JP3683183B2 - 絶縁膜の評価方法及び評価装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体基板上に設けられる絶縁膜,特に極薄のゲート絶縁膜の特性を評価するための方法及び評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路装置における高集積化が大きく進展してきており、MIS型半導体装置においては、高集積化に対応するためのトランジスタ等の素子の微細化,高性能化が図られている。そして、トランジスタ等の素子の微細化,高性能化に伴って、信頼性の高いMIS構造(Metal Insulator Semiconductor )の実現が必要となってきた。MIS構造の信頼性向上のためには、MIS構造の構成要素であるゲート電極(Metal),ゲート絶縁膜(Insulator),半導体基板(Semicondutotor )というMIS構造を構成する各部が高い信頼性を有することが必要である。
【0003】
ここで、MIS構造を構成する要素の1つであるゲート絶縁膜に関しては、トランジスタの微細化と高速動作,低電圧化とに対応すべく、その薄膜化が急速に進み、21世紀には2nm以下の非常に薄い絶縁膜が実用化されることが予想されている。そして、ゲート絶縁膜の特性がMISトランジスタの特性,さらには半導体集積回路装置の電気特性を決定するといわれるほど、良好なゲート絶縁膜の実現が重要視されている。
【0004】
従来、ゲート絶縁膜を構成する材料として二酸化シリコン(SiO2 )が用いられているが、将来的にはゲート酸化膜つまりSiO2 膜のTDDB(Time Dependent Dielectric Breakdown )信頼性の限界がもはやLSIデバイスの信頼性を阻害する要因の1つとなってくることが予想されている。また、ゲート酸化膜が薄膜化されて厚みが2nm以下になると、キャリアがゲート酸化膜を直接トンネリングすることによって生じるトンネル電流,つまりゲートリーク電流がさらに増大することが問題となってくる。特に、システムLSIでは、このようなリーク電流の増大がLSIデバイスの消費電力の大幅な増大を招くため、消費電力という観点からもゲート絶縁膜を構成する材料として、SiO2 に代わる新しい材料も多く提案されている(参考文献 1999−ITRSロードマップ)。 このように、ゲート酸化膜におけるリーク電流の増大は、ゲート絶縁膜および新材料の開発、さらに生産現場での品質管理に大きな変革を要求することにもなってきている。
【0005】
ここで、ゲート絶縁膜の信頼性を調べるための試験として、従来より、加速環境下でのいわゆるTDDB試験が行われている。加速環境下でのTDDB試験とは、印加電圧を使用電圧よりも大きく設定し、温度を上げて、電流−電圧特性(I−V特性)を調べ、電流が急激に増大してときに絶縁膜が破壊したと判断することで、絶縁破壊までの寿命を測定する方法である。このとき、TDDB試験においては、I−V特性を調べ、リーク電流量をモニターしながら、リーク電流値の急激な変化が観測されるまでの時間を寿命とするのが一般的である。この際、ゲート絶縁膜中の欠陥密度という観点から、大面積のキャパシタであるMIS構造を用いた測定が通常行われてきた。
【0006】
また、インラインでの評価には、MIS構造のうちのゲート電極の形成工程を省くために、ゲート絶縁膜が形成された状態でゲート絶縁膜上にゲート電極として機能する水銀端子を押し当てて、I−V特性などを評価するHgプローバーと呼ばれる試験も広く使用されている(例えば、特開平06−140478号公報)。これは、主として絶縁膜材料の開発、絶縁膜の製造工程における管理、絶縁膜の信頼性試験等のために行なわれるものである。
【0007】
以上の各種試験におけるゲート絶縁膜の破壊は、一般的には、リーク電流の急激な増加により判定されている。その際、TDDB試験においては、電流値の検出感度を確保するために、ゲート面積が0.01mm2 以上のMIS構造(MISキャパシタでもある)が広く用いられている。また、Hgプローバーによる評価方法においても、水銀端子の構造上、水銀端子とゲート絶縁膜との接触面積が0.01mm2 以上の大面積となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、最近のゲート絶縁膜の薄膜化に伴ってリーク電流がさらに増大すると、上述のようなI−V特性を観察することによってゲート絶縁膜の膜質評価を行う試験において、ゲート絶縁膜の破壊時を判定するのが困難となる不具合が生じるおそれがある。さらに、従来とは異なった2nmレベルの薄膜においける、擬似破壊と呼ばれる現象も、破壊判定を困難なものにしている。以下、その不具合が生じる原因について、TDDB試験を例にとって説明する。
【0009】
図1は、p型シリコン基板上に設けられた厚さ1.5nmの熱酸化膜(SiO2 膜)のI−V特性をゲート面積をパラメータとして示す図である。同図において、横軸はゲート電圧(V)を表し、縦軸はゲートリーク電流(A)の絶対値を表している。同図に示すように、ゲート面積が3μm2 ,30μm2 ,300μm2 と大きくなるほど、ゲートリーク電流値が増大することがわかる。ただし、ゲートリーク値をゲート面積で除したリーク電流密度を比較すると、いずれのリーク電流密度もほぼ同じ値になることがわかる。また、図1には、厚みが1.5nm,2.5nmのゲート絶縁膜における絶縁破壊後のI−V特性も併せて示している。ここで、絶縁破壊後の特性は、ゲート絶縁膜の厚みが2.5nm,1.5nmのいずれであっても、膜厚の相違には関係なくほぼ一致することがわかる。これは、絶縁破壊がゲート絶縁膜中のある局所的なリークスポットで発生していることに起因すると考えられる。
【0010】
ところが、同図に示すように、ゲート面積が3μm2 ,30μm2 ,300μm2 と大きくなるほど、破壊時を判定するためのゲートリーク電流が急激に増大するタイミングT(破壊時)が不明確になってくる。つまり、ゲート絶縁膜の厚みが大きいときには同図中の破線に示すように、急激にゲートリーク電流が増大するタイミングが明確に現れるが、ゲート絶縁膜の薄膜化とともに、ゲート面積が大きいMIS構造のI−V特性においては、初期のI−V特性線と破壊後のI−V特性線との差が小さくなることから、ゲート絶縁膜の破壊時Tを把握することが困難になるのである。
【0011】
図2は、ゲート絶縁膜の破壊時を検出できなくなるゲート面積の限界値を求めるために、ゲート面積とゲートリーク電流との関係をゲート電圧をパラメータとして示す図である。同図において、横軸はゲート面積(μm2 )を表し、縦軸はゲートリーク電流(A)を表している。同図には、ゲート絶縁膜の厚みが1.5nm,2.5nmである場合を例として示している。図1のI−V特性においては、ゲート電圧Vgとゲート面積Sgとが定まるとゲートリーク電流Igは一意的に定まる。つまり、図2は、図1におけるあるゲート電圧Vgにおけるゲートリーク電流Igの値をプロットしたものに相当する。
【0012】
ここで、ゲートリーク電流をIgとし、ゲート電流密度をDgとし、ゲート面積をSgとすると、下記の関係式
Ig=Dg×Sg
があることから、上式の両辺の対数を求めると、下記式
log Ig=log Dg+log Sg
が成立する。すなわち、図2に示す座標系においては、ゲートリーク電流Igはゲート面積Sgに対して必ず傾き1の直線になるので、図1からあるゲート面積Sgを有するゲート絶縁膜においてあるゲート電圧Vgを印加したときのゲートリーク電流Igがわかると、そのゲート面積Sg及びゲートリーク電流Igで定まる座標上の1点から傾き1の直線を作成することにより、ある膜厚を有するゲート絶縁膜のIg−Sg特性線が定まる。一方、ゲート絶縁膜の破壊後におけるゲートリーク電流Igは、ゲート面積Sgに関係なくゲート電圧Vgによって定まる一定値であるため、破壊後におけるIg−Sg特性線は横軸に平行な直線であらわされる。なお、図2に示す破棄前におけるIg−Sg特性線のうち破壊後におけるIg−Sg特性線との交点よりも上方の部分は、当該交点よりも下方の部分をそのまま延長したものであって、実際には存在しない。
【0013】
そして、破壊前におけるIg−Sg直線と破壊後におけるIg−Sg特性線との交点では、ゲート絶縁膜の破壊前におけるゲートリーク電流Igと破壊後におけるゲートリーク電流Igとが一致することを意味する。つまり、この交点におけるゲート面積Sgを有するゲート絶縁膜については、図1に示すゲート絶縁膜のI−V特性において、破壊前におけるI−V特性線と破壊後におけるI−V特性線とが互いに一致するので、ゲートリーク電流Igが急激に変化する時点がほとんど現れず、破壊時が検出できないことになる。
【0014】
言い換えると、あるゲート電圧Vgが印加され、ある厚みを有するゲート絶縁膜については、図2に示す破壊前のIg−Dg特性線と破壊後のIg−Sg特性線との交点におけるゲートリーク電流Igよりもあるマージンだけ小さいゲートリーク電流Igを生じるゲート面積Sgでなければ、ゲート絶縁膜の破壊時を検出することが困難である。例えば、ゲート絶縁膜の厚みが1.5nmで、使用されるゲート電圧Vgが−3Vとすると、確実にゲート絶縁膜の破壊時を検出するためには、図2に示す厚み1.5nmの破壊前のIg−Sg特性線と破壊後のIg−Sg特性線との交点(ゲート面積が約1000μm2 に相当する点)よりもあるマージンだけ小さいゲートリーク電流Igを生じるゲート面積,例えば200μm2 以下のゲート面積で測定する必要があることになる。
【0015】
以上のような不具合は、Hgプローバーによる評価の際にも共通に生じる現象であり、MIS構造のゲート電極として機能する水銀端子の横方向断面積は、その構造上1.5nmレベルのゲート絶縁膜の評価に適した大きさまで縮小することは困難である。
【0016】
本発明の主たる目的は、絶縁膜の特性や厚みを評価するための測定端子をMIS構造のゲート電極として機能させて、ゲート絶縁膜等の絶縁膜が薄膜化されても絶縁膜の破壊時を確実に検出しうる絶縁膜の評価方法又は評価装置を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明の絶縁膜の評価方法は、基板内の導体層の上に設けられた絶縁膜の特性又は寸法を評価する方法であって、複数の導体バンプと該導体バンプに接続される配線とを有する測定用部材を、上記導体バンプと上記絶縁膜とを相対向させて上記基板の上に設置するステップ(a)と、上記導体バンプと上記絶縁膜とを接触させた後ある押圧力で相対的に押し付けるステップ(b)と、上記導体バンプと上記導体層との間に電気的ストレスを印加することにより、上記絶縁膜の特性又は寸法を評価するステップ(c)とを含んでいる。
【0018】
この方法により、測定用部材の導体バンプがある押圧力で絶縁膜に押し付けられると、導体バンプと絶縁膜との接触面積がほぼ一定になる。そして、導体バンプを用いるので、Hgプローバーや、大面積のMISキャパシタを用いて行なわれる従来のTDDB試験とは異なり、導体バンプと絶縁膜との接触面積を容易に200μm2 程度以下の小面積にすることができる。その結果、例えば1.5nm程度に極薄化されたゲート絶縁膜のゲートリーク電流(I−V特性)などの評価を高い精度で行なうことができる。
【0019】
上記ステップ(c)では、上記絶縁膜のリーク特性,上記絶縁膜の上記電気的ストレス下における信頼性,上記絶縁膜の電流−電圧特性,上記絶縁膜の誘電率,上記絶縁膜の厚みなどを評価することができる。
【0020】
上記ステップ(b)では、上記基板と上記測定用部材との間の空間の圧力を減圧することにより、上記導体バンプと上記絶縁膜とを相対的に押し付けることができ、この方法により、多数の導体バンプを用いる場合にも、基板全体において各導体バンプにほぼ均一な押圧力を印加することが可能になる。
【0021】
上記ステップ(b)では、上記導体バンプと上記絶縁膜との接触面積が所定範囲に収まるように上記導体バンプと絶縁膜との押圧力を制御することにより、より正確な評価を行うことができる。この押圧力の制御は、上記測定用部材と上記基板との相対的な距離によって制御することもできる。
【0022】
上記ステップ(c)では、上記基板又は測定部材のうち少なくともいずれか一方を加熱しながら評価を行なうことにより、導体バンプの変形による接触面積を適正な値に調整したり、絶縁膜の特性についての加速試験を行うことなどが可能になる。
【0023】
上記ステップ(a)の前に、上記導電体バンプと上記絶縁膜との間の上記接触面積を所定範囲内にするための押圧力の校正を行なうステップをさらに含むことにより、評価の信頼度がより高くなる。
【0024】
上記押圧力の校正を、第2の導体層の上に第2の絶縁膜を有する第2の基板を用い、上記第2の絶縁膜上に上記測定部材の導体バンプを接触させたり、上記第2の絶縁膜の特性,例えばリーク電流を評価することにより行なうことができる。
【0025】
上記ステップ(c)の後で、上記導体バンプと上記絶縁膜とを非接触状態にした後、上記測定用部材と上記基板とを相対的に移動させるステップ(e)をさらに含み、上記ステップ(e)から上記ステップ(d)までの操作を複数回繰り返すことにより、導体バンプの数を少なくして寸法のばらつきを抑制しつつ、多数の個所での評価を行うことで、評価精度の向上を図ることができる。
【0026】
上記ステップ(a)の前に、上記各導体バンプの大きさを個別に格納したデータベースを用意するステップ(f)をさらに含み、上記ステップ(c)では、上記データベースから各導体バンプの大きさのデータを取りだし、上記各導体バンプの個々の大きさに基づいて上記絶縁膜の特性又は寸法を評価することにより、評価精度の向上を図ることができる。
【0027】
上記ステップ(a)の前に、上記各導体バンプの大きさのデータから上記ステップ(b)における各導体バンプの変形を予測して、各導体バンプの変形による導体バンプ−絶縁膜間の接触面積を個別に格納したデータベースを用意するステップ(g)をさらに含み、上記ステップ(c)では、上記データベースから各導体バンプの絶縁膜との間における接触面積のデータを取りだし、上記各導体バンプの接触面積に基づいて上記絶縁膜の特性又は寸法を評価することにより、評価精度の向上を図ることができる。
【0028】
上記ステップ(g)では、上記測定用部材と上記基板との間に上記複数の導体バンプの少なくとも一部が塑性変形するように押圧力を加えた後、押圧力を除去してから上記各導体バンプの塑性変形後の上面の面積を測定し、この面積から上記ステップ(b)における各導体バンプの変形を予測することが好ましい。
【0029】
本発明の第1の絶縁膜の評価装置は、 基板内の導体層の上に設けられた絶縁膜の特性又は寸法を評価するための絶縁膜の評価装置であって、少なくとも1つの導体バンプとこれに接続される配線とを有する測定用部材と、上記導体バンプと上記絶縁膜との相対的な押圧力を所定範囲内に調整するための押圧力調整手段とを備え、上記絶縁膜の評価を行う時は、上記導体バンプと上記絶縁膜とが接触している
【0030】
これにより、基板の一部の上の絶縁膜についてのみ評価を行うことができるので、導体バンプと絶縁膜との接触面積を均一に制御することが容易となり、高い評価精度が得られる。
【0031】
上記基板又は測定用部材を横方向に移動させるための移動手段をさらに備えていることにより、導体バンプと絶縁膜との接触面積の均一化を図りつつ、基板全体の絶縁膜について、特性や厚みを評価することが可能になる。
【0032】
上記基板又は測定用部材を相対的に回転させるための移動手段をさらに備えていることにより、導体バンプの数を少なくして導体バンプの大きさのばらつきを小さくしつつ、評価箇所を多く確保することで評価精度の向上を図ることができる。
【0033】
上記押圧力調整手段に、上記基板と上記測定用部材との間の空間の圧力を減圧する機構を設けることにより、各導体バンプと絶縁膜との相対的な押圧力を基板全体で均一化することが容易となる。
【0034】
上記導体バンプは、上記絶縁膜よりも硬さが小さい材料により構成されていることが好ましい、
上記導体バンプの寸法は、上記押圧力による上記導体バンプと上記絶縁膜との接触面積が所定値範囲内に収まるように設定されていることが好ましい。
【0035】
上記各導体バンプの寸法を個別に記憶する記憶部と、上記絶縁膜の特性又は寸法を上記各導体バンプの寸法に基づいて演算処理する演算部とをさらに備えることにより、絶縁膜の評価装置の評価精度の向上を図ることができる。
【0036】
本発明の第2の絶縁膜の評価装置は、基板内の導体層の上に設けられた絶縁膜の特性を評価するための絶縁膜の評価装置であって、少なくとも1つの導体バンプとこれに接続される配線と特性の評価に用いないダミーバンプとを有する測定用部材と、上記導体バンプと上記絶縁膜との相対的な押圧力を所定範囲内に調整するための押圧力調整手段とを備え、上記絶縁膜の評価を行う時は、上記導体バンプと上記絶縁膜とが接触している
【0037】
これにより、測定用部材に加えられる押圧力が導体バンプとダミーバンプとによって受けられるので、1つの導体バンプに加わる押圧力の変動やばらつきを抑制することができる。
【0038】
本発明の第3の絶縁膜の評価装置は、半導体基板上に設けられた絶縁膜の特性を評価するための絶縁膜の評価装置であって、基端で固定され、先端部の下面に少なくとも1つの導体バンプを搭載した少なくとも1つのカンチレバーと、上記導体バンプに接続される配線とを有する測定用部材と、上記カンチレバーの変位量により、上記導体バンプと上記絶縁膜との相対的な押圧力を所定範囲内に調整するための押圧力調整手段とを備え、上記絶縁膜の評価を行う時は、上記導体バンプと上記絶縁膜とが接触している
【0039】
これにより、バンプ支持部材と基板との縦方向の相対的な位置関係を制御することが可能になるので、導体バンプと絶縁膜との接触面積を規定する相対的な押圧力を適正に調整することが可能になる。
【0040】
本発明の第4の絶縁膜の評価装置は、基板内の導体層の上に設けられた絶縁膜の特性を評価するための絶縁膜の評価装置であって、少なくとも1つの導体バンプと上記導体バンプに接続される配線とを有する測定用部材と、基端で回動自在に支持された棹状部材と、上記棹状部材先端の上記絶縁膜表面に沿った移動量を検出する移動量検出手段と、上記移動量検出手段の検出値に応じて、上記導体バンプと上記絶縁膜との押圧力を所定範囲内に調整するための押圧力調整手段とを備え、上記絶縁膜の評価を行う時は、上記導体バンプと上記絶縁膜とが接触している
【0041】
これにより、バンプ支持部材と基板との縦方向の相対的な位置関係を制御することが可能になるので、導体バンプと絶縁膜との接触面積を規定する相対的な押圧力を適正に調整することが可能になる。
【0042】
上記移動量検出手段を、上記棹状部材の先端の移動量を光学的に検出するように構成することにより、簡素な構造によって押圧力の制御精度を高く維持することができる。
【0043】
本発明の第5の絶縁膜の評価装置は、半導体基板の上に設けられた絶縁膜の特性を評価するための絶縁膜の評価装置であって、なくとも1つの導体バンプと上記導体バンプに接続される配線とを有する測定用部材と、上記導体バンプと上記絶縁膜との相対的な押圧力を所定範囲内に調整するための押圧力調整手段と、上記半導体基板の裏面上の絶縁膜を破壊して半導体基板の裏面に接するように構成された導体突起部を備えた基板ステージとを備え、上記絶縁膜の評価を行う時は、上記導体バンプと上記絶縁膜とが接触している
【0044】
これにより、絶縁膜の評価を行う際に印加される押圧力によって、導体突起部が半導体基板の裏面の絶縁膜を破壊して半導体基板の裏面に接触するので、別途手間を要することなく、電気信号伝達用の基板コンタクトを確実に得ることができる。
【0045】
上記導体突起部は、レニウム,ロジウム,ニッケル,タングステン及びタンタルのうち少なくともいずれか1つを含む材料により構成されていることが好ましい。
【0046】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態における絶縁膜の評価方法及び評価装置について説明する。図3は本実施形態の絶縁膜の評価装置の構成及び絶縁膜の評価方法を示す断面図である。
【0047】
図3に示すように、基板全体が導体層として機能するようにp型不純物がドープされたシリコン基板4の上に設けられたシリコン酸化膜(熱酸化膜)からなるゲート絶縁膜3が被測定物であり、シリコン基板8はウエハステージ8の上に載置されている。そして、シリコン基板4の上方に、測定用部材であるバンプ支持部材1を設置する。バンプ支持部材1の下面にはその下面よりも下方に突出する導体バンプである多くの導体バンプ2が設けられており、バンプ支持部材1には各導体バンプ2に接続され、各導体バンプ2と外部に配置される測定装置とを電気的に接続するための配線6が形成されている。ゲート絶縁膜3の厚みは、予めエリプソメ−タによって測定されており、例えば2.4nmであるとする。導体バンプ2は、ゲート絶縁膜を構成する材料よりも硬度の小さい金属,例えばAuを核となるNi粒にメッキするなどの方法によって形成されている。
【0048】
そして、ゲート絶縁膜3の評価を行うときには、バンプ支持部材1を下降させて、導体バンプ2とゲート絶縁膜3とを接触させ、加圧機構5により、導体バンプ2をゲート絶縁膜3にある押圧力Pで押しつける。このとき、導体バンプ2の寸法及び数と押圧力とが定まると、後述するように、理想的にはヘルツの公式から導体バンプ2とゲート絶縁膜3との接触面積Sgが求まる。ここで、各導体バンプ2とゲート絶縁膜3との相対的な押圧力Pを、各導体バンプ2の変形が弾性限をあまり大きく越えない範囲で、導体バンプ2とゲート絶縁膜3との接触面積Sgが所定内に収まるように加圧機構5によって調整する。その結果、導体バンプ2とシリコン基板4との間にゲート絶縁膜3を挟んでなるMIS構造が構成されることになる。なお、図3には図示しないが、加圧機構5として、ゲート絶縁膜3とバンプ支持部材1との間隙を一定にするように加圧力を調整する機構(例えば回転するねじによってバンプ支持部材1を上下させる機構)が設けられている。
【0049】
そして、この状態でTDDB試験やHgプローバー試験と同様の試験を行うことにより、ゲート絶縁膜3の特性の評価を行なうことができる。
【0050】
次に、本実施形態におけるMIS構造のゲート面積Sgに相当する導体バンプ2とゲート絶縁膜3との間の近似的な接触面積の算出方法について説明する。
【0051】
図26に示すように、曲率半径がR1,R2の2つの球体A,Bが垂直力(押圧力)Pによって互いに押圧されている場合を想定する。2つの球体A,Bの曲率半径をそれぞれR1,R2とし、各球体の弾性率をそれぞれE1,E2として、ポアソン比をいずれもν(=0.3)とする。この場合、ヘルツの公式によると、両者の接触面積の半径aは、下記式(1)
a= 3√[(3P/4)・[(1-ν2)/E1+(1-ν2)/E2]/(1/R1+1/R2)] (1)
により表される。
【0052】
本実施形態においては、導体バンプ2の曲率半径をR1とすると、ゲート絶縁膜3は平面状の膜であることから曲率半径R2は無限大となる。したがって、上記式(1)は、下記式(2)
a= 3√[(3P/4)・R1・[(1-ν2)/E1+(1-ν2)/E2]] (2)
のごとく単純化される。
【0053】
したがって、導体バンプ2とゲート絶縁膜3との材質が決まれば、材料に固有の特性である弾性率E1,E2が定まり、ポアソン比νは一般に0.3であることから、垂直力Pつまり押圧力が定まれば、ゲート面積Sgに相当する接触面積πa2 も定まることになる。ただし、実際には、後述するように、面積が既知のMISキャパシタにおけるI−V特性との比較や、特定のゲート電圧に対するゲートリーク電流に基づいて、接触面積の適,不適を判断することができる。特に、導体バンプ2の形状(先端の曲率半径)が必ずしも一定でない場合には、このような校正を行なうことが簡易かつ実用的な方法である。
【0054】
また、図26に示す接近量δは、下記式(3)
δ= 3√[(9P2/16)・[(1-ν2)/E1+(1-ν2)/E2]2・(1/R1+1/R2)] (3)
により求められる。上記式(3)は、バンプの変形が弾性変形であることを前提としているが、バンプの塑性変形が多少生じても、近似的にはこの式を用いることができる。また、有限要素法を用いた周知の方法により、荷重とバンプの変形との関係を求めることもできる。
【0055】
そして、上述のようなMIS構造を利用して、導体バンプ2及びゲート絶縁膜3の間に押圧力を加え、ある接触面積Sg下におけるI−V特性を測定することにより、TDDB試験や、Hgプローバー試験を行なうことができる。その場合、導体バンプ−ゲート絶縁膜間の接触面積Sgが図2に示す好ましい範囲,例えば100μm2 以下に収まるように、導体バンプ2の先端の曲率半径と押圧力とを設定するのは容易であり、1.5nm程度の厚みを有するゲート絶縁膜3についても、I−V特性線を測定しつつゲートリーク電流Igの急激な変化が生じるタイミングを確実に検知することができる。
【0056】
よって、本実施形態の評価方法又は評価装置により、薄膜化されたゲート絶縁膜について、その特性をウエハーレベルで高い精度で評価することができる。特に、TDDB試験に用いた場合には、I−V特性におけるゲートリーク電流Igが急激に増大するタイミング,つまりゲート絶縁膜が破壊する時点を確実に検出できるので、ウエハーレベルでゲート絶縁膜の寿命を正確に推定することが可能となる。
【0057】
図4は、本実施形態の別例である絶縁膜の評価装置の構成を示す断面図である。この別例の評価装置は、バンプ支持部材1に導体バンプ2,配線6,加圧機構5を有している点では、図3に示す構造と基本的に同じであるが、さらに、シリコン基板4とバンプ支持部材1との間の空間の圧力を減圧するための減圧機構を有している点で第1の実施形態の評価装置とは異なる。なお、この場合加圧機構5を省略することも可能である。
【0058】
図4において、シリコン基板4を載置するためのウエハステージ8とバンプ支持部材1との間には、シリコン基板4とバンプ支持部材1との間の空間を外部空間から遮断するためのO−リング7が介在しており、ウエハステージ8の数カ所(図4には1カ所のみ図示)に設けられた配管9は真空ポンプ(図示せず)につながっている。この真空ポンプによる減圧度に応じてバンプ支持部材1の押圧力が定まるので、減圧度によって導体バンプ2とゲート絶縁膜3との接触部における両者の接触面積を所望範囲に調整することができる。
【0059】
なお、この場合には、ゲート絶縁膜3とバンプ支持部材1とによって挟まれる空間のコンダクタンスが大きいことから、真空引きのための配管9を数カ所に設けることにより、各導体バンプ−ゲート絶縁膜間の接触面積を均一にすることができる利点がある。
【0060】
図5は、本実施形態(別例)における評価装置を用いて、導体バンプ2とシリコン基板4との間に0から徐々に増大する電圧(ゲート電圧Vg)を印加して、ゲートリーク電流Igを測定した結果得られたI−V特性を示す図である。同図において、横軸はゲート電圧Vgを表し、縦軸はゲート電流(ゲートリーク電流Igを表している。同図中の実線で示す曲線が本実施形態において得られた実測データである。同図に示すように、ゲート絶縁膜3の破壊を示すゲートリーク電流Igの急激な変化が認められており、この方法が有効であることがわかる。なお、図3に示す評価装置においても、加圧機構が別例と異なるだけで、導体バンプ2とシリコン基板4との間にゲート絶縁膜3を挟んでMIS構造を構成している点では、別例と異なるわけではない。したがって、図3に示す評価方法,評価装置によっても、図5と同様のI−V特性線が得られることは明らかである。
【0061】
また、同図中の破線で示す曲線は、MISキャパシタを形成して、MISキャパシタ間の素子分離を行なってキャパシタ面積を200μm2 としたもののI−V特性線を示す。同図に示すように、本実施形態(別例)によって測定したI−V特性線と面積200μm2 のキャパシタのI−V特性線とが一致することから、導体バンプ2とゲート絶縁膜3との接触面積は200μm2 であることがわかる。つまり、導体バンプ2とゲート絶縁膜3との接触面積を求めるのが困難である場合には、別途、何段階かの面積を有するMISキャパシタを形成しておいて、各MISキャパシタについてのI−V特性を調べておくのである。そして、被測定対象である導体バンプ2とゲート絶縁膜3とについて得られたI−V特性線がどのMISキャパシタのI−V特性線ともっともよく一致するかを調べることで、当該導体バンプ−ゲート絶縁膜間の接触面積を校正することができる。
【0062】
次に、図6は、厚みが1.5nmのゲート絶縁膜3について、本実施形態による方法で得られたI−V特性と、従来のHgプローバー法によって得られたI−V特性線とを比較する図である。従来のHgプローバー法によるI−V特性線では、この程度の極薄のゲート絶縁膜になると、ゲートリーク電流Igの急激な変化がわからず、ゲート絶縁膜の破壊する時点が不明である。つまり、上述のように、Hgプローバー法における水銀端子の横方向断面積は0.01mm2 (10000μm2 )程度であるために、ゲート絶縁膜が破壊する前のゲートリーク電流Igが大きくゲート絶縁膜が破壊する前にゲート絶縁膜の破壊後におけるゲートリーク電流Igの値に達する(図6中のタイミングT’)ことから、I−V特性線中にゲートリーク電流の急激な変化が現れない。それに対し、本実施形態の評価方法により、I−V特性線中に、ゲート絶縁膜の破壊時を示す明確なゲートリーク電流Igの変化(タイミングT)が現れており、1.5nm程度の小さい厚みを有するゲート絶縁膜の特性を、ウエハーレベルで確実に評価することができることがわかる。
【0063】
(第2の実施形態)
次に、図7は、第2の実施形態における絶縁膜の評価装置の構成を示す断面図である。
【0064】
本実施形態では、評価装置の基本的な構成は、図3に示す第1の実施形態と同じであるが、バンプ支持部材11がシリコン基板4(ウエハ)よりも小さく、シリコン基板4の一部のゲート絶縁膜3にバンプ支持部材11を接触させて、I−V特性などを評価した後、移動可能なウエハステージ18によってシリコン基板4を横方向に移動させて、シリコン基板4の別の場所におけるI−V特性を評価するようになっている。また、バンプ支持部材11とゲート絶縁膜3との間にO−リング17が介在しており、バンプ支持部材11に取り付けられた真空引き用配管及び真空ポンプ(いずれも図示せず)により、バンプ支持部材11とゲート絶縁膜3との間の空間を減圧するように構成されている。図7に示すその他の部材については、図3に示す評価装置の各部材と同じ符号を付すことにより、説明を省略する。ただし、本実施形態の校正を示す図7には、上記第1の実施形態の校正を示す図3,図4と同様に、3つの導体バンプ2が例示されているが、本実施形態においては、図3,図4に示す第1の実施形態よりも少ない導体バンプ2しか設けられていないのが一般的である。
【0065】
本実施形態によると、ウエハステージ18が横方向に可動であり、また、導体バンプ2が配列されたバンプ支持部材11がシリコン基板4よりも小さくコンパクトであるので、各導体バンプ2に安定かつ均等な押圧力を印加しつつ、シリコン基板4の全体のゲート絶縁膜3について評価することが可能であるという利点がある。
【0066】
図8は、本実施形態の評価装置を用い、導体バンプ2,ゲート絶縁膜3及びシリコン基板4によって構成されるMIS構造について、0から徐々に増大するゲート電圧Vgを印加してゲートリーク電流Igを測定した結果得られたI−V特性を示す図である。同図には、シリコン基板4の中心付近と周辺付近とに個別に計測して得られた3つのI−V特性線を示している。同図に示すように、各I−V特性線のばらつきは小さいことから、各導体バンプ2に対してほぼ均一な押圧力を印加していることがわかる。
【0067】
(第3の実施形態)
次に、図9は、第3の実施形態における絶縁膜の評価装置の構成を示す断面図である。
【0068】
本実施形態においては、図4に示す構成に加えて、バンプ支持部材1の下面上に、導体バンプ2と共にAuからなるダミーバンプ22が設けられている点が特徴である。つまり、このダミーバンプ22は配線に接続されておらず、I−V特性の測定に用いられるものではない。
【0069】
本実施形態によると、バンプ支持部材1の下面上に、ダミーバンプ22が導体バンプ2と共に配置されていることで、真空引きの圧力の変動に対する導体バンプ2の1つ当たりに作用する押圧力の変動が小さくなるので、導体バンプ2とゲート絶縁膜3との間の接触面積を安定して均一化しうる利点がある。また、導体バンプ2の使用回数に対する接触面積の経時変化を低減できる。また、必要以上の局部的な加圧に伴うゲート絶縁膜3の物理的破壊を予め回避することができる。
【0070】
さらに、例えばダミーバンプ22の高さ寸法を導体バンプ2の高さ寸法よりも低めに設定して、ゲート絶縁膜3がダミーバンプ22に接触した時点で、加圧に対する抗力が急激に増大することを利用して、その時点で下降を停止させることにより、バンプ支持部材1の接触後の降下量(式(3)に示す接近量δ)を均一化することも可能である。
【0071】
なお、より安定した圧力を実現するためには、ダミーバンプ22の数を導体バンプ2の数よりも多くしておくことが好ましい。ただし、ダミーバンプ22の材質は、評価に使用する導体バンプとしての導体バンプ2と同じ材質である必要はなく、例えばAuよりも弾性率の高い材質であってもよい。
【0072】
図10は、本実施形態の評価装置を用い、導体バンプ2,ゲート絶縁膜3及びシリコン基板4によって構成されるMIS構造について、0から徐々に増大するゲート電圧Vgを印加してゲートリーク電流Igを測定した結果得られたI−V特性線を示す図である。同図には、シリコン基板4のほぼ中心付近において、同じ導体バンプ2について10回の加圧,I−V特性の測定,加圧除去の手順を繰り返したときの第1回目の測定によるI−V特性線と、第10回目の測定によるI−V特性線とが示されている。同図に示すように、第1回目,第10回目の測定によるI−V特性線のばらつきは小さいことから、導体バンプ2を何度も用いながら安定した接触面積で押圧力を印加していることがわかる。
【0073】
すなわち、本実施形態によると、ダミーバンプ22を用いることにより、安定したI−V特性の測定を行なうことができるとともに、導体バンプ2の使用寿命を延長することができる。
【0074】
なお、ダミーバンプ22を構成する材料としては、Auだけでなく各種の導体材料又は絶縁性材料を使用することができる。
【0075】
(第4の実施形態)
次に、図11は、第4の実施形態における絶縁膜の評価装置の構成を示す断面図である。
【0076】
本実施形態においては、横方向に移動可能なウエハステージ18の上にゲート絶縁膜3が設けられたシリコン基板4が載置されており、その上にカンチレバー状支持部材31が配置されている。このカンチレバー状支持部材31の基端部は固定されていて、先端部の下面上に、導体バンプ32が設けられ、導体バンプ32は配線33に接続されている。そして、カンチレバー状支持部材31の基端部には、センサーを付設しカンチレバー状支持部材31の曲がり角θを調整するための微小トルク系34が配置されており、微小トルク系34によって、導体バンプ32をゲート絶縁膜3に押し付けるための加圧機構が構成されている。
【0077】
本実施形態においては、センサーによって導体バンプ32とゲート絶縁膜3との間の押圧力を高精度で検知しながら、微小トルク系34によってカンチレバー状支持部材31を曲げることにより、導体バンプ32とゲート絶縁膜3との間に押圧力を印加することができる。すなわち、導体バンプ32とゲート絶縁膜3との間の押圧力は、センサーによって検知される微小トルク系34の示すトルク値と一対一の相関関係にあるので、図26について説明したヘルツの公式(1)における垂直力Pに相当する押圧力が正確に検出されることになる。このように、本実施形態では、絶縁膜の評価装置の構成は複雑にはなるが、高精度で高再現性が高い絶縁膜の評価が可能となる。
【0078】
図12は、本実施形態の評価装置を用い、導体バンプ2,ゲート絶縁膜3及びシリコン基板4によって構成されるMIS構造について、0から徐々に増大するゲート電圧Vgを印加してゲートリーク電流Igを測定した結果得られたI−V特性線を示す図である。図12中の各I−V特性線は、シリコン基板4の中心付近に位置する複数の箇所についてのデータである。同図にしめすように、各測定個所によってゲート絶縁膜の厚みのばらつきが当然あることを考慮すると、安定してI−V特性が得られていることがわかる。
【0079】
なお、本実施形態において、微小トルク系を配置していなくても、光学的にカンチレバー状支持部材の回転量を計測するセンサーを配置しても、押圧力の制御は可能である。
【0080】
また、1つのカンチレバー状支持部材31の下面に複数の導体バンプ2が設けられていてもよく、1つの絶縁膜の評価装置に複数のカンチレバー状支持部材31が設けられていてもよい。
【0081】
(第5の実施形態)
次に、図13は、第5の実施形態における絶縁膜の評価装置の構成を示す断面図である。
【0082】
本実施形態においては、図7に示す構成に加えて、基端部で回転自在に支持され先端がゲート絶縁膜3に接触するプローブ針41と、プローブ針41の回転量を検出するセンサー42と、センサー42の出力を受けて、プローブ針41の回転量で定まる押圧力Pを加圧機構5によって制御するための制御系43とが配設されている。すなわち、バンプ支持部材11を下降させてシリコン基板4上のゲート絶縁膜3の表面にプローブ針41が接触したときに、センサー42によって接触を告知する信号が制御系43に送られ、接触位置からさらに所定距離(例えば1μm)だけ下方にバンプ支持部材11を下降させる(オーバードライブ)ように構成されている。このオーバードライブの距離は式(3)の接近量δを定めるファクタであるので、このオーバードライブの距離を制御することにより押圧力Pが制御されることになる。そこで、本実施形態においては、導体バンプ2及びプローブ針41の先端位置の差を考慮して、図26について説明した接近量δを、導体バンプ2とゲート絶縁膜との接触面積(接触部の半径a)が所望の範囲内に収まるように、制御するのである。
【0083】
図14は、本実施形態の評価装置を用い、導体バンプ2,ゲート絶縁膜3及びシリコン基板4によって構成されるMIS構造について、0から徐々に増大するゲート電圧Vgを印加してゲートリーク電流Igを測定した結果得られたI−V特性線を示す図である。図14中の各I−V特性線は、シリコン基板4の複数の箇所についてのデータである。同図にしめすように、オーバードライブ量をほぼ一定に制御することにより、ばらつきの小さいI−V特性が得られていることがわかる。
【0084】
図15は、本実施形態の別例における絶縁膜の評価装置の構成を示す図である。この例では、バンプ支持部材11を下降させてプローブ針41が横方向に移動するタイミングを顕微鏡52による観察によって検知して、その時をプローブ針41がゲート絶縁膜3に接触した時と判断する。その後、顕微鏡52によってプローブ針41の先端を観察して、プローブ針が横方向にほぼ一定量だけ移動するまでバンプ支持部材11を下降させる(オーバードライブ)ことにより、導体バンプ2とゲート絶縁膜3との接近量δ(つまり押圧力P)を所望の範囲内に収めようとするものである。この場合、測定を行なう者の目視による判断でオーバードライブ量を制御することになるが、図13に示す装置を用いた場合と同等の効果が得られている。
【0085】
(第6の実施形態)
次に、図16は、第6の実施形態における絶縁膜の評価装置の構成を示す断面図である。
【0086】
本実施形態においては、図7に示す構成に加えて、モリブデン,タングステンなどの高硬度金属からなるウエハステージ28の表面には、シリコン基板4の裏面の絶縁膜を破壊してシリコン基板4の裏面に接触するための導体突起部である凸部29が設けられている。ただし、本実施形態においては、シリコン基板4上に形成された厚み約4nmのシリコン窒化膜からなるゲート絶縁膜13を評価対象としている。このとき、シリコン基板4の裏面にもシリコン窒化膜23が形成されているが、ウエハステージ28上にシリコン基板4を載置した状態で、加圧機構5によってバンプ支持部材11を下降させて、シリコン基板4にバンプ支持部材11を押し付けた際に、凸部29によりシリコン窒化膜23が破壊されるので、ウエハステージ28とシリコン基板4の裏面とが電気的に接続される。
【0087】
すなわち、従来より、シリコン基板や化合物半導体基板において、裏面には自然酸化膜が形成されたり、主面側で成膜中の絶縁膜が裏面の一部又は全部に形成されることがあり、本発明のように基板上の絶縁膜の特性を評価する際に必要な裏面コンタクトを得るためには、基板の裏面の一部を削るなどの手間を要している。それに対し、本実施形態によると、ウエハステージ28を高硬度の導体材料によって構成し、その表面に凸部29を設けることによって、導体バンプ2とゲート絶縁膜3との相対的な押圧力を付加する際の力を利用して、シリコン基板4の裏面上のシリコン窒化膜23等の絶縁膜を破壊しうるので、格別の手間を要することなく、シリコン基板4の裏面とウエハステージ28との電気的接続を行なうことができる。
【0088】
図17は、本実施形態の評価装置を用い、導体バンプ2,ゲート絶縁膜13(シリコン窒化膜)及びシリコン基板4によって構成されるMIS構造について、−3.6Vのゲート電圧Vgを印加して、ゲートリーク電流密度Dgを測定した結果得られたゲート電流密度Dgの経時変化特性を示す図である。同図において、横軸はゲート電圧Vgを印加したときからの経過時間(s)を表し、縦軸はゲートリーク電流密度Dg(A/cm2 )を表している。また、同図に示すデータは、基板を加熱する機構(図24に示すヒータ61など)を設けて、基板温度を100℃に制御しながら加速試験を行なった結果得られたものである。同図に示すように、ゲートリーク電流密度Dgのばらつきが小さいことから、ゲート絶縁膜13の厚みが大きいにも拘わらず安定して裏面コンタクトが確保されていることがわかる。したがって、本実施形態を利用することにより、誘電率の高い絶縁膜の特性評価が容易となる。
【0089】
図18は、本実施形態の別例における絶縁膜の評価装置の構成を示す図である。この例では、比較的硬さの小さいアルミニウム合金,銅合金などの低抵抗金属からなるウエハステージ18の上に、高硬度の導体,例えばロジウム(Rh)などからなる導体突起部材39を設けている。ただし、この別例においては、シリコン基板4の上に形成された厚み約2.4nmのシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜3を評価対象としている。この別例によっても、図16に示す構成を有する評価装置を用いた場合と同じ効果を発揮できることはいうまでもない。なお、ウエハステージ18を絶縁性材料によって構成する場合には、各導体突起部材39と外部測定装置とを接続するための配線を設ければよい。
【0090】
図19は、本実施形態の別例における評価装置を用い、導体バンプ2,ゲート絶縁膜3(シリコン酸化膜)及びシリコン基板4によって構成されるMIS構造について、−2.8Vのゲート電圧Vgを室温で印加して、TDDB試験を行なった結果得られたデータを示す図である。同図において、横軸はゲート電圧Vgを印加したときからの経過時間(s)を表し、縦軸はゲートリーク電流(A)を表している。同図におけるゲートリーク電流Igが急激に増大する時がゲート絶縁膜の破壊時である。同図に示すように、ゲートリーク電流Igのばらつきが小さい状態で、TDDB試験を行うことができる。
【0091】
本実施形態の凸部29やその別例の導体突起部材39は、シリコン基板4の裏面に形成されやすいシリコン酸化膜や、シリコン窒化膜などの絶縁膜を破壊しうる硬度又は強度を備えている導体材料によって構成する必要がある。ただし、硬度がシリコン酸化膜やシリコン窒化膜より小さくても、強靱な材料であれば薄い酸化膜や窒化膜などの絶縁膜を破壊することができるので、本実施形態又はその別例の効果を発揮することができる。
【0092】
以上のような硬度又は強度の大きい導体材料としては、たとえば、タングステン(W),モリブデン(Mo),レニウム(Re),ルテニウム(Ru),ロジウム(Rh),炭化珪素(SiC),炭化珪素(WC)(半導体),炭化チタン(TiC)(半金属),炭化タンタル(TaC)(金属),炭化ホウ素(B4 C)などがあり、いずれを用いてもよい。
【0093】
(第7の実施形態)
次に、図20は、第7の実施形態における絶縁膜の評価方法の手順を概略的に示すフローチャートである。
【0094】
まず、ステップST1で、測定対象である絶縁膜膜付きウエハ(例えば図3に示すシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜3が設けられたシリコン基板4)をウエハステージ上に載置して導体バンプ−絶縁膜間に押圧力を印加する(ウエハのロード)。
【0095】
次に、ステップST2で、導体バンプ−ゲート絶縁膜間の接触面積が所望の範囲にあるように押圧力を校正する。この校正は、後述するように、ある押圧力を印加して所定のゲート電圧を印加したときに生じるゲートリーク電流が、当該テストにおけるMIS構造のゲート面積(接触面積)が適正範囲内にあるとしたときのゲートリーク電流の範囲内にあるか否かなどを調べることにより行なわれる。その後、ステップST3で、絶縁膜のリーク特性やTDDBなどの電気特性の解析を行う。
【0096】
次に、上述のステップST2における導体バンプ−ゲート絶縁膜間の押圧力の校正方法について、説明する。本実施形態においては、校正用のサンプルとして、厚みが4nmの熱酸化膜(シリコン酸化膜)が設けられたシリコンウエハを用いる。そして、導体バンプに印加するゲート電圧Vgが−6Vのときに、熱酸化膜を通して流れる適正な接触面積に対応するゲートリーク電流Igの範囲(例えば1μA〜10μA)を予め求めておくのである。
【0097】
図22は、導体バンプ−ゲート絶縁膜間の適正な接触面積を得るための押圧力Pの校正を行なう際の基準となるゲートリーク電流の値を示す図である。例えば、図22に示すように、ゲート面積が本実施形態で所望する接触面積に一致し、厚みが4nmの熱酸化膜からなるゲート絶縁膜を有するMIS構造のI−V特性が図中実線のように得られていたとする。そのとき、図中の実線で示すI−V特性を中心として、ゲート面積が所望値から例えば±10%ずれたときのI−V特性(図中破線で示す特性)を求め、この破線で挟まれる範囲のI−V特性が得られたときは、導体バンプ−ゲート絶縁膜間の接触面積が適正な所定範囲(許容範囲)に収まっていると判断する。
【0098】
ただし、校正の際にI−V特性を測定するのは手間を要するので、所定のゲート電圧(この例では−6V)のときに生じる各導体バンプについてのゲートリーク電流Igが、許容範囲の下限値(この例では10-6A)と上限値(この例では10-5A)の間にすべて収まっていれば、各導体バンプについてゲート絶縁膜との接触面積が適正であると判断することができる。
【0099】
図23(a)〜(c)は、本実施形態における押圧力の校正機能を有する絶縁膜の評価装置を用いて、押圧力の校正を行なう手順を示す断面図である。
【0100】
図23(a)に示すように、本実施形態の絶縁膜の評価装置には、標準熱酸化膜付きウエハのリーク電流を解析するシステムが導入されている。すなわち、図4に示す絶縁膜の評価装置に加えて、高さ調節機構55と、電流計測系56と、高さ制御系57と、圧力センサ60とを備えている。そして、標準資料として、厚みが4nmの標準熱酸化膜57が表面に形成されたモニターウエハ58が配置されている。この標準熱酸化膜57は、図22に示すI−V特性を有するものである。
【0101】
まず、図23(a)に示すように、評価装置のウエハステージ8上に、モニターウエハ59を設置する。ここで、本実施形態における図23(a)に示す絶縁膜の評価装置には、図22に示すI−V特性を有する厚みが4nmの熱酸化膜付きシリコン基板のリーク電流を解析するシステムが導入されている。この方法では、図26に示すヘルツの公式からわかるように、接触面積は半径aによって定まり、曲率半径が一定であると仮定すると、半径aは押圧力Pによって定まるので、適正な接触面積が得られる押圧力Pは、バンプに流れる電流値から校正することができるはずである。そこで、図22に示すように、ゲート電圧−6Vを印加したときのゲートリーク電流Igが5μAとなる押圧力Pを基本的なゼロに設定し、その上下に下限値1μAと上限値10μAとを設定する。
【0102】
図23(b)に示すように、バンプ支持部材1を下降させて、Oリング7とウエハステージ8とが接触した状態で、真空ポンプ等の減圧機構によってバンプ支持部材1とウエハステージ8との間の空間を減圧する。このとき、圧力センサ60によって、圧力を検知することで、1つのバンプ当たりの押圧力Pを演算する。そして、電流計測系56によって各バンプ2に流れる電流を計測しながら、そして、導体バンプとゲート絶縁膜とに相対的な押圧力を印加しながら、導体バンプにゲート電圧Vgとして−6Vを印加した状態で、ゲートリーク電流Igを測定し、ゲートリーク電流Igが基準値(5μA)に達したときの押圧力を基本押圧力Pstとして検出する。ただし、複数の導体バンプがある場合、その形状が全く同じではあり得ないので、ゲート電圧−6Vを印加したときに、各導体バンプについてのばらつきが生じるのが一般的である。そこで、実測されたゲートリーク電流Igの最小値と許容範囲の下限値(1μA)との差と、実測されたゲートリーク電流Igの最大値と許容範囲の上限値(10μA)との差とが等しくなるときの押圧力Pを基本押圧力Pstとする。また、すべての導体バンプにおけるゲートリーク電流が、どうしても許容範囲内に収まらないときには、当該バンプ支持部材は使用できないと判定する。ただし、バンプ支持部材の傾きなどを修正してから再度校正を行なってもよい。
【0103】
次に、図23(c)に示すように、モニターウエハに代えて被測定物であるゲート絶縁膜3が表面に形成されたシリコン基板4をウエハステージ8上に設置し、バンプ支持部材1とウエハステージ8との間の空間を減圧する。このとき、圧力センサ60の検出値されるバンプ支持部材1とウエハステージ8との間の空間の圧力値が、図23(b)に示すステップで校正した基本押圧力Pstに相当する圧力になるまで減圧する。
【0104】
上述の方法は、上記形態のうち減圧機構を備えた実施形態のすべてに適用することができる。ただし、例えば第1の実施形態のごとく(図3参照)、減圧機構などの圧力自体を制御する機構がなく、バンプ支持部材とウエハとの縦方向の相対的な位置関係を制御する機構しか備えていない装置については、上述の方法では、適正な押圧力を直接校正することができない。
【0105】
そこで、押圧力Pを直接校正する代わりに、バンプ支持部材の降下量を校正することによって間接的に押圧力Pの校正を行なう手順について、以下に説明する。この例では、押圧力Pの校正の際に、縦方向におけるバンプ支持部材とウエハステージとの縦方向の相対的な位置関係(図26に示す接近量δ)を判断基準にしている。つまり、図26に示すヘルツの公式からわかるように、接触面積は半径aによって定まり、曲率半径が一定であると仮定すると、半径aは押圧力Pによって定まる。一方、式(3)で記述される押圧力Pと接近量δとの相関関係を利用すると、接近量δから押圧力Pが求められる。したがって、導体バンプとゲート絶縁膜とが接触した位置からのバンプ支持部材の降下量(つまり接近量δ)を校正することにより、間接的に押圧力Pを校正することができる。
【0106】
具体的には、ゲート電圧−6Vを印加したときのゲートリーク電流Igが5μAとなる降下量を基本的なゼロ位置に設定し、その上下に下限値1μAと上限値10μAとを設定する。そして、導体バンプにゲート電圧Vgとして−6Vを印加した状態で、ゲートリーク電流Igを測定し、導体バンプとゲート絶縁膜とが接触した位置からゲートリーク電流Igが基準値(5μA)に達するまでにバンプ支持部材を下降させた距離(接近量δ)を基本降下量δstとして算出する。ただし、複数の導体バンプがある場合、その形状が全く同じではあり得ないので、ゲート電圧−6Vを印加したときに、各導体バンプについてのばらつきが生じるのが一般的である。そこで、実測されたゲートリーク電流Igの最小値と許容範囲の下限値(1μA)との差と、実測されたゲートリーク電流Igの最大値と許容範囲の上限値(10μA)との差とが等しくなるときの降下量を基本降下量δstとする。
【0107】
そして、ステップST3における実測時には、測定対象のシリコン基板上のゲート絶縁膜に、バンプ支持部材の導体バンプが接触した位置から上記校正で求めた基本降下量δstだけ、バンプ支持部材を下降させ、その位置で導体バンプにテスト用のゲート電圧Vg(−6Vである必要はない)を印加する。
【0108】
以上説明した直接押圧力を校正する方法及び降下量から間接的に押圧力を校正する方法のいずれにおいても、押圧力Pの校正は、導体バンプとゲート絶縁膜との適正な接触面積(ゲート面積)を実現するための処理にすぎないので、実測用のゲート絶縁膜の材質や厚みが、校正に用いた熱酸化膜の材質,厚みと一致する必要はない。
【0109】
また、導体バンプの寿命や精度を確認するために、上述の熱酸化膜を有するモニターウエハを用いることができる。例えば、熱酸化膜の上に各導体バンプを接触させてから、バンプ支持部材を降下量だけ下降させて、導体バンプにゲート電圧Vgとして−6Vを印加したときに、各導体バンプについて生じるゲートリーク電流Igが、いずれも図22に示す許容範囲の下限値1μAと上限値10μAの間に入れば使用可能と判定し、降下量をどのように設定してもすべての導体バンプについてのゲートリーク電流値が図22に示す許容範囲内に収まらなければ導体バンプの使用寿命が尽きたと判定する。
【0110】
図21は、本実施形態の絶縁膜の評価装置を用いて、押圧力の校正を行なってから、導体バンプ,ゲート絶縁膜及びシリコン基板によって構成されるMIS構造について、ゲート電圧Vgを室温で印加して、TDDB試験を行なった結果得られたデータを示す図である。同図において、横軸はゲート電圧Vgを印加したときからの経過時間(s)を表し、縦軸はゲートリーク電流(A)を表している。同図におけるゲートリーク電流Igが急激に増大する時がゲート絶縁膜の破壊時である。ここで、ゲート絶縁膜として、厚みが3.3nmのSi34 /SiON積層膜を用い、基板温度が100℃,ゲート電極−3.4Vの条件でTDDB時化Snを行なっている。同図に示されるように、ゲート電流密度Dgのばらつきが小さいことから、安定した条件でTDDB試験などの電気的特性を評価しうることがわかる。
【0111】
なお、本実施形態では、厚みが4nmの熱酸化膜に対して校正基準を設けたが、校正基準はこれに限ったものではなく、押圧力に応じた導体バンプとウエハ(半導体基板)上の絶縁膜(ゲート絶縁膜)との接触面積から適正な押圧力を電流・電圧特性で把握できるものであればよい。
【0112】
また、本実施形態においては、TDDB測定前に1度だけ校正を行い、その後は校正を行なうことなくTDDB試験を行なっているが、第2の実施形態で示すような測定点を移動するような場合では、測定の前ごとに毎回校正する方法でも、あるいは、同じウエハの場合に一度校正してから一気に各点を測定する方法でも同程度の効果は得られる。
【0113】
なお、校正後における絶縁膜の評価の種類に関しては、本実施形態のTDDB試験に限定するものではなく、後述するようなMIS構造に関する各種の評価を行なうことができる。
【0114】
さらに、押し付け圧力を校正する方法として、シリコンウエハ以外の材料からなるウエハを用いても、本実施形態と同等の効果を得ることができる。
【0115】
(第8の実施形態)
次に、図24は、第8の実施形態における絶縁膜の評価装置の構成を示す断面図である。
【0116】
本実施形態においては、図9に示す構成に加えて、ウエハステージ8にシリコン基板4を加熱するためのヒータ61が内蔵されている点が特徴である。すなわち、基板加熱機構であるヒータ61によってシリコン基板4の温度を例えば100℃に保持しながら、ゲート絶縁膜3の特性評価を行うように構成されている。このように、シリコン基板4を加熱することにより、ゲート絶縁膜3の特性についての加速試験を行うことが可能になる。また、一般に弾性率は温度によって変化するので、導体バンプ2の弾性率を、導体バンプ2とゲート絶縁膜3との接触面積を安定して適正範囲に保持しうる値に調整することも可能になる。
【0117】
また、図25は、本実施形態の別例における絶縁膜の評価装置の構成を示す断面図である。同図に示すように、この別例の評価装置は、図7に示す絶縁膜の評価装置に加えて、バンプ支持部材11にヒータ62を内蔵している。この別例の絶縁膜の評価装置によっても、図24に示す評価装置と同様の効果を発揮することができる。
【0118】
(第9の実施形態)
本実施形態においては、計測装置や圧力の印加方法は、上記第1〜第8の実施形態の装置あるいは方法を利用する。そして、本実施形態においては、測定のために使用するバンプ数を低減するために、ウエハとバンプ支持部材とを相対的に回転させる。
【0119】
図27は、本発明の第9の実施形態における評価装置の主要部を概念的に示す斜視図である。同図に示すように、本実施形態では、回転可能に構成されたウエハステージ108を用い、図7,図12,図15,図16,図18及び図25に示す構造のバンプ支持部材11を用いる。そして、バンプ支持部材11を固定した状態で、ウエハステージ108をある角度θずつ回転させて、各部位におけるゲートリーク電流を測定するように構成されている。図27には示されていないが、図7,図12,図15,図16,図18及び図25に示すようなOリング17が、バンプ支持部材11とゲート絶縁膜4との間に介在することになる。そして、図示されていない真空引き配管や真空ポンプにより、バンプ支持部材11とゲート絶縁膜4との間の空間を減圧するように構成されている。ただし、図4などに示すOリング7が設けられていてもよいし、図3に示すように、Oリングが設けられていない構造であってもよい。
【0120】
図28は、第9の実施形態における評価方法の手順を示すフローチャート図である。まず、ステップST11で、測定対象である絶縁膜膜付きウエハ(図27に示すシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜3が設けられたシリコン基板4)をウエハステージ108上に載置して導体バンプ−ゲート絶縁膜間に押圧力を印加する(ウエハのロード)。このとき、導体バンプ−ゲート絶縁膜間の接触面積が所望の範囲にあるように押圧力を校正する。この校正は、すでに説明したように、ある押圧力を印加して所定のゲート電圧を印加したときに生じるゲートリーク電流が、当該テストにおけるMIS構造のゲート面積(接触面積)が適正範囲内にあるとしたときのゲートリーク電流の範囲内にあるか否かなどを調べることにより行なわれる。
【0121】
その後、ステップST12で、絶縁膜のリーク特性やTDDBなどの電気特性の解析(計測)を行う。そして、ステップST13で、n回計測を行なったか否かを判別する。このとき、n回の計測により、ウエハ上のすべての所望の測定部位に導体バンプが接触するように設定されている。そして、ステップST13における判別結果がNOであれば、ステップST14で、ウエハステージをある角度αだけ回転させてから、ステップST12に戻る。このように、計測とウエハステージの回転とを繰り返して、所望するすべての部位におけるゲートリーク電流(I−V特性)を測定し終えると、ステップST15に進んで、制御を終了する。
【0122】
図29,図30は、それぞれバンプ支持部材11における導体バンプ2の配置パターンの例を示す平面図である。
【0123】
図29に示すバンプ支持部材11には、64個の導体バンプ2が円周を8等分した位置の半径方向に8個ずつ放射状に等間隔で配置されて、導体バンプ2の配置パターンが8回対称のパターンとなっている。したがって、360°(2π)を対称性の数で割った値である角度θ(45°)だけウエハステージが回転すると、すでに別の導体バンプ2によって計測された位置に各導体バンプ2が達する。そこで、ウエハステージ108を角度αずつn回回転させると、合計の回転角がθに達するように、計測回数nを決めておく。このように計測回数nを決めておくと、初期位置における計測に加えて、ウエハステージを角度αずつ(n−1)回回転させ、かつ、ゲートリーク電流(I−V特性)を測定することにより、所望するすべての部位におけるゲートリーク電流の計測を行なったことになる。すなわち、図28のフローチャートに示すステップST13の判別は、このことを意味している。なお、図29においては、ウエハの径が8インチ程度であるのに対し、径が数10μmの大きさの導体バンプ2が相対的に大きく描かれている。したがって、バンプ支持部材11の中心付近に配置されている導体バンプ2の測定領域が、ウエハステージ108の45°の回転の間にオーバーラップすることはない。
【0124】
本実施形態においては、バンプ支持部材11における銅端バンプ2の数は少なくても、ウエハステージの回転によって多くの箇所での評価が可能になる。一般に、導体バンプ2の径のばらつきは、±5μm程度に抑えることができると言われているが、導体バンプ2の数を少なくすることにより、導体バンプ2の大きさのばらつきも小さくなるので、測定精度がより向上することになる。
【0125】
一方、図30に示すバンプ支持部材11には、44個の導体バンプ2が円周を16等分した位置の半径方向に4個,3個又は2個ずつ放射状に配置されている。この場合には、ウエハステージ108を±7.5°だけ2回回転させると、合計132点(44×3)における計測が可能になる。この例では、バンプ支持部材11の中心点付近における導体バンプ2の単位面積当たりの数と、バンプ支持部材の外周付近における導体バンプ2の単位面積当たりの数とがほぼ同じである。つまり、図29に示すように導体バンプ2が配置された場合には、バンプ支持部材11の中心点付近における導体バンプ2の配置密度が高く、バンプ支持部材11の外周付近における導体バンプ2の配置密度が低いので、バンプ−絶縁膜間の接触圧力がウエハの中心点付近において小さく、ウエハの外周付近において大きいという不均一さが生じる。それに対し、図30に示すように導体バンプ2が配置された場合には、バンプ−絶縁膜間の接触圧力がウエハの全面においてほぼ均一化されるという利点がある。
【0126】
なお、各導体バンプ2は全く対称性をもたないように配置してもよい。その場合には、すべての導体バンプ2について、半径方向の位置を相異ならせておくことにより、ウエハステージ108を合計回転角が360°になるように角度αずつ回転させることもできる。その場合には、極めて多くの箇所での計測が可能になる。
【0127】
また、バンプ支持部材11には、図29,図30に示す導体バンプ2に加えて、すでに説明した実施形態にあるようなダミーバンプを設けることもできる。
【0128】
図31は、本実施形態の評価装置を用いて、シリコン窒化膜/シリコン酸化膜の積層構造を有する絶縁膜のゲートリーク特性を評価した結果を示す図である。図31のデータは、図30に示すように導体バンプ2を配置したバンプ支持部材11を用い、ウエハステージ108を±7.5°だけ2回回転させて合計132点(44×3)における計測を行なって得られたものである。図31において、横軸は破壊までの時間(寿命)を表し、縦軸は故障(故障割合F)の余事象が生じる確率の対数の対数を表している。つまり、図31に示される各点は、いわゆるワイブルプロットと呼ばれるものである。そして、シリコン窒化膜/シリコン酸化膜の積層構造からなる絶縁膜のSiO2 膜換算の電気的な厚みは約2.1nmであり、この値は絶縁膜の容量から算出されたものである。また、導体バンプとゲート絶縁膜との接触面積は、1000μm2 程度であり、導体バンプには−3.4Vの電圧が印加されている。
【0129】
その結果、各測定データ(ワイブルプロット)はほぼ1つの直線上に並び、ワイブルプロットの傾きmは1.01になる。文献(T.Nigam et al.,IEEE/IRPS 98. 62(1998) )によると、ワイブルプロットの傾きmを用いることにより、バンプ−絶縁膜間の接触面積と実際のデバイスにおけるゲート面積との面積換算による寿命推定が可能である。つまり、t1を実際のデバイスの推定寿命とし、t2をバンプを用いた計測による推定寿命とし、A1を実際のデバイスのゲート面積とし、A2をバンプ−絶縁膜との接触面積(例えば1000μm2 程度)とすると、下記式
t1/t2=(A2/A1)1/m
に基づいて、実際のデバイスの寿命推定を行なうことができる。
【0130】
ただし、この例においては、導体バンプを用いたゲートリーク電流の測定から推定寿命t2が求められていないが、t2はいくつかのゲート電圧値を印加したときの絶縁膜の破壊までに要する時間(寿命)から求まる値であるので、本実施形態のゲートリーク電流の計測を長時間行なって、各電圧における寿命tを求めることにより、周知の方法を利用して実使用時の電圧における推定寿命t2の算出が可能になる。
【0131】
一般に、面積換算を利用した寿命推定にはできるだけ多くの測定データが必要となるので、数多くのバンプを用いたゲートリーク電流(I−V特性)の測定を行なうことが好ましい。しかるに、1つのバンプ支持部材に数多くのバンプを均一な形状で形成するのは困難である。ところが、本実施形態によると、バンプ支持部材11上における導体バンプ2の数は少なくても、バンプ支持部材11とウエハステージ108とを相対的に回転させることにより、多くの箇所で導体バンプ2を用いたゲートリーク電流の測定が可能になる。特に、ウエハステージ108を回転させる機構は、バンプ支持部材11を回転させる機構よりも配線などの構造が簡素になるので、ウエハステージ108を回転させることにより、測定精度の向上を図ることができる。
【0132】
(第10の実施形態)
図32は、本発明の第10の実施形態における絶縁膜の評価装置の構成を示す断面図である。
【0133】
本実施形態の絶縁膜の評価装置には、ウエハのリーク電流を各導体バンプのサイズからの面積換算を行なって解析するシステムが導入されている。すなわち、図4に示す絶縁膜の評価装置に加えて、各導体バンプ2ごとに電流を計測するように構成された電流電圧計151と、解析システム152と、各導体バンプ2のゲート絶縁膜3に対する接触面積をデータベース化して格納するデータベース153とを備えている。
【0134】
ここで、導体バンプ2の形成時の径のばらつきは、10μm以内に収めることができる。したがって、各導体バンプ2の数が多少多くても、すべての導体バンプ2を確実にゲート絶縁膜3に接触させることが可能である。
【0135】
なお、導体バンプ2のうち一部に塑性変形を起こさせるようにバンプ支持部材1に荷重を印加してもよい。特に、計測を行なう前に、バンプ支持部材1とウエハ4(ウエハステージ8)との間に一部の導体バンプ2を塑性変形性させるための荷重を印加しておくことによって、計測時における各導体バンプ2の接触面積を安定化させることが可能である。
【0136】
図33は、第10の実施形態における評価方法の手順を示すフローチャート図である。まず、ステップST21で、測定対象である絶縁膜膜付きウエハ(図32に示すシリコン酸化膜からなるゲート絶縁膜3が設けられたシリコン基板4)をウエハステージ8上に載置して導体バンプ−ゲート絶縁膜間に押圧力を印加する(ウエハのロード)。このとき、導体バンプ−ゲート絶縁膜間の接触面積が所望の範囲にあるように押圧力を校正する。この校正は、すでに説明したように、ある押圧力を印加して所定のゲート電圧を印加したときに生じるゲートリーク電流が、当該テストにおけるMIS構造のゲート面積(接触面積)が適正範囲内にあるとしたときのゲートリーク電流の範囲内にあるか否かなどを調べることにより行なわれる。
【0137】
その後、ステップST22で、絶縁膜のリーク特性やTDDBなどの電気特性の解析(計測)を行う。このとき、計測方法としては上記各実施形態で説明した各種の方法を採用することができる。そして、ステップST23で、データベース153の内容を取り込んで、ステップST24で、解析システム152により、すべてのバンプに対する測定データを解析する。
【0138】
図34は、導体バンプの個々の大きさを考慮しないで一律に同じとしたときのI−V特性のデータを示す図である。図35は、導体バンプの個々の大きさを考慮したときのI−V特性のデータを示す図である。
【0139】
図34に比べると、図35においては、I−V特性のデータのばらつきが小さくなっている。図35において、I−V特性のデータになおばらつきがあるのは、主としてゲート絶縁膜のウエハ上における厚みのばらつきに起因するものと考えられる。
【0140】
以上のように、本発明により、各導体バンプ2の個々の大きさをデータベース化しておいて、ゲートリーク電流(I−V特性)の測定時に、データベースから各導体バンプ2の大きさのデータを取り込んで、面積換算を行なって実際の電流密度を計算してから、ゲートリーク電流の解析を行なうことにより、測定精度の向上を図ることができる。
【0141】
(その他の実施形態)
−評価装置の構造−
上記第1〜第8の実施形態のうち,ウエハステージを移動可能にしたものにおいては、ウエハステージは固定しておいて、バンプ支持部材を横方向に移動させるようにしてもよい。また、上記各実施形態においてはウエハステージを縦方向に固定しているが、バンプ支持部材を縦方向に固定して、ウエハステージを縦方向に移動させるようにしてもよい。
【0142】
−評価の種類−
上記各実施形態においては、ゲート絶縁膜を評価するパラメータとして、I−V特性,リーク特性又は信頼性(TDDB)を採用した例について説明したが、本発明における評価の種類はこれらに限定されるものではない。すなわち、本発明は、基板内の導体層と導体バンプとの間にゲート絶縁膜等の絶縁膜を挟むことによって構成されるMIS構造中の絶縁膜の各種特性を評価する場合に適用することができる。
【0143】
このような絶縁膜の特性の種類として、上記I−V特性,リーク特性,信頼性の他に、例えば絶縁膜の厚みt,絶縁膜の誘電率εなどがある。例えば、直流バイアスに交流電圧を重畳して行なわれるC−V測定法を用い、絶縁膜の容量C0xがわかったとすると、ε=Cox・tの関係を利用して、厚みtがわかっている絶縁膜については誘電率ε(又は比誘電率)を求めることが可能になり、比誘電率がわかっている絶縁膜については、厚みtを測定することも可能である。
【0144】
−評価対象の絶縁膜の種類
また、絶縁膜として、シリコン酸化膜(SiO2 膜),シリコン窒化膜(Si34 膜),シリコン酸窒化膜(SiON膜),タンタル酸化膜(Ta25 膜),ジルコニア膜(ZrO2 膜),酸化亜鉛膜(ZnO膜)など各種の誘電体膜があり、いずれを用いてもよいものとする。さらに、絶縁膜がゲート絶縁膜として機能するものでなくても、特性を評価するときに導体バンプと基板中の導体層とに挟まれてMIS構造中の絶縁膜となるものであればよい。
【0145】
−導体バンプ−
上記実施形態においては、導体バンプとしてAu(金)バンプを用いたが、本発明の導体バンプを構成する材料としてAu(金)以外の導体材料を用いることも可能である。ただし、導体バンプの材質としては、電気抵抗が小さく,絶縁膜よりも硬さが小さく,絶縁膜と接触させても半導体素子に悪影響を与えないものが好ましい。そのような材料として、Au以外に例えば白金(Pt),パラジウム(Pd),銀(Ag),銅(Cu),ニッケル(Ni)等があり、いずれを用いてもよい。
【0146】
また、導体バンプは必ずしも1種類の金属又は合金によって構成されている必要はない。例えば、ニッケルなどの海綿体の骨格を形成した後、骨格の上にAuメッキを施すことにより、低抵抗でありながら弾性のある導体バンプを実現することもできる。この場合、Auがニッケルなどの海綿体の隙間をほぼ埋めていてもよいし、隙間が残存している状態であってもかまわない。
【0147】
なお、極薄の絶縁膜を計測する場合には、図2に示されるように、導体バンプの大きさが1000μm2 以下であることが好ましく、200μm2 以下であることがより好ましい。
【0148】
−変形の予測−
上記各実施形態において、各導体バンプ2の大きさを個別に測定することが可能であるので、図26に示す圧力と変形との関係を利用し、あるいは塑性変形量を計算することにより、各導体バンプの大きさに応じて、バンプ支持部材−ウエハステージ(ウエハ)間にある荷重を印加したときの変形量,つまり導体バンプ−ゲート絶縁膜間の接触面積を導体バンプごとに予測することが可能である。この予測した接触面積に基づいて、上記各実施形態における評価(I−V特性の計測など)を行うことにより、評価精度の向上を図ることができる。
【0149】
また、上記各実施形態において、評価(計測)を行う前に、バンプ支持部材−ウエハステージ(ウエハ)間にある荷重を印加して、各導体バンプの少なくとも一部に塑性変形を起こさせて、その塑性変形後の各導体バンプの平坦化された上面の面積を測定しておくこともできる。そして、塑性変形した導体バンプの上面の面積から、計測時における導体バンプ−ゲート絶縁膜間の接触面積を予測することができる。その後、ゲートリーク電流を計測したデータからI−V特性などを算出する際に、予測した各導体バンプ個々の接触面積を用いて、高い精度で電流密度を計算することができるので、評価精度が向上する。
【0150】
【発明の効果】
本発明によれば、導体バンプと基板の導体層とその上の絶縁膜とで微小面積のMIS構造を形成して評価を行うようにしたので、極薄化された絶縁膜についての特性や膜厚を高い精度で評価するための絶縁膜の評価装置又は評価方法の提供を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】p型シリコン基板上に設けられた厚さ1.5nmの熱酸化膜のI−V特性をゲート面積をパラメータとして示す図である。
【図2】ゲート面積とゲートリーク電流との関係を、ゲート電圧をパラメータとして示す図である。
【図3】第1の実施形態における導体バンプを用いる絶縁膜の評価装置の構成及びその評価方法を示す断面図である。
【図4】第1の実施形態の別例における減圧機構を備えた絶縁膜の評価装置の断面図である。
【図5】第1の実施形態の評価装置を用いて得られたI−V特性を示す図である。
【図6】第1の実施形態による方法で得られたI−V特性と従来のHgプローバー法によって得られたI−V特性線とを比較する図である。
【図7】第2の実施形態におけるウエハよりも小面積のバンプ支持部材を備えた絶縁膜の評価装置の断面図である。
【図8】第2の実施形態の評価装置を用いて得られたI−V特性を示す図である。
【図9】第3の実施形態における導体バンプと共にダミーバンプを設けた絶縁膜の評価装置の断面図である。
【図10】第3の実施形態の評価装置を用いて得られたI−V特性を示す図である。
【図11】第4の実施形態におけるカンチレバー状支持部材による押圧力の制御機構を備えた絶縁膜の評価装置の断面図である。
【図12】第4の実施形態の評価装置を用いて得られたI−V特性を示す図である。
【図13】第5の実施形態におけるプローブ針による押圧力の制御機構を備えた絶縁膜の評価装置の断面図である。
【図14】第5の実施形態の評価装置を用いて得られたI−V特性を示す図である。
【図15】第5の実施形態の別例におけるプローブ針及び光学的検知機構による押圧力の制御機構を備えた絶縁膜の評価装置の断面図である。
【図16】第6の実施形態におけるウエハ裏面の絶縁膜破壊機構を備えた絶縁膜の評価装置の断面図である。
【図17】第6の実施形態の評価装置を用いて得られたI−V特性を示す図である。
【図18】第6の実施形態の別例におけるウエハ裏面の絶縁膜破壊機構を備えた絶縁膜の評価装置の断面図である。
【図19】第6の実施形態の別例における評価装置を用いて得られたI−V特性を示す図である。
【図20】第7の実施形態における押圧力の校正を含めた絶縁膜の評価方法の手順を概略的に示すフローチャートである。
【図21】第7の実施形態の絶縁膜の評価装置を用いて、押圧力の校正を行なってからTDDB試験を行なった結果得られたデータを示す図である。
【図22】第7の実施形態における適正な接触面積を得るための押圧力の校正を行なう際の基準となるゲートリーク電流の値を示す図である。
【図23】第7の実施形態における押圧力の校正機能を有する絶縁膜の評価装置の構成を示す図である。
【図24】第8の実施形態におけるウエハステージにヒータを内蔵した絶縁膜の評価装置の断面図である。
【図25】第8の実施形態の別例におけるバンプ支持部材にヒータを内蔵した絶縁膜の評価装置の断面図である。
【図26】2つの球体が互いに押し付けられて接触している場合の接触面半径,垂直力,接近量などの関係を記述するヘルツの公式を説明するための図である。
【図27】本発明の第9の実施形態における評価装置の主要部を概念的に示す斜視図である。
【図28】第9の実施形態における評価方法の手順を示すフローチャート図である。
【図29】第9の実施形態のバンプ支持部材における導体バンプの配置パターンの一例を示す平面図である。
【図30】第9の実施形態のバンプ支持部材における導体バンプの配置パターンの他の例を示す平面図である。
【図31】第9の実施形態の評価装置を用いて、シリコン窒化膜/シリコン酸化膜の積層構造を有する絶縁膜のゲートリーク特性を評価した結果を示す図である。
【図32】本発明の第10の実施形態における絶縁膜の評価装置の構成を示す断面図である。
【図33】第10の実施形態における評価方法の手順を示すフローチャート図である。
【図34】導体バンプの個々の大きさを考慮しないで一律に同じとしたときのI−V特性のデータを示す図である。
【図35】導体バンプの個々の大きさを考慮したときのI−V特性のデータを示す図である。
【符号の説明】
1,11 バンプ支持部材
2,32 導体バンプ
3,13 ゲート絶縁膜
4 シリコン基板
5 加圧機構
6 配線
7,17 O−リング
8,18,28 ウエハステージ
9 真空配管
22 ダミーバンプ
23 シリコン窒化膜
29 凸部
31 カンチレバー状支持部材
34 微小トルク計
39 導体突起部材
41 プローブ針
42 センサー
43 制御系
52 顕微鏡
55 高さ調節機構
56 電流計測系
57 高さ制御系
58 標準熱酸化膜
59 モニターウエハ
61 ヒータ
62 ヒータ
108 ウエハステージ
151 電流電圧計
152 解析システム
153 データベース

Claims (43)

  1. 基板内の導体層の上に設けられた絶縁膜の特性又は寸法を評価する方法であって、
    複数の導体バンプと該導体バンプに接続される配線とを有する測定用部材を、上記導体バンプと上記絶縁膜とを相対向させて上記基板の上に設置するステップ(a)と、
    上記導体バンプと上記絶縁膜とを接触させた後ある押圧力で相対的に押し付けるステップ(b)と、
    上記導体バンプと上記導体層との間に電気的ストレスを印加することにより、上記絶縁膜の特性又は寸法を評価するステップ(c)と
    を含む絶縁膜の評価方法。
  2. 請求項1記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記ステップ(c)では、上記絶縁膜のリーク特性を評価することを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  3. 請求項1記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記ステップ(c)では、上記絶縁膜の上記電気的ストレス下における信頼性を評価することを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  4. 請求項1記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記ステップ(c)では、上記絶縁膜の電流−電圧特性を評価することを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  5. 請求項1記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記ステップ(c)では、上記絶縁膜の誘電率を評価することを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  6. 請求項5記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記ステップ(c)では、上記絶縁膜の厚みを評価することを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記ステップ(b)では、上記基板と上記測定用部材との間の空間の圧力を減圧することにより、上記導体バンプと上記絶縁膜とを相対的に押し付けることを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  8. 請求項1〜6のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記ステップ(b)では、上記導体バンプと上記絶縁膜との接触面積が所定範囲に収まるように上記導体バンプと絶縁膜との押圧力を制御することを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  9. 請求項8記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記押圧力の制御は、上記測定用部材と上記基板との相対的な距離によって制御することを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  10. 請求項1〜9のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記ステップ(c)では、上記基板又は測定部材のうち少なくともいずれか一方を加熱しながら評価を行うことを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  11. 請求項1〜10のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記ステップ(a)の前に、上記導電体バンプと上記絶縁膜との間の上記接触面積を所定範囲内にするための押圧力の校正を行なうステップ(d)をさらに含むことを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  12. 請求項11記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記押圧力の校正は、第2の導体層の上に第2の絶縁膜を有する第2の基板を用い、上記第2の絶縁膜上に上記測定部材の導体バンプを接触させることにより行なわれることを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  13. 請求項11記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記押圧力の校正は、上記第2の絶縁膜の特性を評価することにより行なわれることを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  14. 請求項13記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記第2の絶縁膜の評価は、上記第2の絶縁膜のリーク電流を検出することにより行なわれることを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  15. 請求項11〜14のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記ステップ(c)の後で、上記導体バンプと上記絶縁膜とを非接触状態にした後、上記測定用部材と上記基板とを相対的に移動させるステップ(e)をさらに含み、
    上記ステップ(e)から上記ステップ(d)までの操作を複数回繰り返すことを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  16. 請求項1〜15のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記ステップ(a)の前に、上記各導体バンプの大きさを個別に格納したデータベースを用意するステップ(f)をさらに含み、
    上記ステップ(c)では、上記データベースから各導体バンプの大きさのデータを取りだし、上記各導体バンプの個々の大きさに基づいて上記絶縁膜の特性又は寸法を評価することを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  17. 請求項1〜15のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記ステップ(a)の前に、上記各導体バンプの大きさのデータから上記ステップ(b)における各導体バンプの変形を予測して、各導体バンプの変形による導体バンプ−絶縁膜間の接触面積を個別に格納したデータベースを用意するステップ(g)をさらに含み、
    上記ステップ(c)では、上記データベースから各導体バンプの絶縁膜との間における接触面積のデータを取りだし、上記各導体バンプの接触面積に基づいて上記絶縁膜の特性又は寸法を評価することを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  18. 請求項17記載の絶縁膜の評価方法において、
    上記ステップ(g)では、上記測定用部材と上記基板との間に上記複数の導体バンプの少なくとも一部が塑性変形するように押圧力を加えた後、押圧力を除去してから上記各導体バンプの塑性変形後の上面の面積を測定し、この面積から上記ステップ(b)における各導体バンプの変形を予測することを特徴とする絶縁膜の評価方法。
  19. 基板内の導体層の上に設けられた絶縁膜の特性又は寸法を評価するための絶縁膜の評価装置であって、
    少なくとも1つの導体バンプとこれに接続される配線とを有する測定用部材と、
    上記導体バンプと上記絶縁膜との相対的な押圧力を所定範囲内に調整するための押圧力調整手段とを備え、
    上記絶縁膜の評価を行う時は、上記導体バンプと上記絶縁膜とが接触していることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  20. 請求項19記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記基板又は測定用部材を横方向に移動させるための移動手段をさらに備えていることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  21. 請求項19記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記基板又は測定用部材を相対的に回転させるための移動手段をさらに備えていることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  22. 請求項19〜21のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記押圧力調整手段は、上記基板と上記測定用部材との間の空間の圧力を減圧する機構を有することを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  23. 請求項19〜22のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記導体バンプは、上記絶縁膜よりも硬さが小さい材料により構成されていることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  24. 請求項19〜23のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記導体バンプの寸法は、上記押圧力による上記導体バンプと上記絶縁膜との接触面積が所定値範囲内に収まるように設定されていることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  25. 請求項19〜24のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記各導体バンプの寸法を個別に記憶する記憶部と、
    上記絶縁膜の特性又は寸法を上記各導体バンプの寸法に基づいて演算処理する演算部とをさらに備えていることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  26. 基板内の導体層の上に設けられた絶縁膜の特性を評価するための絶縁膜の評価装置であって、
    少なくとも1つの導体バンプとこれに接続される配線と特性の評価に用いないダミーバンプとを有する測定用部材と、
    上記導体バンプと上記絶縁膜との相対的な押圧力を所定範囲内に調整するための押圧力調整手段とを備え、
    上記絶縁膜の評価を行う時は、上記導体バンプと上記絶縁膜とが接触していることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  27. 請求項26記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記押圧力調整手段は、上記基板と上記測定用部材との間の空間の圧力を減圧する機構を有することを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  28. 請求項26又は27記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記導体バンプは、上記絶縁膜よりも硬さが小さい材料により構成されていることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  29. 請求項26〜28のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記導体バンプ及びダミーバンプの寸法は、上記押圧力による上記導体バンプと上記絶縁膜との接触面積が所定範囲内に収まるように設定されていることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  30. 半導体基板上に設けられた絶縁膜の特性を評価するための絶縁膜の評価装置であって、
    基端で固定され、先端部の下面に少なくとも1つの導体バンプを搭載した少なくとも1つのカンチレバーと、上記導体バンプに接続される配線とを有する測定用部材と、
    上記カンチレバーの変位量により、上記導体バンプと上記絶縁膜との相対的な押圧力を所定範囲内に調整するための押圧力調整手段とを備え、
    上記絶縁膜の評価を行う時は、上記導体バンプと上記絶縁膜とが接触していることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  31. 請求項30記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記押圧力調整手段は、上記基板と上記測定用部材との間の空間の圧力を減圧する機構を有することを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  32. 請求項30又は31記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記導体バンプは、上記絶縁膜よりも硬さが小さい材料により構成されていることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  33. 請求項30〜32のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記導体バンプの寸法は、上記押圧力による上記導体バンプと上記絶縁膜との接触面積が所定範囲内に収まるように設定されていることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  34. 基板内の導体層の上に設けられた絶縁膜の特性を評価するための絶縁膜の評価装置であって、
    少なくとも1つの導体バンプと上記導体バンプに接続される配線とを有する測定用部材と、
    基端で回動自在に支持された棹状部材と、
    上記棹状部材先端の上記絶縁膜表面に沿った移動量を検出する移動量検出手段と、
    上記移動量検出手段の検出値に応じて、上記導体バンプと上記絶縁膜との押圧力を所定範囲内に調整するための押圧力調整手段とを備え、
    上記絶縁膜の評価を行う時は、上記導体バンプと上記絶縁膜とが接触していることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  35. 請求項34記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記移動量検出手段は、上記棹状部材の先端の移動量を光学的に検出するように構成されていることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  36. 請求項34又は35記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記押圧力調整手段は、上記基板と上記測定用部材との間の空間の圧力を減圧する機構を有することを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  37. 請求項34〜36のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記導体バンプは、上記絶縁膜よりも硬さが小さい材料により構成されていることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  38. 請求項34〜37のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記導体バンプの寸法は、上記押圧力による上記導体バンプと上記絶縁膜との接触面積が所定範囲内に収まるように設定されていることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  39. 半導体基板の上に設けられた絶縁膜の特性を評価するための絶縁膜の評価装置であって、
    少なくとも1つの導体バンプと上記導体バンプに接続される配線とを有する測定用部材と、
    上記導体バンプと上記絶縁膜との相対的な押圧力を所定範囲内に調整するための押圧力調整手段と、
    上記半導体基板の裏面上の絶縁膜を破壊して半導体基板の裏面に接するように構成された導体突起部を備えた基板ステージとを備え、
    上記絶縁膜の評価を行う時は、上記導体バンプと上記絶縁膜とが接触していることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  40. 請求項39記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記導体突起部は、レニウム,ロジウム,ニッケル,タングステン及びタンタルのうち少なくともいずれか1つを含む材料により構成されていることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  41. 請求項39又は40記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記押圧力調整手段は、上記半導体基板と上記測定用部材と間の空間の圧力を減圧する機構を有することを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  42. 請求項39〜41のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記導体バンプは、上記絶縁膜よりも硬さが小さい材料により構成されていることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
  43. 請求項39〜41のうちいずれか1つに記載の絶縁膜の評価装置において、
    上記導体バンプの寸法は、上記押圧力による上記導体バンプと上記絶縁膜との接触面積が所定範囲内に収まるように設定されていることを特徴とする絶縁膜の評価装置。
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