JP3671559B2 - モノパルスアンテナ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は通信用、レーダ用等に用いるアレーアンテナ、特に和パターン、水平方向差パターン、垂直方向差パターンの3種類のモノパルスパターンを励振することができるラジアル導波路給電モノパルス平面アレーアンテナに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図11は例えば1993年電子情報通信学会秋季全国大会講演論文集B−65に示された従来のラジアル導波路給電モノパルス平面アレーアンテナ(以下モノパルスアンテナ装置と呼ぶ)の一例の構成図であり、図11(a)は上面図、図11(b)は下面図、図11(c)は図11(a)のA−A断面図である。図において1は誘電体基板、2は誘電体基板1の下面に銅箔等の金属を用いて形成される地導体、3は誘電体基板1の上面に銅箔等の金属を用いて形成される矩形の放射導体、4は前記地導体2と平行に対向配置された円形導体板と環状の外周壁からなるシャシであり、このシャシ4と前記地導体2とで囲まれる空間がラジアル導波路5である。6は放射導体3から誘電体基板1を貫通してラジアル導波路5内に突出する放射導体3の励振プローブであり、これと放射導体3、地導体2とで素子アンテナ7が構成される。8はその上に各素子アンテナ7の励振プローブ6が配置される誘電体基板1の中心点を中心とする仮想の円心円群であり、8aが内側から数えて奇数番目の円、8bが内側から数えて偶数番目の円である。円8a上に配設される放射導体3と円8b上に配設される放射導体3とでは放射導体3に対する励振プローブ6の接続位置がY軸の方向に逆向きに設定される。9は外部からシャシ4を貫通してラジアル導波路5内に突出するラジアル導波路5の給電プローブである。ここで番号1から9までの要素によって構成される部位をラジエータ部10と称する。また11は例えば平衡型ストリップ線路等によって形成されたモノパルス信号合成回路であり、12,13はそれぞれモノパルス信号合成回路11を構成するシャシ及び内部導体、14a,14b,14cはそれぞれ和信号端子、水平方向差信号端子、垂直方向差信号端子、14dは通常は使用されることのないダミー端子である。図12(a)はラジアル導波路5の内部から誘電体基板1側を見た図、図12(b)はラジアル導波路5の内部からシャシ4の円形導体板側を見た図である。円8aと円8bとの間隔d1,d2,・・・は使用周波数におけるラジアル導波路5内の伝搬波長換算で概略半波長に設定され、各円上での励振プローブ6の周方向配列間隔は等間隔に設定される。給電プローブ9はシャシ4の底面である円形導体板の中心に対し点対称に4本配置される。図13はモノパルス信号合成回路の内部系統図であり、15−1,15−2,15−3,15−4はその出力端子、16−1,16−2,16−3,16−4はモノパルス信号端子14a,14b,14cから入力された信号を所定の振幅、位相比で分配、合成する90゜ハイブリッド、17−1,17−2,17−3は90゜ハイブリッドの出力信号に所定の位相差を付加するための遅延線路である。図14は上記モノパルス信号合成回路11の入出力端子の組み合わせに対する分配振幅、位相ダイアグラムである。
【0003】
図15は従来のモノパルスアンテナ装置の別の例におけるモノパルス信号合成回路11の内部系統図であり、番号14,15は図13におけるのと同様のものである。18−1,18−2,18−3,18−4はモノパルス信号端子14a,14b,14cから入力された信号の所定の振幅、位相比で分配、合成する180゜ハイブリッドである。図16は上記モノパルス信号合成回路11の入出力端子の組み合わせに対する分配振幅、位相ダイアグラムである。この例においても構成図図11、図12は前述の例と共通に適用される。
【0004】
次に、素子アンテナ7から空間へのラジアル導波路5内の径方向の電力減衰を無視し、さらに各素子アンテナ7間の空間上での相互結合と、及び給電プローブ9−1,9−2,9−3,9−4間のラジアル導波路5内での相互結合も無視した近似モデルによりアンテナの動作原理を説明する。なお相互結合とは、複数個の素子アンテナやプローブ等が空間を介して互いに電磁エネルギーを移行しあう現象のことである。j番目(j=1,2,3,4)のラジアル導波路給電プローブ9からi番目の素子アンテナ励振プローブ6(i=1,2,・・・n、nは素子アンテナ数)への結合量Sijは“数1”、“数2”、“数3”で近似的に表すことができる。
【0005】
【数1】
【0006】
【数2】
【0007】
【数3】
【0008】
“数2”におけるZii、Zjjはそれぞれi番目の素子アンテナ励振プローブ6の自己インピーダンス、j番目のラジアル導波路給電プローブ9の自己インピーダンス、Z0 はラジアル導波路5の特性インピーダンス、kはラジアル導波路5内の伝搬定数、J0 (x)、J1 (x)、H0 (x)は円筒関数、ηは空間インピーダンス(η=120π)である。その他のパラメータは図11、図12内で定義されている。各ラジアル導波路給電プローブ9の励振係数をI1 ,I2 ,I3 ,I4 とすると、i番目の素子アンテナ7の励振係数Di は“数4”で表される。
【0009】
【数4】
【0010】
ここで図13の系統図に示すモノパルス信号合成回路11の和信号端子14aから信号を入力した場合は、図14に示すとおり4つの出力端子15−1,15−2,15−3,15−4の励振位相は同相、励振振幅は等振幅となる。これにより出力端子と直接接続されたラジアル導波路5の給電プローブ9−1,9−2,9−3,9−4は等振幅、等位相励振される。この場合“数4”の各Ij はI1 =I2 =I3 =I4 =Iと考えられる。このときDi は“数5”、“数6”で表される形となる。
【0011】
【数5】
【0012】
【数6】
【0013】
ラジアル導波路給電プローブ9のラジアル導波路5の中心からの距離dがラジアル導波路5内の伝搬波長λと比べて概略λ/3以下(例えばλ/4)になれば、円8上にある素子アンテナ7から放射される電界がX軸からの角度Φに従って位相ずれを起こし、場合によっては励振しなくなるような振幅の波打つ現象を無視できるので、素子アンテナ励振プローブ6の径方向配列間隔がラジアル導波路5内の伝搬波長換算で概略半波長であること、円8a上の素子アンテナ放射導体3と円8b上の素子アンテナ放射導体3とが上下方向に逆向きであることにより“数5”で表される全ての素子アンテナ7の励振係数Di (i=1〜n)の位相は等しくなる。これにより電界ベクトルの方向が図6(a)に示すY軸方向に向いた直線偏波のモノパルス和パターンが得られる。また各素子アンテナ7の励振振幅は各放射導体3に接続される励振プローブ6の長さLi と半径ai を変えることで調整できる。通常は共通の円8上に配設される全ての励振プローブ6についてはLi とai とを共通とすることで軸対称な励振振幅分布が得られるようにする。励振振幅分布を一様分布とするようLi とai を決定することも可能であり、この場合はモノパルス和パターン形成時に最も高い開口能率、アンテナ利得が得られる。
【0014】
次に図13に示すモノパルス信号合成回路11の水平方向差信号端子14bから信号を入力した場合は、図14に示すとおり4つの出力端子の励振位相は2つずつ逆位相、励振振幅は等振幅となる。これにより出力端子と直接接続されたラジアル導波路5の給電プローブ9−1,9−2,9−3,9−4も同様の相対振幅、位相で励振される。この場合“数4”の各Ij はI1 =−I2 =−I3 =I4 =Iと考えてよい。このときDi は“数7”のようになる。
【0015】
【数7】
【0016】
次に図13に示すモノパルス信号合成回路11の垂直方向差信号端子14cから信号を入力した場合は、図14に示すとおり4つの出力端子の励振位相は2つずつ逆位相、励振振幅は等振幅となる。これにより出力端子と直接接続されたラジアル導波路5の給電プローブ9−1,9−2,9−3,9−4も同様の相対振幅、位相で励振される。この場合“数4”の各Ij はI1 =I2 =−I3 =−I4 =Iと考えてよい。
【0017】
ここで各モノパルス信号端子から見た反射係数はSマトリクス解法を用いて以下のように導出できる。まず図18のようにアンテナをモノパルス信号合成回路11とラジエータ10との縦続接続で表す。図においてSm はモノパルス信号合成回路11のSマトリクス、Sr はラジエータ10のSマトリクスである。ここでラジアル導波路5から素子アンテナ7を介して空間を見たインピーダンスは整合が取れているものと仮定する。a1 ,a2 ,・・・,a8 は各端子への入力信号、b1 ,b2 ,・・・,b8 は各端子からの出力信号である。給電プローブ9−1,9−2,9−3,9−4はラジアル導波路5内に近接配置されているのでプローブ間の相互結合が起きる。図19はこの概念を示す図であり、Bは隣接するプローブ間の結合、Cは対角線上にある2つのプローブ間の結合を表す。配置は点対称形であるからSマトリクスSr は“数8”のように表すことができる。
【0018】
【数8】
【0019】
“数8”においてSa は各給電プローブの自己反射係数、Sb は隣接給電プローブ間の相互結合係数、Sc は対角線方向にある給電プローブ間の相互結合係数である。モノパルス信号合成回路11は図13に示すような回路要素によって構成される8端子回路網であり、そのSマトリクス表示は“数9”となる。
【0020】
【数9】
【0021】
無反射、入力端子間及び出力端子間の減結合量が無限大、かつ分配振幅、位相誤差なしの理想的なモノパルス信号合成回路においては、線路損失を無視すると“数9”の行列要素は“数10”、“数11”、“数12”のように表示できる。
【0022】
【数10】
【0023】
【数11】
【0024】
【数12】
【0025】
図13の回路に適用される回路網方程式は“数13”である。
【0026】
【数13】
【0027】
和信号端子14aの反射係数ΓΣは"数14"である。
【0028】
【数14】
【0029】
ここで各出力端子15−1,15−2,15−3,15−4への入力波a1 ,a2 ,a3 ,a4 はモノパルス信号合成回路11からラジエータ10への出力波b1 ,b2 ,b3 ,b4 により生成されるものであり、さらにラジエータ10への出力波b1 ,b2 ,b3 ,b4 は和信号端子14aへの入力波a5 により生成されるものである。この関係を式で表示すると“数15”のようになる。
【0030】
【数15】
【0031】
“数13”に適用されるaの要素のうちa1 ,a2 ,a3 ,a4 は“数16”のように表示される。
【0032】
【数16】
【0033】
また信号入力ポートが和信号入力端子13aで、その他の入力端子13b,13c,13dは無反射終端されるという条件から“数17”が成り立つ。
【0034】
【数17】
【0035】
したがって“数14”の反射係数は“数18”となる。
【0036】
【数18】
【0037】
“数18”に“数16”を代入することにより“数19”で表現される一般式が導出される。
【0038】
【数19】
【0039】
ここでモノパルス信号合成回路11が前述のような理想的な特性を有する場合は“数19”に対して“数10”、“数11”から求まる“数20”の条件を適用できる。
【0040】
【数20】
【0041】
これにより“数19”は“数21”のように書き換えられる。
【0042】
【数21】
【0043】
次に水平方向差信号端子14bの反射係数ΓAZは“数22”で表される。
【0044】
【数22】
【0045】
以下和信号端子14aにおけるのと同様に式を展開すると“数23”、“数24”が得られる。
【0046】
【数23】
【0047】
【数24】
【0048】
信号入力ポートが水平方向差信号入力端子14bで、その他の入力端子14a,14c,14dは無反射終端されるという条件から“数25”が成り立つ。
【0049】
【数25】
【0050】
したがって“数22”の反射係数は“数26”となり、“数26”に“数24”を代入することにより一般式“数27”が導出される。
【0051】
【数26】
【0052】
【数27】
【0053】
モノパルス信号合成回路11が理想的な特性を有する場合は“数27”に“数10”、“数11”を適用した“数28”から“数29”、“数30”が得られる。
【0054】
【数28】
【0055】
【数29】
【0056】
【数30】
【0057】
垂直方向差信号端子14cの反射係数ΓELは“数31”で表される。
【0058】
【数31】
【0059】
以下和信号端子14a、水平方向差信号端子14bの反射係数を求めた場合と同様に式を展開すると“数32”、“数33”が得られる。
【0060】
【数32】
【0061】
【数33】
【0062】
信号入力ポートが垂直方向差信号入力端子14cで、その他の入力端子14a,14b,14dは無反射終端されるという条件から“数34”が成り立つ。
【0063】
【数34】
【0064】
したがって“数31”の反射係数は“数35”となり、“数35”に“数33”を代入することにより一般式“数36”が導出される。
【0065】
【数35】
【0066】
【数36】
【0067】
モノパルス信号合成回路11が理想的な特性を有する場合は“数36”に“数10”、“数11”を適用した“数37”から“数38”、“数39”が得られる。
【0068】
【数37】
【0069】
【数38】
【0070】
【数39】
【0071】
以上によりモノパルス信号合成回路11に4本の給電プローブ9−1,9−2,9−3,9−4を介してラジアル導波路給電のラジエータ10が接続された場合の和信号端子14a、水平方向差信号端子14b及び垂直方向差信号端子14cから見た反射係数の一般式が“数19”、“数27”、“数36”と導かれる。さらにこのモノパルス信号合成回路11が理想的な特性を有する場合の上記それぞれの端子から見た反射係数は“数21”、“数30”、“数39”と求まる。“数30”と“数39”から水平方向差信号端子14bの反射係数と垂直方向差信号端子14cの反射係数は等しい。ここで“数40”で表される完全整合のための条件を求める。
【0072】
【数40】
【0073】
“数30”あるいは“数39”から、ΓAZ=0あるいはΓEL=0のためには“数41”が成り立っている必要がある。
【0074】
【数41】
【0075】
“数41”を“数21”に代入すると“数42”となる。
【0076】
【数42】
【0077】
よってΓΣ=0のためには"数43"が成立している必要がある。
【0078】
【数43】
【0079】
“数41”、“数43”が同時に満たされれば全てのモノパルス信号端子14a,14b,14cから見てインピーダンス整合が成り立つことになる。完全整合が実現し得ない場合は整合素子を付加してインピーダンス整合を取ることが必要となるが、この場合和信号端子14aと水平方向信号端子14b及び垂直方向差信号端子14cが全て共通に整合されるためには、これらの端子の整合前の反射係数が等しくなければならない。これを定式化すると“数44”となる。
【0080】
【数44】
【0081】
“数21”、“数30”を“数44”に代入して得られる結果は“数43”である。完全整合が成立しなくても“数43”の条件が満たされれば“数45”が成立し、インピーダンス整合素子の付加により3つのモノパルス信号端子14a,14b,14cの同時整合が実現できる。即ち、各給電プローブの自己反射係数と隣接給電プローブ間の相互結合係数が等振幅、逆位相の関係にあればよいということになる。
【0082】
【数45】
【0083】
次に構成図が図15で表されるモノパルス信号合成回路11をその構成要素として持つ別の従来例について考える。この場合も系統図としては図18が、ラジアル導波路給電プローブ間相互結合の概念図としては図19が共通に用いられる。前例における“数11”の代わりにSm3の表示式は“数46”となる。
【0084】
【数46】
【0085】
この場合各モノパルス信号端子14a,14b,14cの反射係数の表示式は“数21”、“数30”、“数39”の換わりに“数47”、“数48”、“数49”となる。
【0086】
【数47】
【0087】
【数48】
【0088】
【数49】
【0089】
“数48”、“数49”を“数30”と“数39”と比較すると第二の従来例においては、第一の従来例に比して差信号端子14b,14cの反射係数の符号が反転していることがわかる。完全整合の条件は第一の従来例におけるのと同じく“数41”、“数43”であるが、全てのモノパルス信号端子14a,14b,14cから見た反射係数ΓΣ、ΓAZ、ΓELが等しくなる(“数44”が成立する)ための条件は第一の従来例における“数43”の替わりに“数47”と“数48”から得られる“数50”、“数51”となる。
【0090】
【数50】
【0091】
【数51】
【0092】
即ち隣接給電プローブ間の相互結合係数と対角線上のプローブ間の相互結合係数等が等振幅、逆位相の関係にあればよいということになる。
【0093】
【発明が解決しようとする課題】
従来のモノパルスアンテナ装置は以上のような構成、動作原理となっていた。動作原理上良好なラジエータ開口面分布を得るためには4本のラジアル導波路給電プローブ9−1,9−2,9−3,9−4は十分近接して点対称に配置する必要があり、その結果給電プローブ間の相互結合が大きくならざるを得なかった。“数21”、“数30”、“数39”あるいは“数47”、“数48”、“数49”に示したとおり、この相互結合が大きいと例えば“数43”あるいは“数51”が成立しなくなり、モノパルス和信号端子14aの反射係数とモノパルス差信号端子14b,14cの反射係数との差異が大きくなって、いずれかの端子(例えば和信号端子)の反射係数に着目してインピーダンス整合を行ったとしても別の端子(例えば差信号端子)から見た反射係数を小さく抑えることは難しかった。その結果和信号端子14aから見た反射は小さいが差信号端子14b,14cから見た反射が大きいというような状況が発生した。またインピーダンス整合に当たり、モノパルス信号合成回路11の内部等に大きなリアクタンス性の整合素子を付加する必要が生じやすく、そのため整合可能な周波数帯域が著しく限定されていた。
【0094】
従来のモノパルスアンテナ装置は以上のように3種のモノパルス信号端子の同時インピーダンス整合が難しく、図20に例として示すようにモノパルス和パターンのレベルとモノパルス差パターンのレベルの差が著しく大きいアンテナになるという問題点があった(モノパルス差パターンの低下は、相対振幅の最大が−3dB程度であることが望ましいが、図20では−12dB程度に低下している。)。このため、例えばモノパルスアンテナ装置を移動体の追尾アンテナとして用いる場合、放射パターンのレベルが低いと、S/N比が劣化し、相対的にノイズレベルが大きくなるため、モノパルス追尾の精度が悪かった。また強制的に外部整合素子によりインピーダンス整合を取った結果として狭帯域でしか高利得な性能が得られにくいアンテナとなるという問題点があった。
【0095】
本発明に係わるモノパルスアンテナ装置は上記のような問題を解決するためになされたもので、3種のモノパルス信号端子の同時インピーダンス整合が容易で、かつ広帯域で高利得な性能が得られるモノパルスアンテナ装置を得ることを目的とする。
【0096】
【課題を解決するための手段】
この第1の発明に係るモノパルスアンテナ装置はラジアル導波路の中心部に4本のラジアル導波路給電プローブ間を遮蔽する導体壁を設けたものである。
【0097】
また、第2の発明に係るモノパルスアンテナ装置は上記ラジアル導波路の中心部に第二の素子アンテナを付加したものである。
【0098】
また、第3の発明に係るモノパルスアンテナ装置は第一の発明の導体壁を十字型にしたものである。
【0099】
また、第4の発明に係るモノパルスアンテナ装置は上記第二の素子アンテナと干渉しないように切り欠き溝を設けたものである。
【0100】
さらにまた、第5の発明に係るモノパルスアンテナ装置は上記導体壁を複数の導体棒で構成したものである。
【0101】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1を示すモノパルスアンテナ装置の構成図であり、図1(a)は上面図、図1(b)は図1(a)のA−A断面図である。また図2(a)はラジアル導波路5の内部から誘電体基板1側を見た図、図2(b)はラジアル導波路5の内部からシャシ4の円形導体板側を見た図である。図において1〜13は図11と同様のものである。19はラジアル導波路の中央部に4本の給電プローブ9を遮蔽する形で設置された十字型のアルミ、銅等の導体壁である(なお、十字型導体壁1aは遮蔽効果があれば十字型でなくてもひし形や丸等でもよい。)。本形態に用いられるモノパルス信号合成回路11はその内部系統図が図13で与えられるような90゜ハイブリッド16と遅延線路17によって構成される方式のものである。
【0102】
従来例と同様に素子アンテナ励振プローブ6はラジエータ開口中心からの半径が動作周波数におけるラジアル導波路5内伝搬波長の大略1/2の間隔で広がる同心円上に周方向等間隔で配設されており、内側から数えて奇数番目の仮想配列円8a上の励振プローブ6に接続される放射導体3と、内側から数えて偶数番目の仮想配列円8b上の励振プローブ6に接続される放射導体3とではその向きが上下方向に逆向きになっている。また4本の給電プローブ9はラジアル導波路5の中央部に点対称に十分近接して配置されている。このことからモノパルス信号合成回路11の和信号端子14aから信号入力を行い4本の給電プローブ9を同相かつ等振幅励振した場合には全ての素子アンテナ7が同相励振されてモノパルス和パターンが得られ、モノパルス信号合成回路10の差信号端子14bあるいは14cから信号入力を行い、4本の給電プローブ9を等振幅かつ2本ずつ逆位相励振した場合には水平方向あるいは垂直方向のモノパルス差パターンが得られること、また励振時には全素子アンテナの励振位相が等位相となり、さらに励振プローブ6の径とラジアル導波路5への挿入長とを適切に選ぶことにより所望の開口分布が得られること、また各素子アンテナ7の励振振幅は各放射導体3に接続される励振プローブ6の長さLi と半径ai を変えることで調整できること等は従来の装置と同様である。
【0103】
従来例との違いはラジアル導波路5の中央部に設置された十字型の導体壁19であるが、この導体壁19は4本の給電プローブ9の間を各給電プローブが互いに見えないような状態で光学的に遮蔽しているため給電プローブ9間の相互結合は低く抑えられることは容易に理解される。各給電プローブ9−1,9−2,9−3,9−4からこの導体壁19を隔てて直近の素子アンテナ7への結合は低減するが、電波の回折現象があるためラジアル導波路5の伝搬モードが大きく損なわれることはなく、大部分の素子アンテナ7に対しては導体壁19がない場合とほぼ同等の励振が行われる。給電プローブ9間の相互結合に関しては概念図図3に示すように隣接する給電プローブ間の結合(経路A)は十字型導体壁19のエッジを介しての1回回折、対角線上の給電プローブ間の結合(経路B)は2回回折によることとなるため、ある程度広い周波数範囲において経路Bによる結合は経路Aによる結合に比べさらに低減されほぼ無視できる程度の大きさとすることが可能である。
従来のモノパルスアンテナ装置の給電プローブ間相互結合係数の周波数特性と、本発明の実施の形態1のモノパルスアンテナ装置の給電プローブ間相互結合係数の周波数特性を図4に示す。従来例の図4(a)と比べて、本発明を適用した図4(b)は使用周波数帯域において給電プローブ間相互結合係数が低減されており、特に対角線上の給電プローブ間で効果が著しい(隣接する給電プローブ間の相互結合係数は、従来のモノパルスアンテナ装置では最大で−10dB程度、本発明のモノパルスアンテナ装置では最大で−20dB程度であった。また対角線上の給電プローブ間の相互結合係数は、従来のモノパルスアンテナ装置においては最大で−7dB程度であるが、本発明のモノパルスアンテナ装置では最大で−25dB程度であった。)。
その結果、原理式“数21”、“数30”、“数39”におけるScの振幅が微小量となる(|Sc |≒0)と考えると“数21”、“数30”、“数39”より各モノパルス信号端子14a,14b,14cから見た反射係数は“数52”となる。
【0104】
【数52】
【0105】
“数52”におけるSa 即ち給電プローブ9からラジエータ10を見た自己反射係数は給電プローブ9の長さLi 、半径ai 、ラジアル導波路中心からの距離d、及び十字型導体壁19の幅Wを適切に選ぶことにより比較的容易にその振幅|Sa |を小さく抑えることができる。|Sa |≒0が達成されれば各モノパルス信号端子14a,14b,14cから見た反射係数は“数53”となる。
【0106】
【数53】
【0107】
図3に示すように十字型導体壁19の効果により隣接する給電プローブ9間の結合数Sb もその振幅|Sb |は相当量低減されることとなるので、結果として自己反射係数Sa に着目したインピーダンス整合措置を施すのみで全てのモノパルス信号端子14a,14b,14cから見た反射係数を低減することが可能となる。和信号端子14aのインピーダンス整合を最重要ととらえ、これに着目して反射を低減しようとする場合は“数43”が整合条件式となるが、|Sb |が低く抑えられているため十字型導体壁19のない場合に比較するとこの実現も容易である。給電プローブ9の長さLi 、半径ai 、ラジアル導波路中心からの距離d、及び十字型導体板19の幅Wの選択のみでは整合が取れず、モノパルス信号合成器11の内部導体13等に整合素子を付加してインピーダンス整合を取る場合でも、|Sb |が小さいことから付加するリアクタンス量は小さくて済み、元々の反射とそれを相殺する整合素子の反射の周波数特性も緩やかなカーブになるため、外部インピーダンス整合による狭帯域化を最小限に抑えることができる。また、図17は本発明の実施の形態に基づいて実施されたモノパルス和パターンと水平方向モノパルス差パターンの形成例を示すものである。図において、相対振幅の最大が−3dB程度となり、図20と比べてモノパルス差パターンの低下がかなり改善されている。
【0108】
実施の形態2.
実施の形態2の適用対象となるモノパルスアンテナはその構成要素であるモノパルス信号合成器11がその内部系統図が図15で与えられるような180゜ハイブリッド18によって構成される方式のものである。適用した手段は実施の形態1と同じくラジアル導波路5内への十字型導体壁19の設置であり、その構成図は実施の形態1と同様図1、図2である。この方式のモノパルス信号合成回路11を用いた場合の各モノパルス信号端子14a,14b,14cから見た反射係数の表示式は“数47”、“数48”、“数49”であるが、実施の形態1におけるのと同様に上式においてSc の振幅が微小量となる(|Sc |≒0)と考えると“数54”となる。
【0109】
【数54】
【0110】
実施の形態1におけるのと同じく|Sa |≒0の実現が容易とすると、この場合も共通に“数53”が成り立ち、|Sb |も小さいことから全モノパルス信号端子14a,14b,14cの反射低減が和信号端子14aのインピーダンス整合措置のみでほぼ達成できる。また和信号端子14aの反射を0とする条件が“数43”であることも実施の形態1と同じであり|Sb |が小さいことからこれも容易である。次に全てのモノパルス信号端子14a,14b,14cの反射係数を等しくする条件は“数54”でΓΣ=ΓAZ=ΓELと置くことによりSb =0であることがわかる。|Sb |が小さいことからこの条件はほぼ達成されており、特に対策を講じなくとも十字型導体壁19の設置のみで全モノパルス信号端子14a,14b,14cの反射の均一化が図られていることになる。なお、十字型導体壁19は遮蔽効果があれば十字型でなくてもひし形や丸等でもよい。
【0111】
実施の形態3.
図5は本発明の実施の形態3を示すモノパルスアンテナ装置の構成図であり、図5(a)は上面図、図5(b)は図5(a)のA−A断面図である。また図6(a)はラジアル導波路5の内部から誘電体基板1側を見た図、図6(b)はラジアル導波路5の内部からシャシ4の円形導体板側を見た図である。図において1〜13は図1と同様のものである。20はラジアル導波路5の中央部に4本の給電プローブ9の間を遮蔽する形で設置した上部にV字状の切り欠き溝を有する十字型導体壁、3aはアンテナ開口面の中心部に新たに設置した銅箔等の金属でできた付加放射導体、6aは上記付加放射導体3aから誘電体基板1を貫通してラジアル導波路5の中心部、上記十字型導体壁20のV字状切り欠き溝に向けて突出する付加励振プローブ、7aは上記付加放射導体3a、付加励振プローブ6a及び地導体2とで構成される付加素子アンテナである。この実施の形態におけるモノパルスアンテナ装置に使用されるモノパルス信号合成回路11は実施の形態1におけるのと同様図13に示すような90゜ハイブリッド16と遅延線路17を用いた方式のものである。なお、十字型導体壁19は遮蔽効果があれば十字型でなくてもひし形や丸等でもよい。
【0112】
本発明における導体壁20は実施の形態1、実施の形態2における十字型導体壁19と同様に給電プローブ9間の相互結合を低減させる働きを持つ。上部にV字状の切り欠きがある分若干遮蔽効果が低下するが、V字状の切り欠きを十字型導体壁19と素子アンテナが干渉しない程度の大きさにすれば大きな影響をもたらさない。また、切り欠き溝は例えば半円のようなV字状以外の形状でもよい。本発明では上記切り欠き溝の存在によりラジアル導波路5の中央部に素子アンテナ励振プローブ6aを配置する空間を確保しているので、ラジエータ開口中央部に素子アンテナ7aを1つ配置することが可能となっている。実施の形態1、実施の形態2においては十字型導体壁19によりラジアル導波路中央部が完全に遮蔽されており、ある給電プローブ9から中央部付近の素子アンテナ7の一部への給電は直接波ではなく回折波によって行われる。その結果中央部付近の素子アンテナ7の励振が行われにくい。そのためラジエータ中央部付近の素子アンテナ7については励振振幅が低下し、その結果ラジエータ11を開口面として考えた場合、モノパルス和信号パターン励振時の振幅分布は図7の例に示すように開口中央部で低いものとなり、これが開口能率の低下をもたらすことになる。本発明ではラジアル導波路5の中心にその励振プローブ6aが、ラジエータ開口の中心部にその放射導体3aが位置する素子アンテナ7aを備えたことにより、上記したラジエータ開口中央部における励振振幅分布の凹みを補償することが可能となり、図8の例に示すような改善された和信号パターン励振時の開口面励振分布が得られる。その結果導体壁20の効果による給電プローブ9間の相互結合を低減しインピーダンス整合を容易とした効果に加え、利得を決定する重要な要素である開口能率の低下を解消する効果も付加されることとなり、結果として高利得のアンテナが得られるという利点を有する。
【0113】
実施の形態4.
実施の形態4の適用対象となるモノパルスアンテナはその構成要素であるモノパルス信号合成器11がその内部系統図が図15で与えられるような180゜ハイブリッド18によって構成される方式のものである。適用した手段は実施の形態3と同じく給電プローブ9の間へのV字型切り欠き溝付き十字型導体壁20の付加及びラジエータ開口中央部への素子アンテナ7aの付加であり、その構成図は実施の形態1と同様図5、図6である。導体壁20の効果により給電プローブ9間の相互結合が低減され、これに伴いインピーダンス整合が容易となるとともに、開口中央部への素子アンテナ7aの付加によりモノパルス和信号パターン励振時の開口面励振分布の凹みが低減され開口能率が向上するという効果については実施の形態3と同等である。なお、十字型導体壁19は遮蔽効果があれば十字型でなくてもひし形や丸等でもよい。
【0114】
実施の形態5.
図9は本発明の実施の形態5を示すモノパルスアンテナ装置の構成図であり、図9(a)は上面図、図9(b)は図9(a)のA−A断面図である。また図10(a)はラジアル導波路5の内部から誘電体基板1側を見た図、図10(b)はラジアル導波路5の内部からシャシ4の円形導体板側を見た図である。図において1〜13は図1と同様のもの、3a,6a,7aは図5と同様のものである。21はラジアル導波路5の内部に4本の各給電プローブ9が互いに見えないように遮蔽する形で設置した複数本の導体棒である。この実施の形態におけるモノパルスアンテナ装置に使用されるモノパルス信号合成回路11は実施の形態1におけるのと同様図13に示すような90゜ハイブリッド16と遅延線路17を用いた方式のものである。
【0115】
本発明における導体棒21は実施の形態1、実施の形態2、実施の形態3、実施の形態4における十字型導体壁19,20と同様に給電プローブ9間の相互結合を低減させる働きを持つ。本発明では実施の形態3、実施の形態4と同様にラジアル導波路5の中央部に素子アンテナ励振プローブ6aを配置する空間を確保しているので、ラジエータ開口中央部に素子アンテナ7aを1つ配置することが可能となっている。導体棒21の効果による給電プローブ9間の相互結合の低減とこれに伴うインピーダンス整合が容易となること、開口中央部への素子アンテナの付加によりモノパルス和信号パターン励振時の開口面励振分布の凹みが低減され開口能率が向上するという効果については実施の形態3と同等である。さらに導体棒21は1本1本が独立しているので、十字型導体壁19と比較して、例えば導体棒21を交換可能な構造とすることにより、長さ、半径、本数、配列間隔が可変となるため、給電プローブ9の相互結合係数と反射係数を容易に調整できるという利点を有する。
【0116】
実施の形態6.
実施の形態6の適用対象となるモノパルスアンテナはその構成要素であるモノパルス信号合成器11がその内部系統図が図15で与えられるような180゜ハイブリッド18によって構成される方式のものである。適用した手段は実施の形態5と同じく給電プローブ9の間への複数の導体棒21の付加及びラジエータ開口中央部への素子アンテナ7aの付加であり、その構成図は実施の形態5と同様図9、図10である。導体棒21の効果による給電プローブ9間の相互結合が低減され、これに伴いインピーダンス整合が容易になるとともに、開口中央部への素子アンテナ7aの付加によりモノパルス和信号パターン励振時の開口面励振分布の凹みが低減され開口能率が向上するという効果、さらに導体棒21は1本1本が独立しているので、十字型導体壁19と比較して調整が容易であるという利点については実施の形態5と同等である。
【0117】
【発明の効果】
この第1から第5の発明によれば、モノパルスアンテナ装置を構成するラジアル導波路の中央部に4本の各給電プローブ間を遮蔽する導体壁を設けたので、給電プローブ間の相互結合が低減され、モノパルス信号端子から見たアンテナのインピーダンス整合が容易となり、従来に比べ広い周波数帯域で高利得のモノパルスアンテナ装置が得られやすいという効果がある。
【0118】
また、第2、第4の発明によれば、モノパルスアンテナ装置を構成するラジアル導波路の中央部に4本の各給電プローブ間を遮蔽する、上部に切り欠き溝を有する導体壁を設け、さらにアンテナ開口面の中央部に素子アンテナを付加した構造としたので、アンテナ開口面中央部の励振振幅分布の凹みを低減することができ、第1の発明に比べ広い周波数帯域でより高利得のモノパルスアンテナ装置が得られやすいという効果がある。
【0119】
さらにまた第5の発明によれば、モノパルスアンテナ装置を構成するラジアル導波路内の4本の給電プローブの中間それぞれの給電プローブ同士を遮蔽する複数の導体棒を設けたので、第1もしくは第2の発明と比較して相互結合係数の調整が容易という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1、実施の形態2のモノパルスアンテナ装置を示す構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1、実施の形態2のモノパルスアンテナ装置を示す構成図である。
【図3】 この発明の実施の形態1、実施の形態2のモノパルスアンテナ装置におけるラジアル導波路給電プローブ間の相互結合の概念図である。
【図4】 従来のモノパルスアンテナ装置とこの発明の実施の形態1、実施の形態2のモノパルスアンテナ装置における給電プローブ間相互結合係数の違いの例を示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態3、実施の形態4のモノパルスアンテナ装置を示す構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態3、実施の形態4のモノパルスアンテナ装置を示す構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態1、実施の形態2のモノパルスアンテナ装置におけるモノパルス和信号パターン励振時の開口面励振振幅分布の例を示すディスプレイ上の中間値画像である。
【図8】 この発明の実施の形態3、実施の形態4のモノパルスアンテナ装置におけるモノパルス和信号パターン励振時の開口面励振振幅分布の例を示すディスプレイ上の中間値画像である。
【図9】 この発明の実施の形態5、実施の形態6のモノパルスアンテナ装置を示す構成図である。
【図10】 この発明の実施の形態5、実施の形態6のモノパルスアンテナ装置を示す構成図である。
【図11】 従来のモノパルスアンテナ装置を示す構成図である。
【図12】 従来のモノパルスアンテナ装置を示す構成図である。
【図13】 従来のモノパルスアンテナ装置、この発明の実施の形態1、実施の形態3、実施の形態5におけるモノパルス信号合成回路の内部系統図である。
【図14】 従来のモノパルスアンテナ装置、この発明の実施の形態1、実施の形態3、実施の形態5におけるモノパルス信号合成回路の入出力端子の組み合わせに対する分配振幅、位相ダイアグラムである。
【図15】 従来のモノパルスアンテナ装置の別の例、この発明の実施の形態2、実施の形態4、実施の形態6におけるモノパルス信号合成回路の内部系統図である。
【図16】 従来のモノパルスアンテナ装置の別の例、この発明の実施の形態2、実施の形態4、実施の形態6におけるモノパルス信号合成回路の入出力端子の組み合わせに対する分配振幅、位相ダイアグラムである。
【図17】 モノパルスアンテナ装置で実施の形態1で得られるX−Z平面内モノパルス和信号パターン及び水平方向差信号パターンの例である。
【図18】 モノパルスアンテナ装置の系統図である。
【図19】 従来のモノパルスアンテナ装置におけるラジアル導波路給電プローブ間の相互結合の概念図である。
【図20】 従来のモノパルスアンテナ装置で得られるX−Z平面内モノパルス和信号パターン及び水平方向差信号パターンの例である。
【符号の説明】
1 誘電体基板、2 地導体、3 放射導体、3a 付加放射導体、5 ラジアル導波路、6 励振プローブ、6a 付加励振プローブ、7 素子アンテナ、7a 付加素子アンテナ、8 仮想の同心円群、9 給電プローブ、11 モノパルス信号合成回路、19 十字型導体壁、20 V字型切り欠き溝付き十字型導体壁、21 導体棒。
Claims (5)
- 誘電体基板の一方の面に形成される地導体、上記地導体と対向配置される導体板とを有するラジアル導波路と、上記ラジアル導波路の中心に対して対称に配置されて上記ラジアル導波路への電力供給を行う4本の給電プローブと、上記給電プローブに接続されたモノパルス信号合成回路と、上記誘電体基板の他方の面に形成された放射導体、上記放射導体に接続されて上記給電プローブから給電される励振プローブとを有し、上記ラジアル導波路の中心から上記ラジアル導波路内における伝搬波長の概略半波長の間隔で並ぶ同心円上に複数配列され、上記各同心円上の放射導体間の位相が等しくなるように互いに逆向きに配置された素子アンテナと、上記ラジアル導波路の中心部に配置され、上記各給電プローブ間を遮蔽する導体壁とを備えたことを特徴とするモノパルスアンテナ装置。
- 上記素子アンテナと同じ構成の第二の素子アンテナを上記ラジアル導波路の中心に配置したことを特徴とする請求項1記載のモノパルスアンテナ装置。
- 上記導体壁は十字型であることを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載のモノパルスアンテナ装置。
- 上記十字型の導体壁は上記第二の素子アンテナと干渉しないように切り欠き溝が設けられたことを特徴とする請求項3記載のモノパルスアンテナ装置。
- 上記導体壁は複数の導体棒から成ることを特徴とする請求項1もしくは請求項2記載のモノパルスアンテナ装置。
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