JP3676919B2 - 反応性イオンエッチング装置 - Google Patents
反応性イオンエッチング装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3676919B2 JP3676919B2 JP27779897A JP27779897A JP3676919B2 JP 3676919 B2 JP3676919 B2 JP 3676919B2 JP 27779897 A JP27779897 A JP 27779897A JP 27779897 A JP27779897 A JP 27779897A JP 3676919 B2 JP3676919 B2 JP 3676919B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- vacuum chamber
- electrode
- plasma
- etching apparatus
- reactive ion
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- ing And Chemical Polishing (AREA)
- Drying Of Semiconductors (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマを利用して、半導体上或いは電子部品、その他の基板上の物質をエッチングするエッチング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
添附図面の図6には、本願発明者らが、先に特開平7−263192号において提案した磁気中性線放電エッチング装置を示す。この先に提案した装置は、真空チャンバーAの上部の誘電体円筒壁A1の外側に載置された3つの磁場コイルB、 C、Dによって真空チャンバーA内部に磁気中性線Eが形成され、この磁気中性線Eに沿って、中間の磁場コイルCの内側に配置された1重のアンテナFにアンテナ用高周波電源Gから高周波電場を印加することによりリング状のプラズマが形成されるように構成されている。また、エッチングガスは流量制御器を通して上部天板A2付近の周囲より導入され、コングクタンスバルブの開口率によって圧力が制御される。真空チャンバーAの下部の基板電極Hにはバイアス用高周波電源Iから高周波電力が印加される。
【0003】
このように構成した図6に示される磁気中性線放電エッチング装置について説明する。
エッチングガスは真空チャンバーAの上部フランジ付近から導入され、誘電体円筒壁A1の外側と中間の磁場コイルCとの間に配置された1重のアンテナFに高周波電力を印加することによりプラズマが形成されて導入ガスが分解される。真空チャンバーAの下部の基板電極Hにはバイアス用高周波電源Iからバイアス用の高周波電力が印加される。ブロッキングコンデンサーによって浮遊状態になっている基板電極Hは負のセルフバイアス電位となり、プラズマ中の正イオンが引き込まれて基板上の物質をエッチングする。
磁気中性線放電では真空中にリング上に形成される磁気中性線の部分に密度の高いプラズマを形成するため、リングに沿って形成される誘導電場を有効利用するものでる。この方法によって、容易に1011cm-3の荷電粒子密度を持つプラズマが形成される。
【0004】
また図7には従来技術において用いられてきた誘導結合放電エッチング装置を示し、真空チャンバーA内に放電プラズマを発生するための1重のコイルからなるアンテナFを真空チャンバーAの側壁A1の外側に設け、この高周波アンテナ Fにプラズマ発生用高周波電源Gから高周波電力を印加し、ハロゲン系のガスを主体とするエッチングガスが流量制御器を通して上部天板A2付近の周囲より導入され、気体を真空チャンバーA内に導入し、低圧でプラズマを形成すると共に導入気体を分解し、発生した原子、分子、ラジカル、イオンを積極的に利用し、プラズマに接する基板電極Hに高周波電源Iから高周波電場を印加して基板電極 H上に載置された基板をエッチングするように構成されている。
このような誘導結合放電エッチング装置では磁気中性線放電エッチング装置よりプラズマ密度が低いため、エッチング速度は低い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の技術では、図6及び図7に見られるように、誘電体隔壁の大気側に高周波アンテナが設けられていた。この方式であると、放電室径が大きくなるとアンテナとプラズマとの距離が遠くなり、放電効率が悪くなる上にアンテナのインピーダンスが高くなることや、誘電体隔壁であるため壁面温度制御が困難であること、機械的強度が十分でないこと、このために大口径のプラズマ源を構成するときの誘電体隔壁の厚みが10〜30mmにもなると、プラズマとの間に電流が流れないこと、誘電体を通して高周波電力を導入するため誘電体内部に金属の防着板を設置できないこと等の問題があった。
また、これまで実用化された誘導結合型放電装置は外部に高周波アンテナを配置する方式であり、アンテナからの高周波電磁場を真空室内に導入するための誘電体真空隔壁が用いられている。この材料として、一般には、石英が使用されている。誘電体隔壁を使用するときの問題として、上述のように隔壁の温度制御が困難なこと、機械的強度が十分でないこと、このために大口径のプラズマ源を構成するときの誘電体隔壁の厚みが10〜30mmにもなること、プラズマとの間に電流が流れないこと等があり、可能な限り誘電体隔壁を使用しないのが望ましい。また、上面にアンテナを置く方式では誘電体の厚みが30〜50mmにもなる。
【0006】
ところでエッチングでは反応性の高いラジカル及びイオンを基板に照射して基板物質との反応により基板物質をガス化して蝕刻するが、単に削ればよいわけではなく、微細化に伴いより形状制御が重要になってきている。
このためにはエッチャントの他に微細孔内部の壁面に付着してイオンの当たらない側壁を保護する働きをする物質もプラズマ中で生成されなければならない。0.3μm幅以下の微細加工ではこのエッチャントと保護物質との相対濃度及び孔 内部への相対的な到達量が重要になる。保護物質がエッチャントに対して多くなり過ぎるとO.3μm幅以下の微細孔は、保護物質により埋まってしまい、いわゆ るエッチストップが起こって、削れないことになる。逆に、保護物質が少なすぎるとエッチャントによって側壁が削られて、Bowingが発生し、望ましい形状が得られない。
【0007】
従来用いられてきた誘導結合エッチング装置及び磁気中性線放電エッチング装置においては、プラズマを形成するためのアンテナとバイアス電圧を発生させるための電気的に浮遊状態の電極に高周波電力が印加される。ハロゲン系のガスが導入されてプラズマが形成されると、ガス分子がプラズマ分解され、エッチャントや重合しやすい物質が生成される。重合しやすい物質が基板電極に達すると保護物質として働くが、放電室壁面に達すると壁面に付着してダストの原因になる。そのため、大きな放電室を持つICPやNLDでは壁面を80〜200℃に加熱し て、付着を出来るだけ少なくする対策が取られる。しかし、壁面が誘電体で構成されているため加熱しても温度制御ができず付着性物質を完全に無くすことができない。また、誘電体を通して高周波電力を導入するので、誘電体隔壁内部に防着板を設置するのも困難であった。
【0008】
エッチストップが発生するメカニズムのーつに微細孔内のチャージアップが考えられる。基板バイアスが負になっているので、孔内にイオンとラジカルが飛来しイオンアシストによってエッチングが進行する。孔が微細になると、シース電界によつて電子流入が不十分になり孔内の電荷補正ができなくなって正にチャージアップする。この結果、正のイオンの流入が阻止され、エッチングが十分に進行しなくなると考えられるのである。
【0009】
そこで、本発明は上記のような従来技術に伴う問題を解決して高効率のプラズマを形成でき、真空チャンバーの壁面温度を制御でき、さらにはダスト発生を抑制できる反応性イオンエッチング装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明による反応性イオンエッチング装置においては、真空チャンバーの側壁部を円筒状の金属で構成し、真空チャンバー内の基板電極に対向させて上部に高周波電力が印加できる上部電極が設けられると共に、上部電極周辺部にある誘電体部内に高周波アンテナが埋め込まれる。
本発明においてはこのような構成を採用することにより、
▲1▼基板電極のみに高周波電力を印加して、陰極型結合反応性イオンエッチング装置として実施され得る。
▲2▼基板電極と上部電極に高周波電力を印加して、2周波励起反応性イオンエッチング装置として実施され得る。
▲3▼基板電極とアンテナに高周波電力を印加して、内部アンテナ励起誘導結合エッチング装置として実施され得る。
▲4▼基板電極と上部電極及びアンテナに高周波電力を印加して、3周波型誘導結合エッチング装置として実施され得る。
▲5▼基板電極とアンテナに高周波電力を印加し、真空チャンバーの円筒状側部の外部に磁石を設けて真空チャンバー内部に磁気中性線を形成し、内部アンテナ励起磁気中性線放電エッチング装置として実施され得る。
▲6▼基板電極と上部電極及びアンテナに高周波電力を印加し、真空チャンバーの円筒状側部の外部に磁石を使用して真空チャンバー内部に磁気中性線を形成し、3周波型磁気中性線放電エッチング装置として使用され得る。
【0011】
また、本発明においては基板電極及び上部電極の表面を除く真空内壁面に誘電体を介して電気的に浮遊状態に防着板を設け、クリーニングガスを導入して防着板に高周波電力を供給し、防着板内壁面に付着した膜をプラズマクリーニングできるようにされる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の一つの実施の形態によれば、誘導結合放電エッチング装置として実施され、すなわち真空チャンバー内に放電プラズマを発生するための高周波コイルを備えたプラズマ発生装置を有し、ハロゲン系のガスを主体とする気体を真空チャンバー内に導入し、低圧でプラズマを形成するとともに導入気体を分解し、発生した原子、分子、ラジカル、イオンを積極的に利用し、プラズマに接する基板電極に交番電場或いは高周波電場を印加して基板電極上に載置された基板をエッチングする反応性イオンエッチング装置において、真空チャンバーの側壁部を円筒状の金属で構成し、基板電極に対向して設けた上部電極周辺部にある誘電体部内に高周波コイルを埋め込んで真空チャンバー内に放電アンテナを形成したことを特徴としている。
【0013】
本発明の別の実施の形態によれば、基板電極と対向して設けられる上部接地電極は、高周波電力が供給できるように構成される。
【0014】
また本発明の別の実施の形態によれば、磁気中性線放電エッチング装置として実施され、すなわち真空チャンバー内に連続して存在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成するための磁場発生手段と、この磁気中性線に沿って交番電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生するための1重を含む多重の高周波コイルとを備えたプラズマ発生装置を有し、ハロゲン系のガスを主体とする気体を真空中に導入し、低圧でプラズマを形成するとともに導入気体を分解し、発生した原子、分子、ラジカル、イオンを積極的に利用し、プラズマに接する基板電極に交番電場或いは高周波電場を印加して電極上に載置された基板をエッチングする反応性イオンエッチング装置において、真空チャンバーの側壁部を円筒状の金属で構成し、円筒状の金属で構成した真空チャンバーの側壁部外側に複数の磁場コイルを配置して真空チャンバー内に環状磁気中性線を形成し、また基板電極に対向して設けた上部接地電極周辺部にある誘電体部内に高周波コイルを埋め込んで真空チャンバー内に形成される磁気中性線の近傍に放電アンテナを配置してなることを特徴としている。
【0015】
さらに本発明の別の実施の形態によれば、基板電極と対向する真空チャンバーの上部に弱い高周波バイアスを印加できるようにした上部高周波電力印加電極が設けられ、この上部高周波電力印加電極周辺部にある誘電体部内に高周波コイルを埋め込んで真空チャンバー内に形成される磁気中性線の近傍に放電アンテナが配置されることを特徴としている。
【0016】
本発明の各実施の形態においては、上部電極の内壁材料は硅素材或いは炭素材もしくはそれらの化合物か複合物から成り得る。
また上部電極及び基板電極の電極面を除く真空チャンバー内壁面に誘電体を介して電気的に浮遊状態に防着板を設け、真空チャンバー内にO2、CF4+O2、 NF3、ClF3、SF6+O2等のクリーニングガスを導入すると共に防着板に高 周波電力を供給し、防着板内壁面に付着した膜をプラズマクリ−ニングできるように構成され得る。
【0017】
本発明よる放電方式を用いることにより、誘電体隔壁の使用が避けられるので上記の問題を解消することができる。また、真空室内部にアンテナを導入することにより、必要とするプラズマが基板上部に形成できるのでプロセス性能の飛躍的向上が期待できる。
【0018】
さらに、上部電極を配置し、この上部電極、基板電極及びアンテナに高周波電力を印加する構成では、上部電極面への膜付着を抑制できること、上部電極によるプラズマ生成及びウエハ面上への電子補給が可能なこと等、多くの利点が期待できる。
ガスのプラズマ分解によって生成された物質が壁面に付着し、やがて剥離してダストとしてウエハ表面に落ちてくれることがICPプラズマ源やECRプラズマ源では問題となっている。ウエハ上部に電極を設け、高周波電力を印加することによりプラズマ中のイオンが絶えず上部電極表面をスパッタするので膜の付着が抑えられる。
ダスト発生を抑制できるだけでなく、天板すなわち上部電極内面に付着し重合した膜をスパッタすることにより、エッチャントを生成する副次的な効果も期待できる。天板内壁材料として硅素材や炭素材もしくはそれらの化合物や混合物を用いて、ガスとしてフッ素化合物を用いたときにはフッ素ラジカルの吸着及び SiFx、CFxラジカルの生成源となる。フッ素ラジカルはシリコンとの反応性が強いため、酸化膜をエッチング対象としたSi02/Siのプロセスの場合 、フッ素ラジカルが多いと下地Si膜に対する選択性が悪くなる。従って、上部天板内壁材として硅素材或いは炭素材もしくはそれらの化合物や混合物を用いることにより、スパッタされた面にフッ素ラジカルが付着し、SiFx、CFxとなってフッ素ラジカルが消費されるため下地Si膜に対する選択性を向上させると言う効果がある。
【0019】
また、上部電極に高周波電力を印加すると、上部電極面からの二次電子及びシース加熱によって加速された電子が基板面に飛来し微細孔内に発生した正のチャージアップを補正する効果も期待できる。
【0020】
電極部以外の防着板に付着した物質の除去のためには、電気的に浮遊状態の防着板に高周波電力を印加できるようにしているので、定期的にガスを導入してプラズマクリーニングすることにより膜の剥離を抑えることができる。
【0021】
【実施例】
以下、添付図面の図1〜図5を参照して本発明の実施例について説明する。
図1には本発明の反応性イオンエッチング装置の一実施例を示し、3周波型磁気中性線放電エッチング装置として構成されている。図示エッチング装置において、1は真空チャンバーで、真空チャンバー1の円筒形の側壁部2は金属で構成され、排気口3が設けられている。また真空チャンバー1の円筒形の側壁部2の外側には真空チャンバ−1内に磁気中性線を形成するための磁場発生手段を構成している三つの磁場コイル4、5、6が設けられ、真空チャンバー1内に環状磁気中性線を形成する。
真空チャンバー1の下部には、基板電極7が絶縁体部材8を介して設けられ、この基板電極7はRFバイアスを印加する高周波電源9に接続されている。
一方、真空チャンバー1の上部すなわち天板10は側壁2の上部フランジに密封固着され、この天板10の内側には上部電極11が取付けられ、この上部電極11は高周波電源12に接続されている。また上部電極11の周辺部13は環状の誘電体で構成され、この誘電体内には図示したように、放電アンテナを形成する環状の高周波コイル14が埋め込まれ、この高周波コイル14はプラズマ発生用高周波電源15に接続され、真空チャンバー1内に形成された磁気中性線に沿って交番電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生するようにしている。
図示実施例において上部電極11の内壁材料としては硅素材或いは炭素材もしくはそれらの化合物か複合物が使用され得る
また、真空チャンバー1の円筒形の側壁部2には反応ガス導入部16が設けられている。
さらに、真空チャンバー1の円筒形の側壁部2の内面に沿って防着板17が設けられ、この防着板17は側壁部2の内面に対して誘電体を介して電気的に浮遊状態に取付けられており、そして図示してない高周波電源に接続される。
防着板17の内壁面に付着した膜をプラズマクリーニングする際に真空チャンバー1内に導入するクリーニングガスとしてはO2、CF4+O2、NF3、ClF3、SF6+O2等が使用され得る。
【0022】
図2には、図1に示す装置の変形実施例を示し、図1の装置に対応した部分は同じ符号で示す。図2に示す実施例においては上部電極11は接地されている点を除いて、図1の場合と実質的に同じ構成である。
【0023】
図3には本発明の反応性イオンエッチング装置の別の実施例を示し、3周波型誘導結合放電エッチング装置として構成されている。
真空チャンバー21の円筒形の側壁部22は金属で構成され、排気口23が設けられている。また真空チャンバー21の下部には、基板電極24が絶縁体部材25を介して設けられ、この基板電極24はRFバイアスを印加する高周波電源26に接続されている。
一方、真空チャンバー21の上部すなわち天板27は側壁22の上部フランジに密封固着され、この天板27の内側には上部電極28が取付けられ、この上部電極28は高周波電源29に接続されている。また上部電極28の周辺部30は環状の誘電体で構成され、この誘電体内には図示したように、放電アンテナを形成する環状の高周波コイル31が埋め込まれ、この高周波コイル31はプラズマ発生用高周波電源32に接続され、真空チャンバー21内に放電プラズマを発生するようにしている。
図示実施例において上部電極11の内壁材料としては硅素材或いは炭素材もしくはそれらの化合物か複合物が使用され得る
また、真空チャンバー1の円筒形の側壁部2には反応ガス導入部33が設けられている。
さらに、真空チャンバー1の円筒形の側壁部2の内面に沿って防着板34が設けられ、この防着板34は側壁部22の内面に対して誘電体を介して電気的に浮遊状態に取付けられており、そして図示してない高周波電源に接続される。この場合、防着板34の内壁面に付着した膜をプラズマクリーニングする際に真空チャンバー1内に導入するクリーニングガスとしてはO2、CF4+O2、NF3、ClF3、 SF6+O2等が使用され得る。
【0024】
図4には、図3に示す装置の変形実施例を示し、図3の装置に対応した部分は同じ符号で示す。図4に示す実施例においては上部電極28は接地されている点を除いて、図1の場合と実質的に同じ構成である。
【0025】
図5には、上部電極及びその周辺部の具体的構成例を示す。図5の右側半分は1ターンの高周波コイルを使用した場合の例を、左側半分は2ターンの高周波コイルを使用した場合の例をそれぞれ示している。これらの例では上部電極35とその周辺部の誘電体部36は分離して設けられている。図5において、37は真空チャンバーの円筒形の側壁部、38は天板、39、39´は、それぞれ上部電極35の外周に設けられた誘電体部36の内部に配置された1ターンの高周波コイル、2ターンの高周波コイル、40はガス導入口、41は冷却水口、42は基板である。
図示した構成は、前述の各実施例に例示した磁気中性線放電型及び誘導結合型のいずれに適応させることができる
【0026】
このように構成した図1に示す実施例の装置を用い、プラズマ発生用高周波電源15(13.56MHz)の電力を2.Okw、基板バイアス高周波電源9(2MHz)の電力を500W、上部電極11に印加する高周波電源12(27.12MHz)の電力を200W、 Ar90sccm(90%)、C4F810sccm(10%)を導入し、3mTorrの圧力下でエッチングしたところ、エッチストップなしにシリコン酸化膜に0.3μm径で深さ2μ mのほぼ垂直形状のエッチングが可能であった。
比較のため従来の装置構成における同条件下でのエッチングでは、パターン幅によって多少の相違はあるものの、約0.5〜0.7μm深さでエッチストップが起こっていた。
壁面に付着する物質にはCF、CF2、CF3、C2F2、C2F4、C2F5、C3 F6、C3F6、等の化合物やさらに分解の進んだC2Fx、C3Fx、C4Fx (x=1〜2)等の化合物がある。これらの化合物は壁面に付着して重合膜を形成する。イオン衝撃がない場合、これらの化合物によって形成された重合膜は厚膜となり、やがて剥離しダストとなる。しかし、イオン衝撃がある場合、重合膜の形成は殆ど起こらないか、起こったとしてもスパッタされて再びCF、CF2、 CF3等のラジカルとなって気相中に飛び出し、エッチャントとなる。
このエッチャント生成と天板すなわち上部電極における電子加速の効果により、従来の装置構成でエッチストップが起こっていた条件下でも、エッチストップなしにサプミクロンのホールパターンがエッチングできたものと考えられる。この両者のどちらが主たる効果をもたらしているかは、両効果を分離できないので、定かではない。
【0027】
上記の例では、上部電極に印加する高周波電力として200Wを用いたが、この 電力はプラズマ発生用高周波電力及び基板バイアス高周波電力の値によって適宜選択されなければならない。また、上部電極に印加する高周波電源に27.12MHzの周波数が用いられているが、基板電極の周波数よりも高い周波数であれば 13.56MHzでも同様な効果は期待できる。この場合には、近接するアンテナ周波数と干渉しない周波数に変える必要がある。
【0028】
上記の例では、酸化膜用としてのNLDエッチング装置に適用した例を述べたが、同様な効果は他のエッチングプロセスに適用した時にも、またNLDプラズマCVD装置として用いたときにも期待できることは言うまでもない。
【0029】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明による反応性イオンエッチング装置においては、真空チャンバーの側壁部を円筒状の金属で構成し、基板電極に対向して設けた上部電極周辺部を誘電体で構成し、誘電体で構成した上部電極周辺部内に高周波コイルを埋め込んで真空チャンバー内に放電アンテナを形成するように構成しているので、高効率のプラズマが形成されるとともに上部からのダスト発生を抑えられ、さらに壁面温度を制御できるので、0.3μm幅以下の微細加工において 、エッチストップなしにサプミクロンホールのパターンエッチングが効率よくできるようになる。
また、上部電極に高周波電力を印加するように構成することにより、上部電極面からの二次電子及びシース加熱によって加速された電子が基板面に飛来し微細孔内に発生した正のチャージアップを補正する効果が得られる。
さらに、電極部以外の内面に防着板を設けた構成では、付着した物質の除去のために、電気的に浮遊状態の防着板に高周波電力を印加できるようにしているので、定期的にガスを導入してプラズマクリーニングすることにより膜の剥離を抑えることができる。
従って、本発明によれば、半導体や電子部品加工に用いられている反応性イオンエッチングプロセスに大きく貢献できる装置を提供することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す概略線図。
【図2】 図1の実施例の変形例を示す概略線図。
【図3】 本発明の別の実施例を示す概略線図。
【図4】 図3の実施例の変形例を示す概略線図。力導入の仕方を示す模式図。
【図5】 上部電極及びその周辺部の構造の実施例例を示す概略線図。
【図6】 従来の磁気中性線放電エッチング装置を示す概略線図。
【図7】 従来の誘導結合放電エッチング装置を示す概略線図。
【符号の説明】
1:真空チャンバー
2:円筒形の側壁部
3:排気口
4、5、6:磁場コイル
7:基板電極
8:絶縁体部材
9:高周波電源
10:天板
11:上部電極
12:高周波電源
13:上部電極の周辺部
14:高周波コイル
15:プラズマ発生用高周波電源
16:反応ガス導入部
17:防着板
21:真空チャンバー
22:円筒形の側壁部
23:排気口
24:基板電極
25:絶縁体部材
26:高周波電源
27:天板
28:上部電極
29:高周波電源
30:上部電極の周辺部
31:高周波コイル
32:プラズマ発生用高周波電源
33:反応ガス導入部
34:防着板
Claims (12)
- 真空チャンバー内に放電プラズマを発生するための高周波コイルを備えたプラズマ発生装置を有し、ハロゲン系のガスを主体とする気体を真空チャンバー内に導入し、低圧でプラズマを形成するとともに導入気体を分解し、発生した原子、分子、ラジカル、イオンを利用し、プラズマに接する基板電極に交番電場或いは高周波電場を印加して基板電極上に載置された基板をエッチングする反応性イオンエッチング装置であって、前記真空チャンバーの側壁部が筒状の金属で構成され、
前記基板電極に対向して設けられる上部接地電極と、
前記上部接地電極の外周より外側でかつ天板内面から真空チャンバー内に凸状に設置される誘電体と、
前記誘電体内に高周波コイルを埋め込んで形成される放電アンテナと、
を備えることを特徴とする反応性イオンエッチング装置。 - 上部接地電極の内壁材料が硅素材或いは炭素材もしくはそれらの化合物か複合物から成ることを特徴とする請求項1に記載の反応性イオンエッチング装置。
- 上部接地電極及び基板電極の電極面を除く真空チャンバー内壁面に誘電体を介して電気的に浮遊状態に防着板を設け、真空チャンバー内にO2、CF4+O2、NF3、ClF3、SF6+O2 の少なくとも何れかを含むクリーニングガスを導入すると共に防着板に高周波電力を供給し、防着板内壁面に付着した膜をプラズマクリーニングできるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の反応性イオンエッチング装置。
- 真空チャンバー内に放電プラズマを発生するための高周波コイルを設け、基板電極と対向して上部電極を設け、この上部電極に高周波電力を供給できるようにしたプラズマ発生装置を有し、ハロゲン系のガスを主体とする気体を真空中に導入し、低圧でプラズマを形成するとともに導入気体を分解し、発生した原子、分子、ラジカル、イオンを利用し、プラズマに接する基板電極に交番電場或いは高周波電場を印加して電極上に載置された基板をエッチングする反応性イオンエッチング装置であって、前記真空チャンバーの側壁部が筒状の金属で構成され、
前記基板電極に対向して設けられる上部電極と、
前記基板電極の外周より外側でかつ天板内面から真空チャンバー内に凸状に設置される誘電体と、
前記誘電体内に高周波コイルを埋め込んで形成される放電アンテナと、
を備えることを特徴とする反応性イオンエッチング装置。 - 上部電極の内壁材料が硅素材或いは炭素材もしくはそれらの化合物か複合物から成ることを特徴とする請求項4に記載の反応性イオンエッチング装置。
- 上部電極及び基板電極の電極面を除く真空チャンバー内壁面に誘電体を介して電気的に浮遊状態に防着板を設け、真空チャンバー内にO2、CF4+O2、NF3、ClF3、SF6+O2 の少なくとも何れかを含むクリーニングガスを導入すると共に防着板に高周波電力を供給し、防着板内壁面に付着した膜をプラズマクリーニングできるようにしたことを特徴とする請求項4に記載の反応性イオンエッチング装置。
- 真空チャンバー内に連続して存在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成するための磁場発生手段と、この磁気中性線に沿って交番電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生するための1重を含む多重の高周波コイルとを備えたプラズマ発生装置を有し、ハロゲン系のガスを主体とする気体を真空中に導入し、低圧でプラズマを形成するとともに導入気体を分解し、発生した原子、分子、ラジカル、イオンを利用し、プラズマに接する基板電極に交番電場或いは高周波電場を印加して基板電極上に載置された基板をエヅチングする反応性イオンエッチング装置であって、
真空チャンバーの側壁部が筒状の金属で構成され、
前記側壁部外側に複数の磁場コイルを配置して真空チャンバー内に環状磁気中性線を形成し、
前記基板電極に対向して設けた上部接地電極と、
前記上部接地電極の外周より外側で、かつ、天板内面から真空チャンバー内に凸状に設置される誘電体と、
前記誘電体内に高周波コイルを埋め込んで磁気中性線の近傍に設置される放電アンテナと、
を備えることを特徴とする反応性イオンエッチング装置。 - 上部接地電極の内壁材料が硅素材或いは炭素材もしくはそれらの化合物か複合物から成ることを特徴とする請求項7に記載の反応性イオンエッチング装置。
- 上部接地電極及び基板電極の電極面を除く真空チャンバー内壁面に誘電体を介して電気的に浮遊状態に防着板を設け、真空チャンバー内にO2、CF4+O2、NF3、ClF3、SF6+O2 の少なくとも何れかを含むクリーニングガスを導入すると共に防着板に高周波電力を供給し、防着板内壁面に付着した膜をプラズマクリーニングできるようにしたことを特徴とする請求項7に記載の反応性イオンエッチング装置。
- 真空チャンバー内に連続して存在する磁場ゼロの位置である環状磁気中性線を形成するための磁場発生手段と、この磁気中性線に沿って交番電場を加えてこの磁気中性線に放電プラズマを発生するための1重を含む多重の高周波コイルとを備えたプラズマ発生装置を有し、ハロゲン系のガスを主体とする気体を真空中に導入し、低圧でプラズマを形成するとともに導入気体を分解し、発生した原子、分子、ラジカル、イオンを利用し、プラズマに接する基板電極に交番電場或いは高周波電場を印加して基板電極上に載置された基板をエッチングする反応性イオンエッチング装置であって、
真空チャンバーの側壁部が筒状の金属で構成され、
前記側壁部外側に複数の磁場コイルを配置して真空チャンバー内に環状磁気中性線を形成し、
前記基板電極と相対する真空チャンバーの上部に弱い高周波バイアスを印加できるように設けられた上部高周波電力印加電極と、
前記上部高周波電力印加電極の外周より外側で、かつ、天板内側から真空チャンバー内に凸状に設置される誘電体と、
前記誘電体内に高周波コイルを埋め込んで磁気中性線の近傍に設置される放電アンテナとを備えることを特徴とする反応性イオンエッチング装置。 - 上部高周波電力印加電極の内壁材料が硅素材或いは炭素材もしくはそれらの化合物か複合物から成ることを特徴とする請求項10に記載の反応性イオンエッチング装置。
- 上部高周波電力印加電極及び基板電極の電極面を除く真空チャンバー内壁面に誘電体を介して電気的に浮遊状態に防着板を設け、真空チャンバー内にO2、CF4+O2、NF3、ClF3、SF6+O2 の少なくとも何れかを含むクリーニングガスを導入すると共に防着板に高周波電力を供給し、防着板内壁面に付着した膜をプラズマクリーニングできるようにしたことを特徴とする請求項10に記載の反応性イオンエッチング装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27779897A JP3676919B2 (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | 反応性イオンエッチング装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27779897A JP3676919B2 (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | 反応性イオンエッチング装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11121436A JPH11121436A (ja) | 1999-04-30 |
JP3676919B2 true JP3676919B2 (ja) | 2005-07-27 |
Family
ID=17588437
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27779897A Expired - Fee Related JP3676919B2 (ja) | 1997-10-09 | 1997-10-09 | 反応性イオンエッチング装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3676919B2 (ja) |
Families Citing this family (10)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4527833B2 (ja) * | 2000-02-28 | 2010-08-18 | 株式会社日立製作所 | プラズマ処理装置および方法 |
JP3971603B2 (ja) | 2001-12-04 | 2007-09-05 | キヤノンアネルバ株式会社 | 絶縁膜エッチング装置及び絶縁膜エッチング方法 |
US7396746B2 (en) * | 2004-05-24 | 2008-07-08 | Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. | Methods for stable and repeatable ion implantation |
US8012306B2 (en) * | 2006-02-15 | 2011-09-06 | Lam Research Corporation | Plasma processing reactor with multiple capacitive and inductive power sources |
US8911590B2 (en) * | 2006-02-27 | 2014-12-16 | Lam Research Corporation | Integrated capacitive and inductive power sources for a plasma etching chamber |
US7879184B2 (en) * | 2006-06-20 | 2011-02-01 | Lam Research Corporation | Apparatuses, systems and methods for rapid cleaning of plasma confinement rings with minimal erosion of other chamber parts |
JP5065725B2 (ja) * | 2007-03-26 | 2012-11-07 | 株式会社アルバック | プラズマ処理装置 |
US20090084987A1 (en) * | 2007-09-28 | 2009-04-02 | Varian Semiconductor Equipment Associates, Inc. | Charge neutralization in a plasma processing apparatus |
JP2013254903A (ja) * | 2012-06-08 | 2013-12-19 | Panasonic Corp | 基板のプラズマ処理方法 |
JP5704192B2 (ja) * | 2013-06-14 | 2015-04-22 | 東京エレクトロン株式会社 | プラズマエッチング方法及びプラズマエッチング装置並びに記憶媒体 |
-
1997
- 1997-10-09 JP JP27779897A patent/JP3676919B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11121436A (ja) | 1999-04-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20230230814A1 (en) | Method and Apparatus for Plasma Processing | |
US6849857B2 (en) | Beam processing apparatus | |
US20020170678A1 (en) | Plasma processing apparatus | |
JP3429391B2 (ja) | プラズマ処理方法及び装置 | |
JPH10506154A (ja) | プラズマ反応チャンバーをその場でマグネトロンクリーニングするための装置と方法 | |
JP3676919B2 (ja) | 反応性イオンエッチング装置 | |
WO2008007784A1 (en) | Capacitive-coupled magnetic neutral line plasma sputtering system | |
US20040119006A1 (en) | Neutral particle beam processing apparatus | |
JP2000173985A (ja) | プラズマ処理装置及びプラズマ処理方法 | |
JP4077939B2 (ja) | 反応性イオンエッチング方法及び装置 | |
JP4171590B2 (ja) | エッチング方法 | |
JP2797307B2 (ja) | プラズマプロセス装置 | |
JP3940464B2 (ja) | 反応性イオンエッチング装置及び方法 | |
JPH08319588A (ja) | プラズマエッチング装置 | |
JP3940465B2 (ja) | 反応性イオンエッチング装置 | |
JP3278732B2 (ja) | エッチング装置及びエッチング方法 | |
JP3455616B2 (ja) | エッチング装置 | |
JP3605490B2 (ja) | 反応性イオンエッチング装置 | |
JP3752358B2 (ja) | 反応性イオンエッチング装置 | |
GB2049560A (en) | Plasma etching | |
JP2696891B2 (ja) | プラズマプロセス装置 | |
JP2003109947A (ja) | エッチング装置 | |
JP3884854B2 (ja) | 反応性イオンエッチング装置 | |
JPH10330970A (ja) | 反応性イオンエッチング装置 | |
JP4332230B2 (ja) | 反応性イオンエッチング方法及び装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040405 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040811 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040831 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20041028 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050405 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050502 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080513 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090513 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110513 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513 Year of fee payment: 9 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |