JP3665850B2 - 免疫賦活剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、免疫賦活剤に関し、更に詳細には、ラフィノース(オリゴ糖)を有効成分とする免疫賦活剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
腸の中には約百種類、百兆個の細菌が生息している。このような腸内細菌と宿主との関係が、近年、注目を浴びるようになり、腸内細菌の研究が盛んになってきた。
【0003】
一方、オリゴ糖は、2〜10個の単糖類が結合した糖であり、ビフィズス菌を増殖させ、腸の働きを助ける性質がある。最近は乳酸菌飲料、清涼飲料水、缶コーヒーなどに使用されている。
ラフィノースは、ビフィズス菌・乳酸桿菌に資化されるオリゴ糖の一つで、植物界に広く分布する三糖類である。白色で針状の結晶構造をしており、ビートからは1885年に見つかった。ラフィノースは、ビフィズス菌の増殖を誘導し、大腸菌やウェルシュ菌などの増殖を抑制すると考えられる。
【0004】
また、ビフィズス菌は宿主の免疫機構に影響を及ぼす事が最近の報告から明らかになってきているが、ラフィノースの投与によって免疫機能が高められたという報告は未だなされていない。ましてや本発明のように、ラフィノースの投与によって実際にヒトの末梢血における免疫細胞の増殖を確認したという報告、ラフィノースの投与によるin vivoでの免疫賦活作用を確認したという報告については、いずれも従来全くなされていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
免疫賦活、免疫力の増強が、癌をはじめとする各種疾病の予防、治療にきわめて重要である点に鑑み、本発明者らは、すぐれた免疫賦活剤、特に安全性の高い有用な免疫賦活剤を新たに開発することを目的として設定した。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために各方面から検討の結果、免疫賦活性のほかに安全性の面にも注目し、経口投与も可能な免疫賦活剤を開発することとし、副作用の少ない天然物に着目した。
【0007】
そして数多くの天然物の内、オリゴ糖、特にラフィノースがすぐれた免疫賦活作用を有することを見出し、本発明者らは、更に、ラフィノースの投与による腸内ミクロフローラにおけるビフィズス菌の増加、免疫細胞増殖作用、好中球の機能について、実際にヒト糞便及び血液で確認し、また更に、ヒトボランティアによるラフィノース経口投与の安全性ないし健康チェックも行い、機能及び安全性の両面から、しかもin vitroではなくin vivoレベルでラフィノースの有用性を確認し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち、本発明は、ラフィノース(オリゴ糖)を有効成分とする免疫賦活剤に関するものであり、本発明によれば、安全性が高く、経口投与も可能な卓越した免疫賦活剤が提供される。
以下、本発明について詳述する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明に係る免疫賦活剤は、ラフィノースを有効成分としてこれに常用される無機又は有機の担体ないし医療用賦形剤を加えて、常法にしたがい、固体、半固体又は液体の形で、経口投与剤のほか、外用剤等の非経口投与剤に製剤化する。経口投与剤の場合、その投与形態としては、例えば錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤、うがい薬等が挙げられる。これらの各種製剤は、主薬に賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、矯味矯臭剤、溶解補助剤、懸濁剤、コーティング剤などの医薬の製剤技術分野において通常使用しうる既知の補助剤を用いて製剤化することができる。
【0010】
その使用量は、症状、年令、体重、投与方法および剤形等によって異なるが、通常、成人1日当り4〜20g、好ましくは5〜15gを経口投与することができる。
本発明に係る有効成分は、天然起源でありしかも食品として使用されているものを起源とするため、毒性については格別の問題はなく、ラットに対して1日当り500mg経口投与しても急性毒性は全く認められなかった。したがって、必要あれば上記範囲よりも多量に使用してもさしつかえない。
【0011】
本発明に係る免疫賦活剤は、ヒトのほか、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、スイギュウといった各種の哺乳動物に対して適用することができ、また、ウサギ、ラット、マウスといった実験動物に対しても適用することができる。
そして有効成分についても、精製されたラフィノースを使用するのが最適ではあるが、例えば一部の経口投与剤の場合においては、甜菜糖の製造工程で副生するシロップの加工品といった精製度は多少低下したものを使用することも可能である。
【0012】
ラフィノースによる免疫賦活作用の詳細なメカニズムについては、今後の研究にまたねばならないが、ラフィノースの投与により腸内細菌そう(腸内ミクロフローラ)のビフィズス菌の占める割合が増加して、二次的に免疫反応が高めることが考えられている。
そして、ラフィノースを投与することによって、免疫賦活作用が高まり、各種疾病の予防、治療が有効に行われることとなり、例えば経口投与、うがい薬、局所投与等による歯周病の予防、治療にも有効であることが大いに期待される。
【0013】
以下、本発明の実施例について述べる。
【0014】
【実施例1】
ラフィノースのボランティアへの投与による腸内細菌そう、免疫細胞増殖作用、好中球の貪食機能に対する影響
【0015】
(1)被験者
被験者は本研究の主旨を理解し、同意が得られたボランティア10名(男性2名、女性8名)、平均年齢は24.4歳(21歳〜27歳)を対象とした。被験者は全身疾患を有さず、過去3ヶ月以内に抗生剤などの薬物投与を受けていない者とした。
【0016】
(2)実験スケジュール
ラフィノース投与開始より一週間前(−1W)、投与開始日(0W)、投与開始後1週目(1W)、2週目(2W)、3週目(3W)、4週目(4W)に各検査項目を検索した。
【0017】
(3)投与方法
被験者を無作為に5名ずつに分け、盲検法にてラフィノース投与群(テスト群)とプラセーボ投与群(コントロール群)の2群に分けた。各群とも一回量3gとし、一日三回の服用で、一日投与量は9g/Dayとした。なお、プラセーボとしてグルコースを投与した。
【0018】
(4)観察項目及び結果(1)
(i)腸内細菌そうの検索
週一回糞便を採取し、腸内細菌そうの検索を行なった。
糞便は滅菌済みのビニール袋に排便し、よくもみほぐした後、滅菌済みの舌圧子にて糞便中央部より親指第一関節程度の大きさの試料を採取した。採取した糞便の1gを希釈液(9ml)に加えて十分に混和した後、この液の10倍希釈系列を作製し、検液とした。これを平板培地上ヘ0.05mlずつ正確に滴下し、コンラージ棒で十分に塗沫した。嫌気性菌用の各平板培地は、作製後24〜28時間嫌気的条件下に保存して還元処理した後に使用した。好気性菌は35℃、48時間、嫌気性菌は嫌気性培養装置(Anaerobic system model 1024, Forma Scientific)内で35℃、72時間培養後、同定および菌数計算を行った。細菌の同定は、平板培地上の集落形態、グラム染色標本の鏡検、好気的条件下における発育試験および各種生化学的性状試験により行った。菌数計算は、平板培地上の集落数をコロニーカウンターで測定し、下記式により、糞便1g中の菌数を算出した。
糞便1g中の生菌数=コロニー数×糞便希釈倍率×20
【0019】
(ii)腸内細菌そうの検索結果
イ)総菌数に対するビフィズス菌の割合
テスト群の総菌数に対するビフィズス菌の割合は、投与1週間前で22.68%、投与開始日で38.07%、投与1週目で37.02%、投与2週目で55.81%、投与3週目で61.31%、投与4週目で40.49%であった。
コントロール群の総菌数に対するビフィズス菌の割合は、投与1週間前で23.73%、投与開始日で22.75%、投与1週目で30.12%、投与2週目で49.98%、投与3週目で44.64%、投与4週目で34.88%であった。
【0020】
以上のように、テスト群・コントロール群共、総菌数に対するビフィズス菌の割合は、投与3週目まで経週的に増加し、投与4週目で減少した(図1)。統計学的検索では投与1週間前と比較してテスト群では投与2週目(p<0.05)、投与3週目(p<0.05)で有意な増加が、コントロール群では投与2週目(p<0.05)、投与3週目(p<0.05)、投与4週目(p<0.05)に有意な増加が認められた。群間比較においては、試験期間を通じて統計学的有意差は認められなかった。
【0021】
ロ)嫌気性菌数に対するビフィズス菌の割合
テスト群の嫌気性菌数に対するビフィズス菌の割合は、投与1週間前で22.76%、投与開始日で38.10%、投与1週目で37.72%、投与2週目で55.98%、投与3週目で62.93%、投与4週目で40.82%であった。
コントロール群の総菌数に対するビフィズス菌の割合は、投与1週間前で24.41%、投与開始日で23.94%、投与1週目で30.37%、投与2週目で50.00%、投与3週目で44.75%、投与4週目で35.03%であった。
【0022】
以上のように、テスト群・コントロール群共、総菌数に対するビフィズス菌の割合は、投与3週目まで経週的に増加し、投与4週目で減少した(図2)。統計学的検索では投与1週間前と比較してテスト群では投与2週目(p<0.05)、投与3週目(p<0.05)で有意な増加が、コントロール群では投与2週目(p<0.05)、投与3週目(p<0.05)、投与4週目(p<0.05)に有意な増加が認められた。群間比較においては、試験期間を通じて統計学的有意差は認められなかった。
【0023】
(5)観察項目及び結果(2)
(i)免疫学的検索
週一回採血を行い、免疫学的検索を行なった。
【0024】
イ)リンパ球増殖反応
末梢血から、リンパ球を比重遠心法にて分離し、PBSにて洗浄後、10%FCS加PRMI 1640にて5×105cell/mlの細胞数となるよう調整した。
使用したマイトジェンは、T−cell mitogenとしてPHA(phytohemagglutinin : DIFCO)、T,B−cell mitogenとしてPWM(pokeweed mitogen : GIBCO)を用いた。マイクロプレートにマイトジェンを最終濃度でPHA 15μg/ml、PWM 150μg/mlになるように添加しておき、各ウェルに5×105cell/mlのリンパ球を200μlずつ分注した。その後CO2インキュベーターにてPHAは65時間、PWMは89時間インキュベーションした。インキュベーション後、3H−Thymidineを0.5μci/well加え、さらにCO2インキュベーターで7時間インキュベーションした。
セルハーベスターにて細胞を回収し、液体シンチレーションカウンターにて測定を行なった。
【0025】
ロ)多形核白血球(PMN)の貪食能
末梢血からのPMNの分離は以下のように行なった。
被験者の前腕の皮静脈より、末梢血10mlをヘパリン加チューブ(Vacutainer with sodium Heparin, Becton Dickinson Vacutainer Systems, U.S.A.)を用いて採取し、サンプルチューブ(Falcon 2096, U.S.A.)にMono−Poly resolving medium(Flow Laboratories Inc., U.S.A.)を3ml入れ、その上に静かに血液を3.5mlを重層した。その後、300×Gで30分間、室温で遠心分離し、PMNを含むバフィーコートを取り出した。それを別のサンプルチューブ(Corning 25319, JAPAN)に移しリン酸緩衝液(PBS,pH7.4)で2回洗浄後、1ml中に1×106個の細胞数となるように調整した。
細胞生存率(Viability)の測定は、0.4%Trypan Blue(SIGMA Chemical Co, U.S.A.)を用いて、Trypan Blue Exclusion法により決し、99%以上がPMNであることを確認した。
【0026】
貪食能の解析は以下のように行なった。
PMNの浮遊液100μlにPRMI 1640 medium(SIGMA Chemical co., U.S.A.)300μl(pH7.4)、同一被験者の新鮮血清100μl、そして貪食マーカーとして直径1μmのFITC標識ビーズ(Polyscience Inc., U.S.A)添加PBS溶液5μlを超音波処理後加えた。その後、37℃の恒温槽中にて、45分間インキュベート後、貪食作用を4℃の5mM EDTA加PBS溶液を加え停止させた。さらに、同液により2回洗浄し、余剰のビーズを除去後、2%パラホルムアルデヒド加PBS/EDTA溶液で固定した。
【0027】
PMNの貪食能の測定は、落射型蛍光顕微鏡(BH-2, OLYMPUSK.K., JAPAN)を使用し、細胞形態の確認とビーズの摂取状態を確認後、フローサイトメーター(FACScan, Becton Dickinson Immunocytometry Systems, U.S.A.)で計測した。フローセル中を通過する細胞浮遊液に488nmのアルゴンレーザーを照射し、前方散乱光(FW−SC)および側方散乱光(RT−SC)で得られたサイトグラム上でPMNを識別、ゲーティングし、各サンプルごとに5000個の細胞について解析を行った。そして得られた蛍光強度のヒストグラムから、ビーズの蛍光を有している群と有していない群の値を得、陽性率(ビーズを摂取した細胞数の割合)を求め、貪食率として算出するとともに、Mean Channelとビーズ1個の蛍光強度より細胞内に取り込まれているビーズの数、すなわち貪食度を算出した。
【0028】
(ii)免疫学的検索結果
イ)リンパ球増殖反応
テスト群のPHAによる増殖反応は、投与開始日を1とすると、投与1週目で2.19、投与2週目で1.73、投与4週目で2.13であった。
コントロール群のPHAによる増殖反応は、投与開始日を1とすると、投与1週目で1.09、投与2週目で0.95、投与4週目で1.37であった(図3)。
また、テスト群のPWMによる増殖反応は、投与開始日を1とすると、投与1週目で1.97、投与2週目で1.79、投与4週目で1.31であった。
コントロール群のPWMによる増殖反応は、投与開始日を1とすると、投与1週目で1.97、投与2週目で1.08、投与4週目で1.74であった。(図4)。
【0029】
以上のように、PHAによる増殖反応は試験期間を通して、テスト群で高い値を示した。一方PWMによる増殖反応は2週目でテスト群の方が高い値を示したが、4週目ではコントロール群の方が高い値を示していた。
【0030】
ロ)多形核白血球(PMN)の貪食能
テスト群のPMNの貪食率は、投与開始日で89.65%、投与1週目で88.76%、投与2週目で95.74%、投与4週目で95.29%であった。投与開始日と比較して投与2週目で有意な増加が認められた。
コントロール群のPMNの貪食率は、投与開始日で90.13%、投与1週目で89.98%、投与2週目で95.38%、投与4週目で94.53%であった。投与開始日と比較して各測定時に、統計学的有意差は認められなかった。(図5)
【0031】
テスト群のPMNの貪食度は、投与開始日で8.09個、投与1週目で10.87個、投与2週目で12.07個、投与4週目で10.08個であった。投与開始日と比較して投与2週目で有意な増加が認められた。
コントロール群のPMNの貪食度は、投与開始日で6.93個、投与1週目で9.48個、投与2週目で10.89個、投与4週目で7.53個であった。投与開始日と比較して各測定時に、統計学的有意差は認められなかった。(図6)
【0032】
以上のように貪食率、貪食度とも投与開始より2週目までやや上昇し、4週目で減少する傾向がテスト群、コントロール群ともに認められた。
テスト群とコントロール群の間には貪食率は差はなく、貪食度においてはテスト群でやや高い値を示したものの統計学的有意差は認められなかった。
【0033】
【実施例2】
試験期間中の体調および副作用について、以下の項目について、被験者にアンケート調査を行なうことにより、本発明に係る免疫賦活剤の安全性確認のためのパネルテストを行なった。
(1)普段の体調
(2)試験期間中の体調の変化
(3)投与による効果の有無
(4)投与による副作用の有無
(5)投与薬剤の味
【0034】
上記アンケート調査の結果は次のとおりであった。
【0035】
(1)普段の体調
「便秘気味」が4人、「軟便気味」が1人、「便秘でも軟便でもない」が4人、「肌荒れ」が3人、「吹き出物がよくできる」が3人であった。各群別にみると、テスト群では「便秘気味」が4人、「軟便気味」が0人、「便秘でも軟便でもない」が1人、「肌荒れ」が1人、「吹き出物がよくできる」が2人で、コントロール群では「便秘気味」が0人、「軟便気味」が1人、「便秘でも軟便でもない」が3人、「肌荒れ」が2人、「吹き出物がよくできる」が1人であった。
【0036】
(2)試験期間中の体調の変化
テスト群とコントロール群に分けて体調の変化をみてみると、テスト群では、一週目に、「特になし」が5人、二週目に、「特になし」が4人、「お腹が痛い日があった」が1人、三週目に、「特になし」が2人、「お腹が痛い日があった」が2人、「排便の間隔が短くなった」が1人、四週目に、「特になし」が3人、「排便の間隔が短くなった」が1人、「便通が良くなった」が1人であった。
コントロール群では、一週目に、「特になし」が3人、「軟便になった」が1人、「お腹が張る感じ」が1人、二週目に、「特になし」が3人、「軟便になった」が1人、「お腹が張る感じ」が1人、三週目に、「特になし」が3人、「やや軟便になった」が1人、「お腹が張る感じ」が1人、四週目に、「特になし」が3人、「やや軟便になった」が1人、「お腹が張る感じ」が1人であった。
【0037】
(3)投与による効果の有無
テスト群とコントロール群に分けて効果の有無をみてみると、テスト群では、「効果があった」が1人、「若干の効果があった」が2人、「どちらでもない」が2人、「悪くなった」が0人で、コントロール群では、「効果があった」が0人、「若干の効果があった」が1人、「どちらでもない」が4人、「悪くなった」が0人であった。
【0038】
(4)投与による副作用の有無
投与期間を通じ、テスト群とコントロール群共に副作用等は認められなかった。
【0039】
(5)投与薬剤の味
投与薬剤の味については、テスト群では「多少甘かった」が1人、「のみやすい」が4人で、コントロール群では、「甘かった」が3人、「甘味が強い」が2人であった。
【0040】
【発明の効果】
テスト群の総菌数に対するビフィズス菌の割合は、投与3週目まで経週的に増加し、4週目で減少した。このことは、これまでの研究結果と一致し、ラフィノースの投与によりビフィズス菌が増加し、腸内細菌そうに変化を与えることが確認された。
また、テスト群においてPMNの貪食率、貪食度が、ともに投与開始より2週目で有意な増加を示し、リンパ球増殖反応(PHA)が高い値を示したことから、ビフィズス菌がラフィノースの影響により、増加し、同時にビフィズス菌の免疫賦活作用が増強されたと考えられた。
これらのことから、ラフィノースにはビフィズス菌を増加させ、免疫細胞の機能を高める作用があることが確認され、また、パネル試験の結果から、ラフィノースの長期間経口投与によっても格別の副作用は認められなかった。
【0041】
したがって、本発明によれば、安全性が高くすぐれた免疫賦活剤を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】総菌数に対するビフィズス菌の割合を示す。
【図2】嫌気性菌に対するビフィズス菌の割合を示す。
【図3】リンパ球増殖反応(PHA)の変化を示す。
【図4】リンパ球増殖反応(PWM)の変化を示す。
【図5】多形核白血球(PMN)の貪食率の変化を示す。
【図6】多形核白血球(PMN)の貪食度の変化を示す。
Claims (2)
- ラフィノースを有効成分として含有すること、を特徴とする多形核白血球貧食能賦活剤及び/又はT細胞増殖性賦活剤。
- ラフィノースの経口投与量が1日当り4〜15gであること、を特徴とする請求項1に記載の剤。
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