JP3667093B2 - 壁貫通型空気調和機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、空気調和機に関し、特に屋内の水分を壁を貫通して屋外に排出する壁貫通型空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の壁に取り付けて空気調和を行う壁貫通型空気調和機を図を参照して説明する。図12は水分を吸収する吸湿体を用い、屋内の空気と屋外の空気によって前記吸湿体に水分を吸着、脱離させて屋内の除湿及び加湿を行う所謂吸着方式の空気調和機の概略側面断面図である。
【0003】
同図によると、空気調和機本体1は壁Wに取り付けられている。屋外の空気は送風機4によって吸気通路11を通って空気調和機本体1内に取り込まれる。そして除湿用ヒータ3、吸湿体が充填された吸湿器2を通過して排気通路12を通って屋外に放出されるような屋外空気経路6が構成されている。屋内の空気は送風機8によって吸気口1aを通って空気調和機本体1内に取り込まれる。そして加湿用ヒータ7、吸湿器2を通過して排気口1bを通って屋内に戻されるような屋内空気経路9が構成されている。
【0004】
このような空気調和機の除湿動作を図13に示すと、送風機8が作動することによって、屋内の空気は吸気口1aからフィルター10を介して吸湿器2の吸湿部2aに送られる。吸湿器2は内部にゼオライトやシリカゲル等の吸湿体が充填されて回転するようになっており、吸湿部2aで屋内空気の水分を吸着した吸湿体は回転によって後述する再生部2bに移動する。水分を奪われて乾燥した屋内空気はフィルター10を通って屋内に戻されて屋内が除湿される。この時加湿用ヒータ7(図12参照)は停止されているので図示していない。
【0005】
屋外の空気は、送風機4が作動することによって吸気通路11からフィルター34を介して除湿用ヒータ3に送られて昇温される。昇温された高温の屋外空気は吸湿器2の再生部2bに送られ、吸湿部2aで屋内空気の水分を吸着して吸湿器2の回転によって再生部2bに移動してきた吸湿体を昇温して水分を脱離させる。水分を吸湿体から奪って高温多湿となった屋外空気は排気通路を通って屋外に放出される。そして吸湿体は再生されて吸湿器2の回転によって前述の吸湿部2aに移動し、屋内空気の水分を再度吸着するようになり、連続して屋内の除湿運転が行われるようになっている。
【0006】
加湿動作を図14に示すと、送風機4が作動することによって、屋外の空気は吸気通路11からフィルター34を介して吸湿器2の吸湿部2aに送られる。吸湿部2aで屋外空気の水分を吸着した吸湿体は回転によって再生部2bに移動する。水分を奪われて乾燥した屋外空気は排気通路12を通って屋外に放出される。この時除湿用ヒータ3(図12参照)は停止されているので図示していない。
【0007】
屋内の空気は、送風機8が作動することによって吸気口1aからフィルター10を介して加湿用ヒータ7に送られて昇温される。昇温された高温の屋内空気は吸湿器2の再生部2bに送られ、吸湿部2aで屋外空気の水分を吸着して吸湿器2の回転によって再生部2bに移動してきた吸湿体を昇温して水分を脱離させる。水分を吸湿体から奪って高温多湿となった屋内空気はフィルター10及び排気口1bを通って屋内に戻される。
【0008】
そして吸湿体は再生されて吸湿器2の回転によって前述の吸湿部2aに移動し、屋外空気の水分を再度吸着するようになり、連続して屋内の加湿運転が行われるようになっている。ここで、吸湿器2において、昇温された空気が通過する部分を再生部2bとし、低温の空気が通過する部分を吸湿部と2aとしている。
【0009】
このような空気調和機の壁Wとの取り付け部分(図12のA部)の詳細を図15に示す。同図の(a)によると、本体1に固定された連結口13は外筒13aと内筒13bによって、吸気通路11及び排気通路12を構成する内部通路11a、12aが形成され、それらの断面形状は同心円状になっている。
【0010】
壁Wに空けられた壁孔Whにはスリーブ15が挿通されている。スリーブ15は図15の(b)に断面形状を示すように、外筒15aと内筒15bとが分離しないように数カ所の腕部15cによって支持され、吸気通路11及び排気通路12を構成する内部通路11b、12bが形成されている。そして連結口13の外筒13a及び内筒13bとスリーブ15の外筒15a及び内筒15bとを嵌合してスリーブ15が本体1に装着される。そして壁孔Whとスリーブ15との隙間を塞ぐようにゴム製などのパッキン35が屋外側より挿入される。このような構成によって本体1が壁Wを貫通して屋外から空気を取り込んだり屋外へ空気を放出したりできるようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
このような壁貫通型空気調和機において、除湿運転の際に排気通路12には水分を含んだ高温の空気が通るため、通過中に冷却されて水分が凝結してドレン水となり空気とともにドレン水が排出される。このドレン水がスリーブ15内に溜ってカビの発生などを引き起こす要因となっている。また、屋外から雨水が侵入し易い構造のためこの雨水が溜まって同様の問題の要因となっているとともに、冬季に溜まった雨水が凍結して内部通路11b、12bを塞ぎ、充分な加湿性能を得られない場合があった。
【0012】
本発明は屋外と連通する通路内のカビの発生や、凍結による性能劣化を防止するような壁貫通型空気調和機を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本願発明は、屋内の壁に取り付けられ、屋内の空気中の水分を取ってドレン水として排出する本体と壁を貫通して前記本体と屋外とを連通し、ドレン水を屋外に排出する管状部材とを備え、ドレン水が屋外に向かって流下するように前記管状部材が形成されている。
【0014】
この構成によると、屋内の空気中の水分がドレン水となって壁を貫通した管状部材内の通路を通る。この通路は屋外に向かってドレン水が流下するように設けられているのでドレン水は溜まらずに通路内を流下して屋外に排出される。
【0015】
また、本願発明は、吸湿体を内部に充填して回転する吸湿器と、第1、第2送風機と、ヒータと、本体取り付けられる壁を貫通して屋外と本体との間で空気の吸排気を行う第1、第2通路とを備え、第1送風機により屋内空気を前記吸湿器に通して水分を吸湿体に吸着させた後該空気を屋内に戻すとともに、第2送風機によって屋外空気を第1通路を通じて本体内に取り入れて、前記ヒータを通過させて昇温し、高温の該空気の経路上に回転してきた前記吸湿器内の吸湿体から水分を脱離させて、脱離した水分を含む該空気を第2通路を通じて屋外に放出するような除湿機能を有した壁貫通型空気調和機において、同一の管状部材内に第1、第2通路を有するとともに、第1、第2通路を水が屋外に向かって流下するように形成している。
【0016】
この構成によると、第1送風機によって、屋内の空気は吸湿器に送られる。吸湿器は内部に吸湿体が充填されて回転するようになっており、屋内空気の水分を吸着した吸湿体は回転によって移動する。水分を吸湿されて乾燥した屋内空気は屋内に戻されて屋内が除湿される。屋外の空気は、第2送風機によって屋外と連通する第1通路を通ってヒータに送られて昇温される。昇温された高温の屋外空気は吸湿器に送られ、屋内空気の水分を吸着して吸湿器の回転によって移動してきた吸湿体を昇温して水分を脱離させる。水分を吸湿体から奪って高温多湿となった屋外空気は水分が凝結したドレン水とともに第2通路を通る。そして第1、第2通路は屋外に向かって水が流下するように設けられているのでドレン水及び屋外から侵入した雨水などは溜まらずに第1、第2通路内を流下して屋外に排出される。
【0017】
また、本願発明は、上記構成の壁貫通型空気調和機において、壁に空けられた壁孔と連通して前記管状部材が挿通される挿通孔と、前記挿通孔の周囲を囲んで壁に対して傾斜した受け部とを有するとともに、壁に設置して本体を着脱可能に取り付ける取付板を備え、前記管状部材を屋内側より前記挿通孔に挿入して前記管状部材の一端に設けたフランジ部と前記受け部とを付き合わして固定し、本体に設けられた連結口と前記管状部材とを嵌合することを特徴としている。
【0018】
この構成によると、壁に空けられた壁孔と挿通孔とが連通するように取付板が壁に取り付けられ、屋内側よりドレン水あるいは吸排気用空気の通路を有する管状部材が挿通孔に挿入される。そして管状部材のフランジ部と、壁に対して傾斜するように前記取付板に設けられた受け部とが付き合わされて固定された後、管状部材と連結口とが嵌合するように壁貫通型空気調和機が取付板に取り付けられる。その結果、受け部が壁に対して傾斜しているので管状部材が壁孔に対して傾斜して取り付けられ、管状部材の内部通路を通るドレン水及び屋外から侵入した雨水などは溜まらずに該内部通路内を流下して屋外に排出される。
【0019】
また、本願発明は、上記構成の壁貫通型空気調和機において、壁に空けられた壁孔と連通して前記管状部材を挿通する挿通孔と、前記挿通孔の周囲を囲んで壁と略平行な受け部とを有するとともに、壁に設置して本体を着脱可能に取り付ける取付板を備え、前記管状部材の中心軸に対して前記管状部材の内部通路の下端が屋外に向かうに従って下方に傾斜するように該内部通路を形成し、該管状部材を屋内側より前記挿通孔に挿入して前記管状部材の一端に設けたフランジ部と前記受け部とを付き合わして固定し、本体に設けられた連結口と前記管状部材とを嵌合することを特徴としている。
【0020】
この構成によると、壁に空けられた壁孔と挿通孔とが連通するように取付板が壁に取り付けられ、屋内側よりドレン水あるいは吸排気用空気の通路を有する管状部材が挿通孔に挿入される。そして管状部材のフランジ部と、壁に対して平行な前記取付板に設けられた受け部とが付き合わされて固定された後、管状部材と連結口とが嵌合するように壁貫通型空気調和機が取付板に取り付けられる。この時、管状部材の内部通路は下端が屋外に向かうに従って下方になるように管状部材の中心軸に対して傾斜して形成されている。その結果、管状部材の内部通路を通るドレン水及び屋外から侵入した雨水などは溜まらずに該内部通路内を流下して屋外に排出される。
【0021】
また、本願発明は、上記構成の壁貫通型空気調和機において、前記連結口と前記管状部材とが嵌合されたことを検知する検知手段を有し、前記連結口と前記管状部材とが嵌合されたときに本体の運転を可能にしたことを特徴としている。この構成によると、検知手段によって連結口と管状部材とが嵌合されたことが検知されると、壁貫通型空気調和機本体の運転が可能となり、連結口と管状部材とが嵌合されていないときは壁貫通型空気調和機本体が運転できなくなっている。
【0022】
また、本願の発明は、上記構成の壁貫通型空気調和機において、前記管状部材は第1、第2管状部材に分割されるとともに、第1管状部材外周に形成された雄ねじ部と第2管状部材内周に形成された雌ねじ部とで軸方向に連結されることを特徴としている。この構成によると、壁に空けられた壁孔内に挿入されるとともに、一方が壁貫通型空気調和機の連結口に嵌合される第1、第2管状部材は、外周及び内周に設けられたねじ部によって連結されて締結具合によって長さを自在に変えられるようになっている。
【0023】
また、本願発明は、上記構成の壁貫通型空気調和機において、前記連結口を本体背面より突出させたことを特徴としている。この構成によると、壁貫通型空気調和機本体を取付板に取り付けるために接近させる際に、突出部によって連結口の位置を側方から確認できるようになり概略の位置に本体を設置した後連結口と管状部材とが嵌合されて壁貫通型空気調和機が取付板に取り付けられるようになる。
【0024】
また、本願発明は、上記構成の壁貫通型空気調和機において、前記管状部材と同軸のねじ部によって前記管状部材と連結して前記管状部材と前記壁孔との隙間を屋外側より塞ぐパッキンを壁に密着させるとともに、前記管状部材の内部通路の屋外側端部を塞いで該内部通路と連通するように下方に開口した固定部材を設けたことを特徴としている。この構成によると、管状部材を屋外側より締結して固定する固定部材によって管状部材の内部通路は軸方向に塞がれて、下方に開口するようになる。
【0025】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態を図を参照して説明する。説明の便宜上従来例と同一の部材には同一の符号を付している。図1は、本発明の第1実施形態の空気調和機を示す分解斜視図、図2は図1における取付板14を示す斜視図、図3は本実施形態の空気調和機を壁に取り付ける部分を示す側面断面図である。これらの図によると、スリーブ15は外周に雄ねじ部15dが形成されるとともに、一端に鍔状のフランジ部16が設けられフランジ部16には切り欠き部16aが形成されている。
【0026】
取付板14には挿通孔18と、挿通孔18の外周を囲むようにフランジ部16と付き合わされる受け部14とが設けられており、挿通孔18が壁孔Whと連通するように取付板14が壁Wにねじ止め(不図示)などの方法によって固定される。受け部14bは本体1を設置する面14cに対して傾斜しており、屋内側より挿通孔18及び壁孔Whにスリーブ15が挿入されて突出部14aと切り欠き部16aとが合致するようにフランジ部16が受け部14bに付き合わされると、スリーブ15は水平に対して傾斜するようになっている。
【0027】
屋外側に突出したスリーブ15には壁孔Whとスリーブ15との隙間を塞ぐパッキンが21嵌められてパッキン21が壁Wに密着するように雌ねじ部20aを有した固定部材20によって締め付けられる。受け部14bに設けられた突出部14aとフランジ部16に設けられた切り欠き部16aとは係合してナット20を締め付ける際のスリーブ15の回り止めを行っている。そして、取付板14上部に設けられた係合部22に本体1に設けられた切り欠き23を引っかけてスリーブ15の外筒15a及び内筒15bと連結口13の外筒13a及び内筒13bとを嵌合して本体1が取付板14に取り付けられる。
【0028】
本実施形態によると、スリーブ15は水平に対して傾斜しており、内部通路11b、12bを通るドレン水や屋外側より侵入する雨水などが屋外方向へ流下して排出されるので、溜まった水によるカビの発生や凍結による性能劣化を防止することができるようになる。スリーブ15の傾斜角度(受け部14の傾斜角度)は5゜にしており、水が流下すれば他の角度にしてもよい。
【0029】
図4は本発明の第2実施形態の空気調和機を示す分解斜視図であり、図5は本実施形態の空気調和機を壁に取り付ける部分を示す側面断面図である。これらの図によると、第1実施形態と異なる点は、スリーブ15と固定部材20との間に延長スリーブ25を設けている点である。
【0030】
延長スリーブ25は外筒25aと内筒25bとが腕部25cで連結され、吸気通路11と排気通路12とを形成する内部通路11c、12cを有し、外筒25aの内周に雌ねじ部25dが形成されている。固定部材20は外筒20aと内筒20bとが腕部20cで連結され、吸気通路11と排気通路12とを形成する内部通路11d、12dを有し、フランジ部20eが形成されて、外筒20aの外周に雄ねじ部20dが形成されている。
【0031】
延長スリーブ25の雌ねじ部25dはスリーブ15の雄ねじ部15dと噛合し、延長スリーブ25の内筒25bとスリーブ15の内筒15bとが嵌合して延長スリーブ25とスリーブ15とが連結される。固定部材20の雄ねじ部20dは延長スリーブ25の雌ねじ部25dと噛合し、固定部材20の内筒20bと延長スリーブ25の内筒25bとが嵌合して固定部材20と延長スリーブ25とが連結される。そして吸気通路11、排気通路12は壁Wを貫通して屋外に連通するようになっている。このようなねじ部(15d、25d、20d)による連結は吸気通路11と排気通路12の断面が同心円の場合に可能である。
【0032】
本実施形態によると、第1実施形態と同様の効果を得ることができるとともに、延長スリーブ25の締め付け具合で吸気通路11、排気通路12の伸縮を自由に行えるので、壁Wの厚みによってスリーブ15を切断したり継ぎ足したりする必要がなく取付工事が容易となる。
【0033】
なお、本実施形態では、固定部材20のフランジ部20e外周に切り欠き20fを設け、固定部材20の軸方向を覆って内部通路11d、12dと下方に開口させるような防水カバー30を係合部30aを前記切り欠き20fに差し込むようにして固定し、雨水などが内部通路11d、12d(吸気通路11、排気通路12)に入りにくくしている。
【0034】
図6は、本発明の第3実施形態の空気調和機を壁に取り付ける部分を示す側面断面図である。同図によると、第1実施形態と異なる点は、取付板14の受け部14bを壁Wと平行に形成し、スリーブ15を水平に設置するとともにスリーブ15の内部通路11b、12bを傾斜させている。このようにすると第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0035】
更に、内部通路11b、12bの底部のみを傾斜させて内部通路11b、12bの断面積を殆ど減少させないようにすると第1実施形態とほぼ同径のスリーブ15を用いることができ、壁孔Whを小さくすることができる。
【0036】
また、図7、図8の(a)、(b)に第4、第5実施形態におけるスリーブ15の正面図、側面断面図を示すように、吸気通路11、排気通路12(スリーブ15の内部通路11b、12b)の形状が円筒形でなく上下や左右に並んだ形状の場合においても第3実施形態と同様に底部15e、15fを傾斜させるような形状にすることで同様の効果を得ることができる。なお、図8の(b)は図8の(a)におけるE−E断面図である。
【0037】
図9は本発明の第6実施形態の空気調和機の概略側面図である。同図によると、取付板14の下部に突起部27を設けており、本体1の背面にマイクロスイッチ26を取り付けている。そして連結口13(図1参照)とスリーブ15(図1参照)とが正常に嵌合されると、本体1が取付板14に所定位置に設置されていることになってマイクロスイッチ26はオンになる。それによって本体1の運転が可能なようになっている。
【0038】
このようにすることで本体1取付後確認ができない連結口13とスリーブ15との嵌合状態を確認することができるので、正常に嵌合されていない場合に即座に取付をやり直すことができて取付工事の不備を起こすことがなくなる。
【0039】
図10は本発明の第7実施形態の空気調和機を示す図である。(a)は概略側面図、(b)は要部分解斜視図を示している。これらの図によると、連結部13は本体1の背面から突出している。本実施形態では連結部13の外筒13aを1〜2cm突出させ、内筒13bを更に1〜2cm突出させている。
【0040】
このようにすると、本体1を取付板14に取り付けるために接近させる際に、側方から突出部28によって連結口13の位置を確認できるので、連結口13をスリーブ15の位置に概略設置でき、連結口13とスリーブ15の嵌合を容易にして本体の取付を簡単にすることができるようになる。
【0041】
図11は本発明の第8実施形態の空気調和機の固定部材20を示す図である。(a)は正面断面図(b)は側面断面図である。なお(a)は(b)におけるF−F断面を示している。これらの図によると、第2実施形態における固定部材20(図5参照)のように、屋外側へ連通する内部通路11d、12dを有する固定部材20において、固定部材20の屋外側端面20gを塞ぐようにするとともに、内部通路11d、12dと連通して下方に開口するような切り欠き部20h、20jを設けている。
【0042】
このようにすることで内部通路11d、12d(吸気通路11、排気通路12)内に雨水などが浸入することを防止することができ、第2実施形態の防水カバー30を必要としないのでコスト増加を抑えることができる。
【0043】
【発明の効果】
本願発明によると、管状部材内を通るドレン水や屋外側より侵入する雨水など屋外方向へ流下して排出されるので、溜まった水によるカビの発生や、凍結による性能劣化を防止することができるようになる。
【0044】
また、本願発明によると、管状部材内を通るドレン水や屋外側より侵入する雨水などが屋外方向へ流下して排出されるので、溜まった水によるカビの発生や、凍結による性能劣化を防止することのできる壁貫通型空気調和機を簡単に実現することができる。
【0045】
また、本願発明によると、管状部材内の内部通路水平に対して傾斜しており、内部通路を通るドレン水や屋外側より侵入する雨水などが屋外方向へ流下して排出されるので、溜まった水によるカビの発生や凍結による性能劣化を防止することのできる壁貫通型空気調和機を簡単に実現することができる。更に、管状部材の外径と略同径まで壁孔を小さくすることができるので取付工事が容易になる。
【0046】
また、本願発明によると、壁貫通型空気調和機本体の取付後連結口と管状部材との嵌合状態を確認することができるので、正常に嵌合されていない場合に即座に取付をやり直すことができて取付工事の不備を起こすことがなくなる。
【0047】
本願発明によると、管状部材内を通るドレン水や屋外側より侵入する雨水などが屋外方向へ流下して排出されるので、溜まった水によるカビの発生や凍結による性能劣化を防止することのできる壁貫通型空気調和機を簡単に実現することができる。更に、第2管状部材の締め付け具合で吸気通路、排気通路の伸縮を自由に行えるので、壁の厚みによってスリーブを切断したり継ぎ足したりする必要がなく取付工事が容易となる。
【0048】
本願発明によると、壁貫通型空気調和機本体を取付板に取り付けるために接近させる際に、側方から突出部によって連結口の位置を確認できるので、連結口を管状部材の位置に概略設置でき、連結口と管状部材の嵌合を容易にして本体の取付を簡単にすることができるようになる。
【0049】
本願発明によると、別途部材を必要とせずコスト増加させることなく吸気通路、排気通路内に雨水などが浸入することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる第1実施形態の壁貫通型空気調和機の分解斜視図である。
【図2】 本発明にかかる第1実施形態の壁貫通型空気調和機の取付板を示す斜視図である。
【図3】 本発明にかかる第1実施形態の壁貫通型空気調和機の要部断面図である。
【図4】 本発明にかかる第2実施形態の壁貫通型空気調和機の分解斜視図である。
【図5】 本発明にかかる第2実施形態の壁貫通型空気調和機の要部断面図である。
【図6】 本発明にかかる第3実施形態の壁貫通型空気調和機の要部断面図である。
【図7】 本発明にかかる第4実施形態の壁貫通型空気調和機のスリーブを示す図である。
【図8】 本発明にかかる第5実施形態の壁貫通型空気調和機のスリーブを示す図である。
【図9】 本発明にかかる第6実施形態の壁貫通型空気調和機を示す概略側面図である。
【図10】 本発明にかかる第7実施形態の壁貫通型空気調和機を示す図である。
【図11】 本発明にかかる第8実施形態の壁貫通型空気調和機の固定部材を示す図である。
【図12】 従来の壁貫通型空気調和機を示す側面断面図である。
【図13】 従来の壁貫通型空気調和機の除湿動作を示す図である。
【図14】 従来の壁貫通型空気調和機の加湿動作を示す図である。
【図15】 従来の壁貫通型空気調和機の要部断面図である。
【符号の説明】
1 本体
11 吸気通路
11a、11b、11c、11d 内部通路
12 排気通路
12a、12b、12c、12d 内部通路
13 連結口
14 取付板
14 受け部
15 スリーブ
16 フランジ部
20 固定部材
21 パッキン
25 延長スリーブ

Claims (8)

  1. 屋内の壁に取り付けられ、屋内の空気中の水分を取ってドレン水として排出する本体と
    壁を貫通して前記本体と屋外とを連通し、ドレン水を屋外に排出する管状部材とを備え、
    ドレン水が屋外に向かって流下するように前記管状部材が形成され壁貫通型空気調和機において、
    壁に空けられた壁孔と連通して前記管状部材が挿通される挿通孔と、前記挿通孔の周囲を囲んで壁に対して傾斜した受け部とを有するとともに、壁に設置して本体を着脱可能に取り付ける取付板を備え、前記管状部材を屋内側より前記挿通孔に挿入して前記管状部材の一端に設けたフランジ部と前記受け部とを付き合わして固定し、本体に設けられた連結口と前記管状部材とを嵌合することを特徴とする壁貫通型空気調和機。
  2. 屋内の壁に取り付けられ、屋内の空気中の水分を取ってドレン水として排出する本体と、
    壁を貫通して前記本体と屋外とを連通し、ドレン水を屋外に排出する管状部材とを備え、
    ドレン水が屋外に向かって流下するように前記管状部材が形成された壁貫通型空気調和機において、
    壁に空けられた壁孔と連通して前記管状部材を挿通する挿通孔と、前記挿通孔の周囲を囲んで壁と略平行な受け部とを有するとともに、壁に設置して本体を着脱可能に取り付ける取付板を備え、前記管状部材の中心軸に対して前記管状部材の内部通路の下端が屋外に向かうに従って下方に傾斜するように該内部通路を形成し、該管状部材を屋内側より前記挿通孔に挿入して前記管状部材の一端に設けたフランジ部と前記受け部とを付き合わして固定し、本体に設けられた連結口と前記管状部材とを嵌合することを特徴とする壁貫通型空気調和機。
  3. 吸湿体を内部に充填して回転する吸湿器と、
    第1、第2送風機と、
    ヒータと、
    本体が取り付けられる壁を貫通して屋外と本体との間で空気の吸排気を行う第1、第2通路とを備え、
    第1送風機により屋内空気を前記吸湿器に通して水分を吸湿体に吸着させた後、該空気を屋内に戻すとともに、第2送風機によって屋外空気を第1通路を通じて本体内に取り入れて、前記ヒータを通過させて昇温し、高温の該空気の経路上に回転してきた前記吸湿器内の吸湿体から水分を脱離させて、脱離した水分を含む該空気を第2通路を通じて屋外に放出するような除湿機能を有し、
    同一の管状部材内に第1、第2通路を有するとともに、第1、第2通路は水が屋外に向かって流下するように形成された壁貫通型空気調和機において、
    壁に空けられた壁孔と連通して前記管状部材が挿通される挿通孔と、前記挿通孔の周囲を囲んで壁に対して傾斜した受け部とを有するとともに、壁に設置して本体を着脱可能に取り付ける取付板を備え、前記管状部材を屋内側より前記挿通孔に挿入して前記管状部材の一端に設けたフランジ部と前記受け部とを付き合わして固定し、本体に設けられた連結口と前記管状部材とを嵌合することを特徴とする壁貫通型空気調和機。
  4. 吸湿体を内部に充填して回転する吸湿器と、
    第1、第2送風機と、
    ヒータと、
    本体が取り付けられる壁を貫通して屋外と本体との間で空気の吸排気を行う第1、第2 通路とを備え、
    第1送風機により屋内空気を前記吸湿器に通して水分を吸湿体に吸着させた後、該空気を屋内に戻すとともに、第2送風機によって屋外空気を第1通路を通じて本体内に取り入れて、前記ヒータを通過させて昇温し、高温の該空気の経路上に回転してきた前記吸湿器内の吸湿体から水分を脱離させて、脱離した水分を含む該空気を第2通路を通じて屋外に放出するような除湿機能を有し、
    同一の管状部材内に第1、第2通路を有するとともに、第1、第2通路は水が屋外に向かって流下するように形成された壁貫通型空気調和機において、
    壁に空けられた壁孔と連通して前記管状部材を挿通する挿通孔と、前記挿通孔の周囲を囲んで壁と略平行な受け部とを有するとともに、壁に設置して本体を着脱可能に取り付ける取付板を備え、前記管状部材の中心軸に対して前記管状部材の内部通路の下端が屋外に向かうに従って下方に傾斜するように該内部通路を形成し、該管状部材を屋内側より前記挿通孔に挿入して前記管状部材の一端に設けたフランジ部と前記受け部とを付き合わして固定し、本体に設けられた連結口と前記管状部材とを嵌合することを特徴とする壁貫通型空気調和機。
  5. 前記連結口と前記管状部材とが嵌合たことを検知する検知手段を有し、前記連結口と前記管状部材とが嵌合たときに本体の運転を可能にしたことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の壁貫通型空気調和機。
  6. 前記管状部材は第1、第2管状部材に分割されるとともに、第1管状部材外周に形成された雄ねじ部と第2管状部材内周に形成された雌ねじ部とで軸方向に連結されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいれかに記載の壁貫通型空気調和機。
  7. 前記連結口本体背面より突出たことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいれかに記載の壁貫通型空気調和機。
  8. 前記管状部材と同軸のねじ部によって前記管状部材と連結して前記管状部材と前記壁孔との隙間を屋外側より塞ぐパッキンを壁に密着させるとともに、前記管状部材の内部通路の屋外側端部を塞いで該内部通路と連通するように下方に開口した固定部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいれかに記載の壁貫通型空気調和機。
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