JP3684710B2 - 情報記録再生装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、CD−ROM装置やハードディスク装置、ビデオテープレコーダ等の、ディスクやテープ、カードなどの情報記録媒体に対して情報の記録または再生を行う情報記録再生装置において、装置外部から伝わる振動を緩和する防振機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、CD−ROM装置やハードディスク装置等のディスク装置はコンピュータの外部メモリ装置として広く使われてきている。一方、近年コンピュータはパーソナルユースにも広く使われる様になってきおり、個人の机上に置くことの出来る様、省スペース性が強く要求されるようになってきた。これらのことを背景として、コンピュータとともに使用されるディスク装置にも小型化や省スペース性が求められており、特に水平設置(ディスクの情報記録面に垂直な方向であるフォーカス方向を重力方向に平行に装置を設置すること)のみならず垂直設置(光ヘッド等の情報記録再生手段が移動する方向であるトラッキング方向およびフォーカス方向の双方に垂直な方向でトラックの接線方向である、ジッター方向を重力方向に平行に装置を設置すること)も可能であることが求められている。
【0003】
またコンピュータの内部温度は、起動直後に最大の温度勾配で上昇し、時間とともに温度勾配がゆるやかになってゆき、最終的に温度平衡に達する。特に近年の高性能コンピュータでは内部の発熱量が大きくなっており、起動直後の温度も急激に上昇する。ディスク装置もこの様な高性能コンピュータに内蔵されたり、また、様々な環境下を移動して使用されるポータブル型コンピュータに内蔵される等、急激な環境温度変化の下で使用される様になってきており、その場合にも安定した情報の記録や再生が可能であることが求められるようになってきている。
【0004】
以下、従来におけるディスク装置の一例の防振機構を、図面を参照しながら説明する。
図25は従来のディスク装置の平面断面図、図26は従来のディスク装置の側面断面図、図27は従来のディスク装置の正面断面図である。
図25において、ディスク110は脱着可能であり、カートリッジ111に格納された状態で、ディスク装置の一端面に備えられたベゼル112の方向から装置に挿入・排出される。カートリッジ111は、ユーザーにより所定量装置に挿入されると、ディスクローディング機構(図示せず)により自動的にディスク駆動手段106の位置まで搬送され固定される。ディスク装置がディスクに対して情報の記録または再生を行う際には、ディスク駆動手段106がディスク110を回転させるとともに、情報記録再生手段107がディスク110の半径方向に移動することにより、ディスク110上に同心円状または螺旋状に設けられた任意の情報記録再生トラックに対して、情報の記録または再生を行う。
【0005】
図26において、ディスク装置はディスク110の情報記録面に垂直な方向を重力方向に一致させる水平設置状態で設置されている。ディスク駆動手段106および情報記録再生手段107は、サブシャーシ102の上に設けられている。サブシャーシ102上のディスク駆動手段106および情報記録再生手段107に外部からの振動が伝わると、ディスク110への情報の記録または再生に支障が生ずるため、サブシャーシ102は防振体103を介して、外装部材101aとサブシャーシ支持部材101bとから構成されるメインシャーシに取り付けられる。防振体103は、ディスク装置外部からの不要振動が、メインシャーシ(外装部材101aおよびサブシャーシ支持部材101b)を通じてサブシャーシ102上の機構部へ伝達することを防止する。外装部材101aにはディスク装置をコンピュータ内部の固定部材135にマウントするため、ディスク装置取り付け手段115としてネジ穴が設けられている。
【0006】
このディスク装置取り付け手段115の配置は、各社のディスク装置で取り付けの互換性を取るため標準的な位置が決まっており、外装部材101aの端面101c(垂直設置時に鉛直下方を向く端面)に2カ所(図25)、端面101dに2カ所(図25)、101e(水平設置時に鉛直下方を向く端面)に4カ所(図26には2カ所のみ図示)設けられている。図26の水平設置状態では、ディスク装置は、外装部材101aの端面101eに設けられた4カ所のディスク装置取り付け手段115によって、コンピュータ内部等に備えられている固定部材135にマウント(ネジ止め)されている。
【0007】
ここで、情報記録再生手段107が移動するディスク110の半径方向をトラッキング方向、ディスク110の情報記録面に垂直の方向をフォーカス方向、トラッキング方向およびフォーカス方向に垂直の方向をジッター方向と呼ぶことにする。
図26の水平設置状態では、ほぼ円筒形状の防振体103はその中心軸がフォーカス方向と平行に配置されている。重力はフォーカス方向にかかっているので、防振体103には中心軸に平行に重力がかかっていることになる。
【0008】
図27において、ディスク装置はジッター方向を重力方向に一致させる垂直設置状態で設置されている(以下、図25、26と重複する部分の説明は省略する)。ディスク装置は、外装部材101aの端面101cに設けられたディスク装置取り付け手段115としてのネジ穴によって、コンピュータ内部等に備えられている固定部材135にマウント(ネジ止め)されている。この垂直設置状態においては、重力はジッター方向にかかるので、防振体103にはその中心軸に垂直方向に重力がかかっていることになる。
【0009】
図28は防振体103近傍(組立前)の断面図である。
防振体103は、ネジ105、ナット109、ワッシャ104によって、サブシャーシ支持部材101bに締め付ける。防振体103を構成するゴム等の弾性材は、むき出しで周囲の空気やサブシャーシ102等に直接に接している。このため装置内部の空気や部材の温度変化に応じて弾性体の温度も変化する。特にディスク装置が、内部発熱の大きい高性能コンピュータに内蔵される場合や、様々な環境下を移動して使用されるポータブル型コンピュータに内蔵される場合には、防振体103を構成する弾性材は、周囲温度の急激な変化(以下熱衝撃とよぶ)を長期にわたって繰り返しうけることになる。
【0010】
図29は防振体103近傍(組立後)の断面図である。
ネジ105およびナット109を締めてゆくことにより、ワッシャ104とサブシャーシ支持部材101bの距離が近づき、防振体103は中心軸方向(図中X方向)に圧縮されながらサブシャーシ支持部材101bに組み付けられる。防振体103は弾性材で構成されておりネジ105およびナット109の締め具合により中心軸方向の厚みが変わるので、防振体103の厚みが所定の長さになる様測定しながらネジ105およびナット109を締める。
【0011】
ところで、防振体103は弾性材から構成されているため、防振体103がサブシャーシ102の重量を受けると変形し、サブシャーシ102が鉛直下方にわずかに移動してしまう(以下これを沈み込みと呼ぶ)。沈み込みが生じると、サブシャーシ102と周囲の部材(例えば外装部材101aやサブシャーシ支持部材101b)との距離が近づくので、外力を受けてサブシャーシ102が振動するときに周囲の部材と衝突し防振性能が劣化してしまう。このためサブシャーシ102の位置はあらかじめ沈み込みを見込んで鉛直上方に配置しておき、沈み込みを起こしてもサブシャーシ102と周囲の部材が衝突しない様にするのが一般的である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながらディスク装置を水平設置および垂直設置の両設置方向で使用可能とする場合、従来のような構成では、設置方向によって重力方向が異なり沈み込み方向が異なるため、サブシャーシ102の位置をいずれか一方の設置方向で沈み込みをキャンセル可能な位置にとると、他方の設置方向の場合に沈み込みをキャンセル出来ないという課題を有していた。また、両方向に沈み込みを見込んでサブシャーシ102の周囲に大きなスペースを確保することにより、サブシャーシ102と周囲の部材との衝突を回避するという方法もあるが、この場合ディスク装置全体が大型になるという課題を有していた。
【0015】
本発明は上記課題に鑑み、第1の目的として、ディスク装置全体を大きくすることなしに、水平設置及び垂直設置の双方で防振体の沈み込みをキャンセル可能なディスク装置を提供するものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
第1の目的を達成するために本発明の情報記録再生装置の第1の構成は、機器内部の固定部材に固定される情報記録再生装置であって、情報記録再生装置取り付け手段を備えるメインシャーシと、情報記録媒体を駆動させる媒体駆動手段および前記情報記録媒体に設けられた情報記録再生トラックに直交する方向であるトラッキング方向に移動して前記情報記録媒体に対して情報の記録または再生を行う情報記録再生手段を備えるサブシャーシと、ゴムなどの弾性材からなり前記サブシャーシを前記メインシャーシに対して支持する防振体と、前記メインシャーシを前記固定部材に固定する時に、前記固定部材に形成された凸部に当接して前記サブシャーシを重力方向と反対方向に押圧する第1の押圧手段および第2の押圧手段とを備え、前記情報記録媒体の情報記録面に垂直な方向であるフォーカス方向が重力方向と一致する水平設置状態で設置された時には第1の押圧手段のみが前記サブシャーシを重力方向と反対方向に押圧し、前記トラッキング方向及び前記フォーカス方向の双方に垂直な方向であるジッター方向が重力方向と一致する垂直設置状態で設置された時には第2の押圧手段のみが前記サブシャーシを重力方向と反対方向に押圧することを特徴とするものである。
【0019】
この第1の構成によって、水平設置状態で動作しフォーカス方向への沈み込みを防止する第1の押圧手段と、垂直設置状態で動作しジッター方向への沈み込みを防止する第2の押圧手段を備えたので、水平設置状態および垂直設置状態の様に設置方向によって沈み込み方向が異なる場合にも、それぞれ沈み込みをキャンセルすることができるのである。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、機器内部の固定部材に固定される情報記録再生装置であって、情報記録再生装置取り付け手段を備えるメインシャーシと、情報記録媒体を駆動させる媒体駆動手段および前記情報記録媒体に設けられた情報記録再生トラックに直交する方向であるトラッキング方向に移動して前記情報記録媒体に対して情報の記録または再生を行う情報記録再生手段を備えるサブシャーシと、ゴムなどの弾性材からなり前記サブシャーシを前記メインシャーシに対して支持する防振体と、前記メインシャーシを前記固定部材に固定する時に、前記固定部材に形成された凸部に当接して前記サブシャーシを重力方向と反対方向に押圧する第1の押圧手段および第2の押圧手段とを備え、前記情報記録媒体の情報記録面に垂直な方向であるフォーカス方向が重力方向と一致する水平設置状態で設置された時には第1の押圧手段のみが前記サブシャーシを重力方向と反対方向に押圧し、前記トラッキング方向及び前記フォーカス方向の双方に垂直な方向であるジッター方向が重力方向と一致する垂直設置状態で設置された時には第2の押圧手段のみが前記サブシャーシを重力方向と反対方向に押圧することを特徴としたものであり、水平設置状態で動作しフォーカス方向への沈み込みを防止する第1の押圧手段と、垂直設置状態で動作しジッター方向への沈み込みを防止する第2の押圧手段を備えたので、水平設置状態および垂直設置状態の様に設置方向によって沈み込み方向が異なる場合にも、それぞれ沈み込みをキャンセルすることができるという作用を有する。
【0032】
以下、本発明の実施の形態について、図1から図20を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1〜図10は本発明における実施の形態1を示し、図1はディスク装置の平面断面図、図2はディスク装置の側面断面図、図3はディスク装置の正面断面図、図4は押圧手段近傍の分解斜視図、図5は防振体近傍の分解斜視図、図6は防振体単体の断面図、図7は押圧手段の断面図(動作前)、図8は押圧手段の断面図(動作後)、図9は防振体近傍の断面図(組立前)、図10は防振体近傍の断面図(組立後)である。
【0033】
図1〜図3において、1はディスクで、螺旋状または同心円状に情報記録再生トラックが設けられているものである。2はカートリッジで、ディスク1を格納しその情報記録面への傷、ホコリの付着を防止する。3はベゼルで、ディスク装置の一端面に設けられており、ベゼル3に設けられたディスク挿入口(図示せず)から、カートリッジ2が挿入または排出される。ユーザーによって所定量ディスク装置に挿入されたカートリッジ2は、ディスクローディング機構(図示せず)によりディスク装置内にローディングされ、カートリッジ2の中のディスク1は、自動的にディスク駆動手段5の位置まで搬送され固定される。4はメインシャーシで、後述の外装部材9およびサブシャーシ支持部材10から構成される。5はディスク駆動手段で、ディスク1に対して情報の記録および再生を行う際に、ディスク1を所定の回転数で回転させる。6は情報記録再生手段で、ディスク1の半径方向に移動して、ディスク1上に設けられた任意の情報記録再生トラックに対して情報の記録または再生を行う。
【0034】
7はサブシャーシで、ディスク駆動手段5、情報記録再生手段6、ディスクローディング機構等の機構部が備られている。8は防振体で、概円筒形状であり、サブシャーシ7をメインシャーシ4に対して支持し、メインシャーシ4が受ける外部からの不要振動がサブシャーシ7上のディスク駆動手段5および情報記録再生手段6に伝達することを防止する。9は外装部材、10はサブシャーシ支持部材で、あわせてメインシャーシ4を構成している。11a、11b、11cはディスク装置取り付け手段で、コンピュータ内部等に設けられた固定部材12にディスク装置を取り付けるためのネジ穴である。ディスク装置取り付け手段11a、11b、11cの位置は、取り付け上の互換性のため各社で標準的な取り付け位置が定められており、ディスク装置取り付け手段11aは外装部材9の端面9aに4カ所(図2に2カ所のみ図示)、ディスク装置取り付け手段11bは外装部材9の端面9bに2カ所(図1)、ディスク装置取り付け手段11cは外装部材9の端面9b’に2カ所(図1)設けられている。
【0035】
ここで、ディスク1の情報記録面に垂直な方向をフォーカス方向、情報記録再生手段6が移動するディスク1の半径方向をトラッキング方向、フォーカス方向及びトラッキング方向の双方に垂直な方向をジッター方向と呼ぶことにする。
図2に示すように、フォーカス方向が重力方向と一致する水平設置状態では、ディスク装置は、鉛直下方を向く外装部材9の端面である第1のメインシャーシ端面9aにおいて、ディスク装置取り付け手段11aにより固定部材12にネジ止めされている。13aは第1の押圧手段で、第1のメインシャーシ端面9aに4カ所(図示は2カ所のみ)設けられている。
【0036】
図3に示すように、ジッター方向が重力方向と一致する垂直設置状態では、ディスク装置は、鉛直下方を向く外装部材9の端面である第2のメインシャーシ端面9bにおいて、ディスク装置取り付け手段11b(図示せず)により固定部材12にネジ止めされている。13bは第2の押圧手段で、第2のメインシャーシ端面9bに2カ所(図示は1カ所のみ)設けられている。
【0037】
図4は、第1の押圧手段13aおよび第2の押圧手段13bの詳細構造を示す分解斜視図である。以下、第1の押圧手段13aの構成について説明し、第2の押圧手段13bの構成に関しては第1の押圧手段13aの構成に対応する符号をカッコ内に示すのみとする。
14a(14b)は第1の移動部材で、第1のストッパー14c(14d)と第1の固定部材当接部14e(14f)から構成されている。また第1の固定部材当接部14e(14f)は、ネジ部を備えており第1の移動部材14a(14b)から着脱可能に構成されている。15a(15b)は第1の移動部材受け部で、外装部材9に設けられた穴であり、第1の移動部材14a(14b)を外装部材9の端面に垂直な方向に摺動可能な様に、第1の移動部材14a(14b)の姿勢を規制する。16a(16b)は第1の圧縮バネで、一端は第1の移動部材14a(14b)に接着され、他端はサブシャーシ7を図中X+方向に押し上げている。17a(17b)は第1のバネ受けで、第1の圧縮バネ16a(16b)の先端が常にサブシャーシ7の同一点を支持するように、第1の圧縮バネ16a(16b)先端の位置を規制している。9c(9d)は第1の外装部材凹部で、外装部材9に絞り加工等で設けられた凹部であり、第1の移動部材受け部15a(15b)が配置されている。また、ディスク装置をマウント(ネジ止め)する固定部材12には、絞り加工等で設けられた固定部材凸部12aが配置されている。
【0038】
図5は、防振体8近傍の詳細構造を示す分解斜視図である。
18aは防振体固定ネジ、18bは防振体固定ナットで、防振体をサブシャーシ支持部材10(メインシャーシ)に固定するための防振体固定手段である。19はワッシャで、サブシャーシ支持部材10とともに概円筒形状の防振体8を中心軸方向(図中X方向)に圧縮するためのものである。20は与圧部材で、防振体8と同軸に配置されており、その長さは防振体8の中心軸方向(図中X方向)の長さより所定量短く形成されている。
【0039】
図6は、防振体の詳細構造を示す断面図である。21は断熱部材で、発泡ウレタン等の断熱材から構成されており、防振体8の全表面を覆って設けられている。23は弾性部材で、ブチルゴムなどの振動減衰性に優れる防振ゴムである。
以上のように構成された本実施の形態1について、以下その動作を説明する。
図2に示すようにディスク装置を水平設置した場合には、サブシャーシ7を支持する防振体8が変形し、サブシャーシ7は重力方向(フォーカス方向)に沈み込みを生ずる。ここでディスク装置取り付け手段11aで第1のメインシャーシ端面9aに固定部材12を固定(ネジ止め)することにより、第1の押圧手段13aが動作し、サブシャーシ7の沈み込み量をキャンセルすることができる。
【0040】
また図3に示すようにディスク装置を垂直設置した場合には、サブシャーシ7は重力方向(ジッター方向)に沈み込みを生ずる。ここでディスク装置取り付け手段11b(図示せず)で第2のメインシャーシ端面9bに、固定部材12を固定(ネジ止め)することにより、第2の押圧手段13bが動作し、サブシャーシ7の沈み込み量をキャンセルすることができる。
【0041】
以下図7、図8を用いて第1の押圧手段13aの動作を詳細に説明する。ただし第2の押圧手段13bの動作については、第1の押圧手段13aと符号が異なる他は同じなので説明を省略する。
図7は固定部材12を第1のメインシャーシ端面9aにマウント(ネジ止め)する前の(第1の押圧手段13aの動作前の)、第1の押圧手段13aの断面を示している。第1の移動部材14aの一部である第1のストッパー14cは外装部材9と当接しており、第1の移動部材14aは外装部材9からディスク装置外側(図中X−方向)に最も突き出た状態にある。このとき第1の圧縮バネ16aは最も自然長に近い状態でありサブシャーシ7には押圧力をほとんど及ぼさない。
【0042】
図8は固定部材12を第1のメインシャーシ端面9aにマウント(ネジ止め)した後の(第1の押圧手段13aの動作後の)、第1の押圧手段13aの断面を示している。ディスク装置固定ネジ22を第1のディスク装置取り付け手段11aに締め付けることにより、第1のメインシャーシ端面9aと固定部材端面12bが接する状態で固定される。この時、第1の移動部材14aの一部である第1の固定部材当接部14eは、固定部材12と当接して押し上げられ、第1の移動部材14aは第1の移動部材受け部15aにガイドされて図中X−方向に摺動し、第1の圧縮バネ16aを圧縮する。第1の圧縮バネ16aは、サブシャーシ7の重量にほぼ等しい押圧力を発生するまで圧縮され、その後は圧縮長さを維持したまま第1の移動部材14aとともに図中X+方向に移動してサブシャーシ7を押し上げる。ここでサブシャーシ7の押し上げ量は、第1の移動部材14aの移動距離(第1の押圧手段13aの動作前と動作後で第1の移動部材14aが摺動する距離)と第1の圧縮バネ16aのバネ定数とサブシャーシ7の重量から一意に決まる。従って、第1の移動部材14aの移動距離と第1の圧縮バネ16aのバネ定数を調節することにより、サブシャーシ7の沈み込み量をキャンセルできるようにサブシャーシ7の押し上げ量を設定することが可能である。例えば第1の移動部材14aの移動距離を3mm、第1の圧縮バネ16aのバネ定数を75gf/mm、サブシャーシ重量を150gfとすると、第1の圧縮バネ16aの圧縮長さは150/75=2mm、サブシャーシ7の押し上げ量は3−2=1mmに設定できる。
図9は、防振体8をサブシャーシ支持部材10およびサブシャーシ7に取り付ける前の、防振体8の断面図を示している。
【0043】
防振体8は、防振体固定ネジ18a、防振体固定ナット18b、ワッシャ19によってサブシャーシ支持部材10に取り付ける。このとき与圧部材20の中心軸方向の高さは、防振体8より所定量短く構成されている。
図10は、防振体8をサブシャーシ支持部材10およびサブシャーシ7に取り付けた後の防振体8の断面図を示している。
【0044】
防振体固定ネジ18a、防振体固定ナット18bを締め付けて行くことにより、ワッシャ19とサブシャーシ支持部材10の距離が近づき、防振体8は中心軸方向(図中X方向)に圧縮される。与圧部材20がワッシャ19およびサブシャーシ支持部材10と当接するまで防振体固定ネジ18aおよび防振体固定ナット18bを締め付けると、防振体8の厚みは与圧部材20の長さに維持される。このため、防振体8の締め付け量を一定に組み上げることが容易に可能である。
【0045】
また、図6に示すように、防振体8を構成する弾性材の全表面に、断熱部材21を設けたので、防振体8周囲の空気やサブシャーシ7等の温度が急激に変化しても、熱の流入・流出が断熱部材21により妨げられ弾性部材23の温度が緩やかに変化するので、例えば弾性部材23の分子間を結合する架橋部分の破壊による、バネ定数や減衰率等の機械的性質の変化を押さえることができ、長期間使用しても防振特性の劣化を少なく保つことが出来る。
【0046】
以上の様に本実施の形態1によれば、水平設置状態で動作しフォーカス方向への沈み込みを防止する第1の押圧手段13aと、垂直設置状態で動作しジッター方向への沈み込みを防止する第2の押圧手段13bを備えたので、水平設置状態および垂直設置状態で沈み込み方向が異なる場合にも、沈み込みをキャンセルできるディスク装置を提供することが出来る。
【0047】
また本実施の形態1によれば、水平設置状態においては第1のメインシャーシ端面9aに固定された固定部材12によって第1の押圧手段13aを構成する第1の移動部材14aが鉛直上方に持ち上げられ、第1の圧縮バネ16aが圧縮されてサブシャーシ7をフォーカス方向に持ち上げることによりサブシャーシ7の沈み込みをキャンセルし、垂直設置状態においては第2のメインシャーシ端面9bに固定された固定部材12によって第2の押圧手段13bを構成する第2の移動部材14bが鉛直上方に持ち上げられ、第2の圧縮バネ16bが圧縮されてサブシャーシ7をジッター方向に持ち上げることによりサブシャーシ7の沈み込みをキャンセルするが、第1の圧縮バネ16aおよび第2の圧縮バネ16bを構成するステンレス鋼等の材料は環境温度による機械的性質の変化が少なく、押圧力も環境温度による影響を受けにくいので、様々な環境温度下においても常にサブシャーシ7の押し上げ量を等しく維持可能なディスク装置を提供できる。
【0048】
また、水平設置および垂直設置状態での異なる方向への沈み込みをキャンセルする方法として、設置方向を検出するセンサと、センサの出力に従ってサブシャーシをそれぞれ異なる方向に移動する移動手段とを備える構成も考えられる。しかし本実施の形態1によれば、設置方向により固定部材12を固定するメインシャーシの端面を変え、移動部材と圧縮バネを介して固定部材12によってサブシャーシ7を押し上げることにより、設置方向検出のためのセンサを必要としないシンプルかつ安価な構成で、異なる方向への沈み込みをキャンセル可能なディスク装置を提供できる。
【0049】
また本実施の形態1によれば、防振体8の圧縮量を規定する与圧部材20を備えたので、防振体8の圧縮量を常に一定に保つことが容易に可能であり、常に等しい防振性能で、かつ組み立て性の良いディスク装置を提供することが出来る。また本実施の形態1によれば、防振体8を構成する弾性材23の全表面に断熱部材21を設けたので、ディスク装置および防振体8が熱衝撃を受ける環境下で長期間使用しても、防振特性の劣化の少ないディスク装置を提供することが出来る。
【0050】
(実施の形態2)
図11〜図19は本発明における実施の形態2を示し、図11はディスク装置の平面断面図、図12はディスク装置の側面断面図、図13はディスク装置の正面断面図、図14は押圧手段の分解斜視図、図15は防振体単体の分解斜視図、図16は押圧手段の断面図(動作前)、図17は押圧手段の断面図(動作後)、図18は防振体近傍の断面図(組立前)、図19は防振体近傍の断面図(組立後)である。
【0051】
図11〜13は、本実施の形態2のディスク装置であるが、実施の形態1と同様の構成及び動作の部分については説明を省略し、実施の形態1と構成の異なる、第1の押圧手段13a’、第2の押圧手段13b’、防振体8について、以下に詳細に説明する。
図14は、第1の押圧手段13a’の詳細構造を示す分解斜視図である。以下、第1の押圧手段13a’の構成について説明し、第2の押圧手段13b’の構成に関しては第1の押圧手段13a’の構成に対応する符号をカッコ内に示すのみとする。
【0052】
24a(24b)は第1の移動ゴム部材で、円筒形状でゴムや樹脂、コルク等の圧縮繊維、フェルトなどの弾性材から構成されており、第1の移動ゴム部材24a(24b)の端面24c(24d)はサブシャーシ7の第1の移動ゴム接着部7a(7b)に接着され、第1の移動ゴム部材24a(24b)の端面24e(24f)は外装部材9から所定量突き出している。25a(25b)は第1の移動ゴム部材受け穴で、第1の移動ゴム部材24a(24b)が外装部材9の端面に垂直の方向に移動可能なように、外装部材9に設けられた穴である。9c(9d)は第1の外装部材凹部で、外装部材9に絞り加工等で設けられた凹部であり、第1の移動ゴム部材受け穴25a(25b)が配置されている。また、ディスク装置をマウント(ネジ止め)する固定部材12には、絞り加工等で設けられた固定部材凸部12aが配置されている。
【0053】
図15は、防振体8近傍の詳細構造を示す分解斜視図である。
18aは防振体固定ネジ、18bは防振体固定ナットで、防振体8をサブシャーシ支持部材10(メインシャーシ)に固定する防振体固定手段である。19はワッシャで、サブシャーシ支持部材10とともに概円筒形状の防振体8を中心軸方向(図中X方向)に圧縮するためのものである。20は与圧部材で、サブシャーシ支持部材10の一部を折り曲げて一体に形成されており、またその長さは、防振体8の中心軸方向(図中X方向)の長さより所定量短く形成されている。
【0054】
以上のように構成された本実施の形態2について、以下その動作を説明する。ただし第2の押圧手段13b’の動作については、第1の押圧手段13a’と符号が異なる他は同じなので説明を省略する。
図16は固定部材12を第1のメインシャーシ端面9aにマウント(ネジ止め)する前の(第1の押圧手段13a’の動作前の)、第1の押圧手段13a’の断面を示している。第1の移動ゴム部材24aは、ゴムで形成され、端面24cがサブシャーシ7に接着され、端面24eが他の部材と接触のない自由状態であるので、第1の移動ゴム部材24aの図中X−方向の長さは自然長である。第1の移動ゴム部材24aの端面24eは、サブシャーシ支持部材9の端面9aよりディスク装置内側(図中X+方向)になる様配置しており、ディスク装置の第1のメインシャーシ端面9aをこえて第1の移動ゴム部材24aが突出しないように構成している。
【0055】
図17は固定部材12を第1のメインシャーシ端面9aにマウント(ネジ止め)した後の(第1の押圧手段13a’の動作後の)、第1の押圧手段13a’の断面を示している。外装部材9と固定部材12は、ディスク装置固定ネジ22をディスク装置取り付け手段11aに締め付けることにより第1のメインシャーシ端面9aと固定部材端面12bが接する状態で固定される。この時第1の移動ゴム部材24aの端面24eは、固定部材12と当接して図中X+方向に押し上げられ、第1の移動ゴム部材24aはサブシャーシ7と固定部材12に挟まれて圧縮される。第1の移動ゴム部材24aは圧縮による反発力がサブシャーシ7の重量を支持できる大きさになるまで圧縮され、その後はその長さを保ったまま固定部材12とともに図中X+方向に移動し、サブシャーシ7を押し上げる。ここでサブシャーシ7の押し上げ量は、第1の移動ゴム部材24aの移動距離(第1の押圧手段13a’の動作前と動作後で、第1の移動ゴム部材24aの端面24eが移動する距離)と第1の移動ゴム部材24aのバネ定数とサブシャーシ7の重量とから一意に決まる。従って、第1の移動ゴム部材24aの移動距離とバネ定数を調節することにより、サブシャーシ7の沈み込み量をキャンセルできるようにサブシャーシ7の押し上げ量を設定することが可能である。
【0056】
図18は、防振体8をサブシャーシ支持部材10およびサブシャーシ7に取り付ける前の、防振体8の断面図を示している。防振体8は、防振体固定ネジ18a、防振体固定ナット18b、ワッシャ19によってサブシャーシ支持部材10に取り付ける。このとき防振体8の中心軸方向への圧縮量を規制する与圧部材20はサブシャーシ支持部材10と一体に形成しているので、圧縮量規制専用の別部材を組み込む必要がない。
【0057】
図19は、防振体8をサブシャーシ支持部材10およびサブシャーシ7に取り付けた後の防振体8の断面図を示している。
防振体固定ネジ18a、防振体固定ナット18bを締め付けて行くことにより、ワッシャ19とサブシャーシ支持部材10の距離が近づき、防振体8は中心軸方向(図中X方向)に圧縮される。与圧部材20がワッシャ19およびサブシャーシ支持部材10と当接するまで防振体固定ネジ18a、防振体固定ナット18bを締め付けると、防振体8の厚みは与圧部材20の長さに維持される。このため、防振体8の締め付け量を一定に組み上げることが容易に可能である。また、サブシャーシ支持部材10と与圧部材20を一体に構成したので、部品点数の少ないシンプルかつ安価な構成であり、組立性をさらに向上することが出来る。
【0058】
以上の様に本実施の形態2によれば、水平設置状態においては第1のメインシャーシ端面9aに固定された固定部材12によって第1の押圧手段13a’を構成する第1の移動ゴム部材24aが鉛直上方に持ち上げられ、第1の移動ゴム部材24aが圧縮されてサブシャーシ7をフォーカス方向に持ち上げることによりサブシャーシ7の沈み込みをキャンセルし、垂直設置状態においては第2のメインシャーシ端面9bに固定された固定部材12によって第2の押圧手段13b’を構成する第2の移動ゴム部材24bが鉛直上方に持ち上げられ、第2の移動ゴム部材24bが圧縮されてサブシャーシ7をジッター方向に持ち上げることによりサブシャーシ7の沈み込みをキャンセルすることができ、水平設置状態および垂直設置状態で沈み込み方向が異なる場合にも、沈み込みをキャンセルすることができる。
【0059】
また、水平設置および垂直設置状態での異なる方向への沈み込みをキャンセルする方法として、設置方向を検出するセンサと、センサの出力に従ってサブシャーシをそれぞれ異なる方向に移動する手段とを備える構成も考えられる。しかし本実施の形態2によれば、設置方向により固定部材12を固定するメインシャーシの端面を変え、移動ゴム部材を介して固定部材でサブシャーシ押し上げることにより、設置方向検出のセンサを必要としないシンプルかつ安価な構成で、異なる方向への沈み込みをキャンセル可能なディスク装置を提供できる。
【0060】
また本実施の形態2によれば、可動部品が移動ゴム部材のみの、さらにシンプルかつ安価な構成で沈み込みのキャンセルを実現することが出来る。
また本実施の形態2によれば、第1の押圧手段13a’および第2の押圧手段、13b’において、固定部材12に押し上げられてサブシャーシ7を移動させる第1の移動ゴム部材24aおよび第2の移動ゴム部材24bを、振動減衰性を有する弾性材で構成したので、固定部材12からサブシャーシ7に伝わる振動を減衰させ、防振効果を上げることが出来る。
【0061】
また本実施の形態2によれば、防振体8の圧縮量を規定する与圧部材20をメインシャーシ4(サブシャーシ支持部材10)と一体に形成したので、防振体固定手段18(防振体固定ネジ18aおよび防振体固定ナット18b)を汎用性(市販されているネジ部品のまま)を維持したままで、防振体8の圧縮量を常に一定保つことが容易に可能であり、常に等しい防振性能で、かつ部品点数を増すことなしに安価で組み立て性の良いディスク装置を提供することが出来る。さらに、与圧部材20は、防振体8の組立時に防振体8のメインシャーシ4(すなわち、サブシャーシ支持部材10)に対するガイドの役目を果たし、より組み立て性を良くすることができる。
【0062】
また、本実施の形態1および2に示した、水平垂直両方向の押圧手段、与圧部材を備える防振体、断熱部材を備える防振体の3つの発明は、相互に依存しない独立した発明であり、それぞれ単独で用いても効果を有するものである。
また、本実施の形態2では、第1の移動ゴム部材24aおよび第2の移動ゴム部材24bを円筒形状としたが、中心軸方向に垂直な断面形状が4角形等他の形状でもよいのはもちろんである。
【0063】
また、本実施の形態1および2(以下実施の形態2の場合をかっこ内に示す)において、第1の押圧手段13a、13a’がサブシャーシ7の沈み込みをキャンセルするためのサブシャーシ7の押し上げ量は、第1の移動部材14aの移動距離と第1の圧縮バネ16aのバネ定数(第1の移動ゴム部材24aの移動距離とバネ定数)とサブシャーシ7の重量で一意に定まる。例えば第1の移動部材14aの移動距離を3mm、第1の圧縮バネ16aのバネ定数を75gf/mm、サブシャーシ重量を150gfとすると、第1の圧縮バネ16aの圧縮長さは150/75=2mm、サブシャーシ7の押し上げ量は3−2=1mmとなる。
【0064】
ここで第1の移動部材14a(第1の移動ゴム部材24a)の移動距離は、図7(図16)に示す固定部材側の凸部の高さX1と第1のメインシャーシ端面9aおよび第1の固定部材当接部の端面の距離X2を用いて、X1−X2と表せる。よって、X1−X2が同じで有ればX1およびX2を変更しても、第1の移動部材14a(第1の移動ゴム部材24a)の移動距離は変わらずサブシャーシ7の押し上げ量を同じに保つことが出来る。例えば図7においてX1=4mm、X2=1mmで、X1−X2=3mmの移動距離とし、これをX1=0mm、X2=−3mmと変更しても(図20参照)移動距離は変わらず、第1の押圧手段13aは同じ押し上げ量で動作させることが可能である。ただしX2はマイナスなので、移動部材の端面が外装部材の端面から突き出すことになる。図20に示す構成では、固定部材12側はX1=0mmであり凸部を設けないので、固定部材12側の取り付け上の制限が少なくすることが可能である。
【0065】
(実施の形態3)
図21〜図24は本発明における実施の形態3を示し、図21はディスク装置の斜視図、図22は防振体近傍の断面図、図23は防振体単体の断面図、図24は防振体近傍の参考断面図である。また、構成や動作が実施の形態1および2と同様の部分については、説明を省略する。
【0066】
図21において、4はメインシャーシで、板金により形成されている。5はディスク駆動手段で、ディスク(図示せず)に対して情報の記録および再生を行う際に、ディスクを所定の回転数で回転させる。6は情報記録再生手段で、ディスクの半径方向に移動して、ディスク上に設けられた任意の情報記録再生トラックに対して情報の記録または再生を行う。
【0067】
7はサブシャーシで、ディスク駆動手段5、情報記録再生手段6等の機構部が備られている。8は防振体で、概同芯円形状であり、サブシャーシ7をメインシャーシ4に対して支持し、メインシャーシ4が受ける外部からの不要振動がサブシャーシ7上のディスク駆動手段5および情報記録再生手段6に伝達することを防止する。41は防振体カバーで、防振体8がメインシャーシ8から外れたりするのを防止している。
【0068】
ここで、ディスクの情報記録面に垂直な方向をフォーカス方向、情報記録再生手段6が移動するディスクの半径方向をトラッキング方向、フォーカス方向及びトラッキング方向の双方に垂直な方向をジッター方向と呼ぶことにする。
従って、防振体8の中心軸の方向は、トラッキング方向となるように3つ設けられ、防振体カバー41は防振体8がフォーカス方向への外れを防止している。
【0069】
図22は防振体8近傍の詳細構造を示す断面図であり、図23は防振体単体の詳細構造を示す断面図であり、図24は本防振体近傍の特徴を示すための参考断面図である。
防振体8は、図23に示すように、同軸円筒形状であり、突起状の第1の係合部8j、穴8k、メインシャーシ4の穴に係合する溝部8l、傾斜部8mが形成されている。18は防振体固定手段としての防振体固定ネジであり、防振体8をサブシャーシ7に固定する。防振体固定手段18は、図22に示すように、防振体8の第1の係合部8jと係合する凹形状の第2の係合部18jを有し、また防振体8の穴8kと係合する段部18jを有し、さらにサブシャーシ7のネジ穴7sと螺合するネジ部18sを有する。従って、防振体8をサブシャーシ7に固定する場合の動作は、ネジ穴7sにネジ部18sを螺合させていくと、傾斜部8mに案内されて防振体8と防振体固定手段18との同軸度が自動的に調整されて、第1の係合部8jと第2の係合部18jが係合し、穴8kと段部18kが係合して固定される。また、段部18jは、第1の係合部8jを少し圧縮させる長さに設定してあり、実施の形態1および2の与圧部材の働きをしている。
【0070】
ところで、図24に参考図として示したように、防振体8’に第1の係合部がなく、防振体固定手段18’に第2の係合部がないと、輸送時の衝撃等によりサブシャーシ7から軸直角方向(図23のY方向)の衝撃を受けると、図中波線で示したように、防振体8’の穴8k’が防振体固定手段18’の段部18k’より離れて延びたように変形してしまう。その結果、メインシャーシ4とサブシャーシ7との位置関係が変化してしまう。なお、防振体固定手段18’の段部18k’の長さを短くして防振体8’の与圧を強くして取り付けても、さらに大きなY方向の衝撃がくると、同様に延びたように変形して、メインシャーシ4とサブシャーシ7との位置関係が変化してしまう。
【0071】
しかし、本実施の形態3では、防振体8の第1の係合部8jと防振体固定手段18の第2の係合部18jとが係合しているので、輸送時の衝撃等によりサブシャーシ7から軸直角方向(図22のY方向)の衝撃を受けてもメインシャーシ4とサブシャーシ7の位置関係がずれてしますことがないのである。
以上の様に本実施の形態3によれば、防振体8の第1の係合部8jと防振体固定手段18の第2の係合部18jとが係合しているので、輸送時の衝撃等によりサブシャーシ7からどの方向に衝撃を受けてもメインシャーシ4とサブシャーシ7の位置関係がずれることがなく信頼性の高いものとすることができる。
【0072】
なお、本実施の形態1および2ではディスク1はカートリッジ2に格納してディスク装置に着脱可能な光ディスク(光磁気ディスク等)とし、本実施の形態3ではディスクの形態を規定していないが、本発明はいずれもディスクの形態によるものではなく、カートリッジに格納されていない裸のディスク(CD等)としてもよいし、ハードディスク装置のようにディスクがディスク装置内に固定でもよい。またディスクが同軸に複数備えられる場合でもよく、さらにディスク状媒体に限定されず、テープ状やカード状、ドラム状など各種形態を有する精密機器としての情報記録再生装置に適用されることは自明である。
【0073】
また、本実施の形態1および2では防振体固定手段18をメインシャーシ4(サブシャーシ支持部材10)に固定する構成とし、本実施の形態3では防振体固定手段18をサブシャーシ7に固定する構成としたが、それぞれ逆に構成してもよい。
さらに、本実施の形態1および2ではメインシャーシ4として外装部材9とサブシャーシ支持部材10とをネジ止め等により一体的な構成とし、本実施の形態3ではメインシャーシ4としてサブシャーシ7を支持する部材のみを規定しただけであるが、サブシャーシ支持部材と外装部材の関係は一体的なものに限定されるものではなく、例えば、据置型のCDプレーヤに見られるように、裸のディスクを載置可能なトレーがトラッキング方向に平行移動し、メインシャーシをサブシャーシを支持する部材とし、メインシャーシを外装部材に対してフォーカス方向に移動可能に構成してもよい。
【0074】
また水平、垂直方向は本実施形態に限定されず、実施例中のトラッキング方向が垂直になるような市場要請が有れば適用されることは自明であり、2方向以上の設置姿勢を有する情報記録媒体であれば本発明の応用範囲である。
【0075】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、サブシャーシが重力方向に沈み込むことを防止する第1の押圧手段および第2の押圧手段を備え、第1の押圧手段は、水平設置状態においてフォーカス方向への沈み込みを防止し、第2の押圧手段は、垂直設置状態においてジッター方向への沈み込みを防止するので、異なる方向への沈み込みを防止することができ、サブシャーシの周囲に余分なスペースを取ることなく水平設置と垂直設置の両方に設置可能なディスク装置を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1によるディスク装置を示す平面断面図
【図2】同実施の形態1によるディスク装置を示す側面断面図
【図3】同実施の形態1によるディスク装置を示す正面断面図
【図4】同実施の形態1による押圧手段近傍を示す分解斜視図
【図5】同実施の形態1による防振体近傍を示す分解斜視図
【図6】同実施の形態1による防振体単体を示す断面図
【図7】同実施の形態1による押圧手段の動作前を示す断面図
【図8】同実施の形態1による押圧手段の動作後を示す断面図
【図9】同実施の形態1による防振体近傍の組立前を示す断面図
【図10】同実施の形態1による防振体近傍の組立後を示す断面図
【図11】本発明の実施の形態2によるディスク装置を示す平面断面図
【図12】同実施の形態2によるディスク装置を示す側面断面図
【図13】同実施の形態2によるディスク装置を示す正面断面図
【図14】同実施の形態2による押圧手段近傍を示す分解斜視図
【図15】同実施の形態2による防振体近傍を示す分解斜視図
【図16】同実施の形態2による押圧手段の動作前を示す断面図
【図17】同実施の形態2による押圧手段の動作後を示す断面図
【図18】同実施の形態2による防振体近傍の組立前を示す断面図
【図19】同実施の形態2による防振体近傍の組立後を示す断面図
【図20】本発明の実施の形態1による他の構成の押圧手段の動作前を示す断面図
【図21】本発明の実施の形態3によるディスク装置を示す斜視図
【図22】同実施の形態3による防振体近傍を示す断面図
【図23】同実施の形態3による防振体単体を示す断面図
【図24】同実施の形態3の特徴を説明するための防振体近傍を示す参考断面図
【図25】従来のディスク装置を示す平面断面図
【図26】同従来のディスク装置を示す側面断面図
【図27】同従来のディスク装置を示す正面断面図
【図28】同従来のディスク装置の防振体近傍の組立前を示す断面図
【図29】同従来のディスク装置の防振体近傍の組立後を示す断面図
【符号の説明】
1 ディスク
2 カートリッジ
3 ベゼル
4 メインシャーシ
5 ディスク駆動手段
6 情報記録再生手段
7 サブシャーシ
8 防振体
8j 第1の係合部
9 外装部材
9a 第1のメインシャーシ端面
9b 第2のメインシャーシ端面
9c 第1の外装部材凹部
9d 第2の外装部材凹部
10 サブシャーシ支持部材
11a 第1のディスク装置取り付け手段
11b 第2のディスク装置取り付け手段
11c 第3のディスク装置取り付け手段
12 固定部材
12a 固定部材凸部
12b 固定部材端面
13a、13a’ 第1の押圧手段
13b、13b’ 第2の押圧手段
14a 第1の移動部材
14b 第2の移動部材
14c 第1のストッパー
14d 第2のストッパー
14e 第1の固定部材当接部
14f 第2の固定部材当接部
15a 第1の移動部材受け部
15b 第2の移動部材受け部
16a 第1の圧縮バネ
16b 第2の圧縮バネ
17a 第1のバネ受け
17b 第2のバネ受け
18 防振体固定手段
18a 防振体固定ネジ
18b 防振体固定ナット
18j 第2の係合部
19 ワッシャ
20 与圧部材
21 断熱部材
22 ディスク装置固定ネジ
23 弾性部材
24a 第1の移動ゴム部材
24b 第2の移動ゴム部材
25a 第1の移動ゴム部材受け穴
25b 第2の移動ゴム部材受け穴
Claims (3)
- 機器内部の固定部材に固定される情報記録再生装置であって、
情報記録再生装置取り付け手段を備えるメインシャーシと、
情報記録媒体を駆動させる媒体駆動手段および前記情報記録媒体に設けられた情報記録再生トラックに直交する方向であるトラッキング方向に移動して前記情報記録媒体に対して情報の記録または再生を行う情報記録再生手段を備えるサブシャーシと、
ゴムなどの弾性材からなり前記サブシャーシを前記メインシャーシに対して支持する防振体と、
前記メインシャーシを前記固定部材に固定する時に、前記固定部材に形成された凸部に当接して前記サブシャーシを重力方向と反対方向に押圧する第1の押圧手段および第2の押圧手段とを備え、
前記情報記録媒体の情報記録面に垂直な方向であるフォーカス方向が重力方向と一致する水平設置状態で設置された時には第1の押圧手段のみが前記サブシャーシを重力方向と反対方向に押圧し、前記トラッキング方向及び前記フォーカス方向の双方に垂直な方向であるジッター方向が重力方向と一致する垂直設置状態で設置された時には第2の押圧手段のみが前記サブシャーシを重力方向と反対方向に押圧することを特徴とする情報記録再生装置。 - 第1の押圧手段は、水平設置状態で設置されたときに鉛直下方を向く第1のメインシャーシ端面に設けられた第1の移動部材受け部と、前記第1の移動部材受け部から所定量突出し、前記第1のメインシャーシ端面の垂直方向に移動可能に設けた第1の移動部材と、前記第1の移動部材とサブシャーシとの間に設けられた第1の圧縮バネとを備え、第2の押圧手段は、垂直設置状態で設置されたときに鉛直下方を向く第2のメインシャーシ端面に設けられた第2の移動部材受け部と、前記第2の移動部材受け部から所定量突出し、前記第2のメインシャーシ端面の垂直方向に移動可能に設けた第2の移動部材と、前記第2の移動部材と前記サブシャーシとの間に設けられた第2の圧縮バネとを備え、水平設置状態で設置された時には前記第1のメインシャーシ端面に設けられた第1の情報記録再生装置取り付け手段によって固定部材が前記第1のメインシャーシ端面に固定され、垂直設置状態で設置された時には前記第2のメインシャーシ端面に設けられた第2の情報記録再生装置取り付け手段によって前記固定部材が前記第2のメインシャーシ端面に固定されることを特徴とする請求項1記載の情報記録再生装置。
- 第1の押圧手段は、水平設置状態で設置されたときに鉛直下方を向く第1のメインシャーシ端面に設けられた第1の移動弾性部材受け穴と、ゴムなどの弾性材からなり、一端は前記第1の移動ゴム部材受け穴から所定量突出し、他端は前記第1のメインシャーシ端面とサブシャーシの間に配置された第1の移動弾性部材とを備え、第2の押圧手段は、垂直設置状態で設置されたときに鉛直下方を向く第2のメインシャーシ端面に設けられた第2の移動弾性部材受け穴と、ゴムなどの弾性材からなり、一端は前記第2の移動ゴム部材受け穴から所定量突出し、他端は前記第2のメインシャーシ端面と前記サブシャーシの間に配置された第2の移動弾性部材とを備え、水平設置状態で設置された時には前記第1のメインシャーシ端面に設けられた第1の情報記録再生装置取り付け手段によって固定部材が前記第1のメインシャーシ端面に固定され、垂直設置状態で設置された時には前記第2のメインシャーシ端面に設けられた第2の情報記録再生装置取り付け手段によって前記固定部材が前記第2のメインシャーシ端面に固定されることを特徴とする請求項1記載の情報記録再生装置。
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