JP3663555B2 - 多地点会議装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、分散された複数の地点間の会議を可能とする多地点会議装置に関する。
多地点会議装置は、会議参加者の発言による音声信号を加算して会議参加者に分配するものであり、会議参加者が多数となるに伴って回路規模が大きくなるから、経済化を図ることが要望されている。
【0002】
【従来の技術】
図8は多地点テレビ会議の概要説明図であり、画像信号の分配構成は図示を省略しており、音声信号は、多地点会議装置(MCU)41に於いてミキシングし、それぞれの端末装置42A,42B,42Cに送出する。即ち、端末装置42Aからの音声信号Aと、端末装置42Bからの音声信号Bとをミキシングして、端末装置Cへ(A+B)音声として示すように送出し、端末装置42B,42Cからの音声信号B,Cをミキシングして、端末装置Aへ(B+C)音声として示すように送出し、端末装置42A,42Cからの音声信号A,Cをミキシングして、端末装置Bへ(A+C)音声として示すように送出する。又画像については、例えば、発言者を検出して、その発言者を撮像した画像信号を分配する方式等が知られている。
【0003】
図9は従来例の多地点会議システムの概略説明図であり、多地点会議装置50に端末装置54A,54B,54Cが接続された場合を示し、図8に於ける音声信号に関する部分に相当する。多地点会議装置50は、端末装置54A,54B,54C対応の復号化部51A,51B,51Cと、混合部52A,52B,52Cと、符号化部53A,53B,53Cとを備えている。又端末装置54A,54B,54Cは、マイクロホン57A,57B,57Cからの音声信号を符号化する符号化部55A,55B,55Cと、受信信号を復号化してスピーカ58A,58B,58Cに加える復号化部56A,56B,56Cとを備えている。
【0004】
多地点会議装置50の復号化部51A,51B,51Cは、予測符号化された音声信号を、リニア符号の音声信号に復号化して混合部52A,52B,52Cに加えるもので、混合部52Aはリニア符号の音声信号B,Cを加算し、混合部52Bはリニア符号の音声信号A,Cを加算し、混合部52Cはリニア符号の音声信号A,Bを加算することになり、符号化部53A,53B,53Cは、それぞれ混合部52A,52B,52Cからミキシング出力されたリニア符号の音声信号を符号化して端末装置54A,54B,54Cに送出する。又復号化部51A,51B,51Cに於いてアナログ音声信号に復号化し、混合部52A,52B,52Cはアナログ信号のミキシングを行い、符号化部53A,53B,53Cは、ミキシングされたアナログ音声信号を予測符号化して送出する。
【0005】
端末装置54A,54B,54Cの符号化部55A,55B,55Cは、マイクロホン57A,57B,57Cからのアナログ音声信号をディジタル信号に変換し、且つ予測符号化するものであり、又復号化部56A,56B,56Cは、予測符号化された音声信号を復号し、且つアナログの音声信号に変換してスピーカ58A,58B,58Cに加えるものである。
【0006】
音声信号の符号化方式としては既に各種の方式が知られており、前述の多地点会議システムに於いては、例えば、ADPCM(Adaptive Differential PCM),SB−ADPCM(Sub−Band Adaptive Differential PCM)、LD−CELP(Low Delay Code Excited Linear Prediction )等が採用されており、ITU(旧CCITT)に於いて、G721,G722,G728として標準化されている。
【0007】
図10は従来例の音声混合処理のフローチャートであり、符号化音声信号を受信し、符号化部に於いて逆量子化(B1)と予測復号化(B2)とを行い、リニアPCM信号等の音声信号に復元して、混合部に於いてミキシングする(B3)。即ち、A,B,Cの会議参加者に対して、A←(B+C)、B←(A+C)、C←(A+B)のように、音声信号のミキシングを行う。そして、符号化部に於いて、予測符号化(B4)、量子化(B5)を行って、再度符号化音声信号として送出する。
【0008】
図11はSB−ADPCM方式の符号化部の説明図であり、61は送信直交ミラーフィルタ(QMF)、62は60レベル適応量子化器、63は量子化器の適応制御部、64は適応予測器、65は15レベル適応逆量子化器、66,67,76,77は加算器、68はLSB2ビット削除部、69は多重化部、72は4レベル適応量子化器、73は量子化器の適応制御部、74は適応予測器、75は4レベル適応逆量子化器である。
【0009】
送信直交ミラーフィルタ61は、50Hz〜7kHzの入力信号Xinを、4kHzを境に低域信号XL と高域信号XH とに分割し、低域信号XL は、適応予測器64からの予測信号SL との差分信号EL (=XL −SL )を加算器67により求め、60レベル適応量子化器62により6ビットで量子化して48kb/sの信号IL とする。又LSB2ビット削除部68は、6ビット構成の信号IL の下位2ビットを削除した信号ILtを量子化器の適応制御部63と15レベル適応逆量子化器65とに加え、量子化器の適応制御部63は、量子化器のスケールファクタΔL を60レベル適応量子化器62と15レベル適応逆量子化器65とに加える。
【0010】
15レベル適応量子化器65は、逆量子化出力信号DLtを適応予測器64と加算器66とに加え、加算器66により予測信号SL と加算して再生信号RLtとして適応予測器64に加える。適応予測器64は、逆量子化出力信号DLtと再生信号RLtとを基に予測信号SL を生成する。
【0011】
高域信号XH に対しても同様に、加算器77に於いて予測信号SH との差の差分信号EH (=XH −SH )を求め、4レベル適応量子化器72により2ビットで量子化して、16kb/sの信号IH とし、量子化器の適応制御部73から量子化器のスケールファクタΔH を4レベル適応量子化器72と4レベル適応逆量子化器75とに加え、4レベル適応逆量子化器75からの逆量子化出力信号DH と、DH +SH =RH の再生信号とを適応予測器74に加えて、予測信号SH を生成する。又多重化部69は、48kb/sの低域信号IL と、16kb/sの高域信号IH とを多重化して、64kb/sの符号化音声信号Ir として送出する。
【0012】
図12はSB−ADPCM方式の復号化部の説明図であり、81は分離部、82は60レベル適応逆量子化器、83は30レベル適応逆量子化器、84は15レベル適応逆量子化器、85は量子化器の適応制御部、86は15レベル適応逆量子化器、87は適応予測器、88はLSB1ビット削除部、89,90はLSB2ビット削除部、91は15レベル適応逆量子化器、92は量子化器の適応制御部、93は適応予測器、94,95,97は加算器、96はセレクタ、98は受信直交ミラーフィルタ(QMF)である。
【0013】
セレクタ96は、モード指定信号によって、60レベル適応逆量子化器82と30レベル適応逆量子化器83と15レベル適応逆量子化器84との出力信号DL,6 ,DL,5 ,DL,4 を選択する。このモード指定信号は、モード0が電話帯域音声信号、モード1〜4が高品質音声信号を示し、又添字の「L,6」は6ビット構成、「L,5」は5ビット構成、「L,4」は4ビット構成の場合の信号を示す。
【0014】
又64kb/sの受信符号化音声信号Ir は、分離部81により低域信号ILrと高域信号IHrとに分離され、60レベル適応逆量子化器82には6ビット構成の低域信号IL,6 が入力され、30レベル適応逆量子化器83には、LSB1ビット削除部88により最下位1ビット削除による5ビット構成の低域信号IL,5 が入力され、15レベル適応逆量子化器84,86には、LSB2ビット削除部89,90により2ビット削除された4ビット構成の低域信号IL,4 が入力される。そして、量子化器の適応制御部85からのスケールファクタΔL により逆量子化される。
【0015】
適応予測器87は、15レベル適応逆量子化器86からの逆量子化出力信号DLtと、加算器95による再生信号RLt=DLt+SL とを基に予測信号SL を出力して加算器97に加え、セレクタ96により選択された逆量子化出力信号DL と加算して、再生信号RL とする。
【0016】
又高域信号IHrは、15レベル適応逆量子化器91と量子化器の適応制御部92とに加えられ、適応制御部92からのスケールファクタΔH に従って逆量子化し、適応予測器93からの出力信号SH と逆量子化出力信号DH とを加算器94により加算して再生信号RH とする。受信直交ミラーフィルタ98は、低域再生信号RL と、高域再生信号RH とを入力して、出力信号Xout とする。
【0017】
前述の符号化部及び復号化部の適応量子化器に於いて、低域と高域との差分信号EL(n),EH(n)と、スケールファクタΔL(n),ΔH(n)と、量子化幅の境界値LL6,LU6,HL,HUと、指標mL ,mH とについて、次式を満足するように、指標mL ,mH が決定される。なお、添字のLは低域、Hは高域を示し、又(n)は現時刻を示す。
mL ←LL6(mL)・ΔL(n)≦EL(n)<LU6(mL)・ΔL(n) …(1)
mH ←HL(mL)・ΔH(n)≦EH(n)<HU(mL)・ΔH(n) …(2)
【0018】
前述のLL6,LU6は、低域の指標mL の1〜30についてそれぞれ定められており、又HL,HUは、高域の指標mH の1,2について定められている。例えば、mL =4の場合、LL6=0.21389、LU6=0.29212、mH =2の場合、HL=1.10156、HU=∞となる。
【0019】
又逆量子化器に於いては、低域と高域との量子化差分信号DLt(n) ,DH(n)を次式により演算して求める。
DLt(n) =QL4-1(ILt(n) )・ΔL(n)・sgn(ILt(n) ) …(3)
DH(n)=Q2-1(IH(n))・ΔH(n)・sgn(IH(n)) …(4)
なお、QL4-1 及びQ2-1は、4ビット及び2ビットに対応し、且つ量子化幅の指標mL ,mH に対応して予め定められているものであり、例えば、mL =4の場合、QL4-1=0.29212、mH =2の場合、Q2-1=1.80859となる。
【0020】
又量子化器の適応制御部に於いては、スケールファクタを対数領域で演算して更新し、真数に変換するものであり、対数スケールファクタを∇L(n),∇H(n)とすると、
∇L(n)=B・∇L(n-1)+WL (ILt(n-1) ) …(5)
∇H(n)=B・∇H(n-1)+WH (IH(n-1)) …(6)
の演算によって求められる。なお、添字の(n−1)は現時刻(n)の1サンプル前の時刻を示す。又Bは127/128のリーク定数、WL ,WH は、対数スケールファクタ定数であり、例えば、mL =4の場合、WL =−0.11465、mH =2の場合、WH =0.38965となる。
【0021】
又適応予測器は、入力信号の極を近似する2次の極予測器と、零点を近似する6次の零予測器とから構成されている。極予測器は、係数aLi,aHiと量子化再生信号RLt(n) ,RH(n)とを用いて予測信号SLp,SHpを次式に示すように算出する。
SLp=Σ i=1 2 aLi(n-1) ・RLt(n-i) …(7)
SHp=Σ i=1 2 aHi(n-1) ・RH(n-i) …(8)
なお、Σ i=1 2は、i=1からi=2までの累算を示す。
【0022】
又零予測器は、係数bLi,bHiと、量子化差分信号DLt(n) ,DH(n)を用いて、予測信号SLz,SHzを次式に示すように算出する。
SLz=Σ i=1 6 bLi(n-1) ・DLt(n-i) …(9)
SHz=Σ i=1 6 bHi(n-1) ・DH(n-i) …(10)
なお、Σ i=1 6は、i=1からi=6までの累算を示す。
【0023】
従って、適応予測器からの予測信号SL(n),SH(n)は、
SL(n)=SLp(n) +SLz(n) …(11)
SH(n)=SHp(n) +SHz(n) …(12)
となり、符号化部に於ける適応予測器64,74及び復号化部に於ける適応予測器87,93から出力される。
【0024】
量子化再生信号RLt(n-i) ,RH(n-i)は、
RLt(n-i) =SL(n)+DLt(n) …(13)
RH(n-i)=SH(n)+DH(n) …(14)
により求めることができる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】
従来例の多地点会議装置は、会議参加者の端末装置からのADPCM信号等の符号化音声信号を受信し、その符号化音声信号をリニア符号信号に変換してミキシング処理を行い、そのミキシング出力信号をADPCM信号等の符号化信号に変換して、それぞれの端末装置へ送出するものであり、又復号化部に於いてアナログ音声信号に復号化して、混合部に於いてアナログ音声信号のミキシングを行う方式も知られている。
【0026】
この多地点会議装置を構成する復号化部及び符号化部は、会議参加者の端末装置対応に設けるものであるから、会議参加者が多いシステムに於いては、多地点会議装置のハードウェア規模が大きくなり、コストアップとなる問題があり、又音声信号のミキシングの為の復号化及び符号化処理の演算量が多く、高速処理のDSP(ディジタル・シグナル・プロセッサ)が必要であるから、この点によってもコストアップとなる問題があった。
本発明は、演算量を大幅に削減可能として、多地点会議装置の経済化を図ることを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】
本発明の多地点会議装置は、図1を参照して説明すると、(1)音声信号の予測誤差を符号化して会議参加の複数の端末装置4A,4B,4C間で送受信する為の多地点会議装置10であって、会議参加の複数の端末装置4A,4B,4Cから受信した符号化信号を予測差分信号に復号化する前記端末装置対応の差分復号化部1A,1B,1Cと、符号化信号を送信してきた端末装置対応の差分復号化部からの予測誤差信号を除いて他の端末装置対応の差分復号化部からの予測誤差信号をミキシングする混合部2A,2B,2Cと、この混合部2A,2B,2Cによりミキシングされた予測誤差信号を符号化して前記符号化信号を送信してきた端末装置以外の他の端末装置へ送信する差分符号化部3A,3B,3Cとを備えており、予測誤差信号の状態でミキシングすることにより、ハードウェア及びソフトウェアの削減が可能となる。
【0028】
又(2)混合部2A,2B,2Cによりミキシングされた予測差分信号と、前記差分符号化部3A,3B,3Cにより符号化された信号を逆量子化した予測差分信号との差の誤差信号を累算する累算誤差信号算出部と、該累算誤差信号算出部からの累算誤差信号を前記混合部からの予測差分信号に誤差信号を低減するように加算する加算器とを備え、量子化誤差を低減することによって、再生音声品質の改善を図ることができる。
【0029】
又(3)混合部2A,2B,2Cに入力される予測誤差信号と、ミキシングされて出力される予測誤差信号との相関を求める相関算出部と、該相関算出部による相関値を基に、前記混合部に入力される予測誤差信号に重み付けを行う重み付け部とを備えることができる。
【0030】
又(4)差分復号化部1A,1B,1Cは、入力された適応差分PCM信号に対する適応逆量子化による差分信号を出力する構成を有し、且つ差分符号化部3A,3B,3Cは、混合部2A,2B,2Cによりミキシングされた差分信号を適応量子化により符号化する構成を有するものである。
【0031】
又(5)差分復号化部1A,1B,1Cは、入力されたサブバンド適応差分PCM信号を低域と高域とに分離して、それぞれに対する適応逆量子化による差分信号を出力する構成を有し,又混合部2A,2B,2Cは、低域と高域との差分信号対応のミキシングを行う構成を有し、又差分符号化部3A,3B,3Cは、混合部からの低域と高域とのそれぞれミキシングされた差分を適応量子化により符号化して合成する構成を有するものである。
【0032】
又(6)差分復号化部1A,1B,1Cは、入力された低遅延符号励振線形予測符号化信号を、波形辞書検索と適応逆量子化とによる差分信号を出力する構成を有し、又差分符号化部3A,3B,3Cは、混合部によりミキシングされた差分信号を、波形辞書検索と適応量子化とにより符号化する構成を有するものである。
【0033】
【実施の形態】
図1は本発明の実施の形態の多地点会議システムの概略説明図であり、多地点会議装置10は、端末装置4A,4B,4C対応に、差分復号化部1A,1B,1Cと混合部2A,2B,2Cと差分符号化部3A,3B,3Cとを備えている。又端末装置4A,4B,4Cは、従来例と同様に、マイクロホン7A,7B,7Cからのアナログ音声信号をディジタル信号に変換して予測符号化する符号化部5A,5B,5Cと、予測符号化信号を復号してアナログ音声信号に変換してスピーカ8A,8B,8Cに加える復号化部6A,6B,6Cとを備えている。
【0034】
混合部2A,2B,2Cは、リニアPCM音声信号或いはアナログ音声信号をミキシングするものではなく、差分復号化部1A,1B,1Cからの予測差分信号についてミキシングするものであり、又差分符号化部3A,3B,3Cは、ミキシングされた予測差分信号を予測符号化するものである。従って、演算量が従来例に比較して著しく削減されることになる。
【0035】
図2は本発明の第1の実施の形態の多地点会議装置の説明図であり、差分復号化部1A,1B,1Cを、適応逆量子化器11A,11B,11Cと適応制御部12A,12B,12Cとにより構成し、差分符号化部3A,3B,3Cを、適応量子化器13A,13B,13Cと適応制御部14A,14B,14Cにより構成した場合を示す。
【0036】
予測符号化方式として、サブバンド適応差分PCM(SB−ADPCM)方式を適用した場合、差分復号化部1A,1B,1Cは、低域と高域とに分離し、逆量子化出力信号DL ,DH までの演算処理を行い、混合部2A,2B,2Cは、低域と高域との逆量子化出力信号DL ,DH 対応にミキシングを行う構成とし、又差分符号化部3A,3B,3Cは、逆量子化出力信号DL ,DH のミキシング出力信号を量子化する処理を行うものである。逆量子化及び量子化は、積和演算を含まないので、テーブル参照等により処理することが可能である。これに対して、極予測や零予測は、積和演算を含み、演算量が多いものであるが、本発明に於いては、逆量子化出力信号DL ,DH 即ち、予測差分信号をミキシングすることにより、極予測や零予測の演算を省略できるようにしたものである。即ち、前述の(3)〜(6)式の演算で済むことになり、従って、前述の積和演算を含む(7)〜(10)式の演算を省略することができる。
【0037】
図3は本発明の第1の実施の形態の音声混合処理のフローチャートであり、図9の従来例と対比して示すものであって、符号化音声信号を受信し、逆量子化(A1)を行って差分音声信号とし、それをミキシングする(A2)。そして、ミキシング出力信号を量子化し(A3)、符号化した音声信号とする。即ち、前述のように、差分復号化部に於いて逆量子化して予測差分信号を求め、それをミキシングした予測差分信号を、差分符号化部に於いて量子化して符号化するものである。
【0038】
図4は差分合成による復元波形の説明図であり、(A),(B)の左側に示す音声信号波形の1次差分信号AD ,BD を右側に示し、この差分信号AD ,BD を加算し、AD +BD =CD の加算出力信号CD を求めると、(C)の右側に示す差分信号となる。これを復元することにより、(C)の左側の音声信号波形となる。即ち、差分信号を用いてミキシングした場合でも、従来例のリニア符号の音声信号に復号化してミキシングした場合と同等の再生音声信号を得ることができる。同様に、高次の差分信号を用いた場合でも、その差分信号によるミキシングによって、音声信号を復元することができる。
【0039】
図5はミキシング波形の説明図であり、(a),(b)は入力音声信号の波形の一例を示し、この入力音声信号をSB−ADPCM方式で符号化し、多地点会議装置に於いて、予測差分信号に復号化してミキシング(算術加算)を行い、それを適応量子化器により符号化し、それを復号化して音声信号に復元した波形を(c)に示すものである。即ち、ミキシングされた信号は、符号化処理と復号処理とにより時間的に遅れるが、ほぼ(a)+(b)の信号波形を得ることができる。
【0040】
図6は本発明の第2の実施の形態の要部説明図であり、2は混合部、13は適応量子化器、21は加算器、22は適用逆量子化器、23は差分算出部、24は累算部、251 〜253 は遅延回路(T)である。この実施例に於いて、適応逆量子化器22と差分算出部23と累算部24と遅延回路251 〜253 とにより累算誤差信号算出部を構成している。又混合部2は、前述のように、予測差分信号についてのミキシングを行うものであり、チャネル対応の混合部に対して、前述の累算誤差信号算出部と、加算器21とを付加するものである。
【0041】
累算誤差信号算出部及び加算器21を設けない場合の混合部2によりミキシングされた予測差分信号は、適応量子化器13によって符号化されて送出されるものであるが、逆量子化及び量子化を行うことにより、量子化誤差が累積する可能性があり、この累積誤差が大きくなると、再生音声品質が劣化する。
【0042】
そこで、この実施の形態に於いては、適応逆量子化器22で逆量子化して予測差分信号を求め、その予測差分信号と、適応量子化器13に入力される予測差分信号との差の誤差信号を差分算出部23により求め、サンプルタイミングの遅延時間を有する遅延回路251 〜253 により順次遅延させて、累算部24に於いて累算する。即ち、誤差信号を累算し、加算器21により、混合部2からの予測差分信号から累算誤差信号を減算する。
【0043】
この場合の累算誤差信号D(n) は、
D(n) =Σ i=1 Nd Wi・(SO(n-i)−Sq(n-i))/Σ i=1 NdWi…(15)
SO(n)=S(n) −D(n) …(16)
と表すことができる。なお、SO(n)は補正後の時刻nに於けるミキシング音声出力信号、S(n) は補正前の時刻nに於けるミキシング音声出力信号、Wiは差分信号の累積時の重み係数であり、αi (α=0.95〜0.8)等の値を用いることができる。又ΣWiの項は重み分を正規化する為の補正項を示す。又遅延
回路251 〜253 は3段の場合を示すが、更に多段とすることも可能であるが、2〜3段程度が適当である。
【0044】
又音声信号のミキシングを行う場合、単純に音声信号を加算すると、複数の音声信号を同時に聴取することになって、発言内容が不明瞭となる。又発言していないチャネルの信号を加算することになるから、ノイズを含む再生音声信号となる場合がある。そこで、符号相関を求めて、予測差分信号に重み付けして、ミキシングする。その符号相関R1 は、
R1 =Σn=o Nbsgn(di(n))・sng(ds(n)) …(17)
により求めることができる。なお、sng(x)はxの符号を示し、x≧0の時+1、x<0の時−1を示し、又di(n)はチャネルiの差分符号信号、ds =Σdi であり、di(n)とds(n)との間の簡易相互相関値としてのRi を得ることができる。
【0045】
例えば、図2に於ける混合部2A,2B,2Cにそれぞれ入力される予測差分信号と、ミキシングして出力される予測差分信号とを入力する相関算出部と、この相関算出部により算出した相関値に対応した重み付けを、混合部2A,2B,2Cの入力予測差分信号に与える重み付け部を設けるものである。なお、相関算出部と重み付け部との図示を省略している。
【0046】
そして、相関算出部により求めた符号相関Ri に従って予測差分信号に重み付けしてミキシングすることにより、発言者からの音声信号のレベルを高くし、即ち、その音声信号のチャネルに対する符号相関Ri が大きく、他のチャネルからの信号レベルを低くすることができるから、発言者からの音声信号の明瞭度を損なうことなく再生することができ、且つノイズを低減することができる。
【0047】
前述の各実施の形態に於いては、主としてSB−ADPCM方式について説明しているが、ADPCM方式及び低遅延符号励振線形予測(LD−CELP)方式にも適用できるものであり、LD−CELP方式は、波形辞書(コードブック)を用いて予測符号化を行うものであり、この方式を適用した場合でも、リニア符号やアナログ信号に復号化することなく、予測差分信号までの復号化処理を行ってミキシングし、そのミキシング出力の予測差分信号を符号化して、処理量を削減することができる。
【0048】
図7は本発明の第3の実施の形態の多地点会議装置の説明図であり、前述のLD−CELP(Low Delay Code Excited Linear Prediction )方式を適用した場合を示す。同図に於いて、31は伝送路復号化部、32はコードブック復号化部、33は混合部、34はコードブック符号化部、35は伝送路符号化部である。
【0049】
コードブック復号化部32は、例えば、5サンプル毎のベクトル・コードブック情報から5サンプルの予測誤差信号を生成し、コードブック符号化部34は、5サンプル毎の予測誤差波形を用いてコードブックと振幅とを検索してコード化することができる。即ち、混合部33に於いて予測誤差信号の状態で混合するもので、符号A,B,Cが入力されると、符号B+C,A+C,A+Bとしてそれぞれ出力される。なお、ミキシングするチャネル数は更に多くすることも勿論可能である。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、音声ミキシングを行う混合部2A,2B,2Cを備え、リニア符号やアナログ音声信号に復号化することなく、予測差分信号の状態でミキシングするものであり、音声ミキシング処理に於ける演算量の大部分を占める予測信号の算出や予測器の適応処理等の演算を省略することができ、従来例の同一のDSPを用いた場合には、処理可能のチャネル数を増大することができるから、経済化を図ることができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の多地点会議システムの概略説明図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の多地点会議装置の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の音声混合処理のフローチャートである。
【図4】差分合成による復元波形の説明図である。
【図5】ミキシング波形の説明図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態の要部説明図である。
【図7】本発明の第3の実施の形態の多地点会議装置の説明図である。
【図8】多地点テレビ会議の概要説明図である。
【図9】従来例の多地点会議システムの概略説明図である。
【図10】従来例の音声混合処理のフローチャートである。
【図11】SB−ADPCM方式の符号化部の説明図である。
【図12】SB−ADPCM方式の復号化部の説明図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C 差分復号化部
2A,2B,2C 混合部
3A,3B,3C 差分符号化部
4A,4B,4C 端末装置
5A,5B,5C 符号化部
6A,6B,6C 復号化部
7A,7B,7C マイクロホン
8A,8B,8C スピーカ
Claims (6)
- 音声信号の予測誤差を符号化して会議参加の複数の端末装置間で送受信する為の多地点会議装置に於いて、
会議参加の前記複数の端末装置から受信した符号化信号を予測差分信号に復号化する前記端末装置対応の差分復号化部と、
前記符号化信号を送信してきた端末装置対応の前記差分復号化部からの予測差分信号を除いて他の端末装置対応の前記差分復号化部からの予測差分信号をミキシングする混合部と、
該混合部によりミキシングされた予測差分信号を符号化して前記符号化信号を送信してきた端末装置へ送信する差分符号化部と
を備えたことを特徴とする多地点会議装置。 - 前記混合部によりミキシングされた予測差分信号と、前記差分符号化部により符号化された信号を逆量子化した予測差分信号との差の誤差信号を累算する累算誤差信号算出部と、前記混合部からの予測差分信号から前記累算誤差信号算出部により求めた累算誤差信号を減算処理する加算器とを備えたことを特徴とする請求項1記載の多地点会議装置。
- 前記混合部に入力される複数の予測差分信号と、該混合部からミキシングされて出力された予測差分信号との相関を求める相関算出部と、該相関算出部による相関が正である前記混合部に入力される予測差分信号に対して大きい重み付けを行ってミキシングする為の重み付け部とを備えたことを特徴とする請求項1又は2記載の多地点会議装置。
- 前記差分復号化部は、入力された適応差分PCM信号に対する適応逆量子化によって予測差分信号を出力する構成を有し、且つ前記差分符号化部は、前記混合部によりミキシングされた予測差分信号を適応量子化により符号化する構成を有することを特徴とする請求項1又は2又は3記載の多地点会議装置。
- 前記差分復号化部は、入力されたサブバンド適応差分PCM信号を低域と高域とに分離し、それぞれに対する適応逆量子化による予測差分信号を出力する構成を有し、前記混合部は、前記低域と高域との予測差分信号対応のミキシングを行う構成を有し、前記差分符号化部は、前記混合部からの前記低域と高域とのそれぞれミキシングされた予測差分信号を適応量子化により符号化して合成する構成を有することを特徴とする請求項1又は2又は3記載の多地点会議装置。
- 前記差分復号化部は、入力された低遅延符号励振線形予測符号化信号を、波形辞書検索と適応逆量子化とによる予測差分信号を出力する構成を有し、前記差分符号化部は、前記混合部によりミキシングされた予測差分信号を、波形辞書検索と適応量子化とにより符号化する構成を有することを特徴とする請求項1又は2又は3記載の多地点会議装置。
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-
1996
- 1996-01-30 JP JP01357696A patent/JP3663555B2/ja not_active Expired - Lifetime
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