JP3668151B2 - 回動工具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、六角穴付きボルトに使用する六角レンチ、ビット装着用六角穴に装着されるビット等として使用される六角柱状の回動工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
六角穴を有するボルトに利用する六角レンチとして、従来技術においては、第1に、JIS−B4648(図7)に示される六角棒スパナ(以下、レンチと称する)がある。
このレンチA1は、一般的にボルトBよりも高硬度に形成され、ボルトBの六角穴Baに挿入する部分を正六角柱にしたものであり、6つの角部2と、各角部間に形成された6つの辺面3とを有しており、6つの角部2はアール面取りされ、6つの辺面3は平坦面に形成され、ボルトBの六角穴Baにすきまばめ状態で係合される。
【0003】
前記レンチA1は角部2の形状が比較的に尖った形状であり、6つの辺面3が平坦面であるため、ボルトBの六角穴Baに係合させて、レンチA1に回転トルクをかけると、六角穴Baの壁面に線接触し、角部2の近傍で応力集中を起こす。
更にレンチA1に回転トルクをかけていくと、六角穴Ba側の弾性変形により面接触することになるが、放射方向に逃げる力が大きいために、一定のトルクを越えると、ボルトB側が変形を起こして六角穴Baが塑性変形し、面接触の関係が崩れることがある。
【0004】
ドライバービットとねじリセスの間において、力の伝達の方向と大きさを決定するのに役立つものに駆動角がある。図7において、レンチA1の1辺面がボルトBのねじリセスの1面に当接してトルクを伝達するとき、両者間の隙間によってこじれた状態で当接した力点S1には、工具中心Pを通る放射線と直角の作用力(接線力)F1と、レンチA1の面と直角の作用力(放射力)G1とが発生する。
前記作用力F1が実質的にボルトBを回動させる力となり、作用力G1は六角穴Baを塑性変形させる力となる。この両作用力F1、G1のベクトルの間の挟角が駆動角K1である。
【0005】
従って、駆動角K1は小さいほどリセスの中心から外に向かって広がる応力である放射状の応力(放射力)Gを低くすることができ、放射状の応力が低いほど工具寿命が長くなり、ネジ頭部の肉厚をより薄くすることが可能になることが知られている。
図7aはレンチA1と六角穴Baの理論的嵌合状態であり、実際的にはガタがある。両者を嵌合させて、レンチA1を回して、力点S1に作用力が作用開始したとき(図7bの初期回動時)、駆動角K1は63度前後である。
【0006】
レンチA1を更に回動して、滑りを生じさせながらボルトBを回動するとき(図7cの実質回動時)、係合している力点S2は力点S1から回動方向に若干移動するが、駆動角K2は駆動角K1と略同じ63度前後であり、各辺面3は六角穴Baを弾性変形、塑性変形して面接触するようになるが、平坦面であるため両作用力F2、G2の方向性がほとんど変化しなく、よって駆動角K2が小さくならなく、駆動効率の低いものとなっている。
そこで、前記六角穴Baの弾性変形に伴ってレンチの駆動角を小さくして、駆動効率を高くできるようにした技術がある。
【0007】
図8(実公昭38−15996号公報)に示す第2従来技術のレンチA2は、六角穴付きボルトの回動を主目的にしたものであり、6つのアール面取り形状の角部2と、各角部2間に形成された6つの辺面3とを有し、この6つの辺面3の総てが角部2の共通接線となる辺線Hから深く凹んだ凹面(内向き曲線)に形成されている。
このレンチA2は、初期回動時の駆動角K(作用力F、Gの挟角)は65度前後であるのに対して、実質回動時の駆動角Kは50度以下にもでき、六角穴Baの弾性変形部分を凹面の方向に逃がし、その変形の一部が塑性変形を起こしても、レンチA2とボルトBの係合がより確実性を増し、駆動効率を向上できるようにしている。
【0008】
しかしながら、このレンチA2は、6つの辺面3の凹みが深すぎるため、六角穴Ba側の変形量が多く、塑性変形を起こし易いため、ボルトBの六角穴Baの形状を変更したり、又は辺面3の凹みを浅く形成したもの等が創作されている。図9に示す第3従来技術のレンチA3は、ボルトBの六角穴Baの形状を正六角形ではなく、レンチA2と相似形に形成しており、駆動角Kを15〜20度前後に減少でき、極めて駆動効率の高いものとなっている。
図10(実公平7−42615号公報)に示す第4従来技術のレンチA4は、6つの辺面3の凹みを浅く形成したもので、ボルトBの六角穴Baは正六角形を適用しており、ボルトBは一般的なものが使用でき、実質回動時の駆動角K2は52度前後になり、正六角形の六角穴Baを使用できるので、ボルトBのコストを上げないで駆動効率の向上を図ることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
前記第3従来技術のレンチA3では、ボルトBの加工が困難でコストを非常に高いものになると共に、レンチA3の凹みが深いため、第2従来技術のレンチA2と同様に、レンチ強度が著しく低下し、耐久性が低くなるという問題を有している。
また、前記第4従来技術のレンチA4では、辺面3の凹みを浅く形成すると駆動角が小さくなり難くく、深くするとレンチA3と同様な問題を生じると共に、大きな回転トルクを加えると部分的に大きな変形が生じ、その変形部分の逃げ場(凹み)が大きいことも相俟って、大きく塑性変形して致命的なダメージを与える可能性がある等の問題を有している。
【0010】
更に、両レンチA3、A4のように、角部2を挟むように大きな凹みが存在すると、ボルトBに対する作用力Fの反作用力が角部2に作用するので、角部2は回動方向と反対方向に逃げ易くなり、回動トルクが低下することがある。
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした回動工具を提供することを目的とする。
本発明は、6つの角部間の辺面を1つおきに平坦面とし、その他を凹凸面とすることにより、駆動角を小さくして駆動効率を向上した上で、強度を確保しながら六角穴の塑性変形を減少できるようにした回動工具を提供することを目的とする。
【0011】
本発明は、6つの角部間の辺面の総てを凹凸面とすることにより、駆動角を小さくして駆動効率を向上した上で、強度を確保できるようにした回動工具を提供することを目的とする。
本発明は、6つの角部間の辺面を1つおきに平坦面とし、その他を凹面とすることにより、駆動角を小さくして駆動効率を向上した上で、六角穴の塑性変形を減少できるようにした回動工具を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明における課題解決のための第1の具体的手段は、6つのアール面取り形状の角部2と、各角部2間に形成された6つの辺面3とを有して六角穴Baに挿入可能に形成されており、前記6つの辺面3の内の1つおきの辺面3を略平坦な面に形成し、他の辺面3を、角部2間の中間に山面3aを有し、かつこの山面3aと両角部2との間に谷面3bを有する凹凸面に形成し、前記山面3aの頂点を角部2の共通接線となる辺線H上又はそれより工具中心P側に位置させていることである。
【0013】
これによって、回動工具1は駆動角Kを小さくして駆動効率を向上した上で、強度を確保しながら、ボルトB等の六角穴Baの塑性変形を減少することが可能になる。
本発明における課題解決のための第2の具体的手段は、6つのアール面取り形状の角部2と、各角部2間に形成された6つの辺面3とを有して六角穴Baに挿入可能に形成されており、前記6つの辺面3の総てを、角部2間の中間に山面3aを有し、かつこの山面3aと両角部2との間に谷面3bを有する凹凸面に形成し、前記山面3aの頂点を角部2の共通接線となる辺線H上又はそれより工具中心P側に位置させていることである。
【0014】
これによって、回動工具1は駆動角Kを小さくして駆動効率を向上した上で、強度を確保させることが可能になる。
本発明における課題解決のための第3の具体的手段は、6つのアール面取り形状の角部2と、各角部2間に形成された6つの辺面3とを有して六角穴Baに挿入可能に形成されており、前記6つの辺面3の内の1つおきの辺面3を略平坦な面に形成し、他の辺面3を角部2の共通接線となる辺線Hから凹んだ凹面に形成していることである。
【0015】
これによって、回動工具1は駆動角Kを小さくして駆動効率を向上した上で、ボルトB等の六角穴Baの塑性変形を減少することが可能になる。
本発明における課題解決のための第4の具体的手段は、第1〜3のいずれかの具体的手段に加えて、略六角柱状のレンチ又はビットであることである。
これによって、六角レンチ又は六角ビットとして使用することができる。
本発明における課題解決のための第5の具体的手段は、第1〜4のいずれかの具体的手段に加えて、前記角部2のアール面取り中心Qは、工具中心Pまでの距離が工具中心Pから辺面3までの距離Lに略等しいことである。
【0016】
これによって、角部2のアール面取り形状を適正にして、六角穴Baの損傷を減少する。
本発明における課題解決のための第6の具体的手段は、第1、2、4のいずれかの具体的手段に加えて、前記辺面3の山面3aは、工具中心Pから辺面3までの距離Lを略半径とする円弧面であることである。
これによって、回動工具1の強度を可及的に増大し、しかも辺面3の凹みの懐を少なくして、六角穴Baの塑性変形を防止する。
【0017】
本発明における課題解決のための第7の具体的手段は、第1又は2の具体的手段に加えて、前記角部2のアール面取り中心Qを、工具中心Pまでの距離が工具中心Pから辺面3までの距離Lに略等しく設定し、前記辺面3の山面3aを、工具中心Pから辺面3までの距離Lを略半径とする円弧面に形成し、かつ各山面3aの有効範囲Uを略20度に設定し、この山面3aの有効範囲Uの端部Uaを通って山面3aと角部2と接する円弧面で前記谷面3bを形成していることである。
【0018】
これによって、回動工具1の外周面を、強度の確保、駆動効率の向上及び六角穴Baの塑性変形の減少等を実現するための理想的な形状に形成できる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1〜4に示す第1の実施の形態おいて、回動工具1AとしてL字状に屈曲したL字レンチを例示しており、このレンチ1Aはダイスからの引抜加工等により形成され、その断面形状は概ね正六角形で、ボルトB等の正六角形の六角穴Baに挿入可能に形成されており、6つのアール面取り形状の角部2と、各角部2間に形成された6つの辺面3とを有している。
【0020】
前記レンチ1Aは、6つの辺面3の内の1つおきの辺面3を略平坦な面3cに形成し、他の辺面3を、角部2間の中間に山面3aを有し、かつこの山面3aと両角部2との間に谷面3bを有する凹凸面に形成している。
前記凹凸状の辺面3は、山面3aの頂点が角部2の共通接線となる辺線H上又はそれより工具中心P側に位置しており、辺線Hより工具中心P側に凹みの懐が形成されている。
従って、レンチ1Aは平坦面3cと凹凸面とが交互に形成され、凹凸面の周方向両側には平坦面3cが存在し、そのような断面形状を軸方向に沿って形成してL字レンチとなり、また工具装着部を形成して動力工具用ビットとして適用可能になる。
【0021】
前記レンチ1Aは対辺間距離(幅)を2Lとすると、工具中心Pから辺面3までの距離は距離Lとなり、角部2のアール面取りは、面取りの中心Qを工具中心Pから略距離Lだけ離した位置に設定している。
図2の工具中心Pを中心とする仮想円Yは前記距離2Lと同一又は僅かに小さい直径寸法Dの円であり、前記面取りの中心Qはこの仮想円Y上に位置している。仮想円Yの直径寸法Dは距離2Lと同一又はそれより僅かに小さければよく、面取りの中心Qは仮想円Yの内外にずれていてもよい。
【0022】
前記辺面3の山面3aは、仮想円Y上に位置し、即ち、工具中心Pから辺面3までの距離Lを略半径とする円弧面に形成されており、かつ各山面3aの有効範囲Uは20度又はその前後角度に設定されている。
前記山面3aの曲率半径は、小さくすると凹凸辺面3の凹みの懐を深くでき、大きくすると凹凸辺面3の凹みの懐を浅くできる。また、山面3aの曲率中心を工具中心P以外の点に設定することも可能である。
前記谷面3bは、山面3aの有効範囲Uの両端部Uaを通って山面3aと角部2と接する円弧面に形成されており、そのように谷面3bの曲率半径Rが設定されている。前記曲率半径Rは、有効範囲Uを広くすると小さくなり、凹凸状辺面3の凹みの懐を深くでき、有効範囲Uを狭くすると大きくなり、凹凸状辺面3の凹みの懐を浅くできる。
【0023】
前記角部2は、周方向等間隔に仮想円Yから突出した突出部となっており、レンチ1Aの平坦面3cは、2つ1組の角部2のアール面取りされた突出円弧面に接する共通接線上に位置している。
換言すると、前記レンチ1Aは、正六角形の角部2を、日本工業規格(JIS)に定められている対角最大寸法rで面取りし、辺面3の1つおきを、工具中心Pから辺面3までの垂線距離Lを半径として山面3aを形成し、この山面3aを略20度の有効範囲Uを確保した上で、各山面3aを挟むようにその円弧面と角部2のアール面取り面とに同時に接する谷面3bを、レンチ1A外部に曲率中心を有する円弧面で形成しており、山面3aは谷面3bで形成された凹部の中の凸部となっている。
【0024】
六角穴Baの壁面との接触について、第3図に示すように、ボルトBの六角穴Baにレンチ1Aを差込んでM角度を回転させた際、レンチ1A側のS1点が六角穴Baの内壁面に接触し、続けて回転トルクを与えるとトルク伝達が開始される。
その際、凹凸状辺面3のS1点には、P−S1間線に対して直角方向に作用力FS1が発生すると共に、接触面に対して直角方向に作用力(ボルト内部応力)GS1が発生する。このときの駆動角KS1は63度前後になる。
【0025】
平坦面3cのT1点には、P−T1間線に対し直角方向に力の作用力FT1が発生すると共に、接触面に対して直角方向に作用力(ボルト内部応力)GT1が発生する。このときの駆動角KT1は駆動角KS1と略同一の63度前後になる。
この初期回動時における作用力状態は、前記第1従来技術のレンチA1と大差はない。
次に、標準締め付け回転トルクを加えた場合、第4図に示すように、レンチ1Aは更に回動してN角度となり、S2点は元のS1点から谷面3b方向に移動し、P−S2線に対し直角方向に作用力FS2が発生し、角部2が六角穴Baの内壁面に弾性変形を起こさせる。
【0026】
角部2から谷面3bへ辺線Hに対して角度が変化していることにより、六角穴Baの弾性変形に伴って、角部2が六角穴Baの内壁面に作用する作用力GS2の角度が変化し、FS2−GS2間の駆動角KS2が駆動角KS1よりも鋭角になっていく。
また、角部2が六角穴Baに弾性変形を起こさせながら更に食い込むことにより、駆動角KS2を更に小さく(例えば、47度前後)する。駆動角KS2がより小さくなることにより、滑りを減少させ、駆動効率を向上させながらトルクを伝達する。
【0027】
このとき、T2点においては、作用力FT2及び作用力GT2は共にT1点と同様で、駆動角KT2は63度前後あるが、平坦面3cは六角穴Baの内壁面に若干食い込むようになって、線接触から面接触に変化しており、この平坦面3cの面接触によって、作用力GS2で角部2が六角穴Baの内壁面に食い込むのを抑制することになり、角部2による塑性変形が防止され、ボルトB軸心に対するレンチ1Aの位置を安定化させる。
また、六角穴Baの内壁面は角部2によって弾性変形が起こされ、谷面3bの懐内に逃げるように膨出することになるが、山面3aが隆起していることにより、その変形量が制限され、山面3aが抵抗となって塑性変形に至る変形を抑制する。
【0028】
これら、平坦面3c、山面3a等による変形抑制によって、六角穴Baに対するレンチ1Aの滑りが減少され、角部2と六角穴Baとの接触も面積及び角度の両方で良好になり、駆動角KS2が小さくなって駆動効率が向上し、六角穴Baの内壁面の傷を最小限に押さえる。
また、S2点で発生する作用力FS2の反作用力としてFS3が発生するが、角部2を境にして凹凸状辺面3が隣り合う面は平坦面3cとなっており、平坦面3cは谷面3bによるくびれは存在しないので、角部2は逃げることなくボルトBへ回動トルクを伝達する。
【0029】
なお、レンチ1Aは、間隔をおいた3面を凹凸面としているので、早回しの際にも、オイルが付着している場合でも、指先が滑る事なく把持しておくことができ、確実な作業が行えて作業性を向上でき、JIS規格の六角レンチよりも折れ難くすることができる。
また、断面寸法がより高精度で、高硬度でありながら粘りのあるものとなり、滑りを軽減して角部2の形状を保つことが可能になり、角部2の摩耗が減少し、折れを減少でき、レンチの耐久性、耐摩耗性を向上することができる。
【0030】
図5に示す第2の実施の形態において、このレンチ2Aは、略正六角柱状のレンチの辺面3の6面総てを凹凸面としており、平坦面3cがないことにより、レンチ1Aに比して、角部2が六角穴Baの内壁面に食い込むのを抑制する作用、反作用力FS3をバックアップする作用等は少なくなるが、図8に示した従来技術よりも、塑性変形を防止し、弾性変形を抑制しながら駆動効率を向上させることができる。
これら第1、第2の実施の形態から明らかなように、略正六角柱状のレンチの辺面3の内、1面から5面を平坦面3cとし、他を凹凸面とすることも加工上は可能である。しかし、凹凸状辺面3を3面又は全面にする方がトルク伝達バランスが良好になる。
【0031】
図6に示す第3の実施の形態において、このレンチ3Aは、略正六角柱状のレンチの辺面3の3面を平坦面3cとし、他の3面を凹面としており、凹状辺面3の角部2間には山部3aが形成されていない。このレンチ3Aは、レンチ1Aに比して、山部3aが存在しない分だけ強度が低く、角部2が六角穴Baの内壁面を弾性変形させる度合いも多くなるが、平坦面3cによる角部2が食い込むのを抑制する作用、反作用力FS3をバックアップする作用等は十分享受することができ、図8に示した従来技術よりも、塑性変形を防止し、弾性変形を抑制しながら駆動効率を向上させることができる。
【0032】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、山部3aの頂点は2つの角部2の中央に位置するが、レンチAの周方向の一方に偏位していてもよく、山部3aの両側の谷面3bは対称形状であるが、一方を他方より深く形成したりしてもよい。
また、レンチAの各部の寸法,形状,材質、その相対配置等は適宜設定することができる。
【0033】
【発明の効果】
以上詳述した本発明によれば、回動工具1は駆動角Kを小さくして駆動効率を向上することができ、そのうえ、強度を確保したり、ボルトB等の六角穴Baの塑性変形を減少したりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す斜視図である。
【図2】同正面図である。
【図3】初期回動時の作用図である。
【図4】実質回動時の作用図である。
【図5】第2の実施の形態を示す正面図である。
【図6】第3の実施の形態を示す正面図である。
【図7】第1従来技術のJIS−B4648の六角棒スパナの作用図である。
【図8】第2従来技術の正面図である。
【図9】第3従来技術の正面図である。
【図10】第4従来技術の作用図である。
【符号の説明】
1 回動工具(レンチ)
2 角部
3 辺面
3a 山面
3b 谷面
3c 平坦面
B ボルト
Ba 六角穴
H 辺線
K 駆動角
U 有効範囲
P 工具中心
Claims (7)
- 6つのアール面取り形状の角部と、各角部間に形成された6つの辺面とを有して六角穴に挿入可能に形成されており、
前記6つの辺面の内の1つおきの辺面に、前記角部に隣接して、回転トルクの付与に伴って角部を前記六角穴の内壁面に食い込ませることにより該内壁面との間に生じる駆動角を初期回動時よりも鋭角にする谷面を形成し、
1つの辺面の2つの谷面間に、前記角部の食い込みに伴う前記内壁面の膨出を抑制する山面を形成し、
前記山面の頂点を、該山面の両側に位置する角部のアール面取りされた突出円弧面に接して共通接線となる辺線上又はその辺線よりも前記回転トルク付与時の回転中心となる工具中心側に位置させていることを特徴とする回動工具。 - 前記6つの辺面の内の1つおきの辺面とは異なる他の辺面を、平坦な面に形成したことを特徴とする請求項1に記載の回動工具。
- 前記6つの辺面の内の1つおきの辺面とは異なる他の辺面のそれぞれに、前記2つの谷面及び山面を形成したことを特徴とする請求項1に記載の回動工具。
- 六角柱状のレンチ又はビットであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回動工具。
- 前記角部のアール面取り中心の前記工具中心までの距離は、前記工具中心から前記辺面までの距離に等しいことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の回動工具。
- 前記辺面の山面は、前記工具中心から辺面までの距離を半径とする円弧面であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の回動工具。
- 前記角部のアール面取り中心を、前記工具中心までの距離が工具中心から辺面までの距離に等しく設定し、前記辺面の山面を、前記工具中心から前記辺面までの距離を半径とする円弧面に形成し、かつ各山面の有効範囲を20度に設定し、この山面の有効範囲の端部を通って山面と角部と接する円弧面で前記谷面を形成していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の回動工具。
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