JP3666473B2 - 固定研磨剤と研磨剤含有水性液体媒質とを用いる化学機械研磨方法 - Google Patents

固定研磨剤と研磨剤含有水性液体媒質とを用いる化学機械研磨方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化学機械研磨方法に関し、特に、ほぼ平坦な酸化物層の厚さの低減に有効な固定研磨剤化学機械研磨方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
集積回路構造において物質構成の多様性が存在するが、多くの集積回路構造にとって一般的な要素は、誘電体充てん分離トレンチである。分離トレンチは、電気的動作(operability)に対する悪影響なしに、集積回路を構成する電気的アクティブ素子のコンパクトな配置を可能にするために広く用いられる。
【0003】
分離トレンチ構造が、(例えばエッチングによって)基板内に形成される際、トレンチ深さの変動が、ウェハの種々の部分の同一基板レベル上に形成された個々のトレンチ間で頻繁に発生する。典型的に、変動は、意図されたトレンチ深さの約10%ほどである。(ウェハ全体に渡る)全てのトレンチが誘電体分離物質で完全に充てんされるということを保証するためには、十分な誘電体物質を付着させて、トレンチ深さの非均一性を補償することが典型的に必要である。
【0004】
トレンチ深さの変動を補償する必要性は、浅いトレンチの過充てんと、ウェハ表面上のかなり厚い付着物とをもたらす。加えて、トレンチを充てんするために付着された誘電体物質(典型的には酸化物)は、典型的にある程度コンフォーマルである。したがって、トレンチの局部的ステップ状トポグラフィ(ステップ高さ)は、トレンチを充てんするために付着された誘電体の上面に少なくともある程度反映される。大きいステップ高さは、通常、高いウェハ“内部(within)”(過充てん)厚さと組み合わされて現れる。充てんされるべきトレンチが深くなればなるほど(アスペクト比が高くなればなるほど)、誘電体充てん層内のステップ高さがより大きくなり、ウェハ中のトレンチ構造の完全な充てんを保証するためにより多くの過充てんが必要とされる。
【0005】
テトラエチルオルソシリケート(TEOS)と酸素またはオゾンとを反応させることにより形成される酸化シリコンのような誘電体酸化物の他の使用は、例えば、典型としてラインの後工程(BEOL)配線用のアルミニウム/銅またはタングステンの金属相互接続部間のいわゆる層間誘電体(ILD)に関する。層間誘電体の一般的な説明は、“Fundamentals of Semiconductor Processing Technology”by El-Kareh, Kluwer Academic Publishers, (1995),ページ565〜571になされている。この説明は、明細書の内容として引用される。酸化シリコン層と他のプロセスによって得られる他の絶縁物とは、層間誘電体としても使用できる。例えば、このような目的のために広く使用される他の物質は、ホウ素および/またはリンがドープされたけい酸塩ガラスである。
【0006】
誘電体物質を除去する化学機械研磨(CMP)が、集積回路デバイス構造の品質と製造性(manufacturability)を向上させるために広く用いられてきた。一般的に、研磨の目的は、付着された誘電体物質がトレンチ内部(あるいは、導電フィーチャ、例えば金属ラインの間)のみに残存し、後続の処理のために平坦な表面を提供するように、付着された誘電体物質をウェハに渡って除去することである。
【0007】
しばしば、適切な平坦化を得るために、一般的なスラリ化学機械研磨(CMP)プロセスと組み合わせて、(ステップ高さおよび/または付着された誘電体物質の全体的な厚さを減少させる)反応性イオン・エッチング・プロセスが必要とされる。反応性イオン・エッチング・プロセスは、コストおよび/またはプロセス制御の点から望ましくない。
【0008】
一般的な固定研磨剤CMP[アルカリ性の媒質(pH=10.5〜12)を用いる固定研磨剤]は、ステップ高さに対して一般的に選択的である(すなわち、ステップ高さの差を低減できる)。しかし、過充てんがかなり大きい場合には、固定研磨剤CMPは、必要な物質除去を行うことができず、平坦でない最終表面をもたらす。この不完全性は、トレンチ深さまたは酸化物過充てんの少量の(例えば200Åよりも少ない)変動を有する構造に対してのみに固定研磨剤CMPプロセスの利用を制限する。
【0009】
1999年12月22日に出願された米国特許出願第09/469922号明細書、すなわち米国特許第6294470号公報と、2000年10月31日に出願された米国特許出願第09/702311号明細書とに開示された固定研磨剤CMPプロセスへの近年の改良は、より大きなトポグラフィを有する構造を平坦化する能力を向上させた。しかしながら、いったんトポグラフィ除去が達成されると、(例えば、下側のエッチング停止層に到達するための)平坦化された層厚さの低減は、非常に遅いプロセスになることがある。この問題は、著しく過充てんされた構造に対して特に明白である。
【0010】
別々のツールを使って、トポグラフィ低減と厚さ低減とを実行することは望ましくない。したがって、RIEエッチ・バック処理または他の望ましくない代替手法の必要性を回避しながら、ほぼ平坦化された酸化物層の厚さをより迅速に低減してほぼ平坦な表面を作り出すことができる改良された固定研磨剤研磨プロセスの必要性が存在する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ほぼ平坦な酸化物層厚さの低減に有効な固定研磨剤化学機械研磨方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、酸化物層,特にシリシアス(siliceous)酸化物,さらにとりわけ、ほぼ平坦な酸化物層の厚さの低減に有効な固定研磨剤化学機械研磨方法を提供する。本発明は、また、開始時の酸化物層が、著しいトポグラフィ変動と、著しい過充てんとを有する場合でさえ、酸化物物質を平坦化できる固定研磨剤化学機械研磨方法を提供する。本発明の方法は、基板上の酸化物層の厚さの低減を含む研磨方法の少なくとも一部に関して、固定研磨剤研磨部材と研磨剤を含有する水性液体媒質との同時使用を含む工程によって好ましくは特徴づけられる。
【0013】
一態様において、本発明は、固定研磨剤化学機械研磨によって基板上の酸化物層の厚さを低減する方法を含み、この方法は、
a)第一の表面上に酸化物層を有する基板を用意する工程と、
b)第一の研磨剤成分を含有する水性液体媒質を用意する工程と、
c)基板の酸化物層を、水性液体媒質と、固定研磨剤成分を含む研磨部材とに接触させる工程と、
d)基板と研磨部材との間に運動を与えながら、工程c)の接触を維持し、酸化物層の厚さを低減する工程と、を含む。
【0014】
工程a)において研磨される酸化物層は、好ましくはほぼ平坦である。酸化物は、好ましくは誘電体物質であり、より好ましくは、シリカまたはリンホウケイ酸ガラス(BPSG)である。好ましくは、工程d)は、下層が所望の程度現れるまで実施される。
【0015】
他の態様において、本発明は、固定研磨剤化学機械研磨によって基板上の酸化物層を研磨する方法を含み、この方法は、
a)第一の表面上に酸化物層を有する基板を用意する工程を含み、この酸化物層は、(i)酸化物層のほぼ全てに渡る過充てん厚さと、(ii)高さの差を有する、過充てん厚さより上の部分とを有し、この厚さと高さの差は、基板の主面に平行な基準面から測られ、
b)高分子電解質を含有する第一の水性液体媒質を用意する工程と、
c)酸化物層を、第一の水性液体媒質と、固定研磨剤成分を含む研磨部材とに接触させる工程と、
d)基板と研磨部材との間に運動を与えながら、工程c)の接触を維持し、高さの差を低減する工程と、
e)第一の研磨剤成分を含有する第二の水性液体媒質を準備する工程と、
f)工程d)からの酸化物層を、第二の水性液体媒質と研磨部材とに接触させる工程と、
g)基板と研磨部材との間に運動を与えながら、工程f)の接触を維持し、過充てん厚さを低減する工程と、を含む。
【0016】
好ましくは、第一の水性液体媒質は、研磨剤を実質的に含有しない。必要な場合には、高さの差低減工程は、高さの差を低減する代替方法と置換可能である。
【0017】
本発明のこれらの態様および他の態様を以下においてさらに詳細に説明する。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明は、酸化物層,特にシリシアス酸化物,さらにとりわけ、ほぼ平坦な酸化物層の厚さの低減に有効な固定研磨剤化学機械研磨方法を提供する。本発明は、また、開始時の酸化物層が、著しいトポグラフィ変動と、著しい過充てんとを有する場合でさえ、酸化物物質を平坦化できる固定研磨剤化学機械研磨方法を提供する。本発明の方法は、基板上の酸化物層の厚さの低減を含む研磨方法の少なくとも一部に関して、固定研磨剤研磨部材と、研磨剤を含有する水性液体媒質との同時使用を含む工程によって好ましくは特徴づけられる。
【0019】
より具体的には、本発明は、固定研磨剤化学機械研磨によって基板上の酸化物層の厚さを低減する方法を含み、この方法は、
a)第一の表面上に酸化物層を有する基板を用意する工程と、
b)第一の研磨剤成分を含有する水性液体媒質を用意する工程と、
c)基板の酸化物層を、水性液体媒質と、固定研磨剤成分を含む研磨部材とに接触させる工程と、
d)基板と研磨部材との間に運動を与えながら、工程c)の接触を維持し、酸化物層の厚さを低減する工程と、を含む。
【0020】
本発明のプロセスは、様々な基板上の様々な酸化物物質を研磨するために使用できるが、本発明のプロセスは、集積回路デバイスおよび/または他のマイクロリソグラフィで作製される製品の製造に使用される酸化物誘電体物質および基板の状況において特に有用である。研磨される物質は、好ましくは、このようなデバイスまたは製品の製造において構成されあるいは除去される酸化物誘電体物質である。本発明のプロセスは、シリシアス酸化物物質,特に二酸化シリコン物質の平坦化または除去のためにとりわけ有用である。本発明のプロセスは、また、他のシリシアス物質、例えばドープト二酸化シリコン膜(例えばBPSG,BSG等)で使用できる。層間誘電体酸化物については、酸化物は、好ましくは酸化シリコン(例えばSiO2 )および/または、3B族(例えばホウ素)および5B族(例えばリンまたはヒ素)から選択される1種以上の元素を含有するシリケイトである。層間誘電体は、金属あるいは、様々な物質、例えば、銅,銅合金,チタン,窒化チタン,タンタル,窒化タンタル,アルミニウム,および/またはアルミニウム合金から形成される金属含有フィーチャに隣接する。
【0021】
工程d)において研磨される酸化物層は、著しいトポグラフィがほぼないことが好ましい(すなわち、酸化物層は、好ましくはほぼ平坦である)。著しいトポグラフィが、過充てん部分より上に存在する場合には、代わりの手法が、このようなトポグラフィを除去するために、上述の工程a)より前に用いられることが好ましい。トポグラフィ除去工程が厚さ低減工程に先行する以下の本発明のさらなる態様の説明を特に参照されたい。
【0022】
典型的な過充てんされた酸化物構造の例を図1に示す。基板20は、第一の層30(例えば窒化シリコン停止層)と、トレンチ45(例えば酸化物誘電体分離物質で充てんされるトレンチ)とを有する。酸化物層40は、トレンチ45を過充てんし、酸化物層40は、くぼみ46を有する。高さの差Hは、基準面10に対して測定された上面44とくぼみ表面42との間の距離である。図1の層40は、分離フィーチャの形成において典型的に確認される高さの差、例えば約2000Å以上、特に約4000Å以上を有し得る。興味のある典型的な高さの差は、約4000Å〜約7000Åほどである。上述したように、本発明の厚さ低減手法の使用の前に、このようなトポグラフィが好ましくは除去される。
【0023】
過充てんの範囲は、全体の酸化物層40に渡って広がる高さOに相当する。本発明の厚さ低減プロセスは、例えば図2の層40の外観のように、ほぼ平坦化された層の過充てん厚さを低減するために特に有用である。本発明の方法は、あらゆる過充てん厚さで使用可能である。典型的な過充てん厚さは、少なくとも500Åほどであり、より典型的には少なくとも1000Åであり、そして、深いトレンチが充てんされる場合には、特に1000Å〜2000Åほどである。
【0024】
酸化物物質40は、様々な周知の手法、例えばスピン・オン・ガラス(spin-on-glass;SOG)塗布,化学蒸着(CVD),物理蒸着,高密度プラズマまたは他の手法によって準備可能である。例えば、“Fundamentals of Semiconductor Processing Technologies”,by Badih El-Kareh, Kluwer Academic Publishing, 1995あるいは他のテキストにおいて述べられる様々な手法を参照されたい。典型的には、トポグラフィを有する表面上への誘電体酸化物層40の付着または形成は、酸化物層40内にトポグラフィの変動をもたらす。ある例においては、例えば、酸化物層40の形成が、層30の一定の範囲に関して選択的である場合、構造の下層30が(図示しない)トポグラフィの変動を含まない場合でさえ、トポグラフィの変動が酸化物層40内に発生することがある(例えば、層30の領域内の物質組成の変動に起因して、および/または、特定の誘電体層形成工程自身の特質に起因して)。トポグラフィの変動は、また、構造の下層30が、ダイ内部にそしてウェハに渡ってトポグラフィの変動を含む場合にも酸化物層40内に発生し得る。この変動は、トレンチ45の深さと幅との変動に起因し得る。層40は、例えば複数のトレンチ45が充てんされる場合には、高さの差を有する1以上のこのような領域を含むこととなる。
【0025】
研磨剤含有水性液体媒質は、好ましくは当業者に周知の酸化物物質の除去に適した研磨剤を含有する。研磨剤は、酸化セリウムを含み、より好ましくは、研磨剤は、実質的に酸化セリウムより成る。液体媒質内の酸化セリウムの濃度は、好ましくは、一般的なスラリ・ベースのCMPプロセスにおいて典型的に用いられる量より少ない。好ましくは、研磨剤含有水性液体媒質は、1リットルあたり約0.1〜約50gの研磨剤粒子を含有し、より好ましくは、約0.5〜約2g/lである。研磨剤含有液体媒質は、好ましくは、約5〜約13のpHを有し、より好ましくは約7〜約12のpHを有し、最も好ましくは、約9〜約11.5のpHを有する。研磨剤含有液体媒質は、また、下層の露出時に停止を促進するための、以下に述べる高分子電解質(例えばポリアクリル酸)のような添加物も含有できる。
【0026】
本発明のプロセスは、他の点では特定の固定研磨剤CMP機構または装置の使用に限定されない。固定研磨剤および他の装置の例が、米国特許第5,958,794号,第5,855,804号,第5,972,124号,第5,897,426号,第5,733,176号,第5,919,082号,第5,972,792号,または第5,782,675号公報に開示され、これらの開示は、明細書の内容として引用される。固定研磨剤部材は、好ましくは、そこに固定された酸化セリウム研磨剤を使用する。
【0027】
本方法の工程d)は、酸化物層が所望の厚さに低減されるまで、および/または、停止物質(下層または金属フィーチャ)が所望の程度露出されるまで好ましくは実施される。例えば、図3の構造は、プロセスの適切な終点を表す。
【0028】
上述したように、酸化物層40が実質的に最初のトポグラフィを有する場合には、トポグラフィ低減工程が厚さ低減工程に好ましくは先行する。したがって、本発明は、このようなトポグラフィが実質的に除去され、次に、本発明の厚さ低減手法が続く全体的な方法をさらに含む。このような全体的な方法の好適な形態は、
a)第一の表面上に酸化物層を有する基板を用意する工程を含み、酸化物層は、(i)酸化物層のほぼ全てに渡る過充てん厚さと、(ii)高さの差を有する、過充てん厚さより上の部分とを有し、厚さと高さの差は、基板の主面に平行な基準面から測られ、
b)高分子電解質を含有する第一の水性液体媒質を用意する工程と、
c)酸化物層を、第一の水性液体媒質と、固定研磨剤成分を含む研磨部材とに接触させる工程と、
d)基板と研磨部材との間に運動を与えながら、工程c)の接触を維持し、高さの差を低減する工程と、
e)第一の研磨剤成分を含有する第二の水性液体媒質を準備する工程と、
f)工程d)からの酸化物層を、第二の水性液体媒質と研磨部材とに接触させる工程と、
g)基板と研磨部材との間に運動を与えながら、工程f)の接触を維持し、過充てん厚さを低減する工程と、を含む。
【0029】
第一の水性液体媒質は、高分子電解質の存在によって特徴付けられ、好ましくは研磨剤を実質的に含有しない。第一の液体媒質は、好ましくは、少なくとも約0.01wt.%の高分子電解質を含有し、より好ましくは約0.05wt.%〜約1.0wt.%であり、最も好ましくは、約0.1wt.%〜約0.5wt.%である。高分子電解質は、好ましくは、複数のカルボン酸,カルボキシラートイオン成分,あるいは他の適切なイオン成分を有する分子を含む。必要とされる場合には、高分子電解質は、水性液体媒質内で所望のイオン成分を形成できる前駆物質(例えば、ポリアクリル酸アンモニウム(ammonium polyacrylate)のような高分子電解質塩)から形成可能である。高分子電解質は、より好ましくは、ポリアクリル酸,ポリエチレンイミン,ポリメタクリル酸メチル,ポリメタクリル酸(polymethacrylic acid),ポリマレイン酸(polymaleic acid),加水分解ポリアクリルアミド,あるいはこれらの混合物より構成されるグループから選択される。より好ましくは、高分子電解質は、ポリアクリル酸である。高分子電解質は、好ましくは、約500〜約20000の重量平均分子量を有し、より好ましくは約500〜約11000である。ここに引用される米国特許第5,968,280号公報に説明されるような他の高分子電解質も使用可能である。
【0030】
第一の水性液体媒質は、好ましくは、約1〜約13のpHを有し、より好ましくは、約2〜約12であり、最も好ましくは、約4〜約5である(4.5のpHが高い選択性のゆえに特に好ましい)。加水分解ポリアクリルアミドが高分子電解質として用いられる場合には、約1〜約3のpHが好ましい。あらゆる好適な酸または塩基を、溶液のpHレベルを確定するために用いることができる。アルカリ性のpHが望まれる場合には、水酸化アンモニウムのような水酸化物がpH調節のために好適である。酸性のpHについては、鉱酸がpH調節のために一般的には好ましい。液体媒質は、当業者に周知な他の成分を含有することが可能であるが、液体媒質は、好ましくは、少なくとも水,塩基,および高分子電解質から構成される。
【0031】
(研磨剤を含有する)第二の水性液体媒質は、好ましくは、本発明の厚さ低減方法に関連して上述されたようなものである。
【0032】
好ましくは、研磨工程d)は、トポグラフィの所望の低減が酸化物層40において達成される(例えば図2に示されるように)まで実施される。好ましくは、研磨工程g)は、下層が現れる(例えば図3に示されるように)まで実施される。
【0033】
本発明のプロセスは、一般的なスラリ・ベースのCMPプロセスと比較して、ディッシング(dishing)の発生が最低限かまたは全くなく、一般的なスラリ・ベースのCMPプロセスに匹敵する速度で、(例えば過充てんに従って発生するような)ブランケット(blanket)な酸化物層の迅速な除去を有益に可能にする。
【0034】
まとめとして、本発明の構成に関して以下の事項を開示する。
(1)固定研磨剤化学機械研磨によって基板上の酸化物層の厚さを低減する方法であって、a)第一の表面上に酸化物層を有する基板を用意する工程と、b)第一の研磨剤成分を含有する水性液体媒質を用意する工程と、c)前記基板の酸化物層を、前記水性液体媒質と、固定研磨剤成分を含む研磨部材とに接触させる工程と、d)前記基板と研磨部材との間に運動を与えながら、工程c)の接触を維持し、前記酸化物層の厚さを低減する工程と、を含む方法。
(2)前記工程a)において用意される酸化物層は、ほぼ平坦である上記(1)に記載の方法。
(3)前記第一の研磨剤成分は、酸化セリウムである上記(1)に記載の方法。
(4)前記水性液体媒質は、約0.1〜約50g/lの前記第一の研磨剤成分を含有する上記(1)に記載の方法。
(5)前記水性液体媒質は、約0.5〜約2g/lの前記第一の研磨剤成分を含有する上記(4)に記載の方法。
(6)前記水性液体媒質は、約5〜約13のpHを有する上記(1)に記載の方法。
(7)前記厚さは、前記工程d)において少なくとも1000Å低減される上記(1)に記載の方法。
(8)前記工程d)は、下層の少なくとも一部が露出されるまで実施される上記(1)に記載の方法。
(9)前記固定研磨剤成分は、酸化セリウムである上記(1)に記載の方法。
(10)固定研磨剤化学機械研磨によって基板上の過充てんされた酸化物のトポグラフィ・フィーチャを研磨する方法であって、a)第一の表面上に酸化物層を有する基板を用意する工程を含み、前記酸化物層は、(i)前記酸化物層のほぼ全てに渡る過充てん厚さと、(ii)高さの差を有する、前記過充てん厚さより上の部分とを有し、前記厚さと高さの差は、前記基板の主面に平行な基準面から測られ、b)高分子電解質を含有する第一の水性液体媒質を準備する工程と、c)前記酸化物層を、前記第一の水性液体媒質と、固定研磨剤成分を含む研磨部材とに接触させる工程と、d)前記基板と研磨部材との間に運動を与えながら工程c)の接触を維持し、前記高さの差を低減する工程と、e)第一の研磨剤成分を含有する第二の水性液体媒質を用意する工程と、f)前記工程d)からの酸化物層を、前記第二の水性液体媒質と、前記研磨部材とに接触させる工程と、g)前記基板と研磨部材との間に運動を与えながら工程f)の接触を維持し、前記過充てん厚さを低減する工程とを含む方法。
(11)前記工程d)から得られる酸化物層は、ほぼ平坦である上記(10)に記載の方法。
(12)前記第一の研磨剤成分は、酸化セリウムである上記(10)に記載の方法。
(13)前記第二の水性液体媒質は、約0.1〜約50g/lの前記第一の研磨剤成分を含有する上記(10)に記載の方法。
(14)前記第二の水性液体媒質は、約0.5〜約2g/lの前記第一の研磨剤成分を含有する上記(13)に記載の方法。
(15)前記工程b)において準備される第一の水性液体媒質は、研磨剤を実質的に含有しない上記(10)に記載の方法。
(16)前記第二の水性液体媒質は、約5〜約13のpHを有する上記(10)に記載の方法。
(17)前記厚さは、前記工程g)において少なくとも1000Å低減される上記(10)に記載の方法。
(18)前記工程g)は、下層の少なくとも一部が露出されるまで実施される上記(10)に記載の方法。
(19)前記固定研磨剤は、酸化セリウムである上記(10)に記載の方法。
(20)前記酸化物層は、少なくとも約2000Åの高さの差を有する少なくとも1つの不均一なトポグラフィ・フィーチャを含む上記(10)に記載の方法。
(21)前記酸化物は、シリシアス酸化物である上記(10)に記載の方法。
(22)前記第一の水性液体媒質は、少なくとも約0.01wt.%の前記高分子電解質を含有する上記(10)に記載の方法。
(23)前記第一の水性液体媒質は、少なくとも約0.1wt.%の前記高分子電解質を含有する上記(22)に記載の方法。
(24)前記第一の水性液体媒質は、約1〜約13のpHを有する上記(10)に記載の方法。
(25)前記第一の水性液体媒質は、約4〜約5のpHを有する上記(24)に記載の方法。
(26)前記高分子電解質は、ポリアクリル酸,ポリエチレンイミン,ポリメタクリル酸メチル,ポリメタクリル酸,ポリマレイン酸,またはこれらの混合物から構成されるグループから選択される上記(10)に記載の方法。
(27)前記下層は、窒化物を含む上記(18)に記載の方法。
(28)前記工程b)は、液体媒質を高分子電解質前駆物質化合物と混合させる工程を含む上記(10)に記載の方法。
(29)前記高分子電解質は、カルボン酸成分,カルボン酸塩成分,およびこれらの混合物より構成されるグループから選択される成分を含む上記(10)に記載の方法。
(30)前記前駆物質化合物は高分子電解質塩である上記(28)に記載の方法。
(31)前記高分子電解質は、加水分解ポリアクリルアミドである上記(10)に記載の方法。
(32)前記水性液体媒質は、高分子電解質をさらに含む上記(1)に記載の方法。
(33)前記第二の水性液体媒質は、高分子電解質をさらに含む上記(10)に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】過充てんと部分間の高さの差とを有する、基板上の平坦化される誘電体分離層の概略断面図である。
【図2】高さの差のレベリング・オフ後の図1の誘電体分離層の概略断面図である。
【図3】停止層を現すための高さのさらなる低減後の図2の誘電体分離層の概略断面図である。
【符号の説明】
10 基準面
20 基板
30 第一の層
40 酸化物層
42 くぼみ表面
44 上面
45 トレンチ
46 くぼみ

Claims (16)

  1. 固定研磨剤化学機械研磨によって基板上の酸化物層の厚さを低減する方法であって、
    a)第一の表面上に酸化物層を有する基板を用意する工程と、
    b)第一の研磨剤成分として0.1〜50g/lの酸化セリウムを含有する水性液体媒質を用意する工程と、
    c)前記基板の酸化物層を、前記水性液体媒質と、固定研磨剤成分を含む研磨部材とに接触させる工程と、
    d)前記基板と研磨部材との間に運動を与えながら、工程c)の接触を維持し、前記酸化物層の厚さを低減する工程と、
    を含む方法。
  2. 前記水性液体媒質は、約5〜約13のpHを有する請求項1に記載の方法。
  3. 前記工程d)は、下層の少なくとも一部が露出されるまで実施される請求項1に記載の方法。
  4. 前記固定研磨剤成分は、酸化セリウムである請求項1に記載の方法。
  5. 固定研磨剤化学機械研磨によって基板上の過充てんされた酸化物のトポグラフィ・フィーチャを研磨する方法であって、
    a)第一の表面上に酸化物層を有する基板を用意する工程を含み、前記酸化物層は、(i)前記酸化物層のほぼ全てに渡る過充てん厚さと、(ii)高さの差を有する、前記過充てん厚さより上の部分とを有し、前記厚さと高さの差は、前記基板の主面に平行な基準面から測られ、
    b)高分子電解質を含有する第一の水性液体媒質を用意する工程と、
    c)前記酸化物層を、前記第一の水性液体媒質と、固定研磨剤成分を含む研磨部材とに接触させる工程と、
    d)前記基板と研磨部材との間に運動を与えながら工程c)の接触を維持し、前記高さの差を低減する工程と、
    e)第一の研磨剤成分として0.1〜50g/lの酸化セリウムを含有する第二の水性液体媒質を用意する工程と、
    f)前記工程d)からの酸化物層を、前記第二の水性液体媒質と、前記研磨部材とに接触させる工程と、
    g)前記基板と研磨部材との間に運動を与えながら工程f)の接触を維持し、前記過充てん厚さを低減する工程とを含む方法。
  6. 前記工程b)において準備される第一の水性液体媒質は、研磨剤を実質的に含有しない請求項に記載の方法。
  7. 前記第二の水性液体媒質は、約5〜約13のpHを有する請求項に記載の方法。
  8. 前記工程g)は、下層の少なくとも一部が露出されるまで実施される請求項に記載の方法。
  9. 前記固定研磨剤は、酸化セリウムである請求項に記載の方法。
  10. 前記第一の水性液体媒質は、少なくとも約0.01wt.%の前記高分子電解質を含有する請求項に記載の方法。
  11. 前記第一の水性液体媒質は、約1〜約13のpHを有する請求項に記載の方法。
  12. 前記第一の水性液体媒質は、約4〜約5のpHを有する請求項11に記載の方法。
  13. 前記高分子電解質は、ポリアクリル酸,ポリエチレンイミン,ポリメタクリル酸メチル,ポリメタクリル酸,ポリマレイン酸,またはこれらの混合物から構成されるグループから選択される請求項に記載の方法。
  14. 前記高分子電解質は、カルボン酸成分,カルボン酸塩成分,およびこれらの混合物より構成されるグループから選択される成分を含む請求項に記載の方法。
  15. 前記水性液体媒質は、高分子電解質をさらに含む請求項1に記載の方法。
  16. 前記第二の水性液体媒質は、高分子電解質をさらに含む請求項に記載の方法。
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