JP3668174B2 - スピードスプレーヤ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はスピードスプレーヤに関し、より詳細には動翼シャフトを支持するベアリングケースにグリースを供給するグリース供給機構の構成を特徴とするスピードスプレーヤに関する。
【0002】
【従来の技術】
圃場での薬液散布に使用されるスピードスプレーヤは、車輌本体の後部にエア導入用の動翼(ファン)を設け、動翼から導入したエアを車輌本体の上方および側方に吹き出して薬液を噴霧するように形成されている。図3は、スピードスプレーヤの一般的な構成を示す説明図である。同図で10が車輌本体、20が薬液タンク、22が動力部、24が防護ネットである。18が風洞であり、この風洞18内に動翼および静翼が収容されている。16が整流部、19がノズルである。整流部16は車輌本体10の上方および側方に向けて開口し、ノズル19は整流部16の開口部に沿って配置されている。
【0003】
図4は、風洞18内の構成を示す説明図である。12が動翼、13が動翼12を支持するシャフト、14が静翼である。動翼12は動力部22によりシャフト13が回転駆動されることによって高速で回転する。30はシャフト13を回転自在に支持するベアリングケースである。このベアリングケース30にはグリースが充填され、シャフト13が円滑に回転するように構成されている。
【0004】
スピードスプレーヤを使用する際は、このベアリングケース30に随時グリースを供給して使用するが、従来のスピードスプレーヤにおいてベアリングケース30にグリースを供給する方法は、風洞18のカバー部の側面に設けたグリースニップル32から合成樹脂からなる接続チューブ34を介してベアリングケース30に供給する方法によっていた。接続チューブ34はグリースニップル32とベアリングケース30とを連通して設けられており、グリースガンをグリースニップル32に当ててグリースを押し出すことによりベアリングケース30にグリースを充填することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のスピードスプレーヤでベアリングケース30にグリースを供給する方法は、グリースニップル32から接続チューブ34を介してベアリングケース30にグリースを送入する構造となっているため、ベアリングケース30に充填されているグリースが固いときや、新しいグリースを充填しようとする際にグリースが充填されにくいという問題がある。この場合、無理にグリースを押し込むと接続チューブ34がベアリングケース30との接続部から外れてしまうといったことも起きる。
また、ベアリングケース30にグリースを送り込む際には、接続チューブ34にもグリースを充填していくから、接続チューブ34に充填するグリースの量が無駄になり、また、充填するグリースの分量が不確かになるという問題もあった。
【0006】
そこで、本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、その目的とするところは、ベアリングケースにグリースを充填する作業を容易にし、グリースが固いような場合でもベアリングケースに確実にグリースを充填することができるグリース供給機構を備えたスピードスプレーヤを提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、動翼と一体に回転するシャフトをベアリングケースにより回転可能に支持し、前記ベアリングケースに前記シャフトの外周面との間でグリースが充填されるグリース充填部を設けたスピードスプレーヤにおいて、前記シャフトの動翼を取り付けた側の先端部からシャフト内部を通過して前記グリース充填部に連通するグリース流路を設け、前記シャフトの先端部に前記グリース流路に連通可能にグリースニップルを設け、前記シャフトの先端部を覆う防護ネットに、前記グリースニップルを介してグリースを送入する際に使用するグリースガンをガイドするガイド部として、前記グリースニップルと同芯に、グリースガンをガイドするガイド孔が形成されたグロメットを設けたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付図面に基づき詳細に説明する。
本発明に係るスピードスプレーヤの全体構成は図3に示すスピードスプレーヤの構成と変わるものではない。したがって、以下では、本発明に係るスピードスプレーヤにおいて特徴的なグリース供給機構の構成について説明する。
図1は、風洞内に配置される動翼12をシャフト40に取り付ける取り付け構造、シャフト40の内部構造、およびベアリングケース50の内部構造を示している。
【0010】
シャフト40と動翼12との取り付けは、動翼12のハブ12aにボルト締めして固定したねじフランジ60にシャフト40の先端部40aをねじ込み、シャフト40の先端にナット62をねじ止めしてなされている。これによって、動翼12とシャフト40とが一体に回転する。
【0011】
本実施形態のグリース供給機構において特徴的な構成は、シャフト40の先端側からシャフト40の内部に向けてシャフト40の軸線に沿ってグリース流路42を形成したことにある。グリース流路42の内端はシャフト40の先端からベアリングケース50のグリース充填部52が形成されている部位まで延出し、グリース流路42の内端部とグリース充填部52とは連通流路44によって連通する。実施形態では連通流路44はグリース流路42から径方向に延びてグリース充填部52に接続している。なお、グリース流路42および連通流路44はシャフト40の端面から、シャフト40の内部を通過してグリース流路42に連通して設けることを目的とするものであり、その配置位置、形状等は適宜変更することができる。
【0012】
図2は、シャフト40の先端部における構成を拡大して示す。上述したように、シャフト40にはその先端から軸線方向にグリース流路42が設けられている。46はグリース流路42に連通してシャフト40の先端面に取り付けたグリースニップルである。グリースニップル46は、そのスプリング46bによりボール46aを開口端に常時押接するように設けられており、グリースガンによってボール46aを押し込むことにより、グリースニップル46の開口端から流路46cを介してグリースが送入されるように形成されている。
【0013】
図1で、ベアリングケース50は静翼14に固定されて支持されており、シャフト40はベアリング56を介してベアリングケース50に回転自在に支持されている。54はベアリングケース50に充填されているグリースをシールするオイルシールである。53はオイルシール54の取り付けキャップである。
ベアリングケース50の内周面とシャフト40の外周面との間は若干離間し、このベアリングケース50の内周面とシャフト40の外周面との間がグリース充填部52となっている。
【0014】
25は防護ネット24に連結して取り付けた補助ネットである。補助ネット25の中央部にはグリースニップル46と同一軸線上にグロメット64が取り付けられている。グロメット64はゴムによりリング状に形成したもので、グリースニップル46と同芯にガイド孔64aが形成されている。グロメット64はグリースガンによってグリースを供給する際にガン先端をガイドしてグリースニップル46に位置合わせするためのものである。
【0015】
もちろん、グリースガンをガイドする方法としては、ガイド部としてのグロメット64を防護ネット(補助ネット)と別体に設ける他、防護ネットと一体にガイド部を設けることができる。グロメット64はグリースガンを好適にガイドして支持できるものであればよく、ゴム製による他、合成樹脂等の適宜材料を使用することができる。また、グロメット64を防護ネット(補助ネット)と別体に形成することで適宜脱着可能とすることもできる。
【0016】
こうして、本実施形態のスピードスプレーヤにおいては、グリースガンをグロメット64に位置合わせし、グリースニップル46にガン先端を押接するようにしてグリース充填部52にグリースを供給することができる。
グリースガンから押し出されたグリース70は、シャフト40の先端側からグリース流路42内に送入され、連通流路44からグリース充填部52に充填される。本実施形態ではグリース充填部52の前端側に連通流路44が接続しており、グリース充填部52の前端側から後端側に向けて徐々にグリース70が充填されていく。
ベアリングケース50にグリース70が充填されたことは、ベアリングケース50の端部に設けたオイルシール54からグリース70がはみ出ることによって知ることができる。
【0017】
本実施形態のスピードスプレーヤでは、このように動翼12を支持するシャフト40の内部にグリース充填部52に外部から連通するグリース流路42を設ける構成としたことによって、接続チューブを介することなくシャフト40から、じかにグリース70をベアリングケース50に供給することが可能となる。
このように、シャフト40に設けたグリース流路42を介してグリース充填部52にグリース70を供給することにより、接続チューブが外れるといった問題がなくなり、グリースが固い場合や新しいグリースを使用するような場合でも、グリース充填部52に確実にグリース70を充填することができるという利点がある。
【0018】
また、グロメット64によってグリースガンをガイドしてグリース70を充填することができ、グリース70を充填する操作を容易に行うことができる。
また、グリース70を充填する操作は、スピードスプレーヤの車輌本体10の後部側で行うことができるから作業も容易である。また、グリース70の充填状態は、ベアリングケース50の後端に設けたオイルシール54からのグリース70のはみ出しによって従来と同様に簡単に知ることができる。また、本実施形態の場合は、グリース流路42にグリース70が充填されるだけで、従来のように長く引き出された接続チューブ34にグリース70が充填されないから、グリース70の無駄を抑えることができる等の利点がある。
【0019】
なお、通常使用時においては、グリースニップル46はシャフト40および動翼12とともに回転するのみであり、グリース充填部52に充填されたグリース70はグリースニップル46によって封止されている。グリースニップル46は補助ネット25、グロメット64の内側で回転し、外部に露出しないように保護されているから使用上も安全である。
【0020】
【発明の効果】
本発明に係るスピードスプレーヤによれば、上述したように、シャフトの内部にグリース充填部に連通するグリース流路を設けて、シャフトの先端側からグリースをグリース充填部に供給できるように構成したことにより、グリースが固くグリース充填部にグリースが充填しにくいような場合でも確実にグリースを供給することができる。また、防護ネット側にガイド部を設けたことにより、グリースガンを用いてグリースを供給する操作を容易に行うことができる等の著効を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピードスプレーヤのグリース供給機構の構成を示す説明図である。
【図2】シャフトの先端部近傍の構成を示す説明図である。
【図3】スピードスプレーヤの全体構成を示す説明図である。
【図4】ベアリングケースにグリースを供給する従来構造を示す説明図である。
【符号の説明】
10 車輌本体
12 動翼
13 シャフト
18 風洞
24 防護ネット
25 補助ネット
30 ベアリングケース
32 グリースニップル
34 接続チューブ
40 シャフト
42 グリース流路
44 連通流路
46 グリースニップル
50 ベアリングケース
52 グリース充填部
54 オイルシール
56 ベアリング
64 グロメット
64a ガイド孔
70 グリース
Claims (1)
- 動翼と一体に回転するシャフトをベアリングケースにより回転可能に支持し、前記ベアリングケースに前記シャフトの外周面との間でグリースが充填されるグリース充填部を設けたスピードスプレーヤにおいて、
前記シャフトの動翼を取り付けた側の先端部からシャフト内部を通過して前記グリース充填部に連通するグリース流路を設け、
前記シャフトの先端部に前記グリース流路に連通可能にグリースニップルを設け、
前記シャフトの先端部を覆う防護ネットに、前記グリースニップルを介してグリースを送入する際に使用するグリースガンをガイドするガイド部として、前記グリースニップルと同芯に、グリースガンをガイドするガイド孔が形成されたグロメットを設けたことを特徴とするスピードスプレーヤ。
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JP2001314353A JP3668174B2 (ja) | 2001-10-11 | 2001-10-11 | スピードスプレーヤ |
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JP2001314353A Expired - Lifetime JP3668174B2 (ja) | 2001-10-11 | 2001-10-11 | スピードスプレーヤ |
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- 2001-10-11 JP JP2001314353A patent/JP3668174B2/ja not_active Expired - Lifetime
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