JP3663505B2 - 型枠ブロック及びタイル張り構造物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイル張りの塀や門などの構造物を施工するにあたり、施工作業、特に、タイルの割り付け作業を簡単化できる手段の提供を目的とする。
【0002】
【従来の技術】
タイル張りの塀や門等の構造物を施工する場合、従来、コンクリートブロックを積み上げて基体を構築し、その表面にタイルをモルタル等の接着剤で貼着するという工法が採用されている。あるいは、型枠を立設し鉄筋を配設したのちコンクリートを打設することにより、鉄筋コンクリート製の基体を構築し、その表面にタイルを貼着する工法も採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
タイル張り構造物の基体を構築するのに、コンクリートブロックを積み上げたり型枠を用いてコンクリートを打設したりするのは施工日数を要するので、施工期間の短縮化が難しい、また、作業に専門性が要求されるので、ある程度熟練した作業者でなくては能率良く行えないという問題がある。
【0004】
またコンクリートブロックや、型枠を用いてコンクリートを打設して構築した基体は、必ずしもタイルモジュールと整合する寸法とは限らない。従って、基体寸法がタイルモジュールと整合しない場合は、寸法合わせのため、タイルを切断する必要が生ずる。反対に、タイル張付用の基体をタイルモジュールに合わせて製作することも考えられるが、この場合は、寸法調整のためにコンクリートブロックや型枠を切断する必要性が生ずるおそれがある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、タイル張り構造物を施工するにあたり、基体の構築を熟練を要せずに簡単に行うことができ、しかも、タイルを切断する必要性を全く無くせるか又は最小限に止めることができる基体構築用の型枠ブロック及びタイル張り構造物を提供するものである。本発明が採用する型枠ブロックの特徴とするところは、適宜間隔を置いて配置した下地パネルを連結材により連結して成り、横幅寸法がタイルモジュールと整合性を持つ寸法に設定され、当該型枠ブロックの側端部を閉塞する部材の取付部が、上記側端部付近からタイル配設ピッチごとに設けられていることにある。なお、タイル配設ピッチとは、例えばタイル横幅寸法と目地幅寸法との和で定義される寸法である。
【0006】
前記型枠ブロックにおいて、前記下地パネルの少なくとも一方の表面にタイルを係止させる凸部が一定間隔で形成され、当該凸部の幅寸法がタイルの幅寸法以下に設定され、上記凸部の非形成領域が前記下地パネルの側端部からタイル配設ピッチごとに形成され、上記凸部の非形成領域の幅寸法が目地幅寸法以上に設定されている構成を採用することができる。
【0007】
本発明に係る前記型枠ブロックにおいて、横幅寸法及び厚み寸法を、タイルモジュールと整合性を有する寸法に設定してもよい。
【0008】
なお前記型枠ブロックにおいて、前記下地パネルにおける側端部からの距離がタイル配設ピッチの整数倍となる位置に、タイル割付線又はブロック切断線を付してもよい。さらに、前記下地パネルの上下端部に、型枠ブロックを積み重ねた際に嵌合する凸部及び凹部を設け、当該凸部及び凹部に、横方向へ上下の型枠ブロックが移動するのを阻止する位置ずれ阻止手段を設けてもよい。
【0009】
本発明は、型枠ブロックを用いたタイル張り構造物を提供するものであり、その特徴とするところは、前記型枠ブロックの側端部に閉塞部材を取り付けて角部を形成し、当該角部に曲がりタイルを取り付けた取付状態において、前記閉塞部材の下地パネルの側端面より突出する部分の閉塞厚み寸法を、前記曲がりタイルの短手方向又は長手方向のいずれか一方の内寸とタイル目地幅の半分の寸法との和となるように設定したことにある。
【0010】
また本発明が採用するもう一つのタイル張り構造物の特徴とするところは、前記型枠ブロックの側端部にコーナー部材を取り付けて角部を形成し、当該角部に曲がりタイルを取り付けた取付状態において、前記コーナー部材の出隅側における下地パネルの側端面より突出する部分の寸法を、タイル配設ピッチの整数倍に、請求項3に記載する前記閉塞厚み寸法を加えた値となるように設定したことにある。
【0011】
【発明の実施の形態】
〔第1の実施形態〕
図1に、本発明により構築したタイル張り構造物1の一例を示す。例示する構造物1はタイル張りした塀である。当該構造物1は、2枚の下地パネル4,4を連結材5で連結して形成して成る型枠ブロック3の側端部に、閉塞部材2,2を装着して基体7を構築し、当該基体7の表面にタイルTa,Tbを貼着して構築したものである。下地パネル4の表面には平タイルTaが取り付けられ、閉塞部材2,2により形成される角部Cには曲がりタイルTbが取着される。型枠ブロック3の材質は、軽量性・加工性・断熱性に優れた例えば発泡ポリスチレン等の自己消化性発泡プラスチックが選択される。型枠ブロック3を、別個に製作した下地パネル4と連結材5とを組み立てる構造とする場合、下地パネル4のみ自己消化性発泡プラスチックとし、連結材5はより剛性の大きい材質としてもよい。図示は省略するが、下地パネル4の表面には、タイルTを係止するための凸条などの立体構造を、適宜間隔で長手方向に形成することが望ましい。
【0012】
本発明に係る型枠ブロック3は次のような特色を持っている。まず、下地パネル4の横幅寸法Eが、タイルモジュール寸法と整合性を持つように設定されている。すなわち、平タイルTa1枚分の横幅寸法Lと目地Sの間隔寸法Mとの和で定義されるタイル配設ピッチL+Mの整数倍となっている。図示する型枠ブロック3では、下地パネル4の横幅寸法Eが、タイル配設ピッチL+Mの4倍に設定されている。
【0013】
また下地パネル4の裏面側には、閉塞部材2を嵌合取着するための溝から成る取付部6が形成されるが、本発明では、この取付部6を、下地パネル4の側端部近傍からタイル配設ピッチL+Mごとに形成してある。なお本実施形態にあっては、型枠ブロック3をタイル配設ピッチL+Mを基準として分割することを予定して、切断予定線に対して対称な位置に同形状の取付部6,6を形成した。かかる構成により、型枠ブロック3をタイル配設ピッチで切断したときに、いずれの切断端部にも、閉塞部材2を取り付けることが可能となる。
【0014】
側端部に取り付けられる閉塞部材2は、図2に示す如く、その取付状態における下地パネル4の側端面から突出する寸法(閉塞厚み寸法)Wが、曲がりタイルTbの短手方向の内寸fと目地Sの間隔寸法Mの半分との和となるように設定されている(W=f+M/2)。また閉塞部材2の幅寸法、すなわち型枠ブロック3の厚み寸法Dは、曲がりタイルTbの短手方向の内寸fと長手方向の内寸gと目地間隔Mとの和となるように設定されている(D=f+g+M)。他方、曲がりタイルTbについては、その短手方向の内寸fと長手方向の内寸gとの関係がg−f=(L+M)/2となるように設定されている。
【0015】
本実施形態の型枠ブロック3は、各寸法関係を前述の如く設定したので、図1に示すようなタイル張り構造物1を構築するにあたり、タイルの切断作業が全く不要である。下地パネル4の横幅寸法Eは、タイル配設ピッチL+Mの4倍に設定され、閉塞部材2の閉塞厚み寸法Wは、曲がりタイルTbの短手方向の内寸fと目地間隔Mの半分との和となるように設定されている。依って型枠ブロック3の両側端部に閉塞部材2,2を取り付けて構成したタイル貼着用基体7における長手方向の長さ寸法は、E+2W=4(L+M)+2(f+M/2)=4L+5M+2f(▲1▼)となる。従って、上記タイル貼着用基体7における一方の長手方向の面には、4枚の平タイルTと曲がりタイルTbの短手部分とを、所定間隔Mの目地Sを設けて貼着することができる。閉塞部材2の幅寸法すなわち型枠ブロック3の厚み寸法Dは、D=f+g+Mに設定されているから、上記基体の両側端面には、2個の曲がりタイルTbの短手部及び長手部を、所定間隔の目地Sを設けて貼着することができる。上記基体7のもう一方の長手方向の面には、3枚の平タイルTaと2個の曲がりタイルTbの長手部分とが貼着されることになるが、その場合の必要寸法は、目地部Sが4個所なので3L+2g+4Mである。しかるに、曲がりタイルTbにおける短手方向の内寸fと長手方向の内寸gとの関係は前述したとおりg−f=(L+M)/2に設定されているので、上記値は3L+2〔f+(L+M)/2〕+4M=3L+(2f+L+M)+4M=4L+5M+2fとなり、前記▲1▼式に一致する。従って、もう一方の長手方向の面についても、全く過不足なく、所定の目地間隔を設けてタイルを貼着することができる。
【0016】
さらに本発明に係る前記型枠ブロック3は、タイル配設ピッチごとに閉塞部材2の取付部6を形成してあるので、所望により型枠ブロック3の長さを短くしたい場合、図3に示す如く、型枠ブロック3を、タイル配設ピッチL+Mを基準単位として切断することにより、過不足なくタイルを全面に貼着することが可能となる。同図(A)に示すように、当初の型枠ブロック3の横幅寸法E1 がタイル配設ピッチL+Mの4倍であったとすると、これを同図(B)に示すように、一方の端部から寸法L+Mだけ切除することにより、横幅寸法E2 がタイル配設ピッチL+Mの3倍の型枠ブロック3を得ることができる。さらに同図(C)に示すように寸法L+Mだけ切除することにより、横幅寸法E3 がタイル配設ピッチL+Mの2倍の型枠ブロック3を得ることができる。いずれの場合においても、切断後の型枠ブロック3の横幅寸法は、タイルモジュールとの整合性を保つ。しかも本例では、タイル配設ピッチごとに閉塞部材2の取付部6を形成してあるから、切断後の型枠ブロック3はいずれも、閉塞部材2の取り付けが可能である。それ故、側端部に前述の閉塞部材2を取り付けることにより、タイルの切断作業を全く必要とせずに、所定の目地間隔を設けてタイルを全面に貼着したタイル張り構造物1を構築することができる。
【0017】
ところで本実施形態では、タイル配設ピッチごとに閉塞部材2の取付部6,6を対称に形成してあるが、これは、切断線に対して左右いずれの部分へも閉塞部材2を取付可能とするためである。図3の例では、型枠ブロック3を図面の右側部分を切除しているが、取付部6,6を対称に形成しているから、反対に型枠ブロック3の左側部分を切除しても、閉塞部材2の取付が可能である。なお、型枠ブロック3を切除する方向性が予め決まっているならば、対称に配置した取付部6,6のいずれか一方を省略することも妨げない。
【0018】
〔第2の実施形態〕
図4及び図5は、型枠ブロック3の側端部に取り付ける閉塞部材2に変更を加えた実施形態を示すものである。変更点は、図5に示すように、型枠ブロック3に取り付けた状態において閉塞部材2が下地パネル4の側端面から突出する寸法(閉塞厚み寸法)W1 を、曲がりタイルTbの長手方向の内寸gと目地Sの間隔寸法Mの半分との和となるように設定したものである(W1 =g+M/2)。
【0019】
本発明において、かかる設定を採用することによっても、タイル張り構造物1を構築するにあたり、タイルの切断作業を不要にできることを以下に説明する。図4及び図5に示す実施形態において、型枠ブロック3における下地パネル4の横幅寸法Eはタイル配設ピッチL+Mの3倍、閉塞部材2の幅寸法(=型枠ブロック3の厚み寸法D)は曲がりタイルTbの短手方向の内寸fと長手方向の内寸gと目地間隔Mとの和、曲がりタイルTbの短手方向の内寸fと長手方向の内寸gとの関係はg−f=(L+M)/2、となるようにそれぞれ設定されている。閉塞部材2の閉塞厚み寸法W1 は、曲がりタイルTbの長手方向の内寸gと目地間隔Mの半分との和となるように設定されているので、型枠ブロック3の両側端部に閉塞部材2,2を取り付けて構成したタイル貼着用基体7における長手方向の長さ寸法は、3(L+M)+2W1 =3L+3M+2(g+M/2)=3L+4M+2g(▲2▼)となる。従って、上記タイル貼着用基体における一方の長手方向の面には、3枚の平タイルTと2個の曲がりタイルTbの長手部分とを、所定間隔Mの目地Sを設けて貼着することができる。閉塞部材2の幅寸法(=型枠ブロック3の厚み寸法)Dは、D=f+g+Mに設定されているから、上記基体の両側端面には、2個の曲がりタイルTbの短手部及び長手部を、所定間隔Mの目地Sを設けて貼着することができる。ところで曲がりタイルTbにおける短手方向の内寸fと長手方向の内寸gとの関係はg−f=(L+M)/2であるから、前記▲2▼式は3L+4M+2〔f+(L+M)/2〕=4L+5M+2fとなる。すなわち前記基体におけるもう一方の長手方向の面については、4枚の平タイルTaと2個の曲がりタイルTbの短手部分とを、5箇所に所定間隔Mの目地を設けて、全く過不足なく貼着できることが分かる。
【0020】
〔第3の実施形態〕
図6に示すように、本発明に係る型枠ブロック3を直角に突き合わせて連設することにより、隅部を有するタイル張り構造物1を施工する場合、その隅部に配されるコーナー部材10は、次のような外形寸法に設定する。図7に示す如く、このコーナー部材10を型枠ブロック3の側端部に取り付けた状態において、当該コーナー部材10が出隅側の下地パネル4の側端面より突出する部分の寸法Kを、タイル配設ピッチL+Mに、曲がりタイルTbの短手方向の内寸fと目地幅寸法Mの半分との和で表される前記閉塞厚み寸法Wを加えた値となるように設定する(K=L+M+W=L+M+f+M/2=L+3M/2+f)。
【0021】
前記の如くコーナー部材10の出隅側寸法を設定することにより、型枠ブロック3にコーナー部材10及び閉塞部材2,2を取り付けて構成したタイル貼着用の基体7にあっては、その出隅側の面の長さ寸法J(図6参照)が以下のとおりとなる。寸法Jは、型枠ブロック3の横幅寸法Eと、閉塞部材2の閉塞厚み寸法Wと、コーナー部材10の突出長さ寸法Kとの和である。そして図6に示す例では、型枠ブロック3の横幅寸法Eはタイル配設ピッチL+Mの4倍すなわちE=4(L+M)であり、閉塞厚み寸法W=f+M/2である。従って、J=E+W+K=4(L+M)+f+M/2+L+3M/2+f=5L+6M+2f(▲3▼)となる。これは、前記基体7の出隅側の面において、図6に示すように、5個の平タイルTaと2個の曲がりタイルTbの短手部とを、間に6箇所の所定間隔の目地Sを設けて過不足なく貼着できることを意味する。
【0022】
しかるに、もう一方の出隅側の面には、4個の平タイルTaと2個の曲がりタイルTbの長手部とを間に5箇所の目地部Sを設けて貼着することになるが、そのために必要な長さ寸法は、4L+2g+5Mである。曲がりタイルTbにおける短手方向の内寸fと長手方向の内寸gとの前記関係式g−f=(L+M)/2から、上記式は4L+2〔f+(L+M)/2〕+5M=5L+6M+2fとなり、前記▲3▼式と一致する。従って、もう一方の出隅側の面においても、過不足なくタイルを貼着できることが理解される。
【0023】
なお、当該タイル張り構造物1の内隅側の面については、その長さ寸法をタイルモジュールと整合させるのができない場合が多いので、最小限の切断作業を行ったタイルTcを内隅部に配設する。
【0024】
本実施形態の型枠ブロック3にあっても、前記実施形態と同様に、閉塞部材2又はコーナー部材10の取付部6をタイル配設ピッチごとに形成してある。従って、図8に例示するように、必要に応じて型枠ブロック3を、タイル配設ピッチL+Mを基準単位として破線で示す位置で切除することにより、長さの異なるタイル張り構造物1を得ることができ、しかも、いずれの構造物1も、出隅側の面に過不足なくタイルを貼着することが可能である。
【0025】
〔第4の実施形態〕
タイル張り構造物1を構築するための型枠ブロックとして、図9に示すようなものを用いることも可能である。この型枠ブロック20は、長さ寸法X及び厚み寸法Yがいずれも、タイル配設ピッチL+Mの整数倍となっているところに特色を有する。図示の例では、長さ寸法X=8(L+M)、厚み寸法Y=L+Mである。
【0026】
かかる構成の型枠ブロック20を用いると共に、曲がりタイルTbについて、短手方向の内寸fと長手方向の内寸gとの和が平タイルTaの横幅寸法Lと等しくなるように、すなわちf+g=Lとなるように設定する。このような寸法関係の結果、図9に示すように、型枠ブロック20の全周に、平タイルTa及び曲がりタイルTbを一定間隔Mの目地Sを間に設けて過不足なく貼着することができる。また、この型枠ブロック20は、直線方向であれば何個連設しても、タイルモジュールとの整合性が確保される。
【0027】
また、前記型枠ブロック20は、直角の隅部を有するタイル張り構造物1を構築する場合、図10に示す如く2つを直角に突き合わせるだけで、タイルモジュールとの整合性が得られる。すなわち、一方の出隅側の面の長さ寸法はXであるから、目地込み長さ寸法L+Mの整数倍となっている。そして、もう一方の出隅側の面の長さ寸法Zは、当該型枠ブロック20の長さ寸法Xに厚み寸法Yを加えた値X+Yであり、これはX+Y=8(L+M)+L+M=9(L+M)であるから、やはりタイル配設ピッチL+Mの整数倍となる。従って、本実施形態の型枠ブロック20を直角に2個突き合わせて形成したタイル貼着用の基体7は、いずれの出隅側の面も、長さ寸法がタイルモジュールと整合性を持つことになるから、過不足のないタイル貼着が可能である。
【0028】
なお内隅側については、タイルモジュールとの不整合が生ずる場合があり、その場合は、タイルの最小限の切断作業を行う。
【0029】
〔第5の実施形態〕
図11に本発明に係る型枠ブロックのさらに異なる実施形態を示す。同型枠ブロック11は、下地パネル12の表面にタイル係止用凸条14を一定間隔を置いて形成し、各凸条14の横幅寸法をタイルの横幅寸法より短く設定すると共に、凸条14と凸条14との間にタイルの目地部が位置するように設定し、且つ、凸条14と凸条14との間隔を目地幅寸法以上に設定したところに特色を有するものである。当該凸条14は、例えばわずかにテーパ状に拡開する蟻足形のものであり、タイル裏面に形成される蟻溝状の凹部を係止させて保持できるようなされている。また下地パネル12の表面には、タイルの配設ピッチごとにタイル割付線18及び割付線を兼ねる切断線19を付してある。
【0030】
かかる構成により、本例の型枠ブロック11にあっては、下地パネル12の表面にタイルを取着した際、タイル間の目地部に凸条14が位置しないので、タイル張り構造物の施工後、タイル目地部において下地が劣化するのを抑えることができる。また、目地部において下地が目立たなくなる。さらに下地パネル12の表面に付した割付線18及び切断線19により、タイルの割り付けが容易になるという利点が得られる。
【0031】
下地パネル12の裏面には、閉塞部材の取付部、すなわち、後述するプレート材を嵌装するための溝15を、側端部近くと、切断線19を挟んでほぼ対称となる位置に形成した。かかる構成により、必要に応じ型枠ブロック11を上記切断線19で切断した場合、切断部の近くに溝15が位置するから、当該溝15に後述する連結プレート21又は閉塞部材に相当する小口塞ぎプレート22を嵌装することが可能である。従って、切断線19で型枠ブロック11を切断して幅寸法を短くしても、型枠ブロック11の取扱いが切断前と変わらないという効果が得られる。
【0032】
下地パネル12,12裏面に対向して形成した溝15,15へ嵌装されるプレート材とは、図12に示すような連結プレート21、図13に示すような小口塞ぎプレート22、図14又は図15に示すような仕切りプレート23,24等である。連結プレート21は、隣接させて配置した型枠ブロック11,11を連結するためのものであって、型枠ブロック11の側端部近くに形成した溝15内へ上記連結プレート21を嵌装することにより、隣接させた型枠ブロック11を連結することが可能である。型枠ブロック11の側端部にタイルを取着して仕上げ面とする場合は、上記連結プレート21に代え、図13に示すような凸条14を表面に形成した下地板22aを有する小口塞ぎプレート22を、側端部近くの溝15に装着する。これにより、基体の小口面にタイルを貼着することが可能となる。仕切りプレート23(24)は、型枠ブロック11の中間部に嵌装して、補強材となるものである。また型枠ブロック11内における支柱材が挿入される空間と、コンクリートが打設される空間とを区画するものである。なお前記プレート材21乃至24は、上下に積み重ねた型枠ブロック11,11の双方へ共通して嵌装し得るような形状に製作されている。しかるに、基体の最上部及び必要により最下部に装着されるプレート材については、横半分に切断した形状のものを使用すればよい。また本実施形態では、型枠ブロック11内に鉄筋コンクリートを打設する場合を考慮して、連結プレート21及び仕切りプレート23,24の下側部分に切欠30又は切断可能線31を設けた。鉄筋をプレート材の切欠30に挿通させるか、又は、プレート材の下部を切除することにより、型枠ブロック11内に鉄筋の配設が可能となる。
【0033】
下地パネル12裏面には、型枠ブロック11内へ挿入される支柱材を保持するための保持段部16が設けられている。型枠ブロック11を複数段積み重ねて基体を構築する場合、内部へ支柱材を挿入するのが強度面から見て好ましい。下地パネル12の裏面に設けた保持段部16は、型枠ブロック11内へ挿入した支柱材を安定して保持できるものであればよく、その形態は特に限定されない。
【0034】
下地パネル12の上端部及び下端部には、型枠ブロック11を上下に積み重ねた際に、互いに嵌合する凸部17と凹部(図示せず)とが設けられる。凸部17と凹部(図示せず)とを、型枠ブロック11を上下に積み重ねる際に嵌合させることにより、段積み状態を安定させることができる。また、上端部の凸部17の途中に位置ずれ阻止手段として突出部17aを形成すると共に、下端部の凹部にこの突出部17aに対応する窪みを形成して、上下の型枠ブロック11が左右の横方向に位置ずれを起こすのを阻止している。なお本例では、上記突出部17aを切断線19を挟んだ対称な位置へ溝15と表裏一体に形成して、型枠ブロック11を切断線19で切断したときに、切断前後で型枠ブロック11の取扱いが変わらないようにしてある。但し突出部17aの形成位置は、必ずしも限定されるものではない。
【0035】
ところで型枠ブロック11内にコンクリートを打設する場合、図16に示す如く、隣接する型枠ブロック11の接続箇所にコンクリートの漏出防止テープ30を貼着する。本例の型枠ブロック11は、型枠ブロック11,11を連設したときに、隣接する凸条14と凸条14との間に目地幅以上の間隔が形成されるように設定されているので、上記漏出防止テープ30を貼着し易いという利点を有している。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、タイル張りした塀や門などの構造物を施工するにあたり、型枠ブロックを用いることにより、熟練を要せずに短期間で基体を構築することができるから、施工日数の短縮化を図れる。また、タイルモジュールとの整合性が確実に且つ容易に得られるので、タイル切断作業を皆無または最小限とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態に関するものであって、タイル張り構造物の一例を示す平面図である。
【図2】 本発明の第1の実施形態に関するものであって、型枠ブロックの側端部に閉塞部材を取り付けた状態を拡大して示す要部の平面断面図である。
【図3】 本発明の第1の実施形態に関するものであって、横幅寸法の異なる構造物を得る要領を説明する平面図である。
【図4】 本発明の第2の実施形態に関するものであって、タイル張り構造物の一例を示す平面図である。
【図5】 本発明の第2の実施形態に関するものであって、型枠ブロックの側端部に閉塞部材を取り付けた状態を拡大して示す要部の平面断面図である。
【図6】 本発明の第3の実施形態に関するものであって、タイル張り構造物の一例を示す平面図である。
【図7】 本発明の第3の実施形態に関するものであって、型枠ブロックの側端部にコーナー部材を取り付けた状態を拡大して示す要部の平面断面図である。
【図8】 本発明の第3の実施形態に関するものであって、長さ寸法の異なる構造物を得る要領を説明する平面図である。
【図9】 本発明の第4の実施形態に関するものであって、タイル張り構造物の一例を示す平面図である。
【図10】 本発明の第4の実施形態に関するものであって、隅部を有するタイル張り構造物の一例を示す平面図である。
【図11】 本発明の第5の実施形態に関するものであって、図(A)は型枠ブロックの斜視図、図(B)は同型枠ブロックの平面図である。
【図12】 本発明に係る型枠ブロックに用いる連結プレートの一例を示す斜視図であって、図(A)は切断可能線を設けたもの、図(B)は切欠を形成したものである。
【図13】 本発明に係る型枠ブロックに用いる小口塞ぎプレートの一例を示すものであって、図(A)は裏面側から見た斜視図、図(B)は表面側から見た斜視図である。
【図14】 本発明に係る型枠ブロックに用いる仕切りプレートの一例を示す斜視図であって、図(A)は裏面側から見た斜視図、図(B)は表面側から見た斜視図である。
【図15】 本発明に係る型枠ブロックに用いる仕切りプレートの他の例を示す斜視図であって、図(A)は裏面側から見た斜視図、図(B)は表面側から見た斜視図である。
【図16】 本発明の第5の実施形態に関するものであって、図(A)は2つの型枠ブロックを連設した状態を示す平面図、図(B)は同連設状態の正面図である。
【符号の説明】
1…タイル張り構造物 2…閉塞部材 3…型枠ブロック 4…下地パネル 5…連結材 6…取付部 7…基体 10…コーナー部材 11…型枠ブロック
12…下地パネル 13…連結部材 14…凸条 15…溝 16…保持段部
17…凸部 17a…突出部 18…割付線 19…切断線 20…型枠ブロック 21…連結プレート 22…小口塞ぎプレート 22a…下地板 23…仕切りプレート 24…仕切りプレート 30…切欠 31…切断可能線 C…角部 D…型枠ブロックの厚み寸法 E…型枠ブロックの横幅寸法 J…基体の出隅側の面の長さ寸法 K…コーナー部材の突出長さ寸法 L…平タイルの横幅寸法 M…目地幅寸法 S…目地 Ta…平タイル Tb…曲がりタイル W…閉塞部材の閉塞厚み寸法 X…型枠ブロックの長さ寸法 Y…型枠ブロックの厚み寸法 f…曲がりタイルの短手方向の内寸 g…曲がりタイルの長手方向の内寸

Claims (4)

  1. タイル張り構造物を構築するための型枠ブロックであって、適宜間隔を置いて配置した下地パネルを連結材により連結して成り、横幅寸法がタイルモジュールと整合性を持つ寸法に設定され、当該型枠ブロックの側端部を閉塞する部材の取付部が、上記側端部付近からタイル配設ピッチごとに設けられていることを特徴とする型枠ブロック。
  2. 前記下地パネルの少なくとも一方の表面にタイルを係止させる凸部が一定間隔で形成され、当該凸部の幅寸法がタイルの幅寸法以下に設定され、上記凸部の非形成領域が前記下地パネルの側端部からタイル配設ピッチごとに形成され、上記凸部の非形成領域の幅寸法が目地幅寸法以上に設定されている請求項1に記載の型枠ブロック。
  3. 請求項1に記載の型枠ブロックの側端部に閉塞部材を取り付けて角部を形成し、当該角部に曲がりタイルが取り付けられるタイル張り構造物であって、取付状態における前記閉塞部材が下地パネルの側端面より突出する部分の閉塞厚み寸法が、前記曲がりタイルの短手方向又は長手方向のいずれか一方の内寸とタイル目地幅の半分の寸法との和となるように設定されていることを特徴とするタイル張り構造物。
  4. 請求項1に記載の型枠ブロックの側端部にコーナー部材を取り付けて角部を形成し、当該角部に曲がりタイルが取り付けられるタイル張り構造物であって、取付状態の前記コーナー部材が出隅側において下地パネルの側端面より突出する部分の寸法が、タイル配設ピッチの整数倍に請求項3に記載する前記閉塞厚み寸法を加えた値となるように設定されていることを特徴とするタイル張り構造物。
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