JP3674751B2 - 電気集塵装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気中の浮遊粒子である塵埃を捕捉する電気集塵装置の集塵エレメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に電気集塵装置の集塵エレメントは、空気中の浮遊粒子である塵埃をコロナ放電によって帯電させるイオン化部(帯電部)と、帯電された塵埃をクーロン力で集塵板に付着させるコレクタ部(集塵部)とで構成する。例えば、図8は特開平6−296898号公報に開示されている従来の集塵エレメントを示す全体構成図である。図8において、1は複数の平行に配置された平板状の対向電極、2はこの対向電極1の間に配置された複数の針状の放電電極であり、この対向電極1と放電電極2とからイオン化部3が構成される。4は複数の平行に配置された平板状の集塵電極、5はこの集塵電極4の間に配置された平板状の高圧電極であり、この高圧電極5は体積固有抵抗で108乃至1013Ωcmの例えば界面活性剤入りの半絶縁性樹脂により一体成形されたものである。
このような平板状の集塵電極4と平板状の高圧電極5とからコレクタ部6が構成される。7はイオン化部3およびコレクタ部6に直流の高電圧を供給する直流電源である。
【0003】
次に、図8を参照しながら電気集塵装置の集塵エレメントの動作について説明する。通常の塵埃あるいは導電性粒子を含んだ塵埃(図8中のA)がイオン化部3からコレクタ部6へ流入した際に、平板状の高圧電極5を形成する界面活性剤入りの半絶縁樹脂により電極間の電流が適正通りに抑制される。これによって、如何なる塵埃状態においても電極間でスパークを起こすことがなく、これに伴う不快な音や光などの発生を防ぐことができる。また、イオン化部3で正に帯電された塵埃(図8中のB)は高圧電極5のクーロン力により負状態(アース状態)の平板状の集塵電極4に勢い良く向かって付着する。こうした塵埃の吸着メカニズムにより、コレクタ部6を通過した空気の清浄度は高くなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の電気集塵エレメントは電極間でのスパークの発生を防止しながら、例えば導電性粒子を含んだ塵埃を捕集するという構成手段を有している。しかし、このような集塵エレメントを構成する界面活性剤入りの高圧電極を用いた場合、電極の表面電位は給電部を基点として、この基点から遠ざかるに応じて低減していく。このために、コレクタ部において塵埃に対する捕集性能の低下あるいは捕集ムラを生じるという問題点を生じる。これを未然に防ぐ場合は例えば電極部に複数の給電部を設ける必要があり、集塵エレメント自身の構造が非常に複雑になるという新たな問題点を発生する。
【0005】
この発明は、前述のような問題点を解決するためになされたもので、コレクタ部における電極間でのスパークの発生を防止すると共に塵埃の捕集性能を高く確保できるように、例えば電極および直流電圧を供給する給電部などの部材を適切なものに選定し、かつこの給電部の構造を工夫した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る電気集塵装置は、放電電極と対向電極との間でコロナ放電を生じさせて空気中の塵埃を帯電する塵埃帯電部を設け、塵埃帯電部で帯電された塵埃を集塵する高圧電極と集塵電極とから成る集塵部とを具備した電気集塵装置において、集塵部を構成する電極のいずれか一方を高分子樹脂に親水性ポリマーを適正量だけ添加して成る半絶縁性樹脂により形成し、また、前記集塵部を構成する高圧電極の両端部あるいは一端部に接続される高電圧の給電端子部は、複数の平行に配置された前記高圧電極を支持する絶縁性の高圧電極用外枠部材の内側の対向する側面に固着され、前記高圧電極の前記端部の配置方向に延伸する帯状の前記半絶縁性樹脂で形成され、この給電端子部の端部に給電用金属片を固着するようにした。
【0009】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1と図2は、この発明による集塵エレメントの実施の形態を示す分解斜視図である。図1はイオン化部、図2はコレクタ部のそれぞれの分解斜視図であり、従来例と同一の符号は同一又は相当部分を示す。
図1において、8は例えば複数の針状の放電電極2を支持する絶縁性の放電電極用外枠部材であり、この外枠部材8の内側の対向する両側面に導電性を有する帯状の放電電極用給電端子部9が固着してある。そして、針状の放電電極2の両端部を給電端子部9に接触させることにより、直流電源7からの高電圧がこれらの電極2に印加される。10は対向電極板1を支持する導電性の対向電極板用外枠部材である。
【0010】
また、図2において11は複数の平行に配置された集塵電極4を支持する導電性の集塵電極用外枠部材、12は有機組成物から成る半絶縁性樹脂で形成された高圧電極板、13は高圧電極板12を支持する絶縁性の高圧電極板用外枠部材、14はこの外枠部材13の内側の対向する両側面に固着される帯状の高圧電極板用給電端子部である。この給電端子部14は前述の半絶縁性樹脂で形成され、この全長にわたって高圧給電に寄与する金属板15が埋め込まれる。そして、複数の高圧電極板12の両端部をこの給電端子部14に所定間隔をおいて接触させることにより、直流電源7からの高電圧が各高圧電極板12へ印加される。
【0011】
また、図3はコレクタ部6における複数の平行に配置された集塵電極4と集塵電極4の間に介在する複数の高圧電極板12とが組み合わせ配置された状態の概正面図である。なお、高圧電極板用給電端子部14の構造は高電圧が直接印加される金属板15と負状態(アース状態)にある導電性の集塵電極4、集塵電極用外枠部材11とが隣接し合っている関係上、短絡事故を防止する目的によりこの金属板15を半絶縁性樹脂で覆うように形成されている。
【0012】
次に、前述の電極板および給電部を形成する有機組成物から成る半絶縁性樹脂の材料について簡単に説明する。この半絶縁性樹脂は例えばポリエステル、ポリアセタール、ポリプロピレン、アクリルなどの何れかの高分子樹脂に、ポリエーテルエステルアミド、ポリエーテルアミドイミド、ポリエチレンオキシド−エピクロルヒドリン共重合体、ポリエチレングリコールメタクリレート共重合体などの何れかの親水性ポリマーを適正量だけ添加させてアロイ化(混練)して得られる。
【0013】
次に、従来の界面活性剤入りの半絶縁性樹脂(以下、A樹脂と称する)、カーボン入りの半絶縁性樹脂(以下、B樹脂と称する)と比較しながら、有機組成物から成る半絶縁性樹脂(以下、C樹脂と称する)の電気的特性データについて以下に記述する。例えば、サイズが30mm×110mm、板厚1mmの各半絶縁性樹脂の表面抵抗はA樹脂108乃至1013Ω/□、B樹脂104乃至106Ω/□、C樹脂108乃至1011Ω/□、即ち表面抵抗の大きさはA樹脂>C樹脂>B樹脂である。なお、ここで□の記号は単位面積を表すものである。
また、こうした半絶縁性樹脂の表面電位は直流電圧の給電部から遠ざかるに応じて低減していく現象を有する。例えば、各樹脂の一端部に直流電圧2.5KVを印加したときの他端部の表面電位の大きさは、A樹脂1.9KV、B樹脂2.4KV、C樹脂2.2KVである。これより、表面電位の低減率の少ないサンプル順即ち表面電位の安定性を有するサンプル順はB樹脂>C樹脂>A樹脂である。
【0014】
前述の特性データより、C樹脂はコレクタ部を通過する塵埃の中に導電性粒子を含んだ場合でも、電極部材の半絶縁性樹脂の表面抵抗が比較的大きい関係上電極間でスパークを殆ど発生しない。また、給電端子部14からの距離に伴う表面電位の変化量が比較的小さいために、電極面における電界強度の大きさにムラがなく安定性を有している。さらに、給電端子部14が半絶縁性樹脂で形成されるために、所定通りの高電圧が金属板15からこの樹脂を介して各高圧電極板12に供給される。これは、C樹脂の場合にA樹脂やB樹脂の半絶縁性材料とは異なった電気伝導メカニズムを有しているため、このような結果に至ったと前述の結果より立証される。
【0015】
次に、前述の半絶縁性樹脂から成る高圧電極板12における表面電位の分布特性図を図4に示す。図4において、各電極板の両端部に給電端子部14が接触されて、それぞれの給電端子部14近傍の各電極板の表面電位がV1、給電端子部14間の中央個所はV1よりも若干低いV2を示している。即ち、給電端子部14から遠ざかるに応じて表面電位がやや低くなることが分かる。しかし、電極面全体で電界強度の大きさはほぼ均一状態であり、コレクタ部6における捕集性能が良好と推定する。一方、従来例の界面活性剤入りの半絶縁性樹脂から成る電極板の表面電位の分布特性図は、図5に示すとおりである。図5において、給電端子部14とこの給電端子部14間の中央個所との表面電位の差が非常に大きく、電極面で電界強度の大きさにムラを生じることが分かる。
【0016】
なお、コレクタ部6を構成する集塵電極板4は前述の有機組成物から成る半絶縁性樹脂で形成しても良い。
【0017】
また、コレクタ部6を構成する集塵電極4の両端部に接触される接地(アース)端子部を、前述のように構成された給電端子部から成っても良い。
【0018】
さらに、コレクタ部6を構成する集塵電極4あるいは高圧電極板12の一端部に給電端子部を接触させ、この端子部を前述の有機組成物から成る半絶縁性樹脂で形成しても良い。
【0019】
こうした構成を有する集塵エレメントであるため、イオン化部3からコレクタ部6に流入される塵埃の中に導電性粒子が含まれた場合でも、コレクタ部6の電極間や高圧給電端子部14近傍からのスパークを防止して不快な音や光などの発生を抑えることができる。また、各電極面全体において電界強度の大きさをほぼ均一に維持させることができ、塵埃の捕集性能を向上させる電気集塵装置を提供することができる。
【0020】
実施の形態2.
図6は、この発明による集塵エレメントのコレクタ部における他の実施の形態を示す集塵電極4と高圧電極板12とが組み合わせ配置された状態の概正面図である。図6において、従来例あるいは実施の形態1と同一の符号は同一または相当部分を示す。高圧電極板用外枠部材13の内側の一側面に固着される帯状の高圧電極板用給電端子部14は、実施の形態1で記述した有機組成物から成る半絶縁性樹脂で形成される。そして、この給電端子部14の一端部に高圧給電に寄与する金属片16が固着され、さらに複数の高圧電極板12の一端部を所定間隔をおいて接触させることにより、直流電源7からの高電圧が各高圧電極板12へ印加される。
なお、有機組成物から成る半絶縁性樹脂の材料や電気的特性については実施の形態1で説明しているので、ここでは説明を省略する。
【0021】
次に、前述の半絶縁性樹脂から成る高圧電極板12の表面電位の分布特性図を、図7に示す。図7において、高圧電極板12の一端部に給電端子部14が接触されて、この給電端子部14近傍の表面電位がV1に対して他端部の表面電位はV1よりもやや低いV2を示している。これより、電極面全体において電界強度の大きさがほぼ均一状態であり、コレクタ部6における捕集性能は良好と推定する。
【0022】
一方、半絶縁性樹脂から成る帯状の給電端子部14の表面電位についても、図7とほぼ同様の特性を示している。つまり、給電個所である金属片16から遠ざかるに応じて表面電位が若干低減している。このために、給電端子部14に所定間隔をおいて接触する複数の高圧電極板12の一端部には、ほぼ一様に直流電圧が印加されると推定する。
【0023】
なお、前述の高圧給電端子部14は複数の高圧電極板12の両端部に接触されるように配置構成しても良い。
【0024】
また、コレクタ部6を構成する集塵電極4の一端部あるいは両端部に接触される接地(アース)端子部を、前述のように構成された給電端子部から成っても良い。
【0025】
以上のように、給電端子部14はコレクタ部6を構成する高圧電極板12の片側のみに設けられ、さらに高圧給電に寄与する金属片16を給電端子部14の一個所に固着させたことにより、給電端子部の構造を比較的簡素化できる。また、実施の形態1と同様に導電性粒子を含んだ塵埃が存在する状態でも、電極間あるいは給電端子部からのスパークの発生を抑え、かつ塵埃の捕集性能を向上させる集塵エレメントを提供することが期待できる。
【0026】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0027】
この発明に係る電気集塵装置は、放電電極と対向電極との間でコロナ放電を生じさせて空気中の塵埃を帯電する塵埃帯電部を設け、塵埃帯電部で帯電された塵埃を集塵する高圧電極と集塵電極とから成る集塵部とを具備した電気集塵装置において、集塵部を構成する電極のいずれか一方を高分子樹脂に親水性ポリマーを適正量だけ添加して成る半絶縁性樹脂により形成し、また、前記集塵部を構成する高圧電極の両端部あるいは一端部に接続される高電圧の給電端子部は、複数の平行に配置された前記高圧電極を支持する絶縁性の高圧電極用外枠部材の内側の対向する側面に固着され、前記高圧電極の前記端部の配置方向に延伸する帯状の前記半絶縁性樹脂で形成され、この給電端子部の端部に給電用金属片を固着するようにしたので、給電端子部の構造を簡素化でき、電極間あるいは給電端子部からのスパークの発生を抑え、かつ塵埃の捕集性能を向上させる電気集塵機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1におけるイオン化部の概分解斜視図である。
【図2】 実施の形態1におけるコレクタ部の概分解斜視図である。
【図3】 実施の形態1におけるコレクタ部の概正面図である。
【図4】 実施の形態1におけるコレクタ部を構成する高圧電極の表面電位の分布特性図である。
【図5】 比較参考のコレクタ部を構成する高圧電極の表面電位の分布特性図である。
【図6】 実施の形態2におけるコレクタ部の概正面図である。
【図7】 実施の形態2におけるコレクタ部を構成する高圧電極の表面電位の分布特性図である。
【図8】 従来の集塵エレメントの全体構成図である。
【符号の説明】
1 対向電極、2 放電電極、3 イオン化部、4 集塵電極、5 高圧電極、6 コレクタ部、7 直流電源、8 放電電極用外枠部材、9 放電電極用給電端子部、10 対向電極板用外枠部材、11 集塵電極用外枠部材、12 高圧電極板、13 高圧電極板用外枠部材、14 高圧電極板用給電端子部、15金属板、16 金属片。

Claims (1)

  1. 放電電極と対向電極との間でコロナ放電を生じさせて空気中の塵埃を帯電する塵埃帯電部と、この塵埃帯電部で帯電された塵埃を集塵する高圧電極と集塵電極とから成る集塵部とを具備した電気集塵装置において、前記集塵部を構成する電極のいずれか一方を高分子樹脂に親水性ポリマーを適正量だけ添加して成る半絶縁性樹脂により形成し、また、前記集塵部を構成する高圧電極の両端部あるいは一端部に接続される高電圧の給電端子部は、複数の平行に配置された前記高圧電極を支持する絶縁性の高圧電極用外枠部材の内側の対向する側面に固着され、前記高圧電極の前記端部の配置方向に延伸する帯状の前記半絶縁性樹脂で形成され、この給電端子部の端部に給電用金属片を固着するようにしたことを特徴とする電気集塵装置。
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