに流出した熱媒がポンプ部材17によって連通孔19を通じて熱媒排出通路18へと強制的に送り出すことができる。
【0039】
従って、かかる熱媒の熱媒排出通路18への強制送出により、上記撹拌管軸22内に滞留した空気も同経路で強制的に排出される。
【0040】
また、かかるポンプ部材17は上記のようなポンプ作用によって、運転停止中に外管軸6内に滞留した熱媒を強制排出するように機能する。
【0041】
さらに、上記外管軸6に設けた堰部24はその外管軸6の内壁面より内管軸11側に突出しているため、例えば熱媒がスチームである場合に、凝縮液化したドレンが撹拌管軸22内に逆流するのを防止することができる。
【0042】
また、かかるドレンは上記ポンプ部材17のポンプ作用によって速やかに熱媒通路18へ排出でき、かかるドレンの滞留を回避することで、熱媒による伝熱面を十分に確保でき、上記撹拌乾燥を著しく効率的にすることとなる。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、請求項1の発明によれば被撹拌物が収容される横型容器内に回転自在に支持された外管軸と、該外管軸内に取り付けられて一端が封止された内管軸と、上記外管軸にこれの内周方向および軸方向に一定の間隔で連結され、かつ先端に撹拌翼を有する撹拌管軸とを設けて、該撹拌管軸内に噴出ノズル管の一端を開口させ、その他端を上記外管軸との間に一定間隙を保って上記内管軸に連結するように構成したので、回転する外管軸および撹拌翼内への熱媒の流通を活発化することができ、横型容器内の内容物の撹拌乾燥を一層促進するとともに、熱交換が終了した熱媒の排出を速やかに実施できるという効果が得られる。
【0044】
また、請求項2の発明によれば螺旋板状のポンプ部材を、外管軸および内管軸間の排出通路に介装し、上記内管軸端に形成した連通孔を介して上記排出通路から排出される熱媒を熱媒排出通路へ汲み出させるように構成したので、外管軸の回転中に、これと内管軸との間隙通路や撹拌管軸内に滞留する空気や熱交換を終えた熱媒などを強制的に外部へ排出し、高温の熱媒の上記撹拌管軸内への供給を効率的に行えるという効果が得られる。
【0045】
また、請求項3の発明によれば内管軸の他端に封止リングを介して熱媒導入ノズル管を連結し、該熱媒導入ノズル管の外周側に外管軸および内管軸間の排出通路に連通する熱媒排出通路を設けるように構成したので、撹拌管軸に対する熱媒の給排を独立した経路で実施でき、このため、従来のような高低の熱媒の混合による熱伝達効率の低下を回避でき、これを内管軸の径寸法内で容易に実現できるという効果が得られる。
【0046】
また、請求項4の発明によれば上記噴出ノズル管が所定間隙を介して貫通する外管軸の透孔に、上記外管軸の内周面より所定量突出するドレン逆流阻止用の堰部を取り付けるように構成したので、撹拌管軸内に滞留したドレンが撹拌管軸内に逆流して、ここでの熱媒による熱伝達を劣化するのを未然に防止でき、かつかかる効果を簡単な構成にて容易に実現できるという利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態による横型撹拌装置を示す断面図である。
【図2】図1におけるポンプ部材の正面図である。
【図3】図1における撹拌管軸の取付部付近の詳細を示す拡大断面図である。
【図4】噴出ノズル管の拡大部分断面図で、異なる実施の形態を(A),(B)で示す。
【符号の説明】
1 横型容器
6 外管軸
11 内管軸
13 封止リング
14 熱媒導入ノズル管
17 ポンプ部材
18 熱媒排出通路
19 連通孔
22 撹拌管軸
23 撹拌翼
24 堰部
25 噴出ノズル管
27 間隙
P 排出通路
h 透孔

Claims (3)

  1. 被撹拌物が収容される横型容器内に回転自在に支持された外管軸と、該外管軸内に取り付けられて一端が封止された内管軸と、上記外管軸にこれの内周方向および軸方向に一定の間隔で連結され、かつ先端に撹拌翼を有する撹拌管軸と、該撹拌管軸内に一端が開口し、他端が上記外管軸との間に一定間隙を保って上記内管軸に連結された噴出ノズル管とを備え
    上記外管軸および内管軸間の排出通路に介装されて、上記内管軸端に形成した連通孔を介して上記排出通路から排出される熱媒を熱媒排出通路へ汲み出す螺旋板状のポンプ部材を設けたことを特徴とする横型撹拌装置。
  2. 上記内管軸の他端に封止リングを介して連結された熱媒導入ノズル管と、該熱媒導入ノズル管の外周側に上記外管軸および内管軸間の排出通路に連通するように設けられた熱媒排出通路とを設けたことを特徴とする請求項1に記載の横型撹拌装置。
  3. 上記噴出ノズル管が所定間隙を介して貫通する上記外管軸の透孔に取り付けられて、上記外管軸の内周面より所定量突出するドレン逆流阻止用の堰部を設けたことを特徴とする請求項1に記載の横型撹拌装置。
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