JP3664813B2 - 水浄化ポンプおよびそれを用いた水浄化設備 - Google Patents

水浄化ポンプおよびそれを用いた水浄化設備 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水浄化ポンプおよびそれを用いた水浄化設備に関する。さらに詳しくは、河川や湖沼、海洋において動物性または植物性プランクトンの異常発生による水質汚染、いわゆる赤潮を浄化する水浄化ポンプおよびそれを用いた水浄化設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
赤潮は海水または湖水中のプランクトンが一時的に急増することによって発生するものであるが、この赤潮が発生すると養殖中の魚介類を死滅させる等の尽大な被害を発生させる。
この赤潮を消滅させる方法として、種々の提案がなされているが、これまで、実用に適し効率のよい方法は存在していない。かかる現状において本発明者は、非常に有効な方法として、特公平6−47102号公報に記載の赤潮消滅装置を提案している。
【0003】
この赤潮消滅装置の特徴は、ポンプ装置によってキャビテーションを発生させ、キャビテーション気泡が崩壊するときの超音波によって、プランクトンを死滅させ、あるいは増殖を停止させようというものである。
この装置は非常に有効であり、実験結果によっても注目すべき成果をあげたのであるが、この装置が実用機械として成功するか否かは、プランクトンを死滅させるに好適な超音波を発生させるポンプの性能にかかっている。
【0004】
しかるに、キャビテーションは、これが発生すると流体機械の性能の低下、材料の壊蝕腐蝕、振動、騒音の発生等、多くの困った問題が起こるので、忌避すべき存在として認識されており、効率よくキャビテーションを発生させる研究などは行われた試しがない。
しかし、本発明を完成するには、効率よくキャビテーションを発生させることが不可欠であり、しかもキャビテーションにより生ずる超音波はプランクトンの死滅に効果あるものでなければならず、さらにキャビテーションの発生によっても、ポンプ装置は円滑に運転を続けることができなくてはならない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑み、赤潮を消滅させる水浄化設備に好適であり、かつプランクトンの増殖停止とおよび死滅に効果の高い水浄化ポンプを提供することを目的とする。また、その水浄化ポンプを用いた実用性の高い水浄化設備を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1の水浄化ポンプは、軸流型ポンプで構成され、主軸に主羽根と副羽根を軸方向に隣接し、かつ小さな隙間をあけて取付け、主羽根の取付け角と副羽根の取付け角が互いに逆向きになっており、副羽根の翼面積は主羽根の翼面積より小さいことを特徴とする。
請求項2の水浄化ポンプは、軸流型ポンプで構成され、主軸に同心二重軸を用い、一方の軸に主羽根を取付け、他方の軸に副羽根を取付け、軸方向に隣接し、かつ小さな隙間をあけて配置し、主羽根取付け角と副羽根の取付け角が互いに逆向きになっており、副羽根の翼面積は主羽根の翼面積より小さいことを特徴とする。
請求項3の水浄化ポンプは、軸流型ポンプで構成され、主軸に主羽根を取付け、該主羽根に対し軸方向に隣接し、かつ小さな隙間をあけて副羽根をケーシングに固定して取付け、主羽根の取付角と副羽根の取付け角が互いに逆向きになっており、副羽根の翼面積は主羽根の翼面積より小さいことを特徴とする。
請求項4の水浄化ポンプは、前記主羽根の入側に前記副羽根が取付けられていることを特徴とする。
請求項5の水浄化ポンプは、前記主羽根の出側に前記副羽根が取付けられていることを特徴とする。
【0007】
請求項6の水浄化設備は、請求項1、2または3記載の水浄化ポンプと、該ポンプの吸込み側に連結された吸込み管と、該ポンプの吐出側に連結された吐出管とからなることを特徴とする。
請求項7の水浄化ポンプは、前記水浄化ポンプの吸込口に吸込みヘッダーが接続され、該吸込みヘッダーを介して複数本の同じ長さの吸込み管が接続されていることを特徴とする。
請求項8の水浄化設備は、前記吸込み管の水面下に位置する部分がサイホン構造となっていることを特徴とする。
請求項9の水浄化設備は、前記吸込み管の上方に向いた吸込口に、円筒状の保護網と該保護網の上面開口部を閉塞するように取付けられた算盤玉状のウキからなる吸込み弁を取付けたことを特徴とする。
請求項10の水浄化設備は、前記吐出管の吐出口にT字管または邪魔板を取付けたことを特徴とする。
【0008】
本発明における水浄化原理、すなわち赤潮を消滅させる原理は、つぎのとおりである。すなわち、第1にキャビテーション気泡の崩壊時に発生する超音波を照射して死滅させること、第2にポンプ中に乱流を生じさせ、このとき発生する熱と電気により死滅させること、である。
(1)まず、キャビテーションを利用した第1の水浄化原理を説明する。
キャビテーション現象とは液体中に板を沈め、この板の面を直角方向へ高速で移動させると、この板の面の裏側には液体が追随できず負圧が生じ、蒸気泡または空洞が発生する。一般に、この空洞は瞬時に崩壊しそのときの衝撃波が超音波となる現象をいう。
流体機械運転中にキャビテーションが発生すると、既述のごとく種々の不具合が発生するのであるが、本発明では、逆転の発想によりこのキャビテーションを有効利用しようとするものであって、キャビテーションを積極的に多量に発生させてプランクトンを死滅させ、しかも、ポンプの性能の低下、材料の壊蝕、腐蝕、振動、騒音等の不具合は最小限に食い止めるものである。
【0009】
本発明者の研究によれば、ポンプの羽根車に発生する空洞には、図5に示すように、大別して3種類があることが判明している。なお、図中、pは羽根車の翼、gは気泡(または空洞)、矢印は翼の移動方向を示す。
(a)図のケース:ポンプの羽根車に大きい空洞gが発生し比較的長時間羽根車から離れない。この場合、超音波を発生せず、騒音、振動を発生し、羽根車を損傷する。
(b)図のケース:比較的大きい空洞gが発生し、羽根車から離れた所で崩壊する。この場合、効果のある超音波は発生しにくく、ポンプ全体を損傷する恐れがある。
(c)図のケース:非常に小さい空洞gが雲状またはコロイド状に多量に発生し、気泡gが羽根車から離れ、ポンプ内全体に広がった所で崩壊する。
上記の(c)のケースでの空洞gの崩壊は、全方向に多量に超音波を発生する。したがって、このことは、ポンプ内を通過する液全体に超音波を照射できることを意味し、また、空洞が小さい為、ポンプを損傷することが、少なくなることを意味する。
【0010】
そして、上記の(c)のケースのキャビテーションは、羽根車入側の負圧の程度が高く、かつ高速回転させると発生するのであるが、本発明の水浄化ポンプは、副羽根によって主羽根入側の水頭を低下させたことから、上記(c)のコロイド状の多数の小さい気泡が効率よく発生するのである。
【0011】
上記のコロイド状の多数の気泡によるプランクトンの死滅作用は、つぎのとおりである。
液中に発生したキャビテーション気泡は瞬時に周囲の液圧により崩壊し、この時、衝撃波が生じ、この衝撃波は液中振動波(音)となる。そして、この振動波は全周に発振し方向性を持たない。本発明の水浄化ポンプの運転中に発生する空洞は前記の理由により連続して崩壊し連続した多量の全方向性の液中振動波(超音波)となる。したがって、ポンプ内を通過するすべてのプランクトンは多数に発生した空洞のごく近くで、この空洞の崩壊に遭遇し、強い衝撃波を受ける。しかも、強烈な乱流により数回衝撃波を受けるプランクトンもある。このことによって、多くのプランクトンは死滅する。
しかしながら、多数の音源(コロイド状)から発生する振動波は互いに干渉してポンプ外への漏れを防ぐ。加えて、超音波は液中では減衰率が大であることによって、水浄化ポンプの回転は支障なく継続され、性能も低下しないのである。
【0012】
(2)つぎに、第2の水浄化原理を説明する。
本発明の水浄化ポンプを運転すると、副羽根の攪拌によってケーシング内には強烈な乱流が生ずるので、液(水)の分子間摩擦によって熱と電気を発生する。この熱は本来熱に耐性のないプランクトンや細菌を死滅させ、また、電気はポンプ内を通過する全てのプランクトン、菌類に感電させ、あるいは気絶、殺傷することに効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
図6は本発明の一実施形態に係わる水浄化設備の側面図、図7は同水浄化設備の平面図である。
図6〜7に示すように、1は台船であり、この台船1上には架台2によって本発明の水浄化ポンプ3が搭載されている。この水浄化ポンプ3の詳細は後述するが、電動モータまたは内燃機関等の原動機4に連結されており、水浄化ポンプ3の吸込口には吸込みヘッダー5が接続され、この吸込みヘッダー5を介して複数本の細径の吸込み管6が連結されている。さらに、水浄化ポンプ3の吐出口には、大径の吐出管7が連結されている。
【0014】
上記の浄水設備において、水浄化ポンプ3を駆動すると、吸込み管6から赤潮発生水域の水を吸い込み、ポンプ3内でキャビテーションを発生させ、乱流による電気と熱を発生させると、キャビテーション気泡の崩壊時に生ずる30〜100kHz程度の超音波によってプランクトンの増殖が阻止され、かつ乱流により発生した熱と電流によって、プランクトンの死滅と増殖が防止される。このようにして浄化された液(水)が吐出管7より外部に吐き出される。
【0015】
上記のごとく、本設備では、ポンプ3によって、吸い込んだ液(水)にキャビテーションを発生させ、かつ乱流を起して熱と電気を発生させることが重要であるが、図1〜図4のポンプは、キャビテーションを発生させるのに非常に有効なポンプ構造を有している。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態に係わる水浄化ポンプ3Aの要部断面図である。
10は主軸、11はケーシングであり、ケーシング11には吸込みヘッダー接続用のフランジ12と吐出管連結用のフランジ13とが設けられている。14はパッキンまたはメカニカルシールである。
【0017】
主軸10には、主羽根15と副羽根16が、軸方向に隣接し、かつ少し隙間をあけて取付けられ、副羽根16が主羽根15の入側に位置している。そして、図2に示すように、主羽根15の取付け角θ1と副羽根16の取付角θ2とは互いに逆向きになっている。主羽根15は水の吸込み吐出を行う羽根であり、翼面積は大きく、副羽根16はキャビテーションあるいは乱流発生を目的とするものであり、翼面積は小さい。また、主羽根15の形状もキャビテーションを発生しやすくするため、湾曲した翼形より平板状の翼形が好ましい。
【0018】
上記の構造のポンプ3Aにおいて、主軸10を矢印a方向に回転させると、水は矢印wで示すように吸い込まれ、吐出されていく。このとき、主羽根15の取付け角に対し副羽根16の取付角は逆向きであるので、同一方向に回転したとき、副羽根16は吸い込みを妨げるように動作するので、主羽根15の入口では水頭圧が副羽根16が無い通常の軸流ポンプに比して相当に低くなる。このため、主羽根15の背後にキャビテーションが発生する。
【0019】
この場合のキャビテーション気泡は負圧レベルの高い状態で発生しているので、図5(c)に示すようなコロイド状の多量の小さい気泡であって、この多数の気泡が崩壊するときの超音波によってプランクトンを死滅させることができる。また、超音波は全方向的に放射するので、ポンプを振動させたり、破壊することはない。さらに、主羽根15と副羽根16によって、ケーシング1内に激しい乱流が発生し、熱と電気が発生する。この熱と電気によってもプランクトンや細菌が死滅する。
【0020】
なお、副羽根16を主羽根15の出側に隣接して配置しても、水浄化効果がある。すなわち、キャビテーション効果は少し劣るが、副羽根16の攪拌によってケーシング内には強烈な乱流が生じ、液(水)の分子間摩擦によって熱と電気を発生する。この電気と熱はポンプ内を通過する全てのプランクトン、菌類に感電させ、気絶、殺傷することができる。またキャビテーション気泡の数は少なくても、相応の衝撃はプランクトンに与えるので、それによる死滅効果も生ずる。
【0021】
図3は本発明の第2実施形態に係わる水浄化ポンプ3Bの要部断面図である。同図に示すように、本実施形態では、主軸10を、内軸10aと外軸10bからなる同心二重軸で構成し、内軸10aに主羽根15を取付け、外軸10bに副羽根16を取付けたものである。副羽根16は主羽根15の入側に配置し、互いの間は少し隙間を設け、取付角は互いに逆向きである。
【0022】
この構造の水浄化ポンプ3Bにおいて、主羽根15は液(水)を吸い込んで吐出する方向に回転させ、副羽根16は反対向きに回転させる。この副羽根16の逆回転によって、主羽根15入口付近の液(水)の圧力は相当低下し、第1実施形態の同方向へ回転する副羽根16を設けた例よりも、顕著に低下する。このため、より一層キャビテーションが発生しやすくなっている。
【0023】
よって、キャビテーション気泡の崩壊によって発生する超音波によるプランクトンの死滅・増殖防止効果が高い。また、キャビテーションだけでなく、乱流による発熱と発電作用も生じ、それによる水浄化作用も当然に生じるものである。
【0024】
なお、本実施形態において、主軸10の構造を替え、外軸10bに主羽根15を取付け、内軸10aに副羽根16を取付けてもよい。
さらに、副羽根16を主羽根15の出側に配置してもよい。この構造においても、主羽根15の形状や、回転数、吸込み側圧力によっては、キャビテーションを発生させることが可能であり、さらに、乱流による発熱と発電作用によってプランクトン死滅作用を奏することは勿論である。
【0025】
図4は本発明の第3実施形態に係わる水浄化ポンプ3Cの要部断面図である。同図に示すように、本実施形態では、主軸10に主羽根15を取付け、主羽根15の入側に副羽根16をケーシング11に固定的に取付けている。つまり、副羽根16は邪魔板として機能する。副羽根16と主羽根15の間には小さな隙間が設けられ、それぞれの取付け角は互いに逆向きである。
【0026】
この構造の水浄化ポンプ3Cにおいて、主羽根15は液(水)を吸い込んで吐出する方向に回転させ、副羽根16は邪魔板として作用する。このため、主羽根15の入口付近の水頭は下がり、キャビテーションが発生しやすくなる。
【0027】
よって、キャビテーション気泡の崩壊によって発生する超音波によるプランクトンの死滅・増殖防止効果が高い。また、キャビテーションだけでなく、乱流による発熱と発電作用も生じ、それによる水浄化作用も当然に生じるものである。
【0028】
さらに、副羽根16を主羽根15の出側に配置してもよい。この構造においても、主羽根15の形状や、回転数、サクション側圧力によっては、キャビテーションを発生させることが可能であり、また、乱流による発熱と発電作用によってプランクトン死滅作用を奏することは勿論である。
【0029】
つぎに、前記各水浄化ポンプ3を用いた水浄化設備をさらに詳しく説明する。
図6〜7に示す基本構造は、既述のとおりであるが、以下に示す特徴を有している。
図7に示すように、吸込みヘッダー5から放射状に複数の吸込み管6が延びており、その長さは等しくすることが好ましい。この場合、各吸込み管6の管内抵抗が等しくなるので、均等にサクション作業が行われ効率が良くなる。
【0030】
図8に示すように、吸込み管6はサイホン構造を採用している。すなわち、ヘッダー5から水平に延びたあと、水面下に向けて垂下し、水面下に没する部分で水平に外側に延び、再度上方に向いて延びている。そして、吸込み管6の先端吸込み口には吸込み弁8が取付けられている。このサイホン構造により吸い込み揚程の低減化が図られ、吸い込み揚程は小さいがキャビテーションの発生しやすい軸流形ポンプ運転が可能となっている。そして軸流形ポンプは大流量を扱うのに適しているから浄化対象水域の広い範囲から水を吸い上げ、その迅速処理に好適である。
【0031】
また、図8は、吸込み管6先端の吸込み弁8の構造を示している。すなわち、吸込み弁8は、円筒状の保護網8aとその上面に取付けられたウキ8bと保護網8aの下側に取付けた円板状の邪魔板8dとから構成されている。保護網8aは、枠体等によって円形に保持され吸込み管6の先端に固定されている。ウキ8bは概略ソロバン玉状の中空部材であって、保護網8aの上面開口部を塞ぐように取り付けられている。なお、ウキ8bは太陽熱で破裂しないように、内部に空気抜き孔8cが形成されている。
この吸込み弁8によると、ウキ8bによって保護網8aの上面が閉塞されているので、周囲の水が渦を巻いて吸い込まれることはなくなり、渦に伴って空気が吸込み管6に進入しなくなるので、キャビテーションの発生を妨げない。また、保護網8aはゴミの吸込みを防止する。そして、邪魔板8dは、赤潮が発生している水面直下の液(水)のみを吸い込み、それより深い所の液(水)を吸い込まないようにするので、赤潮の浄化が効率よく行える。
【0032】
図9に示すように、吐出管7は先端にT字管9を取付けている。このT字管9を設けておくと、吐出水は吐出管7の両側方向に対称に吐き出されるので推力が均衡し、吐出管7が水中で動きまわることがない。また、T字管9を水平に向けておけば、底の泥を巻き上げる恐れも殆どない。なお、T字管9の代りに適当な形状の邪魔板を取付けても同様の効果が期待できる。
【0033】
なお、図7に示す吸込み管6の配置は一例であって、この他、種々のレイアウトを採用できる。例えば、河川の水浄化を行なう場合は河川を幅方向の所々に多数の吸込み管6を設置すればよい。
【0034】
【発明の効果】
請求項1〜3の発明によれば、プランクトンの死滅や増殖停止に効果の高い多量の小さなキャビテーション気泡と電気と熱を発生することができる。
請求項4の発明によれば、主羽根入側の副羽根で主羽根入側の圧力を顕著に降下させるので、多数の小さなキャビテーション気泡を発生させるのに顕著な効果がある。また、乱流による発電発熱効果も奏する。
請求項5の発明によれば、キャビテーション気泡の発生効果は請求項4の発明に比べて少ないが、乱流による発電と発熱は同効であり、水浄化には実用的効果が期待できる。
【0035】
請求項6の発明によれば、赤潮の増殖した水をポンプに吸い込み、ポンプ中でキャビテーション気泡の崩壊時の衝撃と、電気と熱によってプランクトンを死滅させ、浄化された水を吐出するので、水の浄化が効率よく行える。
請求項7の発明によれば、多数の吸込み管を用いることによって広い水面の浄化が可能となり、吸込み管の長さを等しくすることによって、片寄ることなく満遍に広い水面を浄化できる。
請求項8の発明によれば、吸込み揚程が低くなり、吸い込み揚程が低いが、キャビテーションの発生しやすい軸流型ポンプの採用を可能としたので、キャビテーションによる水浄化が効率よく行える。
請求項9の発明によれば、吸込み弁によって空気を吸い込まなくなるので、キャビテーションが発生しやすくなる。
請求項10の発明によれば、吐出流によって泥を巻き上げないので吐出側の水面を汚すことがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係わる水浄化ポンプ3Aの要部断面図である。
【図2】図1の水浄化ポンプ3Aの部分拡大図である。
【図3】本発明の一実施形態に係わる水浄化ポンプ3Bの要部断面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係わる水浄化ポンプ3Cの要部断面図である。
【図5】ポンプの羽根車に発生するキャビテーション気泡の説明図である。
【図6】本発明の一実施形態に係わる水浄化設備の側面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係わる水浄化設備の平面図である。
【図8】吸込み管6先端の吸込み弁8の説明図である。
【図9】吐出管7先端のT字管9の説明図である。
【符号の説明】
1 台船
3 水浄化ポンプ
5 吸込みヘッダー
6 吸込み管
7 吐出管
8 吸込み弁
9 T字管
10 主軸
11 ケーシング
15 主羽根
16 副羽根

Claims (10)

  1. 軸流型ポンプで構成され、
    主軸に主羽根と副羽根を、軸方向に隣接し、かつ小さな隙間をあけて取付け、
    前記主羽根の取付け角と副羽根の取付け角が互いに逆向きになっており、副羽根の翼面積は主羽根の翼面積より小さい
    ことを特徴とする水浄化ポンプ。
  2. 軸流型ポンプで構成され、
    主軸に同心二重軸を用い、一方の軸に主羽根を取付け、他方の軸に副羽根を取付け、軸方向に隣接し、かつ小さな隙間をあけて配置し、
    主羽根取付け角と副羽根の取付け角が互いに逆向きになっており、副羽根の翼面積は主羽根の翼面積より小さい
    ことを特徴とする水浄化ポンプ。
  3. 軸流型ポンプで構成され、
    主軸に主羽根を取付け、該主羽根に対し軸方向に隣接し、かつ小さな隙間をあけて副羽根をケーシングに固定して取付け、
    主羽根の取付角と副羽根の取付け角が互いに逆向きになっており、副羽根の翼面積は主羽根の翼面積より小さい
    ことを特徴とする水浄化ポンプ。
  4. 前記主羽根の入側に前記副羽根が取付けられていることを特徴とする請求項1、2または3記載の水浄化ポンプ。
  5. 前記主羽根の出側に前記副羽根が取付けられていることを特徴とする請求項1、2または3記載の水浄化ポンプ。
  6. 請求項1、2または3記載の水浄化ポンプと、該ポンプの吸込み側に連結された吸込み管と、該ポンプの吐出側に連結された吐出管とからなることを特徴とする水浄化設備。
  7. 前記水浄化ポンプの吸込口に吸込みヘッダーが接続され、該吸込みヘッダーを介して複数本の同じ長さの吸込み管が接続されていることを特徴とする請求項6記載の水浄化設備。
  8. 前記吸込み管の水面下に位置する部分がサイホン構造となっていることを特徴とする請求項6または7記載の水浄化設備。
  9. 前記吸込み管の上方に向いた吸込口に、円筒状の保護網と該保護網の上面開口部を閉塞するように取付けられた算盤玉状のウキからなる吸込み弁を取付けたことを特徴とする請求項6、7または8記載の水浄化設備。
  10. 前記吐出管の吐出口にT字管または邪魔板を取付けたことを特徴とする請求項6記載の水浄化設備。
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