JP3674173B2 - 耐候性不織布および防砂シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、優れた耐候性および透水性を同時に満足する耐候性不織布および防砂シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、不織布の耐候性を向上させる方策として、耐候性の高い素材を使用したり、カーボンブラックを含有させたものが使用されている。しかしながら、近年のオゾン層破壊によって、紫外線の地表への到達量が増加し、耐候性に強いとされる素材でも紫外線劣化が大きく、またカーボンブラックの含有率は生産性の都合上、繊維重量に対し数%以下であり耐候性はさほど向上しない。また、特開昭48−69325号公報、特開昭53−81523号公報、特開昭53−101053号公報、特開昭62−243883号公報のように不織布にアスファルトを含浸させる公知例はあるものの、これらは防水シートとして用いられるもので、例えば、防砂シートのように透水性を必要とされる用途には適用できない。
【0003】
また、近年河川や海岸の護岸工事に、陸側の土と水側のコンクリートブロックや砕石の間に、土粒子の水側への流出防止のために繊維シートを敷設している。この繊維シートは防砂シートと呼ばれ、不織布が一般的に用いられている。しかし、不織布を敷設した状態で長期間放置していると、紫外線によって繊維が劣化し防砂シートとしての機能が果たせなくなるという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術の欠点に鑑み、耐候性および透水性を同時に満足する優れた耐候性不織布および防砂シートを提供せんとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を採用する。すなわち、本発明の耐候性不織布は、アスファルトを含有する着色不織布であって、かつ、該不織布がJIS A−1218に規定される定水位透水試験法に基づいて測定される透水係数が10 −3 cm/sec以上の透水性を有し、かつ、該アスファルトが、該不織布の少なくとも表面に付着していることを特徴とするものである。
【0006】
また、本発明の防砂シートは、かかる耐候性不織布で構成されていることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明は、上述の課題、すなわち、耐候性および透水性を同時に満足する優れた耐候性不織布を提供するために、鋭意検討したところ、アスファルトを、JIS A−1218に規定される定水位透水試験法に基づいて測定される透水係数が10 −3 cm/sec以上という特定の透水性を有する不織布に含有させて着色してみたところ、意外にも上述の課題を一挙に解決する不織布を提供することができることを究明したものである。
【0008】
本発明の不織布を構成する繊維は、概してポリエステル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリフェニルサルファイド、フッ素系樹脂などからなる繊維が好ましい。また、これらの繊維は長繊維か短繊維で構成された不織布が使用される。さらに、これらの繊維の中でも、強度特性が要求される場合には、長繊維で構成された不織布が好ましく使用される。
【0009】
かかる不織布を構成する繊維の単糸繊度は、不織布が要求される物性、特に強度と透水性の上から、好ましくは1〜10dの範囲のものがよい。単糸繊度が1d未満の場合は不織布の空隙率が小さくなり透水性能が劣る傾向にある。単糸繊度が10dより大きくなると、強度は高くなるが嵩高になり不織布の厚みが大きくなるとともに、アスファルトの付着性が悪くなる。なお、本発明の不織布において、使用する繊維として異繊度のものを混用し、その平均単糸繊度が上記範囲のものであってもさしつかえない。かかる不織布の目付は100〜1000g/m2 、さらに好ましくは200〜600g/m2 が好ましい。不織布の目付が100g/m2 より小さくなると、引張、引裂強力が低くなり土木工事用としては適さない。逆に1000g/m2 より大きくなると不織布の空隙が小さくなり、透水性能が劣る傾向にある。また、かかる不織布の厚みは緩衝性の上から、好ましくは1mm以上、さらに好ましくは2〜6mmが好ましい。
【0010】
また、上記不織布は均一な繊維密度や同一単糸繊度を有する繊維で構成された不織布について記載したものであるが、本発明においては、かかる不織布としては、別に異繊度の繊維からなる不織布であっても、また、密度の異なる不織布からなる積層体であっても、また、補強織物や補強網状物との積層体であってもよく、さらにはこれらの混合混成した不織布でも良い。
【0011】
本発明の耐候性不織布においては、JIS A−1218に規定される定水位透水試験法に基づいて測定される透水係数が10 −3 cm/sec以上という特定の高い透水性を有する不織布を使用し、かつ、得られる着色不織布も、その透水係数が10−3cm/sec以上となるようにアスファルトを付着させることが重要である。防砂シートとして用いる時には、不織布を水中に沈めて敷設するため、透水係数が10−3cm/secより小さくなると、著しく不織布の敷設時の沈降性が悪くなり、不織布の敷設作業に手間や時間が掛かってしまう傾向があるので好ましくない。
【0012】
次に、本発明におけるアスファルトは、道路舗装用に用いられるアスファルトやアスファルト乳剤などを使用することができるが、これに限られるものではない。かかるアスファルトは、該不織布を構成する繊維重量に対して、10〜60%の範囲で付着していることが好ましい。ここで該繊維重量とは、不織布やその他の補強繊維製品を含めた総重量である。アスファルトの付着量が繊維重量に対して10%未満になると、アスファルトの付着量が少なすぎて耐候性の向上が少なく抑えられる傾向があり、逆に60%を越えると繊維の空隙がアスファルトで満たされるため、透水性が低下する傾向にある。また、透水性に優れた機能を発揮させるには、アスファルトを不織布の少なくとも表面に付着していることが重要であり、特に表面に偏らせて付着させるのが好ましい。不織布へのアスファルトの付着方法については、現場でスプレーなどで不織布の表面に吹きつける方法や、工場で不織布を生産する時にアスファルトを含浸させた繊維で不織布を作成する方法がある。新しく工事を行う現場については、後者が好ましいが、既に工事が終わっていて部分的に曝露されている箇所の耐候性能の向上対策としては前者が好ましい。
【0013】
また、アスファルトを付着させた不織布そのものの柔軟性は、JIS L−1096ガーレ式剛軟度で測定したとき、40000mg以下のものが好ましい。これは、通常不織布がロール状にして形状で、運搬され、主として現場で施工されるためであり、該アスファルトを含有させた不織布のガーレ式剛軟度が40000mgを越えると、不織布のハンドリング性が著しく低下してしまう。また、不織布と、基礎地盤や護岸構造体の不陸部との追従性も低下してしまい、さらには施工性も悪化することがある。
【0014】
また、アスファルトを付着させた不織布として、アスファルトを不織布の表面に偏らせて付着させると、不織布表面の繊維の毛羽立ちがなくなる利点がある上に、アスファルトによって繊維の結合力が強くなり、引張強力、引裂強力、さらに貫通強力を向上することができるという利点が惹起する。それゆえ、防砂シートに使用する際には、かかる表面層に偏ってアスファルトを含有する不織布が好ましく、かかる不織布によれば、波浪により不織布を構成する繊維が砕石に絡まって破損することがないという利点もある。
【0015】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
【0016】
実施例1
熱可塑性ポリエステル樹脂を溶融紡糸し、それと同時に空気の高速気流によって連続フィラメントを延伸しかつコンベヤー上に撤布し、そこに堆積して嵩高なシートを形成させ、そしてニードルパンチングを施した、単糸繊度3.0d、目付300g/m2 、厚さ3mmのスパンボンドポリエステル長繊維不織布(透水係数:1.1×10 −2 cm/sec)を得、この不織布にアスファルトを付着させた。付着は以下のように実施した。
【0017】
不織布シートに、針入度100のカチオン系アスファルト乳剤を130℃で溶融させて、不織布シート繊維表面(上面のみ)にスプレー噴霧塗布し、繊維重量に対して20%(60g/m2 )付着させた後に放冷して、アスファルトを付着させた本発明の耐候性不織布を製造した。この耐候性不織布の断面及び表面をビデオハイスコープシステムにて拡大して確認したところ、該不織布の厚みが3mmに対して、アスファルトの付着深さは0.3mmと表面のみに付着していた。また、繊維の表面にアスファルトが均一に付着しており、繊維の空隙にアスファルトが固着している様子は見られなかった。この耐候性不織布の該透水係数は、表1の通り10 −2 cm/secレベルのものであった。
【0018】
このようにして得られたアスファルトを付着させた不織布シートの耐候性不織布シート、および防砂シート護岸構造体としての性能を評価し、その結果を表1に示した。
【0019】
比較例1
実施例1において使用した単糸繊度3.0d、目付300g/m2 、厚さ3mmのスパンボンドポリエステル長繊維不織布を単体(生機そのもの)で使用した。(アスファルトの付着なし)
比較例2
比較例1の不織布として、カーボンブラックを1m2 当りの1.2g(1m2 当りの繊維重量に対して0.4%)含有させた繊維を使用した。この不織布の透水係数は、表1の通り比較例1の生機と同一であった。
【0020】
これら3水準について、耐候性については、JIS L−1096耐候性試験に基づきサンシャインカーボンアーク燈形耐候性試験機を用いて評価を行い、強度特性については、JIS L−1906一般長繊維不織布試験方法に基づき評価を行った。
【0021】
防砂シートとしての評価方法については、人工的に波を引き起こす造波水槽で波浪と割栗石の摩擦によるシートの破損を確認した。図4に示すように水槽内に実海堤防を想定した堤防を割栗石(粒径15〜30cm)で作り(水深68cm)、こののり面(のり勾配1:1.2)にシートを敷設して波を引き起こした(波高:34cm、波長:1.4m、波浪回数:43200回/日)。実海での試験結果と、造波水槽での試験結果のサンプル破損状態から、造波水槽での試験結果、24時間稼働すると実海での1ヶ月に相当することがわかった。
【0022】
【表1】
【表2】
表1、2から明らかのように実施例1の耐候性不織布シートは、不織布単体と比較して、著しい耐候性向上効果がみられた。また、実施例1の剛軟度は不織布単体と比較すれば数値は高くでているが、不織布単体がかなり柔らかいものであり、現場での施工性については全く問題ないレベルの剛軟度である。
【0023】
さらに、実施例1は透水係数のオーダーが10-2cm/secであり、砂と同程度の高い透水性を保有しており、透水性が必要とされる防砂シートに使用するのにはなんら問題ないレベルであった。
【0024】
沈降性についても従来品とほぼ同レベルであり、施工性についても問題ない、また、表1の造波水槽での試験結果、実施例1は比較例1、2と比較して著しい耐久性向上効果がみられた。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、耐候性、透水性に優れた不織布を、それも従来の不織布の特性を保持したまま提供し得、さらに紫外線に長期間暴露され、しかも、透水性を必要とされる場所に使用することができる。
Claims (7)
- アスファルトを含有する着色不織布であって、かつ、該不織布のJIS A−1218に規定される定水位透水試験法に基づいて測定される透水係数が10−3cm/sec以上の透水性を有し、かつ、該アスファルトが、該不織布の表面層に偏って付着していることを特徴とする耐候性不織布。
- 該アスファルトが、繊維重量に対して10〜60%の範囲内で付着している請求項1に記載の耐候性不織布。
- 該不織布が、スパンボンド不織布である請求項1または2に記載の耐候性不織布。
- 該不織布が、100〜1000g/m2 の目付を有するものである請求項1〜3のいずれかに記載の耐候性不織布。
- 該不織布を構成する繊維が、1〜10dの範囲の単糸繊度を有するものである請求項1〜4のいずれかに記載の耐候性不織布。
- 該耐候性不織布が、JIS L−1096に規定されるガ−レ法に基づいて測定される剛軟度が40000mg以下の硬さを有するものである請求項1〜5のいずれかに記載の耐候性不織布。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の耐候性不織布で構成されていることを特徴とする防砂シート。
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1996
- 1996-08-23 JP JP22225896A patent/JP3674173B2/ja not_active Expired - Fee Related
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