JP3665082B2 - 人工肛門用具の凸状インサート - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、人工肛門用具に係り、特に、ツーピースタイプの人工肛門用具の粘着性フェイスプレートとともに使用して、該フェイスプレートを凸状に湾曲させるためのインサート(挿入片)に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
例えば結腸人工肛門形成術や回腸切開術やユーロストミーズ(urostomies)などの種々の外科手術では、体内から排泄物を排出するための開口部が腹部に形成される。患者が排泄をコントロールできないため、その開口部を保護するとともに排出された排泄物を入れる容器として機能する器具を設ける必要がある。
【0003】
この分野では、種々のタイプの人工肛門用具が知られている。多くの人工肛門用具は、患者の開口部の回りの皮膚に貼着するための粘着面を有する平板状で柔軟性を持ったフェイスプレートすなわち貼着部材(dressing)を有している。フェイスプレートには患者の開口部と心合わせしてこの開口部を受け入れる穴が形成されている。フェイスプレートの裏側(ポーチ側)には、ポーチまたはバッグが密封状態で貼着される。
【0004】
ある一般的なタイプでは、ポーチをフェイスプレートに取り外し可能に装着するというツーピース構造が用いられている。1984年7月17日にスティアー氏等に付与された人工肛門用具用のバッグと題する米国特許第4,460,363号明細書は、商業的に大成功を収めたツーピース型人工肛門用具の構成を開示している。この特許は、フェイスプレートにおける患者の開口部の受け入れ穴を取り囲むようにプラスチックリングとして形成された第1連結部材と、環状のチャンネル部材として形成されて人工肛門用具用バッグにその入り口穴の回りで接合される第2連結部材とを有する連結システムを用いた人工肛門用具のポーチを示している。フェイスプレート側のリングは、ポーチに固定されたリングのチャンネルの穴と密封状態で係合するように寸法が定められた、軸方向へ伸びるリブを有している。
【0005】
この軸方向へ延びるリブは内方へ向かって延びるシール片を有している。このシール片はリブがチャンネル内に入れられているときに撓ませるためのものである。このシール片は、リブをチャンネル内にしっかりと保持すべくチャンネルの外壁の内面に力を加えるように、チャンネル内にあるときに部分的に変形した状態に止どまる。
【0006】
このスティアー氏により示された構造をわずかに変更した形態が、ジョン・ビクター・エドワーズ、ウォルター・エフ・リーズ・ジュニア、及びジョン・ビー・クラインの各氏により1990年5月30日になされた「改良された連結方式の人工肛門用具」と題する米国特許出願第530,635号明細書に開示されている。この形態では、チャンネルの壁がより薄く形成され、したがってより容易に撓むようになっている。また、このチャンネルには、リング同士を強く係合させるようにシール片のエッジと協働する、内方へ向かう突起が設けられている。スティアー氏により示された比較的変形しやすいシール片は、第2実施例では堅くて実質的に変形しないシールフランジに置き換えられている。詳しくは、シールフランジは、軸方向に延びるリブの表面からその表面に対してほぼ直角に径方向内方へ延在する第1面と、この径方向に延在する表面のエッジからチャンネルに受け入れられるリブのエッジまで延びる傾斜面とにより、大略三角形の断面形状に形成されている。
【0007】
患者の開口部の回りの筋肉が老齢や伸びのために硬さを失った場合、開口部が皮膚の表面よりも十分に突き出していない場合、あるいは開口部の周辺部分の皮膚にくぼみや傷痕やしわなどがある場合などには、従来の人工肛門用具用の平板状のフェイスプレートでは、必要な耐水性と重量の保持力を発揮する程度の密閉状態を得るように開口部の周囲の皮膚に貼着できないことが良く見受けられていた。しかし、フェイスプレートが凸状に湾曲している場合には、その周囲の皮膚とフェイスプレートとの間でより良好な密閉状態が得られる。また、通常は突出していない開口部がその開口部用の受け口内に突き出すようになる。したがって、患者によっては凸状に湾曲したフェイスプレートを使用するのが望ましい場合がある。
【0008】
凸状に湾曲した粘着性のフェイスプレートを有する人工肛門用具を製造することは、もちろん可能である。しかし、このような特殊な構造のものを必要とする比較的限られた数の患者に使用させるために、種々異なるサイズの特殊な人工肛門用具を揃えておくことはコスト面において現実的ではない。したがって、通常の平板状のフェイスプレートを所望の凸状に湾曲させるために、柔軟なシール片を持った連結リングを有する一般的な人工肛門用具では、単一のプラスチックアダプタもしくはインサートが使用されている。例えば、ガリンド氏に付与された、この目的の凸状インサートに関する米国特許第4,219,023号明細書を参照すればよい。人工肛門用具の分野で第1人者であるニュージャージー州プリンストンのイー・アール・スクイブ・アンド・サンズ・インコーポレイテッドの1部門であるコンヴァテックは、凸状インサートの販売において商業的に成功を収めている。このインサートは、粘着性フェイスプレートのポーチ側の面に適切に貼着されると、フェイスプレートを凸状に湾曲させることによって開口部の周囲の皮膚と粘着面との間の接触状態を改善するように機能する。
【0009】
このコンヴァテック・インサートでは、このインサートを粘着性フェイスプレートのポーチ側の面上の連結リング内に配置する前に、フェイスプレートの中央穴が患者の開口部に適するように広げられる。このインサートは環状でその表面は凸状であり、十分な硬さのプラスチックにより形成されている。また、別のサイズの連結リングに対応して、外径の異なる種々のサイズのインサートが用意されている。
【0010】
これらの凸状インサートはフェイスプレートに所望の凸形状を与えるが、時には、ポーチをフェイスプレートから偶発的に外してしまう原因となる場合がある。その理由は、硬いインサートのリムが、フェイスプレートに張り付けられたときに、軸方向へ延在するリブ上に設けられた内方へ延びるシール片のエッジの下に入り、その結果、ポーチ側の連結リングの内壁のリムに接するように形成されているためである。シール片は、幾分薄い断面形状であるために極めて柔軟である。インサートは、ポーチ側の連結リングのリムに対してフェイスプレートから離れる方向へ力を加える場合、シール片に対してもかなり変形させる程度の力を加える。このことにより、フェイスプレート側の連結リングのリブがポーチ側の連結リングのチャンネルから外れ、ポーチの偶発的な脱落が生じる。このような偶発的な脱落は非常に望ましくないことであるが、特にポーチが排泄物で満たされている場合にはポーチの重量が増加するために生じやすくなっている。
【0011】
【発明の要旨】
本発明は、内方へ延在する硬いシールフランジを備えた軸方向へ延びるリブを有する連結リングとともに使用するための独特な構造の凸状インサートに関するものである。本発明のインサートは、その独特の構造により、連結リング内に入れられるときに変形し、その後、インサートの外側のエッジが、硬いシールフランジの一部を構成し且つ径方向へ延在する表面の下側に確実に入った非変形状態に復帰する。このインサートは、ポーチ側の連結リングと接触せず、この連結リングに対していかなる力も加えないため、連結リング同士の係合に対する妨害とはならない。
【0012】
本発明の主な目的は、連結リングの偶発的な脱落を起こさないような、人工肛門用具用の凸状インサートを提供することである。
【0013】
本発明の他の目的は、内方へ延びる硬いシールフランジを持った軸方向へ延びるリブから形成された連結リングを有するタイプの人工肛門用具とともに使用するための凸状インサートを提供することである。
【0014】
本発明の他の目的は、フェイスプレート側の連結リング内を通過し、その後に、連結リングの硬いシールフランジの下に確実に入って変形していない状態に戻るように変形可能な、人工肛門用具用の凸状インサートを提供することである。
【0015】
本発明の他の目的は、断面弓状で実質的に変形しない部分を有する凸状且つ環状の本体と、連結リングのシールフランジ内をインサートが通過し得るように外周が一時的に小さくなる外側エッジを持った変形部とを含む、人工肛門用具用の凸状インサートを提供することである。
【0016】
本発明の他の目的は、インサート本体の変形部がインサートの外側エッジの外周を小さくするように撓むべく形成された、分離配置された複数の可撓部分を有する人工肛門用具用の凸状インサートを提供することである。
【0017】
本発明の一つの態様によれば、軸方向へ延びるリブ手段を有する連結リングを備えたタイプのツーピース型人工肛門用具のフェイスプレート用インサートが提供される。リブ手段が有する硬いシールフランジ手段は、ほぼ径方向内方へ延在する表面によってその一部分が形成されている。インサートは実質的に凸状の環状本体を有している。この本体は比較的変形しやすい部分を有している。この変形部は通常はフランジ手段の内周よりも外周が僅かに大きな外側エッジを有している。この変形部の外側エッジは、連結リングのフランジ手段内をインサートが通過し得るようにその外周が一時的に小さくなり、その後に、外側エッジが径方向へ延在するフランジ手段の表面の下に入って変形していない状態に復帰すべく構成されている。
【0018】
フランジ手段は、さらに、リブのエッジから、径方向へ延在する表面のエッジへ、その径方向へ延びる表面に対して内方へ傾斜して延在する表面を有している。この傾斜面は、インサートが連結リング内を通過するときに、変形部と協働して外側エッジの外周が小さくなるのを促進する。
【0019】
上記変形部は、実質的に可撓性を持った手段を有している。この可撓手段の撓みにより上記外側エッジの外周の縮小が生じる。
【0020】
この可撓手段は、間隔をあけて配置した複数の可撓領域を備えている。この可撓領域は、変形部の外周に沿って間隔をあけて配置されている。これに対して実質的に撓まない領域が、その可撓領域の間に配置されている。この可撓領域は非可撓領域よりも厚さが薄く形成されている。
【0021】
変形部は実質的に非弓状である。インサートは、さらに、変形部よりも厚く形成された非変形部を有している。
【0022】
リブ手段は、径方向へ延在するフランジ手段の表面とともにコーナーを形成する表面を有している。外側エッジはインサートが適所に配置されたときにそのコーナー内に入るようになっている。
【0023】
本発明の他の他の態様によれば、ツーピース型人工肛門用具用のフェイスプレートと、それとともに使用するように形成されたインサートとを備えた人工肛門用具が提供される。フェイスプレートは、軸方向へ延在するリブ手段を有する連結リングを備えている。硬いシールフランジ手段は、実質的に径方向内方へ延在する表面によってその一部分が形成されている。このフランジ手段は所定の内周を有している。インサートは実質的に凸状の環状本体を有している。この本体は、比較的変形しやすい部分を有している。この変形部はフランジ手段の内周よりも通常は僅かに外周が大きな外側エッジを有している。この変形部の外側エッジの外周は、連結リング内をインサートが通過し得るように一時的に小さくなり、その後、外側エッジがフランジ手段の表面の下に入って元の状態に復帰すべく構成されている。
【0024】
【実施例】
これらの目的及び以下に明確に現れるその他の目的のために、人工肛門用具用の凸状インサートに関する本発明について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
図1は、上述した米国特許第4,460,363号明細書に記載されたスティアー氏による連結システムを有する人工肛門用具の一部を示している。この特許は、全体をAで示した通常は実質的に平板状の柔軟なフェイスプレートを有する人工肛門用具を開示している。フェイスプレートAは、開口部の周囲の皮膚に貼着するための医療用グレード(medical grade)の粘着剤の層を有し、開口部と心合わせされる中心穴を有している。
【0026】
溶着等の手段によってフェイスプレートAのポーチ側の面に張り付けられているのは、大略軸方向へ延在するリブ10を有する連結リングである。リブ10は径方向外方へ延びるリム12を外面に有している。リブ10の内面から該内面に対して鋭角に傾斜する方向へ延びているのは可撓性を有するシール片14である。シール片14は、リブ10がチャンネル内に挿入されたときに撓み、リブ10がチャンネル内に位置するときは部分的に撓んだ状態に止どまる。
【0027】
全体がBで示された、排泄物を受け入れるためのポーチもまた、これに対して貼着される連結リングを有している。ポーチBと協働する連結リングは外壁16と内壁18とからチャンネル状に形成され、互いに大略平行で離れた位置関係で、両壁ともにベース壁20から延びている。壁16、18及び20はリブ10を受け入れるのに適したチャンネルを形成している。壁16の端部には内方へ延びる突起22が形成されている。突起22は、部分的に変形したシール片14がリブ10に対して壁16側へ向かう力を加えて、突起22と壁20との間で壁16の内面に沿って形成された凹部にリム12を保持するので、リブ10をチャンネル内に部分的に保持すべくリム12と協働する。
【0028】
ポーチBをフェイスプレートAに装着する前に、全体がCで示された凸状インサートが、図1に示すようにフェイスプレートを凸状にするために、フェイスプレートに貼着された連結リング内に挿入される。インサートCは従来の構成のものである。このインサートCは、弓状に湾曲した断面形状を有する大略環状の本体24と、径方向外方へ延びる縁部26を有している。インサートCは、実質的に変形しないように比較的硬いプラスチックで形成されている。
【0029】
インサートCがフェイスプレートA上に配置されると、縁部26は、シール片14の先端の下側に位置し、シール片によってその位置に保持される。ポーチBが図1に示すようにフェイスプレートAに装着されると、壁18の外側の端面が縁部26と直接に接触する。硬いインサートCはフェイスプレートAに対して必ず大きな力を加え、フェイスプレートを凸状に維持する。これと大きさが等しくて向きが反対の力がフェイスプレートAから離れる方向へ、つまりポーチBに向かう方向へ向かう。この力は縁部26を通じて作用する。この力は、可撓シール片14の先端とポーチ側の連結リングの壁18の端面に加えられる。このことにより、シール片14が変形し、壁18の端面がフェイスプレートから離れる方向へ動くことになる。
【0030】
したがって、インサートCを設けていることにより、ポーチ側の連結リングがフェイスプレート側の連結リングから離れる方向へ動きやすくなり、両連結リングが外れやすくなる。このような連結リングの偶発的な脱落は極めて大きな欠点であり、ポーチの中が排泄物で満たされていてその重量が増えたときに生じやすい。この問題の発生は本発明によって完全に解消される。さらに、本発明のインサートは、フェイスプレートAを従来のインサートCよりもさらに大きく凸状に湾曲させる。
【0031】
図2、図3及び図4は、全体がDで示された本発明に係るインサートが、フェイスプレート上に適切に配置された状態の人工肛門用具を示している。この場合において、人工肛門用具の連結リングは、上述した米国特許出願第530,635号明細書で開示され、且つ既に説明したように変更されている。この出願の明細書では変更した連結リングの構造について詳細に説明されているので、読者は連結リングに関する細部については該明細書を参照することができる。
【0032】
しかし、本発明の目的のためには、改良した形態の連結リングにおいて、フェイスプレートAに貼着される連結リングのリブ10の構成が、シール片14(一般的な形態において高い弾力性を有する)を削除し、これを硬くて実質的に変形しないようにプラスチック材料で中実に形成されたシールフランジ28に置き換えることによって変更されたものであることを理解すれば十分である。ポーチ側の連結リングのチャンネルを形成する壁30,32及び34は、従来のチャンネルに比較してより薄く形成され、したがって、より変形しやすいようになっている。さらに、チャンネルの内壁34の内面は、シールフランジ28の最も内側のエッジ29と協働するように形成された、内側へ向かう突起36を有している。この変更された構造により、両連結リングを連結するのに必要な力は、従来の構造と比較して約50%に低減されている。同時に、分離するための力は、従来の人工肛門用具での力に比較して、少なくとも2倍程度に増大している。
【0033】
本発明に係るインサートDはリブ10と協働するが、従来のインサートCとは異なった位置でリブ10と接触する。詳しくは、図4に最も良く示されているように、インサートDの外側のエッジ50は、インサートが適所に配置されたとき、特にリブから連結リングの中心へ向かって内側へ延び且つ実質的に径方向に延在する表面40に接したとき、さらに詳しくは表面40とリブ10の内面42との間に形成されたコーナーに接したときに、フェイスプレートA上で連結リングの下側に入る。適所に配置されると、インサートDの外側のエッジ50はポーチ側の連結リングの全ての部分から離れ、特にその壁34から離れる。したがって、インサートDによってどれだけ大きな力が加えられようと、その力が両連結リングを偶発的に脱落させるべくポーチ側の連結リングに伝達されることはない。
【0034】
このインサートDの独特の構造は図5、図6及び図7に最も良く示されている。これらの図から明らかなように、インサートDは実質的に環状で、フェイスプレートAにおける患者の開口部用の穴と心合わせされるように形成された中央穴44を有している。インサートDは、凸状の断面形状で開口44を有する、実質的に変形しないベース部46を有している。ベース部46はプラスチックにより形成され、その厚さにより比較的硬くなっている。特に、その厚さは約1.524ミリ(0.06インチ)であることが好ましい。
【0035】
変形しないベース部分46の上に配置されているのは、実質的に平坦な断面形状であって外側エッジ50を有する比較的変形しやすい円周部48である。外側エッジ50は、この円周部48が変形していない状態である場合に、シールフランジ28の内側エッジ29に沿って計測されたリブ10の内周よりもその外周が僅かに大きい。しかし、インサートDがフェイスプレートAに装着されるときに円周部48が変形するようになっているので、外側エッジ50の外周は、インサートがフェイスプレート側の連結リング内を通過し得るように一時的に小さくなる。インサートがフェイスプレート側の連結リング内を一旦通過し、外側エッジ50がフランジ28の内側エッジ29の下側に移ると、インサートDの変形可能な円周部48はその非変形状態に復帰し、外側エッジ50がフランジ28の表面40の下側、特に図4に示されたように表面40と42との間に形成されたコーナーの近傍に入る。円周部48の変形とそれに続く元の状態への復帰は、この変形可能な円周部48の独特な構成によって可能になっている。
【0036】
図5及び図7に示すように、インサートDの変形可能部48には複数の薄肉部52と厚肉部54とが交互に配置されている。図9及び図10は、インサートDがフェイスプレートAに装着されている状態を示し、より詳しくは、リブ10によって形成されたフェイスプレート側の連結リング内をインサートが通過している状態を示している。内側エッジ29により定められたフェイスプレート側の連結リングのリブ10の内周がインサートDの外側エッジ50の外周よりもその非変形状態において僅かに小さいため、外側エッジ50の外周はインサートが連結リング内を通過するために必ず小さくなる。このことは、変形可能な円周部48の薄肉部52を内側へ撓ませることで可能となっており、それによって、インサートの外周が小さくなる。これは、外側エッジ50に連接する円周部48の外表面が、リブ10のリーディングコーナーから内側エッジ29に向かって延びる傾斜面31に沿ってカム動作することによって起こる。薄肉部52は、厚肉部54と比較してより大きな弾力性を得るために、プラスチック材料で十分に薄く形成されている。特に、厚肉部54が約0.508ミリ(約0.02インチ)の厚さを有し、それに対して薄肉部52が約0.254ミリ(約0.01インチ)の厚さを有していることが好ましい。したがって、厚肉部54は薄肉部52の約2倍の厚さを有していることが好ましく、それによって、薄肉部52が内側へ撓んで外側エッジ50の外周が実質的に小さくなり、且つその後に元の状態に復帰する。
【0037】
図11及び図12に示されているように、インサートDは、一旦シールフランジ28の内側エッジ29を越えると、このインサートが表面40の下側で適所に位置するように、好ましくはリブ10の表面40と42により形成されたコーナー内に外側エッジが位置するように、薄肉部52が元の状態に復帰することにより元の状態に広がる。インサートDの軸方向への深さが従来のインサートCの深さよりも大きいため、本発明に係るインサートDをフェイスプレートAの適所に配置すると、従来のインサートを使用するよりも大きな凸状の湾曲を得ることができる。
【0038】
フランジ28の下側で一旦適所に配置されると、このインサートをフェイスプレートから取り外すのは困難となり、インサートの偶発的な脱落は事実上起こり得ない。さらに、インサートがポーチ側の連結リングと接触せず、その連結リングに対していかなる力も加えないため、インサートは両連結リングを外すようには作用しない。
【0039】
人工肛門用具のフェイスプレートとともに使用するインサートに関する本発明により、通常は平板状の柔軟なフェイスプレートを実質的に凸状の構成にできることは以上の説明により明らかである。このインサートは、断面弓状で変形しない環状のベース部と、このベース部に連接し且つ交互に配置された厚肉部と薄肉部を有する変形可能な円周部とを含む独特の構造を有している。変形部の外側エッジの外周は、通常はフェイスプレート側の連結リングの内側エッジの内周よりも僅かに大きいため、インサートがフェイスプレートに入れられて連結リング内を通過するときに、変形部は、その外側エッジの外周が十分小さくなって連結リング内をインサートが通過し得るように僅かに変形する。インサートが連結リング内を一旦通過すると、インサートの変形部は、その外側エッジの外周がフェイスプレート側の連結リングの内周よりも再度僅かに大きくなり、その外側エッジがポーチ側の連結リングからは離れた位置で連結リングの下側に入るように、その元の変形していない状態に復帰して行く。したがって、ポーチがフェイスプレートに装着されたときに、ポーチ側の連結リングにはいかなる力も加わらず、いかなる障害も生じない。
【0040】
以上、説明のために本発明の好適な1実施例についてのみ開示したが、この実施例に対して種々の変更や修正が可能であることは明らかである。また、これら全ての変更や修正は、特許請求の範囲により定められた本発明の技術的範囲から逸脱するものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一般的なインサートを有する従来例に係るツーピース型人工肛門用具の一部拡大断面図である。
【図2】 本発明に係るインサートが装着された人工肛門用具の一部の平面図である。
【図3】 図2に示した人工肛門用具の側面図である。
【図4】 図2及び図3に示した人工肛門用具の一部拡大断面図である。
【図5】 本発明に係るインサートの平面図である。
【図6】 本発明に係るインサートの側面図である。
【図7】 本発明に係るインサートの一部拡大平面図である。
【図8】 インサートが連結リングに入れられる前の状態でインサートと連結リングの一部を示す分解拡大断面図である。
【図9】 インサートが連結リングに入れられた状態でインサートを示す分解拡大断面図である(図10の9−9線断面に相当する)。
【図10】 図9に示された状態でインサートを示すフェイスプレートの平面図である。
【図11】 連結リングに完全に入れられた状態でインサートを示す拡大断面図である(図12の11−11線断面に相当する)。
【図12】 本発明に係るインサートを収納した状態でのフェイスプレートの平面図である。
【符号の説明】
A フェイスプレート B ポーチ
C 凸状インサート D 凸状インサート
10 リブ 12 リム
14 シール片 16 外壁
18 内壁 20 ベース壁
22 突起 24 環状本体
26 縁部 28 シールフランジ
29 エッジ 30,32,24 壁
31 傾斜面 36 突起
40,42 表面 44 穴
46 ベース部 48 円周部
50 外側エッジ 52 薄肉部
54 厚肉部
Claims (6)
- 着脱可能な第1リング部材および第2リング部材を用いて、フェイスプレート(A)とポーチ(B)とを連結してなる人工肛門用具であって、
第1リング部材がフェイスプレート(A)に、第2リング部材がポーチ(B)に、それぞれ固定されており、
第1リング部材とフェイスプレートとの間には、テーパ状に拡がる凸状インサート(D)がその頂部を人体側に向けた状態で保持され、
第1リング部材は、軸方向へ延びるリブ手段(10)の内面(42)から大略径方向内方へ延在するリング状表面(40)を有するシールフランジ手段(28)を備えていて、上記凸状インサートの大径側端部(50)が上記内面(42)とリング状表面(40)とで構成されるコーナ部によって保持され、
第2リング部材は、第1リング部材に対して、少なくとも上記リング状表面(40)の内径側端縁(29)において、凸状インサートの大径側端部(50)から内側に間隔を置いた位置に係合するように構成したことを特徴とする、人工肛門用具。 - 上記凸状インサート(D)は、実質的に凸状の環状本体と、テーパ状に拡がる比較的変形しやすい変形部(48)とで構成されており、
該変形部(48)に含まれる上記大径側端部(50)は、通常は上記リング状表面(40)の内径側端縁(29)よりも僅かに大径であるが、第1リング部材内を通過し得るように一時的に縮径し、その後に、変形していない状態に復帰することで、当該凸状インサート(D)がフェースプレートと第1リング部材との間に保持されるように構成したことを特徴とする、請求項1記載の人工肛門用具。 - 上記フランジ手段(28)は、上記第1リング部材のリブ手段 (10) の上端縁から上記リング状表面 (40) の内周縁へと延在する傾斜面(31)を有し、該傾斜面(31)は、上記インサート(D)が第1リング部材内を通過するときに、上記変形部(48)と協働して上記大径側端部(50)の外周を小さくするのを促進することを特徴とする、請求項2記載の人工肛門用具。
- 上記変形部(48)は、周方向に交互に配置された複数の肉厚部 (54) と複数の薄肉部 (52) とを備えており、当該薄肉部 (52) が撓むことで上記大径側端部 (50) の縮径が生じることを特徴とする、請求項2記載の人工肛門用具。
- 上記変形部 (48) は、上記環状本体から大径側端部 (50) にかけて線形的に拡径するテーパ状とされていることを特徴とする、請求項2記載の人工肛門用具。
- 上記凸状インサート ( D ) の環状本体は、上記変形部 (48) よりも厚く構成されていて実質的に変形しないことを特徴とする、請求項2記載の人工肛門用具。
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