JP3668751B2 - ランデブ・ドッキング用画像航法及び航法装置 - Google Patents

ランデブ・ドッキング用画像航法及び航法装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、例えば、軌道上の人工衛星にランデブ・ドッキング(RVD:Rendezvous Docking)して当該人工衛星のメンテナンスを行なう宇宙機のRVD時の接近用近距離域航法センサ(NRS:Near-range Rendezvous Sensor)の改良に関し、特に、過去に打ち上げられているドッキング専用の目標マーカを有しない人工衛星に対しても安定して移動させることができるランデブ・ドッキング用画像航法及び航法装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、人工衛星軌道の過密化が問題になりつつあることから、既に軌道上にある人工衛星(ターゲット衛星)にランデブ・ドッキングし、当該ターゲット衛星をメンテナンスしてその運用期間の延長を図ったり、又は当該ターゲット衛星を軌道外へ廃棄したりする人工衛星、所謂「サービス衛星」の実現が望まれている。
【0003】
従来のサービス衛星は、そのドッキング側に把持ハンド,把持アーム等の把持手段を備えており、該把持手段により、上述の如きターゲット衛星のフレーム部(衛星フレーム部)を把持することによって該ターゲット衛星とのドッキングを行なう。上記衛星フレーム部は、打ち上げ母船との機械的連結のために、人工衛星の共通構造として設けられている短寸円筒状の部分である。
【0004】
また、上記サービス衛星は、このようなドッキングを前提にターゲット衛星にアプローチする際には、ターゲット衛星のドッキング側に設けられた専用の反射体等からなるマーカを目標として行なう。具体的には、サービス衛星は、それが備える撮像器により上記マーカを含めて撮像し、撮像結果に画像処理を施すことにより、ターゲット衛星との相対位置及び相対姿勢を演算し、演算結果に基づいて、互いのドッキング側の面を正対させるように自機をターゲット衛星に接近させる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、既に衛星軌道上に打ち上げられている過去のターゲット衛星は、このような専用のマーカを有していないため、上述したような航法を、これらの過去のターゲット衛星(所謂、非協力ターゲット衛星)に適用することは実質的に不可能である。
【0006】
本願発明は、上記状況に鑑みて行なわれたものであり、ターゲット衛星の例えば衛星フレーム部のような環状の衛星共通構造であって、しかもドッキング対象部位に相当する箇所を目標としてアプローチするように、サービス衛星を移動させることにより、過去に打ち上げられた非協力ターゲット衛星に対してもランデブ・ドッキング時の航法を有効に行なうことができるランデブ・ドッキング用画像航法及び航法装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、上記課題を以下のような構成からなるランデブ・ドッキング用画像航法及び航法装置によって解決することができる。
【0008】
本願発明に係るランデブ・ドッキング用画像航法は、宇宙機を人工衛星とランデブ・ドッキングさせるべく、前記人工衛星のドッキング対象部位に前記宇宙機を移動させるランデブ・ドッキング用画像航法において、前記宇宙機により、前記人工衛星をその環状フレーム構造を含めて撮像する第1ステップと、前記宇宙機と前記人工衛星との間の相対距離を計測する第2ステップと、計測した相対距離に基づいて、前記宇宙機に対する前記環状フレーム構造の相対位置を演算する第3ステップと、撮像画像中の前記環状フレーム構造を楕円及び円弧の少なくとも一方として認識することによって、前記宇宙機に対する前記環状フレーム構造の相対姿勢を演算する第4ステップと、演算した前記環状フレーム構造の相対位置及び相対姿勢に基づいて、撮像画像中の前記環状フレーム構造が円に近づくように、前記宇宙機を移動させる第5ステップとを有することを特徴とする。
【0009】
また、本願発明に係るランデブ・ドッキング用画像航法装置は、宇宙機を人工衛星とランデブ・ドッキングさせるべく、前記人工衛星のドッキング対象部位に前記宇宙機を移動させるランデブ・ドッキング用画像航法装置において、前記宇宙機に設けられ、前記人工衛星をその環状フレーム構造を含めて撮像する第1撮像器と、前記宇宙機と前記人工衛星との間の相対距離に基づいて、前記宇宙機に対する前記環状フレーム構造の相対位置を演算し、前記第1撮像器による撮像画像中の前記環状フレーム構造を楕円及び円弧の少なくとも一方として認識することによって、前記宇宙機に対する前記環状フレーム構造の相対姿勢を演算し、演算した相対位置及び相対姿勢に基づいて、前記第1撮像器による撮像画像中の前記環状フレーム構造が円に近づくように、前記宇宙機を移動させる計算機とを備えることを特徴とする。
【0010】
上記発明によれば、宇宙機は、従来のようにドッキング対象となる人工衛星(即ち、ターゲット衛星)の専用のマーカを目標とするのではなく、ターゲット衛星の表面に露出した環状フレーム構造を目標としてアプローチする。具体的には、宇宙機が備える撮像器(第1撮像器)により、ターゲット衛星の環状フレーム構造を撮像し、撮像結果を画像処理することにより、当該環状フレーム構造と宇宙機との相対位置及び相対姿勢(即ち、ターゲット衛星と宇宙機との相対位置及び相対姿勢)を演算し、撮像画像中の環状フレーム構造が円に近づくように、つまり、第1撮像器を環状フレーム構造に正対させるように、宇宙機を移動させるものである。
【0011】
上記環状フレーム構造としては、ターゲット衛星の打ち上げ母船との連結のための環状をなした衛星フレーム部を利用することが望ましい。このような衛星フレーム部は、人工衛星が共通構造としてその外表面に有しているものであり、特にランデブ・ドッキングに際しては、この衛星フレーム部がドッキング対象部位となるため、宇宙機の移動先として好適である。より詳しくは、撮像範囲の中心にこの衛星フレーム部の中心を一致させるように移動させることが望ましく、この場合、当該撮像器は、その光軸が最終的にドッキング対象部位の中心に一致するような宇宙機の位置に配置されることが望ましい。
【0012】
画像処理については、一般的な楕円認識処理及び/又は円弧認識処理を利用することが可能である。撮像画像中に含まれる環状フレーム構造は、楕円形若しくはその一部、又は円形若しくはその一部として現れるので、このような形状から、環状フレーム構造の相対位置及び相対姿勢、ひいてはターゲット衛星の相対位置及び相対姿勢を求めることができる。
【0013】
但し、ランデブ・ドッキングのためのアプローチの開始段階で宇宙機がターゲット衛星に正対していることは少なく、従って、撮像画像中の環状フレーム構造は、多くの場合、楕円形状として現れる。このため、撮像画像中の環状フレーム構造は、ターゲット衛星の外表面に設けられた衛星固有の多数の補器類に遮蔽されることが多いほか、ターゲット衛星の本体部分を覆う光学的に強い反射特性を有する保護フィルム(所謂、MLI:Multi Layer Insulator)による反射光によりハレーションを起こすため、撮像画像から環状フレーム構造を抽出することが困難な場合がある。
【0014】
そこで、本願発明においては、本願出願人が特願2001-010828号に開示している楕円認識方法(Ellipse-Fit)を利用することにより、補器類に遮蔽されたり、ハレーションを起こしたりする等して部分的に欠落した楕円形状の環状フレーム構造の抽出画像から、該環状フレーム構造の相対位置及び相対姿勢を効率良く求めることが可能である。
【0015】
一般に、楕円認識方法では、認識した楕円から対象円形物の相対姿勢を概ね得ることができるが、楕円面が、楕円の中心軸のどちらの方向に向いているかは判別することができない。従って、この部分を補うために、認識した楕円が通過する面内の任意の箇所(例えば、楕円中心又は楕円上の複数の箇所)の相対位置(又は相対距離)を計測することによって、楕円の相対姿勢を特定することが可能である。また、楕円面の指向方向は、本願発明の用途においては、処理途中で反転することは殆どあり得ないので、どちらの向きかを一旦認識できればよく、例えば、その部分だけ人間が撮像画像から判断して本願発明に係る装置に手動入力することも可能である。なお、このことは、円弧認識方法でも同様である。
【0016】
また、円弧認識処理は、対象円形物が撮像器に略正対している場合に利用されるので、相対姿勢を求めることは必ずしも必要ではない。これは、衛星フレーム部が、上述のように180°反対に向いた状態では、ターゲット衛星の本体に遮蔽されて撮像器には捉えられないからである。従って、円弧認識処理にあっては、認識した円弧の相対位置及び特に中心位置が少なくとも得られればよいのである。しかし、当然のことながら、相対姿勢を円弧認識処理により並行して求めてもよい。
【0017】
環状フレーム構造の相対位置を求めるためには、環状フレーム構造の特定箇所(例えば、中心位置又は楕円若しくは円弧上の位置)の相対距離を求める必要があるが、当該相対距離は、例えば、複数の撮像器を宇宙機に設け、これら複数の撮像器により、ステレオ計測することが可能である。また、レーザ光等の比較的高輝度のスリット光を、環状フレーム構造を横断するように照射することによって、相対距離を光切断計測することも可能である。一般に、レーザスリット光による光切断計測の方が、ステレオ計測よりも測距精度を高くすることができるため、例えば、相対距離が遠いときにステレオ計測し、近いときに光切断計測するように切り換えて適用するようにしてもよい。
【0018】
また、上記の如きスリット光は、環状フレーム構造及びその周囲のMLIでの反射光が複数の撮像器のうちの少なくとも1つに撮像されるように照射され、撮像される反射スリット光が、相対距離が所定の距離となったときに、撮像範囲の所定位置にくるように設定することも可能である。この場合、上記撮像範囲の所定位置は、宇宙機が有する把持ハンド,把持アーム等の把持手段の把持位置に一致させるようにする一方、上記環状フレーム構造の照射箇所(つまり、反射位置)が、丁度、ターゲット衛星の把持対象部位に相当する位置に一致させるようにすることが望ましい。また、光切断計測を利用して、相対距離だけでなく、相対姿勢を求めるようにしてもよい。例えば、環状フレーム構造上の複数箇所(例えば、3箇所)の相対距離を光切断計測により求め、求めた各箇所の相対距離から環状フレーム構造の相対姿勢を求めることが可能である。
【0019】
上記したように、撮像器は、構成上必然的に宇宙機に設置されるが、ステレオ計測には最低でも2つの撮像器を必要とするため、上記撮像器は、宇宙機のドッキング側の面の中央に配置される撮像器(第1撮像器)と、該第1撮像器から離隔して設けられた別の撮像器(第2撮像器)とから構成することが可能であり、また、複数の第2撮像器から構成することも可能である。
【0020】
また、ステレオ計測の用途以外にも、第2撮像器は、例えば、ドッキング時にターゲット衛星の把持対象部位に正対する位置に設置する等して、上記のような光切断計測が容易な位置に設置されることが望ましい。このような場合、例えば、第1撮像器を中央に配置し、その設置位置を交点とする直交軸上に第2撮像器をそれぞれ配置することが可能である。
【0021】
このように複数の撮像器を配置し、上記のようなステレオ計測,楕円認識処理,及び円弧認識処理,光切断計測等を実施することにより、計測及び処理精度の向上を図ることができるという利点もある。
【0022】
以上の発明においては、移動対象をサービス衛星等の人工衛星に限定するものではなく、ロケット等を利用して宇宙空間に打ち上げられる各種の宇宙機に適用することが可能である。
【0023】
また、本願発明に係るランデブ・ドッキング用画像航法装置は、撮像器、又はこれに加えてスリット光を照射する手段以外の部分を宇宙機とは別体に構成し、リモートで宇宙機の航法演算するように構成することも可能であり、また、上記の如き画像処理を用いた演算のみを担い、他の装置に実際の航法演算を行わせるように構成することも可能である。さらには、本願発明に係る全体部分を、航法用の推進器を備える宇宙機に搭載し、該宇宙機を自律移動させることも可能である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明に係るランデブ・ドッキング用画像航法を実施するための装置について、当該装置を搭載した宇宙機としてのサービス衛星を例として添付の図面を参照しながら具体的に説明する。
【0025】
まず、後で詳述するサービス衛星1がドッキング対象とするターゲット衛星2について説明する。本実施の形態のターゲット衛星2は、例えば、図1に示すように、MLIで覆われた箱形の本体2aと、サービス衛星1とのドッキング側(以後、こちら側を前方とする)の面に、ターゲット衛星2の打ち上げ母船との連結のために設けられた短寸筒状の衛星フレーム部21と、該本体2aの側方から突出する太陽電池パネル22と、本体2aの各部に露出して設けられた補器類23とを備えている。また、衛星フレーム部21の中央の位置には、アポジモータ等の略円錐形をなす噴射口23がその大径側を前方に向けて、本体2aの前面から突出して設けられている。
【0026】
一方、本願発明の実施の形態に係るサービス衛星2は、その全体構成を図2に斜視図で示し、その制御系の要部を図3にブロック図で示すように、全体として箱形をなす本体1aを備え、該本体1aは、そのドッキング側(以後、こちら側を前方とする)の面の中央にメインカメラ11を備えている。該メインカメラ11は、その撮像光軸を前方に向けて配置されている。本体1aの前面上の、メインカメラ11の上下左右のそれぞれの位置には、全部で4つのサブカメラ12が、メインカメラ11から等距離離隔して配置されている。なお、本実施の形態においては、メインカメラ11及び4つのサブカメラ12は、同一面内に配置されている。
【0027】
なお、メインカメラ11及びサブカメラ12としては、焦点調節が可能であり、視野角(FOV)が約30°のモノクロカメラが採用される。
【0028】
各サブカメラ12は、レーザプロジェクタ15及び把持ハンド16と一体にユニット化されており、このユニット単位にて、メインカメラ11との間の距離を変更可能とされている。上下のサブカメラ12に対応するレーザプロジェクタ15は、該サブカメラ12の撮像光軸方向に向かって右側にオフセット配置され、左右のサブカメラ12に対応するレーザプロジェクタ15は、該サブカメラ12の撮像光軸方向に向かって下側にオフセット配置されている。各レーザプロジェクタ15は、スリット状のレーザ光を、サブカメラ12の撮像光軸に対して僅かな傾きをもって前方に照射するように配置され、スリット方向を、上下のレーザプロジェクタ15は上下方向に、左右のレーザプロジェクタ15は左右方向に向けられている。
【0029】
一方、各把持ハンド16は、略コの字形をなし、そのコの字形のウェッブ部を上記ドッキング側の面に沿って、また、その先端に図示しないエンドエフェクタ等を備えたフランジ部を前方に向けて配置されている。各把持ハンド16は、その中央部分で前方に屈曲するように動作することにより、コの字形の先端部分にてドッキング対象物(即ち、衛星フレーム部21)を把持することができるようになっている。上下の把持ハンド16は、ウェッブ部を上下方向に沿って、また、左右の把持ハンド16は、ウェッブ部を左右方向に沿って配されており、これによって、4つの把持ハンド16が、衛星フレーム部21の上下左右の4箇所を把持し易いようになっている。
【0030】
また、メインカメラ11の周囲には、環状をなす面光源(以後、単に照明と称す)13が配置されており、これによって、メインカメラ11及びサブカメラ12の撮像範囲を照らすことができるようになっている。さらに、本体1aの適宜の箇所には、ガスジェット等の姿勢制御用の一又は複数の推進器14(図3参照)が設けられている。
【0031】
本実施の形態に係るサービス衛星1は、以上のようなハードウェア構成となっており、次に詳述するように、それが備える計算機10(図3参照)により、ターゲット衛星2の衛星フレーム部21をメインカメラ11及びサブカメラ12で撮像させ、この撮像画像を入力情報として、撮像画像に画像処理を施し、衛星フレーム部21の中心を目標として推進器14を作動させ、ターゲット衛星2へのアプローチを行ない、最終的に、把持ハンド16を作動させてターゲット衛星2の衛星フレーム部21を把持することにより、捕獲・ドッキングを達成するように構成されている。
【0032】
なお、ターゲット衛星2に関する情報(例えば、全体寸法,衛星フレーム部21の寸法等)、並びにメインカメラ11及びサブカメラ12の設置位置に関する情報等は、予め取得でき、これらの情報は、計算機10の図示しないメモリに記憶されている。
【0033】
次に、ランデブ・ドッキング時のサービス衛星1の計算機10の制御内容を、図4〜図6のフローチャートに従って、図7〜図11のメインカメラ11及びサブカメラ12の撮像画像を参照しながら説明する。
【0034】
まず、そのメインルーチンを図4を参照して説明する。サービス衛星1は、ターゲット衛星2との距離を縮めるようにアプローチを開始し、例えば、ターゲット衛星2との相対距離が約7500mmとなった時点で、計算機10が、照明13をONにし(ステップS1)、メインカメラ11及びサブカメラ12での撮像を開始させる(ステップS2)。なお、この場合の相対距離の計測は、例えば、レーダー,GPS等を利用して行うことができるほか、後で詳述するようなステレオ計測を利用して衛星フレーム部21の全体形状パターンを相関処理して行うことが可能である。また、ここでは、上記メインルーチンの開始時点を上記相対距離が約7500mmとなった時点としてあるが、これに限定するものではなく、例えば、約10000mmとすることも可能である。
【0035】
図7には、約7500mm時点での、メインカメラ11による撮像画像110と、各サブカメラ12による撮像画像121〜124とを示してある。ここで、メインカメラ11による撮像画像110を図7の中央に、また、上側のサブカメラ12による撮像画像121を中央の撮像画像110の上側に、撮像方向に向かって右側のサブカメラ12による撮像画像122を中央の撮像画像110の右側に、下側のサブカメラ12による撮像画像123を中央の撮像画像110の下側に、そして、撮像方向に向かって左側のサブカメラ12による撮像画像124を中央の撮像画像110の左側にそれぞれ配してある。各撮像画像110及び121〜124の中心に配された十字の印は、メインカメラ11及びサブカメラ12のセンターマークOである。
【0036】
サービス衛星1がターゲット衛星2に近づくにつれて、メインカメラ11及びサブカメラ12の撮像範囲にターゲット衛星2が収まるようになり、撮像画像中では、ターゲット衛星2の衛星フレーム部21は、概して楕円形として現れる。
【0037】
計算機10は、続いて、サブカメラ12によるステレオ計測を開始し(ステップS3)、サブカメラ12による後で詳述する楕円認識処理ルーチンを実行し(ステップS4)、ステレオ計測結果を勘案して、楕円として認識した衛星フレーム部21が円に近づくように、且つその楕円の中心軸にメインカメラ11の撮像光軸が一致するように推進器14を作動させる。これによって、各撮像画像110及び121〜124中のターゲット衛星2は、図8に示すように近づき、楕円として現れる衛星フレーム部21も図7よりも円形に近づく。
【0038】
なお、図1に示すように、衛星フレーム部21の内側にはアポジモータの噴射口23が配置されている場合があるため、これを衛星フレーム部21と誤認する可能性があるが、このように複数の楕円(又は円弧)が認識されるような場合には、大側の楕円(又は円弧)を採用することにより解決可能である。
【0039】
なお、ステレオ計測に利用するサブカメラ12は、最低でも2つ必要であるが、本実施の形態においては4つのサブカメラ12の全てを利用している。
【0040】
そして、計算機10は、サブカメラ12によるステレオ計測に基づいたターゲット衛星2との相対距離が第1閾値(例えば、約6000mm)よりも近くなったか否かを判断し(ステップS5)、上記相対距離が第1閾値よりも遠い場合(ステップS5で"NO")には、サブカメラ12による楕円認識処理ルーチンの実行を維持する。一方、上記相対距離が第1閾値よりも近くなった場合(ステップS5で"YES")には、計算機10は、サブカメラ12による楕円認識処理ルーチンから、メインカメラ11による楕円認識処理ルーチンと、サブカメラ12による後で詳述する円弧認識処理ルーチンとの並列処理に移行し(ステップS6)、楕円及び円弧として認識した衛星フレーム部21が更に円に近づくように、且つその楕円及び円の中心軸にメインカメラ11の撮像光軸が一致するように推進器14を作動させる。
【0041】
上記相対距離が或る程度近く(例えば、約6000mmよりも近く)なると、図9に示すように、サブカメラ12に捉えられる衛星フレーム部21の一部が撮像範囲から逸脱するようになる。この場合、サブカメラ12による撮像画像121〜124から得られる衛星フレーム部21を楕円認識することが困難になってくる。そこで、サブカメラ12の処理を、衛星フレーム部21が部分的に撮像範囲から欠落していても利用可能な円弧認識処理に切り換えることにより、同様の結果を継続して得ることができる。また、中央のメインカメラ11にあっては、より円形に近づいた衛星フレーム部21の全体部分が依然として捉えられている可能性があるので、その場合には、メインカメラ11で楕円認識処理を引き継いで実行する。このように、メインカメラ11及びサブカメラ12で異なる認識処理を並列に実行することにより、得られる認識結果の信頼性を向上させることが可能である。
【0042】
上記相対距離が更に近く(例えば、約3000mmよりも近く)なると、図10に示すように、メインカメラ11に捉えられる衛星フレーム部21も、その一部分が撮像範囲から逸脱するようになる。この場合、メインカメラ11による撮像画像110から得られる衛星フレーム部21を楕円認識することが上記と同様に困難になってくる。そこで、サブカメラ12のみの円弧認識処理に切り換えることにより、同様の処理を継続して行なうことができる。
【0043】
そこで、計算機10は、上記相対距離が第2閾値(例えば、約3000mm)よりも近くなったか否かを判断し(ステップS7)、上記相対距離が第2閾値よりも遠い場合(ステップS7で"NO")には、メインカメラ11による楕円認識処理ルーチンとサブカメラ12による円弧認識処理ルーチンとの並列処理の実行を維持する。一方、上記相対距離が第2閾値よりも近くなった場合(ステップS7で"YES")には、計算機10は、メインカメラ11による楕円認識処理ルーチンとサブカメラ12による円弧認識処理ルーチンとの並列処理から、サブカメラ12による円弧認識処理ルーチンに移行し(ステップS8)、円弧として認識した衛星フレーム部21が更に円に近づくように、且つその円の中心軸にメインカメラ11の撮像光軸が一致するように推進器14を作動させる。
【0044】
上記相対距離が、例えば、約1000mmよりも近くなると、図11に示すように、衛星フレーム部21は、メインカメラ11で全く捉えられないようになる可能性があり、サブカメラ12でも円弧認識が適切に実行できない程度まで限りなく直線に近づく状況になってくる可能性がある。
【0045】
そのため、計算機10は、上記相対距離が第3閾値(例えば、約1000mm)よりも近くなったか否かを判断し(ステップS9)、上記相対距離が第3閾値よりも遠い場合(ステップS9で"NO")には、サブカメラ12による円弧認識処理ルーチンの実行を維持する。一方、上記相対距離が第3閾値よりも近くなった場合(ステップS9で"YES")には、計算機10は、4つのレーザプロジェクタ15をONにし(ステップS10)、サブカメラ12による円弧認識処理ルーチンから、サブカメラ12による光切断計測に移行し(ステップS11)、サブカメラ12の撮像範囲の中心位置に、衛星フレーム部21の厚み方向の中央位置を一致させるように推進器14を作動させる。なお、このときに、複数のサブカメラ12により、対応する衛星フレーム部21の箇所の相対距離を光切断計測し、計測結果に基づいて衛星フレーム部21の相対姿勢を特定し、姿勢制御することも可能である。
【0046】
各レーザプロジェクタ15から照射されるレーザスリット光150は、この時点で全体として略円形(正確にはその一部)として捉えられる衛星フレーム部21の法線方向に、該衛星フレーム部21を横切るように照射され、本実施の形態にあっては、上記相対距離が約0mmとなるときに、衛星フレーム部21の端面(「フランジ面」と呼ばれる)に照射されるレーザスリット光150がセンターマークOに一致するように、各レーザプロジェクタ15の照射角度を設定してある。
【0047】
そして、計算機10は、上記相対距離が第4閾値(例えば、約100mm)よりも近くなったか否かを判断し(ステップS12)、上記相対距離が第4閾値よりも遠い場合(ステップS12で"NO")には、サブカメラ12による光切断計測の実行を維持する。一方、上記相対距離が第4閾値よりも近くなった場合(ステップS12で"YES")には、計算機10は、4つの把持ハンド16を作動させ(ステップS13)、衛星フレーム部21の把持対象部位を把持し、ターゲット衛星2とのドッキングを完了する。なお、上記第4閾値は、把持ハンド16の動作速度,サービス衛星1の推進速度等を勘案して設定する。
【0048】
なお、上記相対距離が第4閾値となったときに、各サブカメラ12で捉えられる衛星フレーム部21の厚み方向の中央位置をそれぞれのサブカメラ12の撮像範囲の中心位置に一致させるためには、メインカメラ11を中央として配置されているサブカメラ12のメインカメラ11からの距離を、衛星フレーム部21の半径に一致させておく必要がある。従って、ランデブ・ドッキングに際して、ターゲット衛星2の衛星フレーム部21の寸法情報を予め取得しておき、該寸法情報に基づいてサブカメラ11の位置を設定しておくことも可能であり、また、ターゲット衛星2にアプローチしながら、サブカメラ12の位置を動的に変更することも可能である。
【0049】
なお、上記フローチャートにおいては、計測される上記相対距離に応じて認識処理を切り換えるものとして説明したが、これに限らず、例えば、メインカメラ11又はサブカメラ12で捉えられる衛星フレーム部21の一部がそれぞれの撮像範囲から逸脱するのを認識して、これを切り換えのトリガとしてもよい。
【0050】
また、各閾値の値は単なる例示であり、これらは各カメラの解像度,測距精度等を勘案して適宜に設定すればよい。
【0051】
次に、楕円認識処理ルーチンについて図5を参照しながら詳述する。楕円認識処理ルーチンでは、まず、計算機10が、撮像画像としての濃淡画像からエッジセグメントを抽出する(ステップS101)。
【0052】
計算機10は、例えば、各エッジセグメントの位置と、各エッジセグメントにおける濃度勾配から求められる各エッジセグメントの法線ベクトルとを演算し、法線ベクトルの方向が180度異なる関係にあるエッジセグメントの対を求めることによって、エッジセグメントの点対称性を判定する(ステップS102)。ここで、求められたエッジセグメント対の中点位置が楕円中心位置の候補となる。
【0053】
次に、計算機10は、例えば、上記中点位置である点対称中心位置を通過する軸を、その角度を変更しながら、当該軸から等距離の位置に対向して存在するエッジセグメントの対を求めることによって、エッジセグメントの線対称性を判定する(ステップS103)。ここで、線対称性があるエッジセグメント対の線対称軸によって、該当する楕円の楕円軸の撮像画面に対する傾きが求められ、これによって楕円の姿勢が求められる。
【0054】
続いて、計算機10は、点対称であり且つ線対称であるエッジセグメント対を抽出し、該エッジセグメント対の点対称中心位置を楕円中心位置とし、また、線対称軸を楕円軸の一方とし、例えば、ハフ変換を利用して楕円軸長を求める(ステップS104)。
【0055】
計算機10は、このようにして求めた楕円パラメータを楕円方程式に当てはめて、各パラメータの妥当性を判断し、例えば、最小二乗法を利用して誤差が十分に小さくなるように当該パラメータの補正を行なう(ステップS105)。
【0056】
計算機10は、補正後の楕円パラメータから特定される撮像画像中の楕円上の複数の箇所(例えば、3箇所)の相対位置(これは、上記のステレオ計測等により計測される)を求める一方、該複数の相対位置から、衛星フレーム部21の相対姿勢を演算する(ステップS106)。
【0057】
具体的には、図7〜図10に示すように、撮像画像中の楕円(即ち、衛星フレーム部21)と、該衛星フレーム部21(例えば、その中心位置)を通過する水平及び垂直の軸(ステレオ計測線)111,112を考慮し、衛星フレーム部21とステレオ計測線111,112との交点をそれぞれ求め、共通の符号A〜Dを割り振る。
【0058】
ここで、衛星フレーム部21の端面を平面とみなせば、その平面は、次式で表わすことができる。
【0059】
ax + by + cz + d = 0 …(1)
なお、このときの計測点を(xi,yi,zi)とする。但し、i = A,B,C,Dであり、上記平面上の各点A,B,C,Dは、ステレオ計測等により得ることができる。
【0060】
ステレオ計測等により得られた各点A,B,C,Dの位置に基づいて、次の最小二乗法にかかる連立方程式を解くことにより、上記平面の方程式が確定され、従って衛星フレーム部21の相対姿勢が得られる。
【0061】
【数1】
Figure 0003668751
【0062】
衛星フレーム部21の相対距離は、上記把持対象部位と一致し得る点A,B,C,Dの位置として算出してもよいし、また、得られた相対姿勢を勘案した衛星フレーム部21の中心位置として算出してもよい。
【0063】
なお、上記楕円認識処理ルーチンにおいては、求めた楕円パラメータにかかる楕円上に存在する該当画素(又はエッジセグメント)の相対距離をステレオ計測によって求める構成としてあるが、楕円認識では該当楕円の相対姿勢を概ね求めることができるので、相対位置のみを、ステレオ計測,光切断計測等の各種測距手法を利用して独立して求める構成とすることも可能である。
【0064】
次に、円弧認識処理ルーチンについて図6を参照しながら詳述する。円弧認識処理ルーチンでは、まず、計算機10が、楕円認識処理ルーチンと同様に、撮像画像としての濃淡画像からエッジセグメントを抽出する(ステップS201)。
【0065】
計算機10は、相対距離を或る適当な値に設定し、抽出した各エッジセグメントにおける濃度勾配から求められる各エッジセグメントの法線ベクトルを演算し、複数のエッジセグメントの法線ベクトルの交点位置、即ち円弧中心位置と、円弧半径とを演算する(ステップS202)。上記相対距離は、ステレオ計測,光切断計測等の各種測距手法を利用して測定しておくことにより、演算時間を短縮し、認識精度を高めることが可能である。
【0066】
制御部10は、演算した円弧中心位置座標群の出現頻度を演算し(ステップS203)、該出現頻度が所定の閾値を超える場合に、対応する円弧中心位置及び円弧半径を候補とし、このパラメータを円の方程式に当てはめて、各パラメータの妥当性を判断し、例えば、最小二乗法を利用して誤差が十分に小さくなるように当該パラメータの補正を行なう(ステップS204)。
【0067】
計算機10は、補正後の円弧パラメータから特定される各撮像画像中の円弧の位置と、予め取得可能な実際の衛星フレーム部21の幅寸法(筒状部の厚み)とに基づいて、衛星フレーム部21の相対位置を演算する一方、楕円認識処理ルーチンのステップS106と同様に、上記のステレオ計測等により計測される上記円弧上の複数の箇所(例えば、3箇所)の相対位置から、衛星フレーム部21の相対姿勢を演算する(ステップS205)。
【0068】
このように、上記楕円及び円弧認識処理ルーチンの双方で衛星フレーム部21の相対位置及び相対姿勢を得ることが可能であるが、円弧認識処理ルーチンを単独で使用する場合には、サービス衛星1のドッキング側が衛星フレーム部21に正対している状態で使用し、相対位置のみを求めるようにしてもよい。
【0069】
つまり、本実施の形態においては、図12に示すように、約6000mまでは、楕円認識処理ルーチンを実行し、約6000mm〜約3000mmの間は、楕円及び円弧認識処理ルーチンを並列に実行し、約3000mm〜約1000mmの間は、この時点ではサービス衛星1のドッキング側が衛星フレーム部21に略正対していると考えられるので、円弧認識処理ルーチンのみを実行する。そして、約1000mm〜約0mmの間は、光切断計測により制御する。
【0070】
次に、本実施の形態に係るランデブ・ドッキング用画像航法装置を利用したサービス衛星1の航法実験結果について説明する。本実験では、撮像画面中に現れるターゲット衛星2を、コンピュータ上で3DのCG(Computer Graphics)モデルとして具現化し、このターゲット衛星2を上記アルゴリズムを利用してランデブ・ドッキングを試みた。
【0071】
実験の条件としては、図13に示すように、X-Y-Z座標を設定し、その原点に、メインカメラ11がその撮像光軸をY軸方向に向けるように配置した。メインカメラ11及びサブカメラ12の各々は、視野角を水平及び垂直方向にそれぞれ60°に設定されている。照明としては、物理的には不可能であるが実験を簡略化するために、メインカメラ11と同一位置に点光源を配し、太陽光のない夜側の軌道上を想定した。また、メインカメラ11と各サブカメラ12との間の距離は、450mmとした。
【0072】
ターゲット衛星2は、基本的にはY軸方向に相対距離Dだけ離隔して存在し、その本体2aにはMLIを模したテクスチャが貼り付けられている。また、実際には、メインカメラ11及びサブカメラ12を装備したサービス衛星1側が移動するのであるが、本実験では、ターゲット衛星2の位置(x,y,z)及び姿勢(Rx,Ry)をそれぞれ変化させ、その測定誤差を調べた。
【0073】
図14は、ターゲット衛星2までの実際の距離(相対距離:mm)に対する測定誤差(%)を示す実験結果であり、図15は、ターゲット衛星2のX軸回りの回転角度(deg)に対する当該ターゲット衛星2の計測値(deg)を示す実験結果である。
【0074】
本実施の形態に係るステレオ計測により相対距離は、約2300mm〜約2400mmにおいて一部認識不良があったが、約7500mmで処理を開始してから略正確に計測されている。これに対して、相対姿勢は、ターゲット衛星2のX軸回りの姿勢(即ち、回転角度Rx)が21°付近であったときに、若干の誤差が認められたものの、全体としては良好な結果が得られた。
【0075】
【発明の効果】
本願発明に係るランデブ・ドッキング用画像航法及び航法装置によれば、ターゲット衛星の例えば衛星フレーム部のような環状の衛星共通構造であって、しかもドッキング対象部位に相当する箇所を目標としてアプローチするようにサービス衛星を移動させることにより、過去に打ち上げられた非協力ターゲット衛星に対してもランデブ・ドッキング時の航法を有効に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本願発明の実施の形態に係る宇宙機たるサービス衛星がランデブ・ドッキング対象とするターゲット衛星の外観構成を示す斜視図である。
【図2】 本願発明の実施の形態に係るサービス衛星の外観構成を示す斜視図である。
【図3】 図1に示したサービス衛星の制御系の構成を示すブロック図である。
【図4】 図1に示したサービス衛星の本実施の形態に係る航法制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図5】 図4に示した楕円認識処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図6】 図4に示した円弧認識処理ルーチンを示すフローチャートである。
【図7】 本願発明の実施の形態に係るサービス衛星の各カメラによって撮像される画像の一例を示す模式図である。
【図8】 本願発明の実施の形態に係るサービス衛星の各カメラによって撮像される画像の一例を示す模式図である。
【図9】 本願発明の実施の形態に係るサービス衛星の各カメラによって撮像される画像の一例を示す模式図である。
【図10】 本願発明の実施の形態に係るサービス衛星の各カメラによって撮像される画像の一例を示す模式図である。
【図11】 本願発明の実施の形態に係るサービス衛星の各カメラによって撮像される画像の一例を示す模式図である。
【図12】 図4に示した航法制御におけるメインカメラ及びサブカメラの相対距離に応じた処理内容の切り換えを説明するための図である。
【図13】 本願発明の実施の形態に係る航法制御の実験条件を説明するための図である。
【図14】 本願発明の実施の形態に係る航法制御の実験結果を示すグラフである。
【図15】 本願発明の実施の形態に係る航法制御の実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 サービス衛星
2 ターゲット衛星
10 計算機
11 メインカメラ
12 サブカメラ
13 照明
14 推進器
15 レーザプロジェクタ
16 把持ハンド
21 衛星フレーム部
121〜124 撮像画像
O センターマーク

Claims (16)

  1. 宇宙機を人工衛星とランデブ・ドッキングさせるべく、前記人工衛星のドッキング対象部位に前記宇宙機を移動させるランデブ・ドッキング用画像航法において、
    前記宇宙機により、前記人工衛星をその環状フレーム構造を含めて撮像する第1ステップと、
    前記宇宙機と前記人工衛星との間の相対距離を計測する第2ステップと、
    計測した相対距離に基づいて、前記宇宙機に対する前記環状フレーム構造の相対位置を演算する第3ステップと、
    撮像画像中の前記環状フレーム構造を楕円として認識することによって、前記宇宙機に対する前記環状フレーム構造の相対姿勢を演算する第4ステップと
    を有し、
    該第4ステップは、
    撮像画像中の前記環状フレーム構造をエッジセグメントとして抽出するステップと、
    抽出したエッジセグメントの中から法線ベクトルが互いに約180度異なる対を選択し、選択したエッジセグメント対の中点を投票空間に投票し、得票が高い中点を点対称中心とするステップと、
    前記点対称中心を通過する仮想線を該点対象中心回りに角度を変えつつ、前記仮想線に対する線対称性が高いエッジセグメント対を選択するステップと、
    点対称且つ線対称であるエッジセグメント対の点対称中心を楕円中心とする一方、該楕円中心を有し、前記エッジセグメントを通過する楕円のパラメータを演算するステップと、
    演算したパラメータに基づく楕円上に存在するエッジセグメントから、該パラメータの妥当性を判断するステップと、
    妥当性が高いパラメータに応じた楕円に基づいて、前記環状フレーム構造の相対姿勢を演算するステップと
    を有することを特徴とするランデブ・ドッキング用画像航法。
  2. 前記相対距離及び前記相対姿勢は、認識した前記環状フレーム構造の複数箇所の、前記宇宙機に対する相対距離に基づいて演算されることを特徴とする請求項1記載のランデブ・ドッキング用画像航法。
  3. 前記相対距離は、前記環状フレーム構造を含めて撮像する複数の撮像器によりステレオ撮像されることを特徴とする請求項1又は2記載のランデブ・ドッキング用画像航法。
  4. 前記相対距離は、前記環状フレーム構造を横断するようにスリット光を照射し、照射スリット光と共に撮像された前記環状フレーム構造の画像に基づいて光切断計測されることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のランデブ・ドッキング用画像航法。
  5. 前記第4ステップは、複数の撮像器による撮像画像中の前記環状フレーム構造を楕円認識及び円弧認識の両方で並列処理することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のランデブ・ドッキング用画像航法。
  6. 宇宙機を人工衛星とランデブ・ドッキングさせるべく、前記人工衛星のドッキング対象部位に前記宇宙機を移動させるランデブ・ドッキング用画像航法において、
    前記宇宙機により、前記人工衛星をその環状フレーム構造を含めて撮像する第1ステップと、
    撮像画像中の前記環状フレーム構造の濃淡画像からエッジセグメントを抽出する第2ステップと、
    抽出した複数のエッジセグメントの法線ベクトルの交点位置座標及び円弧半径を演算し、前記交点位置座標を円弧中心位置とする第3ステップと、
    演算した円弧中心位置座標群の出現頻度を演算する第4ステップと、
    前記円弧中心位置座標群のうち、演算した出現頻度が所定の閾値を超えるものを円弧中心位置候補とし、該円弧中心位置候補に基づいて、前記宇宙機に対する前記環状フレーム構造の相対位置を演算する第5ステップと、
    演算した複数の相対位置に基づいて、前記宇宙機に対する前記環状フレーム構造の相対姿勢を演算する第6ステップと
    を有することを特徴とするランデブ・ドッキング用画像航法。
  7. 前記第5ステップは、前記第3ステップで演算したパラメータから特定される円弧の位置と、予め取得可能な実際の環状フレーム構造の寸法とに基づいて、前記宇宙機に対する前記環状フレーム構造の相対位置を演算することを特徴とする請求項6記載のランデブ・ドッキング用画像航法。
  8. 前記第5ステップは、前記円弧中心位置候補について前記第4ステップで演算したパラメータを円の方程式に当てはめて妥当性を判断し、妥当性に基づいて誤差が小さくなるようにパラメータを補正し、補正後のパラメータから特定される円弧の位置に基づいて、前記宇宙機に対する前記環状フレーム構造の相対位置を演算することを特徴とする請求項6記載のランデブ・ドッキング用画像航法。
  9. 宇宙機を人工衛星とランデブ・ドッキングさせるべく、前記人工衛星のドッキング対象部位に前記宇宙機を移動させるランデブ・ドッキング用画像航法装置において、
    前記宇宙機に設けられ、前記人工衛星をその環状フレーム構造を含めて撮像する第1撮像器と、
    前記宇宙機と前記人工衛星との間の相対距離に基づいて、前記宇宙機に対する前記環状フレーム構造の相対位置を演算し、前記第1撮像器による撮像画像中の前記環状フレーム構造を楕円及び円弧の少なくとも一方として認識することによって、前記宇宙機に対する前記環状フレーム構造の相対姿勢を演算する計算機と
    を備え
    該計算機は、
    前記第1撮像器による撮像画像中の前記環状フレーム構造をエッジセグメントとして抽出する手段と、
    抽出したエッジセグメントの中から法線ベクトルが互いに約180度異なる対を選択し、選択したエッジセグメント対の中点を投票空間に投票し、得票が高い中点を点対象中心とする手段と、
    前記点対称中心を通過する仮想線を該点対称中心回りに角度を変えつつ、前記仮想線に対する線対称性が高いエッジセグメント対を選択する手段と、
    点対称且つ線対称であるエッジセグメント対の点対称中心を楕円中心とする一方、該楕円中心を有し、前記エッジセグメントを通過する楕円のパラメータを演算する手段と、
    演算したパラメータに基づく楕円上に存在するエッジセグメントから、該パラメータの妥当性を判断する手段と
    を備えることを特徴とするランデブ・ドッキング用画像航法装置。
  10. 前記相対距離及び前記相対姿勢は、認識した前記環状フレーム構造の複数箇所の、前記宇宙機に対する相対距離に基づいて演算されることを特徴とする請求項記載のランデブ・ドッキング用画像航法装置。
  11. 前記相対距離は、前記宇宙機に設けられ、前記環状フレーム構造を含めて撮像する一又は複数の第2撮像器により測定されるべくなしてあることを特徴とする請求項又は10記載のランデブ・ドッキング用画像航法装置。
  12. 前記相対距離は、前記第1撮像器及び少なくとも1つの前記第2撮像器、又は複数の前記第2撮像器によりステレオ計測されるべくなしてあることを特徴とする請求項11記載のランデブ・ドッキング用画像航法装置。
  13. 前記第2撮像器を4つ備え、該第2撮像器は、前記第1撮像器の設置位置を交点とする直交軸上に2つずつ等間隔で配置されていることを特徴とする請求項11又は12記載のランデブ・ドッキング用画像航法装置。
  14. 前記相対距離は、前記宇宙機に設けられたスリット光照射手段により、前記環状フレーム構造を横断するようにスリット光を照射し、照射スリット光と共に撮像された前記環状フレーム構造の画像に基づいて光切断計測されるべくなしてあることを特徴とする請求項記載のランデブ・ドッキング用画像航法装置。
  15. 前記計算機は、複数の撮像器による撮像画像中の前記環状フレーム構造を楕円認識及び円弧認識の両方で並列処理すべくなしてあることを特徴とする請求項乃至14の何れかに記載のランデブ・ドッキング用画像航法装置。
  16. 宇宙機を人工衛星とランデブ・ドッキングさせるべく、前記人工衛星のドッキング対象部位に前記宇宙機を移動させるランデブ・ドッキング用画像航法装置において、
    前記宇宙機により、前記人工衛星をその環状フレーム構造を含めて撮像する撮像器と、
    計算機と
    を備え、該計算機は、
    撮像画像中の前記環状フレーム構造の濃淡画像からエッジセグメントを抽出し、
    抽出した複数のエッジセグメントの法線ベクトルの交点位置座標及び円弧半径を演算し、前記交点位置座標を円弧中心位置とし、
    演算した円弧中心位置座標群の出現頻度を演算し、
    前記円弧中心位置座標群のうち、演算した出現頻度が所定の閾値を超えるものを円弧中心位置候補とし、該円弧中心位置候補に基づいて、前記宇宙機に対する前記環状フレーム構造の相対位置を演算し、
    演算した複数の相対位置に基づいて、前記宇宙機に対する前記環状フレーム構造の相対姿勢を演算する
    ように構成されていることを特徴とするランデブ・ドッキング用画像航法装置。
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