JP3677231B2 - 養鶏用給餌装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は養鶏用給餌装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ブロイラーの飼育には、飼料給送用コンベアに多数の給餌装置を取り付け、コンベアの給餌口から給餌装置の落下フード内に飼料を導入し、下方の給餌皿上に飼料を分配するようにしている。
特公昭55−40208号公報等に示される装置では、落下フードに対し給餌皿を係止部材を介して上下方向に複数段に亙って高さ調整自在、かつ取り外し自在に設けている。
これにより、落下フードと給餌皿との間隙が調整でき、給餌皿への飼料の供給量を調整できる。また、給餌皿を取り外して給餌皿の洗浄が行える。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記給餌装置には次のような課題がある。
すなわち、ブロイラーが一斉に成長し、出荷された後には、給餌装置を洗浄する必要があるが、この洗浄の際に、極めて多数の給餌皿を、作業員が係止部材を操作して取り外して洗浄し、洗浄後はその都度また取りつけるという作業を強いられ、極めて多大の労力を要するという課題がある。また取り外した給餌皿を鶏舎内の適当な個所に載置して洗浄作業を行うのも、広い置き場面積を要し、洗浄作業も容易でなく、また不衛生になりがちであるという課題がある。
【0004】
そこで本発明は上記課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、洗浄作業が容易となる養鶏用給餌装置を提供するにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するため次の構成を備える。
すなわち、本発明に係る給餌装置は、飼料給送用コンベアの給餌口に連結可能となっており、該給餌口から落下フード内に飼料を導入し、落下フード下方の給餌皿上に飼料を供給する養鶏用給餌装置において、前記給餌皿には、中央に開口部が形成され、該開口部を閉塞する底部材が着脱自在に設けられており、前記底部材には、中央に貫通孔が形成されており、該貫通孔を貫通して、下部が前記底部材下方に突出し、上部が前記落下フード内に延びて連結リブを介して該落下フードに連結された棒状体が設けられ、該棒状体の前記底部材下方に突出する部位に、前記底部材が前記給餌皿から外され、棒状体上を下方に移動する際、所要移動位置で底部材を係止して底部材を吊り下げ状態に支持する係止部が設けられていることを特徴としている。
【0006】
また、前記棒状体は、上部が閉塞された筒状に形成され、該棒状体の下部が二股状に分岐され、分岐片上に前記係止部が設けられ、該両分岐片を接近方向にすぼめることで、前記底部材に対する前記係止部の係止が外れて底部材が棒状体から取り外せることを特徴とする。
【0007】
また、前記落下フードは、前記飼料給送用コンベアの給餌口に連結される取付フードと、前記給餌皿上方に位置して、前記取付フードに上下動可能に設けられ、下方に移動した際、取付フードに係止して移動が規制され、給餌皿との間に給餌皿上に飼料を流下させる飼料流下間隙を形成する調整フードからなり、前記棒状体は前記連結リブを介して前記調整フードに連結されていることを特徴とする。
前記給餌皿は、網枠部を介して前記落下フードに係止される、高さ方向に幅を有するリング部と、該リング部に対して上下方向に移動可能に設けられ、下方に移動した位置で前記リング部に係止する皿本体とからなり、該皿本体に前記開口部が形成されていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づき詳細に説明する。
図1は給餌装置10の断面図である。
給餌装置10は、飼料給送用コンベア12に取付具13により取りつけられる。
コンベア12は、搬送パイプ11内にスクリューコンベア(図示せず)が配置されて成り、飼料を搬送する。
給餌装置10は、搬送パイプ11に開口された給餌口に対応して取り付けられ、該給餌口から飼料が導入されるのである。
【0009】
14は筒状をなす取付フードであり、この取付フード14の部位において取付具13により搬送パイプ11に取りつけられる。飼料は給餌口から、この取付フード14内に導入される。
図2は、取付フード14の拡大図である。取付フード14の外周中途部には、上下に間隔をおいて、係止リング15と係止突起(周方向に複数設けられる)16が設けられている。係止突起16の上面側はテーパー面に形成されている。この係止リング15と係止突起16との間には後記する網枠部の取付部が嵌め込まれて取り付けられる。
取付フード14の下部には、係止突条17が形成されている。係止突条の代わりに、周方向に複数の突起を設けるようにしてもよい。
【0010】
図1において、18は調整フードであり、筒状に形成され、取付フード14と同軸に、取付フード14に対して上下動自在に取り付けられている。
取付フード14と調整フード18とで落下フード15を構成する。
調整フード18は、内筒(第1のフード)19と外筒(第2のフード)との二重筒状をなし、内筒19が取付フード14の外周上で上下動自在となっている。
内筒19の上縁には、内方に突出する係止突部20が周方向に適宜間隔をおいて複数設けられている(図3)。この係止突部20が、取付フード14の係止突条17に係止することによって、調整フード18の下方への移動が規制される。
21は外方に突出するつまみ部である。
【0011】
また、図3、図4に示すように、内筒19の外周面には、互いに反対側に位置する部位に2つの係止溝23が設けられている。
この係止溝23は、図4に示すように、内筒19の下端から上部に至る縦溝13aと、高さを異にする複数(図では3本)の横溝23b、23c、23dを有する。横溝23b、23c、23dは縦溝23eによって連通している。また縦溝23aと縦溝23eとは横溝23fによって連通している。
【0012】
横溝23fの中途部には、溝を横切って、断面三角形状の高さの低い突部24が形成されている。また、各横溝23b、23c、23dの入口側にも、同様の突部25、26、27がそれぞれ設けられている。
【0013】
外筒20は、内筒19に対して、上下方向の位置が複数段に調整可能に係止される。
図5は外筒20の詳細を示す。
外筒20の下部は、外方にラッパ状に広がって、給餌皿との間で飼料を給餌皿上に流下させる飼料流下間隙30を形成する。
外筒20の上縁には、内方に突出する突起31が互いに対向する位置に2個設けられている。32はつまみ部である。
【0014】
外筒20は、突起31を、内筒19の縦溝23aに下方から進入させるようにして内筒19に沿って上方に移動させ、突起31が縦溝23aの上端に至ったら、横方向に外筒20を回転させることによって、突起31が突部24を乗り越え、縦溝23eに進入し、縦溝23e内で上下動させながら外筒20をさらに横方向に回転させることで、突起31をいずれかの横溝23b、23c、23dに進入させることができる。
つまり、外筒20を内筒19に対して3段階に高さ調節可能となる。
なお、調整フード18を内筒19と外筒20とで構成したが、1つの筒状体で形成してもよい。
【0015】
上記外筒20の中心部には、複数枚の連結リブ33を介して、上下方向に延びる棒状体34が固定されている。リブ33は、飼料の落下の妨げとならないように、板状のものが用いられ、実施例では120°間隔をおいて3枚用いられている。また、リブ33は、内筒19に対する外筒20の移動の障害とならない位置に固定されることは言うまでもない。
実施例での棒状体34は上端が閉塞されたパイプ状をなし、上部は内筒19内に延出し、リブ33と共に、調整フード18内を落下する飼料を周方向に分配する機能も有する。
【0016】
棒状体34の下部は、外筒20下端よりも下方に長く延出し、後記する給餌皿の底部材の中央に設けた貫通孔を貫通して下方に突出するようになっている。
また、底部材より下方に突出する棒状体34の部位は、図6に示すように二股状に分岐され、該分岐片35を指により挟み込むことで、弾性力に抗して分岐片35を接近させられるようになっている。
また分岐片35の下部には、外周よりも外方に突出する突出部36が形成されている。
上記では、落下フード15を、取付フード14と調整フード18とで構成したが、取付フード14、内筒19、外筒20を別体にせず、一体の1つのものに構成してもよい。
【0017】
次に、給餌皿40について説明する。
給餌皿40は、図1に示すように、網枠部41のリング状の取付部42が、取付フード14の係止突起16と係止リング15との間に嵌入されることで、取付フード14に取り付けられる。
網枠部41は図7に示すように、取付部41から放射状、かつ下方に延びる複数本のアーム43を有する。このアーム43間の間隙から、雛であれば、雛が給餌皿40内に進入して飼料をついばむことができ、成鶏であれば、首を突っ込んで飼料をついばむことができる。
【0018】
複数本のアーム43の下端には、給餌皿40の一部をなすリング部45が網枠部41に固定されている。
リング部45は高さ方向に所要の幅(例えば3cm程度)を有する円筒状をなしている。
またリング部45の下端部は下方に行く程縮径された絞り部(係止部)45aに形成されている。
このリング部45に、皿本体46(図1)が取りつけられる。
【0019】
皿本体46は本体部47(図8)と底部材48(図9)とで浅皿状をなす。
本体部47の上縁には、リング部45内に進入し、リング部45の係止部45a上面に係合する係合部47aが外方に向けて突設されている。
したがって、皿本体46はリング部45に対し、リング部45の幅(高さ)の範囲内で上下動可能であり、係合部47aが係止部45aに係止することで下方への移動が規制される。
このように、皿本体46がリング部45に対して上下動することで、給餌皿40の深さが調節可能となっている。
【0020】
本体部47の中央部は円形状に大きく開口され、開口部には下方にほぼ円筒状に延びる下部壁49が形成されている。この下部壁49には、周方向に延びたのち下縁に開口する切欠部50が周方向に適宜間隔をおいて複数個設けられている。
底部材48は、図9に示すように、ほぼ円錐状に形成され、その頂部には前記棒状体34の下部が貫通する貫通孔52が形成されている。貫通孔52の縁は若干内方に突出する突周縁52aとなっている。底部材48の下部は、本体部47の下部壁49に内側から嵌合する、ほぼ円筒状をなす嵌合壁53が形成されている。この嵌合壁53の外面には、突起54が周方向に適宜間隔をおいて複数個設けられている。
【0021】
突起54が切欠部50に進入するように底部材48を本体部47に当てがい、底部材48を横方向に回転すると、突起54が、切欠部50の周方向部分に進入し、これにより、底部材48が本体部47に取り付け可能となる。取り外すには、底部材48を逆方向に回転すればよい。
底部材48の円錐状部分は本体部47上方に突出し、その上面のテーパー面と、調整フード18の外筒20下部のテーパー面の下面との間の間隙が前記したように、飼料流下間隙30となる。
なお、55は補強用のリブである。
【0022】
続いて動作を説明する。
給餌装置10は、搬送パイプ11に吊り下げ状態で多数取り付けられる。この搬送パイプ11は図示しない吊り下げ装置により上下動可能にして用いられる。
雛の生育段階では、搬送パイプ11を下げ、図10に示すように給餌皿40の底が床に当接し、かつ、皿本体46がリング部45に対して上方に移動した状態で用いる。
これにより、給餌皿40が浅くなり、雛が容易に給餌皿40内に入り込むことができ、餌をついばむことができる。
また、給餌皿40の底が床面に当接することで、棒状体34が上方に移動し、調整フード18が上昇し、これにより飼料流下間隙が広げられ、飼料が十分に給餌皿40上に供給される。飼料が油分を含む粘着性の高いものであっても、飼料流下間隙30が大きいから給餌皿40に好適に飼料が供給される。したがってまた飼料のブリッジ現象も極力回避される。
【0023】
雛が成長するにつれて、搬送パイプ11を引き上げる。これにより皿本体46側は床面に当接したままであるが、リング部45が引き上げられるから、給餌皿40は高さが順次高くなり、雛の成長に合わせられる。飼料流下間隙30の大きさは変わらないことが理解されよう。
このようにして雛の段階で十分に飼料を与えることができる。
図11に示すように、皿本体46の係合部47aがリング部45の係止部45aに当接した以後、さらに搬送パイプ11が引き上げられると、これに伴って皿本体46側も引き上げられる。棒状体34は床面に当接したままである。これにより、飼料流下間隙30が次第に狭められることが理解される。
【0024】
この段階では鶏がかなり成長した段階であり、飼料も雛用のものとは異なっており、さらさらした固形の飼料であるから、飼料流下間隙30が狭くなっても、十分に給餌皿40上に飼料が供給される。
鶏は背が高くなっているが、引き上げられた給餌皿40に容易に首を突っ込んで餌をついばむことができる。
【0025】
内筒19の係止突部20が、取付フード14の係止突条17に係止すると、以後は調整フード18も引き上げられるから、飼料流下間隙30の大きさは変わらなくなる。この段階は鶏のほぼ出荷時期となる。
以上のように、雛、鶏の成長段階に応じて、連続的、あるいは段階的に飼料流下間隙30を調整できるから、理想的な給餌が行える。
特に雛の段階の飼育が重要であるが、この給餌装置10によれば、十分な飼料を与えることができる。
【0026】
飼育が終了すると給餌装置10を洗浄する必要がある。
本実施の形態の給餌装置10では、洗浄も容易に行える。
すなわち、図13に示すように、給餌皿40の底部材48を軸線を中心として回転することによって、本体部47から底部材48を取り外す。
底部材48は下方に移動し、突周縁52aが棒状体34下部に設けた突出部(係止部)36に当接した位置で停止する。
このようにして、皿本体46の底を大きく開口できるから、残った飼料を容易に排出でき、また洗浄水により容易に洗浄できる。洗浄水も皿内に残ってしまうことがない。
【0027】
また、底部材48は棒状体34に吊り下げられた状態となるから、置き場所も心配することがなく、極めて多数の給餌装置10の洗浄が作業性よく行えることになる。底部材48を床面等に置く必要がないから、衛生的にも好適である。また、洗浄後、再度本体部47に組み付ける作業も容易であり、効率よく行うことができる。
さらに、分岐片35をすぼめることによって、底部材48を完全に分離することもできる。これにより、外筒20を移動させて、外筒20の内筒19に対する高さ、すなわち、飼料流下間隙30の初期の大きさの設定や、その他の修理等が容易に行える。
【0028】
【発明の効果】
請求項1によれば、洗浄の際、外した底部材を棒状体に吊り下げられた状態に支持できるから、置き場所も心配することがなく、極めて多数の給餌装置の洗浄が作業性よく行え、また、底部材を床面等に置く必要がないから、衛生的にも好適で、さらに、洗浄後、再度底部材を組み付ける作業も容易であり、洗浄作業を効率よく行うことができる。
請求項2によれば、必要に応じて底部材を網状体から外すこともでき、修理作業等を容易に行える。
請求項3によれば、雛、鶏の成長段階に応じて、給餌装置を床面等の当接部から引き上げていくだけで自動的に飼料流下間隙の大きさを調整でき、成長段階に応じた飼料を容易かつ十分に給餌皿上に供給でき、理想的な給餌が可能となる。また請求項4によれば、雛、鶏の成長段階に応じて給餌皿の深さを容易に調整できるので、好適な給餌が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】給餌装置を吊り下げた状態の断面図である。
【図2】落下フードの正面図である。
【図3】内筒の断面図である。
【図4】内筒の正面図である。
【図5】外筒の断面図である。
【図6】外筒の正面図である。
【図7】網枠部の断面図である。
【図8】皿本体の本体部の断面図である。
【図9】皿本体の底部材の断面図である。
【図10】給餌装置を床面に当接させた状態の断面図である。
【図11】搬送パイプを若干引き上げた際の給餌装置の状態を示す断面図である。
【図12】搬送パイプをさらに引き上げた際の給餌装置の状態を示す断面図である。
【図13】底部材を取り外した状態を示す給餌装置の断面図である。
【符号の説明】
10 給餌装置
11 搬送パイプ
12 コンベア
14 取付フード
15 落下フード
18 調整フード
19 内筒
20 外筒
23 係止溝
30 飼料流下間隙
31 突起
34 棒状体
36 係止部
40 給餌皿
41 網枠部
45 リング部
46 皿本体
47 本体部
48 底部材
52 貫通孔
Claims (4)
- 飼料給送用コンベアの給餌口に連結可能となっており、該給餌口から落下フード内に飼料を導入し、落下フード下方の給餌皿上に飼料を供給する養鶏用給餌装置において、
前記給餌皿には、中央に開口部が形成され、該開口部を閉塞する底部材が着脱自在に設けられており、
前記底部材には、中央に貫通孔が形成されており、
該貫通孔を貫通して、下部が前記底部材下方に突出し、上部が前記落下フード内に延びて連結リブを介して該落下フードに連結された棒状体が設けられ、
該棒状体の前記底部材下方に突出する部位に、前記底部材が前記給餌皿から外され、棒状体上を下方に移動する際、所要移動位置で底部材を係止して底部材を吊り下げ状態に支持する係止部が設けられていることを特徴とする養鶏用給餌装置。 - 前記棒状体は、上部が閉塞された筒状に形成され、該棒状体の下部が二股状に分岐され、分岐片上に前記係止部が設けられ、該両分岐片を接近方向にすぼめることで、前記底部材に対する前記係止部の係止が外れて底部材が棒状体から取り外せることを特徴とする請求項1記載の養鶏用給餌装置。
- 前記落下フードは、前記飼料給送用コンベアの給餌口に連結される取付フードと、前記給餌皿上方に位置して、前記取付フードに上下動可能に設けられ、下方に移動した際、取付フードに係止して移動が規制され、給餌皿との間に給餌皿上に飼料を流下させる飼料流下間隙を形成する調整フードからなり、
前記棒状体は前記連結リブを介して前記調整フードに連結されていることを特徴とする請求項1または2記載の養鶏用給餌装置。 - 前記給餌皿は、網枠部を介して前記落下フードに係止される、高さ方向に幅を有するリング部と、該リング部に対して上下方向に移動可能に設けられ、下方に移動した位置で前記リング部に係止する皿本体とからなり、該皿本体に前記開口部が形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の養鶏用給餌装置。
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