JP3664837B2 - 微粉状燃料燃焼バーナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は発電事業用、または自家発電用等のボイラにおいて、微粉状燃料の燃焼バーナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のものについて図2に基づいて説明する。同図2(a)はボイラの断面を示し、(b)は(a)の四隅に配置されるバーナ風箱を示し、(c)は(b)の燃料ノズルの一つの正面を示し、また(d)は(c)の燃料ノズルへ燃料を供給する微粉燃料管を示している。
【0003】
図2(a)において、1 は火炉断面で、周囲を炉壁で方形に囲まれ、その四隅にはそれぞれバーナ風箱2を配設している。3は火炎を示し、また4は炉壁近傍区域を示している。
【0004】
図2(b)は前記バーナ風箱2の詳細で、5段構成のものを示している。即ち、上下端に補助空気部5b,5aを配置し、下端の補助空気部5aの上に第1段燃料ノズル部6aを置き、これにオイルノズル部7aを介して第2段燃料ノズル部6bを配置し、同様にオイルノズル部7bを介して第3段燃料ノズル部6c,オイルノズル部7cを介して第4段燃料ノズル部6d,更にオイルノズル部7dを介して第5段燃料ノズル部6e、そして上端の補助空気部5bまでそれぞれの間に隙間を置かず順序良く積み重ねた構造となっている。
【0005】
そして、この積み重ね体の中から、ハッチッングした第5段燃料ノズル部6eに着目してその正面形状を図2(c)に示すと、同第5段燃料ノズル部6eは、中央に配置されて微粉燃料と搬送用空気を噴出する燃料噴出口8と、その周囲をとりまいて2次空気を噴出する燃料2次空気噴出口9とで構成されている。
【0006】
なお、他の燃料ノズル部6a〜6dも前記第5段燃料ノズル部6eと同様に構成されていることは勿論である。また、前記燃料噴出口8から噴出する微粉燃料と搬送用空気は、図2(d)に示す微粉燃料管10を経て搬送され、同燃料噴出口8に至るものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来のものでは、第1段〜第5段燃料ノズル部6a〜6eが規則正しく積み重ねられて配列されているために、バーナ風箱2の部分で空気量を絞りきれず、その結果として十分な空気のある雰囲気において燃焼が進ことから、ここで発生するNOX 値が非常に高いものであった。
【0008】
そこでこの高NOX 値を低下するべく、炉の上部に追加空気ポートを設置して空気量を分散し、バーナ風箱2の部分での空気量を減少させる試みがなされるが、火炉全体の高さが高いものとなり、コスト増になるという不具合が目立つ結果となるものである。
【0009】
また、火炉全体の高さを抑えようとして、バーナ高さを低くするとバーナ部の熱負荷が高くなり、炉壁へのスラグ(溶融灰)の付着が増加し、伝熱・燃焼障害等を引き起こすこととなり、種々の創意工夫を重ねるものの、実用性に富んだ好ましものを得るに至っていない状況にある。
【0010】
本発明は従来のものにおけるこのような状況に鑑みてなされ、バーナ部の抱える前記の諸問題点を解消し、実用性の高い好適なバーナ部を提供することを課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記した課題を解決すべくなされたもので、横幅を広げることに応じて高さを低くし狭い領域で燃料の高熱負荷燃焼を行うバーナと、その上方に配置された別置きの追加空気ポートと、出口方向に屈曲する微粉燃料管の屈曲部で同微粉燃料管内に配置され微粉燃料を遠心力で外側へ偏らせるブロック部材及び同ブロック部材に次いで配置され微粉燃料の濃度の高いものを炉の内側に偏らせるひねり板と、炉壁側寄りの開口面積を大きくして同炉壁側寄りの空気量を増やす燃料二次空気噴射口とを有してなる微粉状燃料燃焼バーナを提供し、バーナの横幅を広げることに対応してバーナの高さを低くし、これにより狭い領域で燃料を燃やす高熱負荷燃焼を行わせ、バーナの上方に別置きの追加空気ポートを配置してバーナ部でのNOX 発生を低減させ、更に、微粉燃料管内に配置したブロック部材で微粉燃料を外側へ偏らせ、同ブロック部材に次いで配置されたひねり板で微粉燃料を炉の内側に偏らせて炉壁近傍の微粉量を低減し灰分量も低減するとともに、燃料二次空気噴射口を炉壁側寄りで開口面積を大きくして炉壁側寄りの空気量を増やすことにより、スラグ(溶融灰)の融点を上昇させて前記高熱負荷による炉壁への溶融灰の付着を防ぐようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の1形態を図1に基づいて説明する。なお同図1(a)はボイラの断面を示し、(b)は(a)の四隅に配置されるバーナ風箱とその上方に配置した別置きの追加空気ポートを示し、(c)は(b)の燃料ノズルの一つの正面を示し、また(d)は(c)の燃料ノズルへ燃料を供給する微粉燃料管を示している。また前記した従来のものと同一の部分については、図中同一の符号を付して示し、重複する説明は省略する。
【0013】
本実施の形態においても前記従来のものと同様に周囲を炉壁で方形に囲まれた火炉断面1は、その四隅にそれぞれバーナ風箱2を配設しているが、ここに配置されるバーナの腰部である第1段〜第5段燃料ノズル部6a〜6e、およびその間に配設された各オイルノズル部7a〜7dは、横幅を広げるとともに高さを低くして構成されている。
【0014】
例えば従来一般の燃料ノズル部では、横幅は高さの1〜1.5倍に作られるものであるが、本実施の形態のものでは、横幅を高さの約3倍にした形状とし、このように横幅を広げたことに応じて高さを低くし、5段に積み重ねた全体の高さ寸法を低くしている。
【0015】
そしてこの5段に積み重ねて構成したバーナ風箱2の上方には、追加空気ポート14を設け、同追加空気ポート14の設置位置は、従来の一般の燃料ノズル部の最上部のものが配置されるとほぼ同じ高さの位置となっている。
【0016】
また、この積み重ね体の中でハッチッングした第5段燃料ノズル部6eは、その正面形状を図1(c)に示すように、内側に配置されて微粉燃料と搬送用空気を噴出する燃料噴出口8と、その周囲をとりまいて2次空気を噴出する燃料2次空気噴出口9とで構成されているが、内側の燃料噴出口8はこれをとりまく燃料2次空気噴出口9の中で図で見て右寄りに偏倚している。
【0017】
これは即ち、炉壁寄りで燃料2次空気噴出口9の開口部が広く、その分中央寄りが狭くなり、炉壁寄りの空気面積を大きくして炉壁近傍に燃料2次空気がより多く噴出し、中央寄りとなる火炎3より炉壁寄りで、炉壁近傍区域4内に希薄燃料火炎11を形成するようになっている。
【0018】
また、前記燃料噴出口8に微粉燃料と搬送用空気を供給する微粉燃料管10の内部には、前記微粉燃料と搬送用空気の流れがカーブする内側にブロック13を配置し、前記微粉燃料等を遠心力で上方、外側へと偏らせ、これに次いで配置したひねり板12により流れを90°ひねって微粉燃料の濃度の高いものが炉の内側に寄り、炉壁近傍の濃度は低減するようにしている。
【0019】
本実施の形態は前記したように構成されているので、第1段〜第5段燃料ノズル部6a〜6eを中心としていわゆるバーナ部の幅を広げ、かつバーナ高さを低くすることにより、微粉状燃料流は火炎からの輻射の受熱面積を増やして着火を促進するとともに、狭い領域で燃焼を行い、雰囲気温度を高めて燃焼性を向上させるものである。
【0020】
また、従来一般のバーナ最上段に匹敵する程度の高さ位置にバーナ部とは別置きの追加空気ポート14を設置し、全燃焼用空気のほぼ30〜40%程度に当たる十分な量の空気を投入することにより、前記バーナ部を空気不足の還元域とするとともに、バーナ部全体の高さ低減はバーナ部から追加空気ポート14に至る微粉燃料や燃焼ガス等の滞留時間を確保することとなり、着火促進、雰囲気温度高等が相俟って、NOX 還元域をさらに強化する作用を呈する。
【0021】
また、微粉燃料管10の内部に配置したひねり板12およびブロック13は、まずブロック13と微粉燃料管10の曲がりによる遠心力により、微粉燃料を微粉燃料管10の断面内で偏らせ、次いでひねり板12により濃い領域の微粉燃料をひねり、炉の内側寄りに噴出することにより炉壁近傍の微粉量を低減し、灰分量も低減するものである。
【0022】
さらに、灰分中に鉄分が含まれている場合、周囲雰囲気が空気不足の状態では、溶融温度の低い化合物を形成し、付着力も増大することから、広めな開口面積とした炉壁側の空気量を増大させ、空気が十分な雰囲気としてこのような化合物の形成を防止するものである。
【0023】
以上、本発明を図示の実施の形態について説明したが、本発明はかかる実施の形態に限定されず、本発明の範囲内でその具体的構造に種々の変更を加えてよいことはいうまでもない。
【0024】
【発明の効果】
以上本発明による微粉状燃料燃焼バーナは、横幅を広げることに応じて高さを低くし狭い領域で燃料の高熱負荷燃焼を行うバーナと、その上方に配置された別置きの追加空気ポートと、出口方向に屈曲する微粉燃料管の屈曲部で同微粉燃料管内に配置され微粉燃料を遠心力で外側へ偏らせるブロック部材及び同ブロック部材に次いで配置され微粉燃料の濃度の高いものを炉の内側に偏らせるひねり板と、炉壁側寄りの開口面積を大きくして同炉壁側寄りの空気量を増やす燃料二次空気噴射口とを有して構成しているので、バーナの横幅を広げることに対応してバーナの高さを低くして狭い領域で燃料を燃やす高熱負荷燃焼を行わせ、上方に配置した別置きの追加空気ポートで燃焼空気を消費することでバーナ部での燃焼空気を絞ってNOX 発生を低減させ、更に、微粉燃料管内に配置したブロック部材で微粉燃料を外側へ偏らせ、同ブロック部材に次いで配置されたひねり板で微粉燃料管内で方向づけした微粉燃料を炉の内側に偏らせて炉壁近傍の微粉量を低減し灰分量も低減するとともに、炉壁側寄りで開口面積を大きくした燃料二次空気噴射口で炉壁側寄りの空気量を増やすことにより、スラグ(溶融灰)の融点を上昇させて前記高熱負荷による炉壁への溶融灰の付着を防ぐようにしたものである。
【0025】
かくして本発明によれば、バーナの高さを抑えて製作コストを低減し、また、バーナ部でのNOX 発生を低減するとともに高熱負荷燃焼により燃焼性を促進して未燃分を低減し、加えてブロック部材、これに次ぐひねり板等で微粉燃料を炉の内側に偏らせて炉壁近傍の微粉量を低減し灰分量も低減するとともに、溶融灰を炉壁から脱落し易くした微粉状燃料燃焼バーナを得ることが出来、実用性が有り、好適な、そして信頼性の高い装置を得ることが出来たものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係わる微粉状燃料燃焼バーナの概要を示し、(a)はボイラの断面を示し、(b)は(a)の四隅に配置されるバーナ風箱とその上方に配置した別置きの追加空気ポートを示し、(c)は(b)の燃料ノズルの一つの正面を示し、また(d)は(c)の燃料ノズルへ燃料を供給する微粉燃料管を示した説明図。
【図2】従来の微粉状燃料燃焼バーナの概要を示し、(a)はボイラの断面を示し、(b)は(a)の四隅に配置されるバーナ風箱を示し、(c)は(b)の燃料ノズルの一つの正面を示し、また(d)は(c)の燃料ノズルへ燃料を供給する微粉燃料管を示した説明図。
【符号の説明】
1 火炉断面
2 バーナ風箱
3 火炎
4 炉壁近傍区域
5a 補助空気部
5b 補助空気部
6a 第1段燃料ノズル部
6b 第2段燃料ノズル部
6c 第3段燃料ノズル部
6d 第4段燃料ノズル部
6e 第5段燃料ノズル部
7a オイルノズル部
7b オイルノズル部
7c オイルノズル部
7d オイルノズル部
8 燃料噴出口
9 燃料2次空気噴出口
10 微粉燃料管
11 希薄燃料火炎
12 ひねり板
13 ブロック
14 追加空気ポート
Claims (1)
- 横幅を広げることに応じて高さを低くし狭い領域で燃料の高熱負荷燃焼を行うバーナと、その上方に配置された別置きの追加空気ポートと、出口方向に屈曲する微粉燃料管の屈曲部で同微粉燃料管内に配置され微粉燃料を遠心力で外側へ偏らせるブロック部材及び同ブロック部材に次いで配置され微粉燃料の濃度の高いものを炉の内側に偏らせるひねり板と、炉壁側寄りの開口面積を大きくして同炉壁側寄りの空気量を増やす燃料二次空気噴射口とを有してなることを特徴とする微粉状燃料燃焼バーナ。
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---|---|---|---|
JP08020097A JP3664837B2 (ja) | 1997-03-31 | 1997-03-31 | 微粉状燃料燃焼バーナ |
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