JP3682420B2 - 呼吸装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防塵・防毒などを目的として利用される全面形マスク、半面形マスク等として好適な呼吸装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常、危険粉塵又は有毒ガス雰囲気で作業を行う際に、作業者は防塵マスク或いは防毒マスクを装着し、危険有害物質を各マスクが保有するフィルタ、活性炭等の濾過材で除去し、濾過材を通過して浄化された空気で呼吸を行っている。
ところが、フィルタ、吸収缶等の濾過材は、浄化作用の大きいものほど通気抵抗が増大するのが一般的である。
特に、原子力発電所内の放射性粉塵、焼却炉解体現場のダイオキシンを含んだ有害粉塵、その他特定作業時に発生する有害ガス等は人体に侵入すると健康に悪影響を与えるため、濾過材には浄化作用が高く、非常に通気抵抗の大きいものが使用される。このため、作業者自身の肺力だけでは十分な呼吸が困難となる。
【0003】
そこで、従来は、通気通路上において濾過材の前側或いは後側に電力で作動するブロワーを取り付け、その送気力を呼吸の補助としていた。また、濾過材や電池の消耗を抑えるために、呼吸動作に連動してブロワーを制御し、吸気時のみに作動するブロワーも知られている。
ところで、ブロワーのモータは、電力供給をOFFにしても、作動時の慣性力によってすぐに停止することが出来ず、モータで駆動されるファンによる送気は一定時間継続する。電力供給を停止した後、直ちにモータの回転を止めるには、別に電力を必要とする。
【0004】
また、完全にモータを止めてから、再駆動してモータの回転速度を上げ、十分な送気量にするには時間がかかるが、この時間を短縮しようとするといっそう電力を必要とする。なお、モーターの起電力は通常作動電力の数倍〜数十倍必要である。
さらに、人間の呼吸数は成人で毎分12〜16回であり、一呼吸は3.75〜5秒のサイクルで行われると言われている。そして、一定の運動負荷を越えると、1回の呼吸量を減少させ、呼吸数を増加して体内に空気を供給しようとする。つまり、作業量の増加に伴って呼吸サイクルは短くなり、従来型のリンクブロワーシステムでは、送気量を完全に制御しようとすると、多量の電力が必要となる。
【0005】
このため、従来型リンクブロワーシステムでは、電池容量の問題から、慣性力で発生する送風は無視して設計する。従って、図4に示すように、モーターaの慣性力によるファンbの送風が弱まるまで吸気弁cが開いた状態となって、外気が濾過材dを通過し続けることになる。
呼吸サイクルがゆっくりしている場合は、この慣性力による送風はそれほど問題にならないが、上記したように作業量が増加して呼吸サイクルが短くなると、空気が濾過材dを連続的に通過することになって、濾過材dの消耗が早まる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、吸気時のみに作動するブロワーを有する呼吸装置において、吸気時の送気は濾過材を通過するが、排気時の慣性による送気は濾過材を通過せず、濾過材の消耗を抑制できる呼吸装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の呼吸装置は、面体にブロワーカバーを取り付けると共に、該ブロワーカバーの内部に、モーターで駆動されて外気を前記面体内に送気するファンを設置し、ファンよりも吸気方向上流側において、ブロワーカバーの送気通路を横断するように濾過材を設け、ブロワーカバーの基部に、吸気時に開いてブロワーカバーの内部と面体内とを連通し、排気時に閉じる吸気弁を設ける。モータには吸気時に電力が供給され、排気時には電力が供給されないようになっている。ファンの一側からブロアーカバーの側面とファンとの間隙を通り、ファンの他側と濾過材との間隙に達するフィードバック通路を設けてある。
【0008】
吸気時には、モーターに電力が供給されてファンが作動し、その送風力と肺の吸引力により吸気弁が開いて、濾過材を通過した空気が送気通路を通って面体内に取り込まれる。
排気時には、吸気弁が閉じると共に、モーターへの電力供給が停止され、ファンからはモーターの慣性力による弱い送風のみが行われる。この弱い送風による空気の流れは、吸気弁を開けることなく、フィードバッック通路を通ってブロワーカバー内を循環するだけなので、排気時にはブロワーカバー内に新しい外気が取り込まれず、濾過材を外気が通過しない。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1及び図2に示すように、本発明の呼吸装置1は、図示しない面体の前部に取り付けられる筒状のブロワーカバー2と、ブロワーカバー2の内部に設置されて外気を面体内に送風するファン3と、ファン3を駆動するモーター4と、ファン3よりも吸気方向上流側において、ブロワーカバー2の送気通路を横断するように設けられた濾過材5と、ブロワーカバー2の基部に設けられた吸気弁6とを備える。なお、図示しないが、面体には排気時に開く排気弁が、吸気弁6とは別に取り付けられている。
【0010】
面体の適宜位置には、吸気時であるか排気時であるかを判別する圧力センサ等のセンサが設けられており、このセンサからの信号によって、吸気時はモーター4へ電力が供給され、排気時にはモーター4への電力供給が停止するようになっている。
そして、呼吸装置1の使用者が息を吸うと、図1に示すように、モーター4で駆動されるファン3の送風力と肺の吸引力によって吸気弁6が開く。一方、使用者が息を吐くと、モーター4で駆動されるファン3は惰性で回転しているものの、ブロワーカバー2の内圧より面体内の圧力が高くなるので、図2に示すように吸気弁6が閉じる。
【0011】
ファン3は、その回転軸がブロワーカバー2の中心軸と平行になるよう設置され、ブロワーカバー2の側面とファン3の外周面との間に間隙7が形成される。
また、ファン3は濾過材5の内側面からやや間隙8をあけて設置され、ファン3の一側(吸気方向下流側)からブロワーカバー2の側面とファン3との間隙7を通り、ファン3の他側(吸気方向上流側)と濾過材5との間隙8に達するフィードバック通路9が形成されている。
【0012】
吸気時には、上記したように肺の吸引力とモーター4で駆動されるファン3の送気力によって吸気弁6が開き、従来のものと同様に、外気が濾過材5を通過して浄化された後、ブロワーカバー2内へ取り込まれ、送気通路を通って開いた吸気弁6と面体との隙間から面体内に進入する(図1)。
排気時には、面体内の圧力が高まって吸気弁6が閉じ、ファン3はモーター4の慣性力のみによって送風を行う。慣性力によってファン3の一側(吸気方向下流側)へ送られた空気は、フィードバック通路9を通ってファン3の他側(吸気方向上流側)に流入し、ブロワーカバー2の内部を循環する。
【0013】
モーター4の慣性力で回転するファン3の送風力はもともと弱く、これがフィードバック通路9へ逃げて吸気弁6側への圧力はさらに弱まるので、吸気弁6を押し開けることはない。このため、排気中には新たな外気が濾過材5を通過してブロワーカバー2の内部に取り込まれることもない。
さらに、ファン3は完全に停止せずに惰性により回転力を保つので、モーター4への電力供給が再会したとき、完全に停止した状態からの運転に比べて起電力が少なくて済む。
【0014】
(実施例)
呼吸装置1の送風量がピーク時に85リットル以上となるよう調整し、フィードバック通路9の幅(ブロワーカバー2の側面とファン3との間隙7及びファン3の他側と濾過材5との間隙8の幅)が1.0±0.1mmとなるようファン3を配置する。
この呼吸装置1を粉塵濃度30mg/m3で、毎分15回、0.75リットル/回の呼吸で吸引した時、及び、粉塵濃度30mg/m3で、毎分25回、0.75リットル/回の呼吸で吸引した時の、濾過材5の通気抵抗を計測した。
【0015】
また、比較のために、フィードバック通路9を形成しない外は同じ構造の呼吸装置によって、同じ条件で濾過材の通気抵抗を計測した。
これらの試験結果を図3に示す。
図3から明らかなように、濾過材の交換基準である通気抵抗190Paに達するまでの時間は、フィードバック通路9を形成しない呼吸装置の場合、呼吸数毎分15回で180分、25回で115分であるのに対し、本発明の呼吸装置1では、呼吸数15回で225分、25回で165分と大幅に延び、濾過材6の寿命は呼吸数毎分15回で1.25倍、25回で1.4倍にもなった。
【0016】
【発明の効果】
本発明によれば、吸気時にモーターへ電力が供給されてファンが作動すると、吸気弁が開いて外気が濾過材を通過してブロワーカバー内に流入するが、排気時には、モーターの慣性力によってファンが弱い送風を行っても、この送気はフィードバック通路へ逃げてブロワーカバー内を循環するだけで、吸気弁が開かないので、新たな外気がブロワーカバー内に流入することはなく、このため、濾過材の消耗を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す呼吸装置の吸気時の断面図
【図2】本発明の実施形態を示す呼吸装置の排気時の断面図
【図3】濾過材の通気抵抗試験の結果を示す図
【図4】従来の呼吸装置の断面図
【符号の説明】
1 呼吸装置
2 ブロワーカバー
3 ファン
4 モーター
5 濾過剤
6 吸気弁
7 ブロワーカバーの側面とファンとの間隙
8 ファンの他側と濾過材との間隙
9 フィードバック通路
Claims (1)
- 面体にブロワーカバーを取り付けると共に、該ブロワーカバーの内部に、モーターで駆動されて外気を前記面体内に送気するファンを設置し、該ファンの吸気方向上流側において、前記ブロワーカバーの送気通路を横断するように濾過材を設け、前記ブロワーカバーの基部に、吸気時に開いて前記ブロワーカバーの内部と面体内とを連通し、排気時に閉じる吸気弁を設け、前記モータには吸気時に電力が供給されると共に、排気時には電力が供給されない呼吸装置において、前記ファンの一側から前記ブロアーカバーの側面とファンとの間隙を通り、前記ファンの他側と濾過材との間隙に達するフィードバック通路を設けたことを特徴とする呼吸装置。
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