JP3666223B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の制御装置に関し、特に、NOx吸収触媒を備えた内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、排気空燃比がリーンであるときに排気中のNOxを吸収し、排気空燃比がリッチであるときに前記吸収したNOxを脱離して還元処理するNOx吸収触媒を備え、リッチ スパイクにより排気空燃比を一時的にリッチ側にシフトさせて、リーン燃焼中に前記NOx吸収触媒に吸収されたNOxの脱離・還元処理を行わせるように構成されたリーン燃焼エンジンが知られている(例えば、特開平06−066135号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
また、V型エンジンの右(RH)バンクからの排気と、左(LH)バンクからの排気とを合流させつつ単一のターボ過給機に導入し、その後、排気をプリ触媒と、床下触媒とに流入させるように構成された排気浄化装置において、前記各触媒の活性化の遅れ(プリ触媒までの排気通路が長いこと、又はターボ過給機の持つ熱容量の影響等で、プリ触媒等の排気による良好な昇温が図れないことによる。)に起因する排気有害成分(特に、HC,CO)の排出量の増加を抑制するため、例えば、排気通路が長くなる右バンクとターボ過給機との間に三元触媒を設け、右バンクからの排気を、比較的早期に活性化が図れる当該三元触媒により浄化してから、左バンクからの排気と合流させるようにしたものがある。
【0004】
しかしながら、このような排気浄化装置において、プリ触媒にNOx吸収触媒を適用した場合は、プリ触媒(即ち、NOx 吸収触媒)の排気上流側に、新たに三元触媒が設けられることになるため、以下のような事態が生じる惧れがある。
即ち、排気空燃比を一時的にリッチ化させて排気中のHC,COを増加させることで、酸素不足状態を作り出し、NOx吸収剤に吸収されたNOxを脱離させるとともに、この増加させたHC,COを還元剤として、NOx吸収触媒の三元触媒部と床下触媒(三元触媒)とにより、排気中のNOx(NOx吸収剤から脱離したNOxを含む。)を還元するのであるが、前記右バンクとターボ過給機との間に新たに上流側の三元触媒が設けられると、排気空燃比を一時的にリッチ化させて排気中のHC,COを増加させても、この上流側の三元触媒によりこれらが浄化(転化、酸化)されてしまうことになる。このため、リッチ化させたわりには、NOx吸収触媒の三元触媒部と床下触媒(三元触媒)とに良好にNOx還元処理のための還元剤(HC,CO)が提供されず、燃料が無駄に消費されることである。また、排気中のHC等が増加することにより、上流側の三元触媒の劣化を来すことである。
【0005】
このような事態が生じる惧れは、V型エンジンに限らず、水平対向エンジンについても同様に存在する。また、ターボ過給機を備えない場合も同様の結果となる。
本発明は、このような従来の実情に鑑みなされたもので、V型エンジン等に関し、一方のバンクに設けられた特定気筒からの排気を、排気浄化触媒に導入させずにNOx吸収触媒に導入させ、他方のバンクに設けられた、特定気筒以外の気筒からの排気を、排気浄化触媒に導入させた後にNOx吸収触媒に導入させるようにした場合に、NOx吸収触媒の脱離・還元処理を行わせる際の排気空燃比のリッチ化処理を工夫することで、燃費を改善しつつ排気浄化装置の劣化を抑制して、効果的にNOx吸収触媒の脱離・還元処理を行わせることができる内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このため、請求項1に記載の発明では、図1に示すように、第1及び第2のバンクに振り分けられた複数の気筒と、前記第1のバンクに接続された第1の排気通路と、前記第2のバンクに接続された、前記第1の排気通路よりも長い第2の排気通路と、前記第2の排気通路に介装された排気浄化触媒と、を備え、前記複数の気筒のうち前記第1のバンクに設けられた気筒を特定気筒として、この特定気筒からの排気を前記第1の排気通路を介してNOx吸収触媒に導入させ、前記特定気筒以外の気筒からの排気を、前記第2の排気通路を介し、前記排気浄化触媒に導入させた後に前記NOx吸収触媒に導入させるようにした内燃機関の制御装置であって、リーン燃焼中に、排気空燃比をリッチ化させて、前記NOx吸収触媒に吸収されたNOxの脱離・還元処理を行う際に、前記特定気筒のうち少なくとも1つの気筒のみにおける燃焼混合気の空燃比をリッチ化させて、排気空燃比をリッチ化させる空燃比制御手段を含んで構成する。
【0007】
このような構成とすれば、前記特定気筒のうち少なくとも1つの気筒のみにおける燃焼混合気の空燃比をリッチ化させて、前記NOx吸収触媒に吸収されたNOxの脱離・還元処理を行うので、無駄な燃料の消費を抑制して燃費を改善しつつ、前記排気浄化触媒の劣化等を抑制して、効果的に前記NOxの脱離・還元処理を行わせることができる。なお、前記排気浄化触媒は、三元触媒又は酸化触媒等で良く、即ち、少なくとも排気中のHC,COを酸化処理可能な触媒であれば良い。
【0008】
請求項2に記載の発明では、前記内燃機関を、前記特定気筒からの排気と、前記特定気筒以外の気筒からの排気とを、前記第1及び第2のバンクのうち前記第1のバンク側の位置で合流させた後、前記NOx吸収触媒に導入させるものとする。
請求項3に記載の発明では、前記内燃機関を、前記特定気筒及びそれ以外の気筒からの排気が合流する位置の下流に設置された排気過給機を更に備え、前記特定気筒からの排気を、前記第1の排気通路を介して前記排気過給機に導入させた後に前記NOx吸収触媒に導入させ、前記特定気筒以外の気筒からの排気を、前記第2の排気通路を介し、前記排気浄化触媒及び前記排気過給機に導入させた後に前記NOx吸収触媒に導入させるものとする。
【0009】
このような構成とすれば、排気過給機(ターボ過給機又はコンプレックス過給機等)が持つ熱容量の影響等で、排気による良好な昇温が図れないことに起因する前記NOx吸収触媒の活性化の遅れに伴う排気有害成分(特に、HC,CO)の排出量の増加等を、前記排気浄化触媒を備えたことで抑制することができる。また、排気過給機において、特定気筒からの排気と特定気筒以外の気筒からの排気とを良好にミキシングさせることができるので、前記NOxの脱離・還元処理をより良好に行わせることができる。
【0010】
即ち、排気過給機を備えた場合は、これを備えない場合に比べ、本発明の利用価値を一層高めることができる。
請求項4に記載の発明では、図1に破線で示すように、前記空燃比制御手段により前記少なくとも1つの特定気筒における燃焼混合気の空燃比をリッチ化させる際に、当該燃焼混合気の空燃比をリッチ化させる気筒に対して出力抑制制御を行う出力抑制制御手段を更に含んで構成する。
【0011】
このような構成とすれば、燃焼混合気の空燃比をリッチ化させる気筒の出力が増大するのが抑制されるので、他の気筒との出力バラツキを抑制することができ、NOxの脱離・還元処理を効果的に行わせつつ、排気空燃比のリッチ化処理の開始に伴い発生する惧れがある車両前後方向のショック(出力ショック)や、内燃機関の振動・騒音を抑制し、運転性を良好に維持することができる。
【0012】
なお、前記出力抑制制御手段としては、点火時期のリタード制御(請求項5)、吸気スワールの抑制(場合によっては、オーバースワール)制御、又は燃料噴射率の低下制御等がある。
また、請求項6に記載の発明では、前記NOx吸収触媒に吸収されたNOxの脱離・還元処理を行う際に、前記空燃比制御手段により、前記少なくとも1つの特定気筒の排気空燃比をリッチ化させるとともに、それ以外の気筒の排気空燃比をストイキに制御する。
【0013】
このような構成とすれば、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が一層効果的に得られるうえ、リッチ化処理を行わせる頻度を増すことができるので、NOx吸収触媒へのNOx吸収量を低く抑え、延いてはリーン運転中にリッチ化処理を行わせることによる運転性への悪影響や、排気性能・燃費等への悪影響を一層低減することができる。
【0014】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、燃費を改善しつつ、効果的にNOx吸収触媒のNOxの脱離・還元処理を行わせることができる。
請求項2及び3に記載の発明によれば、前記NOxの脱離・還元処理をより良好に行わせ、本発明の利用価値を一層高めることができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、気筒間の出力バラツキを抑制し、運転性を良好に維持することができる。
請求項5に記載の発明によれば、比較的簡単な構成で、かつ燃焼性をそれ程悪化させずに、高精度な出力抑制制御を行わせることができる。
請求項6に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様の作用効果が一層効果的に得られるうえ、リッチ化処理を行わせる頻度を増すことができるので、NOx吸収触媒へのNOx吸収量を低く抑え、リーン運転中にリッチ化処理を行わせることによる運転性への悪影響等を一層低減することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態を、添付の図面に基づいて説明する。
本発明の第1の実施形態を示す図2において、本発明が適用されるV型内燃機関1は、ターボ型の排気過給機5を含んで構成される。V型内燃機関(以下、エンジンと言う。)1の右バンク(RH:「第2のバンク」に相当する。)用排気通路2には、排気浄化触媒としての三元触媒3が介装され、この右バンク用排気通路2は、その排気下流側で、左バンク(LH:「第1のバンク」に相当する。)用排気通路4に合流している。なお、三元触媒3は、酸化触媒であっても良い。即ち、本発明に係る排気浄化触媒には、三元触媒3又は酸化触媒等、少なくとも排気中のHC,COを酸化可能な触媒が相当する。
【0017】
合流した排気は、排気過給機5の排気タービン(図示せず。)に導入され、この排気タービンを排気流動圧力で回転させることにより、これと同軸結合されて吸気通路に介装されたコンプレッサ(図示せず。)を回転駆動して、吸入空気をエンジン1に圧送供給(過給)する。
なお、排気過給機5の排気タービン出口側の排気通路6には、プリ触媒としてNOx吸収触媒(NOx吸収剤と三元触媒とを併用して構成される。)7が介装されるとともに、その排気下流側には、床下触媒として三元触媒8が介装されている。なお、三元触媒は、理論空燃比近傍において、HC,COを酸化除去するとともに、NOxを還元除去する。
【0018】
NOx吸収触媒7は、排気空燃比が理論空燃比よりもリーンであるときに排気中のNOxを(NOx吸収剤に)吸収し、排気空燃比が理論空燃比又は理論空燃比よりもリッチであるときにこの吸収したNOxを放出して、(触媒で)還元させる。
なお、図3に示すように、エンジン1には、ストッロルバルブ9が設けられており、このスロットルバルブ9により吸入空気流量が制御される。また、エンジン1には、燃焼室内に燃料を噴射供給する燃料噴射弁10が気筒毎に設けられており、この燃料噴射弁10の燃料噴射により燃焼室内に燃焼混合気が形成される。なお、本発明が適用される内燃機関は、燃料噴射弁10が燃焼室に燃料を直接噴射供給する構成であって、成層リーン燃焼を行うものであっても良い。
【0019】
ここで、本実施形態に係るエンジン1は、均質リーン燃焼(燃焼室に燃料を直接噴射供給する構成の場合は、成層リーン燃焼を含む。)運転を行わせることができ、マイクロコンピュータを内蔵したエンジンコントロールユニット50により、目標空燃比の混合気を形成するべく、燃料噴射弁10の燃料噴射量が制御されるようになっている(成層リーン燃焼の場合は、噴射タイミングも制御されるように構成される。)。
【0020】
燃料噴射弁10からの燃料噴射により形成された混合気は、点火プラグによる火花点火により着火燃焼させる。
なお、クランク軸(又はカム軸)にはクランク角センサ11が設けられており、エンジンコントロールユニット50では、このクランク角センサ11から機関回転と同期して出力されるクランク単位角信号を一定時間カウントして、又はクランク基準角信号の周期を計測して機関回転速度Neが検出される。
【0021】
エンジンコントロールユニット50は、CPU、ROM、RAM、A/D変換器、入出力インタフェース及びタイマー等を含んで構成されるマイクロコンピュータからなり、このエンジンコントロールユニット50には、各種センサからの入力信号が入力される。
各種センサとしては、前記クランク角センサ11の他、エンジン1の吸入空気流量Qaを検出するエアフローメータ12、エンジン1の冷却水温度TWを検出する水温センサ13、NOx吸収触媒7と床下触媒8との間で排気空燃比を検出する空燃比センサ14等が設けられている。
【0022】
空燃比センサ14は、排気中の酸素濃度に基づいて排気空燃比を広域に検出し得るセンサであって、排気空燃比がリッチであるほど大きな出力値が得られるものを採用することができる。また、空燃比センサ14は、排気中の酸素濃度に基づいて、理論空燃比に対するリッチ・リーン信号を出力するタイプのものを採用することもできる。
【0023】
NOx吸収触媒7は、前述のように、リーン燃焼中はNOxを吸収し、NOxの脱離・還元を行わないので、NOx吸収量が飽和量に達すると、内燃機関1から排出されたNOxが浄化されずにそのまま排出されることになってしまう(リーン燃焼中は三元触媒が良好に働かない。)。このため、リーン燃焼が継続してNOx吸収量が飽和量に達したときは、排気空燃比を一時的にリッチ化させて、それまでに吸収されたNOxの脱離・還元を行わせ、NOxの吸収能力を回復させる必要がある。
【0024】
このため、本実施形態では、図4に示すフローチャートに従い、NOxの脱離・還元のためのリッチスパイク(又はリッチシフト)を行わせる。なお、以下に説明するように、本発明に係る空燃比制御手段及び出力抑制制御手段としての機能は、コントロールユニット50がソフトウェア的に備えることとなる。
【0025】
図4のフローチャートにおいて、まず、ステップ1(図中には、S1と記してある。以下、同様。)では、現在エンジン1がリーン燃焼中であるか否かを判断する。YESであれば、S2へ進み、NOであれば、通常の空燃比センサ14の検出結果に基づいて実際の排気空燃比が理論空燃比となるように空燃比フィードバック制御(λコントロール)を行うべく、本フローを終了する。
【0026】
ステップ2では、NOx吸収触媒7でNOxの脱離・還元を行わせる条件が成立しているか否かを判別する。この脱離・還元条件とは、例えば、リーン燃焼中であって、エンジン負荷とエンジン回転数とから推定されるNOx吸収量が所定の飽和量に達していることである。
【0027】
そして、脱離・還元条件が成立しているときは、ステップ3へ進み、燃焼混合気の空燃比をリッチ化させて、NOx吸収触媒7に吸収されたNOxの脱離・還元を行わせるべく、燃料噴射量の増量補正(リッチスパイク又はリッチシフト)を開始する。
ここで、右バンク用排気通路2には三元触媒3が介装されているので、右バンク(RH)の気筒における燃焼混合気の空燃比をリッチ化させたとしても、この空燃比のリッチ化がNOx吸収触媒7に吸収されたNOxの脱離・還元にとって有効なものとならず、燃費を悪化させ、又は三元触媒3の劣化等を招く惧れがある。
【0028】
そこで、右バンク(RH)の気筒に対しては空燃比のリッチ化を行わず、左バンク(LH)の気筒(即ち、特定気筒(更に左バンクの気筒のうち少なくとも1つの気筒であってもよい。)のみに対して、燃料噴射量の増量補正(例えば、運転状態等に応じて予め定められた増量補正量)により空燃比のリッチ化を行い、これにより燃費の悪化を抑制しつつ三元触媒3の劣化を抑制して、効果的にNOx吸収触媒7に吸収されたNOxの脱離・還元を行わせる。
【0029】
なお、燃料噴射量の増量補正では、後述するステップ5で増量補正の停止条件が検出されるまでの間、燃料噴射量を一定の割合で増量させるようにすることもできる。
次のステップ4では、燃料噴射量の増量補正開始後の空燃比センサ14の出力をモニター等して、リッチスパイクが所定のものとなったか否かを判断する。なお、このステップ4では、リッチスパイクを開始してから所定時間経過したか否かを判断するようにしても良いし、空燃比センサ14の出力がリッチ出力となり、又は空燃比センサ14の出力がリッチ出力となってから所定時間経過したか否かを判断しても良い。
【0030】
即ち、NOx吸収触媒7に吸収されたNOxの脱離・還元を良好に完了させることができるようなリッチスパイクを行うことができたか、延いてはNOx吸収触媒7に吸収されたNOxの脱離・還元が完了(終了)したか否かを判断すれば良い。
YESと判断されたときは、ステップ5へ進み、ステップ3で開始した左バンク(LH)の気筒に対するリッチスパイクを解除(即ち、燃料増量補正を停止)して、本来のリーン燃焼(全ての気筒でリーン燃焼を行わせる。)に復帰させる。
【0031】
NOであれば、ステップ4へリターンする。
このように、本実施形態によれば、プリ触媒(NOx吸収触媒)7及び床下触媒(三元触媒)8の活性化の遅れ(排気通路が長いこと、又は排気過給機5の持つ熱容量の影響等で、排気による良好な昇温が図れないことによる。)に起因する排気有害成分(特に、HC,CO)の排出量の増加等を抑制するため、右バンク用排気通路2に三元触媒3を介装した内燃機関において、リーン燃焼が継続してプリ触媒(NOx吸収触媒)7のNOx吸収量が飽和量に達したときは、三元触媒3の排気上流側の、右バンク(RH)の気筒に対しては空燃比をリッチ化させず、リーン燃焼を維持する一方、三元触媒3の排気上流側にない、左バンク(LH)の気筒(即ち、特定気筒)のみに対して空燃比をリッチ化させるようにして、プリ触媒(NOx吸収触媒)7に吸収されたNOxの脱離・還元処理を行うようにしたので、無駄な燃料の消費を抑制して燃費を改善しつつ、三元触媒3の劣化を抑制して、効果的にNOxの脱離・還元を行わせることができる(図10)。
【0032】
ここで、図5に示すフローチャートのように、図4に示すフローチャートのステップ3における、左バンク(LH)の気筒(特定気筒)に対する空燃比のリッチ化制御中に、そのリッチ化させる気筒に対して、点火時期をリタードさせるようにすることもできる。この場合に、この点火時期の処理操作が本発明に係る出力抑制制御手段に相当する。
【0033】
このようにすると、空燃比をリッチ化させる気筒の出力が増大するのが抑制されるので、リーン燃焼に維持される他の気筒との出力バラツキを抑制することができる。このため、NOxの脱離・還元を効果的に行わせつつ、排気空燃比のリッチ化処理の開始に伴い発生する惧れのある車両前後方向のショック(出力ショック)や、エンジン1の振動・騒音を抑制することができ、運転性を良好に維持することができる。
【0034】
なお、出力抑制のための制御は、点火時期のリタードに限らず、例えば、吸気スワールの抑制(場合によっては、オーバースワール)制御、燃料噴射率の低下制御、又は噴射時期のリタード制御(燃料の微粒化、延いては燃料と空気とのミキシングを低下させる制御)等であっても良い。また、これらの出力抑制制御を単独で行わせても良いし、適宜組み合わせて行わせても良い。
【0035】
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
本実施形態では、第1の実施形態に対し、図4に示すフローチャートに代えて図6に示すフローチャートが実行される。なお、その他の構成は、第1の実施形態のものと同様であるので、説明を省略する。
本実施形態では、エンジンコントロールユニット50において、図6に示すフローチャートに従い、NOxの脱離・還元のためのリッチスパイク(又はリッチシフト)を行わせる。このため、以下に説明するように、本発明に係る空燃比制御手段及び出力抑制制御手段としての機能は、エンジンコントロールユニット50がソフトウェア的に備えることとなる。
【0036】
本実施形態は、三元触媒3の排気上流側にない(排気が三元触媒3に導入されない)特定気筒に対してリッチスパイクを行うだけでは、NOx吸収触媒7に吸収されたNOxの脱離・還元処理を行うのに十分な排気空燃比のリッチ化を図ることができない惧れがある場合についての例である。
即ち、NOxの脱離・還元処理を行うのに十分な排気空燃比のリッチ化を図るべく、第1の実施形態のように、特定気筒のみに対してリッチスパイク(又はリッチシフト)を行うようにすると、特定気筒の空燃比を過度にリッチ化させる必要が生じ、特定気筒で燃焼が過度に悪化して、却って運転性、排気性能又は排気黒煙濃度等を悪化させる惧れがある。ある一定レベルを超えてリッチ化させると、その気筒の燃焼安定性、排気性能又は排気黒煙濃度等が指数関数的に悪化するためである。
【0037】
そこで、本実施形態では、以下に説明するように、特定気筒に対してリッチスパイクを行わせる際に、他の気筒(第1〜第5気筒の全て、又はこれらのうち少なくとも1つの気筒。以下、同様。)に対して、燃焼混合気の空燃比をリッチ方向(ストイキ空燃比)に操作する制御を行わせる。
即ち、図6のフローチャートにおいて、まず、ステップ11では、図4のフローチャートのステップ1と同様に、現在エンジン1がリーン燃焼中であるか否かを判断し、YESであれば、S12へ進み、NOであれば、ステップ17へ進む。
【0038】
ステップ12では、従来と同様の手法により、エンジン負荷及びエンジン回転数等からNOx吸収量を推定する。
ステップ13では、推定されたNOx吸収量が飽和吸収量となっているか否かを判断する。YESであれば、NOxの脱離・還元を行わせる必要があるので、ステップ14へ進む。NOであれば、現段階ではNOxの脱離・還元を行わせる必要がないとして、本フローを終了する。
【0039】
ステップ14では、燃焼混合気の空燃比をリッチ化させて、NOx吸収触媒7に吸収されたNOxの脱離・還元を行わせるべく、特定気筒に対する燃料噴射量の増量補正(リッチスパイク又はリッチシフト)を開始する。
更に、特定気筒のみに対してリッチスパイクを行う場合の悪影響を抑制するため、他の気筒(第1〜第5気筒)の空燃比をストイキに制御する。このステップ14(及び後述するステップ19)における空燃比の処理操作が、本発明に係る空燃比制御手段に相当する。
【0040】
なお、燃料噴射量の増量補正では、後述するステップ15で増量補正の停止条件が検出されるまでの間、燃料噴射量を一定の割合で増量させるようにすることもできる。
次のステップ15では、燃料噴射量の増量補正開始後の空燃比センサ14の出力をモニター等して、リッチスパイクが所定のものとなったか否かを判断する。なお、このステップ15では、リッチスパイクを開始してから所定時間経過したか否かを判断しても良いし、空燃比センサ14の出力がリッチ出力となり、又は空燃比センサ14の出力がリッチ出力となってから所定時間経過したか否かを判断しても良い。
【0041】
即ち、NOx吸収触媒7に吸収されたNOxの脱離・還元を良好に完了させることができるようなリッチスパイクを行うことができたか、延いてはNOx吸収触媒7に吸収されたNOxの脱離・還元が完了したか否かを判断すれば良い。
YESと判断されたときは、ステップ16へ進み、本来のリーン燃焼に復帰させる。
【0042】
NOであれば、ステップ14へリターンする。
ステップ17では、運転状態等の変化によりリーン運転からストイキ運転に切り替わった場合か否かを判断する。
YESであれば、ステップ18へ進み、NOであれば、本フローを終了する。
ステップ18では、前回のリーン運転中におけるNOx吸収量を推定する。
【0043】
ステップ19では、ステップ18で推定したNOx吸収量に基づいて、現在吸収されているNOxの脱離・還元を良好に完了させることができるようなリッチスパイクを特定気筒に対して行いながら、他の気筒によりストイキ運転を行わせる。
【0044】
即ち、要求トルクの増加等によりリーン運転からストイキ運転に移行する際に、前回のリーン運転中にNOx吸収量が飽和吸収量となったか否かに拘わらず、所定のリッチスパイクを行いながら、ストイキ運転へ移行させる。
このようにすると、運転性に悪影響を与えることなく(運転者に違和感を与えることなく)、良好にリッチスパイクを行わせることができるとともに、リッチスパイクを行わせる頻度を増すことができるので、NOx吸収量を低く抑え、延いてはリーン運転中にリッチスパイクを行わせることによる運転性への悪影響や、排気性能・燃費等への悪影響を低減することができる。
【0045】
ステップ20では、前述と同様の手法により、NOxの脱離・還元処理が完了したか否かを判断する。
YESであれば、ステップ21へ進み、特定気筒に対するリッチスパイクを解除して、全ての気筒によりストイキ運転を行わせて、本フローを終了する。
NOであれば、ステップ19へリターンする。
【0046】
このように、第2の実施形態によれば、運転性への悪影響を一層抑制しながら、第1の実施形態により奏せられる作用効果と同様の作用効果を一層効果的に得ることができるうえ、リッチスパイクを行わせる頻度を増すことができるので、NOx吸収量を低く抑え、延いてはリーン運転中にリッチスパイクを行わせることによる運転性への悪影響や、排気性能・燃費等への悪影響を一層低減することができる。
【0047】
ところで、図7に示すフローチャートのように、図6に示すフローチャートに対してステップ14A,19A,16A及び21Aの処理を追加し、ステップ14,ステップ19における空燃比のリッチ化制御中に、点火時期をリタードさせるとともに、脱離完了後に、空燃比のリッチ化とこの点火時期のリタードとを解除することとしてもよい。特に、ステップ14Aでは、特定気筒に対するリタード量を他の気筒に対するものよりも大きく設定しているので、各気筒のトルクを一様に揃えることができる。なお、図7に示すフローチャートのステップ14A,19Aの処理(点火時期をリタードさせる。)が、本発明に係る出力抑制制御手段に相当する。
【0048】
このようにすると、出力バラツキ(又は出力段差)を抑制することができるので、以ってNOxの脱離・還元を効果的に行わせつつ、排気空燃比のリッチ化処理の開始に伴い発生する惧れのある車両前後方向のショック(出力ショック)や、エンジン1の振動・騒音を抑制することができ、運転性を良好に維持することができる。
【0049】
なお、出力抑制のための制御が、点火時期のリタードに限らず、吸気スワールの抑制制御等であっても良いことは、前述と同様である。また、これらの出力抑制制御を単独で行なわせてもよいし、適宜組み合わせて行なわせてもよい。
【0050】
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態では、図8に示すように、第1の実施形態におけるシステム構成に対し、第4及び第5気筒からの排気を、三元触媒15を通過させてから、第6気筒からの排気と合流させるようにしている。即ち、第5気筒と第6気筒との間の排気通路に、排気浄化触媒としての三元触媒3とは別個の三元触媒15が介装されている。なお、その他の構成は、図2,3に示すものと同様であるので、同一符号を付して説明を省略する。
【0051】
本実施形態では、図9に示すフローチャートに従い、NOxの脱離・還元のためのリッチスパイク(又はリッチシフト)を行わせる。
即ち、本実施形態では、排気浄化触媒としての三元触媒3、及びこれとは別個の三元触媒15の排気上流側にない(即ち、排気が三元触媒3又は排気触媒15に導入されない)特定気筒が第6気筒だけであるため、NOx吸収触媒7に吸収されているNOxの脱離・還元処理を行うのに十分な排気空燃比のリッチ化を図ることができない惧れが高い。即ち、第6気筒のみに対してリッチスパイク(又はリッチシフト)を行わせる場合は、第6気筒の空燃比を過度にリッチ化させる必要が生じ、第6気筒で燃焼が過度に悪化して、却って運転性、排気性能又は排気黒煙濃度等を悪化させる惧れがある。
【0052】
そこで、本実施形態では、以下に説明するように、第6気筒に対するリッチスパイク時に、他の気筒(第1〜第5気筒)に対しても空燃比をリッチ方向に操作する制御を行わせる。
即ち、図9のフローチャートにおいて、まず、ステップ31では、前述と同様に、現在エンジン1がリーン燃焼中であるか否かを判断し、YESであれば、S32へ進み、NOであれば、ステップ37へ進む。
【0053】
ステップ32では、従来と同様の手法により、エンジン負荷及びエンジン回転数等からNOx吸収量を推定する。
ステップ33では、推定されたNOx吸収量が、飽和吸収量に達しているか否かを判断する。YESであれば、NOxの脱離・還元を行わせる必要があるので、ステップ34へ進む。NOであれば、現段階ではNOxの脱離・還元を行わせる必要がないとして、本フローを終了する。
【0054】
ステップ34では、燃焼混合気の空燃比をリッチ化させて、NOx吸収触媒7に吸収されたNOxの脱離・還元を行わせるべく、第6気筒に対する燃料噴射量の増量補正(リッチスパイク又はリッチシフト)を開始する。
更に、第6気筒のみに対してリッチスパイクを行う場合の悪影響を抑制するため、他の第1〜第5気筒の空燃比をストイキに制御する。このステップ34(及び後述するステップ39)における空燃比の処理操作が、本発明に係る空燃比制御手段に相当する。
【0055】
なお、燃料噴射量の増量補正では、後述するステップ35で増量補正の停止条件が検出されるまでの間、燃料噴射量を一定の割合で増量させることとしてもよい。
ステップ34Aでは、出力バラツキ(又は出力段差)を抑制するため、全ての気筒に対して点火時期のリタードを行う。ここで、特定気筒(第6気筒)は、他の気筒(第1〜第5気筒)と比較してリッチ化の度合いが大きく、出力の増大代が大きいので、この特定気筒に対する点火時期のリタード量は、他の気筒に対するものよりも大きく設定するのが好ましい。
【0056】
次のステップ35では、NOx吸収触媒7に吸収されたNOxの脱離・還元を良好に完了させることができたか否かを判断する。
YESと判断されたときは、ステップ36へ進み、本来のリーン燃焼に復帰させるとともに、点火時期のリタードを解除する。
NOであれば、ステップ34へリターンする。
【0057】
ステップ37では、運転状態等の変化によりリーン運転からストイキ運転に切り替わった場合か否かを判断する。
YESであれば、ステップ38へ進み、NOであれば、本フローを終了する。
ステップ38では、前回のリーン運転中におけるNOx吸収量を推定する。
ステップ39では、ステップ38で推定したNOx吸収量に基づいて、現在吸収されているNOxの脱離・還元を良好に完了させることができるようなリッチスパイクを第6気筒に対して行いながら、他の気筒によりストイキ運転を行わせる。このステップ39(及び後述するステップ39A)の処理が、本発明に係る出力抑制制御手段に相当する。
【0058】
即ち、要求トルク(負荷)の増加等によりリーン運転からストイキ運転に移行する際に、前回のリーン運転中にNOx吸収量が飽和吸収量となったか否かに拘わらず、所定のリッチスパイクを行いながらストイキ運転へ移行させる。
このようにすると、運転性に悪影響を与えることなく(運転者に違和感を与えることなく)、良好にリッチスパイクを行わせることができるとともに、リッチスパイクを行わせる頻度を増すことができるので、NOx吸収量を低く抑え、延いてはリーン運転中にリッチスパイクを行わせることによる運転性への悪影響や、排気性能・燃費等への悪影響を低減することができる。
【0059】
ステップ39Aでは、出力バラツキ(又は出力段差)を抑制するため、特定気筒(第6気筒)に対して点火時期のリタードを行う。なお、前述と同様に、点火時期のリタードに限らず、吸気スワールの抑制制御等を採用することができ、また、出力抑制制御を単独で行わせても、適宜組み合わせて行わせても良い。
【0060】
ステップ40では、前述と同様の手法により、NOxの脱離・還元が完了したか否かを判断する。
YESであれば、ステップ41へ進み、特定気筒(第6気筒)に対するリッチスパイクを解除するとともに、点火時期のリタードを解除して、この特定気筒をストイキ運転へ移行させることで、全ての気筒でストイキ運転を行わせ、本フローを終了する。
NOであれば、ステップ39へリターンする。
【0061】
このように、本実施形態によれば、プリ触媒(NOx吸収触媒)7及び床下触媒(三元触媒)8の活性化の遅れ(排気通路が長いこと、又は排気過給機5の持つ熱容量の影響等で、排気による良好な昇温が図れないことによる。)に起因する排気有害成分(特に、HC,CO)の排出量の増加等を抑制するため、右バンク用排気通路2に三元触媒3を、第5気筒と第6気筒との間の排気通路に三元触媒15を夫々設置した内燃機関において、リーン燃焼が継続してNOx吸収触媒7のNOx吸収量が飽和量に達したときは、第6気筒(三元触媒3及び三元触媒15の排気上流側にない気筒であり、特定気筒に相当する。)の空燃比をリッチ化させるとともに、他の気筒の空燃比をストイキに制御するようにして、NOx吸収触媒7に吸収されたNOxの脱離・還元処理を行うようにしたので、第6気筒のみに対してリッチスパイク(又はリッチシフト)を行わせる場合のように第6気筒で燃焼が過度に悪化し、却って運転性、排気性能又は排気黒煙濃度等を悪化させる惧れを回避しながら、最大限燃費を改善しつつ、三元触媒3及び三元触媒15の劣化を抑制して、効果的にNOxの脱離・還元を行わせることができる。
【0062】
また、リーン運転からストイキ運転への移行に際し、前回のリーン運転中におけるNOx吸収量が飽和吸収量となったか否かに拘わらず、所定のリッチスパイクを行わせながらストイキ運転へ移行させるようにしたので、運転性への影響(運転者に対する違和感)を一層抑制しながら、良好にリッチスパイクを行わせることができるとともに、リッチスパイクを行わせる頻度を増すことができるので、NOx吸収量を低く抑え、延いてはリーン運転中にリッチスパイクを行わせることによる運転性への悪影響や、排気性能・燃費等への悪影響を一層低減することができる。
【0063】
更に、空燃比のリッチ化制御中に点火時期をリタードさせることとしたので、出力バラツキ(又は出力段差)を抑制することができ、以ってNOxの脱離・還元を効果的に行わせつつ、排気空燃比のリッチ化処理の開始に伴い発生する惧れのある車両前後方向のショック(出力ショック)や、エンジン1の振動・騒音を抑制することができ、運転性を良好に維持することができる。
【0064】
三元触媒3及び三元触媒15は、排気通路とは別個の担体に触媒を担持させたものに限らず、排気通路(排気マニホールド等)の内表面に触媒層をコーティングしたものであってもよい。
なお、以上の各実施形態では、ターボ過給機5を採用した場合について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、ターボ過給機5の代わりに所謂コンプレックス過給機(排気の圧力波(プレッシャーウェーブ)利用型の過給機)を採用したものに適用することもできるし、図2,8に示すターボ過給機5を省略した内燃機関に適用することもできる。
【0065】
後者のターボ過給機5を省略した場合は、空燃比をリッチ化させた気筒からの排気と、他の気筒からの排気とのミキシング性がやや低下するものの、右バンク(RH)用排気通路2と、左バンク(LH)用排気通路4とを合流させずに、プリ触媒7へ接続することもできる。また、プリ触媒7へ接続した後、プリ触媒7のケース内で、各排気通路2,4からの排気を合流させることもできる。
【0066】
なお、ターボ過給機5等を設置した場合は、ターボ過給機5等の持つ熱容量の影響等で排気による良好な昇温が図れないことに起因するプリ触媒(NOx吸収触媒)7及び床下触媒(三元触媒)8の活性化の遅れに伴う排気有害成分(特に、HC,CO)の排出量の増加等が、排気浄化触媒(三元触媒)3により抑制されるのは勿論、ターボ過給機5により、リッチ化させた気筒からの排気と、他の気筒からの排気とを良好にミキシングさせることができるので、NOxの脱離・還元をより良好に行わせることができる。即ち、ターボ過給機5を備えた場合は、備えない場合に比べ、本発明の利用価値が一層高められると言うことができる。
【0067】
なお、本発明は、V型エンジンに限らず、水平対向エンジンについても同様に適用することができる。
【0068】
更に、本発明は、既述のように、ターボ過給機を備えない場合にも同様に適用することができる。
即ち、以上の各実施形態に関して説明したものは一例であり、本発明は、これに限定されるものではない。
本発明は、V型エンジン等に関し、一方のバンクに設けられた特定気筒からの排気を、排気浄化触媒に導入させずにNOx吸収触媒に導入させ、他方のバンクに設けられた、特定気筒以外の気筒からの排気を、排気浄化触媒に導入させた後にNOx吸収触媒に導入させるようにした場合(排気過給機を備えない場合や、エンジンが水平対向型である場合を含むとともに、特定気筒からの排気と特定気筒以外の気筒からの排気とをNOx吸収触媒への導入前に合流させない場合を含む。)に、特定気筒のうち少なくとも1つの気筒(この気筒は、第1又は第2の実施形態に関して説明した特定気筒に限られず、特定気筒としての要件を満たす気筒であれば、1つのみの気筒であっても構わない。)に対する燃焼混合気の空燃比をリッチ化させて、排気空燃比をリッチ化させ、NOx吸収触媒に吸収されたNOxの脱離・還元を行わせるようにしたもの全てに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態に係るシステム構成図(その1)。
【図3】本発明の第1の実施形態に係るシステム構成図(その2)。
【図4】同上実施形態に係るNOx脱離制御・空燃比制御を説明するためのフローチャート。
【図5】同上実施形態に係る出力抑制制御を説明するためのフローチャート。
【図6】本発明の第2の実施形態に係るNOx脱離制御・空燃比制御を説明するためのフローチャート。
【図7】同上実施形態に係るNOx脱離制御・空燃比制御・出力抑制制御を説明するためのフローチャート。
【図8】本発明の第3の実施形態に係るシステム構成図。
【図9】同上実施形態に係るNOx脱離制御・空燃比制御・出力抑制制御を説明するためのフローチャート。
【図10】本発明に係る作用効果を説明するタイミングチャート。
【符号の説明】
1 エンジン
2 「第2の排気通路」としての右バンク用排気通路
3 「排気浄化触媒」としての三元触媒
4 「第1の排気通路」としての左バンク用排気通路
5 排気過給機
7 プリ触媒(NOx 吸収触媒)
8 床下触媒
9 スロットルバルブ
10 燃料噴射弁
11 クランク角センサ
12 エアフローメータ
50 エンジンコントロールユニット
Claims (6)
- 第1及び第2のバンクに振り分けられて設けられた複数の気筒と、
前記第1のバンクに接続された第1の排気通路と、
前記第2のバンクに接続された、前記第1の排気通路よりも長い第2の排気通路と、
前記第2の排気通路に介装された排気浄化触媒と、を備え、
前記複数の気筒のうち前記第1のバンクに設けられた気筒を特定気筒として、この特定気筒からの排気を前記第1の排気通路を介してNOx吸収触媒に導入させ、前記特定気筒以外の気筒からの排気を、前記第2の排気通路を介し、前記排気浄化触媒に導入させた後に前記NOx吸収触媒に導入させるようにした内燃機関の制御装置であって、
リーン燃焼中に、排気空燃比をリッチ化させて、前記NOx吸収触媒に吸収されたNOxの脱離・還元処理を行う際に、前記特定気筒のうち少なくとも1つの気筒のみにおける燃焼混合気の空燃比をリッチ化させて、排気空燃比をリッチ化させる空燃比制御手段を含んで構成される内燃機関の制御装置。 - 前記内燃機関が、前記特定気筒からの排気と、前記特定気筒以外の気筒からの排気とを、前記第1及び第2のバンクのうち前記第1のバンク側の位置で合流させた後、前記NOx吸収触媒に導入させるものである請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記内燃機関が、前記特定気筒及びそれ以外の気筒からの排気が合流する位置の下流に設置された排気過給機を更に備え、前記特定気筒からの排気を、前記第1の排気通路を介して前記排気過給機に導入させた後に前記NOx吸収触媒に導入させ、前記特定気筒以外の気筒からの排気を、前記第2の排気通路を介し、前記排気浄化触媒及び前記排気過給機に導入させた後に前記NOx吸収触媒に導入させるものである請求項2に記載の内燃機関の制御装置。
- 前記空燃比制御手段により前記少なくとも1つの特定気筒における燃焼混合気の空燃比をリッチ化させる際に、当該燃焼混合気の空燃比をリッチ化させる気筒に対して出力抑制制御を行う出力抑制制御手段を更に含んで構成される請求項1〜請求項3の何れか1つに記載の内燃機関の制御装置。
- 前記出力抑制制御手段が、前記燃焼混合気の空燃比をリッチ化させる気筒の点火時期をリタードさせる手段を含んで構成される請求項1〜請求項4の何れか1つに記載の内燃機関の制御装置。
- 前記空燃比制御手段は、前記NOx吸収触媒に吸収されたNOxの脱離・還元処理を行う際に、前記少なくとも1つの特定気筒の排気空燃比をリッチ化させるとともに、それ以外の気筒の排気空燃比をストイキに制御する請求項1〜請求項5の何れか1つに記載の内燃機関の制御装置。
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