JP3676828B2 - 比重計 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、尿等の液体の比重測定に用いられる比重計に関する。
【0002】
【従来の技術】
物質の比重は、ある標準物質の密度に対するその密度の比で定義される。例えば、尿の比重は15.5°Cの水に対する比で与えられる。
【0003】
ところで、尿の比重は糖分の排出等によって大きく影響するので、体調や疾病の程度等を表すバロメータであることが広く知られ、医学上も尿の比重を疾病の判定に利用している。このような尿の比重を測定し、個人的に自己の体調を監視することは、健康を維持する上で有益なことである。尿の比重測定は水に対する重さであるから、計量容器や秤があれば、専門家でなくても、それを測定することが可能である。しかし、採尿の後、このような計量容器や秤を用いることは非常に面倒なことであり、精度にも問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような尿等の液体の比重を測定する比重計には超音波を検出媒体とするものが提案されている。その一例として特開昭60−222748号「比重測定方法及びその装置」がある。これは、体液中に超音波を伝搬させ、検出された伝搬時間と体液温度より演算して体液の比重を算出するものである。このような比重計においては、超音波振動子とともに、この超音波振動子と一定の間隔を保持して反射板を支持されたプローブが用いられており、このプローブには超音波振動子と反射板との間に窓部を通して体液を進入させている。この比重計では、超音波振動子が発生する超音波により気泡が発生する。この気泡がプローブの内面に付着して超音波を散乱又は反射させ、測定不能になるおそれがある。この気泡は、プローブを振った程度では容易に除去することができない。また、このようなプローブでは、プローブ内面からの反射波が生じ、この反射波を反射板からの反射波として検出してしまい、誤測定の原因になる。
【0005】
図7は、プローブ内面からの反射による影響を示している。図7のAに示すように、駆動パルスが発生すると、図7のBに示すように、送信パルスB1が発生し、反射板からの反射エコーB2が生じる前に、プローブ内面からの反射エコーB3が生じる。図7のCは、これらの送信パルスB1、反射エコーB2、B3を波形変換して得たパルスC1、C2、C3を示しており、図7のDはクロックパルスを示している。パルスC1、C3間の時間Tnが実測時間となり、これは超音波振動子とプローブ内面との距離を示しており、本来測定すべき時間To(>Tn)より小さくなる。
【0006】
また、図8は気泡による影響を示している。図8のAに示すように、駆動パルスが発生すると、図8のBに示すように、この駆動パルスに対応して送信パルスB1が発生するが、この送信パルスB1の後に気泡による反射エコーb1、b2、b3、b4・・・が生じ、このため、SN比の悪化等で測定不能に陥る。
【0007】
また、従来、比重測定を行なうものとして、実開平2−57060号「超音波センサー」がある。これは、超音波振動子をポリサルホン樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂等の音響インピーダンスの低い樹脂材料で形成された固定板によって固定し、反射板及びその保持具に音響インピーダンスが高いステンレス等を用いたものである。この超音波センサーにおいても、固定板や保持具の接触面で超音波の反射が生じ、この反射波によって距離測定が行なわれてしまう。特に、保持具は超音波を反射しやすい材料で形成されているから、この保持具での反射波のレベルが大きく、測定誤差の原因になる。また、保持具内面の面積を大きくすると、気泡が溜まり易く、プローブを振っても容易に除去できない。そして、音響インピーダンスの比が2以上になると、超音波反射が無くなるとしているが、実際には、音響インピーダンスの比が大きくなる程、反射が生じ易いことが確認されている。
【0008】
図9は、固定板及び保持具の接合面の反射の影響を示している。図9のAに示すように、駆動パルスが発生すると、図9のBに示すように、送信パルスB1と反射板からの受信エコーB2との間に、固定板と保持具の接合面での反射エコーB3、保持具内面からの反射エコーB4が生じる。図9のCは、これらの送信パルスB1、受信エコーB2及び反射エコーB3、B4によって得られるパルスC1、C2、C3、C4を示している。実際、測定ではパルスC1、C3間が実測時間Tnとなり、明らかに測定誤差を生じることになる。
【0009】
そこで、本発明は、尿等の液体の比重測定を簡易かつ高精度に測定できる比重計を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の比重計は、プローブと、このプローブを着脱させる比重計本体とを備えて構成され、前記プローブは、比重を測定すべき液体に浸漬させる浸漬部と、この浸漬部に取り付けられて超音波を発信するとともにその反射波を受信し動作面が樹脂材料からなる防護部材によって覆われた超音波振動子と、この超音波振動子からの前記超音波を受け、前記反射波を生じる反射板と、この反射板と前記超音波振動子との間に一定の距離を保持して前記浸漬部に取り付けるとともに、前記超音波振動子と前記反射板との間に前記液体を進入させる複数の窓部を備えた固定部材と、前記浸漬部に設置されて前記液体を浸漬させ、前記液体の温度を検出する温度検出手段とから構成され、前記比重計本体は、前記超音波振動子から送信された反射波と前記超音波振動子が受信した前記反射波とから測定される前記液体の伝搬間から比重を演算するとともに、その演算に前記温度検出手段の検出温度を補正データとして用いて前記液体の比重を算出する測定手段と、この測定手段で得られた前記比重を表示する表示部と、この表示部に隣接して取り付けられ、前記超音波振動子を含んで構成される超音波発振器及び超音波受信器を動作させるスイッチとから構成されている。
【0011】
また、固定部材は各種の合成樹脂で形成することができる。
【0012】
そして、前記比重計本体に長さの異なる複数の前記プローブを選択して着脱させる構成としてもよい。
【0013】
【作用】
比重を測定すべき液体として、例えば、尿を例に取る。尿は、プローブ本体の浸漬部が浸漬可能な深さを持つ容器に採尿する。この尿の中に浸漬部を入れ、尿中に反射板と超音波振動子を没入させる。即ち、超音波振動子と反射板との間に比重を測定すべき尿を介在させる。このような状態で超音波振動子に送信パルスを加えると、その送信パルスに応動して、超音波が尿中を伝搬し、反射板に当たる。反射板に当たると、反射波が生じ、この反射波が再び超音波振動子に帰還する。即ち、超音波振動子は、超音波発信器と超音波受信器とを兼用しており、この超音波振動子に受信エコーが得られる。
【0014】
超音波振動子と反射板の距離は一定であるから、送信パルスから受信エコーまでの時間は、伝達媒体である尿に影響を受ける。その伝搬時間が尿の比重に応じたものとなる。従って、反射波の伝搬時間を電気的な処理によって測定し、基準値と比較すれば、尿の比重を電気的に測定することができる。そして、この測定値を健康のバロメータとすることができるのである。
【0015】
ところで、このプローブでは、超音波振動子は、その動作面が樹脂材料からなる防護部材によって覆われている。超音波振動子は尿等の液体から防護されるとともに、超音波振動子と防護部材との間の界面での反射波の発生が抑制され、誤測定が防止される。
【0016】
また、反射板を浸漬部に固定する手段である固定部材を樹脂材料で形成すれば、反射板以外の部分での反射波が生じ難く、測定精度の向上に寄与する。
【0017】
そして、比重計本体に対してプローブ本体を交換可能にすれば、プローブ本体の長さや大きさに形成することで、検出すべき液体やその容器に応じて交換することができ、測定精度の向上を図ることができる。
【0018】
【実施例】
以下、本発明を図面に示した実施例を参照して詳細に説明する。
【0019】
図1は、本発明の比重計の一実施例を示している。この比重計本体2には、交換のために着脱可能にプローブ4が取り付けられている。比重計本体部2は合成樹脂で形成された外装ケース3を以て外装され、その内部には、データ処理部等の測定回路、電源部及びバッテリ等が内蔵されている。また、その端面部側には、データ表示等を行なうパネル部6が形成され、このパネル部6にはデータ表示を行なう表示部8とともに、スイッチ10が設置されている。さらに、この本体部2は、小型化のために概略的に見れば角錘状に形成され、その壁面が傾斜面を成しているので、滑り止めとして軸方向と直交する方向に複数の突部12が形成されている。また、この本体部2の背面部には、その内部に取り付けられたバッテリの交換の便宜のため、着脱可能な蓋14が取り付けられている。
【0020】
そして、プローブ4には、比重計本体2と同様に合成樹脂で形成された円筒状を成すプローブ本体15が設けられ、このプローブ本体15は測定すべき液体である尿18に浸漬すべき浸漬部16を備えている。この浸漬部16は、棒状を成しており、採取された容器20内の尿18の内部に浸漬される。その先端部には、尿18を進入させてその比重を検出する固定部材としての検出部22が取り付けられている。この検出部22は、合成樹脂で形成された籠状部であり、軸方向に形成した複数のエレメント24を円筒状に形成することにより、検出すべき尿18の進入が可能な複数の窓部26が形成されている。
【0021】
このような構成によれば、測定者が比重計本体2を保持しながら、採尿した容器20内の尿18中にプローブ4の浸漬部16を浸漬させ、駆動することにより、尿18の比重測定を行なうことができる。
【0022】
次に、図2は、図1に示した比重計の具体的な構成例を示している。この比重計の内部には軸方向に向かって測定回路を搭載した回路基板28が設置され、その上面には測定回路が実装されているとともに、警報表示手段としてのブザー30が実装されている。この回路基板28の背面部にはバッテリ32が設けられており、このバッテリ32によって回路基板28の測定回路に対する給電が行なわれている。又、パネル部6にはシートパネルが用いられ、その内部には表示部8としてLCD表示器33が設置されている。
【0023】
この比重計本体2の下端部にはプローブ4のプローブ本体15との電気的な接続を行なうためのコネクタ34が内蔵されており、プローブ4側のプラグ36との電気的な接続を行なう。そして、プローブ本体15には比重計本体2側との機械的な結合を行なうための袋ナット状を成す結合部38が設けられている。この結合部38の内部にはねじ40が形成されている。即ち、比重計本体2側には、結合部38を取り付けるための被結合部42が設けられており、その周囲には結合部38のねじ40に対応するねじ44が形成されている。結合部38は、プローブ4の中途部に形成されたフランジ部46によって脱落が防止されており、フランジ部46の壁面部には凹部を設けてゴム等の弾性材料からなる気密保持部材としての凹リング48が嵌め込まれている。この凹リング48はフランジ部46の壁面部から僅かに突出しており、これが比重計本体2側の下端の当接面を成している。従って、この凹リング48を比重計本体2の下端部に当て、結合部38を比重計本体2の被結合部42にねじ込むことにより、両者を圧接して気密状態に保持させることができる。
【0024】
次に、図3は、図1に示した比重計のプローブ4の具体的な構成例を示している。プローブ本体15には、円筒状を成す浸漬部16が結合されている。この浸漬部16の下端部には円筒形を成す検出部22が取り付けられている。この検出部22は、比重を測定すべき尿18等の液体と同等又は近似の比重を持つ合成樹脂材料、例えば、ABS樹脂で形成される。
【0025】
この検出部22とプローブ本体15との間には円筒状を成す保持枠50が取り付けられ、この保持枠50には超音波振動子52が取り付けられている。即ち、超音波振動子52は、その動作面を保持枠50に密着させており、保持枠50は超音波振動子52の防護部材を成している。この保持枠50は、比重を検出すべき尿18等の液体の比重と同等又は近似の合成樹脂材料で形成されている。
【0026】
また、この保持枠50には、温度補正用の温度検出素子としての液中に浸漬されるサーミスタ54が取り付けられている。超音波振動子52の接続ワイヤ56、サーミスタ54の接続ワイヤ58はプローブ本体15の内部から回路基板60側に導かれて接続されている。
【0027】
そして、この検出部22の下端部には反射板62が取り付けられている。反射板62に対し、検出部22は、反射板62の固定部材を成している。そして、反射板62と超音波振動子52の動作面の距離は、検出部22のエレメント24を以て一定に保持されている。また、この超音波振動子52と反射板62との間には、液体を進入させるべき空洞部を成して比重を測定すべき液体の進入を容易にするとともに、気泡を容易に除去するために、複数のエレメント24により、反射板62を包囲する部分に複数の窓部26が形成されている。なお、反射板62の反射面は、検出部22の窓部64を以て露出している。
【0028】
回路基板60は測定回路を構成しており、その内部には零調整用の可変抵抗66等が実装されている。なお、この代わりにROMからゼロ調整用のデータを取り出して補正してもかまわない。
【0029】
次に、検出部22及び保持枠50を構成する樹脂材料及びその比重を水及び尿とともに列挙すれば、表1の通りである。
【0030】
【表1】
Figure 0003676828
【0031】
なお、表1は検出部22及び保持枠50に使用可能な樹脂材料の一例を示したものであり、この樹脂材料を測定すべき液体に応じて選択すればよく、また、これら以外の合成樹脂を測定すべき液体に応じて選択することを妨げるものではない。
【0032】
次に、図4は、この比重計の測定回路を示している。単一の超音波振動子52で超音波発振器とともに超音波受信器を構成していることから、超音波発信モードでの動作を行なうための手段として超音波振動子駆動回路68が設けられ、この超音波振動子駆動回路68は測定制御部としての中央処理装置(CPU)70の制御出力に基づいて超音波振動子52を駆動するとともに、超音波振動子52からの受信エコーに基づくパルスを受ける。その処理手段として増幅器72及びコンパレータ74が設置されている。コンパレータ74は、送信パルス及び受信エコーと基準電圧とを比較し、その基準電圧を越える送信パルス及び受信エコーをパルスに変換する。
【0033】
また、サーミスタ54は比重計本体2側に設置されている抵抗ブリッジ76に接続されており、温度によって変化するサーミスタ54の抵抗値が抵抗ブリッジ76の比例辺に影響を与え、サーミスタ54の抵抗に応じた温度を表す電圧信号が抵抗ブリッジ76から取り出される。この電圧信号は、アナログスイッチ温度範囲切換回路78及び増幅器80を経てCPU70に取り込まれる。
【0034】
そして、CPU70には、データ記憶手段としてEEPROM84が接続されており、必要なデータが書き込まれている。図示しないが、CPU70には、比重測定のための制御プログラムや固定データを格納する記憶手段としてROM、一時的にデータを書き込むための記憶手段としてRAMが内蔵又は接続されている。このCPU70には、その制御出力を以てデータ表示を行なうLCD表示器33が接続されている。
【0035】
また、CPU70には、零調整用の可変抵抗66が接続されている。この可変抵抗66は超音波振動子52と反射板62との間隔誤差の補正に用いられる。
【0036】
以上のような構成によれば、採尿した容器20の尿18中にプローブ4の浸漬部16を浸漬した後、スイッチ10を操作し、超音波振動子52から超音波を発射させる。この超音波は、尿18を通過して反射板62に当たって反射し、その反射波は再び尿18を通過し、超音波振動子52に到達する。
【0037】
図5は、この動作を示しており、Aはその駆動パルス、Bは発振パルスB1、反射波を表す受信エコーB2である。この場合、超音波振動子52にはPZT(チタン酸バリウム振動子)を示し、発振パルスは発振周波数5MHzの超音波を駆動パルスによって振幅変調して得られている。
【0038】
超音波振動子52には、送信パルスと受信エコーとが得られる。これら送信パルスB1及び受信エコーB2は増幅器72を経てコンパレータ74に加えられ、図5のCに示すように、パルスC1、C2に変換された後、CPU70に加えられる。これらパルスC1、C2の間隔が伝搬時間Tである。図5のDは、クロックパルスを表し、パルスC1の立上りからパルスC2の立上りまでの時間をクロックパルスを計数することで、超音波振動子52と反射板62との往復距離、即ち、伝搬時間が求められる。
【0039】
この伝搬時間、即ち、測定時間が比重を表しており、比重Rは数式1から求めることができる。
【0040】
【数1】
Figure 0003676828
【0041】
ただし、数式1において、1.000は水の比重、tt は水の反射時間(25℃)、tR は反射板62からの実反射時間、KTは比重係数である。
【0042】
このように、尿18中の糖分や塩分等によって変化する超音波の伝搬時間がその比重を表している。CPU70では、測定された伝搬時間を求め、式(1)から比重Rを算出する。この場合、水の比重、反射時間、KT等の固定データは予め、EEPROM84やCPU70のROM等に格納しておくものとする。算出された比重は、LCD表示器33に表示され、測定者は、表示部8から読み取ることができる。
【0043】
また、比重測定では測定中に気泡が生じ、この気泡がプローブ4の内部に付着すると、測定誤差の原因になるが、プローブ4の検出部22には複数の窓部26が形成されており、プローブ4を比重計本体2とともに振ることで、容易に振り払うことができ、気泡による測定誤差を低減でき、測定精度を高めることができる。
【0044】
ところで、液体の比重の測定に超音波を用いる場合、温度の変化によって超音波の速度、即ち、伝搬時間が変化してしまい、実際の比重値に対応する伝搬時間が変化してしまうのである。即ち、温度補正を行なうことによって、精度の高い比重測定が行なわれる。この実施例では、サーミスタ54によって尿18の温度測定を行い、その温度データをCPU70に加えて比重データに温度データを加味することにより、温度補正を行なっている。この結果、精度の高い比重測定が可能になっている。
【0045】
そして、このプローブでは、検出部22及び保持枠50を測定すべき液体、即ち、尿18とほぼ同等な合成樹脂としてABS樹脂で形成したことから、検出部22からの反射や保持枠50の界面における反射がなく、比重の測定精度が高められている。
【0046】
この場合、測定すべき液体の比重と保持枠50の比重が異なる場合、保持枠50の界面での反射が問題となる。図6のAに示すように、駆動パルスが発生すると、図6のBに示すように、送信パルスB1が生じ、この送信パルスB1と本来検出すべき反射エコーB2との間に界面反射による反射エコーB3が生じる。この結果、図6のCに示すように、コンパレータ74には、送信パルスB1、反射エコーB2に対応するパルスC1、C2に対し、ノイズ成分である反射エコーB3によるパルスC3が得られ、本来の伝搬時間Tより短い伝搬時間Tnが測定されるという不都合がある。検出部22及び保持枠50を測定すべき液体、即ち、尿18とほぼ同等な合成樹脂としてABS樹脂で形成した場合には、このような界面反射による不良測定はなく、測定精度を高めることができる。
【0047】
また、このプローブ4は種々の長さのものを測定液体の形態に応じて形成することができ、しかも、その長さは浸漬部16の長さのみを変更することで実現できる。そして、プローブ本体15を任意に選択し、比重計本体2に着脱することができるので、液体の形態、即ち、任意の容器に対応させることができ、しかも、測定毎に洗浄する等の手間を省くことができるので、測定が容易になるとともに、測定精度の向上に寄与することができる。
【0048】
そして、検出部22は、合成樹脂の成形体で構成できるが、その場合、超音波振動子52と反射板62との間隔誤差が測定誤差として現れる。そこで、実施例では、25℃の純水にプローブ4を浸漬して比重測定を行い、その場合の測定値を「1」とするように、ゼロ調整を可変抵抗66によって行なうことができる。このようにすれば、検出部22の機械的な誤差を除き、測定精度を向上させることができる。
【0049】
なお、実施例では、尿の比重測定を中心に説明したが、本発明は、尿以外の液体の比重測定に用いることができるものである。
【0050】
また、実施例ではゼロ調整を可変抵抗66を用いて行なっているが、可変抵抗66の代えてEEPROM84に予め入力したゼロ調整用のデータを取り出して測定値を補正するようにしてもよい。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、尿等の液体中に浸漬することにより、従来のような計量や秤量を行なうことなく、超音波を検出媒体に用いてその液体の比重を簡易に測定できるとともに、同時に検出した液体温度で演算補正するので、比重測定の高精度化を図ることができ、例えば、健康管理や健康増進等に参照される尿の比重を簡易かつ高精度に測定できる。
【0052】
また、反射板を浸漬部に固定する手段である固定部材をABS樹脂等の樹脂材料で形成すれば、反射板以外の部分での反射波が生じ難く、測定精度の向上を図ることができる。
【0053】
また、比重計本体に対してプローブ本体を交換可能にすれば、プローブ本体の長さや大きさに形成することで、検出すべき液体やその容器に応じて交換することができ、測定精度の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の比重計の一実施例を示す斜視図である。
【図2】 図1に示した比重計本体の縦断面図である。
【図3】 図1に示した比重計のプローブの縦断面図である。
【図4】 図1に示した比重計の測定回路を示すブロック図である。
【図5】 図4に示した比重計の動作を示す図である。
【図6】 保持枠と液体の比重が異なる場合、その界面での影響を示す図である。
【図7】 従来の比重計におけるプローブ内反射の影響を示す図である。
【図8】 従来の比重計におけるプローブ内気泡の影響を示す図である。
【図9】 従来の比重計における音響インピーダンスの影響を示す図である。
【符号の説明】
2 比重計本体
4 プローブ
15 プローブ本体
16 浸漬部
18 尿(液体)
22 検出部(固定部材)
26 窓部
50 保持枠(防護部材)
52 超音波振動子
62 反射板

Claims (3)

  1. プローブと、このプローブを着脱させる比重計本体とを備えて構成され、
    前記プローブは、
    比重を測定すべき液体に浸漬させる浸漬部と、
    この浸漬部に取り付けられて超音波を発信するとともにその反射波を受信し動作面が樹脂材料からなる防護部材によって覆われた超音波振動子と、
    この超音波振動子からの前記超音波を受け、前記反射波を生じる反射板と、
    この反射板と前記超音波振動子との間に一定の距離を保持して前記浸漬部に取り付けるとともに、前記超音波振動子と前記反射板との間に前記液体を進入させる複数の窓部を備えた固定部材と、
    前記浸漬部に設置されて前記液体を浸漬させ、前記液体の温度を検出する温度検出手段と、
    から構成され、
    前記比重計本体は、
    前記超音波振動子から送信された反射波と前記超音波振動子が受信した前記反射波とから測定される前記液体の伝搬間から比重を演算するとともに、その演算に前記温度検出手段の検出温度を補正データとして用いて前記液体の比重を算出する測定手段と、
    この測定手段で得られた前記比重を表示する表示部と、
    この表示部に隣接して取り付けられ、前記超音波振動子を含んで構成される超音波発振器及び超音波受信器を動作させるスイッチと、
    から構成されたことを特徴とする比重計。
  2. 前記固定部材は、樹脂材料で形成したことを特徴とする請求項1記載の比重計。
  3. 前記比重計本体に長さの異なる複数の前記プローブを選択して着脱させる構成としたことを特徴とする請求項1記載の比重計。
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