JP3667905B2 - 紙葉類の記番号認識装置及び方法 - Google Patents

紙葉類の記番号認識装置及び方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙幣、小切手等の紙葉類の記番号(印刷時に連番として1枚ずつ異なるように付せられる番号)を正しく認識するための紙葉類の記番号認識装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常は紙幣1枚毎に異なる記番号が印刷されているが、偽造紙幣には同一の記番号が印刷され、大量に印刷されて広い地域で使用されることが多い。このため、偽造紙幣の記番号を記憶させておき、該当記番号を識別したときに迅速に通報することが望まれている。
【0003】
紙幣の金種文字を認識する装置として、例えば特開平1−281591号公報に示されるものがある。この公報に示された認識装置は、特定の金種文字を認識することによって紙幣の金種、表裏及び搬送方向を判別するような構成となっている。記番号の認識ではないために、偽造紙幣に対する充分な防御にはなり得ないものである。しかしながら、金種文字を含む領域の基準位置データと、該基準領域の密度分布データ及び外形データとを予め設定しておき、金種文字が収まるエリアにおいて文字認識を行っている。この認識方法は、先ずこのエリアのデータに対してフィルタを施すことによりデータの2値化を行い、2値化したデータに対して縦方向及び横方向の密度分布を作成することにより、文字認識を行うようになっている。金種文字を認識する場合には、「千」、「五」、「万」の文字を判別することができればよいが、紙幣が発行されるときに印刷される記番号を認識しようとすれば、アルファベット26文字及び10個の数字を識別する必要があり、上記の従来の方式或いは汎用の文字認識の方式では、認識精度が高く効率の良いものが得られなかった。即ち、印刷位置ずれ、文字の欠け等の変動に対して影響を受け、誤認識してしまう欠点がある。
【0004】
又、紙幣番号を記憶しておき、該当紙幣番号を検出することにより偽造紙幣を識別する装置として特開平4−107797号公報に示されるものがあり、紙幣番号を識別する認識装置として特開平7−192161号公報に示されるものがあるが、いずれも紙幣等に印刷してある記番号を認識する目的について記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
紙葉類の記番号を読取ることによって発行年度の古い券を分離して回収することができ、自動入金機であれば記番号を読取って記憶しておけば、誰がどの紙幣を入金したかを特定でき、偽造紙幣が発見されたときに入金者を特定することができる。更に、予め記番号が分っている紙幣が入金されたときに、その入金者を特定することによって、窃盗事件などの現金に絡む事件が発生したときの犯人特定にも役立つ。
【0006】
本発明は上述のような事情よりなされたものであり、本発明の目的は、印刷ズレの多い紙葉類(例えば米国のドル紙幣)に対しても、またズレ量が多いものであっても確実に記番号を認識することができる記番号認識装置を提供することにある。また、記番号認識を容易に学習させることができる方法を提供する。記番号を確実に認識することによって、偽造紙幣等に対して充分な防御を実現できる。紙葉類の種類及び搬送方向を決定した後に記番号の画像のある位置を探索して探索開始文字位置を決定し、その後順次記番号認識を行うことにより、精度よく記番号の文字認識を行い得る。さらに、多数枚の紙葉類に対して学習させることによって、紙葉類の位置ずれや文字の欠け等の変動に影響されない記番号の認識を実現できる。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、紙葉類の光学的イメージ画像データを処理して前記紙葉類の少なくとも種類及び方向を識別する紙葉類識別器における紙葉類の記番号を識別する記番号認識装置に関するもので、本発明の上記目的は、前記紙葉類の画像を読取る第1センサと、前記紙葉類の画像の中の記番号を読取る第2センサと、識別用のパラメータを格納する不揮発性メモリと、ROM及びRAMと協働して全体の制御を行うと共に、前記第1センサ及び第2センサの画像データ及び前記パラメータで前記紙葉類を識別する識別演算部とを設けることによって達成される。
【0008】
又、前記識別演算部にインタフェースを介して接続され、外部にインタフェースを備えた前記識別演算を学習する汎用のパーソナルコンピュータを設けることによって、より効果的に達成される。即ち、上記紙葉類の記番号認識装置において、前記第1センサによる画像データに基づいて搬送される紙葉類の種類及び方向が判明した後、前記画像データから予め設定してある金種及び方向によって異なる記番号の印刷文字探索領域の情報に基づき、前記第2センサによる画像領域内でx軸方向及びy軸方向に座標を変換すると共に、その都度類似度の計算を行うことにより記番号の印刷文字探索領域を特定し、定められた値以上の類似度が得られかつ識別されるべき全ての文字との類似度を計算し、第1番目の認識候補の文字と第2番目の類似度を持つ候補の文字との間で類似度に所定の差があるときに、前記第1番目の認識候補の文字を識別結果と決定するようにする。更に、前記紙葉類の番号文字を学習し、類似度を計算するに当り切り出された画像を所定のスレッショルドにより1及び−1からなる2値化を行って初回のウエイトマップとし、学習する画像毎に2値化した画素値と作成したウエイトマップの各画素分との符号を比較し、符号の異なる部分のみを加減算し、所定の評価値になるまで前記比較による加減算を繰り返し、既学習文字データの中から最も該当文字に類似した文字を第2候補として類似度を計算し、前記学習文字と前記第2候補との類似度差が所定値以上無い場合には、前記第2候補のウエイトマップと符号が異なる画素について差が多くなるように当該座標のウエイトを操作して学習するようにする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施例について詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明による記番号認識装置の一例を示しており、紙幣1は、発光ダイオードアレイ等で成る発光手段2と、反射光を受光するための受光手段としてのラインセンサ3及び4とを一体とした発受光モジュールの下面通路を搬送されるようになっている。ラインセンサ3及び4からのビデオ信号VSA1及びVSA2はそれぞれA/D変換器51及び52でデイジタルビデオ信号VSB1及びVSB2に変換されて画像処理判定部10に入力される。ラインセンサ3は金種識別用の画像を取込み、ラインセンサ4は記番号識別用の予め決められた領域の画像をより高解像度(例えば0.25mm×0.25mm/ドット)で取込むようになっている。尚、紙幣1と記番号との関係は図2で示すようになっており、紙幣1の複数個所に記番号1A,1Bが印字されており、ラインセンサ4が記番号(1A又は1B)を高解像度で取込むようになっている。画像処理判定部10の詳細は図3に示すようになっており、画像処理判定部10では、ビデオ信号VSB1及びVSB2がそれぞれFIFOメモリ111及び112に蓄積されると共に、DSP(Digital Signal Processor)100内の補正部101を経て順次メインメモリ12の選ばれた領域に転送されて書込まれる。メインメモリ12上には、紙幣1枚分の画像データが展開される。そして、この紙幣全面の画像データ及び他の真偽センサ8からのデータによって紙幣1の金種、方向、真偽の判定がなされる。また、記番号部分の画像データは、1A又は1Bの該当部分のみがメインメモリ(RAM)12に展開される。DSP100は、ROM110に格納されている制御プログラムの処理速度を上げるためにROM110からメインメモリ(ダブルバッファ)12に複写したものと協働し、FIFO(First−in First−out)メモリ111及び112、更には補正部101を経て入力されたビデオ信号VSB1及びVSB2のデジタル画像データに対して、斜行補正を行った後にブロック化及び圧縮符号化する斜行補正/ブロック化圧縮符号化部102と、判定結果DRを出力する比較判定制御部103と、斜行補正/ブロック化が行われた画像データBDに対して2値化を行う2値化部104と、記番号認識制御部105とを有している。DSP100はデュアルポートRAM17を介してパソコン40に接続されている。
【0011】
又、画像処理判定部10は、各種紙幣の基準符号パターン(識別対象の金種、方向、真偽判定用及び金種、方向に応じた探索領域のデータ)を格納している基準符号パターン用フラッシュメモリ(ROM)13を有し、基準符号パターンRCとメインメモリ12からの被識別紙幣のデータCSとを比較判定制御部103で比較して判定結果DRを出力し、デュアルポートRAM14を介して識別器を制御する識別器制御部20との間で通信を行う。尚、フラッシュメモリ13は電気的に書換えが可能な読出し専用メモリであり、メインメモリ12はダブルバッファとして機能し、画像データ用メモリ、作業領域用メモリ等を有するRAMである。記番号識別用のウエイトマップを記憶するために、記番号認識用/ウェイトマップ記憶用フラッシュメモリ16が用意されている。
【0012】
更に、画像処理判定部10には、発光手段2の点灯/点滅制御、紙幣搬送時にラインセンサ3の走査間隔を決定するためのロータリエンコーダ6のメカクロック信号ESを受けると共に、A/D変換器51,52の読出制御、FIFOメモリ111及び112のデータ書込制御を行い、ラインセンサ3及び4の読取制御タイミングRTを発生する読取制御部15を有しており、紙幣1の搬送路には、紙幣1の通過を検知する通過センサ7及び紙幣1の真偽を検知するための真偽センサ8が設置されている。通過センサ7からの通過信号PSは画像処理判定部10内の読取制御部15に入力されると共に、識別器制御部20に入力される。真偽センサ8からの検知信号もA/D変換器53を経て識別器制御部20に入力され、識別器制御部20は画像処理判定部10に接続されると共に、紙幣入金処理装置等の本体制御部30に接続されている。尚、図3では説明の便宜上、真偽の識別に使用する構成部分を省略してある。
【0013】
図4は、図1及び図3の画像処理判定部10内のDSP100の動作例を示すフローチャートであり、本体制御部30からのスタートコマンドの受信待ちをし(ステップS1)、スタートコマンドが受信されたときにラインセンサ3及び4の補正用初期値を読込む(ステップS2)。先ずラインセンサ3からのビデオ信号VSA1を補正するため、発光手段2を消灯した状態でラインセンサ3の出力を読取るといったいわゆる暗出力データである黒レベルデータを収集し、次に発光手段2を点灯する(ステップS3)。読取制御部15は本体制御部30にレディのレスポンスを返して後に発光手段2を点灯し、デュアルポートRAM14に識別準備完了レスポンスを書込み、割込みを発生して上位CPUに通知するといったレスポンスの送出を実行する(ステップS4)。そして、紙幣1が搬送されて来るのを待つことになる。通過センサ7に基づいて紙幣1の通過を判断し(ステップS5)、紙幣1の通過がない場合は終了コマンドの有無を判定し(ステップS6)、終了コマンドが有れば発光手段2を消灯して(ステップS7)終了となり、終了コマンドが無ければステップS5にリターンする。上記ステップS5において紙幣1の通過が検知されると、ラインセンサ3及び4からそれぞれA/D変換器51及び52を介して画像データを取込み(ステップS100)、金種識別を実行する(ステップS10)。金種識別の結果に従ってリジェクトすべき紙幣か否かを判断し(ステップS11)、リジェクト紙幣でない場合は、記番号認識処理を実行し(ステップS200)、金種識別及び記番号認識結果を比較判定制御部103より識別結果DRとして本体制御部30に送出する(ステップS13)。この送出はデュアルポートRAM14に結果を書込み、レスポンス割込みを発生して上位CPUに通知することによって行われる。そして、次の紙幣が搬送されて来るのを待つ。上記ステップS11でリジェクト紙幣と判断された場合には、比較判定制御部103より識別結果DRとしてリジェクトコードを送出する(ステップS12)。
【0014】
図5は、上記ステップS100における紙幣1枚のイメージ取込の詳細を動作例を示すフローチャートである。先ず、紙幣1の通過を通過センサ7が検知すると通過信号PSが読取制御部15に入力され、ラインセンサ3からのビデオ信号VSA2をA/D変換器52を介してアナログからデジタル値へ変換してFIFOメモリ111に書込む。その後、DSP100内の補正部101によって所定の補正を行ない、結果をメインメモリ12の一方のダブルバッファに書込む。ラインセンサ3からは、識別開始時に取込んで処理した黒レベルデータと、予め設定プログラムを実行することによってフラッシュメモリ13に書込んである白レベルデータ及び黒レベルデータとを用いて、補正部101で補正を実行しながら画像データの収集を行なう(ステップS101)。そして、紙幣1枚分のデータを取り終えると、メインメモリ12のダブルバッファを切換える(ステップS102)。この切換の許可は通過センサ割込みをイネーブルとすることによって実行され、これにより次の紙幣のデータ収集待機状態に入る(ステップS103)。処理速度を上げるために、画像データの取込中に認識処理ができる構成としている。次に斜行/寄せの補正を斜行補正/ブロック化圧縮符号部102で行う(ステップS104)。ここでは、紙幣全体の粗いイメージ画像と、記番号部分の解像度の高いイメージエリアについての画像データの補正を行う。これでデータ取込のサブルーチンは終了し、呼ばれた所に戻る。
【0015】
次に、上記ステップS200における記番号認識処理を図6のフローチャートを参照して説明する。ここで、本記番号識別は、文字位置の探索によって文字の印刷ずれがあっても識別可能であり、認識においては文字の自動ウエイト学習機能によって、類似文字の認識、欠け文字の認識を可能にしている。又、既に斜行/寄せの補正がされているので、金種識別部で発生している斜行、幅寄せの様な搬送状態の影響のない識別が可能である。
【0016】
先ず予め定められた領域の画素値の最大値及び最小値を求め、その中間値をスレッショルド値として2値化し(ステップS201)、第1文字探索開始位置として金種及び方向の情報により予め設定した探索位置(x,y)を設定する(ステップS202)。記番号の2値化は図7に示すように行われ、記番号の文字間隔は一定しているので間隔分だけx方向に座標を加えて文字探索を行う。そして、図8に示すアルゴリズムのように、各座標の値img(2値:−1,1(0は使用しない))に、学習によって決定されたウエイトWの積を各座標の値とし、その総和と全てのウエイトの絶対値の総和との比を、数1に従って求めて各番号の文字に対する類似度とする。そして、候補となる全文字について類似度を計算し、最大類似度χ1を持つ第1候補の文字を特定し、次の準最大類似度χ2を持つ第2類似度の第2候補の文字を特定する(ステップS203)。
【0017】
図8は認識しようとする文字のエリアにある画像データと、認識候補である各文字との間のウエイトWj,[i]の関係を説明する図である。即ち、数1にある類 似度χ[j]を求める際に使用するウエイトWは、識別結果となる文字との間に存 在し、各識別結果であるj番目の文字に対して画素番号iの全個数分存在することを示している。本実施例ではiは144個存在するので、1文字に対してウエイトの数は144個存在する。被識別対象文字の画素値img[i]がフラッシュメモリ16に書かれているウエイトWj,[i]を用いて類似度χjを計算するこ とを示している。
【0018】
【数1】
Figure 0003667905
更に、第1候補との類似度χ1の値が予め決定された値以上であり、第2候補との類似度χ2との差が予め決定された値以上であれば、該当番号として認識する。即ち、第1候補χ1が所定値θより大きいか否かを判断し(ステップS204)、所定値θより大きい場合は、第1候補χ1と第2候補χ2との差が所定値εより大きいか否かを判断し(ステップS205)、所定値εより大きい場合には認識結果(第1候補χ1の文字)を決定し(ステップS206)、その後に最終文字であったかをチェックし(ステップS215)、最終文字でなければ次文字位置の設定を行なって(ステップS216)、上記ステップS203にリターンする。上記ステップS205で所定値εよりも小さいかった場合には誤認識の可能性が高いので、認識不可の決定(ステップ214)にジャンプする。又、上記ステップS204において第1候補χ1が所定値θ以下の場合には、x,yを 変更して文字位置の探索を行なう。即ち、x軸方向に「+1」進め(ステップS210)、x座標が領域の右端に来たかをチェックし(ステップS211)、右端でなければステップS203にリターンし、右端であればy軸方向に「+1」進んでx軸の値を初期値に戻す(ステップS212)。ここで、yが最大値になっていなければ(ステップS213)ステップS203にリターンし、類似度の計算評価を繰り返す。又、yが最大値であれば(ステップS213)認識不可の決定をする(ステップS214)。この様に予め決定した探索範囲であるか否かを判断し、yが最大値の範囲内であれば上記ステップS203にリターンし、範囲外の場合には認識不可を決定し(ステップS214)、認識最終文字か否かを判断し(ステップS215)、認識最終文字の場合にはリターンとなり、そうでない場合は上記ステップS216にスキップする。
【0019】
次に、外部にパーソナルコンピュータを利用した記番号学習処理を、図9のフローチャート及び図10のフローチャートを参照して説明する。
【0020】
先ず、図9の処理では記番号認識のウエイトを自動的に学習するが、記番号識別装置より出力された2値化(−1或いは1)された記番号画像に対して以下のように学習し、ウエイトマップを学習によって得る。記番号ナンバーjの文字を学習するとし、iは各画像画素位置を示し、本例では「1」から「144」まであり(図7参照)、img[i]は2値化された画素i番目の値を示す。下記アルゴリズムによって複数画像の学習を繰り返し実行すると、文字画像の欠落、欠落無し等の変動が多く発生する画素のウエイトは小さくなり、変動のない画素のウエイトは大きな値となる(文字の常にある画素のウエイトはプラス方向に数字が大きくなり、文字の常に無い画素のウエイトはマイナス方向に数字が大きくなる)。その結果、欠け文字であっても認識が可能となる。即ち、欠け文字となる画素の部分のウエイトは小さいので影響を受けないようになるのである。又、類似文字(第2候補)の認識は、画素値(2値)に対して符号の異なる画素(特徴画素)はウエイトが大きくなり、その結果類似度差が大きく取れるので類似文字の認識が可能となる。
【0021】
最初に学習モードを外部から設定するが、図1及び図3に示すようにパソコン40を接続した時点に、パソコン40からの指示により学習モードに入力するようにしてよい。先ず、処理を開始するか否かのトリガとなるスタートコマンドを待ち(ステップS401)、スタートコマンドを受信するとラインセンサ3及び4により初期データを読出して記憶し(ステップS402)、発光手段2を点灯する(ステップS403)。こうして準備ができればレスポンスを返送し(ステップS404)、これで紙幣1を搬送しても良い状態になる。紙幣の到来を待ち(ステップS405)、紙幣が来れば紙幣1枚分の画像データをメインメモリ12に取込み(ステップS100)、記番号の学習に当たり先行して金種方向の識別を行う(ステップS410)。特に金種識別については説明しないが、従来の公知技術によって十分に金種識別は可能である。金種識別の結果、金種識別結果が不明であればリジェクトコードの送出を行ってリジェクトを行い(ステップS411,S412)、リジェクトでない場合は記番号部画像データ識別結果の送出を行い(ステップS413)、更に金種識別結果/記番号部画像データの送出を行い(ステップS414)、発光手段2を消灯する(ステップS415)。その後パソコン40からのスタートコマンド待ちとなる(ステップS401)。
【0022】
その後、採取した紙幣の画像データを基に記番号の学習をパソコン40側で開始する。図10のフローチャートを参考にして説明する。
【0023】
画像img[i]を2値化し(ステップS301)、パソコン40より手動で上記ステップS400で採取した学習用文字番号jとその文字位置を選択して入力されたものの該当データを読込み(ステップS302)、初めての学習か否かを判断し(ステップS303)、初めての学習であればウエイトWj,[i]( iは1〜144までの画素位置、jは文字の番号を示すので、上記ステップS302で指定された文字番号jにつき文字番号jのウエイトを144番地分クリアする)をクリアし(ステップS304)、初めての学習でなければフラッシュメモリ16よりウエイトWj,[i]を読込み(ステップS305)、図11のよ うにウエイトの更新を行う画素座標iにおいて、文字部分の座標であればウエイト値に「+1」し、非文字の画素であればウエイト値を「−1」する(ステップS306)。図11(A)は第1回目の文字“5”の学習を示し、第1回目では画素[i]は左図の画像データを基に、文字有りのimg[i]は「1」となり、文字無しのimg[i]は「−1」となる。図11(B)は第2回目の文字“5”の学習を示しており、左図の一部欠け部分の画像データが学習されると、文字有りの座標iではW33,[i]=W33,[i]+img[i]=W33,[i]+1となり、文字無しの座標iではW33,[i]=W33,[i]+img[i]=W33,[i」−1となる。
【0024】
そして、前記数1により学習対象文字の類似度χjを計算し(ステップS307)、予め決定した値をスレッショルドθとし、類似度χjがスレッショルドθより小さいか否かを判断し(ステップS310)、スレッショルドθよりも小さければステップS311に進む。
【0025】
ステップS311にて、学習対象文字の現在の学習ウエイトと符号の異なるウエイト座標(sign(img[i])≠sign(Wj,[i])となる座標iのウエイト)をdif Wj,[i]とし、これが存在するか否か、つまりWj,[i] ≧0となるか否かを判断し(ステップS312)、存在しなければ、下記数2又は数3に従ってウエイトを更新する。
【0026】
【数2】
if(χj<θ)∧if(dif Wj,[i]≦0):dif W[i],j +1;
そして、類似度χjがスレッショルドθより小さい場合(ステップS310でYesの場合)、ステップS312で該当座標iのウエイトWj,[i]が負又は0 であれば、「1」を加えて新しいウエイトWj,[i]とする(ステップS314) 。
【0027】
【数3】
if(χj<θ)∧if(dif Wj,[i]>0):dif W[i],j −1;
逆に類似度χjがスレッショルドθより小さく(ステップS310でYesの場合)、ステップS312で該当座標iのウエイトWj,[i]が正であれば、「1」 を減算して新しいウエイトWj,[i]とする(ステップ313)。
【0028】
【数4】
if(χj≧θ):end
そして、類似度χjを計算し(ステップS307)、類似度χjがスレッショルドθより大きくなった場合には(ステップS310)、ループを終了する(数4)。
【0029】
一部重複するが、上記数2,数3によるウエイトの更新は図12に示すようであり、第n回目学習対象文字の類似度χjはχj<θとなり、更新後を示す下段の図中の斜線部が更新されたウエイトを示している。即ち、図12(B)の斜線部が同図(A)で更新前のウエイトの符号と異なっている部分で、0に近づくように斜線部のウエイトのみを操作する。このような更新を符号の異なる画素iについてだけ実行し(ステップS311)、ウエイトWj,[i]が正か否かを判断 し(ステップS312)、正の場合にはウエイトをWj,[i]−1(旧ウエイト 値−1)に更新し(ステップS313)、負又は0の場合にはウエイトをWj,[ i]+1(旧ウエイト値+1)に更新する(ステップS314)。
【0030】
一方、上記ステップS310において類似度χjがスレッショルドθ以上の場合には、数1で学習対象文字の類似度をχjとし、学習対象以外の文字の中で最も類似度の大きな文字番号をj2、この類似度をχj2とし、文字番号jに最も類似した文字の類似度χj2を計算し(ステップS320)、類似度χj及びχj2の差が予め決められた所定値α以下であるか否かを判断する(ステップS321)。そして、上記差が所定値α以下の場合には、下記数5に従ってウエイトを更新する。ウエイト更新は、図13を図14のように行うことによって実行される。文字番号jの文字と文字番号j2の文字のイメージ座標iにおいて、符号の異なるウエイト座標をdif iとした場合に、条件(χj−χj2)≦αの場合には、下記数5を実行する。
【0031】
【数5】
if(W[dif i],j≧0):W[dif i],j+1;
if(W[dif i],j<0):W[dif i],j−1;
即ち、ステップS321において差が所定値α以下の場合には、符号の異なるiのみに対して実行し(ステップS322)、 Wj,[i]の符号を判断して(ステップS323)、Wj,[i]が正であればWj,[i]+1に更新し(ステップS324)、Wj,[i]が負であればWj,[i]−1に更新する(ステップS325)。その後、終了コマンドの有無を判断し(ステップS330)、無ければ上記ステップS302にリターンし、終了コマンドが有ればフラッシュメモリ16に学習したウエイトを書込むことにより学習は終了する(ステップS331)。
【0032】
フラッシュメモリ16へのウエイトWj,[i]の書込みは,図15に示すよ うにして別途パソコン40からの書込コマンド(ステップS500)により識別器側で書込みが行われる(ステップS501、S502)。学習後の“5”のウエイトマップは図16(A)のようになり、学習後の文字“6”のウエイトマップは同図(B)のようになる。この詳細を図17に示すが、これは、文字“5”と文字“6”、文字“C”と文字“G”といったような似た文字同志の識別度を上げる為に、識別するための特徴点を故意に強調するためにウエイトを大きくしているのである。図17の矢印部は“6”と区別する点なのでウエイトを大きくしている。又、図18は文字“C”の説明をするものであって、文字“G”と区別をつけるために矢印部のウエイトを大きくととってある。更に、周辺部での斜線部は画像により欠けたり欠けなかったりすることがあるために、ウエイトを小さくしている。
【0033】
【発明の効果】
本発明の記番号認識装置によれば、紙葉類の搬送状態に影響のない高速記番号認識が可能であり、記番号文字の探索により文字の位置ズレ、印刷ズレの変動に対しても、また,ウエイトの学習機能によって文字欠け等による変動に対しても影響の少ない認識が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示すブロック図である。
【図2】紙幣と記番号の関係を示す図である。
【図3】本発明における画像処理判定部の詳細を示すブロック図である。
【図4】本発明の全体的動作例を示すフローチャートである。
【図5】識別処理においてデータ取込の詳細な動作例を示すフローチャートである。
【図6】本発明による記番号認識の動作例を示すフローチャートである。
【図7】2値化文字の座標例を示す図である。
【図8】本発明による記番号識別の画素の座標値と、被識別文字とウエイトWijとの関係を示す図である。
【図9】記番号識別の学習動作例を示すフローチャートである。
【図10】パソコンにおける学習動作例を示すフローチャートである。
【図11】初回の学習における更新条件なしでのウエイトの更新を説明するための図である。
【図12】類似度が所定値以下の場合のウエイトの更新を説明するための図である。
【図13】最大類似度及び第2類似度が所定値以下の場合のウエイトの更新を説明するための図である。
【図14】最大類似度及び第2類似度が所定値以下の場合のウエイトの更新を説明するための図である。
【図15】パソコンによるフラッシュメモリへの書込み動作例を示すフローチャートである。
【図16】文字“5”及び“6”の学習後のウエイトマップの例を示す図である。
【図17】文字“5”を例にした学習によるウエイトマップの効果を示す図である。
【図18】文字“6”を例にした学習によるウエイトマップの効果を示す図である。
【符号の説明】
1 紙幣
2 発光手段
3,4 ラインセンサ
7 通過センサ
8 真偽センサ
10 画像処理判定部
20 識別器制御部
30 本体制御部

Claims (3)

  1. 紙葉類の光学的イメージ画像データを処理して前記紙葉類の少なくとも種類及び方向を識別する紙葉類識別器において、前記紙葉類の画像を読取る第1センサと、前記紙葉類の画像の中の記番号を読取る前記第1のセンサよりも解像度の高い第2センサと、識別用のパラメータを格納する不揮発性メモリと、ROM及びRAMと協働して全体の制御を行うと共に、前記第1センサ及び第2センサの画像データ及び前記パラメータで前記紙葉類を識別する識別演算部とを備え、前記紙葉類の記番号を識別するようにしたことを特徴とする紙葉類の記番号認識装置。
  2. 請求項1に記載の紙葉類の記番号認識装置において、前記第1センサによる画像データに基づいて搬送される紙葉類の種類及び方向が判明した後、前記画像データから予め設定してある金種及び方向によって異なる記番号の印刷文字探索領域の情報に基づき、前記第2センサによる画像領域内でx軸方向及びy軸方向に座標を変換すると共に、その都度類似度の計算を行うことにより記番号の印刷文字探索領域を特定し、定められた値以上の類似度が得られかつ識別されるべき全ての文字との類似度を計算し、第1番目の認識候補の文字と第2番目の類似度を持つ候補の文字との間で類似度に所定の差があるときに、前記第1番目の認識候補の文字を識別結果と決定するようにしたことを特徴とする紙葉類の記番号認識方法。
  3. 前記紙葉類の番号文字を学習し、類似度を計算するに当り切り出された画像を所定のスレッショルドにより1及び−1からなる2値化を行って初回のウエイトマップとし、学習する画像毎に2値化した画素値と作成したウエイトマップの各画素分との符号を比較し、符号の異なる部分のみを加減算し、所定の評価値になるまで前記比較による加減算を繰り返し、既学習文字データの中から最も該当文字に類似した文字を第2候補として類似度を計算し、前記学習文字と前記第2候補との類似度差が所定値以上無い場合には、前記第2候補のウエイトマップと符号が異なる画素について差が多くなるように当該座標のウエイトを操作して学習するようにしたことを特徴とする紙葉類の記番号認識における学習方法。
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