JP3676909B2 - Medical cap - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用輸液容器のキャップに関する。さらに詳しくは、針抜けに対する保持力に優れ、針抜き後の再シール性を向上させた医療用キャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、医療用キャップの栓体として、ゴム製のものが広く用いられているが、このゴム栓は成形体を得るまで図1に示すような雑種な工程を経るため、大がかりな設備を必要とし、また、添加剤の種類も多く、かつ各工程においてスクラップが出るため生産性も悪いという工程上の問題を有していた。すなわち、ケーシングが射出成形により製造されるのに対し、ゴム栓体はプレス成形した後加硫する必要があり、別々に製造した後これらを組み立てる必要があるのみならず、単価が高くなる問題も有していた。
【0003】
この問題を解決するために、弾性を有する樹脂である熱可塑性エラストマーをキャップの栓体として用いることを考えた。この技術では、ケーシングと栓体が共に樹脂であるため、図2のように簡単な射出成形により製造することができ、ゴム栓のように加硫工程を必要とせず、ゴム栓なみの強度を得ることができる点で工程上の問題は解決する。また、この技術では軟質加硫ゴムからプラスチックに近いものまで、広範囲の物性を持つ弾性体が、素材の化学構造を変化させることによって得られる。さらに成形工程でできたスクラップは再使用が可能であり生産性も高い。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、熱可塑性エラストマーは、残歪性が大きくゴム弾性が劣り応力緩和、クリープ現象が起こりやすいという性質を持つ。このため、輸液用容器のキャップとして重要な要素である針抜けに対する保持力が低く、輸液中にキャップから輸液用針が抜け落ちやすい。また、針抜き後の再シール性が悪く、針抜き後に栓体にできた穴から、薬品が滲み出す問題も有している。
【0005】
この問題を解決すべく、ゴムと熱可塑性エラストマーを重ね合わせた栓体を用いる技術が開示されているが、針抜けに対する保持力、及び針抜け後の再シール性の問題に対する完全な解決はされておらず、また、依然としてゴム栓を使用しているため、工程上の問題を解決するには至っていないのが実状である。
【0006】
本発明の課題は、針抜けに対する保持力、針抜き後の再シール性に優れ、かつ工程上の問題を解消した医療用キャップを提供する点にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は熱可塑性エラストマーなどからなる栓体を薄層の積層とする構成を採用することによって、針抜けに対する保持力、針抜き後の再シール性に優れたキャップを製造することができることを見出した。
【0008】
本発明が針抜けに対する抵抗力を有する理由は、例えば熱可塑性エラストマーの薄層同士の接面部分における針の保持効果によるものである。図3は、本発明のキャップに針が刺さっており、抜け落ちようとする方向に荷重がかかった状態にある本発明の医療用キャップの断面図である。図中の1は医療用キャップ、2はそれぞれa、b、cの各薄層の積層から構成されている栓体、3はケーシング、4は針抜け時における各薄層の変形バリ、5は針を示している。すなわち、各薄層の接面部分において、薄層は図のように変形しており、特に各層下部のバリによって針は抜け落ち抵抗をうける。また、各層ごとに物性を変化させ特異性を持たすことで一層からなる栓体に較べて、各層が各々の持つ効果を生かすことで、栓体として総合的に向上する。
【0009】
一方、本発明が針抜き後の再シール性において効果を奏するのは、各層ごとの特異性に加え、各薄層が独立してもとの形状に戻ろうとする復元効果によるものである。図4は、本発明のキャップに針が刺さっていた状態から抜き取るまでの任意の瞬間の状態にある本発明の医療用キャップの断面図である。図中の1は医療用キャップ、2はそれぞれa、b、cの各薄層の積層から構成されている栓体、3はケーシング、4は針抜け時における各薄層の変形バリ、5は針を示している。すなわち、本発明では抜けようとするものに対して下層の薄層2c、2bは針を支え、液を漏れるのを防ぐのに対し、針が抜けきった上層の薄層2aは復元力により穴が閉じ、液漏れを防ぐ。結果として針抜き後のシール性が向上する。したがって、栓体の密閉の原理より薄層の数が増えるほど密閉性があがることとなる。
【0010】
本発明キャップの栓体の材質として熱可塑性エラストマーを用いた場合が最適であり、熱可塑性エラストマーとしては、例えば、水素添加タイプのポリスチレン系エラストマー、ポリ塩化ビニル系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマーなどが例示できる。これらは樹脂を原料とするケーシングと同様の射出成形工程をとることができるため、従来のゴムの栓体のように別々に組み立てる必要がなく、工程上の利点を有する。
【0011】
また、本発明者は、熱可塑性エラストマー、ゲル状樹脂、低密度ポリエチレン、これらとゴムを練り混んだ混合物いずれかからなる薄層を積層してなる栓体でも上記効果を奏することを見出した。これらは上記効果を有するのみならず、熱可塑性エラストマーと同様に射出成形が可能であるため、従来の工程上の問題を解消することができる。
【0012】
ゲル状樹脂としては、エチレン系ゲル材料、ウレタン系ゲル材料、シリコン系ゲル材料、アクリル系ゲル材料、塩化ビニル系ゲル材料等が好適に用いることができるものとして例示できる。また、これらの材料とブレンドするゴムの種類としては、ブチルゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレンブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴムなどが例示できる。
【0013】
また、栓体の形状を従来のように円柱形ではなく、多角形、花形、又は星形を底面とする柱体とし、栓体にフシを付すことによってもこれらの効果が向上することを見出した。また、栓体を底面が略円形であって外周部から中心方向に伸びるスリット又は中心部から周方向へ伸びるリブを設けた形状の柱体とすることによっても同様にフシを有することとなり、効果を奏することを見出した。これらの発明が上記問題を解決する理由は栓体の形状を円柱ではなく多角形柱などにすることにより、ケーシングとの接触面にフシが生じ、単位当たりの応力がセグメント化されるためである。すなわち、大きな側面ではなく小さな断片に分割することによって、栓体に課された応力に対する復元力が高まるためである。また、応力に対する抵抗が強く保持力が向上するため、針抜けに対する保持力も優れたものとなる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、熱可塑性エラストマー、ゲル状樹脂、低密度ポリエチレン、これらとゴムを練り混んだ混合物のいずれかからなる薄層のみを積層してなる栓体を有する医療用キャップである。熱可塑性エラストマーとしては特にその種類は限定されるものではなく、既述のもののほか、各種公知のものが好適に使用できる。特にアロン化成社製 熱可塑性エラストマー、商品名「AR−860C」、三菱化学社製 熱可塑性エラストマー、商品名「ラバロンT−331C」、三菱化学社製 熱可塑性エラストマー、商品名「ラバロンSR−04」が最適に使用可能である。
【0015】
薄層の材質としては熱可塑性エラストマーの他に、ゲル状樹脂、低密度ポリエチレン、および、ゴムと熱可塑性エラストマー、ゲル状樹脂、低密度ポリエチレン(以下、高弾性樹脂と略記する。)のいずれか1種以上を練り混んだ混合物が使用可能である。ゴムと高弾性樹脂の配合割合は特に限定されるものではないが、およそ重量比で1:9〜8:2の範囲であることが好ましい。ゴムの配合量が多くなると、射出成形し難い点で好ましくない。一方ゴム配合量が少なすぎると、他の薄層の材質によっては、針抜け抵抗値の向上などを図ることができない。
【0016】
栓体を構成する薄層の厚みは均一である必要はなく、ある程度の幅を持たせることができるが、1mm以上30mm以下であることが好ましい。また、薄層の数は特に限定されるものではないが、顕著に効果を奏するのは3層以上の場合である。すなわち、薄層の接合面を2面以上有しているものであることが好ましい。なお、設ける薄層の数の上限は特に限定されるものではないが、栓体の厚み、及び薄層の厚みを考慮すると、大体6層程度になると思われる。
【0017】
本発明でいう積層とは薄層の重ね合わせの形態について特に限定されるものではなく、図3に示した例のような単に薄層を重ね合わせたものの他、例えば、図5の様に芯となる材料を他の材料で包み込む形態や、図6のように重ね合わす形態などが含まれる。すなわち、差し込まれた針が薄層の接合面を通過するような重ね合わせの形態であれば本発明でいう積層であると解釈される。
【0018】
隣り合う薄層の材質の物性、特に弾性率は異なるものであることが好ましい。本発明は、薄層の接面における薄層の変形が与える効果に依存するものであるため、接面において、全く同じ変形を生じるよりも変形の割合が不均一な方が効果が顕著となりやすい。一般には上部と下部の薄層の材質硬度を比較した場合、下部の材質の硬度を高くすることで栓体主成分である上部の落ち込みを支えることができるため、針に対する保持力を上げることができる。
【0019】
なお、各薄層の接面は多層成形によって樹脂同士を接着してもよいし、単に重ねたものであってもよい。なお、多材質成形機によって積層する場合、層間で溶着してしまい積層部における線接着部が無くなってしまう場合があるが、この場合でも効果は認められる。
【0020】
薄層の配置順は特に限定されるものではないが、3層以上の場合は、外側を熱可塑性エラストマーを用い、中間層をゲル状樹脂、低密度ポリエチレン、または、これらとゴムを練り混んだ混合物のいずれかからなる薄層を用いるとよい。熱可塑性エラストマーは、ゲル状樹脂、低密度ポリエチレン、または、これらとゴムを練り混んだ混合物と較べて、復元力に劣ることが多いため、中間層にシール性を確保できるようにこれらの材質からなる薄層を用いたものである。
【0021】
本発明のキャップに用いる栓体の形状は特に限定されるものではないが、例えば、底面の形状が多角形、花形、星形の柱体にすると針抜け抵抗値、針抜け後の再シール性の向上につながる。これは栓体を円柱ではなく、例えば8角柱の形状とすることで、栓体のケーシング接触面にフシができるため、応力がセグメント化されるため、復元力が向上することに基づく。図7は本発明の一実施例として、正8角形の栓体を付したキャップの一部断面斜視図である。図1において1はキャップ、2はそれぞれ2a、2b、2cからなる栓体、3はケーシング、6はケーシング接触面、7はフシ、9は針刺し穴を示している。なお、図示されていないが、キャップには通常プルトップふたが設けられており、図はこのプルトップふたを取り除いた状態を示している。針刺し穴9から差し込まれた針は、栓体2からの内部応力に支えられて抜けないように保持されるが、フシを有さない従来の栓体では、応力が広い面積に均一に伝わるため、復元力があまり発揮されなかった。しかしながら、本発明ではフシ7を設けることによって、これらが受ける応力がフシ7ごとにセグメント化されることにより、栓体の復元力が向上し、ひいては針抜けに対する保持力や、針抜け後の針刺し穴9の再シール性が向上するものである。なお、本発明はもちろんこれらの形状に限定されるものではなく、何らかの形でフシを設けたものであれば、本発明は達成される。
【0022】
本発明のキャップと輸液容器との接合方法は特に限定されるものではなく、公知の方法で接合すればよい。また、本発明のキャップは針や管を刺したり保持するための栓体、例えば薬剤、試薬用のバイアル栓にも応用することができる。
【0023】
また、本発明の医療用キャップに用いられる栓体の材質としては、生産工程がケーシングと同様の工程で行える熱可塑性エラストマーなどであるから、製造工程において、従来行われているようにケーシングを射出成形し、これとは別工程でプレスしたゴムのみを加硫処理してから両者を組み立てる工程をとる必要が無く、ケーシングを成形した後、そのケーシング中に栓体を設ける薄層の数だけ射出成形すればキャップが完成するため、工程上有利に製造することができる。もちろん、上記製法に限定されるものではなく、従来のように栓体とケーシングを別々に製造して、インサート成形することで組み立てる方法によっても本発明は達成される。
【0024】
【実施例】
以下本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。但し本発明は実施例のみに限定されるものではない。
【0025】
次に記載した条件で製造した栓体を用いて医療用キャップを製造し、これを各実施例、及び比較例とした。なお、実施例中インサート成形とはケーシングと栓体を構成する薄層を別々に成形し、キャップ製造時にケーシングに薄層を順次はめ込んで組み立てたものであり、同時成形とは、ケーシングを射出雌面として繰り返し射出成形することにより製造した多材質成形機による成形を示す。なお、各実施例及び比較例で用いた栓体の材質は次の通りである。
エラストマー1・・・・アロン化成社製、熱可塑性エラストマー、商品名「AR−860C」
エラストマー2・・・・三菱化学社製、熱可塑性エラストマー、商品名「ラバロンT−331C」
エラストマー3・・・・三菱化学社製、熱可塑性エラストマー、商品名「ラバロンSR−04」
ゲル状樹脂・・・・コスモ計器社製、ゲル状樹脂、商品名「コスモゲル」
低密度ポリエチレン・・・・昭和電工社製、低密度ポリエチレン、商品名「ジェイレークスM112」
混練りゴム1・・・・ブタジエンゴム1重量部に対しエラストマー1を4重量部の割合で混ぜ合わせた混合物
混練りゴム2・・・・ブタジエンゴム1重量部に対しゲル状樹脂を4重量部の割合で混ぜ合わせた混合物
混練りゴム3・・・・ブタジエンゴム1重量部に対し低密度ポリエチレンを4重量部の割合で混ぜ合わせた混合物
【0026】
(実施例1)
エラストマー1からなる厚み2mmの薄層a、エラストマー2からなる厚み3mmの薄層b、エラストマー3からなる厚み2mmの薄層cからなる円柱形の栓体をそれぞれ同時成形によりケーシングにセットし、医療用キャップを製造した。
【0027】
(実施例2)
エラストマー1からなる厚み2mmの薄層a、エラストマー2からなる厚み3mmの薄層b、エラストマー3からなる厚み2mmの薄層cからなる正16角柱形の栓体をそれぞれ同時成形によりケーシングにセットし、医療用キャップを製造した。
【0028】
(実施例3)
エラストマー1からなる厚み2mmの薄層a、ゲル状樹脂からなる厚み3mmの薄層b、エラストマー3からなる厚み2mmの薄層cからなる円柱形の栓体をそれぞれ同時成形によりケーシングにセットし、医療用キャップを製造した。
【0029】
(実施例4)
エラストマー1からなる厚み2mmの薄層a、ゲル状樹脂からなる厚み3mmの薄層b、エラストマー3からなる厚み2mmの薄層cからなる正16角柱形の栓体をそれぞれ同時成形により専用のケーシングにセットし、医療用キャップを製造した。
【0030】
(実施例5)
エラストマー1からなる厚み2mmの薄層a、低密度ポリエチレンからなる厚み3mmの薄層b、エラストマー3からなる厚み2mmの薄層cからなる円柱形の栓体をそれぞれ同時成形によりケーシングにセットし、医療用キャップを製造した。
【0031】
(実施例6)
エラストマー1からなる厚み2mmの薄層a、混練りゴム1からなる厚み3mmの薄層b、エラストマー3からなる厚み2mmの薄層cからなる円柱形の栓体をそれぞれ同時成形によりケーシングにセットし、医療用キャップを製造した。
【0032】
(実施例7)
エラストマー1からなる厚み2mmの薄層a、混練りゴム2からなる厚み3mmの薄層b、エラストマー3からなる厚み2mmの薄層cからなる円柱形の栓体をそれぞれ同時成形によりケーシングにセットし、医療用キャップを製造した。
【0033】
(比較例1)
エラストマー3からなる厚み7mmの円柱形の栓体をそれぞれ同時成形によりケーシングにセットし、医療用キャップを製造した。
【0034】
(比較例2)
ブタジエンゴムからなる厚み7mmの円柱形の栓体をそれぞれインサート成形によりケーシングにセットし、医療用キャップを製造した。
【0035】
上記実施例及び比較例のキャップを次の条件で針刺し・針抜けに対する抵抗値測定、自己密閉性試験、保持力試験を行い、その平均値、結果を以下の表1に示した。なお、各試験共に検体を10個とし、検体毎に新しい試験針を用いるものとした。また、試験に用いた針は次の3種類とした。
針1 テルモ製プラスチック針、TS−A400LK
針2 JMS製プラスチック針、JY−A600CNJ
針3 JMS製ステンレス針、JY−A200CN
【0036】
(針刺し・針抜けに対する抵抗値測定)
島津製作所製オートグラフS−500D型を用いて、中心部に試験針を200mm/minの速度で侵入させるときの抵抗値の最大値(kgf)及び抜き取るときの抵抗値の最大値(kgf)を測定し、その平均値を採用した。数値は小さいほどキャップとしての扱いが楽であり、好結果を示している。
【0037】
(自己密閉性試験)
各サンプルを輸液用ボトルの口部に溶着し、図8のようにセットしたものを吊り具で2時間吊り下げ、管の先端を密閉した試験針を抜き取って1分間の間に液漏れを起こした量(cc/min)を測定し、その平均値を示した。なお、図中の1はキャップ、10は輸液容器、11は空気抜き穴、12は水漏れチェック箇所を示している。数値は小さいほど液漏れが少なく、好結果を示している。
【0038】
(保持力試験)
各サンプルを輸液用ボトルの口部に溶着し、図9のようにセットしたものに1kgの重りを6時間吊り下げ、針が抜け落ちなかったものを合格とし、表1に保持力試験を合格したものの数を示した。なお、図中の1はキャップ、10は輸液容器、11は空気抜き穴、13は1kgの重りを示している。数値は大きいほど好結果を示しており、重りが全く落ちなかった場合は、評価は10となる。
【0039】
【表1】

Figure 0003676909
【0040】
表1より明らかなように、1層の熱可塑性エラストマー栓からなる比較例1と較べて、積層した各実施例はプラスチック針・金属針のどちらに対しても抜け落ちることはなく良好であり、積層した効果がはっきりと認められる。特に、栓体の形状を多角柱とした実施例2及び4は特に効果が顕著に現れた。また、1層のゴム栓である比較例2と較べ、針刺し、針抜き抵抗値は小さいため取扱いが容易となる。したがって、本発明の医療用キャップは、製造工程を簡便化することができると共に、針抜けに対する保持力に優れ、針の抜け落ち、薬品の漏れが解消される。
【0041】
【発明の効果】
本発明は、熱可塑性エラストマー、ゲル状樹脂、低密度ポリエチレン、これらとゴムを練り混んだ混合物のいずれかからなる薄層のみを積層してなる栓体を有する医療用キャップであるので、針抜けに対する保持力、復元力が向上し、針抜けに対する保持力及び針抜け後の再シール性に優れた医療用キャップを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ゴムの一般的な成形工程を示すフローチャートである。
【図2】 樹脂の一般的な成形工程を示すフローチャートである。
【図3】 刺さった針に荷重がかかった状態にある本発明の医療用キャップの断面図である。
【図4】 針を抜き取りとりつつある状態の本発明のキャップの断面図である。
【図5】 本発明の医療用キャップに用いる栓体の積層の形態の一実施例を示す栓体の断面図である。
【図6】 本発明の医療用キャップに用いる栓体の積層の形態の他の一実施例を示す栓体の断面図である。
【図7】 本発明の医療用キャップの一部断面斜視図である。
【図8】 自己密閉性試験の実験概略図である。
【図9】 保持力試験の実験概略図である。
【符号の説明】
1 キャップ
2 栓体
3 ケーシング[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a cap for a medical infusion container. More specifically, the present invention relates to a medical cap that has excellent holding force against needle removal and improved resealability after needle removal.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, rubber caps have been widely used as plugs for medical caps. However, these rubber plugs undergo a complex process as shown in FIG. In addition, there are many kinds of additives, and scrap is generated in each process, so that the productivity is poor. That is, while the casing is manufactured by injection molding, the rubber plug body needs to be vulcanized after press molding, and it is necessary not only to assemble these after separately manufacturing, but also to raise the unit price. Had.
[0003]
In order to solve this problem, it was considered to use a thermoplastic elastomer, which is a resin having elasticity, as a cap body. In this technology, since the casing and the plug are both made of resin, they can be manufactured by simple injection molding as shown in FIG. 2 and do not require a vulcanization step as in the case of rubber plugs. The process problem is solved in that it can be obtained. Also, with this technology, an elastic body having a wide range of physical properties from soft vulcanized rubber to plastic can be obtained by changing the chemical structure of the material. Furthermore, the scrap produced in the molding process can be reused and the productivity is high.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, thermoplastic elastomers have the property that residual strain is large, rubber elasticity is inferior, stress relaxation, and creep phenomenon easily occur. For this reason, the holding power with respect to needle removal which is an important element as a cap of an infusion container is low, and the infusion needle easily falls out of the cap during infusion. Moreover, the resealability after needle removal is poor, and there is a problem that chemicals ooze out from the hole formed in the plug after needle removal.
[0005]
In order to solve this problem, a technique using a plug body in which rubber and a thermoplastic elastomer are overlapped is disclosed, but a complete solution to the problem of holding force against needle removal and resealability after needle removal has not been made. In addition, since the rubber plug is still used, the actual situation is that the problem in the process has not been solved.
[0006]
The subject of this invention is providing the medical cap which was excellent in the retention strength with respect to needle | hook removal, the resealability after needle removal, and eliminated the problem in the process.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventor is able to manufacture a cap excellent in retention force against needle removal and resealability after needle removal by adopting a structure in which a stopper made of a thermoplastic elastomer or the like is formed of a thin layer. I found it.
[0008]
The reason why the present invention has resistance to needle omission is, for example, due to the holding effect of the needles at the contact surfaces between the thin layers of thermoplastic elastomer. FIG. 3 is a cross-sectional view of the medical cap of the present invention in a state where a needle is stuck in the cap of the present invention and a load is applied in a direction in which the needle is about to fall off. In the figure, 1 is a medical cap, 2 is a plug formed by laminating each thin layer of a, b and c, 3 is a casing, 4 is a deformation burr of each thin layer when the needle is pulled out, 5 is Shows the needle. That is, at the contact surface portion of each thin layer, the thin layer is deformed as shown in FIG. Moreover, compared with the plug body which consists of one layer by changing the physical property for each layer and having specificity, it improves comprehensively as a plug body by making use of the effect each layer has.
[0009]
On the other hand, the effect of the present invention in resealability after needle removal is due to the restoring effect of returning to the original shape even if each thin layer is independent in addition to the specificity of each layer. FIG. 4 is a cross-sectional view of the medical cap of the present invention in a state at an arbitrary moment from when the needle is stuck in the cap of the present invention until it is extracted. In the figure, 1 is a medical cap, 2 is a plug formed by laminating each thin layer of a, b and c, 3 is a casing, 4 is a deformation burr of each thin layer when the needle is pulled out, 5 is Shows the needle. In other words, in the present invention, the lower thin layers 2c and 2b support the needle and prevent the liquid from leaking out, whereas the upper thin layer 2a from which the needle has been completely removed has a hole due to the restoring force. Closes to prevent leakage. As a result, the sealing performance after needle removal is improved. Accordingly, the sealing performance increases as the number of thin layers increases from the principle of sealing the plug.
[0010]
It is most suitable to use a thermoplastic elastomer as the material of the cap body of the present invention. Examples of the thermoplastic elastomer include hydrogenated polystyrene elastomers, polyvinyl chloride elastomers, polyolefin elastomers, polyurethane elastomers. And polyester elastomers and polyamide elastomers. Since these can be subjected to the same injection molding process as that of a casing made of resin, it is not necessary to assemble them separately as in the case of a conventional rubber plug, and there is a process advantage.
[0011]
The present inventor has also found that the above effect can be obtained even in a plug formed by laminating a thin layer made of any one of a thermoplastic elastomer, a gel-like resin, low-density polyethylene, and a mixture obtained by kneading these with rubber. These have not only the above effects, but also can be injection-molded in the same manner as thermoplastic elastomers, so that problems in conventional processes can be solved.
[0012]
Examples of the gel resin include ethylene gel materials, urethane gel materials, silicon gel materials, acrylic gel materials, vinyl chloride gel materials, and the like. Examples of types of rubber blended with these materials include butyl rubber, isoprene rubber, butadiene rubber, styrene butadiene rubber, chloroprene rubber, and acrylic rubber.
[0013]
It has also been found that these effects can be improved by making the plug body a columnar body having a polygonal shape, a flower shape, or a star shape as the bottom instead of a cylindrical shape as in the past, and attaching a fistula to the plug body. It was. In addition, the plug body also has a fuzzy shape by having a bottom with a substantially circular bottom and having a slit with a slit extending in the center direction from the outer periphery or a rib extending in the circumferential direction from the center. I found out that The reason why these inventions solve the above-mentioned problems is that by making the shape of the plug body a polygonal column instead of a cylinder, fuzziness occurs on the contact surface with the casing, and the stress per unit is segmented. . That is, it is because the restoring force with respect to the stress imposed on the plug body increases by dividing into small pieces instead of the large side face. Further, since the resistance to stress is strong and the holding force is improved, the holding force against needle removal is also excellent.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention is a medical cap having a plug formed by laminating only a thin layer composed of any one of a thermoplastic elastomer, a gel-like resin, low-density polyethylene, and a mixture obtained by kneading these with rubber. The type of the thermoplastic elastomer is not particularly limited, and various known ones can be suitably used in addition to those already described. In particular, Aron Kasei's thermoplastic elastomer, trade name "AR-860C", Mitsubishi Chemical's thermoplastic elastomer, trade name "Lavalon T-331C", Mitsubishi Chemical's thermoplastic elastomer, trade name "Lavalon SR-04" Is optimally usable.
[0015]
As a material for the thin layer, in addition to the thermoplastic elastomer, any of gel resin, low density polyethylene, rubber and thermoplastic elastomer, gel resin, and low density polyethylene (hereinafter abbreviated as high elastic resin). A mixture in which one or more kinds are kneaded can be used. The blending ratio of the rubber and the highly elastic resin is not particularly limited, but is preferably in the range of 1: 9 to 8: 2 by weight ratio. An increase in the amount of rubber is not preferable in terms of difficulty in injection molding. On the other hand, when the rubber compounding amount is too small, the needle drop resistance value cannot be improved depending on the material of other thin layers.
[0016]
The thickness of the thin layer constituting the plug body does not need to be uniform and can have a certain width, but is preferably 1 mm or more and 30 mm or less. Further, the number of thin layers is not particularly limited, but the effect is remarkable when there are three or more layers. That is, it is preferable to have two or more thin-layer joint surfaces. In addition, although the upper limit of the number of the thin layers to provide is not specifically limited, when the thickness of a stopper and the thickness of a thin layer are considered, it will be about 6 layers.
[0017]
The term “lamination” in the present invention is not particularly limited with respect to the form of superposition of thin layers. In addition to the simple superposition of thin layers as in the example shown in FIG. 3, for example, as shown in FIG. The form which wraps the material used as another material, the form which overlaps like FIG. 6, etc. are contained. That is, if it is a form of superposition where the inserted needle passes through the joining surface of the thin layer, it is interpreted as a lamination referred to in the present invention.
[0018]
It is preferable that the physical properties of adjacent thin layers, particularly the elastic modulus, are different. Since the present invention depends on the effect of deformation of the thin layer at the contact surface of the thin layer, the effect is more prominent when the deformation rate is non-uniform than when the deformation is exactly the same at the contact surface. . In general, when comparing the material hardness of the upper and lower thin layers, increasing the hardness of the lower material can support the depression of the upper part, which is the main component of the plug body. it can.
[0019]
In addition, the contact surface of each thin layer may adhere | attach resin by multilayer molding, and may just overlap. In addition, when laminating with a multi-material molding machine, there is a case where welding is performed between the layers and the line bonding portion in the laminating portion is lost, but even in this case, the effect is recognized.
[0020]
The order in which the thin layers are arranged is not particularly limited, but in the case of three or more layers, a thermoplastic elastomer is used on the outside, and a gel resin, low-density polyethylene, or rubber is kneaded and mixed with the intermediate layer. A thin layer made of any of the mixtures may be used. Thermoplastic elastomers are often inferior in resilience compared to gel-like resins, low-density polyethylene, or a mixture of these and rubber kneaded, so these materials can be used to ensure sealability in the intermediate layer. A thin layer is used.
[0021]
The shape of the plug used in the cap of the present invention is not particularly limited. For example, if the bottom surface is a polygonal, flower-shaped or star-shaped column, the needle drop resistance value and the resealability after needle removal Leads to improvement. This is based on the fact that by making the plug body into an octagonal column shape instead of a cylinder, the casing contact surface of the plug body is fuzzy and stress is segmented, so that the restoring force is improved. FIG. 7 is a partial cross-sectional perspective view of a cap with a regular octagonal plug as an embodiment of the present invention. In FIG. 1, 1 is a cap, 2 is a plug body made of 2a, 2b and 2c, 3 is a casing, 6 is a casing contact surface, 7 is a fistula, and 9 is a needle puncture hole. Although not shown, the cap is usually provided with a pull top lid, and the figure shows a state in which the pull top lid is removed. The needle inserted from the needle puncture hole 9 is supported by the internal stress from the plug body 2 so as not to come off, but in a conventional plug body having no fuzz, the stress is uniformly transmitted over a wide area. , Resilience did not show much. However, in the present invention, by providing the flange 7, the stress received by these is segmented for each flange 7, so that the restoring force of the plug body is improved, and as a result, the holding force against needle removal and the needle stick after needle removal. The resealability of the hole 9 is improved. Of course, the present invention is not limited to these shapes, and the present invention can be achieved as long as the flies are provided in some form.
[0022]
The joining method of the cap of the present invention and the infusion container is not particularly limited, and may be joined by a known method. The cap of the present invention can also be applied to a stopper for piercing or holding a needle or tube, for example, a vial stopper for a drug or reagent.
[0023]
The material of the plug used in the medical cap of the present invention is a thermoplastic elastomer that can be produced in the same process as the casing, so that the casing is injected as is conventionally done in the production process. There is no need to vulcanize only the rubber that has been molded and pressed in a separate process and then assemble the two parts. After molding the casing, the number of thin layers that provide the plug in the casing is injected. Since the cap is completed when it is molded, it can be advantageously manufactured in the process. Of course, the present invention is not limited to the above manufacturing method, and the present invention can also be achieved by a method in which a plug body and a casing are separately manufactured and assembled by insert molding as in the prior art.
[0024]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in detail based on examples. However, the present invention is not limited to the examples.
[0025]
The medical cap was manufactured using the plug body manufactured on the conditions described next, and this was made into each Example and a comparative example. In the examples, the insert molding is a method in which a thin layer constituting the casing and the plug body is separately molded, and the thin layer is sequentially fitted into the casing at the time of manufacturing the cap. The molding by the multi-material molding machine manufactured by repeating injection molding as a surface is shown. In addition, the material of the plug used in each Example and Comparative Example is as follows.
Elastomer 1 ··· Aron Kasei Co., Ltd., thermoplastic elastomer, trade name "AR-860C"
Elastomer 2 ... Made by Mitsubishi Chemical Corporation, thermoplastic elastomer, trade name "Lavalon T-331C"
Elastomer 3 ··· Mitsubishi Chemical Co., thermoplastic elastomer, trade name "Lavalon SR-04"
Gel-like resin: Cosmo Keiki Co., Ltd., gel-like resin, trade name “Cosmogel”
Low-density polyethylene: Showa Denko, low-density polyethylene, trade name "J-lakes M112"
Kneaded rubber 1 ... 4 parts by weight of elastomer 1 mixed with 1 part by weight of butadiene rubber Kneaded rubber 2 ... 4 parts by weight of gel-like resin per 1 part by weight of butadiene rubber Kneaded rubber mixture 3... Mixture of low-density polyethylene 4 parts by weight with respect to 1 part by weight of butadiene rubber.
(Example 1)
A cylindrical plug body made of a thin layer a made of elastomer 1 having a thickness of 2 mm, a thin layer b made of elastomer 2 having a thickness of 3 mm, and a thin layer c made of elastomer 3 having a thickness of 2 mm was set on the casing by simultaneous molding. A cap was manufactured.
[0027]
(Example 2)
A regular hexagonal prismatic plug body made of a thin layer a made of elastomer 1 having a thickness of 2 mm, a thin layer b made of elastomer 2 having a thickness of 3 mm, and a thin layer c made of elastomer 3 having a thickness of 2 mm was set in the casing by simultaneous molding. A medical cap was manufactured.
[0028]
(Example 3)
A cylindrical plug made of a thin layer a made of elastomer 1 having a thickness of 2 mm, a thin layer b made of gel resin having a thickness of 3 mm, and a thin layer c made of elastomer 3 having a thickness of 2 mm was set on the casing by simultaneous molding. A medical cap was manufactured.
[0029]
(Example 4)
A special hexagonal prismatic plug body consisting of a thin layer a made of elastomer 1 with a thickness of 2 mm, a thin layer b made of gel resin with a thickness of 3 mm, and a thin layer c made of elastomer 3 with a thickness of 2 mm. To produce a medical cap.
[0030]
(Example 5)
A cylindrical plug body made of a thin layer a made of elastomer 1 having a thickness of 2 mm, a thin layer b made of low density polyethylene having a thickness of 3 mm, and a thin layer c made of elastomer 3 having a thickness of 2 mm was set on the casing by simultaneous molding. A medical cap was manufactured.
[0031]
(Example 6)
A cylindrical plug made of a thin layer a made of elastomer 1 having a thickness of 2 mm, a thin layer b made of kneaded rubber 1 having a thickness of 3 mm, and a thin layer c made of elastomer 3 having a thickness of 2 mm was set on the casing by simultaneous molding. A medical cap was manufactured.
[0032]
(Example 7)
A cylindrical plug made of a thin layer a made of elastomer 1 having a thickness of 2 mm, a thin layer b made of kneaded rubber 2 having a thickness of 3 mm, and a thin layer c made of elastomer 3 having a thickness of 2 mm was set in the casing by simultaneous molding. A medical cap was manufactured.
[0033]
(Comparative Example 1)
Cylindrical plugs made of elastomer 3 and having a thickness of 7 mm were respectively set in a casing by simultaneous molding to produce a medical cap.
[0034]
(Comparative Example 2)
A cylindrical stopper made of butadiene rubber and having a thickness of 7 mm was set in a casing by insert molding to produce a medical cap.
[0035]
The caps of the above Examples and Comparative Examples were subjected to resistance measurement against needle stick / needle removal under the following conditions, a self-sealing test, and a holding force test. The average values and the results are shown in Table 1 below. In each test, 10 specimens were used, and a new test needle was used for each specimen. The following three types of needles were used for the test.
Needle 1 Terumo plastic needle, TS-A400LK
Needle 2 JMS plastic needle, JY-A600CNJ
Needle 3 JMS stainless steel needle, JY-A200CN
[0036]
(Measurement of resistance against needle stick and needle removal)
Using the Shimadzu Autograph S-500D model, the maximum resistance value (kgf) when the test needle is allowed to enter the central portion at a speed of 200 mm / min and the maximum resistance value (kgf) when extracting the test needle The average value was measured. The smaller the number is, the easier it is to handle as a cap, indicating good results.
[0037]
(Self-sealing test)
Each sample was welded to the mouth of an infusion bottle, and the sample set as shown in Fig. 8 was hung with a lifting tool for 2 hours. The test needle with the tube end sealed was pulled out, causing liquid leakage in 1 minute. The amount (cc / min) was measured and the average value was shown. In the figure, 1 denotes a cap, 10 denotes an infusion container, 11 denotes an air vent hole, and 12 denotes a water leak check location. The smaller the value, the less liquid leakage and the better.
[0038]
(Retention force test)
Each sample was welded to the mouth of an infusion bottle, and a 1 kg weight was suspended for 6 hours on the set as shown in FIG. 9 and the needle was not removed. Shown the number of things. In the figure, 1 is a cap, 10 is an infusion container, 11 is an air vent hole, and 13 is a 1 kg weight. The larger the value, the better the result. If the weight does not drop at all, the evaluation is 10.
[0039]
[Table 1]
Figure 0003676909
[0040]
As can be seen from Table 1, each of the laminated examples is better than the plastic needle and the metal needle, as compared with Comparative Example 1 consisting of one layer of thermoplastic elastomer plug. The effect is clearly recognized. In particular, Examples 2 and 4 in which the shape of the plug body was a polygonal column showed particularly remarkable effects. Further, compared with Comparative Example 2 which is a single layer rubber stopper, the resistance to needle sticking and needle pulling is small, so that handling is easy. Therefore, the medical cap of the present invention can simplify the manufacturing process, has excellent holding power against needle removal, and eliminates needle dropout and chemical leakage.
[0041]
【The invention's effect】
The present invention is a medical cap having a stopper formed by laminating only a thin layer composed of any one of a thermoplastic elastomer, a gel resin, low-density polyethylene, and a mixture obtained by kneading these with rubber. Thus, a medical cap having improved holding force and restoring force against the needle and excellent in holding force against needle removal and resealability after needle removal can be provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a flowchart showing a general molding process of rubber.
FIG. 2 is a flowchart showing a general molding process of resin.
FIG. 3 is a cross-sectional view of the medical cap of the present invention in a state where a load is applied to the pierced needle.
FIG. 4 is a cross-sectional view of the cap of the present invention with the needle being removed.
FIG. 5 is a cross-sectional view of a plug body showing one embodiment of a laminated form of plug bodies used in the medical cap of the present invention.
FIG. 6 is a cross-sectional view of a plug body showing another embodiment of a laminated form of plug bodies used in the medical cap of the present invention.
FIG. 7 is a partial cross-sectional perspective view of the medical cap of the present invention.
FIG. 8 is an experimental schematic diagram of a self-sealing test.
FIG. 9 is an experimental schematic diagram of a holding force test.
[Explanation of symbols]
1 Cap 2 Plug body 3 Casing

Claims (4)

少なくとも、ケーシングと栓体とからなる医療用キャップであって、
前記栓体が複数の薄層のみからなり、前記いずれの薄層も熱可塑性エラストマーのみからなり、前記薄層のうち、少なくとも1対の隣り合う薄層の弾性率が、それぞれ異なるものであることを特徴とする医療用キャップ。
A medical cap comprising at least a casing and a plug,
The plug body is composed of only a plurality of thin layers, each of the thin layers is composed of only a thermoplastic elastomer, and at least one pair of adjacent thin layers among the thin layers have different elastic moduli. A medical cap characterized by.
前記薄層について、いずれの薄層の厚みも1mm以上3mm以下である請求項1記載の医療用キャップ。  The medical cap according to claim 1, wherein the thin layer has a thickness of 1 mm or more and 3 mm or less. 前記栓体の底面形状が、多角形、花形、又は星形のうち、いずれかの形状である請求項1又は2に記載の医療用キャップ。   The medical cap according to claim 1 or 2, wherein the bottom surface shape of the plug body is any one of a polygonal shape, a flower shape, and a star shape. 請求項1乃至3のいずれかに記載の医療用キャップを用いた医療用輸液容器。   A medical infusion container using the medical cap according to any one of claims 1 to 3.
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