JP3667481B2 - 直交変換符号化用適応量子化方式 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビ信号をディジタル化しその予測誤差信号を量子化してデータ圧縮符号化して伝送する予測符号化方式及び画像信号を直交変換して符号化する直交変換方式に関し、特に、予測誤差信号を直交変換してから量子化を行って符号化伝送する装置に用いられる量子化方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、差分符号化(予測符号化)と直交変換符号化とを組み合わせた符号化方式(予測誤差直交変換符号化方式)として、例えば、図3に示すものが知られていおり、予測誤差信号を直交変換して変換信号を量子化して符号化伝送する代表的な方式の一例として、例えば、TTC標準JT−H261(社団法人電信電話技術委員会発行)がある。
【0003】
図3を参照して、図示の方式では、減算器31において、8ビットの画像信号と8ビットの動き補償フレーム間予測信号との減算を行って、9ビットの差分信号(予測誤差信号)を求める。そして、直交変換器32において差分信号に対して8×8のブロックでDCT(離散コサイン変換)による直交変換を行い、64種の12ビットの変換係数を求める。量子化器33において、これら変換係数に対して予め定められた量子化特性(最大12ビットのダイナミックレンジで範囲は−2048〜2047)で量子化を行って、量子化された変換係数を符号化変換器34で符号変換して伝送する。
【0004】
量子化変換係数は逆直交変換器35にも与えられ、ここで逆直交変換される。逆直交変換器35の出力は加算器36で予測信号と加算され、予測器37に与えられる。そして、予測器37では上述の8ビットの動き補償フレーム間予測信号を出力する。
【0005】
一方、従来の予測符号化用適応量子化方式として例えば、図4に示すものが知られている。
【0006】
図4を参照して、8ビットの入力信号は減算器41及び適応量子化器42に供給され、減算器41では8ビットのモジュロー演算で入力信号から予測信号を減算して8ビットの予測誤差信号を求める。適応量子化器42は、9ビットでなく1ビット小さい8ビットのダイナミックレンジの量子化特性を有し、予測誤差信号を量子化して仮の量子化出力を得るとともに量子化雑音と入力信号とを加算した仮の局部復号信号を求めてこの値が8ビットのダイナミックレンジを上又は下に越えるかを判定して、上(下)に越える場合には、仮の量子化出力より1つ下(上)の量子化レベルを選択して量子化出力として出力する。この量子化出力は符号化変換器43で符号変換されて伝送される。
【0007】
量子化出力は加算器44にも与えられ、ここで予測信号と加算される。そして、加算器44の出力は予測器45に与えられ、予測器45では予測信号を出力する。
【0008】
なお、他の量子化手法として、例えば、入力信号に対して最大量子化雑音の大きさだけリミッタで振幅の上下を予め振幅制限して、1ビット少ないダイナミックレンジの量子化特性で量子化を行う手法が知られている。つまり、この手法は所謂折り返し量子化として知られており、入力信号がリミッタで振幅制限されるという点はあるものの、量子化器において特別な判定を行う必要がない。即ち、通常の量子化器と同様の機能を持てばよく、入力信号を振幅制限するリミッタは必要であるが、図4に示す適応量子化方式よも簡単な構成とすることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、同等の画像品質を保ちつつ量子化特性のダイナミックレンジを1ビット小さくした量子化器を用いて符号化伝送ビットレートを少なくできるようにするため、予測誤差直交変換符号化方式に用いられる量子化器に予測符号化用適応量子化器を適用しようとしても、前述のように、予測誤差直交変換符号化方式においては、8×8のブロックごとに予測誤差の変換符号化が行われ、量子化器の前/後で直交変換/逆直交変換が行われている。このため、ブロック毎に復号される64の画素の仮の局部復号信号は各々1画素がそれぞれ64の変換係数の量子化雑音の影響を受けて、64の各量子化雑音を変換係数で重み付け加算した値の量子化雑音の影響を受けることになる。従って、局部復号信号がダイナミックレンジを越えることになる。
【0010】
そして、いずれの変換係数の量子化雑音の影響でダイナミックレンジを越えているかを判定することは簡単には行えず、例えば、単純な総当たり方法として、64の変換係数を、仮に量子化を1つずらしてあたればよいが、1つの係数の影響とは限らず、総当たりの計算が膨大な量になって、リアルタイムで処理を行うことが難しい。
【0011】
また、予測符号化用適応量子化方式では、仮の局部復号信号を求めてダイナミックレンジを越えるか否かを判定して適応量子化するため、回路規模が大きくなり、直交変換符号化で64種類の変換係数の量子化をすべて適応量子化で行うとすると、装置の規模が大きくなるという問題点がある。
【0012】
本発明の目的は、予測誤差直交変換符号化の量子化器に適応量子化器を応用して装置規模が大きくならないようにするとともにダイナミックレンジが従来より1ビット小さい量子化特性で過負荷雑音の劣化が無く従来の量子化と同等の画質の画像を符号化でき、しかも、従来に比べて少ない量子化レベル数(割り当てビット数:つまり、少ない符号化伝送ビット数)で伝送が行える量子化方式を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明では、時間軸領域での仮の局部復号信号を用いて判定するのではなく、変換係数の領域での仮の局部復号信号を用いて判定を行うように変換を行う。つまり、予測誤差直交変換符号化方式の直交変換器と逆直交変換器の位置を等価変換により移動すると、入力信号をはじめに直交変換して変換係数を得た後に各変換係数に対して予測符号化を行う構成とすることができる。これによって、変換係数を予測符号化する部分の量子化器にダイナミックレンジを1ビット小さくできる適応量子化器を用いる構成とする。
【0014】
8ビットの大きさの入力信号は8×8のDCTで直交変換され、これによって、大きさが11ビットの64種類の変換係数が得られる。各変換係数はモジュロー演算の減算器で変換係数の予測信号と減算され、11ビットの差分信号となる。11ビットのダイナミックレンジを有する量子化特性を用いて変換係数の仮の局部復号信号が11ビットのダイナミックレンジを越えるかを判定して適応量子化を行う。
【0015】
64種類の変換係数にすべて適応量子化を適用すると回路規模が大きくなるので、これを改善するために、変換係数の振幅の大きさの統計的性質を利用する。つまり、TV信号は空間的及び時間的に相関が強いため、画像信号の周波数成分は低域が大きく高域ほど少なくなる。テレビ信号を符号化する場合には、この相関を利用するが、予測符号化等の符号化を行っても予測誤差信号にはまだこの相関が残っており、統計的には低域成分の振幅は大きく、高域成分の振幅は小さくなる。
【0016】
このことから、低域成分の振幅の大きい変換係数は適応量子化の手法で量子化を行う。一方、高域成分の振幅の小さい変換係数はリミッタで上下を振幅制限しても変換係数のダイナミックレンジに影響することがほとんど生じないので、高域成分は画質を劣化すること無く回路規模が簡単になる折り返し量子化を用い、回路規模の小型化を図る。
【0017】
本発明の構成によれば、従来より1ビット少ないダイナミックレンジの量子化特性で予測誤差信号の変換信号を量子化して符号化伝送でき、再生画像は過負荷が起こらず従来と同一の画像を復号できることになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明について図面を参照して説明する。
【0019】
図1を参照して、8ビットのディジタル入力信号X(−128〜127)は、直交変換器1に供給され、「8サンプル」×「8ライン」の64画素(X11〜X88)を1ブロックとしてブロック毎に直交変換して、64種類の変換係数(Xt 11〜Xt 88)を出力する。これら変換係数は11ビットのダイナミックレンジを有し、分離器2において、変換係数は変換ベクトルの周波数成分によって低域成分の変換係数と高域成分の変換係数との2つのグループに分けられ、低域変換係数は減算器4と適応量子化器6へ供給され、高域変換係数はリミッタ3へ供給される。
【0020】
リミッタ3は予め定められた特性に従って変換信号の振幅の上下を振幅制限して減算器5へ供給する。
【0021】
直交変換器13は直交変換器1と同一の機能を有し、予測器12から出力される予測信号Pを64画素のブロック毎に直交変換して11ビットのダイナミックレンジを有する64種類の変換予測信号Pt を出力する。そして、これら変換予測信号Pt は加算器10へ供給されるとともに分離器14において低域変換係数と高域変換係数との2つのグループに分けられる。低域の変換予測信号は減算器4へ供給され、高域の変換予測信号は減算器5へ供給される。
【0022】
減算器4はブロック毎に入力の各低域変換係数から各低域変換予測信号を11ビットのモジュロー演算で減算して11ビットの各低域変換差分信号Et を出力し適応量子化器6へ供給する。
【0023】
減算器5はブロック毎に入力の各高域変換係数から各高域変換予測信号を11ビットのモジュロー演算で減算して11ビットの各高域変換差分信号を出力し量子化器7へ供給する。
【0024】
各減算器4及び5から出力される差分変換係数信号Et のダイナミックレンジは入力変換係数信号Xt と同一の11ビットのダイナミックレンジを有し、差分変換係数信号を量子化する適応量子化器6及び量子化器7のダイナミックレンジも同様に11ビットでよく、従来の12ビットより1ビット少ない。
【0025】
減算器4及び5から出力される差分変換係数信号Et はそれぞれ適応量子化器6及び量子化器7へ供給され、差分変換係数信号をブロック毎に各変換係数に対応した各々の量子化特性で量子化してそれぞれ量子化出力Qt を出力する。
【0026】
適応量子化器6は11ビットのダイナミックレンジの量子化特性を有し、予め定められた量子化特性に従って低域差分変換信号Et を量子化して対応する量子化レベルを仮の量子化出力Qt として出力するとともに1つ上の量子化レベルQ+ と1つ下の量子化レベルQ- を合わせて出力する。そして、適応量子化器6では、仮の量子化出力Qt から低域差分変換信号Et を減算して量子化誤差信号Nt (=Qt −Et )を求め、入力変換信号Xt と加算して、仮の局部復号変換信号Yt (=Pt +Qt =Xt +Nt )を求める。さらに、適応量子化器6では、仮の局部復号変換信号が11ビットのダイナミックレンジ内に有るかを判定して、範囲内の場合には、仮の量子化出力Qt を真の量子化出力として出力し、オーバフローする際には、1つ下の量子化レベルを選択して真の量子化出力としする。一方、アンダーフローする際には、1つ上の量子化レベルを選択して真の量子化出力し合成器8へ供給する。
【0027】
量子化器7は11ビットのダイナミックレンジの量子化特性を有し、予め定められた量子化特性に従って高域差分変換信号を量子化して高域のグループの量子化出力を出力し、合成器8へ供給する。
【0028】
合成器8では低域と高域を合わせて、1ブロックの変換量子化出力を得て符号変換器9と加算器10とに供給する。符号変換器9は量子化出力の各レベルを他の情報ととともに伝送のための符号にブロック毎に符号変換して伝送路に送り出す。
【0029】
加算器10は量子化出力Qt と予測変換係数Pt とをモジュロー加算して11ビットの局部復号変換係数Yt を得る。局部復号変換係数信号のダイナミックレンジは入力変換係数信号Xt のダイナミックレンジと同様に11ビットである。
【0030】
逆直交変換器11は直交変換器1の直交変換特性の逆変換特性を有し、ブロック毎に局部復号変換信号を逆変換して局部復号信号Yを出力する。局部復号信号Yは直交変換の演算誤差でのオーバフローを抑えるためクリッピングを行い入力信号と同一の8ビットのダイナミックレンジに振幅制限されて、予測器12へ供給される。
【0031】
予測器12は予測特性に従って局部復号信号から次の予測信号をブロック毎に求めて出力する。予測器12は動き補償予測を行う機能を有し、ブロック毎に、次の入力ブロックに対してマッチング法で最適な動きベクトルを求めて、動き補正した予測信号を出力する。動きベクトルは量子化出力信号ととともに符号化して受信側に送られる。
【0032】
なお、局部復号変換信号を逆直交変換しないで予測を行うことも考えられるが、この場合には、変換係数のドメインでは信号が変換されているので効率の良い予測が行えない。
【0033】
直交変換器13は直交変換器1と同一の機能を有し、離散コサイン変換DCTにより8サンプル×8ラインの画素を1ブロックとしてコサイン変換を行い、11ビットの予測変換係数Pt を出力して、分離器14と加算器10とに供給する。
【0034】
次に、直交変換器1及び13の変換特性について説明する。
【0035】
8行8列のDCT変換では、8×8の1次元の変換に分離可能な2次元離散コサイン変換を行う。8行8列の1ブロックの信号をf(x,y) (X11〜X88に相当)、8行8列の変換出力係数をF(u,v) (Xt 11〜Xt 88に相当)とすると、変換出力F(u,v) はTTC標準JT−H261に示される数1で与えられるものを用いる。
【0036】
【数1】
なお、変換されるブロックに対して、x=0はブロックの左端、y=0はブロックの上端にそれぞれ対応する。
【0037】
なお、逆直交変換器6が有する逆変換特性は数2の様になる。
【0038】
【数2】
この変換を行うと、変換係数Fは3ビットダイナミックレンジが広がった信号となる。つまり、信号fが8ビットの場合、変換係数Fは11ビットのダイナミックレンジとなる。従来の差分符号化では、8ビットの入力信号Xから8ビットの予測信号Pを演算して求めた差分信号Eは9ビットであるので、9ビットの差分信号を直交変換した変換係数は12ビットのダイナミックレンジとなる。言い替えると、従来例では、差分変換係数は12ビットのダイナミックレンジとなり、この変換係数を量子化するには量子化特性は12ビットのダイナミックレンジが必要となる。
【0039】
一方、本発明では、8ビットの信号を直交変換した11ビットの変換係数をモジュロー減算した11ビットの差分変換係数信号Et を量子化すればよく、量子化特性のダイナミックレンジは従来に比べて半分の(1ビット少ない)11ビットのレンジで済むことになる。
【0040】
次に、適応量子化器の具体例について図2を参照して説明する。
【0041】
適応量子化器6の入力端26へ入力された11ビット(−1024〜1023)の差分変換信号Et は量子化器21と減算器22とに供給される。量子化器21は11ビットのダイナミックレンジを有し予め定められた量子化特性に従って入力信号を量子化し、所定のレベルに量子化された11ビットの量子化出力を出力する。さらに、量子化器11は量子化出力Qより1つ上の量子化ベルの信号Q+ と量子化出力Qより1つ下の量子化レベルの信号Q- もあわせて出力し切替え器23へ供給する。
【0042】
減算器22は量子化出力Qから入力信号Et を減算して量子化により加算された量子化雑音Nを求め加算器24へ供給する。加算器24は入力端27から入力された入力信号Xt と量子化雑音Nとを加算して12ビットの仮の局部復号変換信号Yt を求める。
【0043】
判定回路25は仮の局部復号変換信号が11ビットのダイナミックレンジの範囲内かまた範囲を越えてオーバフローしているかあるいはアンダーフローしているかを判定して、判定結果に応じて切替え制御信号を切替え器23に供給する。判定は上位2ビットの状態を見て判定することができる。上位2ビットが“01”であればオーバフロー、“10”であればアンダーフロー、“00”又は“11”であれば11ビットのダイナミックレンジ(−1024〜1023)の範囲であることがわかる。
【0044】
切替え器23は、切り換え制御信号に応じて仮の局部復号変換信号Yt がオーバフローする場合には、Q- の量子化レベルを選択し、アンダーフローする場合には、Q+ の量子化レベルを選択する。そして、レンジ内の場合には、Qの量子化レベルを選択して出力端28へ出力する。
【0045】
量子化特性を座標(E,Q)で表して、EiB〜EiTの範囲の際、量子化入力に対してQi の量子化レベルを出力するとしたとき、量子化器21の量子化特性は、(Qi ,Qi )を満たす点が必ず存在する量子化特性を有する。言い替えると、ある量子化レベルの左端EiBはQ=Eの直線より上に、右端EiTはQ=Eの直線より下になる。
【0046】
量子化器11がこのような量子化特性を有するとき、入出力変換特性は、入力信号Ei が{EiB〜EiT)の範囲の信号であると、Qi の量子化レベルを出力する。この際、量子化雑音(Qi −Ei )は正又は負の値で、入力がEiB〜Qi の範囲では正の量子化雑音、Qi 〜EiTの範囲では負の量子化雑音になる。
【0047】
ところが、Ei が{EiB〜EiT)の範囲に有る際、強制的に1つ上の量子化レベルを出力すると、前述の量子化特性の特性より量子化雑音は必ず正の値となる。同様に強制的に1つ下のレベルを出力すると量子化雑音は必ず負の値となる。
【0048】
このことより、局部復号信号Y(=X+N)がオーバフローする時には、1つ下の量子化レベルを出力すれば、量子化雑音Nは負の値であるので、局部復号信号はY=X+N≦Xとなりオーバフローはしなくなる。一方、アンダーフローする時には、1つ上の量子化レベルを出力すれば、量子化雑音は正の値であるので、局部復号信号はY=X+N≧Xとなりアンダーフローはしなくなる。
【0049】
前述のように、予測符号化の加減算にはモジュロー演算が用いられているから、量子化レベルが最上位の時の1つ上の量子化レベルは最下位の量子化レベルとなる。量子化レベルが最下位の時の1つ下の量子化レベルは最上位の量子化レベルとなる。
【0050】
量子化器11の量子化特性は、64の変換係数の各信号に対して各々定めることができる。変換信号の内低域成分は統計的に振幅が大きくなると期待されるのでレベル数を多く割り当て、11ビットの範囲を全てカバーした量子化特性を用いる。高域成分は統計的に振幅が小さく発生頻度も少ないと期待されるので、低域成分に比べてレベル数は少なく配分し、量子化特性の最大量子化レベルの振幅は小さく最小量子化レベルも粗くする。
【0051】
各量子化特性は、予測誤差変換信号は頻度分布が0に集中するので、振幅が小さいところは細かく量子化し振幅が大きいところは粗く量子化する特性を有する。上述のような量子化特性を用いると、統計的に平均の量子化雑音を低くすることができる。
【0052】
各量子化レベルを可変長符号化(エントロピー符号化)する場合に、各レベルの発生頻度応じた可変長符号が用いられると、レベル数が多くなっても効率的な符号化が可能であるが、量子化レベル数の制限は、シーンチェンジで情報が多く発生して情報の発生が多すぎる時に効率的な符号化を行うときに必要となる。
【0053】
再び図1を参照して、折り返しの量子化に付いて説明する。
【0054】
量子化器7は折り返し量子化を行うが、量子化器7は11ビットのダイナミックレンジ(−1024〜1023)を有し、最大量子化雑音の大きさがQmax の量子化特性を有する。この場合、最大量子化雑音がQmax であるので、リミッタ3では、変換信号At を−1024+Qmax から1023−Qmax の範囲に振幅制限して出力する。量子化器7で高域変換差信号を量子化した時に加わる量子化雑音は最大でもQmax で有るため、局部復号信号Yは変換信号At に量子化雑音Nが加算された値となるが、局部復号信号は必ず11ビットのダイナミックレンジ(−1024〜1023)に入ることになる。即ち、11ビットのダイナミックレンジで符号化の処理を行うことができる。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、量子化器のダイナミックレンジが従来に比べて半分の量子化特性を用いて量子化を行うことができ、効率的な符号化伝送を行うことができる。
【0056】
さらに、本発明では、予測符号化方式の予測差分信号を直交変換し変換係数を量子化して符号化伝送する直交変換符号化装置において、少ないビット数で量子化特性のダイナミックレンジを改善して過渡応答特性を良好にすることができる。
【0057】
加えて、本発明では、直交変換した変換係数を予測差分符号化した信号を量子化する際、低域成分に対しては変換係数の差分信号を適応的に量子化し、高域成分に対しては予め最大量子化雑音の大きさだけ振幅制限を行うようにしたから、量子化特性のダイナミックレンジを従来の12ビットに対して半分の11ビットのダイナミックレンジの量子化特性にすることができる。この結果、量子化出力を符号化するビット数が少なくでき、効率よく符号化伝送することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による直交変換符号化用適応量子化方式の一例を説明するためのブロック図である。
【図2】図1に示す適応量子化器を具体的に説明するためのブロック図である。
【図3】従来のフレーム間予測直交変換符号化方式の構成を示すブロック図である。
【図4】従来の適応量子化を用いたDPCM(予測符号化)方式の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,13 直交変換器
2,14 分離器
3 リミッタ
4,5,22 減算器
6 適応量子化器
7,21 量子化器
8 合成器
9 符号変換器
10,24 加算器
11 逆直交変換器
12 予測器
23 切替器
25 判定回路
Claims (2)
- 入力信号をブロック毎に直交変換して得られる入力変換信号と、復号信号から求めた予測信号を直交変換して得られる予測信号変換信号との減算により得られた差分変換信号を量子化して符号化伝送すると共に、量子化された差分変換信号と予測信号変換信号を加算した信号を逆直交変換して復号信号を得る直交変換符号化方式において、
入力変換信号を低域と高域のグループに分けて低域変換信号と高域変換信号を出力する手段と、予測信号変換信号を低域と高域に分けて低域予測信号変換信号と高域予測信号変換信号を出力する手段と、前記低域変換信号と低域予測信号変換信号とを減算して低域差分変換信号を得る減算手段と、
前記低域変換信号と同じダイナミックレンジの量子化特性を有し、前記低域差分変換信号の量子化により発生する量子化雑音に前記低域変換信号を加算して求められる仮の局部復号信号がオーバーフロー又はアンダーフローしないように制御することによって前記低域差分変換信号を適応量子化して低域量子化出力を得る適応量子化手段と、
高域差分変換信号を量子化する量子化特性が有する最大量子化雑音の大きさだけ前記高域変換信号の振幅の上下を制限する振幅制限手段と、
前記振幅制限手段から出力される高域変換信号と高域予測信号変換信号とを減算して前記高域差分変換信号を得る減算手段と、
前記高域変換信号と同じダイナミックレンジの量子化特性を有し、前記高域差分変換信号を量子化して高域量子化出力を得る量子化手段と、
前記低域量子化出力と前記高域量子化出力とを合わせたブロック毎の量子化した差分変換信号を得る手段と、を備えた事を特徴とする直交変換符号化用適応量子化方式。 - 入力信号をブロック毎に直交変換して得られる入力変換信号と、復号信号から求めた予測信号を直交変換して得られる予測信号変換信号との減算により得られた差分変換信号を量子化して符号化伝送すると共に、量子化された差分変換信号と予測信号変換信号を加算した信号を逆直交変換して復号信号を得る直交変換符号化方式において、
前記ブロック毎の変換信号を低域と高域との2つのグループに分けて低域変換信号及び高域変換信号とするとともに、高域差分変換信号を量子化する量子化特性が有する最大量子化雑音の大きさだけ前記高域変換信号の振幅の上下を制限して振幅制限高域変換信号とする第1の手段と、
前記低域変換信号から低域変換予測信号をモジュロー演算で減算して低域変換差分信号を求める第2の手段と、
前記振幅制限高域変換信号から高域変換予測信号をモジュロー演算で減算して前記高域変換差分信号とする第3の手段と、
予め定められた量子化特性に従って前記低域変換差分信号を量子化して仮の低域量子化出力を出力するとともに量子化の際発生する量子化雑音と前記低域変換信号とを加算した仮の変換局部復号信号を求め該仮の変換局部変換信号がダイナミックレンジを越えるか否かを判定して該ダイナミックレンジを越えない場合には前記仮の低域量子化出力を、該ダイナミックレンジを下回る際には仮の低域量子化出力より1つ上の量子化レベルを、該ダイナミックレンジを上回る際には仮の低域量子化出力より1つ下の量子化レベルを、低域量子化出力として出力する適応量子化手段と、予め定められた量子化特性に従って前記高域変換差分信号を量子化して高域量子化出力信号を出力する量子化手段と、前記低域量子化出力と前記高域量子化出力を合わせたブロック毎の変換量子化出力を生成する第4の手段と、
該変換量子化出力を伝送路符号に変換して送り出す符号変換手段と、前記変換量子化出力と変換予測信号とをモジュロー演算で加算して変換局部復号信号を得る第5の手段と、
ブロック毎に前記変換局部復号信号を逆直交変換して局部復号信号を求める第6の手段と、
前記局部復号信号から次のブロックの予測信号を得る第7の手段と、
ブロック毎に前記予測信号を直交変換して変換予測信号を求めブロック毎の前記変換予測信号を低域と高域の2つのグループに分けて前記低域変換予測信号と前記高域変換予測信号とを出力する第8の手段とを有することを特徴とする直交変換符号化用適応量子化方式。
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JP2012244397A (ja) * | 2011-05-19 | 2012-12-10 | Sony Corp | 画像処理装置および方法 |
-
1997
- 1997-02-10 JP JP2700397A patent/JP3667481B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10224791A (ja) | 1998-08-21 |
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