JP3680026B2 - リン酸塩鉱物ベースの反応性バリア封じ込めシステム - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、汚染廃棄物の処理及び貯蔵に関する。詳しくは、汚染廃棄物の封じ込めシステムとして反応性バリアを用いるものに関する。更に、詳細には、本発明は、目標の廃棄物を用いて、反応性バリア材と化学的及び物理的に反応させることによりバリアを形成した封じ込めシステムに関する。
【0002】
約4億立方ヤードの沈殿物が米国の港湾及び水路から毎年浚渫されており、千二百万立方ヤードの極度に汚染された沈殿物が特別な汚染除去方法で処理されている。重金属類は最も頻繁に報告される汚染の一つであり、浚渫物の管理に関して問題となるものである。それらは、全米中で沈殿物浚渫活動に影響を及ぼしている。利用できる処理スペースの欠如、複合汚染物の存在及び汚染物を処理するためのコスト効率的な技術の欠如が浚渫活動の障害となっており、港湾や水路の航行に影響を及ぼしている。航行可能な水路に対する絶えざる差し迫った必要性は、浚渫が環境的に有利でコスト効率的な方法で行われるような革新的な浚渫物処理方策が求められていることを意味している。
【0003】
汚染沈殿物又は浚渫物の一時的あるいは永久的処理のために処理場が使われている。最近まで、原位置とは異なる場所又は陸地ベースの閉じられた処理システム(埋立地)が、汚染沈殿物及び浚渫物の処理に使われていた。しかしながら、埋立地設置の困難さから、埋立地における自治体廃棄物、産業廃棄物および危険廃棄物の処理に課せられたプレミアムとともに、沿岸、岸沿い、沖合又は水面下の閉じられた処理場における処理が再び考慮されていることを意味する。
【0004】
図1(NRCより引用、1997)は、廃棄物の封じ込めと処理に現在使われている処理場のいくつかのタイプを示す。これらの施設は、汚染物の貯蔵要件を満たし、汚染流出の防止を保証するように設計されている。各々について以下に述べる。
【0005】
陸上埋立地:陸上埋立地は、汚染沈殿物を、流体的に浸透させないライナーシステム(粘土又は高密度ポリエチレンのライナー)を有する巧みに設計された処理場内に封じ込めるものである。埋立地が閉じられるとき、流体的に密封されるキャップシステムでキャップされる。従来からのライナーやキャップシステムは有効であるとされている。しかしながら、それらは永年の間にライナーやキャップの破損を生じたり他の方法に妥協されるような地質的応力や環境劣化に委ねられるかもしれない。
【0006】
封じ込め処理場:封じ込め処理場は、汚染沈殿物を堤防で囲まれた沿岸、島又は陸地ベースの処理場内に封じ込めるものである。封じ込めた処理物の最終グレードは、高水位(干満や荒天時)より上にある。処理物は、一般に、処理のためこの領域へ運搬される。通常、封じ込めは汚染物が隔離されるように処理域を囲む保留堤防や構造物を用いて行われる。ある場合には、人工島はこのシステムで造成されている。保留堤防は河口流域ではうまく機能してきた。しかしながら、それらは堤防の堅固さを失わせ、汚染物の流出をもたらす地質的応力や浸食に委ねられるかもしれない。
【0007】
封じ込め水中の処理:封じ込め水中の処理は、汚染沈殿物や浚渫物をオープン水域に置くものであり、そこでは封じ込めシステムが並べられている。水中の堤防や壕システムあるいは自然沈下システムのもとで巧みに設計された処理場に封じ込めるものである。処理物は、一般に、処理のためこの領域へ運搬される。このシステムが閉じられるとき、トップ封じ込めシステムでキャップされる。水中の処理システムの性能は一般に適切ではあるが、そのシステムは封じ込めシステムを破損させる地質的応力、生物学的な混乱あるいは環境劣化に委ねられるかもしれない。
【0008】
原位置でのキャッピング:原位置でのキャッピングは、水面下の環境域に残された汚染沈殿物(又は過去の浚渫物)の覆いを行う。それらは、通常、別の処理場には運搬されない。ここでのキャッピングの概念は堆積物を単に覆うという意味で用いられる。堆積物はその場所に残される。従来からの水中キャップは通常うまく機能してきた。しかしながら、それらはキャップが破損しあるいは他の方法に妥協される地質的応力や生物学的劣化に委ねられるかもしれない。
【0009】
化学反応:無機廃棄物の化学的な安定性は、廃棄物中にある重金属汚染物の濾過性を減少させる可能性を有している。安定化段階の主要目的は、溶解相リガンド、pH、あるいは酸化還元反応(Eh)に関する低減した溶解性と増加した地球化学的な安定性のある新しい固体無機相を沈殿させることである。最近の興味深い重金属の安定剤は、正燐酸塩:PO4 3-である。燐酸は30以上の元素と結合して約300の自然発生的な無機物を形成する。金属燐酸は鉛鉱石堆積物の酸化域中にあり、鉱石周囲の集合体として至る所にある二次的無機物である。それらは又、土壌、沈殿物及び燐酸塩あるいは燐灰岩床の中にある。従って、それらは地球化学的にpH、Eh及び無機的自生物に関して非常に安定している。2価の陽イオン(例えばCa2+に対するPb2+)とオキソアニオン(例えばPO4 3-に対するAsO4 3-)のこれらの燐酸無機物に対する自然界での同形の置換はよくあることである。それらは又、非常に溶解し難い無機物である。燐酸無機物のなかで著名なものは、燐灰石グループ即ちCa5(PO43F(蛍光燐灰石)、Ca5(PO43OH(水酸基燐灰石)、Ca10(PO4、CO36(OH)2(カーボネイト燐灰石)等である。
【0010】
過去の調査から燐灰石を含む燐酸無機物がソイルシステム中のCa2+、Cd2+、Cu2+、Pb2+及びZn2+に対する制御固体になり得ることが分かってきた。制御固体として、これらの無機相は地球化学的に安定しているとともに、それらの不溶解性により、その重金属構成要素の水成濃度を非常に低レベルで制御することができる。
【0011】
金属を固定化するための正燐酸塩は、自治体の固体廃棄物の燃焼残留物のような産業廃棄水及びメタルベアリング産業廃棄物に用いられてきた。溶解性の正燐酸塩及び含燐酸無機物は安定化プロセスにおける正燐酸塩の供給源として普及されてきた。
【0012】
考え得る安定化メカニズムは、廃棄物質中の表面吸着プロセスから現存する微粒子表面までの連続体を包含できるもので、表面沈殿物の形成を通して分離した異種又は同種の沈殿物を形成するものである。
メカニズム:今日まで、重金属は、土壌中の陸上環境、鉱山廃棄物及び産業廃棄物において、正燐酸塩(PO4 3-)を化学的安定剤として用いることにより、うまく化学的に安定化されてきた。このプロセスは米国及び海外の多くの場所で低コストで商業的に使われている。燐酸は多くの重金属(例えばCd、Cu、Ni、Pb、Zn)や半金属(例えばAsO4 3-)と反応して沈殿し、Caベースの燐灰石グループの無機物(例えばPb5(PO43Cl又はCa5(AsO43Cl)を形成することができる。更に、燐酸ベースであり一般に燐灰石グループを含む多くの海洋燐灰石は、又、結晶格子上でCaに置き代わるPbやCdのような重金属を含んでいる。
【0013】
無機物の燐灰石グループは、文献に十分記述されている。本来、燐灰石無機物構造は六角形の結晶構造と一般的な化学式Me5(XO43Zを有する無機物の6/mクラスと同じ形をとる。ここで、MeはCa、Sr、Ba、Cd及びPb(典型的)であり、XはP、As、V、Mn及びCrであり、ZはOH、F、Cl及びBrである。PbやCdのような他の2価金属を含む端部要素を有する非常に溶解し難い燐灰石グループ無機物を形成する傾向は、重金属の安定化プロセス中で利用したい主要な特徴である。燐灰石グループはアブクマライト、ブリソライト、カーボネイト燐灰石、クロロ燐灰石、ダーライト、エレスタダイト、ファーモライト、蛍光燐灰石、フランコライト、水酸基燐灰石、ミメタイト、パイロモファイト、スババイト、バナディナイト及びウイルカイトである。
【0014】
幾分歪曲された特性を持つが、天然の燐灰石と同じ無機物構造と化学式を有する合成水酸基燐灰石、蛍光燐灰石、クロロ燐灰石無機物を作ることができる。水酸基燐灰石ではカルシウムは6価に配位されたイオン半径が0.69から1.35オングストロームの2価の陽イオンで置き換えることができる。これは要素Ba(1.34オングストローム)、Cd(0.97オングストローム)、Co(0.72オングストローム)、Cu(0.72オングストローム)、Mg(0.66オングストローム)、Mn(0.88オングストローム)、Ni(0.69オングストローム)、Pb(1.20オングストローム)及びSr(1.12オングストローム)を含む。正燐酸塩はイオン半径が0.29から0.60オングストロームのオキソアニオン構成要素で置き換えることができる。これはAs(0.46オングストローム)及びV(0.59オングストローム)を含む。クロロ燐灰石ではカルシウムは6価に配位されたイオン半径が0.80から1.35オングストロームの2価の陽イオンで置き換えることができる。これは要素Ba(1.34オングストローム)、Cd(0.97オングストローム)、Mn(0.80オングストローム)、Pb(1.20オングストローム)及びSr(1.12オングストローム)を含む。正燐酸塩はイオン半径が0.29から0.60オングストロームのオキソアニオン構成要素で置き換えることができる。これはAs(0.46オングストローム)及びV(0.59オングストローム)を含む。これらの同形の置換はクロロパイロモーファイト(Pb5(PO43Cl)のような無機物によって立証されているようにPb、Sr及びBaのような要素に対して完結しており、あるいはZn、Cu、Ni及びCaのような要素に対して部分的に完結し、(Ca、Zn、Pb)5(PO43OHのような固溶液を形成する。共沈物又は固溶液を形成するこの傾向は、重金属安定化の際に利用したいもう一つの特徴である。
【0015】
アパタイトは、海洋堆積燐灰石鉱床の主な鉱物相である。その溶解度は非常に低く、その地球化学的安定性は、pH、イオン強度、堆積層に関連する有機配位子レベルにおいて高い。この非常に低い溶解度、pH及びEhに関する広い主領域、地質年代を超える地球化学的安定性は、よい重金属安定化システムの全ての必要条件である。アパタイトは、地球化学的に安定している − アパタイトは海洋堆積物におけるリン酸の堆積による成長の最も一般的な続成作用による生成物であり、適度に還元された酸化環境から高度に酸化された環境において見つかる。堆積バクテリアは、堆積間隙水における結晶作用を開始する役割を果たしているかもしれない。実際、リン酸層が堆積すると、堆積バクテリアはまた、上述した同型の置換反応を介して微量の金属を除去する。海水におけるアパタイトの反応については − 結晶化配列から溶解度定数及びΔGf 0のような熱力学データ、沈殿/溶解反応速度まで − かなりの情報が知られている。
【0016】
アパタイトは、構造及び表面属性に関してよく特徴づけられている。これらの特徴は、重金属を含む沈殿または収着反応の土台である。アパタイト鉱物の合成はかなりよい。アパタイトにおけるカルシウムとの重金属置換のための二元及び三元の固溶体の合成と研究とは調査されてきている。アパタイトは、固溶体形成を研究するのにより好ましい鉱物の1つである。この傾向は、ある程度、重金属がアパタイトベースの海洋燐灰石鉱床において広範囲に発生することを説明する。アパタイトによる金属の固定化については、広範囲な調査が行われてきた。また、特に地球化学研究及び歯科研究の分野では、ヒドロキシアパタイトへの金属の収着についてかなりの調査がなされている。収着と沈殿を区別する理論的な基礎は、吟味されてきている。表面における固溶体形成の理論的な基礎は、良く研究され、熱力学的な観点からモデル化されている。系統だった形ではないが、端成分及び固溶体に対する表面及び体積分光特性に関連する研究はかなり行われている。
【0017】
関連調査:最近、ニューハンプシャー大学での出願人の関連研究によると、重金属安定化の間に、アパタイト系の鉱物の固溶体、特に二元固溶体(例えば、Pb及びCa、Cd及びCa等)が形成されることがわかっている。これらの固溶体は、二次元収着が反応表面において三次元表面沈殿に変わる際に起きる「埋没」現象のために、端成分より低い溶解度を示す。これらの固溶体は、浸出性を非常に低いレベル(例えば、Pbの検出不可から兆分の1レベルの低い数値)に削減でき、廃棄物において操作上利用可能な重金属のほぼ全てを固定化できる。
【0018】
重金属汚染物質を含む堆積物のような廃棄物のために、金属リン酸沈殿物が生成されるシーケンスには、2つのタイプの反応パス、すなわち、表面における沈殿及び溶体からの沈殿、が含まれる。図2に、両方の既知のメカニズムの概略を示す。
【0019】
アパタイトは、カドミウム、鉛、亜鉛のような数多くの金属陽イオンを吸収して除去する傾向を備える、理想的な状況下では、この収着プロセスにより、収着サイト上は単層で表面を覆われる。理論上、吸着された層は、三次元になり、基質鉱物(例えば、Ca5(PO43OH)と吸着された化学種(例えば、Pb5(PO43OH)との間に固溶体を形成できる。収着後、アパタイト結晶格子において、非常に高い鉱物濃度でいくつかのカルシウム置換が起こり、アパタイトはより多くの不溶性のアパタイト系鉱物が形成されることができるように部分的な溶解を行うか、または、リン酸鉱物が端成分間の固溶体でない表面において、他のリン酸鉱物相との共沈が起こる。この例は、水和したCa5(PO43OH表面上のZn5(PO43OHというよりむしろZn3(PO42OH・H2O沈殿である。後者の状況は、あまり理想的な状況でないが、それでも金属汚染物質の沈殿と除去とは行われる。
【0020】
溶体からの沈殿反応は、以下の反応シーケンスを含む。図に示したように、Ca2+及びPO4 3-がリン酸カルシウム鉱物を形成する一般シーケンスが提供される。Ca2+及びPO4 3-が溶体に滴定されると、様々な準安定の中間層が沈殿反応シーケンスの一部として形成される。単純なシステムでは、反応シーケンスには、一般的に、Ca9(PO46(非化学量論不定形リン酸カルシウム)、CaHPO4・2H2O(二水和リン酸二カルシウム;brushite)、CaHPO4(リン酸二カルシウム;monetite)、Ca82(PO46・5H2O(リン酸オクタカルシウム)、Ca3(PO42(whitlockite)、最後にCa5(PO43OH(ヒドロキシアパタイト)、すなわち、シーケンスの最も地球化学的に安定したリン酸カルシウム最終生成物が含まれる。シーケンスは、問題になっている鉱物相のためのイオン活動生成物、pH、イオン強度、反応動力学、前駆基質または「シード」の存在、Mg2+のような反応抑制剤の存在により影響を受ける。反応シーケンス、媒介物、最終生成物の類似クラスが、他の金属、有名なものではPb2+、にもまた見られる。この概念はまた、例えば、Pb2+、Cd2+、Cu2+、Zn2+がCa2+を同型に置換し、(Ca、Pb、Zn)5(PO43OHのような固溶体を形成する三元金属アパタイトのような鉱物、の固溶体にも応用できる。
【0021】
リン酸鉱物を含む反応性バリアシステムにおいては、鉱物相のいくらか控えめな溶解が起こり、その後、反応性バリア間隙水システム内で上述した沈殿反応に正リン酸が提供されることが期待される。これは主反応ではないが、非常に起きやすい反応である。pH及び金属濃度がある一定の条件になると、ヒドロキシ緑鉛鉱のようなより多くの不溶性アパタイト相(Pb5(PO43OH)がヒドロキシアパタイト(Ca5(PO43OH)の溶解に際して形成されることがわかっている。これは溶解された成分を含む化学安定化反応に似ている。
【0022】
最適なpH及びイオン強度状況下で、間隙水からの結晶核生成の速度は、極度の浸透、晶子溶体界面エネルギー、衝突頻度及び効率、温度の度合いにより影響を受ける。界面エネルギー(γまたはσ、mJ/m2)は、生成物の熱力学的安定性及び結晶化プロセスの動力学を決定するのに最も重要である。オストヴァルトステップルール(Ostwald step rule)または「段階のルール」は、最も高い溶解度(例えば、最も安定していない)での沈殿は連続的な沈殿反応で最初に形成されることを規定している。これは、より可溶性の高い相の核生成には、より低い界面張力が動力学的に好まれるために起きる。オストヴァルトステップルールに直接関連するのは、ケルヴィン効果である。小さな結晶粒子は、サイズが小さくなるにつれて可溶性が高くなる。これは、体積比に対する粒子表面面積が減少する際に、界面表面張力の増加が直接生じるためである。オストヴァルト熟成(Ostwald ripening)は、より小さく、より不安定な、より未成熟な結晶が、溶解度が削減された、より大きな、よりよい配列の、より安定した、より成熟した結晶に融合するという、鉱物沈殿中の一般的な熟成シーケンスを含む。
【0023】
正リン酸でうまく安定化された地上廃物の多くには、有機汚染物質、自生有機肥料(フルボやフミン)、能動好気性及び嫌気性の細菌母集団、海洋堆積層及び堆積間隙システムのイオン強度に対応するまたはそれを超えるイオン強度を有する塩もまた含まれている。正リン酸は、有機汚染物質とは反応しないが、地上の廃物システムにこれらの有機汚染物質が存在しても、正リン酸安定化反応を抑制したり、またそれに干渉したりすることはない。しかしながら、今日まで、浚渫物及び汚染堆積物のために正リン酸の応用性を検証することには体系的な重要性がなかった、あるいはまたそのための研究はなされていなかった。しかしながら、上述したように、地球化学的な基礎から研究の可能性は存在する。
【0024】
上に詳述した背景から、多くの異なる物理的環境において機能すると共に、汚染廃棄物を物理的に含むだけでなくバリアの構造が時を超えて危うくなったとしても廃棄物が自然境に放出されないように廃棄物を固定化できる、異なるバリアが必要とされていることがわかる。
発明の要約
発明の基礎となる実施例には、重金属、非金属、汚染廃棄物におけるその他の重要な周期表元素を含む目標廃棄汚染物質の抑制のための地球化学的に反応するバリアの使用と組み合わせて、前記記載の処分概念を使用するシステム及び方法を示している。特に、燐灰石(リン酸ベースの鉱物層)またはその類似体が、無機物廃棄物を安定化するために、汚染堆積物及び浚渫物層のキャップ、ライナー、グラウトカーテン、またはバリアに用いられる。
【0025】
本発明の反応性バリアは、汚染廃物、堆積物、浚渫物の処理場を長期に渡って完全な状態に保つ。本発明の反応性バリアの概念では、バリアは、処理場から汚染物質の消極的な開放の可能性を少なくするために、処分物の成分と反応する単層である。理論上、反応性バリアシステムは、環境面での安全性と処理場の長期に渡る有効性について保証するものである。
【0026】
本発明のリン酸鉱物ベースの反応性バリアシステムは、リン酸鉱物物質から構成され、リン酸鉱物の形態は変化可能である。バリアは、比較的単純な構造になっていて、その基本型で機能するためにどんな種類粘土またはその他の安定剤の付加をも必要としない。本発明はまた、汚染物質に対してバリアを形成するために多数の反応層を必要とせず、既存の反応性バリアと同様に効果的である。このバリアは、汚染堆積物、浚渫物、またはグラウトカーテン、ライナーシステム、キャップによって廃棄物が含まれるような他の廃棄物の下、周辺、及び/または上に設置される。反応性バリアは、処理場の設計構成要素である。バリアは、(i)スラリー形態、(ii)地質工学的安定性を提供するために他の無機剤と混合されたマトリックス形態、(iii)ジオテキスタイルまたはジオファブリックに組み込まれた複合形態のいずれかである。本発明のバリアは、既知の方法で使用されてもよいし、完全に汚染物質を覆うように単体または共同で使用されてもよい。場合によっては、特に、反応性バリアを土の処理及び/または汚染物システムに使用する場合には、pHコントロール、土安定剤、またはその他の添加物を、バリアシステムを最適化されるために使用してもよい。
【0027】
バリアは、バリアと汚染物質との間の界面における汚染物質との反応を介して沈殿物、浚渫物、或いは廃棄物から金属汚染物質又は周期表上の他のターゲット汚染物質元素(特に、重金属)が放出されることを防止する。バリアのメカニズムは、沈殿物又は浚渫物からの拡散を化学的に抑制するために促進された吸着現象、表面沈殿、及び、金属リン酸塩表面での共沈に基づくものである。時には、リン酸塩鉱物のほんの一部分が溶解し、金属とともに沈殿して、反応バリアの間隙水系に金属リン酸塩沈殿物を形成する。溶解した金属が汚染物質から界面に、そして反応バリア中に拡散していくにつれて、溶解した金属の見かけ上の拡散率を大きく低減させる保持反応が起きる。それによって、汚染物質が汚染物質系内に一時的或いは永続的に保持されることになる。汚染沈殿物、浚渫物、或いは他の汚染物質は、廃棄前に、化学的に安定した状態にさせられるか、他の形態の処置を受けた状態にさせられる。他のタイプの有機汚染物質が沈殿物或いは浚渫物中に存するかもしれない。しかしながら、これらの他の汚染物質が反応性バリアと反応することはなく、反性応バリアの機能を抑制することはない。
本発明の詳細な説明
以下は、この節で定義した定義及び推敲を用いて本発明を詳述したものである。そして、以下においては、全体を通じて、同じ参照番号は同じ要素を示すものとする。本発明は、水中及び陸上両方の処理場において、汚染沈殿物及び浚渫物を含む汚染物質を生理化学的に安定化させ固定させることで、汚染物質を封じ込むためのリン酸塩鉱物に基づく反応性バリアシステム及びその使用方法からなる。リン酸塩鉱物に基づく反応性バリアシステムは、リン酸塩鉱物物質を有している。ここで、リン酸塩鉱物の形態は可変である。バリアは、単純な構成を有しており、その基本的形状をなさせるものとして機能するためのどんなタイプの粘土又は他の安定剤も必要としないものである。また、本発明では、従来の反応性バリアのようにその効果を効果的なものとするために多数の反応層を設ける必要もない。
【0028】
本発明は、廃棄物によって作動し、廃棄物によって誘発され、廃棄物に依存しているバリアである。幾つかの従来技術とは異なり、最初に2つの層が相互に反応して廃棄物質と無関係の物理的バリアを形成する2層系を設ける必要がない。本発明のバリア物質は、実際には、廃棄物質汚染物質と反応して、汚染物質がバリア材料と反応するにつれて不浸透性を増大させるバリアを形成する。最も基本的な実施例においては、バリアの固定を最適化させるためにどのようなタイプのpH制御剤又は粘土安定剤もバリア中に付加する必要はない。しかし、処理場の配置箇所という環境的な条件に応じて、このような付加物を用いてバリアの機能を最適化させても良い。本発明の反応性バリアシステムは、反応させるために水環境を必要とするが、付加的な封じ込み手段として、通常の陸上系或いは安定剤に関連した使用もできるものである。このような系においては、反応性バリアは、主な封じ込み系が機能しなくなり、水と汚染物質とが反応性バリア材料に接触して、反応性バリアの反応及び形成が始まることがない限り、或いは始まるまで、反応しないままとされる。従って、本発明では、本質的に2つのステッププロセスを有している。水性媒体中の汚染物質がバリア材料と化学的に反応し始めることがない限り、或いは反応し始めるまで、物理的なバリアはない。そして、汚染物質と反応性バリア材料との間の化学反応が進行するにつれて、汚染物質は、化学的に固定され、そして、その後は、化学反応が起きる全ての位置で反応が起きて満たされたとしても、反応性バリア材料の粒子間の空間が化学的に反応して生成された合成物で埋められ、汚染物質が反応性バリアを通過することが物理的に妨げられることで物理的に固定される。更に、仮に処理場で物理的な移動或いは妨害があって反応性バリアに裂け目が生じたとしても、新たな反応が起きることでその裂け目が物理的に及び化学的に埋められ得る。
【0029】
バリアは、沈殿物、浚渫物或いは廃棄物がグラウト・カーテン、ライナー系、或いはキャップによって封じ込められるよう、汚染廃棄物、沈殿物或いは浚渫物の下部、周囲、及び/或いは上部に配置されていても良い。反応性バリアは、廃棄サイトにおける人工の構成要素である。バリアは、(i)スラリー形式、(ii)地質的な安定性を付与するための他の無機物との混合マトリクス形式、或いは、(iii)ジオテキスタイル又はジオファブリックを含有するコンポジット形式である。本発明のバリアは、既知の構成方法に対して適用可能であり、汚染物質を完全に取り囲むため単独で或いは共同で用いることができる。場合によっては、特に反応性バリアが陸上での取り扱い、及び/或いは、汚染物質系において使用される際において、pH制御物質、粘土安定剤、或いは他の付加物をバリア系を最適化するために用いることができる。
【0030】
本実施例において使用されるリン酸塩鉱物は、天然の或いは人為的な改変がなされた無機鉱物、或いは地質学上の物質を意味する。この鉱物中のリンの形態は、縮合リン酸塩、ポリリン酸塩、メタリン酸塩等の他の形態のリン酸塩もあり得るが、主として正リン酸塩(PO4 3-)である。使用されるリン酸塩の形態は、主としてリンを含む粉状物、或いは粉砕された固形物とされるがこれに限らず、また、沈殿物の核生成の時点でリンの実際の種形成が主として正リン酸塩(PO4 3-)となるようにされる。それは、リン酸塩(例えば、CaHPO4、Ca3(PO42、Ca5(PO43OH、Ca5(PO43Cl、Ca227、KH2PO4、K2HPO4、K3PO4、K427、Mg3(PO42、Na2HPO4、NaH2PO4、Na427であるがこれに限定されない)から作られた人工のリン酸塩の鉱物或いは粉状物を含んでいても良い。それは、燐鉱、リン酸採鉱廃棄物、海洋燐灰石堆積物、リン酸肥料、リン酸石膏廃棄物等の天然の地質的物質を含んでいても良い。それは、また、燐鉱、リン酸採鉱廃棄物、燐灰石堆積物、リン酸肥料、リン酸石膏廃棄物から作られた粉砕された固形物を含んでいても良い。
【0031】
本発明の反応バリアによって封じ込み可能な汚染物質は、典型的には、河川敷、入り江、港湾、及び航海水路に存在する微粒子の有機及び無機沈殿物質である。これらの物質は、汚染物質によって汚染されたものであり、これらの存在は、航海、人間の健康、及び環境に対する脅威となる。”浚渫物”、即ち、水底の廃棄物は、浚渫され、採鉱され、掘り抜かれ、或いは、処置又は廃棄のために集められた汚染沈殿物を意味する。反応性バリアは、また、陸上の処理場においても、従来の封じ込み方法と共に用いられ得る。
【0032】
この方法及びシステムは、単独で用いられても良いし、グラウト・カーテン、ライナー系、キャップ、又は他の同様の系を有する他の封じ込み機構と共に用いられても良い。グラウト・カーテンは、限定された処理場で、一時的に、或いは、当該処理場における他の地質学的特質が自然の封じ込み系を構成するため、汚染沈殿物或いは浚渫物を沈殿物質を封じ込めるためのグラウト・カーテン、グラウト壁、或いはトレンチとして使用される反応性バリアによって取り囲むこと、或いは部分的に囲むことを意味する。
【0033】
ライナー系は、汚染沈殿物、浚渫物、或いは他の廃棄物が汚染物質を完全に取り囲み、封じ込み、囲み、覆う(定義された厚みを有する)三次元のライナー系を有し、処理場で沈殿物を封じ込める一方法として、汚染物質が反応性バリアによって封じ込められ、取り囲まれ、覆われるようにした系である。
【0034】
キャップだけを用いると、限定された処理場で、一時的に、或いは、当該処理場における他の地質学的特質が自然の封じ込み系を構成するために、汚染沈殿物、浚渫物、或いは他の廃棄物が、沈殿物質を封じ込めるキャップとして使用される反応性バリアによって部分的に封じ込められ、囲まれ、覆われることとなる。
【0035】
従って、本発明の方法及びシステムは、単独で用いられても良いし、他の人工の構成要素とともに用いられても良い。そして、反応性バリアシステムは、限定された廃棄施設で汚染物質の中に、周囲に、或いは表面において設計され、特徴付けられ、構成され、及び配置される。
【0036】
本実施例において使用される限り、処理場又は施設とは、それが陸上環境におけるものか水中環境におけるものかに関わらず、廃棄施設、処理場、汚染サイト、或いは廃棄物サイトとされるものに使用される通常の用語である。水中環境においては、反応性バリアは、汚染沈殿物或いは浚渫物を一時的に貯蔵し或いは永続的に廃棄するため配置された真水、塩水、河口、或いは海上における入り江、河口、港湾、沿岸、沖合い環境における水平線の上又は下に配置される。時間又は自然の地質学的な条件が要素となる所定の場合においては、廃棄系は封じ込み方法としてキャップ或いはグラウト・カーテンだけを含んでいても良い。
【0037】
水中環境において反応性バリアシステムを準備し、配置する方法の一つの例は、主に正リン酸塩の形でリンを含む反応性リン酸塩バリア材料を形成する段階と、安定剤を用いて、又はそれを用いることなく、前記反応性リン酸塩バリア材料を水系(アクエアスシステム)と混合する段階と、前記混合された反応性リン酸塩バリア材料を準備された又は造成された処理場にポンプで送る段階と、前記処理場を汚染廃棄物で満たす段階と、前記反応性リン酸塩バリア材料を水系中の前記汚染廃棄物、堆積物、又は浚渫物質中の汚染物質と反応させる段階とからなる。廃棄物は、反応性バリア材料と混合されるのではなく、むしろその中に含有される。該システムの重要な点は、用いられるリン酸塩が、水系において本質的に不溶性であり、そのため水中環境中に配置可能であり、廃棄物を受け取るために適所に留まるという点である。幾つかの従来的な陸上のシステムは、溶解した後溶液外に沈殿する可溶性のリン酸塩と共に起こる反応に左右されるため、水中で用いることは不可能であった。可溶性の反応物は、それを取り巻く水中で溶解し、運び去られてしまうため、そのようなシステムは、水中では役に立たない。しかしながら、本発明による不溶性のリン酸塩は、地上及び水中の処理場のどちらでも使用可能であり、特に水中環境に対して適している。
【0038】
反応性リン酸塩バリア材料は、スラリー、混合マトリクス、又は合成物を含む多数の形態のうちの一つであれば良い。スラリーは、それによってリン酸塩無機物が限られた処理システムの反応性バリア材料成分に取り込まれる一つの形状であり、完全なエンベロープ、キャップ、又はグラウトカーテンの構成のために用いられる。スラリーは、材料がポンプでくみ上げられて水面下に堆積され、適所に留まるように、リン酸塩無機物を淡水、汽水、海水、又は他の水系と混合することによって作られる。
【0039】
混合マトリクスは、それによってリン酸塩無機物が限られた処理システムの反応性バリア材料成分に取り込まれる別の形状であり、完全なエンベロープ、キャップ、又はグラウトカーテンを構成するために用いられる。混合マトリクスは、物質がポンプでくみ上げられて水面下に堆積されるように、リン酸塩無機物を淡水、汽水、海水、又は他の水系と混合することによって作られる。スラリーと混合マトリクスとの重大な相違点は、混合マトリクスは粘土、ゼオライト、セメント、グラウト、又はその他、マトリクスがスラリーよりも強く、耐久性に優れ、より隆起したものとなるようにマトリクスにジオテクニカルな特性を与える物質を含んでも良いという点である。これは、乱流、電流、洗浄、磨き、腐食、水面下の波、スランピング及び斜面安定といった問題が関心事である場合に用いられる。
【0040】
複合物は、それによってリン酸塩無機物が限られた処理システムの反応性バリア成分に取り込まれる別の形態である。この複合物は、ライナー又はキャップの構成のために用いられる。複合物は、ジオテキスタイル又はジオファブリック、又はそれらに相当する物から成る合成二次元シートに、リン酸塩無機物を組み込み、網の目にからませ、包み、付着させ、又は接合させることによって作られる。こうして、ジオテキスタイル又はジオファブリックを、処理場に配置することができる。ジオテキスタイル及びジオファブリックは、ジオテクニカル構成アプリケーションにおいて用いられる合成高分子繊維又はシートである。
【0041】
構成方法は、エンベロープ、キャップ又はグラウトカーテンのいずれに対しても、スラリー、混合マトリクス、及び複合物の間で異なる。これらの要素を組み込んだ限られた処理設備の構築のために、伝統的な土木及び海洋技術の慣習を用いても良い。
【0042】
本発明がうまく適合するターゲット汚染物質のタイプは、主として、正リン酸塩と共に沈殿物を形成することが可能な無機化学元素を含む。これらは、アルミニウム、ヒ素、バリウム、ベリリウム、ビスマス、ブロミン、カドミウム、カルシウム、セリウム、塩素、クロミウム、コバルト、銅、エルビウム、フッ素、水素、鉄、ランタン、鉛、リチウム、マグネシウム、マンガン、水銀、ニッケル、ニオブ、窒素、酸素、カリウム、スカンジウム、珪素、ナトリウム、ストロンチウム、硫黄、タンタル、チタニウム、トリウム、ウラニウム、バナジウム、イットリウム、及び亜鉛を含むが、これらに限定されない。このシステムは、堆積物又は浚渫物質、堆積物間隙水システム、及び熟成金属リン酸塩沈殿物におけるそれらの化学状態(“種”)をうまく利用している。典型的に、カドミウム、銅、鉛、水銀、ニッケル及び亜鉛と言った金属汚染物質は、“重金属”とみなされ、本システムの主要なターゲット元素に含まれる。
【0043】
廃棄物を処理し収容するために上記方法及び反応性バリアシステムを用いた時、スラリー、キャップ、又は混合物が汚染廃棄物、堆積物、浚渫物質と接触する領域であると共に、種々の化学反応及び生理化学反応が起こる領域に反応界面が形成される。それらの反応の一つは吸着であり、それは、溶解した種(吸着物)が水和表面(吸着剤)に拡散し、それと化学的に接合する物理化学的工程である。形を成す接合のタイプは、吸着剤及び吸着物による。ここで、吸着のタイプは、小範囲の接合である。伝統的に、吸着は、図2aに示されたように、吸着剤表面(この場合、リン酸塩無機物の表面)の表面位置に単分子層未満の何かを形成することを意味し、可逆的なものである。
【0044】
反応界面で起こる別のタイプの反応は、表面沈殿であり、それは、図2bに示されたように、溶解した種が単分子層に吸着し続けて、吸着剤表面に三次元の構造を形成する物理化学的工程である。典型的に、表面沈殿物は、吸着剤固体と表面沈殿物との間の固溶体である。リン灰石として、この理想的な描写は、吸着剤がCa5(PO43OHに水和され、吸着物はPb2+であっても良く、表面沈殿物はPb5(PO43OHである。非理想的条件の下では、吸着及び表面沈殿は、より一般に、反応のギブズ自由エネルギーの最小化の関数であり、表面位置は非理想的である。加えて、形を成す固溶体のタイプは、より複雑である。
【0045】
反応界面で起こる第三のタイプの反応は、図2cに示されたように、結果的に共沈物をもたらす共沈である。共沈は、溶解した種が、表面に関係なく固溶体として沈殿し続ける物理化学的工程である。
又、水系中の汚染廃棄物が反応性バリア材料と接触し、反応性バリアの粒子間の小孔又は空間を貫通する時、間隙水溶液中の金属陽イオンに対するリン酸塩陰イオンの反応からも沈殿が生じる可能性がある。
【0046】
本システムの反応性バリア材料に対する汚染物質の反応から生じる生成物は、金属表面リン酸塩沈殿物及び金属リン酸塩沈殿物を含む。ここで用いられる“金属リン酸塩表面沈殿物”と言う用語は、典型的に、リン酸塩化学安定化工程の生成物、リン酸塩結晶、無定形リン酸塩結晶、リン酸塩無機物、リン酸塩反応生成物、無機リン酸塩微粒子、リン酸塩を含む制御固体、及びリン酸塩を含む粒子を意味するが、これらに限定されない。それは、表面沈殿反応の想定された最終生成物である。ここで用いられる“金属リン酸塩沈殿物”と言う用語は、“金属リン酸塩表面沈殿物”と類似のものであるが、典型的に、リン酸塩化学安定化工程の生成物、リン酸塩結晶、無定形リン酸塩結晶、リン酸塩無機物、リン酸塩反応生成物、無機リン酸塩微粒子、リン酸塩を含む制御固体、及びリン酸塩を含む粒子を意味するが、これらに限定されない。それは、反応性バリア間隙水システムと共に起こる可能性のある何らかの沈殿反応の想定された最終生成物である。
【0047】
反応性バリアに対する汚染物質の反応工程において、汚染物質は、溶解した汚染物質が化学的駆動勾配に応じて高濃度領域から低濃度領域に移動する物理化学的工程である拡散の工程によって、反応性バリア物質に向かって、又はその内部へと移動する。拡散は、水系から汚染物質を取り除く反応性バリア内での表面及び間隙水沈殿反応の組み合わせによって化学的に阻止することが可能であり、その結果、汚染物質のバリアを通じた拡散を阻止することが可能である。反応が継続するにつれて、沈殿物熟成、結晶熟成、結晶成熟、結晶共生、結晶成長、結晶化、粒子形成を含む沈殿物の熟成が起こるが、沈殿物の熟成は、これらに限定されない。このため、汚染物質が拡散し、物理的及び化学的に反応性バリアの一部になるにつれて、汚染物質の明らかな拡散率が低下する。これは、新しい汚染物質が反応性バリア内に移動することが困難になるためである。明らかな拡散率は、ねじれの要素と化学的阻止を組み込んだ修正拡散係数である。このため、反応性バリアは、汚染物質のシンク(掃き溜め)となり、つまり、反応機構が、汚染物質をシステムから取り除く、又は拡散移動のために汚染物質を利用不能にすることを意味する。汚染堆積物又は浚渫物質中の利用可能な全ての汚染物質のために十分な表面位置がバリア内に存在するという概念は、このシンク概念において具現化される。
【0048】
汚染物質が反応性バリア内に移動し、それと反応すると、それらは化学的に安定化され、及び/又は固定又は凝固される。ここで用いられる“凝固”及び“化学的安定化”と言う用語は、典型的に、興味対象の要素の浸出性又は生物学的利用能が減じられ、及び/又は無害、非危険、更にはより無毒となるように、汚染堆積物又は浚渫物質中の興味対象である要素を処理又は固定化する工程を意味するが、これに限定されない。凝固は、物質をモノリス状にすることによって、堆積物の体積割当量に対する表面面積を減少させることを含む。化学的安定化は、しばしば、新たな、より不溶性の沈殿物が形成されるように、化学安定剤が興味対象の要素と反応することができるようにするための廃棄物の部分的又は完全な分解を含む。従って、反応性バリアは、主要な処理システム上の保険として用いられても良い。例えば、PCBS、PAHs、石油廃棄物等の汚染物質は、典型的に、汚染堆積物及び浚渫物質中に見られるが、これらのタイプの混合物は、反応性バリアと反応しないが、反応性バリアの作用を邪魔したり、抑制したりすることもなく、そのため、廃棄物の混合物を含む物質に対して反応性バリアを用いても良い。
【0049】
図3aに示された対照非汚染試料と対比して、掃き溜めとして作用する反応性バリア物質の一例が図3bに示されている。図3a及び3bは、汚染された堆積物あるいは浚渫物と反応性バリアとの境界において生じる工程を表す方程式を提示している。本現象を説明するために、汚染されていない堆積物が汚染された堆積物と隣接して置かれている対照状態が図3aで表されている。対照状態においては、金属汚染物質の高濃度領域から低濃度領域への拡散が[(フィックの法則より)フィックの拡散と呼ばれる工程によって]生じる。下記の方程式において示されるように(ファン・デル・スルート, 1987)、
【0050】
【数1】
Figure 0003680026
【0051】
界面からのある座標距離xにおける汚染物質の濃度Cは、初期濃度(C0)、基質内における汚染物質の有効拡散係数(De)、及び時間(t)の関数である。誤差関数の項(erfc)が数学的演算子である。
バリアが拡散する汚染物質の掃き溜めとして作用するよう、吸着、表面沈殿、及び共沈が生じている反応性バリア状態においては、界面からの距離xに関して、化学反応がどのように拡散係数を変化させるかを表すのに、以下の関係が用いられるが(ファン・デル・スルート, 1987)、
【0052】
【数2】
Figure 0003680026
【0053】
式中で、Kdは吸着、表面沈殿及び共沈を一般的に表す分配係数であり、ρは反応性バリアの密度であり、εは反応性バリアの気孔率である。Kdの値はリン酸塩鉱物系について非常に高くなり得るため、リン酸塩鉱物の表面を金属汚染物質用の大きな掃き溜めとして作用させる。
【0054】
吸着、核形成、結晶の成長、結晶の熟成及び結晶の完成が反応システムに関して最適化されるように、反応性バリアのpHを維持するための酸あるいは塩基の定量使用を含み得る「pH調整」により、反応率を最適化することができる。スラリー、混合マトリクス、あるいは混合物が処理環境あるいは汚染堆積物あるいは浚渫物に関連したpH調整を必要とする場合、pHの変域は、反応工程にとって非常に重要なものとなり得る。
【0055】
反応性バリアの方法及びシステムは、上記の様々な処理場及び処理メカニズムについて用いることができ、また汚染物質の一時的あるいは永久的な保管について用いることができるが、この一時的とは、監督官庁が汚染堆積物あるいは浚渫物を、他のより永久的な場所が利用されるまで一時的な囲われた処理場に保管したいような場合も含んでいる。他方、監督官庁が、囲われた処理施設の設計寿命の間、汚染堆積物あるいは浚渫物を保管しようとする場合もあろうが、本発明は一時的あるいは永久的な保管のいずれにも適しているであろう。このように、本反応性バリアの方法及びシステムは、図4a−eに示されたようにあらゆるタイプの処理場において使用することができ、従来のライナー、キャップ、及びエンベロープシステムが行ったように汚染物質を単に物理的に包み込むのではなく、地質学的に安定した非反応性の化合物を生成することにより、重金属及び金属汚染物質を含む汚染物質の処理場からの浸出を効果的に防ぐことができる。図4aは、従来の埋め立てライナーの下における本反応性バリアシステムの使用を表している。図4b−eは、水性環境下での本反応性バリアシステム単独の使用を表している。
【0056】
本システム及び方法は、地上のサイトにおいても、また部分的あるいは完全に水中においても用いることができる。しかし地上のサイトで用いる場合には、反応性バリア物質を、重複的あるいは副次的なシステムとしての別種の封じ込めシステムと共に使用するか、あるいは接合剤またはジオファブリックと混合しなければならない。必要な反応は水性環境を必要とするが、反応性バリア物質が地上の埋め立て地等の乾燥した環境に単独で置かれ、その埋め立て地が水で満たされた場合、水及び溶解した有機化合物は、反応性バリア物質の粒子状特性及び処理場を満たしている水の圧力により、バリア物質を通過する。しかし、水性環境においては、水圧の差がないため、副次的システムは必要がない。反応性バリア物質が例えばスラリー中で湿り、水中に置かれて水性環境下に保持される場合には、水圧差はない。地質学的に安定した化合物から形成されたバリアは、時を経ても安定的であり、封じ込めている汚染物質がバリアの構造の一部として非反応性の安定的な形で固定化及び不活性化され、それにより化学的及び物理的にバリア自体を強化するため、地質的あるいは生物学的刺激に屈しない。
【0057】
本発明の様々な細目が、本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく変更し得ること、及び上記の説明が非限定的な例証を目的とするものに過ぎず、本発明が請求項によってのみ規定されることは、理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1a−1e】 既知の様々なタイプの廃棄サイトを従来の汚染物質メカニズムと共に示した概略図である。
【図2a−2d】 本発明の反応バリアにおいて起き得る既知の生理化学反応を示した概略図である。
【図3a、3b】 反応バリアが、廃棄サイトに適用される様々な手法を使った際に反応バリア中の物質と反応する汚染物質が含まれていない対照試料と対比される汚染物質のための沈下物として機能する、本発明の反応バリアで起きる反応をグラフ及び式にて示した概略図である。
【図4a−4e】 本発明が適用され得る様々なタイプの廃棄サイト及び方法を示した図である。

Claims (13)

  1. リン酸塩鉱物ベースの反応性バリアシステムであって、
    汚染材料の下、周囲又は上に置かれた主に水系に不溶性の正リン酸を含む反応性リン酸塩材料と、
    前記反応性リン酸塩材料と前記汚染材料との間にある反応性界面であって、前記汚染材料における汚染物質が、吸着、表面沈澱及び共沈によって、前記界面で前記反応性リン酸塩材料と反応し、前記反応性界面に留まり、それによって、前記反応性リン酸塩材料を介して前記汚染材料中の汚染物質が拡散しないように有効に防止する不浸透性のバリアをつくる、反応性界面とを備える反応性バリアシステム。
  2. 前記反応性リン酸塩材料が、スラリー、混合マトリックス又は複合物の形態である、請求項1記載のリン酸塩鉱物ベースの反応性バリアシステム。
  3. 前記正リン酸合成リン酸塩鉱物、リン酸塩から作られた粉末、燐鉱石を含む天然の地質材料、リン酸採鉱廃棄物、海洋の燐灰石堆積物、リン酸肥料及びリン酸石膏廃棄物を含むグループから選択された材料を含有する粉末あるいは粉砕された固体の形態をした、請求項1記載のリン酸塩鉱物ベースの反応性バリアシステム。
  4. 前記汚染材料を少なくとも含むために、前記反応性リン酸材料がグラウトカーテン、ライナーシステム、エンベロープ、キャップ、又はこれらの組み合わせの形態で、形成されている、請求項1記載のリン酸塩鉱物ベースの反応性バリアシステム。
  5. 処理場における汚染廃棄物の安定化方法であって、
    主に水系に不溶性の正リン酸の形でリンを含む反応性リン酸塩バリア材料を準備し、
    準備された処理場における前記反応性リン酸塩バリア材料を堆積させ、
    前記反応性リン酸塩バリア材料と前記汚染された廃棄材料との間に反応性リン酸塩バリアが存在するように、前記準備された処理場に汚染された廃棄材料を置き、
    前記汚染材料中の汚染物質が、吸着、表面沈澱、及び共沈を介して前記反応性界面において前記リン酸塩バリア材料と反応させることを許容することにより、前記汚染物質を含む地球化学的に安定な化合物とし、前記反応バリア材料中における及び材料を通した前記汚染物質の拡散が物理的にかつ化学的に防止される、方法。
  6. 前記沈澱が、前記汚染物質が加えられる前に、前記準備された処理場に前記反応性リン酸塩バリア材料をポンプで送ることにより遂行される、請求項5記載の方法。
  7. 前記反応性リン酸塩バリア材料が、正リン酸塩及び水系との混合物を含むスラリー、水系に前記正リン酸塩を含むマトリックスを混合しさらに安定剤を付加したもの、ジオファブリック又はジオテキスタイルなどから形成された複合物のグループから選択されたものである、請求項5記載の方法。
  8. 前記反応性リン酸塩バリア材料が、グラウトカーテン、ライナーシステム、キャップ、エンベロープ又はこれらの組み合わせたものとして用いられる、請求項5記載の方法。
  9. 前記正リン酸が、合成リン酸塩鉱物、リン酸塩から作られた粉末、燐鉱石を含む天然の地質材料、リン酸採鉱廃棄物、海洋の燐灰石堆積物、リン酸肥料及びリン酸石膏廃棄物を含むグループから選択された材料を含有する粉末あるいは粉砕された固体から得られた、請求項5記載の方法。
  10. 前記方法により扱われる前記汚染された廃棄物が、河床、湾、入り江、航海水路及び地上の廃棄物を含むソースからの微粒子の有機及び無機の材料から得られた、請求項5記載の方法。
  11. 前記方法が、陸上、湾の中の水平線上又は下、河口、入り江、岸近く、又は沖合環境、及び淡水、塩水、河口又は海の環境に適用できる、請求項5記載の方法。
  12. 前記汚染物質と前記反応性リン酸塩バリア材料との間の前記反応界面における反応を最適化するために、前記反応性リン酸塩バリア材料のpHを調整するために、前記反応性リン酸塩バリア材料に酸又は塩基が加えられる、請求項5記載の方法。
  13. 浚渫された材料中の廃棄材料、汚染された堆積物、及び廃棄物を化学的に安定化し、且つ物理的に固定するために、反応性バリアを作るために、正リン酸を用いる方法であって、
    主に水系に不溶性の正リン酸鉱物組成物を準備し、
    前記不溶性の正リン酸鉱物組成物を水系と混合し、
    前記混合された不溶性の正リン酸鉱物組成物を、バリア、キャップ、ライナーの形態で処理場の中、又は周囲に送り、それにより、前記廃棄材料と前記不溶性正リン酸鉱物組成物との間に反応性界面を有する反応性バリアを作り、前記廃棄物材料が、吸着、表面沈澱、及び共沈によって、前記不溶性正リン酸鉱物組成物と反応し、それによって、前記反応性バリアに固定され、前記反応性バリアの一部となり、前記反応性バリアが前記廃棄物材料に対して地球化学的に安定となる、方法。
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