JP3683065B2

JP3683065B2 - Pneumatic radial tire

Info

Publication number: JP3683065B2
Application number: JP03153797A
Authority: JP
Inventors: 紳也張替; 督今宮
Original assignee: Yokohama Rubber Co Ltd
Current assignee: Yokohama Rubber Co Ltd
Priority date: 1997-02-17
Filing date: 1997-02-17
Publication date: 2005-08-17
Anticipated expiration: 2017-02-17
Also published as: JPH10226204A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気入りラジアルタイヤに関し、さらに詳しくは、高速耐久性及び生産性を向上すると共に、操縦安定性を損なうことなく軽量化を可能にする空気入りラジアルタイヤに関する。
【０００２】
【従来の技術】
ベルト層をスチールコードから構成している従来の空気入りラジアルタイヤは、その一例を示すと図１１のように構成されている。この図１１では、カーカス層６が一方のビード部からトレッド部３及びサイド部４を経て他方のビード部にわたって装架されており、ビード部においてカーカス層６の端部がビードコア５の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。トレッド部３におけるカーカス層６の外側には、スチールコードからなる２層構造のベルト層７がタイヤ１周にわたって環状に配置されている。これらベルト層７において、スチールコードはタイヤ周方向ＥＥ’に対して傾斜し、かつ層間で互いに交差するようになっている。
【０００３】
上述のような空気入りラジアルタイヤのベルト層を形成する場合は、予め複数本の引き揃えられたスチールコードをカレンダー工程に掛けて未加硫ゴムをゴム引きして帯状のシート材にし、このゴム引きシート材をタイヤ周方向に対するコード角度が１０°〜４０°になるようにベルト相当幅にバイアスに切断した後、それら裁断片をタイヤサイズに応じて複数枚をタイヤ周方向に必要な周長になるように継ぎ合わせている。
【０００４】
しかるに、このようにして形成されるベルト層のタイヤ幅方向両端にはスチールコードの切断端面が存在し、タイヤ走行時にその切断端面に応力が集中してゴムとスチールコードとの間にセパレーションが生ずることが避けられなかった。しかも、このセパレーションは走行速度が上がるほど顕著に顕れるため、切断端面の存在によって高速耐久性が劣るといった問題があった。また、スチールコードは比重が大きいためタイヤ重量を大きくする欠点があり、かつベルト層を形成するには、上述のようにカレンダー工程を経てシート材をバイアスに切断し、その裁断片を継ぎ合わせるなど多数の工程があるため、これが生産性を低下させる要因になっていた。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高速耐久性を向上すると共に、操縦安定性を損なうことなく軽量化を図ることを可能にし、かつ高い生産性で製造することを可能にする空気入りラジアルタイヤを提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の空気入りラジアルタイヤは、トレッド部におけるカーカス層の外側にベルト層を配置した空気入りラジアルタイヤにおいて、単一のスチールフィラメント又は複数本が撚り合わされたスチールフィラメント群からなる複数本のスチール補強素子を長手方向に対して螺旋状に折り返して横断面が偏平であると共に該偏平横断面の長径が３〜６０ｍｍである偏平スチールコードを、前記カーカス層の外周に複数回にわたり連続的に面状になるように巻き付けて前記ベルト層を形成したことを特徴とするものである。
【０００７】
このように複数本のスチール補強素子からなる長径が３〜６０ｍｍの偏平スチールコードをカーカス層の外側にタイヤ周方向に連続的に複数回巻き付けてベルト層を形成したことにより、ベルト層のタイヤ幅方向両端にスチールコードの切断端面が存在しないので、その両端部でゴムとコードとの間にセパレーションを生じにくくなって高速耐久性が向上する。特に、前記偏平スチールコードの巻き始め端と巻き終わり端とをベルト層のタイヤ幅方向両端以外の内側領域に位置させた場合には、偏平スチールコードの切断端を起点としてベルト層の層間にセパレーションを生じることがないから、高速耐久性がいっそう良好となる。
【０００８】
また、ベルト層の幅方向両端に切断端面が無く偏平スチールコードがタイヤ周方向に連続しているためタイヤの横剛性が高められ、それによってスチール補強素子の使用量を削減可能であるので、操縦安定性を損なうこと無く軽量化を図り、さらにはコスト削減を可能にする。しかも、上記偏平スチールコードをタイヤ周方向に複数回巻き付けることにより、ベルト層において幅方向の一端から他端にわたるスプライス部が存在しないので、ベルト層のタイヤ周方向の剛性に大きな段差を生じないから、タイヤのユニフォミティーが高まり、乗心地性が向上するという作用効果も奏する。
【０００９】
更に、従来のようにカレンダー工程や切断工程等の複雑かつ多数の工程を経てベルト層を形成する必要はなく、上記偏平スチールコードを連続的に巻き付けることによりベルト層が形成されるので、タイヤの生産性を高めることが可能である。
【００１０】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。
図８は、本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを例示するものである。図８において、カーカス層６が一方のビード部からトレッド部３及びサイド部４を経て他方のビード部にわたって装架されており、ビード部においてカーカス層６の端部がビードコア５の廻りにタイヤ内側から外側に折り返されて巻き上げられている。トレッド部３におけるカーカス層６の外側には、偏平横断面における長径が３〜６０ｍｍの偏平スチールコード１からなるベルト層７がタイヤ１周にわたって環状に配置されている。
【００１１】
ベルト層７は、図１に示す横断面偏平形状の偏平スチールコード１をカーカス層６の外側にその偏平面を沿わせるようにベルト層幅に相当する幅にわたってタイヤ周方向ＥＥ’に向けて螺旋状に連続的に複数回巻き付けることにより形成されている。この偏平スチールコード１は、複数本のスチール補強素子２（フィラメント又は撚りコード）を互いに平行にエラストマー（ゴム）に埋設してなるテープを連続的に螺旋状に巻回して筒状体とし、この筒状体をその長手方向に沿って押し潰して偏平筒形の横断面にすることにより形成することができる。
【００１２】
また、この偏平スチールコードの作り方としては、筒状のエラストマーチューブを形成可能なチューバー（押出装置）に、所定本数のスチール補強素子を挿入可能な回転ダイスを組み合わせた装置を用いて、筒状に押し出されようとするエラストマーチューブ中に、ダイスを回転させながら複数本のスチール補強素子を螺旋状に挿入したチューブを形成し、このチューブをローラー等で押し潰すことにより偏平スチールコードを形成することも可能である。
【００１３】
偏平スチールコードは、必ずしも上記のようにエラストマー被覆のスチール補強素子が螺旋巻きされた筒状体をベースにして形成されている必要はなく、複数本のスチール補強素子を互いに一方向に撚り合わせて１×Ｎ構造（但し、スチール補強素子が１×ｎ構造の撚り構造の場合はＮ×ｎ構造）の撚りコードにし、この撚りコードの補強素子を押し潰して偏平化させることにより、コードが長手方向に対して螺旋状に折り返す偏平横断面を持つ偏平スチールコードを用いてもよい。そして、得られた偏平スチールコードは、エラストマーに被覆されていない状態、或いはエラストマーに被覆された状態でタイヤ周方向に巻回されてベルト層を形成する。
【００１４】
スチール補強素子としては、単一のスチールフィラメントであってもよく、或いは複数本が撚り合わされたスチールフィラメント群（すなわち、撚りコード）であってもよい。また、上記エラストマーとしては、ゴムに限定されることはなく、ポリウレタン等の弾性合成重合体を用いることができる。
上述のように複数本のスチール補強素子２からなり、横断面の長径が３〜６０ｍｍの偏平スチールコード１をカーカス層６の外側にタイヤ周方向に連続的に複数回巻き付けてベルト層７を形成したことにより、ベルト層７はタイヤ幅方向両端にコードの切断端面を持たないので、その両端部でセパレーションを生じにくくなって高速耐久性が向上する。
【００１５】
また、偏平スチールコード１がベルト層７の幅方向両端に切断端面を形成せずにタイヤ周方向に連続しているためタイヤの横剛性が高められ、それによってスチール補強素子２の使用量が削減可能になるので、操縦安定性を損なうこと無く軽量化を図ることができる。しかも、タイヤ周方向にベルト層７のスプライス部は存在せず、連続的に巻き付けられた偏平スチールコード１の始端と終端との切断端が存在するだけであるのでタイヤ周方向の剛性に大きな段差を生じることがないから、タイヤのユニフォミティーが高まり、乗心地性を向上することができる。
【００１６】
更に、ベルト層７は、偏平スチールコード１を連続的に巻き付けることにより形成されるので、従来のようにカレンダー工程や切断工程等の複雑かつ多数の工程を経てベルト層を形成する必要はなく、タイヤの生産性を高めることが可能である。
【００１７】
本発明において、偏平スチールコードの横断面における長径Ｗは、３〜６０ｍｍにする必要があり、さらに好ましくは５〜３０ｍｍにする。この偏平スチールコードの長径Ｗが３ｍｍ未満では幅が狭すぎてタイヤの生産性が低下することになり、逆に６０ｍｍを超えると偏平スチールコードの端末部の幅が長くなりすぎるのでタイヤユニフォミティーや高速耐久性が低下してしまう。
【００１８】
偏平スチールコードの横断面における長径Ｗと短径Ｄとの偏平比Ｗ／Ｄは、１．５〜２００にすることが好ましく、さらに好ましくは３〜１００にする。この偏平比Ｗ／Ｄが１．５未満であると、偏平スチールコードの面方向の剪断力に対する抗力が不十分になってしまう。偏平比Ｗ／Ｄの上限値は、長径Ｗとスチール補強素子の太さによって決まるものである。また、偏平スチールコードの長手方向に対するスチール補強素子の傾斜角度（螺旋角度）αは、５°〜４５°にすることが好ましい。このスチール補強素子の傾斜角度αが５°未満であると操縦安定性が低下し、逆に４５°を超えると高速耐久性が低下してしまう。
【００１９】
スチール補強素子としては、前述したように単一のスチールフィラメントだけで構成されていてもよく、或いは複数本のスチールフィラメントを互いに撚り合わせた撚りコード（フィラメント群）を使用するようにしてもよい。これらフィラメントとしては、素線径が０．１０〜０．４０ｍｍのものを使用することが好ましい。
【００２０】
偏平スチールコードは、その１本当たりの横断面に存在するスチールフィラメントの本数を１２〜１０００本にすることが好ましく、より好ましくは１５〜５００本、さらに好ましくは２０〜１００本にするのがよい。このようにスチールフィラメントの本数を１２本以上に多くすることにより、補強素子としての強度を保ちながら上記機能を備えた偏平スチールコードを形成することが可能になる。スチールフィラメントの本数の上限値は、偏平スチールコードの横断面における長径Ｗとフィラメントの太さによって決まるものである。なお、スチールフィラメントとしては、直線状のものに限らず、予め波状又はスパイラル状に型付けを施したものを用いるようにしてもよい。また、スチール補強素子を単一のスチールフィラメントから構成する場合は、スチールフィラメント群から構成する場合のような撚り工程を省略することができるので、製造コストの削減に有利である。
【００２１】
一方、スチール補強素子を複数本のスチールフィラメントを互いに撚り合わせた撚りコード（フィラメント群）から構成する場合、偏平スチールコードの横断面における撚りコードの本数を１０〜２００本にすることが好ましく、かつ各撚りコードにおけるスチールフィラメントの本数を２〜６本にすることが好ましい。このように撚りコードの本数を１０本以上に多くすることにより、補強素子としての強度を保ちながら上記機能を備えた偏平スチールコードを形成することが可能になる。撚りコードの本数の上限値は、偏平スチールコードの横断面における長径Ｗと撚りコードの太さによって決まるものである。なお、各撚りコードにおけるコード構造は特に限定されることはないが、好ましくは１×ｎ（ｎ：フィラメント本数）の撚り構造にするのがよい。
【００２２】
偏平スチールコード１をカーカス層６の外側にベルト相当幅にわたって螺旋状に連続的に複数回巻き付けてベルト層７を形成するに当たっては、図２に示すようにベルト層７の幅方向の一端の巻き始め端ａから幅方向他端の巻き終わり端ｂまで偏平スチールコード１を巻き、全体として１層のベルト層７が形成されるようにすればよい。また、ベルト層７の耐久性や剛性をさらに高めるために、図３〜図７に示すように、偏平スチールコード１の巻き始め端ａと巻き終わり端ｂとをベルト層７の幅方向両端以外の内側領域に位置させると本発明の効果をいっそう高めることができる。
【００２３】
図３では、ベルト層７の幅方向一端部の巻き始め端ａから幅方向他端部の巻き終わり端ｂまで偏平スチールコード１を巻き、両端部で２層、中央部で１層の積層形態にする。図４では、ベルト層７の中央部の巻き始め端ａから中央部の巻き終わり端ｂまで偏平スチールコード１を巻き、ベルト層７の全幅にわたって２層の積層形態にする。図５では、ベルト層７の幅方向一端部の巻き始め端ａから幅方向他端部の巻き終わり端ｂまで偏平スチールコード１を巻き、両端部で４層、中央部で３層の積層形態にする。
【００２４】
図６では、ベルト層７の幅方向一端部の巻き始め端ａから中央部の巻き終わり端ｂまで偏平スチールコード１を巻き、一端部で２層、他端部から中央部にわたって２層の積層形態にする。図７では、ベルト層７の両端部の巻き始め端ａから中央部の巻き終わり端ｂに向けてそれぞれ偏平スチールコード１を巻き、両端部で２層、中央部で１層の積層形態にする。
【００２５】
このように偏平スチールコード１を巻き付けるに際しては、偏平スチールコード１の相互に隣接する側部同士を突き合わせるか、若干重ね合わせて（−５ｍｍ程度以内）段差付きとするか、或いは若干間隔を開ける（＋５ｍｍ程度以内）などすればよい。
【００２６】
図９は、本発明の他の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを例示するものである。図９では、前述の図８と同様に、トレッド部３におけるカーカス層６の外側には、横断面における長径が３〜６０ｍｍの偏平スチールコード１からなるベルト層７がタイヤ１周にわたって環状に配置されている。
【００２７】
図９のベルト構造においては、図１０のように偏平スチールコード１をベルト相当幅にわたってタイヤ幅方向に周期的に振幅させ、両端部で中央側へ折り曲げながらタイヤ周方向に巻き付けることにより、偶数層のベルト層７が形成されている。この場合、ベルト層７は２層に限らず、４層或いはそれ以上の層数であってもよい。また、このベルト構造においても、偏平スチールコード１の巻き始め端と巻き終わり端とをベルト層７の幅方向両端以外の内側領域に配置するようにすれば、本発明の効果をいっそう高めることができる。
【００２８】
上述した本発明の空気入りラジアルタイヤは、乗用車用空気入りラジアルタイヤとしては勿論であると共に、例えば高速耐久性が問題とされるトラック・バス用空気入りスチールラジアルタイヤや航空機用空気入りラジアルタイヤとして適用することが可能である。
【００２９】
【実施例】
タイヤサイズを１９５／６０Ｒ１４とし、ベルト層以外の他のタイヤ構造及び寸法を共通にし、ベルト構造だけを下記のように異ならせた従来タイヤ、比較タイヤ及び本発明タイヤ１〜３を製作した。
【００３０】
従来タイヤ
ベルト構造：スチールコードがタイヤ周方向に対して傾斜し、かつ層間で互いに交差するように２枚のベルト層を配置することにより、両端部にコードの切断破面を有する所謂ステップタイプの２プライ構造にした。
【００３１】
ベルト層を構成するスチールコード：１×４×０．２５ＨＴ
エンド数：４０本／５ｃｍ
スチールコードの傾斜角度：２５°
【００３２】
比較タイヤ
ベルト構造：アラミドコード（補強素子）が螺旋状に折り返すように横断面偏平筒形のゴムマトリックス中に埋設された偏平アラミドコードを、タイヤ周方向に螺旋状に複数回巻き付けて２層のベルト層を形成した。
【００３３】
アラミドコード（補強素子）：１５００Ｄ，４６×４６
偏平アラミドコードの長径Ｗ×短径Ｄ：２０ｍｍ×３．０ｍｍ
偏平アラミドコード当たりの補強素子の本数：４０本
偏平アラミドコードにおけるコード長手方向に対する
補強素子の傾斜角度（螺旋角度）α：２５°
【００３４】
本発明タイヤ１
ベルト構造：スチール補強素子が螺旋状に折り返すように横断面偏平筒形のゴムマトリックス中に埋設された偏平スチールコードをタイヤ周方向に螺旋状に複数回巻き付けて１層のベルト層を形成した。
【００３５】
スチール補強素子：１×４×０．２５ＨＴ
偏平スチールコードの長径Ｗ×短径Ｄ：２０ｍｍ×２．４ｍｍ
偏平スチールコード当たりの補強素子の本数：３２本
偏平スチールコードにおけるコード長手方向に対する
補強素子の傾斜角度（螺旋角度）α：２５°
【００３６】
本発明タイヤ２
ベルト構造：スチール補強素子が螺旋状に折り返すように横断面偏平筒形のゴムマトリックス中に埋設された偏平スチールコードをタイヤ周方向に螺旋状に複数回巻き付けて２層のベルト層を形成した。
【００３７】
スチール補強素子：１×１×０．２５ＨＴ
偏平スチールコードの長径Ｗ×短径Ｄ：２０ｍｍ×１．２ｍｍ
偏平スチールコード当たりの補強素子の本数：４８本
偏平スチールコードにおけるコード長手方向に対する
補強素子の傾斜角度（螺旋角度）α：２５°
【００３８】
本発明タイヤ３
ベルト構造：スチール補強素子が螺旋状に折り返すように横断面偏平筒形のゴムマトリックス中に埋設された偏平スチールコードをタイヤ１周当たり３回のピッチでタイヤ幅方向に振幅させつつ、タイヤ周方向に複数回巻き付けて２層のベルト層を形成した。
【００３９】
スチール補強素子：１×１×０．２５ＨＴ
偏平スチールコードの長径Ｗ×短径Ｄ：２０ｍｍ×１．２ｍｍ
偏平スチールコード当たりの補強素子の本数：４８本
偏平スチールコードにおけるコード長手方向に対する
補強素子の傾斜角度（螺旋角度）α：２５°
これら試験タイヤについて、下記の試験方法により、重量、高速耐久性、操縦安定性、生産性を評価し、その結果を表１に示した。
【００４０】
重量：
各試験タイヤの重量を測定し、従来タイヤを１００とする指数で示した。この指数値が小さいほど軽量である。
【００４１】
高速耐久性：
各試験タイヤをリムサイズ１４×５１／２ＪＪのリムに組み付け、空気圧１．９ｋｇ／ｃｍ²、荷重５００ｋｇの条件にてドラム径１７０７ｍｍのドラム上でＪＡＴＭＡ高速耐久性試験を行い、試験終了後に１０ｋｍ／ｈｒ毎に加速してタイヤが破壊したときの速度を求めた。その結果は、従来タイヤを１００とする指数にて示した。この指数値が大きいほど高速耐久性が優れている。
【００４２】
操縦安定性：
各試験タイヤをリムサイズ１４×５１／２ＪＪのリムに組み付け、空気圧１．９ｋｇ／ｃｍ²、荷重５００ｋｇの条件にて国産２．０リットルクラスの乗用車に装着し、実車走行によるフィーリングテストを行った。フィーリングテストは、乗用車を車幅方向に６回移動させることによりテストパネラーが操舵フィーリングを評価した。その評価結果は、従来タイヤを１００とする指数で示した。この指数値が大きいほど操縦安定性が優れている。
【００４３】
生産性：
各試験タイヤについて、単位時間当たりに生産されるタイヤの本数を求め、従来タイヤを１００とする指数で示した。この指数値が大きいほど生産性が高いことを示す。
【００４４】

【００４５】
この表１から明らかなように、本発明タイヤ１〜３は、いずれも従来タイヤに比べて高速耐久性及び生産性が優れていると共に、操縦安定性を損なうことなく軽量化されていた。一方、比較タイヤは、従来タイヤに比べて操縦安定性が損なわれていた。
【００４６】
次に、上述の本発明タイヤ２において、偏平スチールコードの長径Ｗだけを異ならせた本発明タイヤ４〜７（偏平スチールコード１本当たりの補強素子の本数は長径Ｗに比例）を製作し、上記と同様の評価を行い、その結果を表２に示した。
【００４７】

【００４８】
この表２から明らかなように、本発明タイヤ４〜７において、生産性は偏平スチールコードの長径Ｗに比例して向上し、高速耐久性は長径Ｗに反比例して向上していた。すなわち、高速耐久性及び生産性を同時に向上させるには、偏平スチールコードの長径Ｗを３〜６０ｍｍの範囲に設定することが必要であった。
【００４９】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、単一のスチールフィラメント又は複数本が撚り合わされたスチールフィラメント群からなる複数本のスチール補強素子を長手方向に対して螺旋状に折り返して横断面が偏平であると共に該偏平横断面の長径が３〜６０ｍｍである偏平スチールコードを、カーカス層の外周に複数回にわたり連続的に面状になるように巻き付けてベルト層を形成したから、コードの切断端面を持たないベルト層によって高速耐久性を向上すると共に、操縦安定性を損なうことなく軽量化を図ることが可能になる。
【００５０】
また、本発明によれば、従来のようにカレンダー工程や切断工程等の複雑かつ多数の工程を経てベルト層を形成する必要はなく、偏平スチールコードをタイヤ周方向に連続的に巻き付けることによりベルト層が形成されるので、空気入りラジアルタイヤの生産性を大幅に高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明においてベルト層を形成する偏平スチールコードの一例を示す斜視図である。
【図２】本発明におけるベルト層の一例を示すタイヤ子午線方向断面図である。
【図３】本発明におけるベルト層の一例を示すタイヤ子午線方向断面図である。
【図４】本発明におけるベルト層の一例を示すタイヤ子午線方向断面図である。
【図５】本発明におけるベルト層の一例を示すタイヤ子午線方向断面図である。
【図６】本発明におけるベルト層の一例を示すタイヤ子午線方向断面図である。
【図７】本発明におけるベルト層の一例を示すタイヤ子午線方向断面図である。
【図８】本発明の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを例示する一部切り欠き斜視断面図である。
【図９】本発明の他の実施形態からなる空気入りラジアルタイヤを例示する子午線方向断面図である。
【図１０】図９のタイヤのベルト層の製造工程を示す斜視説明図である。
【図１１】従来の空気入りラジアルタイヤを例示する一部切り欠き斜視断面図である。
【符号の説明】
１偏平スチールコード
２スチール補強素子
３トレッド部
６カーカス層
７ベルト層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a pneumatic radial tire, and more particularly to a pneumatic radial tire that improves high-speed durability and productivity, and enables weight reduction without impairing steering stability.
[0002]
[Prior art]
An example of a conventional pneumatic radial tire having a belt layer made of steel cord is shown in FIG. In FIG. 11, the carcass layer 6 is mounted from one bead portion to the other bead portion via the tread portion 3 and the side portion 4, and the end portion of the carcass layer 6 is around the bead core 5 in the bead portion. It is folded back from the inside to the outside. On the outer side of the carcass layer 6 in the tread portion 3, a belt layer 7 having a two-layer structure made of a steel cord is annularly arranged over the circumference of the tire. In these belt layers 7, the steel cords are inclined with respect to the tire circumferential direction EE ′ and intersect each other between the layers.
[0003]
When forming a belt layer for a pneumatic radial tire as described above, a plurality of pre-aligned steel cords are subjected to a calendering process, and unvulcanized rubber is rubberized to form a belt-like sheet material. After the draw sheet material is cut to a bias equivalent to the belt width so that the cord angle with respect to the tire circumferential direction is 10 ° to 40 °, a plurality of these cut pieces are required in the tire circumferential direction according to the tire size. Are joined together.
[0004]
However, there are cut end faces of the steel cord at both ends in the tire width direction of the belt layer formed in this way, and stress is concentrated on the cut end face during tire running, and separation occurs between the rubber and the steel cord. It was inevitable. Moreover, since this separation becomes more prominent as the traveling speed increases, there is a problem that high-speed durability is inferior due to the presence of the cut end face. Steel cords have the disadvantage of increasing the tire weight due to their large specific gravity, and in order to form a belt layer, the sheet material is cut into a bias through the calendar process as described above, and the cut pieces are joined together. Since there are many processes, this has been a factor in reducing productivity.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
It is an object of the present invention to provide a pneumatic radial tire that improves high-speed durability, enables weight reduction without impairing steering stability, and enables production with high productivity. It is in.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, a pneumatic radial tire of the present invention is a pneumatic radial tire in which a belt layer is disposed outside a carcass layer in a tread portion, and a steel filament group in which a single steel filament or a plurality of strands are twisted together. A plurality of flat steel cords having a flat cross section and a major axis of 3 to 60 mm are folded on the outer circumference of the carcass layer. The belt layer is formed by continuously winding the belt layer so as to have a planar shape.
[0007]
By forming a belt layer by continuously winding a flat steel cord having a major axis of 3 to 60 mm made of a plurality of steel reinforcing elements around the carcass layer a plurality of times in the tire circumferential direction, the tire width of the belt layer Since there is no cut end surface of the steel cord at both ends in the direction, separation between the rubber and the cord hardly occurs at both ends, and high-speed durability is improved. In particular, when the winding start end and the winding end end of the flat steel cord are positioned in the inner region other than both ends of the belt layer in the tire width direction, the separation between the belt layer layers starts from the cut end of the flat steel cord. Therefore, high speed durability is further improved.
[0008]
In addition, since the flat steel cord is continuous in the tire circumferential direction with no cut end faces at both ends in the width direction of the belt layer, the lateral rigidity of the tire is increased, thereby reducing the amount of steel reinforcing elements used. It is possible to reduce the weight without sacrificing stability and to further reduce the cost. In addition, by winding the flat steel cord a plurality of times in the tire circumferential direction, there is no splice portion extending from one end to the other end in the width direction in the belt layer, so there is no significant step in the rigidity of the belt layer in the tire circumferential direction. In addition, the tire uniformity is improved and the riding comfort is improved.
[0009]
Further, it is not necessary to form a belt layer through complicated and numerous processes such as a calender process and a cutting process as in the prior art, and the belt layer is formed by continuously winding the flat steel cord. Productivity can be increased.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the configuration of the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
FIG. 8 illustrates a pneumatic radial tire according to an embodiment of the present invention. In FIG. 8, the carcass layer 6 is mounted from one bead portion to the other bead portion via the tread portion 3 and the side portion 4, and the end portion of the carcass layer 6 around the bead core 5 in the bead portion is inside the tire. It is folded back and rolled up. On the outer side of the carcass layer 6 in the tread portion 3, a belt layer 7 made of a flat steel cord 1 having a long diameter in a flat cross section of 3 to 60 mm is annularly arranged over the circumference of the tire.
[0011]
The belt layer 7 is formed by spiraling the flat steel cord 1 having a flat cross section shown in FIG. 1 toward the tire circumferential direction EE ′ over a width corresponding to the width of the belt layer so that the flat surface extends along the outside of the carcass layer 6. It is formed by winding a plurality of times in a continuous manner. The flat steel cord 1 is a cylindrical body formed by continuously winding a tape in which a plurality of steel reinforcing elements 2 (filaments or twisted cords) are embedded in an elastomer (rubber) in parallel to each other, spirally. It can be formed by crushing the cylindrical body along its longitudinal direction to obtain a flat cylindrical cross section.
[0012]
In addition, as a method of making this flat steel cord, a tube (extruder) capable of forming a cylindrical elastomer tube is combined with a rotating die capable of inserting a predetermined number of steel reinforcing elements into a cylindrical shape. A flat steel cord can be formed by forming a tube in which a plurality of steel reinforcing elements are spirally inserted while rotating a die in an elastomer tube to be extruded, and crushing the tube with a roller or the like. Is possible.
[0013]
The flat steel cord does not necessarily have to be formed on the basis of a cylindrical body in which an elastomer-coated steel reinforcing element is spirally wound as described above, and a plurality of steel reinforcing elements are twisted in one direction to each other. The cord becomes longer by flattening it by flattening the reinforced element of the twisted cord into a twisted cord of 1 × N structure (however, if the steel reinforcing element is a twisted structure of 1 × n structure) A flat steel cord having a flat cross section folded back spirally with respect to the direction may be used. Then, the obtained flat steel cord is wound in the tire circumferential direction in a state where it is not covered with an elastomer or is covered with an elastomer to form a belt layer.
[0014]
The steel reinforcing element may be a single steel filament or a group of steel filaments in which a plurality of strands are twisted (that is, a twisted cord). The elastomer is not limited to rubber, and an elastic synthetic polymer such as polyurethane can be used.
As described above, a belt layer 7 is formed by continuously winding a flat steel cord 1 composed of a plurality of steel reinforcing elements 2 and having a cross-sectional major axis of 3 to 60 mm around the outer side of the carcass layer 6 in the tire circumferential direction. As a result, the belt layer 7 does not have the cut end faces of the cords at both ends in the tire width direction, so that separation is unlikely to occur at both ends, improving high-speed durability.
[0015]
Further, since the flat steel cord 1 is continuous in the tire circumferential direction without forming cut end faces at both ends in the width direction of the belt layer 7, the lateral rigidity of the tire is increased, thereby reducing the amount of use of the steel reinforcing element 2. Since it becomes possible, weight reduction can be achieved without impairing steering stability. Moreover, there is no splice portion of the belt layer 7 in the tire circumferential direction, and there is only a cut end between the start end and the end of the flat steel cord 1 that is continuously wound. Therefore, tire uniformity is improved and riding comfort can be improved.
[0016]
Furthermore, since the belt layer 7 is formed by continuously winding the flat steel cord 1, it is not necessary to form the belt layer through a complicated and numerous processes such as a calendar process and a cutting process as in the prior art. It is possible to increase tire productivity.
[0017]
In the present invention, the major axis W in the cross section of the flat steel cord needs to be 3 to 60 mm, more preferably 5 to 30 mm. If the long diameter W of this flat steel cord is less than 3 mm, the width will be too narrow and the tire productivity will be reduced. Conversely, if it exceeds 60 mm, the width of the end portion of the flat steel cord will be too long. High-speed durability is reduced.
[0018]
The flatness ratio W / D between the long diameter W and the short diameter D in the cross section of the flat steel cord is preferably 1.5 to 200, more preferably 3 to 100. When the flatness ratio W / D is less than 1.5, the resistance against the shearing force in the surface direction of the flat steel cord becomes insufficient. The upper limit value of the flatness ratio W / D is determined by the major axis W and the thickness of the steel reinforcing element. In addition, the inclination angle (spiral angle) α of the steel reinforcing element with respect to the longitudinal direction of the flat steel cord is preferably 5 ° to 45 °. If the inclination angle α of the steel reinforcing element is less than 5 °, the steering stability is lowered, and conversely if it exceeds 45 °, the high-speed durability is lowered.
[0019]
As described above, the steel reinforcing element may be composed of only a single steel filament, or a twisted cord (filament group) in which a plurality of steel filaments are twisted together may be used. As these filaments, it is preferable to use a filament having a wire diameter of 0.10 to 0.40 mm.
[0020]
In the flat steel cord, the number of steel filaments present in the cross section per piece thereof is preferably 12 to 1000, more preferably 15 to 500, and further preferably 20 to 100. . Thus, by increasing the number of steel filaments to 12 or more, it becomes possible to form a flat steel cord having the above functions while maintaining the strength as a reinforcing element. The upper limit of the number of steel filaments is determined by the major axis W and the thickness of the filament in the cross section of the flat steel cord. In addition, as a steel filament, you may make it use what was previously shape | molded by the wave shape or the spiral shape not only in a linear thing. Further, when the steel reinforcing element is constituted by a single steel filament, the twisting step as in the case of constituting the steel filament group can be omitted, which is advantageous in reducing the manufacturing cost.
[0021]
On the other hand, when the steel reinforcing element is composed of a twisted cord (filament group) in which a plurality of steel filaments are twisted together, the number of twisted cords in the cross section of the flat steel cord is preferably 10 to 200, and The number of steel filaments in each twisted cord is preferably 2-6. Thus, by increasing the number of twisted cords to 10 or more, it becomes possible to form a flat steel cord having the above function while maintaining the strength as a reinforcing element. The upper limit of the number of twisted cords is determined by the long diameter W and the thickness of the twisted cord in the cross section of the flat steel cord. The cord structure in each twisted cord is not particularly limited, but preferably a 1 × n (n: the number of filaments) twisted structure.
[0022]
When forming the belt layer 7 by continuously winding the flat steel cord 1 on the outer side of the carcass layer 6 in a spiral manner over the belt equivalent width, the belt layer 7 is wound at one end in the width direction of the belt layer 7 as shown in FIG. The flat steel cord 1 may be wound from the start end a to the winding end end b at the other end in the width direction so that one belt layer 7 is formed as a whole. Further, in order to further enhance the durability and rigidity of the belt layer 7, as shown in FIGS. 3 to 7, the winding start end a and the winding end b of the flat steel cord 1 other than both ends in the width direction of the belt layer 7 are used. The effect of the present invention can be further enhanced if it is positioned in the inner region.
[0023]
In FIG. 3, the flat steel cord 1 is wound from the winding start end “a” at one end in the width direction of the belt layer 7 to the winding end “b” at the other end in the width direction, and is laminated in two layers at both ends and one layer at the center. To. In FIG. 4, the flat steel cord 1 is wound from the winding start end “a” of the central portion of the belt layer 7 to the winding end end “b” of the central portion, so that two layers are laminated over the entire width of the belt layer 7. In FIG. 5, the flat steel cord 1 is wound from the winding start end “a” at one end in the width direction of the belt layer 7 to the winding end “b” at the other end in the width direction, and is laminated in four layers at both ends and three layers at the center. To.
[0024]
In FIG. 6, the flat steel cord 1 is wound from the winding start end “a” at one end in the width direction of the belt layer 7 to the winding end “b” at the center, and two layers are laminated at one end and from the other end to the center. Form. In FIG. 7, the flat steel cord 1 is wound from the winding start end “a” at both ends of the belt layer 7 toward the winding end “b” at the center, so that two layers are formed at both ends and one layer is formed at the center. .
[0025]
When the flat steel cord 1 is wound in this way, the side portions adjacent to each other of the flat steel cord 1 are abutted with each other, are slightly overlapped (within about −5 mm), have a step, or have a slight gap. (Within about +5 mm).
[0026]
FIG. 9 illustrates a pneumatic radial tire according to another embodiment of the present invention. In FIG. 9, similarly to FIG. 8 described above, a belt layer 7 made of a flat steel cord 1 having a long diameter of 3 to 60 mm in the cross section is arranged in an annular shape around the tire circumference outside the carcass layer 6 in the tread portion 3. Has been.
[0027]
In the belt structure shown in FIG. 9, the flat steel cord 1 is periodically oscillated in the tire width direction over the belt equivalent width as shown in FIG. The belt layer 7 is formed. In this case, the belt layer 7 is not limited to two layers, and may have four or more layers. Also in this belt structure, if the winding start end and winding end end of the flat steel cord 1 are arranged in the inner region other than both ends in the width direction of the belt layer 7, the effect of the present invention can be further enhanced. it can.
[0028]
The pneumatic radial tire of the present invention described above is not only a pneumatic radial tire for passenger cars, but also, for example, as a pneumatic radial tire for trucks and buses and a pneumatic radial tire for aircraft where high-speed durability is a problem. It is possible to apply.
[0029]
【Example】
Conventional tires, comparative tires, and tires 1 to 3 according to the present invention were manufactured with a tire size of 195 / 60R14, other tire structures and dimensions other than the belt layer in common, and only the belt structure varied as described below.
[0030]
Conventional tire Belt structure: By arranging two belt layers so that the steel cord is inclined with respect to the circumferential direction of the tire and intersects with each other, the cord has cut fracture surfaces at both ends. A so-called step type two-ply structure was adopted.
[0031]
Steel cord composing the belt layer: 1 × 4 × 0.25HT
Number of ends: 40 / 5cm
Steel cord inclination angle: 25 °
[0032]
Comparative tire Belt structure: A flat aramid cord embedded in a rubber matrix with a flat cross-sectional cross-section so that the aramid cord (reinforcing element) is spirally folded, and wound in a spiral manner in the tire circumferential direction. Thus, two belt layers were formed.
[0033]
Aramid cord (reinforcing element): 1500D, 46 x 46
Flat aramid cord major axis W x minor axis D: 20 mm x 3.0 mm
Number of reinforcing elements per flat aramid cord: 40 Inclination angle of the reinforcing element with respect to the longitudinal direction of the cord in the flat aramid cord (spiral angle) α: 25 °
[0034]
Invention tire 1
Belt structure: A flat steel cord embedded in a rubber matrix having a cross-sectionally flat cylindrical shape was wound in a spiral shape a plurality of times in the tire circumferential direction so that the steel reinforcing element was folded back in a spiral shape to form one belt layer.
[0035]
Steel reinforcement element: 1 × 4 × 0.25HT
Flat steel cord major axis W x minor axis D: 20 mm x 2.4 mm
Number of reinforcing elements per flat steel cord: 32 Inclination angle of the reinforcing element with respect to the longitudinal direction of the cord in the flat steel cord (helical angle) α: 25 °
[0036]
Invention tire 2
Belt structure: A flat steel cord embedded in a rubber matrix having a cross-sectionally flat cylindrical shape so that the steel reinforcing element was folded back in a spiral shape was wound a plurality of times spirally in the tire circumferential direction to form two belt layers.
[0037]
Steel reinforcement element: 1 × 1 × 0.25HT
Flat steel cord major axis W x minor axis D: 20 mm x 1.2 mm
Number of reinforcing elements per flat steel cord: 48 Inclination angle of the reinforcing element with respect to the longitudinal direction of the cord in the flat steel cord (helical angle) α: 25 °
[0038]
Invention tire 3
Belt structure: The tire circumferential direction while a flat steel cord embedded in a rubber matrix with a cross-sectionally flat cylindrical shape is oscillated at a pitch of 3 times per tire circumference in the tire width direction so that the steel reinforcing element is folded back spirally Was wound a plurality of times to form two belt layers.
[0039]
Steel reinforcement element: 1 × 1 × 0.25HT
Flat steel cord major axis W x minor axis D: 20 mm x 1.2 mm
Number of reinforcing elements per flat steel cord: 48 Inclination angle of the reinforcing element with respect to the longitudinal direction of the cord in the flat steel cord (helical angle) α: 25 °
These test tires were evaluated for weight, high-speed durability, steering stability, and productivity by the following test methods, and the results are shown in Table 1.
[0040]
weight:
The weight of each test tire was measured and indicated by an index with the conventional tire as 100. The smaller the index value, the lighter the weight.
[0041]
High speed durability:
Each test tire was assembled on a rim having a rim size of 14 × 51 / 2JJ, and a JATMA high-speed durability test was performed on a drum having a drum diameter of 1707 mm under the conditions of an air pressure of 1.9 kg / cm ² and a load of 500 kg. The speed at which the tire broke down every time was determined. The result was shown by the index | index which made the conventional tire 100. The higher the index value, the better the high speed durability.
[0042]
Steering stability:
Each test tire was assembled on a rim with a rim size of 14 × 51 / 2JJ, mounted on a domestic 2.0-liter class passenger car under the conditions of air pressure of 1.9 kg / cm ² and load of 500 kg, and a feeling test was performed by running the vehicle. . In the feeling test, the test panel evaluated the steering feeling by moving the passenger car six times in the vehicle width direction. The evaluation results are shown as an index with the conventional tire as 100. The larger the index value, the better the steering stability.
[0043]
productivity:
For each test tire, the number of tires produced per unit time was determined and indicated by an index with the conventional tire being 100. The larger the index value, the higher the productivity.
[0044]

[0045]
As is apparent from Table 1, the tires 1 to 3 of the present invention are all superior in high-speed durability and productivity as compared with conventional tires, and have been reduced in weight without impairing steering stability. On the other hand, in the comparative tire, the steering stability was impaired as compared with the conventional tire.
[0046]
Next, in the tire 2 of the present invention described above, the tires 4 to 7 of the present invention in which only the long diameter W of the flat steel cord is changed (the number of reinforcing elements per flat steel cord is proportional to the long diameter W) are manufactured. The same evaluation as above was performed, and the results are shown in Table 2.
[0047]

[0048]
As is apparent from Table 2, in the tires 4 to 7 of the present invention, productivity was improved in proportion to the long diameter W of the flat steel cord, and high-speed durability was improved in inverse proportion to the long diameter W. That is, in order to improve high-speed durability and productivity at the same time, it is necessary to set the major axis W of the flat steel cord in the range of 3 to 60 mm.
[0049]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a plurality of steel reinforcing elements composed of a single steel filament or a group of steel filaments in which a plurality are twisted are folded back in a spiral shape with respect to the longitudinal direction so that the cross section is flat. In addition, a flat steel cord having a flat cross-section having a major axis of 3 to 60 mm is wound around the outer periphery of the carcass layer so as to be continuously formed into a planar shape a plurality of times, so that a belt layer is formed. The belt layer that does not have improves high-speed durability and can reduce weight without impairing steering stability.
[0050]
Further, according to the present invention, there is no need to form a belt layer through a complicated and numerous processes such as a calendar process and a cutting process as in the prior art, and the belt is formed by continuously winding a flat steel cord in the tire circumferential direction. Since the layer is formed, the productivity of the pneumatic radial tire can be greatly increased.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a perspective view showing an example of a flat steel cord forming a belt layer in the present invention.
FIG. 2 is a tire meridian direction sectional view showing an example of a belt layer in the present invention.
FIG. 3 is a tire meridian direction sectional view showing an example of a belt layer in the present invention.
FIG. 4 is a sectional view in the tire meridian direction showing an example of a belt layer in the present invention.
FIG. 5 is a sectional view in the tire meridian direction showing an example of a belt layer in the present invention.
FIG. 6 is a tire meridian direction sectional view showing an example of a belt layer in the present invention.
FIG. 7 is a tire meridian direction sectional view showing an example of a belt layer in the present invention.
FIG. 8 is a partially cutaway perspective sectional view illustrating a pneumatic radial tire according to an embodiment of the invention.
FIG. 9 is a meridian direction cross-sectional view illustrating a pneumatic radial tire according to another embodiment of the invention.
10 is a perspective explanatory view showing a manufacturing process of the belt layer of the tire of FIG. 9. FIG.
FIG. 11 is a partially cutaway perspective sectional view illustrating a conventional pneumatic radial tire.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Flat steel cord 2 Steel reinforcement element 3 Tread part 6 Carcass layer 7 Belt layer

Claims

In a pneumatic radial tire in which a belt layer is arranged outside the carcass layer in the tread portion, a plurality of steel reinforcing elements composed of a single steel filament or a group of steel filaments in which a plurality of strands are twisted are spirally formed in the longitudinal direction. The belt layer is formed by winding a flat steel cord having a flat cross-section with a flat cross-section and a major axis of 3 to 60 mm around the carcass layer so as to form a continuous surface a plurality of times. Pneumatic radial tire formed.

The pneumatic radial tire according to claim 1, wherein the flat steel cord is formed by embedding the steel reinforcing element in an elastomer.

The pneumatic radial tire according to claim 1 or 2, wherein the flat steel cord is continuously wound spirally in the tire circumferential direction.

The pneumatic radial tire according to claim 1 or 2, wherein the flat steel cord is wound in the tire circumferential direction while periodically amplifying in the tire width direction.

The pneumatic radial tire according to any one of claims 1 to 4, wherein the number of the filaments in a cross section of the flat steel cord is 12 to 1000.

A flat steel cord formed of a steel reinforcing element made of the steel filament group, wherein the number of the steel reinforcing elements in the cross section of the flat steel cord is 10 to 200, and the filament of each steel reinforcing element The pneumatic radial tire according to any one of claims 1 to 5, wherein the number is 2 to 6.

The pneumatic radial tire according to any one of claims 1 to 6, wherein a filament wire diameter of the filament is 0.10 to 0.40 mm.

The pneumatic radial tire according to any one of claims 1 to 7, wherein a flatness ratio W / D between a major axis W and a minor axis D in a cross section of the flat steel cord is 1.5 to 200.

The pneumatic radial tire according to any one of claims 1 to 8, wherein a helical angle of the steel reinforcing element with respect to a longitudinal direction of the flat steel cord is 5 ° to 45 °.

The pneumatic radial tire according to any one of claims 1 to 9, wherein a winding start end and a winding end end of the flat steel cord are disposed in an inner region other than both ends in the width direction of the belt layer.