JP3678103B2 - 管制シミュレーション装置及び管制シミュレーション方法 - Google Patents

管制シミュレーション装置及び管制シミュレーション方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、移動体の移動状況を模擬するシミュレーション装置及びシミュレーション方法において、特に飛行場及び飛行場周辺の管制空域における航空機等の移動状況を模擬・表示し、管制官の航空管制業務の訓練に供する管制シミュレーション装置及び管制シミュレーション方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
航空管制業務とは航空機の航空路の飛行、空港周辺域の飛行、滑走路への離発着、滑走路上の移動等の安全を確保するため、各航空機の位置を把握し、時に航空機に対し飛行経路の変更等の管制指示及び航空機パイロットの要求に対し許可を行うものである。この管制業務に従事する管制官は、航空機の移動エリアに応じてそれぞれのエリアを監視領域としてカバーする各種の航空管制用レーダや目視により、航空機の位置を確認する。
【0003】
図11は航空管制業務エリアの一例を示す説明図であり、図11(a)は水平面内エリア、図11(b)は垂直面内エリアを示す。図11を用いて航空路から空港周辺空域、滑走路進入域へと移動する航空機を例に航空管制業務の流れを説明する。空港監視レーダASR(Airport Surveillance Radar)または二次監視レーダSSR(Secondary Surveillance Radar)は空港周辺空域にある航空機の進入管制及び出発管制を行うためのセンサの一つで、進入管制では、着陸飛行場から60〜100マイル以内(レーダ管制領域1)の航空機について、その距離及び方位をディスプレイ上に表示し、この情報により、航空機を着陸飛行場の着陸進入経路上に誘導する。ここで、ASR/SSRは、アンテナが方位面内を360度回転する捜索レーダの一種である。
【0004】
上記ASR/SSRにより滑走路延長線路上の約10マイル(レーダ管制領域2)まで誘導された航空機は、精測進入レーダPAR(Precision Approach Radar)によって滑走路至近距離まで誘導される。PARでは高低・方位の各面内を走査することで空間を立体的に走査し、最終進入状態にある航空機の進入路及び降下路からのずれ、接地基準点からの距離を、AZ−EL(Azimuth-Elevation)指示器上で測定し、その情報を無線で航空機に連絡し、航空機が最適な進入路・降下路に従って着陸できるように誘導する。
【0005】
上記PARにより滑走路まで誘導された航空機は、最終的に管制塔からの管制官視認による管制指示(飛行場管制と呼ばれるもので、通常半径約5マイルの領域)で着陸を完了する。
【0006】
近年、移動手段としての航空機の利用が高まるとともに、新規空港が開設されまた既存空港でも離発着機数が増加し、航空管制業務における安全性がより追求され、それを支える管制官の能力維持・向上が求められている。管制シミュレーション装置とは、上記の管制官の能力維持・向上に供する一手段であり、航空管制業務をシミュレーション上で訓練するための装置である。
【0007】
図12は従来の管制シミュレーション装置のブロック図である。図12において、1はシミュレーションに登場する航空機、車両等の移動体の種別・初期位置・初期速度等の初期運動データを設定するシナリオ部、2はシミュレーションの状況に応じ移動体の位置等を更新・計算し出力する位置計算出力部、3は後述する管制卓からの指示により航空機を模擬的に操縦するパイロット部、4は飛行場周辺の目視管制状況を模擬する飛行場管制卓、5は飛行場周辺空域のASR/SSRによるレーダ管制状況を模擬する第一のレーダ管制卓(図中ではレーダ管制卓1)、6は滑走路進入域のPARによる着陸・誘導管制を模擬する第二のレーダ管制卓(図中ではレーダ管制卓2)、7は上記1〜6の各ブロック間を相互につなぐバス構成のデータ伝送路、8は上記管制卓4〜6を操作する管制官と上記パイロット部3を操作するパイロットとの間の音声伝送路である。なお、管制卓4〜6には各種模擬状況を表示するためのディスプレイが備わっている。
【0008】
次に従来の管制シミュレーション装置の動作について説明する。管制シミュレーションでは、管制対象となる航空機(管制対象機)、管制に影響を与える空港周辺域を通過する航空機(通過機)、空港内を移動する車両等の各種移動体が、いつ/どこに/どのようにシミュレーションに登場するかを運行シナリオとして予め設定・登録する必要がある。シナリオ部1には、上記運行シナリオとして各種移動体の種別毎にシミュレーションでの発生時刻、発生位置、初期速度等のデータで構成される初期運動データが設定される。シミュレーションが開始すると、上記初期運動データがLAN(Local Area Network)等のバスで構成されるデータ伝送路7を経由して位置計算出力部2に出力される。
【0009】
位置計算出力部2は、上記初期運動データを用いて各種移動体の位置を定期的に更新計算しバス経由で各管制卓に出力する。計算更新レートは各管制卓4〜6の表示更新レートで決まる。この表示更新レートは、目視管制状況を模擬する飛行場管制卓4では目視状態を模擬するため1/30秒以下(30Hz以上)と短いが、レーダ管制状況を模擬する第一、第二のレーダ管制卓ではレーダスコープへの表示を模擬するためレーダアンテナの回転周期である数秒のオーダ(例えば、ASR/SSRによるレーダ管制状況を模擬する第一のレーダ管制卓では約4秒、PARによる離着陸・誘導管制を模擬する第二のレーダ管制卓では約1秒)となる。これら異なる表示更新レートの中で理想的には最も短い表示更新レートで位置計算を行い、その結果の位置更新情報を各管制卓に対する共通更新データとしてバスへ出力する。
【0010】
管制卓4〜6にはバス経由で各管制卓が模擬的に監視をカバーするエリアに存在する移動体の位置情報を共通更新データから抽出する。例えば、ASR/SSRによる管制を模擬する第一のレーダ管制卓には、約4秒に一度の周期で移動体の位置情報が入力される。また、目視管制を模擬する飛行場管制卓4には、1/30秒以下の周期で移動体の位置情報が入力される。
【0011】
管制卓4〜6には、管制業務の訓練を受ける管制官が配置されている。各管制卓には管制官が移動体の移動状況を把握するためのディスプレイが装備されている。例えば、ASR/SSRによる管制を模擬する第一のレーダ管制卓には、レーダ画面を表示するディスプレイが装備されている。また、目視管制を模擬する飛行場管制卓4には、管制塔からの視野範囲を模擬するための大画面ディスプレイが装備されている。各管制卓のディスプレイには上記の表示更新レートで移動体が表示される。従って訓練を受ける管制官は、実際の管制業務を模擬したシミュレーション環境で訓練を受けることができる。
【0012】
各管制卓に配置されている管制官は、ディスプレイに表示される移動体の運動状況を確認し、必要に応じ管制対象機に対し運動方向・速度変更の管制指示を行う。シミュレーションではこの指示は音声伝送路8によりパイロット部に伝送される。パイロット部には、管制対象機を操縦するパイロットが配置されている。このパイロットは管制官を訓練する教官の立場であり、上記管制指示により管制対象機を人為的に操縦する。このパイロットによる操縦により変更された管制対象機の変更運動データは、パイロット部からバス経由で位置計算出力部2に出力される。この変更運動データは、管制対象機が新たに移動する位置(高度等)、進路、速度等の情報である。
【0013】
位置計算出力部2は、上記変更運動データを用いて管制対象機の変更位置を計算し、シナリオに基づき更新された他の通過機等の移動体の位置情報とともにバス経由で各管制卓に出力する。この位置情報から上述のとおり各管制卓は必要な航空機に対する位置情報のみを抽出する。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、従来の管制用シミュレーション装置は、位置計算出力部が各管制卓の個別のディスプレイの表示タイミングのうち最も速いタイミングに応じて全ての移動体の位置の更新計算を行い、その位置情報をバス上に出力し共通更新データとして各管制卓に送信する構成となっている。このような構成においては不必要な航空機まで高レートで位置更新計算を行い、多量のデータをバスに出力することになり、簡略化されたシミュレーション環境、例えばシナリオで設定できる移動体の数が少ない場合や狭い領域の管制模擬のため管制卓が少ない場合には、バス経由で伝送されるデータ伝送量もバスのトラフィック容量内に収めることもできるが、より実環境に近い環境を模擬するため、移動体の数を増加したり、また、広域の管制業務を模擬するため管制卓の数・種類を増やすことに対しては、データ伝送量がバスのトラフィック容量を越えてしまい、実環境を十分にシミュレーションできないという問題があった。
【0015】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、バス上のデータ伝送量を低減することで、限られたトラフィック容量においても移動体数・管制卓数を増やし、より実際の航空管制業務に近い環境を模擬できる管制シミュレーション装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る管制シミュレーション装置は、複数の移動体の第1管制領域及びこの第1管制領域周辺の第2管制領域における移動体の種別に対応した初期運動データを模擬的に設定して出力するシナリオ部と、上記複数の移動体の初期運動データがバスを経由して入力され、これらの初期運動データと予め設定された移動体の種別に対応した移動体特性データとから上記各移動体の移動状況データを計算する計算部と、上記第1又は第2管制領域毎に移動状況データを分別する分別部と、上記第1又は第2管制領域毎に移動状況データを一括して上記バスを経由して出力する出力部と、上記第1及び第2管制領域における移動状況データがそれぞれ入力され、その移動状況データに基づいて各移動体を表示する第1及び第2管制卓とを備えたものである。
【0017】
この発明の請求項2に係る管制シミュレーション装置は、複数の移動体の第1管制領域及びこの第1管制領域周辺の第2管制領域における移動体の種別に対応した初期運動データを模擬的に設定して出力するシナリオ部と、上記初期運動データに変更を加える変更運動データを出力するパイロット部と、上記複数の移動体の初期運動データ及び変更データがバスを経由して入力され、これらの初期運動データ及び変更運動データと予め設定された移動体の種別に対応した移動体特性データとから上記変更を加えられた移動体の移動状況データを計算する計算部と、上記第1又は第2管制領域毎に移動状況データを分別する分別部と、上記第1又は第2管制領域毎に上記移動状況データを一括して上記バスを経由して出力する出力部と、上記第1及び第2管制領域における移動状況データがそれぞれ入力され、その移動状況データに基づいて各移動体を表示する第1及び第2管制卓とを備えたものである。
【0018】
この発明の請求項3に係る管制シミュレーション装置は、第1及び第2の管制卓は、入力された移動状況データを描画順に並べ替えるデータ整列部を有し、その並べ替えられた移動状況データに基づいて各移動体を表示するようにしたものである。
【0019】
この発明の請求項4に係る管制シミュレーション方法は、複数の移動体の第1管制領域及びこの第1管制領域周辺の第2管制領域における移動体の種別に対応した初期運動データを模擬的に設定して出力するシナリオ設定ステップと、上記複数の移動体の初期運動データと予め設定された移動体の種別に対応した移動体特性データとから上記各移動体の移動状況データを計算する移動状況計算ステップと、上記第1又は第2管制領域毎に移動状況データを分別する分別ステップと、上記第1又は第2管制領域毎に移動状況データを一括して出力する出力ステップと、上記第1及び第2管制領域における移動状況データに基づいて各移動体を表示する移動体表示ステップとを備えたものである。
【0020】
この発明の請求項5に係る管制シミュレーション方法は、複数の移動体の第1管制領域及びこの第1管制領域周辺の第2管制領域における移動体の種別に対応した初期運動データを模擬的に設定して出力するシナリオ設定ステップと、上記初期運動データに変更を加える変更運動データを出力する変更データ生成ステップと、上記複数の移動体の初期運動データ及び変更運動データと予め設定された移動体の種別に対応した移動体特性データとから上記変更を加えられた移動体の移動状況データを計算する移動状況計算ステップと、上記第1又は第2管制領域毎に移動状況データを分別する分別ステップと、上記第1又は第2管制領域毎に移動状況データを一括して出力する出力ステップと、上記第1及び第2管制領域における移動状況データに基づいて各移動体を表示する移動体表示ステップとを備えたものである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図について説明する。図1はこの発明の実施の形態である管制シミュレーション装置の機能ブロック図である。図1において、1〜8は図12の従来の管制シミュレーション装置のブロック図の構成要素と同じである。また、図1では管制卓内の構成については、レーダ管制卓1(ASR/SSR)を例として説明しているが、レーダ管制卓2(PAR)、飛行場管制卓についても基本的な構成は同じである。21−1〜21−nはシミュレーションに登場する移動体である各種航空機の加速度性能、旋回性能等の移動体の移動特性データが登録されているデータベース部、22はシナリオ部1から出力される初期運動データまたはパイロット部3から出力される変更運動データと上記移動特性データとから各種移動体の移動状況データを更新・計算する計算部、23は移動状況データをその移動体の位置により各管制卓のエリア毎に分別する分別部、24は分別された移動状況データを各管制卓毎にまとめ、一括してバスに出力する出力部である。
【0022】
61はバス経由で受信したASR/SSRの監視エリアにある移動体の移動状況データを受信する受信部、62は受信された移動状況データよりディスプレイのスキャン周期毎に移動体の位置を更新計算する外挿処理部、63は更新計算された位置情報に基づき、移動状況データをディスプレイへの描画順に並べ換えるデータ整列部、64は並べ換えられた移動状況データを描画データに変換処理する描画処理部、65は描画データに基づき移動状況を表示するディスプレイである。なお、図1ではASR/SSRによるレーダ管制状況を模擬する第一のレーダ管制卓6について細部構成を説明したが、飛行場管制卓4、PARによる離着陸・誘導管制を模擬する第二のレーダ管制卓5についてもその内部構成は同様である。
【0023】
次に、この発明の実施の形態1である管制シミュレーション装置の動作について説明する。シミュレーションが開始すると、移動体種別毎の発生時刻、発生位置、初期速度、初期傾斜角度等(時には、初期加速度が設定されていることもある)のデータで構成されるシミュレーションでの初期運動データがLAN(Local Area Network)等のバスで構成されるデータ伝送路7を経由して位置計算出力部2に出力される。この初期運動データは位置計算出力部2内の計算部22に入力される。ここで、計算部22の動作について説明する。図2は計算部22の動作フローチャートである。シミュレーション開始の段階では更新ファイルは空であり、シナリオから新たに発生要求のあった移動体のデータ登録処理(ループ1)が行われる。初期設定として更新番号が0に設定された後(ステップ20)、シミュレーション開始時点では、新規発生の移動体しか存在しない、つまり位置計算出力部内に登録されたデータはない(ファイル登録番号=0)ので、ステップ21のデータ更新処理(ループ2)は実行されず、ステップ22で「更新番号=ファイル登録番号(=0)」となるため、動作はステップ24に移る。このステップではシミュレーション開始時点であることから、「新規データあり」と判断されステップ25に移る。ステップ25では、シナリオ設定部より受け取った移動体種別毎の初期運動データの設定作成処理が行われる。なお、初期運動データには上記の他、移動体番号、ACID、ビーコンコード等のデータも含まれる。その後ステップ26で、現在の更新番号に1を足し新しい更新番号とする。つまり、更新番号は計算部で作成処理された移動体数を表すことになる。ステップ24からステップ26を全ての新規移動体の設定登録が行われるまで繰り返す。全ての移動体の初期運動データを移動状況データとして設定登録終了後、分別部でのファイル登録処理にステップが移る。
【0024】
次に分別部23でのファイル登録処理について説明する。ここでは計算部22からの各移動体の移動状況データを位置情報に基づき分類する。図3は分別部の動作フローチャートである。初期設定としてファイル登録番号が0に設定された後(ステップ30)、ファイル登録処理が行われる。ファイル登録処理では、データ更新処理により計算された各移動体の位置情報に基づき、データのふるい分けが行われる。ステップ31では、移動体が管制塔からの管制官による視認領域(図中では飛行場管制領域)に存在するか否かの判定が行われる。移動体の位置情報に基づき飛行場管制領域に存在すれば、飛行場管制領域ファイルにデータを登録する(ステップ32)。飛行場管制領域に存在しない場合は、次のステップ33に移る。ステップ33では、移動体がPARによる管制領域(図中ではレーダ管制領域2)に存在するか否かの判定が行われる。移動体の位置情報に基づきレーダ管制領域2に存在すれば、レーダ管制領域2ファイルにデータを登録する(ステップ34)。レーダ管制領域2に存在しない場合は、次のステップ35に移る。ステップ35では、移動体がASR/SSRによる管制領域(図中ではレーダ管制領域1)に存在するか否かの判定が行われる。移動体の位置情報に基づきレーダ管制領域1に存在すれば、レーダ管制領域1ファイルにデータを登録する(ステップ36)。これをその時点までに登録されている全ての移動体について行う(ステップ37でファイル登録番号と更新番号(図2のフローチャートで示された更新番号のこと)とを比較し、等しくなければ、ステップ38でファイル登録番号を1ずつ増やし、ステップ31に戻すことで、全ての登録されている移動体についての各領域ファイルへの分別が行われる)。その後出力部でのデータ出力処理のステップに移る。
【0025】
次に出力部24でのデータ出力処理について説明する。ここでは分別部23で領域ファイル毎に分類されたデータの出力処理が行われる。図4は出力部の動作フローチャートである。ステップ41では、各管制卓へのデータ出力タイミングか否かの判断が行われる。出力タイミングと判断されると、ステップ42〜44にて、飛行場管制領域ファイルのデータは飛行場管制卓へ出力され(ステップ42)、レーダ管制領域2ファイルのデータはレーダ管制卓2(PAR)へ出力され(ステップ43)、レーダ管制領域1ファイルのデータはレーダ管制卓1(ASR/SSR)へ出力される(ステップ44)。
【0026】
次に管制卓の動作について説明する。ここでは、レーダ管制卓1(ASR/SSR)を例に説明を行う。出力部24からの移動状況データを受け受信部61では以下の受信処理が行われる。まずステップ50では位置計算出力部からの受信要求が有るか否かが判断される。受信要求有りの場合は、ステップ51でデータをテンポラリファイルに一時保存する。ステップ52ではテンポラリファイルより1移動データ毎に読み出し、位置情報の直交/極座標変換を行う。次に外挿処理部62では、過去に受信された移動体のデータについて移動体の位置の外挿処理計算を行い(ステップ53)、データ整列部63では、新規受信データと更新用ファイルから読み出した過去のデータとの間で、座標の小さいものから順に(ディスプレイへの表示スキャン順に)編集し直し(ステップ54)、新たに更新用ファイルに登録する(ステップ55)。以上の処理をテンポラリファイルが空になるまで行う(ステップ56)。次にステップ57で、更新ファイルを表示データファイルに切替、元の表示データファイルを更新ファイルとしクリアする。次にステップ58では、新しい更新ファイルに格納されているデータから順次読み出す。データの角度情報からディスプレイの表示更新タイミングか否かを判断し(ステップ59)、表示更新タイミングであれば、描画・表示を行う(ステップ60)。これを全てのデータについて行う(ステップ61)ことで、ディスプレイ上に移動体の移動状況が時々刻々表示される。なお、他の管制卓(飛行場管制卓4、PAR管制卓5)でも同様の動作が行われる。ただし、データの処理(外挿、整列、描画の各処理)の周期は管制卓毎に異なり、ASR/SSRによる管制を模擬する第一のレーダ管制卓では約4秒に一度の周期で、PARによる管制を模擬する第二のレーダ管制卓では約1秒に一度の周期で、目視管制を模擬する飛行場管制卓4では最小1/30秒以下の周期(飛行場管制卓4内で外挿処理を行わせる場合は周期を遅くする)で、処理が行われる。
【0027】
各管制卓に配置されている管制官は、ディスプレイに表示される移動体の運動状況を確認し、必要に応じ管制対象機に対し運動方向変更の管制指示を音声伝送路8を通してパイロット部に配置されているパイロットに伝達する。管制官を訓練する教官の立場であるパイロットは、上記管制指示により管制対象機を人為的に操縦する。このパイロットによる操縦により変更された管制対象機の変更運動データは、パイロット部からバス7経由で位置計算出力部2に出力される。この変更運動データは、管制対象機が新たに移動する位置(高度等)、進路、速度等の情報である。
【0028】
位置計算出力部2内ではこの変更運動データを用いて管制対象機の変更位置を計算するとともに、シナリオに基づき変化する他の通過機等の移動体の位置情報も更新計算する。この更新計算は計算部22にて行われる。この処理は図2のフローチャートのステップ20〜23で行われる。初期設定として更新番号が0に設定された後(ステップ20)、ステップ21でシミュレーション中の各種移動体の移動状況データを更新する。具体的には、通過機のように初期シナリオで決まる定常的な運動を行う移動体については、定期的にその時点での位置、速度等を計算しなおす。また、管制対象機のようにパイロット部からの操作により運動状態に変更が加わるものについては、パイロット部からの変更運動データ、移動体特性データベースを参照しパイロット部からの指示タイミングでの位置、速度、加速度等を計算しなおす。パイロット部からの指示がない場合は変更運動データは前回指示の結果を保持する(ステップ23で更新番号とファイル登録番号とを比較し、等しくなければ、ステップ24で更新番号を1ずつ増やし、ステップ22に戻すことで、全ての登録されいる移動体についてのデータ更新が行われる)。全ての登録移動体のデータ更新が行われた後、シナリオ部からの新規発生データの有無の確認が行われる(ステップ24)。新規発生データがなければ、分別部でのファイル登録処理、出力部でのデータ出力処理を経て、移動状況データが各管制卓に送付され、各管制卓での内部処理の後、ディスプレイに表示される。
【0029】
なお計算部22では上記のとおり、パイロット部3で不定期に発生する変更運動データの入力時に更新計算が行われる他、各管制卓の表示更新レートの数倍の周期で定期的に更新計算が行われている。これは移動体がシミュレーションの進行とともにある管制領域から別の管制領域に移動することを計算部で監視するためである。この定期的な更新計算の結果、移動体が新しい管制領域に移動した場合には、移動状況データを対応する管制卓に出力する。
【0030】
図6〜図9はこの発明の実施の形態である管制シミュレーション装置の動作タイミングチャートである。本タイミングチャートでは説明を簡単にするため、シミュレーションに登場する移動体は3個とし、移動体1、2は飛行場管制領域とレーダ管制領域1(ASR/SSR)の2つの領域に属し、移動体3は飛行場管制領域、レーダ管制領域2(PAR)とレーダ管制領域1(ASR/SSR)の3つの領域に属しているものとする。また、移動体2を管制対象機としレーダ管制卓1(ASR/SSR)に配置された管制官より管制指示がなされるものとする。図10はレーダ管制卓1(ASR/SSR)のディスプレイの画面表示例であり、管制官はこのディスプレイ表示に基づき管制指示を行う。
【0031】
図6において、(n−2)スキャン目にパイロット部で移動体2に対し管制指示による航空機操縦操作がなされたとする。図7、9に示すように、この操縦操作に基づき位置計算出力部2の計算部22では、(n−2)スキャン内において暫定的な更新処理が行われ、(n−1)スキャンにおいて最終的な更新処理が行われる。この後同じく(n−1)スキャンにおいて、分別部23で各管制卓毎にデータがまとめられ(図7中のファイリング処理)、図9に示すように出力部23にて制御データ(図9に示すデータフォーマットの陰線部分)が付加され最終の移動状況データが作成され各管制卓に個別に出力される。図7に示すように各管制卓に配信されたデータは、同じく(n−1)スキャンにおいて外挿・整列処理がなされる。その後、図8に示すようにnスキャン目に表示更新される。一方従来の方式ではデータを管制卓毎にまとめ処理することなく、全ての管制卓に同時に送信しているので、ある管制卓にとっては自身の管制領域内に存在しない不要な移動体のデータも受信しなければならないことになる。しかも一個の移動体のデータ送信毎に制御データを付加することとなるためデータ量が増える。この傾向はシミュレーションに登場する移動体数が増えるとより顕著になる。
【0032】
以上説明したように、この発明の実施の形態によれば、管制卓毎にデータを分別し、まとめて出力するようにしたので、バス上のデータ伝送量を低減できるという効果を有する。
【0033】
なお、上記説明では各移動体は1機単位で考えていたが、例えば自衛隊機による編隊飛行は、編隊を構成する全航空機の位置情報、加速度ベクトルを送出せず、1グループの航空機とし、うち基本となる例えば隊長機の情報とあとは編隊各機の差分情報を送出することで全航空機の移動状況が把握可能である。このようなデータ構成とするすることにより編隊機によるトラフィック情報を抑制する効果を得る。
【0034】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば計算部において計算される移動状況データを出力される各管制卓毎に分別しまとめて出力するようにしたので、バス上のデータ伝送量を低減することができ、限られたトラフィック容量のバスにおいても移動体数・管制卓数を増やし、より実際の航空管制業務に近い環境を模擬できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態の管制シミュレーション装置のブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態の位置計算出力部にある計算部の動作フローチャートである。
【図3】 この発明の実施の形態の位置計算出力部にある分別部の動作フローチャートである。
【図4】 この発明の実施の形態の位置計算出力部にある出力部の動作フローチャートである。
【図5】 この発明の実施の形態の管制卓の動作フローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態の管制シミュレーション装置の動作タイミングチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態の管制シミュレーション装置の動作タイミングチャートである。
【図8】 この発明の実施の形態の管制シミュレーション装置の動作タイミングチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態の管制シミュレーション装置の動作タイミングチャートである。
【図10】 この発明の実施の形態の管制シミュレーション装置の管制卓画面表示例である。
【図11】 航空管制業務エリアの説明図であり、(a)は水平面内エリア、(b)は垂直面内エリアを示す。
【図12】 従来の管制シミュレーション装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 シナリオ部、2 位置計算出力部、3 パイロット部、4 飛行場管制卓、5 レーダー管制卓1(ASR/SSR用)、6 レーダー管制卓2(PAR用)、7 データ伝送路、8 音声伝送路、21 データベース部、22 計算部、23 分別部、24 出力部、61 受信部、62 外挿処理部、63 データ整列部、64 描画処理部、65 ディスプレイ。

Claims (5)

  1. 複数の移動体の第1管制領域及びこの第1管制領域周辺の第2管制領域における移動体の種別に対応した初期運動データを模擬的に設定して出力するシナリオ部と、上記複数の移動体の初期運動データがバスを経由して入力され、これらの初期運動データと予め設定された移動体の種別に対応した移動体特性データとから上記各移動体の移動状況データを計算する計算部と、上記第1又は第2管制領域毎に移動状況データを分別する分別部と、上記第1又は第2管制領域毎に移動状況データを一括して上記バスを経由して出力する出力部と、上記第1及び第2管制領域における移動状況データがそれぞれ入力され、その移動状況データに基づいて各移動体を表示する第1及び第2管制卓とを備えたことを特徴とする管制シミュレーション装置。
  2. 複数の移動体の第1管制領域及びこの第1管制領域周辺の第2管制領域における移動体の種別に対応した初期運動データを模擬的に設定して出力するシナリオ部と、上記初期運動データに変更を加える変更運動データを出力するパイロット部と、上記複数の移動体の初期運動データ及び変更データがバスを経由して入力され、これらの初期運動データ及び変更運動データと予め設定された移動体の種別に対応した移動体特性データとから上記変更を加えられた移動体の移動状況データを計算する計算部と、上記第1又は第2管制領域毎に移動状況データを分別する分別部と、上記第1又は第2管制領域毎に上記移動状況データを一括して上記バスを経由して出力する出力部と、上記第1及び第2管制領域における移動状況データがそれぞれ入力され、その移動状況データに基づいて各移動体を表示する第1及び第2管制卓とを備えたことを特徴とする管制シミュレーション装置。
  3. 第1及び第2の管制卓は、入力された移動状況データを描画順に並べ替えるデータ整列部を有し、その並べ替えられた移動状況データに基づいて各移動体を表示することを特徴とする請求項1または2に記載の管制シミュレーション装置。
  4. 複数の移動体の第1管制領域及びこの第1管制領域周辺の第2管制領域における移動体の種別に対応した初期運動データを模擬的に設定して出力するシナリオ設定ステップと、上記複数の移動体の初期運動データと予め設定された移動体の種別に対応した移動体特性データとから上記各移動体の移動状況データを計算する移動状況計算ステップと、上記第1又は第2管制領域毎に移動状況データを分別する分別ステップと、上記第1又は第2管制領域毎に移動状況データを一括して出力する出力ステップと、上記第1及び第2管制領域における移動状況データに基づいて各移動体を表示する移動体表示ステップとを備えたことを特徴とする管制シミュレーション方法。
  5. 複数の移動体の第1管制領域及びこの第1管制領域周辺の第2管制領域における移動体の種別に対応した初期運動データを模擬的に設定して出力するシナリオ設定ステップと、上記初期運動データに変更を加える変更運動データを出力する変更データ生成ステップと、上記複数の移動体の初期運動データ及び変更運動データと予め設定された移動体の種別に対応した移動体特性データとから上記変更を加えられた移動体の移動状況データを計算する移動状況計算ステップと、上記第1又は第2管制領域毎に移動状況データを分別する分別ステップと、上記第1又は第2管制領域毎に移動状況データを一括して出力する出力ステップと、上記第1及び第2管制領域における移動状況データに基づいて各移動体を表示する移動体表示ステップとを備えたことを特徴とする管制シミュレーション方法。
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